日別アーカイブ: 2012年11月14日
人気ドラマ降板後、転落人生が止まらない俳優がとうとう自己破産

人気ドラマってギャラ高いのに!
「世界で最も見られているテレビシリーズ」といわれる『CSI:科学捜査班』にシーズン8までレギュラー出演していた、ゲイリー・ドゥーダン。降板発表直後から絵に描いたような転落人生を歩んでいる彼が、とうとう自己破産を申請したと報じられた。
実業家で黒人の父親とファッションデザイナーで教師でもある白人の母親との間に、5人兄弟の4番目として誕生したゲイリー。フランス、アイルランド、スコットランド、アフリカ、アメリカンインディアン、ユダヤの血が流れている彼は、均整のとれた超イケメン。吸い込まれそうな緑色の瞳の持ち主として人気を集め、TVガイド誌が選ぶ「最もセクシーなCSI」に輝いたこともある。
グラビアはどうでもいいけど、物の値段の変化にゾクゾクする!「GORO」1984年9月27日号

『GORO』1984年8月27日号(小学館)
本棚を探っていて、「なんでこの号を買ったんだろうか?」と記憶をたどってみて思い出した。戸川純のセクシーショットグラビアが掲載されているからだった。大学生の頃から遅れてきた世代だったことを思い出すと、胸が痛くなるよ……(なお、この号にはデビューしたばかりの故・戸川京子も掲載されておりマス)。
こうした雑誌を書店やヤフオクで買い集めようとすると、ネックになるのはグラビアページである。この号もグラビアの希少性ゆえに、えらい値段がした記憶がある。だが、いまや貴重なのは、グラビアよりもさまざまな広告とモノクロ記事にほかならない。
まずページをめくっていくと飛び込んでくるのは、パイオニアのCDコンポの広告である。時代的に、ミニコンポと呼ばれるジャンルが流行し始めた頃だが、パイオニアが売り出していたのが。ここに掲載されている「プライベート」シリーズであった。当時のミニコンポは、CDプレイヤー、ダブルカセットデッキ、チューナー、レコードプレイヤーなど、必要なものを予算と相談して購入する構成である。組み合わせの参考例として掲載されているのはアンプとプログラムチューナー、ダブルカセットデッキ、スピーカーシステムの組み合わせ。これでしめて22万9800円である。高い! 高いのだけれど、これだとCDデッキが付属していない。なので、その値段はというと、8万9000円である。さらに、当時誰もが大量に持っていたであろうレコードも再生できるようにしようとすれば、プラスで3万8000円となる。

今見ると、一周回ってデザインがカッコイイ!
この後、90年代は金色の製品が流行したの覚えている人はいるかな?
(画像をクリックすると拡大されます)
CDデッキだけで、パソコンがモニタ付属で購入できる値段である。というか、フルセットと同じカネを出せば、アップルストアでMacBook Airをフルカスタマイズで購入して、iPhoneとかiPadまで買ってもお釣りがくるではないか。物って安くなったんだな……と感じるよりほかない。
何より注目したいのは、この広告ページの文章である。引用してみよう。
1肩をよせながら、コンパクトディスクプレーヤーを
2手をにぎりながら、ダブルカセットデッキを
3好きだとささやきながら、プログラムチューナーを
4抱きしめながら、フルオートプレーヤーを
5キスしながら、プリメインアンプのボリウムを
……手元の集中ワイヤレスリモコンでできるというのが、ウリなのである。ここで気づかされるのは、まず音楽はカップルで聞くものという概念である。最近、大学生とかに話を聞いてみると、まず家にCDコンポがないのは当たり前。CDはパソコンで再生するもの、音楽はパソコンか携帯プレイヤーで聞くものになっている。“女のコを部屋まで連れ込めたら、まずは音楽スタート!”が、すでに過去のセオリーになってしまっているのだ。最近の若いカップルって、部屋に連れ込めたら、何から始めるのがセオリーなんだろうか……。

やっぱり、女子大=ナンパスポットという感覚こそが80年代の象徴だ。
「隔世の感」を感じる機械は、ページをめくるたびにある。バブル崩壊まで、男のステータスのひとつは車だったわけだが、物欲と性欲に満ちた雑誌だけあって、そのあたりの情報もちゃんと押さえている(やたらと、車の広告も満載だ)。
モノクロのトップ記事は「スクープNEWソアラ3.0GTエクスタシー・フォルムが見えてきた」というタイトルなのだが、リードの部分を引用してみよう。
<トヨタ3 M頂上作戦>がついに公然化した。それは『トヨタ・ツインカム神話/新世紀編』と題すべき、壮大な叙事詩のプロローグ。
3Mツインカム6=6M-GEU型のデビューに大げさに驚いているのではない。むしろ逆だ。6M型が“ツインカム6”であって、“ツインカム24”ではなかったこと。ソアラより先にクラウンに展開された事実に当惑したほどだ。

若者の車離れ……って言われるけれど、この時代のほうが
異常じゃないかと納得するページ。
……車の知識がない筆者には、何が書いてあるのかさっぱりわからない。車に詳しい人ならば「ああ、なるほど」という記述なのかもしれないけれど、これは専門誌じゃないのに。これだけで、車が若者の共通言語だったのだなと一目瞭然だ。この記事は「なぜ6M搭載1号車がソアラでなくなったか」といった解説が続くのだけれど、やっぱり何が書いてあるのか、よくわからん。もはや、一種の古文書になっているといっても過言ではない。
さらにページをめくるたびに趣味趣向の変化を、いくらでもうかがい知ることができる。この号には「総力追求/GIANTS再建プラン」という記事も掲載されているが、プロ野球巨人軍の凋落を検証する記事なんて、今ではあまり訴求力がないのではなかろうか。

とりあえず、かわいいモデルを配置しておきゃあいい感覚がうらやましい。
さらに「隔世の感」を感じさせるのは「電話はボクらのいちばん身近なアクティブメディア」と題された記事である。携帯電話がまったく普及していない時代なので、当然紹介されるのはちょっとオシャレな家庭用電話機なのだが、その中で最先端の商品として紹介されているのがパソコン用のヘッドセット。価格は1万円也。おまけに、音響カプラ不要でデーター通信できる機能を備えた電話機が3万円……やはり、物って安くなったんだなあと、しみじみ。

