恐怖物語はこれから……離婚成立でも高嶋政伸を追い詰める美元のシナリオ

「女性自身」11月27日号(光文社)

下世話、醜聞、スキャンダル――。長く女性の"欲望"に応えてきた女性週刊誌を、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ぶった斬る!

第151回(11/9~13発売号より)

 小沢一郎「陸山会裁判」が1審に続き2審も無罪判決が下された。だが無罪判決に対する報道の少なさは何なのだろう。事件発覚当初、連日あれだけ大騒ぎして国民に小沢=悪人というイメージを刷り込んだマスコミだったが、ワイドショーなどは2審無罪をほぼスルー。おい、おい、である。この日本という国、そしてメディア闇は深い。

1位「美元『離婚はさせない!』あの『ゴージャス松野』流『泥沼法廷バトル5年』怨念計画」(「女性自身」11月27日号)
補欠「勝訴でも政伸を待ち受ける 粘着妻 美元“地獄の裁判ラッシュ”『1億円出すまで訴え続ける!』(「週刊女性」11月27日号)
2位「塩谷瞬 年上キラー健在! 連日連夜の『日替わり同伴デート』撮」(「週刊女性」11月27日号)
補欠「塩谷瞬『俺の肉食べる?』呆れた“お下品合コン”一部始終」(「女性セブン」11月22日号)
3位「野田首相夫人・仁実さん 夫・野田首相に“家事拒否”で迫っていた『公邸を出たい!』(「女性自身」11月27日号)

「ハワイ旅行に当選!」──実はウイルスに感染! 巧妙化する拡散手口に被害者が続出中

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 複数の誤認逮捕につながった遠隔操作ウイルス事件、これと同様のウイルスに感染させる新たな手口が分かった。都内ネットセキュリティ会社の対策研究メンバーである樋口順英氏が「賞品がもらえるモニター募集のニセメールによる感染が見つかった」と、近く警視庁にも情報提供するという。  その手口は、唐突に届く“当選メール”だ。 「トヨタ プリウス、JTBハワイ旅行など豪華賞品に当選しました!」  こんな見出しのメール、その内容は当選した賞品を受け取る条件として「弊社の開発したツールバーを最低1カ月間、無料体験すること」とソフトをダウンロードするURLが掲載されたものだ。現在はすでにそのURLをクリックしてもエラー画面になってしまうが、被害者によると、メール受信直後にはソフトをダウンロードする画面があったという。  これは、ダウンロードするとパソコンを外部から遠隔操作できるプログラムを取り込んでしまうもので、当然、今回起こっているような、なりすましによる掲示板への投稿なども可能になるという。 「ただ、世間を騒がせている事件のものよりはソフトの出来が悪く、パソコンの動作が重く感じられるので異変には気付きやすい」と樋口氏。 「分かっているだけでも昨年11月から今年2月まで、この手口で4名のユーザーのPCへの感染が見つかりました。ただ、動作が重くなるだけでなく、ダウンロードしても画面にツールバーが実際に表示もされず、その4名は不審に思ってそれぞれ電器店やウイルスソフトの会社などに相談し、被害を出すことなく対処できています。でも、ほかで被害が出ている可能性があるので無視はできません」(同)  メールには当選者100名として、その中から「トヨタ プリウス」「JTBハワイ旅行・ペア5泊6日の旅」「ソニー46型液晶テレビ」「東芝ノートパソコン」「任天堂Wii&ソフト1本」「東京ディズニーリゾート・パークチケット(ペア)」の当選者が3名ずつ抽選で決まり、ほかは「3千円分の商品券」がもらえると書かれている。  しかし、メールやダウンロード画面に書かれていた運営会社の「株式会社EGC」は、樋口氏の調べによると該当する会社が存在せず、記載の都内住所も無関係なテナントビルのものだったという。 「4名に送信されたメールアドレスは、ドメインもwiughsk.com、iirutgi.com、yhjahu.com、dwiedapaqs.comとバラバラで巧妙に身元を隠していると思いますが、ランダムなアルファベットの印象は同じなので、似たようなメールを受信した人はくれぐれも注意してほしいです」(樋口氏)  ちなみにソフトをダウンロードした4名のうちひとりは現職の若い警察官、それも署から借りているノートパソコンにダウンロードしてしまったものだという。 (文=鈴木雅久)

バイト先のイケメン店長と先輩に挟まれて……下心アリアリな私は期待しちゃう☆

【作品名】『おいしく喰べて欲しいの☆ドッチ?』 【作者】伊吹美里

【作品紹介】イケメン店長に憧れて、ファーストフード店でバイトをし始めた私だけど、一個上の先輩・曽根さんのコトが気になってきてて……。ある日、店長と外食の約束をゲットして喜んでたら、曽根さんが冷たくなっちゃった。バイト中だけど、ショックで落ちこんでたら、店長に頬舐められて……!? まさかの急展開に頭が回らないよー!!

