2010年の12月5日、マンガ・アニメの規制を画策する東京都青少年健全育成条例改正案をめぐり、「ネトウヨは財政破綻した夕張を助けに行け。雪かきして来い」との、猪瀬直樹東京都副知事(当時)によるTwitterでのつぶやきに呼応した中の一人が、キャリア20年を数える現役マンガ家の浦嶋嶺至氏。 自らの主張を都政に反映させるべく猪瀬副知事との対話を望んだ際、取材に応じる必須条件として、財政破綻で苦しむ雪深い夕張市内での雪かきを提示されたのだ。 そして、2011年1月21日に夕張市を訪問、同市の社会福祉協議会の案内で雪かきをした浦嶋氏は、翌月開催された「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」の開催期間中、再び夕張市を訪問。2012年には初監督した映画『憂恋の花』が、同映画祭にて招待上映され3度目の雪かきを体験。 以上が、“雪かき漫画家”という呼称でマスコミが浦嶋氏を取り上げた一連の経緯であったのだが、3年目にして4度目の雪かきを実行すべく、2013年1月25日に再び夕張市へと旅立ったのだった。 今回は、東日本大震災の被災地・南相馬市の子どもたちに向け、マンガやおもちゃを送る支援活動を展開する「おたぱっくQB」から、マンガ家の山本夜羽音氏が参加。同行したイラストレーターの横田守氏、道内からのボランティア3名を加えた6名によって雪かきを実行。その様子を、2011年から数えて4度目の参加となる「北方ジャーナル」のライター・小笠原淳氏が精力的に取材するという、関係者にとっては恒例となりつつある通年行事でもあるのだ。 午前10時に集合した一行は、2011年1月21日に訪れた独居老人宅を2年ぶりに再訪。玄関周りの雪かきを行った後、午後からは夕張市社会福祉事務所に隣接する倉庫の屋根に上り、幾重にも積もった雪の塊を勢いよく投げ続けていたが、雪がやまず休憩を挟んでいると聞いて、東京から現地へと電話取材を敢行した。 電話取材に応じた札幌市郊外出身の山本氏に、今回の雪かきの感想を伺ったところ、「久々の雪かき作業でしたが、日頃の体力不足を思い知らされました……夕張市は高校生の頃、野外フェスティバルに参加して以来、実に29年ぶりとなるのですが、浦嶋さんの雪かきに被災地支援を続けてきた私の活動とつながる感性を見だしたので、我が身で雪かきを体験し、それをマンガにして世に伝えることができたらと考えて参加しました」とうれしそうに述べた。
続いて3年目、4度目となる雪かきを体験した、“雪かき漫画家”の浦嶋氏に同じ質問をすると、「表現規制をめぐる騒動の渦中で、1回くらい雪かきをしただけではダメだと実感しました。まず、継続することが大切なんだという思いから実行に至ったので、爽快な気分です」。 なぜ4度目は「ゆうばり国際映画祭」の開催時期を外した日程となったのか? 「一昨年、昨年と映画祭日程と照らし合わせながら雪かきの日程を決めていましたが、初心に戻って夕張市社会福祉事務所と連携し、少しでも夕張の方々のお役に立てればと考えて、この時期を選びました。映画祭開催中は市の職員も何かと多忙なので、正解だったと思います」(浦嶋氏) マンガ家としてだけではなく、映像作家としても夕張市の方々に認識されてますよね? 「表現規制の渦中にいる一表現者として感じたことは、表現の主戦場でもあったマンガというジャンルのみではなく、映像作家として未知なる表現に挑んでみたかった。幸運なことに初監督作品が『ゆうばり国際ファンタスティック映画祭 2012」に招待されて、2作目となる監督作品も夕張市で開催された『第51回 日本SF大会 Varicon 2012』で先行上映されたことに、夕張市が結ぶ不思議な絆を人一倍感じている次第です」(同) と、長時間に渡る雪かき作業の合間にもかかわらず、昨年のインタビューよりも力強く語り、今後も一定のジャンルにとらわれず、表現の自由を実践して行きたいと結んだ。 そんな浦嶋氏渾身の最新監督作、『東京ジェネレーター』が新年早々に完成した。 その衝撃的な内容から、いまだマスコミへのリリースが差し控えられている状況なのだが、2月3日(日)の夜、いち早く新宿のネイキッドロフトにてイベント上映されることが決定した。 同イベントでは、2010年12月の表現規制をめぐって猪瀬副知事とTwitter上で激しく衝突して話題となったルポライターの昼間たかし氏がMCを担当し、雪かき初参加となったマンガ家の山本夜羽音氏による雪かきレポートを展開。 そして、2011年、2012年と2度にわたってドキュメンタリー撮影とインターネット中継を担当し、浦嶋氏の活動を記録し続けた増田俊樹監督による最新監督作『メッセージ・ソング』も、『東京ジェネレーター』と共に同時上映される。 また、話題作『まだ、人間』で監督デビューを果たした東京大学出身の松本准平氏もトークに参戦、『東京ジェネレーター』ではプロデューサーを担当した増田俊樹氏との交友から、劇中ではアナウンサー役に抜擢されて友情出演を果たしている。 さらには、浦嶋監督作品に連続出演の怪優・コンタキンテ氏も舞台挨拶に参加決定と、雪かき漫画家の周辺には個性的な面々が集結し、何かと騒がしくなっているのも事実なのだ。 イベント終了後、同店舗にて浦嶋氏や昼間氏を囲んでの交流会も予定されているので、“雪かき漫画家”と意見交換したい方々にとっては刺激的な夜となりそうだ。 <イベント案内> ●「憂恋 それは銀幕への誘い part3」 2月3日 (日)OPEN 18:00 / START 18:30 浦嶋嶺至 & 増田俊樹が贈る、最新監督作2本立て上映イベント。『メッセージ・ソング』主題歌を歌う、ル→ズビッツのVo.小林タクオ、白井愛子によるライヴあり! <第1部> 18:30-19:10 浦嶋嶺至監督作品『東京ジェネレーター』とは何か? 山本夜羽音×松本准平×増田俊樹×浦嶋嶺至 MC:昼間たかし <第2部> 19:20-21:00 『東京ジェネレーター』 監督/脚本:浦嶋嶺至 出演:大澤真一郎 大山貴華 下田早織 松本准平 増田俊樹 コンタキンテ 『メッセージ・ソング』 監督:増田俊樹 脚本:山口 夢 出演:菅原えり 上山 学 蔵田ちひろ 増田俊樹 可野浩太郎 コンタキンテ <第3部> 21:10-22:00 小林タクオ & 白井愛子『メッセージ・ソング』完成記念ライヴ!! 【出演】 浦嶋嶺至(雪かき漫画家) 増田俊樹(俳優/映画監督) 【ゲスト】 小林タクオ(もしくはル→ズビッツ) 白井愛子(歌手) 山本夜羽音(被災地支援エロマンガ家) 松本准平(映画監督) 昼間たかし(ルポライター) 他 前売 ¥1,800 / 当日 ¥2,000 (共に飲食代別) 【会場】 ネイキッドロフト TEL 03-3205-1556 東京都新宿区百人町1-5-1 百人町ビル1F http://www.loft-prj.co.jp/naked/ ※ 前売り予約はネイキッドロフト店頭電話&ウェブ予約にて 電話→ 03-3205-1556 (16:30~24:00) ウェブ→ <http://www.loft-prj.co.jp/naked/reservation/>