今と書いていることが、そんなに変わらない。
ただ、この後のバブル期はアウトドアは敬遠されます
時代と共に、趣味趣向というものはまったく変化してしまうもの。かと思いきや、ページをめくっているうちに、そうじゃないものもあることを知れる。それは、小学館が現在も発行しているアウトドア雑誌「BE-PAL」の自社広告である。「BE-PAL」の創刊は1981年だが、この広告を見る限り、現在と扱っている内容がそうそう変わっていないように思える。アウトドアで訴求力のある内容は、常にウェアや道具、そして「どこに出かけて、何を楽しむか」という問題。「GORO」のような、若者が知りたい情報がすべて網羅されている軟派な雑誌が姿を消す一方で、アウトドア雑誌が30年近くも続くことになるなんて、いったい誰が予測できただろうか。
(文=昼間 たかし 文中敬称略)
■「100人にしかわからない本千冊」バックナンバー
【第10回】ロリコンはやっぱり永遠にロリコンだった……のか?『改訂版 ロリコン大全集』
【第9回】ホントに一生恨んでいるのか? 『吾妻ひでおに花束を』
【第8回】あっと驚くパロディ満載!「パロディ・マンガ大全集」
【第7回】“落としやすい”女のコがいる大学は……?「平凡パンチ」1980年6月9日号
【第6回】物欲と性欲、自己肯定感に満ちた30年前の大学生活「POPEYE」
【第5回】1991年、ボクらはこんなエロマンガを読んでいた「美少女漫画大百科」
【第4回】そして『孤独のグルメ』だけが残った......月刊「PANjA」とB級グルメの栄枯盛衰
【第3回】「いけないCOMIC」1985年1月号大特集 戸川純にただ単にミーハーしたいっ!
【第2回】あの頃、俺たちはこんな本でモテようとしていた『東京生活Qどうする?』
【第1回】超豪華"B級"文化人がロリコンで釣ってやりたい放題『ヘイ!バディー』終刊号
高嶋政伸VS美元の陰で……北村一輝、山咲千里が離婚、上原さくらが危機に!

上原さくら公式ブログより
編集S 11月9日、ついに高嶋政伸と美元の離婚裁判の判決が出たわね。
しいちゃん 高嶋の主張を全面的に認めて離婚を命じ、裁判費用は美元が負担するという判決だったね。2人は、2008年、出会って6日で高嶋がプロポーズして結婚、10年には別居、11年3月から裁判となり、美元の金遣いの荒さやストーカー行為、互いのDVなどが暴露される泥仕合を繰り広げてた。高嶋が「死んでしまえ!」「ブス」と罵倒するケンカの録音がネットに流出して話題にもなったね。
この“明るいヘンタイ”っぷりがいいんじゃない!? 会田誠のアートなエロス『駄作の中にだけ俺がいる』

2007年から「滝の絵」を描き続けている会田誠。
スクール水着姿の少女たちの清純なエロスがキャンバスから弾け出してくる。
セーラー服(夏服)を脱ぎ捨て、渓流で戯れるスクール水着姿の美少女たち。その数、39人。現代美術家・会田誠の代表作であるアクリル画「滝の絵」は高さ419cm×幅252cmにおよぶ、安土桃山時代の屏風絵を思わせる堂々たる大作だ。ここまでドストレートに少女趣味を押し出されると、清々しさを感じさせるではないか。また、芸術には門外漢でも、これだけの大作を描き上げるためには尋常ならざる情熱が絵の中の少女たちに降り注がれていることが分かる。この突き抜けた“明るいヘンタイ”っぷりが、何とも心地よい。美術館での初の個展となる「会田誠展 天才でごめんなさい」(森美術館)が11月17日(土)~来年3月31日(日)の日程で開催される注目のアーティスト・会田誠の素顔を、ドキュメンタリー映画『駄作の中にだけ俺がいる』は追っている。
会田誠のエッセイ集『カリコリせんとや生まれけむ』(幻冬舎)を読むと、彼の“明るいヘンタイ”芸術家としての萌芽がどのように育まれたのかがわかりやすく紹介してある。会田誠は1965年の新潟県生まれ。初めて射精を覚えたのは中学生のときで、彼を射精に導いた相手は当時の人気アイドル・大場久美子だった。「週刊プレイボーイ」の広告が新聞に掲載されており、広告の中で大場久美子がビキニ姿をさらしているのを少年・会田誠を見逃さなかった。地元の書店で男性週刊誌を買い求める勇気がなかった会田少年は、新聞広告を切り抜き、大場久美子の大切なところを覆ったビキニ部分を丁寧に丁寧に消しゴムと砂消しゴムを併用して取り去ると、その部分にあるだろう柔らかな皮膚部分を鉛筆で想像しながら描き足していった。実用目的で生み出されたヌードコラージュが、会田少年の初めての相手だった。

会田誠の名前を世に知らしめた代表作。
《巨大フジ隊員VS キングギドラ》1993 年
アクリル絵具、アセテート・フィルム 310 × 410cm 高橋コレクション蔵、東京
Courtesy: Mizuma Art Gallery
やがて会田少年は新聞広告の切り抜きを使ったコラージュでは満足できなくなり、顔写真だけを参考にして丸ごとヌードイラストを描くようになる。これならポージングも自由自在である。射精のために自分の妄想を写生した。性欲の高まりと共に、会田少年の描写力はみるみるうちに上達した。会田誠というアーティストは自分のリビドーにとても正直な人であることが、少年期のエピソードから伺える。ヌードモデルにほしのあすかを起用した『少女ポーズ大全』(コスミック出版)という美術教本が2011年に発刊されているが、会田誠が監修・構成を務めている。美少女曼荼羅絵図を思わせるこの『少女ポーズ大全』も実用性と芸術性が両立する素晴らしい内容だ。会田誠は信頼に値する芸術家だと断言できる。
『駄作の中に−』では会田誠と小中高校と一緒だった友人が、少年期の会田について証言する。会田の新作「灰色の山」のモデルも務める会田作品のよき理解者であるその友人によると、会田は小学生の頃からかなり個性的だったそうだ。スカートめくりが小学生の頃に流行っていたが、会田少年は何と大胆にも仰向けで寝た状態のまま床をズルズルッとスライドして女の子のスカートの下にひょいと顔を突っ込んでいたという。これはすごい。自分のリビドーに正直すぎる。会田自身も自分の少年期を振り返るが、今でいうADHDだったとのこと。注意力散漫で、思い付いたことにすぐ熱中する代わりに飽きっぽい、いわゆる問題児だった。まぁ、当時はADHDなんて小難しい用語もなく、集団生活を送るに難のある困ったガキと周囲から認識される程度で済んでいたらしい。

