辛口コーデかオバチャンか、「HERS」が五十路の“豹柄”問題に斬り込む

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「HERS」2012年12月/光文社

 なんと、今月の「HERS」(光文社)には、「女モテ」という文字がどどーんと踊っています。先月号の萬田久子さんのニューヨーク企画でクローズアップされた、「辛口スタイル」と「女から見てカッコいい人」という要素がミックスされ、今月号の特集「増えてます!女モテ『新・辛口』族」になったようです。萬田さんもアルマーニのパンツスーツを着たり、黒のドレスを着崩したりしています。

 その後も、「『新・辛口』族が同性ウケする理由」「少年風がモテる!」「関西読者の“ピリ辛化”現象をSNAP」などと、脱・可愛い系のキーワードが躍っています。

 そもそも、「女モテ」や「同性ウケ」は、女性誌全体の傾向としてはなんら珍しくはないのですが、50代向けの「HERS」は、バブル全盛期の人々が読者なので、あくまでも雑誌にはコミュニケーションの話題よりも物欲を刺激するものを求めてきました。そのため、昨今の若い女子たちが気にするほど、「HERS」読者は女目線を気にしない傾向があり、 女の友情についての特集はあっても、「女モテ」「女ウケ」に対しては、表立って取り上げたことはなかったように思われます。この「女モテ」という時代の流れを受け入れたというのは、結構な事件です。

<トピック>
◎増えてます!女モテ「新・辛口」族
◎愛される豹柄vsお出かけ迷彩
◎「4人組」なら一生つき合える

予告!サイゾーテレビ【ニコニコキングオブコメディ】第64回は6日(木)22時です

公式メルマガ始めました! キングオブコメディのガチゆるハートウォーミングトークバラエティ『ニコニコキングオブコメディ』第64回放送は、明日6日(木)22時よりお送りします! ももクロさんの紅白出場決定直後の収録となった今回ですが、自分たちのKOC優勝直後でさえこんな調子だったパーケンさんは、どんなリアクションを見せてくれるのでしょうか。一方の今野くんも、紅白出場者の発表を意外な場所で聞いていたようで……。 「うでし」では、以前番組でも話題になったあの飲み物が登場です。 ●「ニコニコキングオブコメディ」アーカイブ集 http://www.cyzo.com/2010/08/post_5162.html ●サイゾーテレビ http://ch.nicovideo.jp/channel/ch3120 ●サイゾーテレビ on Twitter http://twitter.com/cyzoTV 上の動画は、前回分。
2011年10月4日に発売されたDVD『ニコニコキングオブコメディ 冗談にもほどがある!』の予告ムービーを先行ドロップ! サイゾーテレビでのぐだぐだ放送から、まさかのDVD化にいたった本作はなんと、(ほとんど)オール撮り下ろしです!
ニコニコキングオブコメディ 冗談にもほどがある! 売れてます! amazon_associate_logo.jpg
さらに、編集部では番組プロデューサーディレクターの佐藤ムー太郎さんに緊急インタビューを敢行! その様子を以下に大公開です。 ――いよいよ番組DVDの発売が明日に迫りました。いまのご気分は。  生きてるといろんなことがあるなぁ、と思っています。どきどきします。 ――番組開始当初、DVD化は想定していなかった?  してないですね。全部無料で見られるというコンセプトで始めた番組でしたし、現にアーカイブはすべて無料で公開していますので、発売元のハピネットさんからDVD化のお話をいただいたときは、正直「どうなのかね?」と思いました。 ――DVDの発売でアーカイブはどうなるのでしょうか。  そのまま残します。今回のDVDはほとんど全部撮り下ろしで、番組のトーク内容をキングの2人が検証してゆくという企画なので、アーカイブを見てからDVDを見た方が楽しめますし、DVDを見て気になった部分のトークをアーカイブで振り返ったりもできる。そういう楽しみ方ができるソフトになっています。DVDには『ニコキン』各回のダイジェスト的な説明を一覧にしたチラシを封入していますので、DVDとサイゾーテレビを行ったり来たりしてほしいですね。 ――メディアミックスですね。  そうですね、結果的にメディアミックスっぽい形になりましたね。メディアミックスってこういうことでいいんでしょうか。 ――いいと思います。では、DVDの中でオススメの検証VTRをひとつ挙げるとしたら?  やはり「高橋バカ部屋」です。あのVTRを見てたら、なぜかくしゃみが止まらなくなりました。 ――ありがとうございました。

K-POPアイドルの"政治発言"は百害あって一利なし!? 過熱する竹島論争の結末

――「月刊サイゾー」のWEB版「サイゾーpremium」では、現在「1000名 様限定 入会月無料キャンペーン」を大好評実施中! 今回はサイゾーウーマン読者の皆様に、ジャニーズネタからK-POPネタまでが盛りだくさんの「サイゾーpremium」の魅力を知っていただくため、限定ニュース記事をお届けしちゃいます!!

