海老蔵の獲れ高のないブログにリクエスト、お題は「段ボールの中身」

ebizo_blog.jpg
市川海老蔵公式ブログより

――毒舌コラムニスト・今井舞が、話題のアノ人物やアノニュースをズバッとヒトコトで斬り捨てる!

◎ジリ貧一直線の海老蔵ブログ
「最近の悩みが、ずっとある」か。また1つ、今年の流行語大賞候補の誕生である。「文章がヘタ」ということ以外、ほとんど獲れ高のない海老蔵のブログ。始めた途端、1日に何回も更新、思いついたことしか書いてない、内容スカスカ、と、徐々に更新がおろそかになっていくブログの典型例。タイトルもダサいし。

 そんなつまんない話より、海老蔵よ、お前んとこにある頂き物の食べ物のことを教えてくれないか。果物、肉、菓子、お取り寄せ鍋セット……。デパートとか通販とかで、目ん玉が飛び出るような値段の高級食材見るたび、「海老蔵んちにありそうだな」といつも思う。農家が自分用に作ってる無農薬の作物とか、蔵元がお得意さんだけにしか回さない生造りの酒とか、金をいくら出しても買えない、一般には出回らない極上品の話を聞くたび、脳裏に浮かぶのは、あの段ボールやら紙袋が雑多に積んである、海老蔵んちのリビングの光景だ。そういうの、いろんなとこからもらい過ぎて、持て余して人にあげたり、ちょっと腐らせたりしてんだろうな。そんな、家にある至極の逸品の数々をぜひぜひ報告して欲しいのだ。1日1品は何か届くだろ。それそれ。タイトルも、「エビざ」に変更だ。

ジャッキー・チェン“最後のノースタント・アクション”を見届けよ!『ライジング・ドラゴン』

jcmovie.jpg
(C)2012 Jackie & JJ International Limited, 
Huayi Brothers Media Corporation and Emperor Film Production Company Limited
All rights reserved
 今週紹介する新作映画2本は、香港・中国合作の冒険アクションと、英国発の人生賛歌。ジャンルもテーマも異なるが、共にベテラン俳優が監督を手がけた作品でもある。  4月13日に封切られる『ライジング・ドラゴン』は、ジャッキー・チェンが監督・製作・脚本・主演を務め、伝説の秘宝をめぐって繰り広げる冒険を描いたアクションアドベンチャー。中国・清王朝時代に諸外国から略奪された十二支のブロンズ像を集めるため、あるアンティーク取引業大手がトレジャーハンターのJC(ジャッキー・チェン)を雇う。カンフーの達人で超人的な身体能力を持つJCは、チームを結成し秘宝を求めて世界を駆けめぐるが、行く先々で強敵に遭遇する。  『ドランク・モンキー 酔拳』(78)以来、30年を超える映画活動の総決算として、ジャッキーが自ら「最後のノースタント・アクション」を宣言した超大作。スピーディーな拳と蹴りにユーモラスな挙動も織り交ぜたお馴染みのカンフーはもちろん、ローラーブレード・スーツで腹ばいになって山腹の下り坂を滑降するシーンや、パラグライダー、クライマックスのスカイダイビングまで、文字通り体を張ったアクションが目白押し。従来のジャッキー映画のフォーマットに、『ミッション:インポッシブル』と『パイレーツ・オブ・カリビアン』両シリーズの要素もちゃっかり取り込み、見どころ3倍の娯楽活劇となった。1954年生まれ、現在59歳とはとても思えない離れ業の数々もこれがラスト。お約束のエンドロールのNGシーン集まで、しっかり見届けたい。  続いて、4月19日公開の『カルテット!人生のオペラハウス』は、名優ダスティン・ホフマンによる初監督作品。英国の田園地方に立地し、引退した音楽家たちが暮らす「ビーチャム・ハウス」で、穏やかに余生を送るレジー(トム・コートネイ)ら昔のカルテットメンバー3人。だが、かつての仲間であり、野心家でエゴイストだったため皆を傷つけ疎遠になっていたジーン(マギー・スミス)が新たに入居してくる。近く開かれるコンサートが成功しなければハウス閉鎖という危機を迎え、伝説のカルテット復活に皆の期待が集まるが……。  『戦場のピアニスト』(02)、『潜水服は蝶の夢を見る』(07)などで知られる脚本家のロナルド・ハーウッドによる戯曲を映画化。舞台となる元音楽家向けの老人ホームは、手入れの行き届いた庭園と緑豊かな丘陵に囲まれた上流階級の屋敷といった風情で、思わず羨望のため息が出てしまう。施設の住人たちに本物のオペラ歌手や演奏家を多数起用したのも話題で、彼らによるくつろいだ雰囲気でのパフォーマンスも音楽ファンにはたまらない。老いの悲喜劇をユーモアで包み、「年を重ねるのも悪くないな」と思わせてくれる滋味豊かな逸品だ。 (文=映画.com編集スタッフ・高森郁哉) 『ライジング・ドラゴン』作品情報 <http://eiga.com/movie/77834/> 『カルテット!人生のオペラハウス』作品情報 <http://eiga.com/movie/77846/>