2009年から「灰色の山」を描き始めた。高さ3m×幅7mの超大作。
延々とサラリーマンの屍を描き続ける、気が遠くなる作業だ。
集団生活が苦手だった会田少年だが、幸運なことに彼は芸術という自分の個性が活かせる居場所を見つけることに成功した。ヌードイラストで鍛えた描写力とイマジネーションを、その世界で存分に発揮することができた。東京芸術大学油画専攻へと進み、その個性をますます磨いていく。1980年代の大量消費社会の中で青春を過ごし、90年代に入って次々と問題作を発表する。ジャイアンティス化した科学特捜隊の女性隊員が宇宙怪獣に陵辱される「巨大フジ隊員VSキングギドラ」(1993)、手足を切断された美少女が雪の上を散歩する「犬(雪月花のうち“月”)」(1995)、ニューヨークがゼロ戦によって爆撃される「紐育空爆之図(戦争画RETURNS)」(1996)、地上のあらゆる裸女たちが巨大ミキサーの中に詰め込まれた「ジューサーミキサー」(2001)といったエログロ&ナンセンスな作品が話題を呼ぶ。そして、それらの作品は驚くほど時代や事件とシンクロしていた。自分のリビドーに正直だった会田元少年は、日本を代表するポップアートのトップランナーに躍り出ていた。
『駄作の中に−』で多くを占めているのは、代表作「滝の絵」の仕上げに没頭する2009年から2010年に掛けての会田誠の姿だ。大作を仕上げるには東京の狭いアトリエでは窮屈なため、北京の住居つきアトリエに長期間篭って作業に取り組む。製作を始めてから2年以上が経つが、まだ完成には至っていないと会田は納得しない。どの時点で完成なのかは、本人以外には判断できない。そして『駄作の中に−』が非常に興味深いドキュメンタリーとなっているのは、北京のアトリエで「滝の絵」と同時進行で、「滝の絵」を凌駕する超大作「灰色の山」の製作に着手しているということ。この「灰色の山」は視界いっぱいに灰色の山々が連なり、近づいてよ~く見てみるとサラリーマンの死体が積み重なって山ができていることがわかる。集団生活を送るのが苦手で芸術の世界に進んだ会田誠が、直感的かつ客観的に現代社会を見つめたものなのだろう。
会田いわく「死体ばかり延々と描き続けるのは非常にしんどい」ので、息抜きを兼ねて「滝の絵」の美少女たちの世界を並行して仕上げている。我々観客はここでふと気づく。スクール水着の美少女たちが戯れる「滝の絵」と、その隣にはサラリーマンの死体が累々と堆積する「灰色の山」が並ぶ。この2つの大作は表裏一体の関係にあるのだと。美少女たちの清純たるエロスの祭典は、ワイシャツ姿のボロボロになった名もなきオッサンたちの屍のピラミッドの上に花開いているのだと。会田誠というアーティストの中から、美しいものを純粋に求める異常なまでの情熱の結晶と、そこから振るい落とされていった毒素が溜まりに溜まってできた地獄絵図の2つが産み落とされたわけだ。40歳代になった会田誠は、単なるヘンタイ画家ではなく、時代を見据える現代美術家として確固たる存在となっていた。