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少女時代『GIRLS' GENERATION II』

 年の瀬の風物詩といえば、やはり紅白歌合戦。しかし、あのひとたちの姿を、今年は見ることができないようだ。

 11月26日、NHKが、2012年の紅白歌合戦・出演者リストを発表。AKB48、きゃりーぱみゅぱみゅ、ももいろクローバーZなど、「今年の顔」が次々と出演を決めた中、ある人たちの名が一切含まれていなかった。それは、全世界合計で自身たちの最高売り上げ記録を更新したとされる、韓流アーティストたちの面々だ。

 その理由として、日韓両国のメディアから取りざたされているのは、8月から続く“竹島問題”。NHK側は単に「出演条件を満たしていない」との立場を表明し、「政治的な意図はない」としているが、真偽のほどは定かではない。

 李明博大統領の竹島訪問から4カ月間、思えば、当人たちである日韓芸能人たちの竹島論争も、激しさを増してきた。

 日本では、和泉元彌やほんこん、エスパー伊東、グレード義太夫らをはじめとする多くの芸能人、有名人たちが、この竹島問題について発言。日本の固有の地であるという主張や、日本政府の対応について意見を披露した。

 中でも注目を浴びたのが、ロンドンブーツ1号2号の田村淳だ。「竹島は日本固有の地」という発言に対して、韓国のユーザーからは猛烈なバッシングがあったことを明らかにしている。田村淳に批判を送った人物の中には、韓国の有名コメディアンであるチョン・ジュナの姿も。「タムラアツシ、その口をダムラ(黙って)アジョシ(おじさん)」と、韻を踏みながらディスり、韓国で大きな話題になった。ちなみに、彼女はMBCの看板番組「無限挑戦」のレギュラーメンバーとしても有名。韓国では番組タイトルが流行語になるほどの認知度だ。

 そのほかにも、人気アイドルグループ・SUPER JUNIORのメンバーであるチェ・シウォンが、10月に「独島(竹島)は私たちの領土で、命を懸けて守って行くべき場所です。誇りを持って守って行きましょう」とツイート。人気俳優・イ・ドンウクも「大韓民国万歳! 独島のことはしょっちゅう頭にきていた。今日は光復節(日本の終戦記念日)!」と李大統領の竹島訪問直後に、支持を表明する書き込みを公開した。また、韓流時代劇でおなじみの俳優・ソン・イルグクは、竹島遠泳に参加し、自身が出演するドラマの日本放映延期という事態に陥った。挙句の果てに、みんなの党・浅尾慶一郎議員には、入国拒否の提案まで出されてしまったが、本人はまったく後悔がない様子だ。

 一方、思わぬところで“竹島被害”にあった人物たちもいた。日本ではGACKTがそのひとり。 

 3月に韓国のファンがツイッター上で「独島は韓国の領土」と書きこむと、そこにリツイートし「僕も僕ができることはすべてやるつもりだ。僕たちは家族だ」としたが、このやり取りが「竹島は韓国固有の領土である」と発言したと曲解され、弁明に追われた。

 また、韓国人気アイドルグループFT-ISLANDのイ・ホンギも、ツイッター上で日本の利用者から、“竹島は日本の領土である”とリツイートされ「かまってほしいのか? けんか売っているのか?」と対応してしまったと報道された。そのほかにも、韓国国内においては、竹島についての立場表明を求められ、困惑してしまう芸能人が多かったようだ。