村上春樹新刊イベント、「本の内容大妄想大会」「ハルキスト極寒に締め出し」の不条理

<p> 「出版不況」といわれて久しい。以前は、「持ち運べる手軽な娯楽」の地位を独占していた書籍や雑誌が、今やスマホにすっかりその地位を明け渡していることからもよくわかる。そこへ、村上春樹大先生が、ひとつ新作を出すとポツリと告知された。タイトルは『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』(文藝春秋)だそうだ。それだけで毎日のように発売前なのに「重版かかった」だの「50万部」だのとニュースになり、大フィーバーである。なんか出版界に舞い降りた救世主って感じ。</p>

デキ婚した弟の嫁、妊娠なんかしてなかった! 食い潰した怒りで逆襲!

【作品名】『のっとり』(後編) 【作者】桐野さおり 『ご近所の悪いうわさ』2013年2月号収録

【作品紹介】女手ひとつで育ててきた弟が、突然デキ婚。なぜか嫁とその姉とも同居することになったけど、この姉妹が非常識すぎる! 家事やらない、化粧品使い放題、食器汚し放題、挙げ句に貯金ドロボーまで! 家を乗っ取られた小姑が、寄生虫嫁姉妹に怒りの逆襲。

【サイゾーウーマンリコメンド】あ~~こりゃムカツくわ~~。妊娠したふりに引っ掛かった弟のアホさも相当な問題点だけど、勝手に化粧品使い続けて「桃子のシャンプー私の髪質に合うんだもの 化粧水もSKIIIとまではいかないけど」って言い放つ女ってどうなのよーーー! うちの姉ちゃんと性格そっくりじゃないの~(泣)

(前編はこちら)