ミヅマアートギャラリーでの個展初日。美大に代々伝わってきた正調
「よかちん」を会田は現代に蘇らせる。
『駄作の中に−』のカメラは、会田誠の家族も被写体として登場させる。会田の妻・岡田裕子も現代美術家であり、夫に頼まれてヌードモデルを引き受けることもある。才能溢れる夫を深く愛していることが、その表情から伝わってくる。自由で大らかな雰囲気の漂う2人の自宅には、若い芸術家たちが度々食事がてら遊びにくる(旬のアーティスト・チンポムは、会田家にたむろっていた若者たちによるユニット)。でも、自由すぎる両親のもとに生まれた子どもは、ある意味で大変だ。2人には小学生になる息子・寅次郎くんがいる。カメラの前では明るく元気ハツラツな寅次郎くんだが、あまりに自由すぎる両親を見て育ったせいか、父親の性格を濃く受け継いだせいか、現代の学校関係者が神経質なのか、寅次郎くんは同世代の子たちと一緒に過ごすがチト難儀らしい。母親である岡田裕子は学校から呼び出されて頭を悩めるが、父親である会田誠は展覧会までの期日が迫っており自宅に帰ることすらおぼつかない。その代わり、「滝の絵」や「灰色の山」といった作品をアトリエで仕上げる様子を、そのまま息子に見せる。寅次郎くんは学校の授業で習うことよりも、もっとすごいことを父親の背中から感じ取っているようだ。寅次郎くんが将来、どのような道に進むのか楽しみでもある。
2010年5月、会田誠が芸術活動の拠点としているミヅマアートギャラリーで個展が開催され、このドキュメンタリー映画もクライマックスを迎える。まだ未完成ながら、会田が芸術家生命を賭けた超大作「灰色の山」が一般客に初披露される。個展を直前にして会田は、もうひとつビデオアートを製作することを思い付く。題して「よかまん」。会田が通った東京芸術大学には代々にわたって「よかちん」という裸芸が受け継がれていたそうだ。新入生歓迎コンパで、すっぱだかになった先輩が股間に一升瓶を挟んで「はぁ~、よかちんちん♪」と歌い踊るもの。芸術論やデッサン力よりも何よりも、芸術家たるものはバカであれ、という尊い教えが込められた伝統芸だ。ところが、近年の美大は女子学生が圧倒的に増え、昔ながらのマッチョで下品でバカ丸出しな裸芸はすっかり廃れてしまった。そこで会田は提唱する。女性が社会進出を果たした現代社会にこそ相応しい、新しいアートパフォーマンスを。ビデオの中では、裸の女性が股間にザルを当てて歌い踊る。「はぁ~、よかまんまん♪」と。この「よかまん」を見ただけでも『駄作の中に−』は素晴らしく価値のあるドキュメンタリーだと思える。「よかちん」と「よかまん」が同時に存在することによって、この世界は誕生した。会田誠は自分のリビドーに常に正直な人だ。
(文=長野辰次)
『駄作の中にだけ俺がいる』
監督/渡辺正悟 撮影/大石英男 ナレーション/岡田裕子
配給ブラウニー 11月10日より渋谷ユーロスペースほか全国順次公開中
(c)ザ・ファクトリー <http://www.aida-artmovie.com>
●「会田誠展:天才でごめんなさい」
2012年11月17日(土)~2013年3月31日@森美術館(六本木ヒルズ森タワー53階)作品表現の過激さから、これまで実現しなかった会田誠の世界初となる大規模個展。公立の美術館での展示がNGとなるキワドイ作品を集めた「18禁部屋」が設けられることでも話題だ。
<http://www.mori.art.museum/contents/aidamakoto>
『駄作の中にだけ俺がいる』×「会田誠展:天才でごめんなさい」半券相互割引キャンペーン実施中! 映画、展覧会の半券もしくはチケット(未使用も可)をそれぞれの窓口で提示すると当日料金が割引に。
●深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】INDEX
[第196回]三池監督ならではの“いのちの授業”が始まる! サイコパス教師と過ごす恐怖の文化祭『悪の教典』
[第195回]“絶対的価値”を求める男たちの翔んでもロマン! 井筒監督の犯罪サスペンス『黄金を抱いて翔べ』
[第194回]禁断の蜜が溢れるSM世界『私の奴隷になりなさい』セクシーアイコン・壇蜜がすべてをさらけ出した!
[第193回]“無意識の湖”に身を投じたユングと女性患者の行方──クローネンバーグの恋愛サスペンス『危険なメソッド』
[第192回]“お蔵入り映画”が人命救助を果たした!? 実話をベースにした大冒険ロマン『アルゴ』
[第191回]我が家に“食人族”がやって来た! 奇才ジャック・ケッチャムの異形世界『ザ・ウーマン』
[第190回] 裏切り&結託は当たり前。今の政界にそっくり! 極道たちのバトルロワイアル『アウトレイジ ビヨンド』
[第189回] これが全米を熱狂させた“USA版バトル・ロワイアル”! 殺人リアリティーショー『ハンガー・ゲーム』
[第188回]行き詰まった人生の扉を開く鍵は“銭湯”にあり? 内田けんじ監督のオリジナル作『鍵泥棒のメソッド』
[第187回]大家族の伝統料理から超手抜きレシピまで勢ぞろい! 台所から見えてくる中東の家庭事情『イラン式料理本』
[第186回]“世界的な絶滅危惧種”である独裁者に愛の手を!? 政治ネタ&下ネタ満載コメディ『ディクテーター』
[第185回]障害者の性処理も介護の重圧も、すべて笑い飛ばせ! 男たちのバリアフリーな友情ドラマ『最強のふたり』
[第184回]人類を生み出した“創造主”との遭遇!! リドリー・スコットが物語るSF神話『プロメテウス』
[第183回]“校内格差社会”に出現した異分子(ゾンビ)たち! 青春のカタルシス『桐島、部活やめるってよ』
[第182回]カメラマンは法を犯してもかまわない!? 国家の暗部を暴く男の情念『ニッポンの噓』
[第181回]“学校”という名の密室ではびこる児童虐待の事実! 子どもたちは教師を訴える『トガニ 幼き瞳の告発』
[第180回]“神様”との出会いと別れ、そして旅からの帰還 ドキュメンタリー『アニメ師・杉井ギサブロー』
[第179回]親友=お金を貸してくれる、女友達=SEXさせてくれる!? 品性お下劣男の青春『苦役列車』
[第178回]“沢尻エリカ”という名のアトラクションムービー『ヘルタースケルター』が描く無常の世界
[第177回]毒カレー、オウム真理教、光市母子殺害……“悪魔の弁護人”と呼ばれる男の素顔『死刑弁護人』
[第176回]“芸能生活30周年”ニコラス・ケイジの会心作! 被災地に流布する暗号『ハングリー・ラビット』
[第175回]やめろと言われても、今では遅すぎたッ! 妻夫木聡&武井咲主演の過剰なる純愛劇『愛と誠』
[第174回]年間自殺者数3万人を越える現代社会への提言 自殺対策の現状を追った『希望のシグナル』
[第173回]“三島割腹事件”を若松孝二監督が映画化!『11.25自決の日 三島由紀夫と若者たち』
[第172回]実在の事件を題材にした“命の授業”『先生を流産させる会』がついに劇場公開!
[第171回]自由社会に順応できない“脱北者”の過酷な現状 無垢なる季節との決別『ムサン日記 白い犬』
[第170回] 世界興収100億突破のSF大作『ロボット』はあらゆる既成概念を破壊する!!
[第169回]“エンタの神さま”ツイ・ハークが大復活! B級映画マニアの心を焦がす『王朝の陰謀』