 この一連の騒動について、韓国の大手スポーツ紙記者A氏はこう語る。

「李大統領のやったことは、愛国ではなく売国。韓国にとって良かったことなんてなにひとつないですよ。特に、日本、もしくはもっと大きな舞台で活躍したいと思っているアーティストにとっては。彼らの足場は結局、韓国にある。韓国では、芸能人たちも政治的な発言を求められます。視聴者やネティズン(ネット利用者)たちは、有名人の政治的立場に敏感で、国内外での二枚舌は反感を買う。メディアも、世間で注目される内容なので、当然そういう質問を浴びせるし、一斉に報道されるわけです。そのため、海外進出している韓国人アーティストたちは、誤解されるケースがある。結局、自分の国のアーティストたちの商品価値を、自分たちで落としてしまう契機を作ってしまった」

 たとえば、イベントの記者会見で日本の芸能人がメディアから政治的事件についてなんらかの発言を求められるという話はあまり聞かない。しかし、韓国ではそのような質問が、記者から飛び出すことが珍しくないという。そこには、“公的な人”であるとされる芸能人の政治的立場に対する、韓国社会の無言のプレッシャーがあるようだ。

 特に、日本との歴史的問題に関しては、その傾向がより顕著なように見える。

 一方、日本のテレビ局に勤めるB氏はこう話す。「政治的事件と文化交流は別というのは、ありえない。熱烈な(日本のK-POP)ファンはまだしも、中間層は確実に離れて行くでしょう。もちろん、韓国のアーティストたちと利益を挙げている、日本のエンターテインメント関連企業も、ともにダメージを受けることになります。韓流が、日本のコンテンツ市場を制覇するなんてことはないと思いますが、それでも、それなりの市場は確保しています。その、お客が単純に減るということについて、喜ぶ関係者、ファンはいないと思いますよ」

 韓国のアーティストにとっても、日本のファンや関係者にとっても、まったく得にならなかった“竹島事件”。今後、両国の政権は奇しくも同じ12月に衣替えすることになるが、その行く末にはまだまだ予断を許さないだろう。いち、視聴者としては、AKB48も良いが、少女時代も捨てがたい。来年は、日韓のエンターテイメント業界が明るいニュースで盛り上がることを期待したい。
(サイゾーpremium編集部)

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ノッポン兄がキャラ業界に一言「必要なのはアイデンティティの確立」

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ノッポン兄(右)とノッポン弟

――2012年も残すところあと1カ月。芸能界、政界、スポーツ界、あらゆる世界で激動続きだったこの1年を、個性豊かな著名人の方々に振り返ってもらいます! 一発目となる今回は、キャラクター界から東京タワーのノッポン兄弟が登場☆ 

 のっけから「ゆるキャラでひとくくりにされるのは不本意」とボヤきながら登場したノッポン兄は、もうすぐ14回目の10歳を迎える“永遠の10歳”☆ 仕事熱心で真面目な性格のノッポン弟を「鬱気味だ」と心配するよき兄のモットーは、 「冷めた仕草で熱く見ろ」、好きなアーティストは「ディープ・パープル」と「浜田省吾」というオシャレボーイ♪ 数年前の時点で「なんだかもう『ゆるキャラ』多すぎ」とボヤいていたけど、2012年のゆるキャラ界はどうだったの? いざ直撃~☆

石原真理がタモリ批判、小阪由佳は「酵水素」で復活……プッツン芸能人の今

小阪由佳公式ブログより

しいちゃん 大変、大変! 石原真理がタモリにケンカ売ってるよ。

編集S 『FNS歌謡祭』(フジテレビ系)目前に「石原真理」って文字を出したら、玉置浩二が怖がっちゃってまた『FNS』をドタキャンしちゃうよ!! だーかーら、こっそり、教えて。

しいちゃん 11月30日放送の『笑っていいとも!』(フジテレビ系)のテレフォンショッキングで、ゲストの佐々木希と化粧の話題になったタモリが、「1980年代はわざと眉毛を太くしていたんだよ。昔のアイドルの人たちも歌手でもみんな太いんですよ」と語ったの。その発言に石原がプッツン! 12月3日の公式ブログで「本来の事実説明としては『石原真理ちゃんの眉が自然で太くて、彼女がすごい人気があったからみんな真似したんだよね』(略)というのが本当」「私の影響でみなさんが真似したから太眉とストレート長髪が大流行した訳です。(でなければ、私はあの時に全てから逃れるためにアメリカへ渡米していない。)」と主張しているの。