読モと竿姉妹がご対~面! 童貞の夢を打ち砕く、「men’s egg」セキララ性生活

menzsi0412.jpg
 新年度のスタート! 今まではクソムシのように扱われていたキミも、イメージチェンジして一発逆転を狙えるチャンスですよ。ボクと一緒にメンズファッション誌を読んで、新学期・進学デビューをしましょう!  ……まあ、今回もファッション的な記事にはほとんど触れてませんが。 【3月のメンズファッション誌・激ヤバ企画ランキング】 1位「神マンアーカイブス・竿姉妹ご対面SP」(men's egg 」5月号) 2位「SとMで悦ばせ方はこんなに違う!! ENJOY HOW TO SEX」(「キラリ!」4月号) 3位ストリート・スナップのキャッチフレーズ対決(「MEN'S KNUCKLE」5月号)(「Men's SPIDER」5月号) ■ストスナ・キャッチフレーズに新星登場!?  「ガイアが俺にもっと輝けと囁いている」などに代表されるカッコよすぎるキャッチフレーズでおなじみの「MEN'S KNUCKLE」のストリート・スナップ。本連載でもちょいちょい紹介していますが、最近ちょっとパワー不足かな……と思っていたところ、メンナクを超えるキレキレなキャッチフレーズ満載の雑誌が現れたのです。  その雑誌とは『ゴルゴ13』でおなじみの出版社・リイド社から発行されている「Men's SPIDER」。メンナクがお兄系のファッション誌なのに対し、メンスパはVホス系。要するに、ビジュアル系バンドマンやホストのようなファッションを多数掲載しているファッション誌なのですが、実はこのメンスパ、元々メンナクのプロデューサーでもあった鮎川優氏が新たに立ち上げた雑誌なんですよね。ある意味、同じDNAを持つ兄弟誌ともいえるんじゃないでしょうか。  そんな両誌のストリート・スナップに添えられたキャッチフレーズを比較してみましょう。  まずは「MEN'S KNUCKLE」から。 「お前ら覚えておけ、オレがムックンだと!」(ムックン……誰だよ!?) 「誰がなんと言おうと高校の体育教師に俺はなる!」(うん、なったほうがいいよ、手堅そうだし。ファッションなんかにうつつを抜かしてないで勉強すべし!) 「資金を貯めて必ず豪華な結婚式をしてみせるぜ…!」(真面目?) 「福島から片道5時間、渋谷に「粋」を届ける男」(片道5時間ってことは高速バスですね。ストリート・スナップのために通ってるのかな? 大変……)  なんちゅうか……全盛期のイケイケだったノリから、比べるとちょっと野暮ったくなってる感じがします。「体育教師」とか「豪華な結婚式」「片道5時間」と、どーにもこーにも田舎ヤンキーのニオイが漏れ出しちゃってるんですよね。  続いて「Men's SPIDER」。 「日本の経済はオレノミクスでまわっている」(意味はまったく分からないが、とにかくいい響き!) 「聞こえないか、ガイアの激しい鼓動が!!」(ちょっとメンナクのパクリっぽいですが) 「ついにオレはファッションサイボーグと化す」(ファッションモンスターならぬファッションサイボーグ!) 「常にライバルはジョニーデップと決めている」(地獄のミサワ的……) 「いつか出会う君主のために己を鍛え続ける」(彼の職業は「土木」とのこと。親方がアナタの君主なのでは?)  やはりメンスパの方がフレーズにキレがある! 今、ノリに乗っている感じがしますね。  さらに特徴的なのが、メンスパのストリート・スナップには時々ホントーの子どもが混ざっているということ(もちろんホストっぽい格好をしている)。そんな子どもたちにつけられたキャッチフレーズがこちら。 mennnaku0412.jpg 「10年後、オレはメンスパの頂点に立つぜ」(職業「保育園児」) 「キッズだって胸元のオシャレは欠かさないぜ」(職業「赤ちゃん」! キッズというか、ベイビーだよ) 「特技は三輪車。私と恋のツーリング行こっ!」(職業「魔の2歳児」)  たぶん、Vホス系なヤンパパ、ヤンママがムリヤリそういう格好させて連れてきてるだけなんでしょうけど、親子二代で参加してしまう辺りからもメンスパのイキオイを感じます。  これは元祖・すごいキャッチフレーズのメンナクも負けていられないでしょう。両誌のキャッチフレーズ対決。今後も注目していきますよ! ■スパンキングは、ほどほどに!  中学~高校生くらいの男子をターゲットにしていると思われる、サワヤカ系ファッション誌「キラリ!」。今号も「はじめてのピアスでおしゃれデビュー!!」「新学期はおもしろ雑貨で目立ち度UP」など、初々しすぎてグッとくる特集がめじろ押し。  中でも思わず読みふけってしまったのが「春だ!!ヘアサロンを100倍楽しむ!!」。まだヘアサロンに行ったことがない男の子たちのために、ヘアサロンは予約をしたほうがいいのか、うまくイメージを伝えるにはどうしたらいいのか、切ってる最中トイレに行きたくなったら……など、気になる疑問を解説してくれています。  