[第168回]人はお下劣な分だけ、強く優しくなれる!? 結婚を控えた女たちの本音『ブライズメイズ』
[第167回]行きすぎたシステム社会に警鐘を鳴らす“ユナボマー・マニフェスト”の映画化『モンスターズクラブ』
[第166回]祭りの終わりと新ステージの幕開け、3部作完結『サイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者』
[第165回]すばらしき“コーマン野郎”の世界!『コーマン帝国』、愛と欲望の歴史
[第164回]懐かしき香り漂う、新感覚サスペンス 破滅へ突き進む男の悲劇『ドライヴ』
[第163回] 災害に備えた地下シェルターは必要? 心理ホラー『テイク・シェルター』
[第162回] 森田芳光監督の最終列車『僕達急行』人生は出会いと旅立ちのリフレイン!
[第161回] 鬼才キム・ギドクの"多重人格ショー"セルフドキュメンタリー『アリラン』
[第160回]映画創成期に散った"殉教者"への聖歌 3D映画『ヒューゴの不思議な発明』
[第159回]これはホラー? それともコメディ? 勘違い女が爆走『ヤング≒アダルト』
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[第157回] 韓国映画の名匠が明かす"創作の極意"イ・チャンドン監督『ポエトリー』
[第156回] ローカル局で"伝説となった男"の生涯『木村栄文レトロスペクティブ』
[第155回] 米国に半世紀も君臨した"影の大統領" FBI初代長官『J・エドガー』
[第154回]犯罪者たちに学ぶ"人心掌握術"の奨め『アニマル・キングダム』『預言者』
[第153回]"地獄"からの生還者・板尾創路の凄み 古典落語を過激に脚色『月光ノ仮面』
[第152回]早くも2012年ベスト1映画が登場!"代理殺人"を巡る恐怖『哀しき獣』
[第151回]父殺し、自分殺し、そして再生の物語 園子温流ラブストーリー『ヒミズ』
[第150回]米国お笑い横断旅行『宇宙人ポール』人間のちっぽけな悩みはETが解決!
[第149回]70年前と変わらない日本人の精神構造『聯合艦隊司令長官 山本五十六』
[第148回]追悼......"永遠の反逆児"原田芳雄さん幻の主演作『原子力戦争』がDVD化
[第147回]"ファスト風土"を舞台にした犯罪喜劇 J・アイゼンバーグ主演『ピザボーイ』
[第146回]"正義のゾンビ"が犯罪者を貪り喰う! イラク戦争奇談『ゾンビ処刑人』
[第145回] "時代の寵児"の未ソフト化作品上映!「松江哲明グレイテスト・ヒッツ」
[第144回]原発事故を描いた『カリーナの林檎』と今関あきよし監督の背負った贖罪
[第143回]"窮屈なモラル"を脱ぎ捨てた裸の女たち 園子温監督の犯罪エロス『恋の罪』
[第142回]ノーベル賞作家・川端康成が夢想した新風俗『スリーピングビューティー』
[第141回]横暴な上司は有志社員が制裁します!『モンスター上司』のブラックな笑い
[第140回]"クソみたいな社会を変えたい!"高校生テロリストの凄春『アジアの純真』
[第139回] うつ病なんかヘーキ!? 宮崎あおい主演作『ツレがうつになりまして。』
[第138回]"神話"が生まれる瞬間を目撃せよ! 人類への黙示録『猿の惑星:創世記』
[第137回]刑務所で食する至高の味『極道めし』ヒロインの後ろ姿に、むせび泣き!
[第136回]"理想の恋人"という偶像を破壊せよ 深夜番長の劇場デビュー作『モテキ』
[第135回]"城定秀夫監督、ブレイク前夜の予感! 闘争本能を呼び覚ます『タナトス』
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[第126回]イーモウ監督、久々のアイドル映画 中華的妹萌え『サンザシの樹の下で』
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[第124回]黒澤明の名作『生きる』のラテン版! ヤモメ男が残した遺産『BIUTIFUL』
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[第117回]"セカイ"を旅立った少女の地底探検記 新海誠監督の新作『星を追う子ども』
[第116回] 美少女たちの輝きが脳裏から離れない。青春ムービー『魔法少女を忘れない』
[第115回] 恋愛が与える"陶酔"とリアルな"痛み"サブカル活劇『スコット・ピルグリム』
[第114回]妄想、空想、そして現実からの大脱走 美少女革命『エンジェル ウォーズ』
[第113回]"3.11"後の新しい映画モデルとなるか『劇場版 神聖かまってちゃん』の挑戦
[第112回]マスコミが讃えた"楽園"のその後、ひとりの少女の成長記録『愛しきソナ』
[第111回]閉鎖的な"村社会"をブチ破ったれ! 韓流サバイバル劇『ビー・デビル』
[第110回]"粋"を愛したフランスの伯父さん J・タチ主演『イリュージョニスト』
[第109回]自分にとって家族は敵か、味方か? オスカー2冠受賞『ザ・ファイター』
[第108回]コーエン兄弟『トゥルー・グリット』40年で変化した"米国のヒーロー像"
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[第106回] 巨匠イーストウッド監督の異色作! "あの世"はあるか?『ヒア アフター』
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[第18回]1万枚の段ボールで建てた"夢の砦"男のロマンここにあり『築城せよ!』
[第17回]地獄から甦った男のセミドキュメント ミッキー・ローク『レスラー』
[第16回]人生がちょっぴり楽しくなる特効薬 三木聡"脱力"劇場『インスタント沼』
[第15回]"裁判員制度"が始まる今こそ注目 死刑執行を克明に再現した『休暇』
[第14回]生傷美少女の危険な足技に痺れたい! タイ発『チョコレート・ファイター』
[第13回]風俗嬢を狙う快楽殺人鬼の恐怖! 極限の韓流映画『チェイサー』
[第12回]お姫様のハートを盗んだ男の悲哀 紀里谷監督の歴史奇談『GOEMON』
[第11回]美人女優は"下ネタ"でこそ輝く! ファレリー兄弟『ライラにお手あげ』
[第10回]ジャッキー・チェンの"暗黒面"? 中国で上映禁止『新宿インシデント』
[第9回]胸の谷間に"桃源郷"を見た! 綾瀬はるか『おっぱいバレー』
[第8回]"都市伝説"は映画と結びつく 白石晃士監督『オカルト』『テケテケ』
[第7回]少女たちの壮絶サバイバル!楳図かずおワールド『赤んぼ少女』
[第6回]派遣の"叫び"がこだまする現代版蟹工船『遭難フリーター』
[第5回]三池崇史監督『ヤッターマン』で深田恭子が"倒錯美"の世界へ
[第4回]フランス、中国、日本......世界各国のタブーを暴いた劇映画続々
[第3回]水野晴郎の遺作『ギララの逆襲』岡山弁で語った最後の台詞は......
[第2回]『チェンジリング』そしてイーストウッドは"映画の神様"となった
[第1回]堤幸彦版『20世紀少年』に漂うフェイクならではの哀愁と美学
AV女優・初音みのりが語る名作エロティック映画の魅力