「どうしてこうなった……」悪意の進化を遂げた自然の脅威『邪悪な虫』『邪悪な植物』

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『邪悪な虫』『邪悪な植物』(朝日出版社)
 男子は、小学生の頃、昆虫採集や植物採集に入れ込む。虫取り網を振り回しながら、雑木林で見つけた見慣れない植物に興味を示す。かつての原風景として、そんなイメージが心に浮かぶ人も多いだろう。あの頃に戻りたい……と、かなわぬ望みを抱くかもしれない。  しかし、朝日出版社から出版された『邪悪な虫』『邪悪な植物』に目を通せば、そのような考えは改めなければならない……。ガーデニング誌の編集にも携わる作家エイミー・スチュワートが記した本書は、毒や害のある虫と植物の数々を解説。そのグロテスクにも思える挿絵と相まって、読者に強烈なインパクトを与え、なんとニューヨークタイムズのベストセラーにまでランクインしてしまった。  世界中に100万種が分類されている昆虫のうち、『邪悪な虫』には34種の恐ろしい虫が掲載されている。日本人にも馴染み深いオオスズメバチをはじめ、西アフリカで3人に1人を失明に追い込んでいたブヨ、新大陸を発見したコロンブス一行を苦しめたスナノミ、ペストを伝染させるケオプスネズミノミなど、そこには目を覆いたくなるばかりの昆虫たちの悪行が記されている。  かみ付き、寄生し、病気を媒介し、化学物質をまき散らし……と、彼らの人間に対する邪悪さは枚挙にいとまがない。世界中であらゆる虫たちが、それぞれ天敵から身を守るために、さまざまな進化を遂げたのだ。  そもそも昆虫は植物の受粉に役立ち、落ち葉やほかの生物を土に還す、生態系の中ではとても重要な存在である。その働きぶりは「昆虫なしでは人間も生きてこられなかった」と著者も認めるところだ。しかし、それを理解した上で、本書では「背筋がゾクゾクするようなスリル」を届けたいというのだから趣味が悪い。虫たちの世界は、解説を読んでいるだけで、常識はずれで、好奇心をそそられ、なおかつ、かなり嫌な気持ちにさせられる。  一方の『邪悪な植物』も負けていない。  摂取すれば、神経麻痺を引き起こすトリカブト、マンドラゴラの異名で知られ、古代ギリシャでは媚薬として用いられたマンドレイク、アメリカに入植したイギリス兵を狂乱状態に陥れたチョウセンアサガオなど、人間にとってささやかではない影響をもたらす植物たちのオンパレード。また、監訳者が、ジャンキー小説家ウィリアム・バロウズの著作翻訳で知られる山形浩生氏とあって、大麻やコカイン、アヤワスカなどのドラッグ系の植物の解説も充実している。ただし、本書を読めば、間違ってもそれらの植物に手を出したくはなくなるだろう。  現代の都市に生活していれば、昆虫も植物も、人間にとっては、ほんのささやかな存在である、という先入観がある。だが、昆虫たちは世界中で人間を襲い、作物を荒らす。植物はその毒で人間を自然から遠ざけ、その身を守っている。彼らの恐るべき邪悪さに比べれば、人間などなんとちっぽけなものかとすら思えるだろう。  「怖がらせて自然を敬遠させるためではない」という著者の意に反して、『邪悪な虫』『邪悪な植物』を読んでいると、どんなに気候がよくても、一歩も家から出ずに、部屋で「本の虫」として過ごすのが、一番なのではないかと思えてくる……。 (文=萩原雄太[かもめマシーン]) ●エイミー・スチュワート ニューヨークタイムズ紙やワシントンポスト紙をはじめとする数々の新聞・雑誌に、主に園芸・自然に関するコラムを寄稿。邦訳書に、『ミミズの話――人類にとっての重要な生きもの』(今西康子訳、飛鳥新社、2010)、『人はなぜ、こんなにも庭仕事で幸せになれるのか――初めての庭の物語』(J・ユンカーマン、松本薫訳、主婦と生活社、2002)がある。