かくいうボクも、ヘアサロンなんちゅうものには行ったことがないので「ほーほー、こういうシステムになっているのか。こりゃ一丁ボクも行ってみるかな」と興味深く読ませてもらったんですが「料金の仕組みを理解しよう!」という項目でヘアサロンの値段の一例として紹介されていたのが、カット+ダブルカラーで2万4255円! えーっ、ヘアサロンってそんなにすんの!? ……ボクはまだ当分、高円寺のジプシーウェイ(1000円カット)でいいっすわ。  ま、そんなサワヤカ企画の中に、いきなりエロ特集をぶっ込んでくるのが「キラリ!」のお約束なんですけど、今回ぶっ込まれたエロ特集は「SとMで悦ばせ方はこんなに違う!! ENJOY HOW TO SEX」。要はS女、M女それぞれに対するSEXマニュアルです。 kirari0412.jpg  しかしこのマニュアル、紹介されている内容が極端過ぎます。たとえばM女とSEXする際の豆知識として挙げられているのが「スパンキングはほどほどに!」……スパンキングってそんなにフツーにやるプレイですかね? さらにコードレスローターを使用する「トビッコプレイ」の項では、「人ごみの中で行うのが主流」との解説が。  そしてS女対策では、イカせるための「最強体位」として紹介されているのが、正常位→側位→バック→正常位→座位→騎乗位→正常位……というローテーション。こんなにコロコロ体位を変えなきゃいけないなんて……め、めんどくせぇ! 「はじめてのピアスでおしゃれデビュー!!」しようとしているような読者たちには、ちょっとハイレベル過ぎる内容なのではないでしょうか?  しかし、これらのテクニックもお相手をする女の子がSかMどっちタイプだか分からなければ、活用しようがないってものですよね。この特集では、SかMかの見分け方もちゃんとフォローしてくれています。その極意が……。 「普段と逆だと思っておけば間違いなし」  Mっぽい、おとなしくて甘えん坊そうな子ほどSに。ツンツンしているSっぽい子ほど実はM、とのこと。うーん、漫画やアニメの見過ぎじゃないかい? ■まさかの竿姉妹&ヤッた男による対談企画  「キラリ!」が童貞男子に向けた感じの、どことなく机上の空論感の漂う、夢のあるエロ特集を組んでいるのに対し、容赦なくリアルなドエロ企画を繰り出しているのが我らが「men's egg」!  「女の子を喜ばせる“ちょい足し”SEXマニュアル」では、のっけからマンコ模型の写真を使って、クリトリスや膣口、Gスポットの位置を解説し、クンニ力アップのために冷奴を崩さないように舐めまくる(絹ごし豆腐がベスト!)というトレーニングを勧めています。うん、実用性は高いのかもしれないけど、夢はないですな。  さらに、SEXを盛り上げるちょい足しテクニックとして紹介されているのが「マンコが濡れにくい時は、水やツバなどの水分をチョイ足し」って……。童貞が読んだら、SEXに対する夢も希望も打ち砕かれちゃいそうな特集ですよ。 menegu0412.jpg  それに輪をかけてリアル&下世話なのが「神マンアーカイブス・竿姉妹ご対面SP」。メンエグの読モとヤッたことがあるという女子各2人(竿姉妹)と、ヤッた当人の読モが「性生活丸裸トーク」を繰り広げる信じられない企画。同じ男(読モ)にヤラれた女たちが「電話中に手マンされた」「私はいつも縛られていた」「手マンが鬼のように速かった」「泣くまでフェラさせられた」……と、男の性癖をバラしまくっております。  本連載でも毎回注目している変態読モ・たあはむに至っては「私が乳首を責めた時にはキャンキャン言ってたよ」「私をイカせるために頑張るんだけど、空回りしてメチャ遅い!」「あんな濃い顔してチンコ小さいし、その上に遅漏」などと言われたい放題。昔ヤッた女たちが集まって、自分のSEX話でこんなふうに盛り上がっていたとしたら……死にたいです!  竿姉妹のほうはさすがにマスクをして顔を隠してはいるものの、よくも呼ばれてホイホイ出てきたなと……。そして、読モはもちろん顔丸出し。この特集、誰になんのメリットがあってやってるんでしょうか。……まあ読んでる方は面白いけど。  さらに女側からも、読モを食い荒らしている最強のヤリマンが登場し「プロ級のテクニック」「コイツのピストンは痛かった」「まさかの赤ちゃんプレイでドン引き」などと、今までにヤッた読モのSEXをぶった切りまくり。「未遂に終わったヤツら」で紹介されている「トイレで襲おうとしてきた、バカ企画で一緒になることが多いTくん」って、おそらくたあはむのことでしょ?  ちなみにこのヤリマンお姉さん、一回ヤッた人には興味ナシなので、毎回ヤリ捨てとのこと。うーん、メンエグ界隈は男も女もスゴイです。 (文=北村ヂン)