──みのりちゃん自身、プライベートで目隠しプレイの経験は?
みのり あるんですけど、全然気持ちよくなかったんです……。何をするかわからないから面白いのが目隠しプレイなのに、相手も経験不足だったから、いつも通りのプレイで全然驚きがなかった。経験豊富な相手ならもっと楽しめるんでしょうね。
──氷プレイの他にも、映画の中では地下道やビルの屋上、時計台で愛し合っていました。みのりちゃんだったら、どこでHをするのがいい?
みのり 屋上は開放感があって素敵ですよね。地下道だと、いつ誰が来るかわからないから、Hに集中できない。周りが気になっちゃうと全然気持ちよくないんですよ。
──みのりちゃんがこれまでにいちばん印象に残ってる映画のラブシーンは?
みのり 『アルマゲドン』のラブシーンは最高でした。カップルが愛し合ってシーンなんですが、動物ビスケットを使って女の人の身体をツンツンするんです。動物が「下の茂みに行こうかな」ってアソコの方に下りていったり(笑)。あれは見ていて思わずドキドキしました。
──『ナインハーフ』とそっくりだね。
みのり そうなんです。私、焦らされるのが好きなんですよ~。
──じゃあ、これまでみのりちゃんが経験した中で、『ナインハーフ』のような激しいプレイは?
みのり う~ん……。以前付き合っていた人から、「電マを使ってみたい」ってリクエストされて、はじめて使ってみたんです。その時は、挿入されながら同時に電マをクリに当てられて……すごく気持ちよくてイっちゃったのを覚えています。
──激しいけど、映画みたいなロマンチックさが全然ない!
みのり あははは、確かに! ナインハーフで描かれているようなロマンチックなHも憧れるんだけど、そういうことをしてくれる相手に巡り合えないんです。お姫様抱っこをされて、ベッドに連れて行ってほしいな~。
──セクシーな描写意外はいかがでしたか?
みのり 印象深かったのが、人は恋人によって変化したり、自分でも知らない自分になれるというメッセージ。この先出会う人によって、自分もどうなっちゃうかわからないんですね。
──みのりちゃんも付き合う相手によって変わっちゃう?
みのり すごく変わります。私、相手の好みの女になるのが好きなので、相手に合わせて服の趣味も変わっちゃう。露出好きな男の人と付き合ってた時は、背中がヒモだけの、キューティーハニーみたいな服を着ていました。もうさすがに着れなくて、クローゼットの奥に閉まっていますけど……。
──『ナインハーフ』というタイトルは、カップルが過ごした9週間半の時間を象徴したタイトル。みのりちゃんは、短期間で燃え上がるような恋は経験したことある?
みのり 私、熱しやすく冷めやすいから、そんなのばっかりです(笑)。1カ月ずっと一緒に過ごしているんだけど、2カ月目になると、繰り返しに感じてすぐに飽きちゃう。もっとひどい場合だと、付き合う前に仲良くなり過ぎて、付き合いだすと冷めちゃうみたいなパターンもあります。
──じゃあ、ミッキー・ロークに迫られたら燃え上がっちゃいますね。
みのり あれだけ男性から尽くされたら、幸せを感じない女性はいません! 日本人の男性って、プライドがあるからかあんまり愛情をアピールしないですよね。それは絶対ダメ!! 好きっていうのは言葉に出していかなきゃ絶対に伝わりません。
──熱弁ですね~。
みのり だから、日本の男性も『ナインハーフ』を観て勉強してください!
──わかりました!
わけあり案件・小林幸子を茶の間に戻す、『さんまのまんま』いじり

「おんなの酒場」/日本コロムビア
今年も『紅白歌合戦』(NHK)の出演者が話題になる時期。90年代から長きにわたって、紅白での大きな話題の1つは、小林幸子と美川憲一の豪華衣装合戦だった。しかし、美川憲一は2010年に落選、小林幸子も事務所トラブルなどを理由に今年の出場が危ぶまれている状態。さらに美川にも事務所トラブルが起こり独立するなど、なぜだか常に詰め合わせセット状態になりがちな2人。
関東地方で11月3日放送された『さんまのまんま』(フジテレビ系)も、「特売号 美川憲一&小林幸子が? 告白SP」と銘打ち、美川憲一と小林幸子のゲスト回を2本立て詰め合わせセットとして放送していた。
「ジュニア時代の伝説」菊池風磨&中島健人の“ウザすぎる”言動とは?