ノロケしかない「年下婚」特集にみる、「STORY」世代のオカン力の強み

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「STORY」2013年1月号/光文社

 今月の大特集は「40代の12月は、毎日がキラキラしてる☆」ということで、いつもの「無糖派=スタイリストさんの私服的オシャレ」は少々お休みし、イルミネーションに負けない華やかなファッションを提唱しています。とはいえ、実際にはシックな色合いのワンピースにすこ~し光沢があるとか、トップスにラメやビジューをあしらうとか、レザーやファーで高級感を出すとか、あくまでも玄人オシャレ風な“キラキラ”。くるよ師匠の「どやさ~」的な華やぎを期待したら出鼻をくじかれます。今年は紅白に幸子は出ないし、「STORY」は相変わらずオシャレだし(ファッション誌ですからね)、年末らしいパ~ッと感がないわとお嘆きの貴女、今号で最終回を迎える「悩んだらピン子に訊け! 最終回スペシャル」をどうぞ。「親友に会う&キレイになる韓国ツアー」で、以前ドラマで共演したリュ・シウォンに会い、韓国美容を楽しみ、おいおい悩みはどこいった!? という自分勝手な内容になっております。極め付きは「顔と腹に150本の針を刺すピン子」。パ~っとというよりヒィィと腰抜かす、衝撃カットに年も己も忘れそうです!

<トピックス>
◎大特集 40代の12月は、毎日がキラキラしてる☆
◎2013年の目標は、「“ゆるキャリ”でCome Back!」
◎私たちのCHALLENGE STORY「年下婚」で、やっと素の私になりました