ビヨンセ&ジェイ・Zのキューバ渡航に大統領が関与? 新曲発表で騒動に

jeyz01.jpg
世帯年収77億円だと、足首掴むようになるんだゼ

 世帯年収は7,800万ドル(77億円)、「世界で最も稼ぐカップル」として名高いビヨンセとジェイ・Z。向かうところ敵なしの最強夫婦は、結婚5周年を迎え、記念にと親族や友人を引き連れキューバ観光を楽しんだ。手をつないで首都ハバナの町を練り歩いたり、食事会でビヨンセがサルサを披露したり、アニバーサリー・バケーションを満喫した2人だったが、このことが今、アメリカで大きな物議を醸している。なぜなら、アメリカ政府は経済制裁を科しているキューバへ観光目的の渡航を禁じているからだ。2人は財務省から渡航許可を得たと報じられたが、ジェイは11日にリリースした新曲のリリックで、まるで、オバマ大統領の力添えを得てキューバに行ったようにラップし、さらなる論議を巻き起こしている。

 アメリカは1961年、カストロ政権が実施したアメリカ企業にとって不利になる改革措置に反発し、キューバとの国交を断絶。キューバは、大国アメリカに立ち向かうため、旧ソ連と手を組み、核戦争に発展しかねない“キューバ危機”を招いた。当時のケネディ米大統領とソ連のフルシチョフ首相の協議により、最悪の事態は回避できたが、アメリカとキューバの関係は修復不可能なまでに冷えきり、以後、外交関係を断絶している。