11月10日放送の『王様のブランチ』(TBS系)にSexy ZoneがVTR出演しました。11月14日にファーストアルバム『one Sexy Zone』を発売する彼ら。アルバムを紹介する場面では、佐藤勝利が「聞いてて1曲1曲飽きないものになっているので、楽しんでもらえると思う」とアーティストとしてごく普通のコメントをする一方で、中島健人は「ファンの皆さんにオレたちのことをもっと知ってもらいたいんで。こうしてアルバムを出すことによってコミュニケーションを取ることができるのかな」と中島らしくアイドルなコメントをしていました。
これまでの経歴が簡単に紹介されたあとは、メンバーそれぞれが心に残るエピソードを語ります。中島は「ここ1年間の忘れられない思い出」として、菊池風磨と某歌番組に出演した時のことを話しました。収録時、早替えパンツを穿いていたという中島。「ファンの子も“キャー!”って言ってくれてる中で、ここからサビだって時に早替えパンツが開放されちゃって。オレの生足が出ちゃったんですよね。もう『セクシーゾーン』が丸見えだったので」。生足はたしかに恥ずかしいですが、それより中島、デビュー以来「セクシーゾーンが丸見え」ってフレーズを乱用しすぎでは? そっちの方が恥ずかしいです。
あの異色ブロガーが、“しょっぱい”出版ビジネスの闇に挑む
自身のブログは総アクセス2200万PVをたたき出し、はてなブログのブックマークでは常に上位をキープ。2010年度アルファブロガー・アワードも受賞している、クレイジーワークス代表取締役総裁の村上福之氏が、10月、著書『ソーシャルもうええねん』(Nanaブックス)を出版した。 「ソーシャル蟻地獄に落ち込まない思考術」 をテーマとする本書は、発売前からAmazonビジネス書部門ランキングで2位となり、取次から「もっと刷って」と依頼が来るなど、異例の売れ行きとなっている。 その裏には、著者自身が、徹底して出版ビジネスの仕組みを研究し、出版業界関係者への取材を行うなど、「本が売れる」ための妥協なき取り組みがあった……。 そんな村上氏に、今回、本書のエッセンスに加えて、 「出版という“しょっぱい”ビジネス」 「『本を売る』にはどうすればよいのか?」 「エンジニアの生き方」 などについて語ってもらった。 ーー村上さんといえば、敏腕プログラマー/エンジニアとしてだけでなく、2010年度アルファブロガー・アワードを受賞するなどネット界でも著名であるにもかかわらず、今回の本が初めての著書だとか。少し意外でした。 村上福之氏(以下、村上) そうですか? 僕なんて、そんな大したヤツじゃないですから。まあ、ようやく本が出せたのは、素直にうれしいですけどね。 正直、これまでも本の依頼は何件か頂戴していました。ただ、「機会があれば、出しませんか?」という軽い社交辞令レベルの打診ばかりで、きちんと企画をまとめてオファーしてくださったのは、今回のNanaブックスさんが初めて。あと、これまでの依頼は「技術本を書いてほしい」というものばかりで、ブログ本を提案してくれたのもNanaブックスさんだけなんです。書き下ろしは面倒くさいな、という気持ちもあったので「これまで書いてきたブログをベースにまとめていきましょう」という提案は、ありがたかったです。 とはいえ、結局はずいぶん加筆修正もしたので、書き下ろしに近い内容になりました。それなりに大変だったので、途中「もうイヤ」「書けない」「執筆に飽きた」とフェイスブック経由で編集担当に泣き言ばかり送って、ずいぶん困らせたと思います。 ーーご苦労のかいあって、出足好調ですね。 村上 ありがとうございます。おかげさまで発売前に三刷となりました。取次が「もっと刷って」と取扱数を上乗せしてきた時はビックリしましたよ。発売前にAmazonのビジネス書ランキングで2位になったことも大きかったです。 ーー執筆や刊行に際して、ご自身でもビジネス書界隈の事情について、ずいぶん研究されたそうですね。刊行が近づくにつれて、ツイッターやフェイスブックで「出版ビジネスの闇が見えてきたな」「自分の文章なんてクソだと思ってる」など、ネガティブな発言、自虐的な発言が増えていきました。 村上 せっかく本を出すのだから、どうせなら少しでも多くの人に読んでほしいし、出版ビジネス、特にビジネス書のビジネスについて少しでも理解を深めたい……という思いがありました。いやーでも、調べれば調べるほど妙な世界ですね、ビジネス書って。 ーーそういった本音も含め、不安や葛藤を包み隠さずソーシャルメディア上で吐露していたのが印象的でした。 村上 まあ、それは僕が技術者だからでしょうね。技術者って、すべてのネガティブな可能性を予測して、ひとつひとつ潰していかないと満足しないというか、安心しない生き物なんですよ。なかなか楽観視はしない。というか、すべてのネガティブ要素を想定できるのが優秀なエンジニアだと思うので。 そのおかげで、エンジニアは慢性的にネガティブだからとかく精神を病んだりするし、優秀なエンジニアほど、どこかブッ壊れた変わり者だったりするワケです。ただ、プロジェクトの中で、いちばんネガティブじゃないと良いプログラマーにはなれないのも事実。あのビル・ゲイツだって「明日、会社潰れるかも。どうしよう……」って毎日考えている、という話だし。いやいや、アナタ世界一の富豪じゃんって。経営者でエンジニアなんて人は、ホントに毎日「会社が倒れるかも」と本気で考えて、どこか頭がおかしくなっているもの(笑)。そういう意味では、経営者には文系が向いているんでしょうね。 「とりあえずキラキラ女子を集めて、取引先を呼んで騒げばなんとかなるだろ、ワッハッハー」 「ここでわざと麻雀に負けておけば仕事は取れるだろ、ワッハッハー」 みたいに考えられるから。 で、本の話に戻すと、やっぱり自著についてもネガティブに捉えていたから、どうやればネガティブ要素を潰せるかを考えました。そこでトライ・アンド・エラーを重ねるのは時間もかかるし面倒くさいから、とにかく既存事例──他の版元や著者のやり方を徹底的にパクろうかなと。そういう発想で、ビジネス書の実情を調べ始めたんです。『ソーシャルもうええねん』
(Nanaブックス/村上福之)
●版元への不満をSNSで吐露
ーー版元であるNanaブックスにも、SNSでかなりあけすけに不満を述べたりしていましたよね。 村上 誤解を解いておくと、いまは版元さんと、とてもいい関係ですよ。ただ、途中では「死ねっ!」と思ったりしたこともあったりなかったり……。 Nanaブックスの販売事例をいろいろ伺っていると、ある本の返本率がありえない数字をたたき出していた。そこで、悩みに悩んで、「参考になる他社事例は積極的にパクろう。僕もいろいろ調べますから、そちらでもリサーチしてください」と協力をお願いしたんです。 ただ、出版ってホンマに儲からないビジネスなんだなと、調べるほどに痛感しましたよ。なんてショッボいビジネスなんだろう、と。なんとなく活気がありそうな印象のビジネス書界隈にしても、そんなに旨味のないジャンルであることが見えてきた。初版数千部だけで大して書店でも動かず、返本でごっそり倉庫に返ってくるなんて本も多いそうだしね。 ーー具体的に、どういった形でリサーチを進められたのですか? 村上 いわゆる出版大手からビジネス系に強いところまで、版元の人間に徹底してぶっちゃけトークを聞いて回ったんです。過去に原稿を書いたことがあるとか、取材を受けたことがあるとか、知り合いのツテを頼ったり、Twitterで聞いて回ったりとか、そういうところから。 例えば、 「取次からの支払いって、版元には何カ月後から入ってくるの?」 「取次への営業って、どうなってる?」 「配本計画って、ちゃんと作って取次に出してる?」 「この本、けっこう売れたみたいだけど、実売ってどのくらい?」 「本の帯に芸能人とか著名人がコメント出しているけど、この謝礼はどのくらい払った?」 「この本の広告費はいくら?」 「御社の発行部数や売上に対する広告費の割合って、何%くらいなの?」 ……などなど、とにかく気になることはなんでも、しつこいくらいに聞いて回った。 で、売れている本はこういう数字の内訳で、こういうカラクリや仕掛けなのか、ということがだんだん見えてきた。そこからできることをコピーしよう、ということで進めていきました。 それにしても、売るのがうまい版元ってホントにあるんだな、と感じましたね。「某ときめいちゃう片付け本」みたいな版元なら、それこそ白紙でも本が売れるんじゃなかろうかと。それくらい「売る」ことを意識している。ぶっちゃけ、とりあえずそれっぽい表紙を付けて、とりあえず文字で埋めて、電車広告をバンバン出して、『金スマ』みたいなテレビ番組に著者を出せば、どんな本でも売れるんじゃない? くらいに思いました。 売れている本は、そうやってちゃんと仕掛けているから売れている。でも、僕の本なんて、どう考えても3万部くらい売れたら御の字だろうと思うから。ビジネス書のビジネスって、そういうモンだと理解したんですよ。けっこうしょっぱい商売。実際、本なんか書いても、そうは儲からないですよ。それをとっかかりに名前を売って自分の本業にお客を引っ張ってきたり、講演やらセミナーやらで派生ビジネス展開しようとするビジネス書作家が多いのは、よくわかります。 この2カ月くらいで、出版ビジネスについてはずいぶん詳しくなりました。ワケもわからず、取次への営業に「僕も連れてけ!」と無理を言って、いざ出向いてみたら「えっ、著者が来たの? わざわざ連れてこないでよ」なんていやみを言われたこともある(苦笑)。制作を進めているときは、版元や編集担当に対して怒っていることも多かったけど、いま振り返ってみれば面白かったですよ。まあ、これを3回、4回と繰り返すとなると、僕は絶対に飽きるだろうなとも思いましたけどね。 それもこれも、結果的にはNanaブックスさんだからこそできたことだと、とても感謝しているんです。僕みたいな面倒くさい著者に、文句も言わんとちゃんと付き合ってくれたから。小さな版元だからこその小回りの良さもあったし、刊行数が大手みたいに多くないから、一冊に集中してもらえたのもよかった。……って、まだ終わってないですけどね。これから本を売っていかなきゃいけないし。●著者は書店営業に同行