「時代に抗うことなく、静かに消えてゆく」日本最後の見世物小屋一座の生きざま

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 (C) 2012 Yoichiro Okutani
「さぁ、寄ってらっしゃい、みてらっしゃい」  威勢のよい口上が、夜の祭り会場に響きわたる。お化け屋敷というには少しケバすぎる小屋構えに戸惑いながらも、なんだか懐かしいその雰囲気に心奪われ、お客は小屋へと吸い込まれていく。  室町時代に始まり、歌舞伎や人形浄瑠璃と共に京都の四条河原を賑わせた見世物小屋。江戸時代には大衆文化のひとつとして発達し、その後、神社のお祭りや縁日などに仮設小屋を建て、各地を巡業して回るスタイルが確立された。全盛期の江戸後期には全国で300軒の小屋があったが、1950年代末には48軒、1980年代後半には7軒と減少し、1990年代には4軒、2010年以降は1軒のみとなっている。  そんな最後の見世物小屋一座「大寅興行社」の人々との10年間にわたる交流と旅を記録したドキュメンタリー映画が、12月8日より新宿K's cinemaで公開される。  本作の監督・奥谷洋一郎氏が大寅興行社と出会ったのは、2001年。お祭りでお化け屋敷のアルバイトをしたのがきっかけだった。それまで見世物小屋なんて見たこともなかったし興味もなかったが、一座の暮らしと人情に惹かれ、映画美学校の友人たちと撮影を始めた。
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 大寅興行社は、二代目親方の大野初太郎さんと彼の3人の姉妹たち、そして大寅興行社最後の太夫であるお峰さんの家族3人の、計7人で商売を行っている。日本全国をトラック1台で旅し、目的地に着けば一座全員で仮設の小屋の設営にとりかかる。犬や猿やヘビも一座の一員だ。名物の絵看板をかけ、小屋に明かりを灯せば、いよいよ興行が始まる。    見世物小屋の芸人は太夫と呼ばれ、一座の家族以外にも、昔はさまざまな境遇の太夫が集まっていたという。お峰さんも、母と一緒にこの一座にやってきた。 「昔は、よそからもらわれてきた子や体に障害のある人たちが芸をしていたという話もありますが、僕はこの10年の大寅さんのことしか知らないので、実は詳しい歴史はよくわからないんです。でも、見世物小屋の芸って、いきなり『山から出てきました』とか『ヘビを食べます』とか、細かい説明ははしおって始まるので、そういう世界観だというのを受け入れた上で楽しまなければならない。ウソか本当かよくわからない太夫さんの出自も、商売道具のひとつなんです」  演芸は、ヘビ(喰い)女や人間ポンプ、ロクロ首、剣舞、気合術、犬の曲芸など小屋によってさまざまだが、大寅興行社は女性が多く、とりわけ華やかな一座だったという。
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「大寅さんは昔、太夫さんや踊り子を使った『サーカスのレビュー』や、さまざまな動物を使った移動動物園を興行物として手掛けていたそうです。この10年、口から火を吹くというお峰さんの芸は変わっていませんが、小さな子どもからフラっと入ってきた人、酔っぱらいやコワモテの人まで、どんな人に対してもどんな状況でも対応できる芸というのはすごいですよね。それに、口上(呼び込み)もまさにプロのなせる業。お客の想像をかき立てるようなあの巧みなしゃべりは、場数を踏んでいないとできるもんじゃないですよ」  戦前は大衆娯楽として幅広く受け入れられていた見世物小屋だったが、映画やテレビの普及によって、次第に衰退していった。大寅興行社もほかの一座と同様、学生や現地の若者をアルバイトに雇って興行できるお化け屋敷や、短時間で準備ができる射的やピッチングゲームに興行形態を変えて商売を続けてきた。現在、大寅興行社の見世物小屋が見られるのは、新宿区歌舞伎町にある花園神社の酉の市と、そのほか1~2カ所しかない。  ほかの一座が姿を消す中、なぜ、大寅興行社だけがこれまで興行を続けてこられたのだろうか? 奥谷監督は、そこには見世物小屋ならではの世界観があるからだと言う。
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「見世物小屋一座の人たちは、小屋を飾り立てる絵看板や小道具はもちろんのこと、演芸で使う動物も舞台に上がる太夫さんもすべて、一座の長である親方の“荷物”だと考えています。それらを預かる親方は、その荷物に対して責任を負う立場にあり、大寅さんは現在でもそういう生き方や商売の仕方をかたくなに守っている一座なんです。でも、新しく外から入ってくる太夫さんや僕のような人間に対してはそれを押しつけることなく、とても大事にしてくれる。もちろん出ていく人もいるけど、それは追わない。いい意味で、人が循環しているんです」  そして、なりわいが作りだす家族形態こそが、この映画を通して、監督が描きたかったことでもある。 「なくなっていく家族の形とか、古いやり方を守っている人たちが消えていく。そういう姿を残したかったんです。こういう姿って、すごく潔いって思うんです。『もっと自分たちはやれるはずだ』と時代に抗ったり、歴史に名を残そうというつもりは毛頭なくて、『もしかしたら時代に合わないかもしれない。それなら、それで終わりましょう』と。そういう人たちに寄り添って、映画を撮りたいなと思ったんです。ただ撮り始めた頃は僕も若かったので、“なんとかして形に残さなきゃいけない”“終わらせたくない”という単純な気持ちで演出してしまっている部分もあります。でもそれって、ただの勘違いで、何も知らない人間のエゴでもある。でも、大寅さんの潔さもわかるし、そういうところが、僕がかっこいいと思ったところでもあった。だから、“最後の見世物小屋の記録”というよりは、大寅さんの記憶を旅する、僕のための記録ですね」  古いしきたりや商売のやり方を守り続け、時代の流れに抗うことなく静かにその歴史に幕を閉じようとしている見世物小屋。潔い彼らの生きざまを、ぜひスクリーンで見届けてほしい。 DSC_0077.jpg ●おくたに・よういちろう 1978年、岐阜県中津川市生まれ。東京育ち。慶應義塾大学文学部卒業。映画美学校ドキュメンタリー・コース研究科修了。映画作家の佐藤真、筒井武文に師事。山形国際ドキュメンタリー映画祭2011アジア千波万波部門・特別賞を受賞した、東京湾に流れ込む多摩川の河口で船に住み犬を飼う初老の男を見つめたドキュメンタリー映画『ソレイユのこどもた ち』。この作品は佐藤真の遺した企画、ドキュメンタリー映画『トウキョウ』の一編として発想し制作された。現在は、複数の作家によるマルチプロジェクション企画「Documentary Tokyo」を進行中。 ●『ニッポンの、みせものやさん』 監督:奥谷洋一郎 出演:大寅興行社のみなさん 制作協力:映画美学校 撮影・録音:江波戸遊土、遠藤協、奥谷洋一郎、早崎紘平、渡辺賢一 編集:江波戸遊土、奥谷洋一郎 整音:黄永昌 音楽:街角実 監督補:江波戸遊土  2012年/日本/デジタル/カラー/90分/配給:スリーピン 12/8(土)より新宿K's cinemaにてモーニングショー公開 <http://www.dokutani.com/>