「笑いなき芸人ラジオ」という前代未聞の問題作『ダイノジ 大谷ノブ彦のオールナイトニッポン』

dainojiradio.jpg
ダイノジ大谷のオールナイトニッポン
しゃべりと笑いと音楽があふれる“少数派”メディアの魅力を再発掘! ラジオ好きライターが贈る、必聴ラジオコラム。  パーソナリティー本人も繰り返しその言葉を口にするように、とにかく「熱い」ラジオである。だが、「熱さ」と「面白さ」は、必ずしも直結するものではない。すべてはその熱がどう生まれ、どう使われるかによる。そして熱さとは、すなわち危うさでもある。 『ダイノジ 大谷ノブ彦のオールナイトニッポン』(ニッポン放送 毎週水曜深夜1:00~3:00)は、この4月改編の目玉のひとつである。芸歴を重ねた中堅芸人が、2月に放送された『オールナイトニッポンR』ただ一回を経て『ANN』1部のレギュラーを任されるというのは、大谷自身が「2部でも大抜擢」と言うほどの快挙である。ではなぜそれほどの厚遇を、彼は受けることになったのか。それは一重に、番組のコンセプトが非常にわかりやすく、狙いが定まっていたからだろう。  この番組が掲げているコンセプトは、「洋楽で世界を変えるラジオ番組」。そしてその根底にある武器は、パーソナリティーが好きなものを語る「熱量」である。この2つの要素はいずれも、本来の芸人ラジオにはちょうど欠けている部分だろう。前者に関しては、当然だが芸人のラジオは音楽評論家のラジオではないので、芸人ラジオとしては新たな試みに映る。そして後者の「熱量」に関しては、皮肉にもちょうど裏番組を担当する南海キャンディーズ山里亮太は、時に好きなアイドルについて熱く語ることがあるが、その中には必ず自分自身をも冷笑する冷めた視点が所々登場し、その熱は自虐的な笑いへと昇華される。つまり、芸人ラジオの中で珍しく熱さを感じさせる山里のラジオであっても、結果として熱さ一辺倒ではなく、主観的な熱さと客観的な冷静さの間から笑いが生まれる構造になっている。  だが『ANN』における大谷のトークには、その笑いという要素が、まったくといっていいほど登場しない。むしろ笑いを省くことで熱量をキープしている節があり、結果として芸人のラジオに期待すべき最大の長所が失われている。つまり「洋楽」と「熱量」という、ほかの芸人とかぶらない要素を生かすために、芸人本来の武器であるところの「笑い」を、芸人がすっかり手放してしまっているのである。  もちろん、裏番組の『JUNK』が世の中を冷たく笑う姿勢(というか、笑いとは本来そういうものである)で勝利している中で、そこに対するカウンターとして、別の武器を持って戦いたくなる気持ちは理解できる。誰もが希望を欲しがっている世の中で、音楽を通じて希望を熱く語るというのは、企画書的には完璧なプランであるように思える。だが、熱さとはつまり押しつけがましさでもあり、パーソナリティーが希望を語れば聴き手も希望的な気分に、熱く語れば聴き手も熱い気分になれるというわけではない。パーソナリティーとリスナーの関係とは、いやそれ以前に人間同士の関係とは、そこまで単純な反応で出来上がっているものではない。そのやり方が通用するならば、この世から熱血教師の言うことをきかない生徒は誰ひとりいなくなり、一瞬にして世界に平和が訪れるはずだ。  たしかに、リスナーに自らを「ボス」と呼ばせ、ラジオの向こうに「キミ」「お前ら」「10代のみんな」と話しかけ、母子家庭で母親が心中を常に考えていたという自らの不遇な少年時代を前向きに語り、「夢中になれるものを見つけてほしい」「世界を変える」「世界をひっくり返す」という刺激の強いポジティブ・ワードを連発する大谷のスタンスは、一部の若者を扇情するだろう。だがその裏には、「夢を持て」と言われても夢なんて信用できず、親や教師が押しつけてくる非現実的な希望的観測など聴きたくもないという人間がたくさんいる。そしてそういった、世の中と相容れない気持ちを抱えた人間が深夜ラジオのリスナーには特に多く、だからこそビートたけしや伊集院光をはじめ、深夜の芸人ラジオは一般社会に向けて放たれるその毒により、数多のリスナーを獲得してきた。  もちろん彼らが放ってきた毒は、実のところわざと斜に構えて気張った毒でもなんでもなく、本当は鋭利な「真実」でしかない。世の中というのは本来的に童話『裸の王様』のような構造になっていて、本当のことを口にするとそれが自動的に毒舌になってしまうという、避けがたい「ねじれ」を持っている。ビートたけしが「赤信号、みんなで渡れば怖くない」といって愛されたのは、それが前向きな言葉だからではなく、むしろ親や教師が絶対に言わないはずの、反社会的でありながら世の中の真実を射抜く言葉であったからだ。そしてたけしがそうやって真実=毒を吐くことで、世間に「本当のことを言ってもいいんだ」という自由な空気が広がっていく。笑いというのはそうやって逆説的に人の気持ちを動かして世の中の風通しを良くする力を間違いなく持っていて、それは単にポジティブな言葉でポジティブな世界を作ろうとするよりもはるかに説得力がある。  大谷は、番組初回冒頭からビートたけしへのリスペクトを表明していた。無論、だからといってたけしと同じことをしても意味はないが、とことんまで笑いにこだわり続ける姿勢がなければ、芸人としてラジオをやる意味はないのではないか。どんなに無名な洋楽アーティストの話であっても、音楽評論家の視点で、音楽評論の言葉で語るのではなく、芸人ならではの切り口と言葉で笑いに昇華してみせる――そこまでいけば本当に誰もやっていない境地にたどり着けるはずだが、誰もやっていないということは、つまり恐ろしく難しいということでもある。しかし、それくらいの覚悟がなければ、コンセプトありきで洋楽を持ち出すべきではない。今後、この番組内で笑いと音楽評論が結びつくことがあるのかどうか。そもそもそんな気など現時点ではないのだろうが、やるならそこを目指して突っ走ってほしいというのが、芸人ラジオを愛する者としての切なる願いである。 (文=井上智公<http://arsenal4.blog65.fc2.com/>) 「逆にラジオ」過去記事はこちらから