ーー刊行直後から書店営業に何軒も同行したり、手書きPOPを書いたりされてますよね。大量に平積みされている書店も多いです。 村上 できることはなんでもしないと。書店へのあいさつ回りくらい、いくらでもやります。全国行脚してもいい、くらいの気持ちです。勝間和代さんの「書く努力の5倍、売る努力をする」じゃないけど、まあ、それくらいの努力は辞さない覚悟ですよ。 基本、僕はネットの人間なので、できることってネットの中のことが多いんです。それだけじゃダメで、これからはもっと、リアルで売っていく施策を考えなきゃいけない。この本の中に書いてあることって、ネットのコアユーザーとか、ネットでビジネスをしているような人間なら、普通に知っているような事柄が多い。だからこそ、もっと普通の人に読んでほしいんです。 ーー本の内容に目を移すと、ネット界隈、SNS界隈のぶっちゃけトークだけでなく、ジワジワと胸に迫ってくる話、真摯な気持ちになれるエピソードなどがちりばめられていて、グッときました。 村上 えっ、そうですか!? なんかすみません、こんなテキトーなヤツが書いたものなのに。 ーー例えば、会社を登記する際、空欄や記入ミスの多い申請書類を前に、法務局のおっちゃんが懇切丁寧に教えてくれた……のくだり。「これからもな、わからんかったら、人に聞いたらええんや。誰でもなんでも最初から、うまいこといくもんちゃうんやで。人生、勉強やで」というセリフがジワジワ染みました。 村上 1時間半もかけて、丁寧に付き合ったくれたええおっちゃんでしたけど、要するにヒマだったんでしょうね(笑)。 本の中にも書きましたけど、僕はホンマにアホなんで、とりあえずやってみて、わからなかったら人に聞く、てなことを繰り返してきただけなんですよ。 ーー村上さんの飾らない、正直な人柄は、本書の行間からも滲んできます。経歴だけを見ると、もっとカマすようなところがあってもおかしくない気がします。 村上 調子こいてカマしたりするの、大嫌いなんですよ。あと、僕は大手家電メーカーから社会人生活をスタートさせたので、そこでの経験が影響していると思う。大企業は、ひとつのプロジェクトに関わる人間が多いから、下手なことを言うと後でとんでもないことになるんです。たとえば開発の人間が「この商品、すごいぜ。こんな感じで高性能だぜ。世界一だ」なんて言ってしまうと、「そうか、そんなにスゴイのか。よっしゃ!」と宣伝やら営業の人間がワーッと動きだして、ポスターやパンフレットの制作、PR企画やキャンペーン企画などがどんどん立ち上がってしまう。 そんな状況でもし「あ、検証してみたらこんな不具合が発生したので、次期モデルでの実装は見送ります」なんて開発の人間が言いだしたりでもしたら、それこそみんなズッコケて大騒ぎになる。だから、まずは話半分くらいで様子を見るような感覚が身に付いてしまったかもしれませんね。大手企業のエンジニアとか、本当に慎重なタイプが多いですよ。臆面もなくカマせるような人って、大きな仕事に携わった経験がないのかもしれません。 そういう姿勢を大企業病的に揶揄したりする向きもあるかもしれないけど、一方では仕事に対する誠実さにもつながっている側面があるんですよね。ていうか、日本の大手企業は、基本的にはすごく誠実だと思いますよ。現場の人間は特にね。上のほうは、どうしても狡猾さとか腹黒さも必要悪として求められるところがあるから。 問題を起こしたくないから、起こっても最小限にとどめたいから、リスクヘッジのために控えめに捉えて、あまり大口をたたかず、謙虚に立ち振る舞う必要がある……と言ってしまえばそれまでだけど、そういう誠実さって、丁寧さや責任感を醸成するもの。 そもそも僕の場合、カマしたりせず、真面目に仕事をして、真面目に生きることって、元も子もない言い方をしてしまえば、そうするのがいちばん面倒くさくないからなんです。まあ、動機はどうあれ、できないことはできない。わからないことはわからない、と正直に言える姿勢はとても重要だと思う。ウソはつかない。正直にやる。そういうのって、大事ですよ。吹いたり、カマしてばかりで実態が伴わないと、最後は信用を失いますから。「僕はアホです。わからないんで教えてください」と言っているくらいでちょうどいい。●大企業or中小企業
ーー本書では「超大企業と未上場ベンチャーの違い」という一節があり、できること/できないこと、メリット/デメリットが対比されています。 村上 僕は別に「大企業がいい」「いやいや、中小企業がいい」とどちらかに肩入れするつもりはなくて、どちらにも良いトコ、悪いトコがあるよね、と言いたいだけ。大企業がいいか、小さなベンチャー企業がいいかなんて、人によりけりだから。欲をいえば、どちらも経験しておくといいかも、とは思う。どちらにせよ、軽々しくウソをつくクセ、ハッタリをカマすクセをつけず、法律を守って仕事をする意識を持つことが重要だったりしますよね。 ーー村上さんのお話を伺って、一見、はちゃめちゃなようで、実は非常に折目正しい印象を強くしたのですが、ご自身で考える自分の強み、自分のこだわりとは? 村上 そうだなぁ……「最終的には、お客さんのことをいちばんに考える」ところかな。働くのは、世のため人のためだと考えているので。自分の書いたプログラムを使ってくれるお客さん、末端のユーザーさんのことは、最後の最後にちゃんと考えて、ハズさないように作るとか、そういう意識はとても強いですね。 でも、そんなに難しいことじゃないですよ。たとえばプログラムなら、自分の書いたプログラムとお客さんの求めることをつなげるときに、そんなに凝ったことは必要ない。プログラムなんて俳句みたいなもので、無駄なものをそぎ落としていくと、非常にシンプル。それこそ「五・七・五」ですべて語れるくらいのことで。これは、僕がプログラマーだからというだけじゃなくて、どんな仕事にも通底するように思います。 とかくプログラマーは技術そのものが大好きで、面白いから、そこにハマってしまって、お客さんのことを考えられなくなってしまうんですよ。僕も若いときはそうだった。「ここのアルゴリズム、すごいんですよ。なんと………47行! 短いでしょ」「これまで7秒かかっていたローディングが、なんと………5秒になりました!」とか自慢するような。でも、それってお客さんにとってどれくらい大事なの、と。●技術は生身の人間が使う
ーー最も重要なのは、相手は温かみのある、生身の人間であることを忘れない、ということでしょうか。 村上 そうですね。僕は若いとき、家電メーカーにいたわけですが、たまにサービスセンターとかお客様相談センターから声が回ってくるんですよ。「動かない」「使いづらい」とか、ありがたいご指摘がいろいろ(苦笑)。若いころは本当に技術ばかり追い求めていたところがあったけど、そういう声を聞くと「ああ、自分の作った技術は、生身の人間であるお客様が使っているんだな」という至極当たり前のことに、あらためて気付かされたりするんですよね。 ネット企業でも同じで、ややもすると、お客様をメールやアクセスカウンター、アクセスログでしか把握していないような一面がある。でも、使っているのは生身の人間ですから。そういうことをリアルな感覚として意識できるかどうかは、どんな仕事でも大事でしょう。 あと、最初の会社を辞めて、人生に疲れて、しばらくオーストラリアでプラプラしていた時期があるんですが、それまでデジカメの開発に関わったりしても、自分でパチパチ撮ったりすることがなかった。友達も少ないし、外に遊びにもいかないし。 そんな男が、人生で初めて長期の海外滞在をして、観光地とかでいろいろな人が、自分が開発に関わったデジカメを使って家族や友達と楽しそうに写真を撮っているところを、初めて目の当たりにしたんです。「こんなクソ会社、辞めてやるわー」なんて勢いづいていたけど、自分が携わったカメラを大事に抱えて、家族で旅行に行って楽しく写真を撮っている人たちがいて、そのカメラで撮った写真は家族の思い出になっていき、家族のアルバムの一枚に加えられ、結婚式のスライドに使われて、そして、「おばあちゃんって、若い時きれいだったんだね」と孫に言われる……なんて物語を意識したら、あらためて、自分のしてきたことって何だったのだろう、と考え込んでしまったんですよ。 自分がプログラムしたSDカードのドライバで書き込んだデータが、この人たちの人生を刻んでいくんだな、なんて思ったら、なんだか泣けてきて。「47行です、5秒です」という世界もあるんだけど、基本的に技術というのは世のため人のためにあるんだな、と。そのときに痛感したんです。 そんな経験が、自分で何かモノを作るのであれば、人を喜ばせてナンボだな、という考え方の源になっている。文章を書く場合でも、どこかにそういった思いを抱いて筆を進めているように感じます。 話を戻せば、そもそも僕は大したエンジニアでもブロガーでもないので。技術だけですべてを語れるほど、僕は頭がよくない。あーでもないこーでもないと悩んだり迷ったりしているところをさらして、「アホやなぁ」と突っ込んでもらえているくらいでちょうどいいんですよ。 (構成=漆原直行) ■おすすめ記事 防衛省情報本部員も多数参加?のSNS秘密会は入会カンタン!? 何もせずに高額料金をふんだくる!? 詐欺SEO業者の手口 「原因は粉飾決算」テレビショッピングの日本直販の倒産 逃げ場無し!? 社員専用SNS普及の兆し これだけ読めばわかる!大統領オバマの“生まれ方”チャレンジS ~ダンディハウス
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