乙武洋匡さんに聞く、ぶっちゃけ結婚ってどうですか?

ototake01.jpg
意外にも結婚は見切り発車だったと
話す乙武洋匡さん
結婚――それは独身時代に抱いていた“理想”を壊し合う作業から始まる、超現実的な「生活」の日々。まったく違う人生を歩んできた2人が“夫婦になる”ためには、どんな試練が待ち構えるの!? ぶっちゃけ結婚ってどうですか? ――現在、2児の父親である乙武洋匡さんは、24歳で結婚しました(当時、夫人は22歳)。今年で結婚13年目。お互い、どこに惹かれ合ったのでしょうか。 乙武洋匡氏(以下、乙武)僕はもともと、自分に自信のない人・暗い人・僕に興味がない人という3拍子揃った人が好きなタイプだったんです。なんとなく、彼女はそういうタイプかなあと(笑)。 ――外交的な乙武さんとしては、好きなタイプが意外ですね。 乙武 そういうタイプの人といると、居心地がいいんですよ。妻はぐうたらしてるのが好きな人で、子どもが生まれる前までは、昼過ぎまで起きてこないこともよくありました。なので、僕はしょっちゅう餓死しかけてました(笑)。まあ、僕はチャキチャキ家事することをパートナーに求めてないので、特に不満はなかったし、むしろぐうたらしている彼女に居心地のよさを感じていました。 ――朝起きたら奥さんのおいしい手料理が並んで……など、理想の家庭像は? 乙武 一切ないです。理想って、僕は前よりも後ろに位置していたらいいなと思ってるんです。理想が前にあると「こんなはずじゃなかった」と思っちゃうじゃないですか。それはプラスにならない。毎日お互いを思いやって精いっぱい生きた結果、後ろにできるものが理想。そういう夫婦でありたいと、結婚当初から意識していました。 ――結婚当時、子どもはいつぐらいに欲しいかなどのライフプランは考えていましたか。 乙武 僕はすぐにでも欲しかったのですが、妻は「欲しくない」ということだったので、「5年後にまた話し合おう」と決めました。実は結婚自体、肝臓がんで闘病中だった親父を安心させたいという思いから決断した見切り発車的なものでもあったので、まあ子どもに関しては、そんなに焦る必要もないのかなと。親父は僕らが入籍した後、ひと月半後に亡くなりました。 ――その後、お子さん2人に恵まれました。奥さんを、どのように説得したんですか。 乙武 特に説得はしてません。5年たって彼女が27歳になった時、自然と「子どもがいてもいいな」という気持ちになったみたいで。でも、子どもに僕の障害が遺伝したらどうしようと、不安に思う気持ちはあったみたいです。それは「こういう体だとかわいそう」という意味ではなく、僕の世話をしながら障害のある子どもを育てるとなると、物理的に家が回らないのではないかという現実的な話です。万が一遺伝したら、彼女1人に負担がかかる。「僕も手伝うから」なんて無責任なことは言えないので、「そこは考えて」と彼女の判断に任せました。 ――子どもが生まれた後、夫婦がもめやすい点は教育の方針だと思いますが、乙武家ではいかがですか。 乙武 方針は基本的に同じです。食い違っても、2人で話し合います。家に帰ると妻が「今日、こんなことがあって、こう対応をした」と報告してくれますし、出張中でも電話やメールで連絡が来るので、それに対して「それはよかったね」とか「次はこうしてみるといいかもね」などと返答しています。妻も「ただしゃべりたい」というだけの時もあるので、そういう時は聞き流してますけど(笑)。 ――夫婦で話し合う際のルールはありますか。 乙武 夫が子育てについて意見すると、主婦である妻は「そうはいっても四六時中一緒にいるのは私だし、言葉通りできたら苦労しないわよ」と感じると思うんですね。だから、何か言う時は「僕はあなたほど子どもと一緒にいるわけではないから何を言っても理想論かもしれないけど、少し距離がある人間だからこそ見えるものもあると思うから、参考意見として聞いてもらえたら」という言い方をするように心がけています。  男性はプライドを捨てた方がいいですね。だいたい女性が言うことの方が正しいことが多いんですよ(笑)。自分で間違っているとわかっていても、女性に言い負かされたり、自分の非を認めることが男性は苦手。プライドを捨てて、夫婦のため、あるいは子どもの健全な成長のためにどちらの言っていることがプラスになるか、冷静に考えるように僕はしています。  例えば料理で「おいしくない」と感じたとしても、「まずい」とそのまま言ったらカチンとくるでしょう。いったん「おいしかった」と肯定した上で、「次はもうちょっと塩を濃くしてみると、もっとおいしいかもね」という言い方をします。その方が相手は抵抗なく受け入れやすい。妻を思う気持ちがあるから、自然と思いやりのある言い方を心がけているのだと思います……なんて言うと、ちょっと気持ち悪いですが(笑)。   ――そういうふうに互いに認め合うことが、結婚生活を続ける上でのポイントかもしれません。 乙武 うちは性格が正反対なので、かえって互いにリスペクトする気持ちがあるんです。例えば、妻は僕のように外を飛び回って人前で話をすることが絶対にできない内向的な性格なので、僕をリスペクトしてくれてるし、僕は家事と育児は物理的にできないし、たとえ手足があっても家の中でじっとしてることが性格的にできない。だから、妻をリスペクトしています。  外で働くにしても、家事育児にしても、どちらも楽なわけない。自分のことしか見えないと「なんでこの大変さをわかってくれないんだろう」と不満がたまってしまいますよね。それで、相手の立場を考えずにその不満や愚痴をぶつけてしまうと、衝突するのかもしれません。  ただ、一般的に共働き夫婦では、奥さんが働いているにもかかわらず旦那さんより家事や育児を負担しているケースが多くあって、奥さんの不満がたまる傾向にある気がします。それはフェアじゃない。 ――妻の負担が大きくなるのは、夫が育ってきた家庭において母親が専業主婦で、それが当たり前だと思い込んでいるからかもしれません。夫は、その価値観が刷り込まれていることに気づいていない。 乙武 いや、多分気づいているけど、甘えているんでしょうね。奥さんが働いてきて疲れているのはわかるけど、その点は突き詰めずに、「なあなあのまま行きたい」というのが男の本音だと思います。2人とも働いているなら、家事も育児も分担すべき。僕に手足があったら、家事もしてるでしょうね。 (後編へ続く/構成 安楽由紀子) 乙武洋匡(おとたけ・ひろただ) 1976年、東京都生まれ。大学在学中に出版した『五体不満足』(講談社)がベストセラーとなる。卒業後、スポーツライターとして活躍した後、杉並区立杉並第四小学校教諭に。教員時代の経験をもとに書いた初の小説『だいじょうぶ3組』(講談社)が映画化され、自身も出演。現在、地域との結びつきを重視する「まちの保育園」の運営に携わるほか、東京都教育委員として活動している。