【サイゾーウーマンリコメンド】泣いている女の子の慰め方として、「頬を舐める」というのは、なかなかできるもんじゃあないですよね~。でも私、かつて「渋谷系の王子様」にかぶれたアラフォー男が、若い女の子を「おやすみなさい、仔猫ちゃん!」的なノリで口説いているところを見かけたことがあるわ。まだまだ自分自身をも仔猫だと思い込んで、女の涙をペロペロ舐めてるかもしれないけど、妖怪・あかなめ(風呂場に出没し、風呂桶にこびり付いた垢を舐め落とすという妖怪)にしか見えないから、注意した方がいいわよ。

ゲームの神様・横井軍平「枯れた技術の水平思考」が意味する、本当の“ものづくり”とは

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『ものづくりのイノベーション
「枯れた技術の水平思考」とは何か?』
(P-Vine-Books)
 コンシューマゲームファンにとってのXデーが近づきつつある。  その日は12月8日。世界に名をはせる任天堂が放つ、最新ゲームハード「Wii U」の日本国内発売日である(海外では先駆けて11月に発売される)。ゲーム市場全体の冷え込み、相対的に市場規模を拡大し続けるソーシャルゲームの台頭など、さまざまなニュースが関係者やゲームファンに届けられる中、果たして任天堂はどのようなゲームライフを我々に提示してくれるのだろうか。  そのように世界中が注目する今だからこそ、任天堂の次の一手に期待を寄せつつ『ものづくりのイノベーション「枯れた技術の水平思考」とは何か?』(P-Vine-Books)を読んでみてはいかがだろうか。  本書は大ヒット玩具「ウルトラハンド」に始まり、「ゲーム&ウオッチ」「ファミコン」「ゲームボーイ」といった任天堂のヒット商品を次々と考案しながらも、1997年に不慮の交通事故で他界したクリエイター・横井軍平氏がよく口にしていた発想方法「枯れた技術の水平思考」を、彼自身の言葉から読み解く発言集である。ゲームファンのみならず、技術分野・開発分野に携わる人ならこの言葉を、一度でも聞いたことがあるだろう。  「枯れた技術」=「すでに広く使用されてメリット・デメリットが明らかになっている技術」でコストを減らし、「水平思考」=「現在利用されているジャンルから離れ、まったく別のものに置き換えて使うことにより新しいものを生み出す、というこの考え方は、今や任天堂という大企業の根幹をなす思想となっている。  それを裏付けるように、家庭用ゲームが高度化・複雑化する中、任天堂はひと世代前のコンシューマゲーム機「ゲームキューブ」のアーキテクチャを応用しながらも、「家族で遊べるゲーム機」というコンシューマゲーム機の根本に立ち返った思想で設計された「Wii」や、タッチパネルという直感的な操作で老若男女問わず楽しめる「ニンテンドーDS」などを次々とヒットさせたことを記憶している読者も多いだろう(ただ、その後、ファミリー層が「ゲームファン」として定着したかどうかは別の話)。  世界一のゲームメーカー・任天堂に、今もなお多大な影響を残す横井軍平という人物が、いったいどのようなことを考え、ゲームという「ものづくり」に向き合ってきたかがうかがえる本書だが、 「本当の先端技術を使ったら売れるものはできません。娯楽の世界ではそんな高い商品は誰も買ってくれないのです」 「テレビのような受動的な機器には、そもそも立体の必要がないんじゃないですか。能動的に関わる世界ではじめて、立体であることが意味を持つんです」  など、ゲームファンのみならず、すべての「ものづくり」に携わる人々にとって多くの示唆を含んだ発言も多数収録されている点にも注目したい。  そして本書最大のポイントは、稀代の失敗ゲーム機として今もなおゲームマニアの間で語りぐさとなっている「バーチャルボーイ」の狙いについての、横井氏の発言がまとめられている点である。  かつては新機種が出るたびに、新たなエンタテインメント性を提案してきたゲーム機だが、ゲームのアイデアや内容ではなく性能勝負となってきた94~95年当時、彼が感じた閉塞感と新たな娯楽を提案せねばならないという危機感もまた、現在のコンシューマゲーム業界を先取ったものだといえる。  ゲーム機の性能競争が進むことでライトユーザーが振り落とされ、やがてゲームはマニアのものとなって先細っていく……。そんなゲーム業界の趨勢に危険性を感じた横井氏が、新たなゲームの価値観を提唱すべく誕生したのが「バーチャルボーイ」だったのだ。  バーチャルボーイを評価できなかったゲームファンに見る目がなかった、と断罪するつもりは毛頭、ない。だが、あの時……いや今も、我々はあまりにも表層的にしかゲーム、ひいては「ものづくり」というものを捉えていなかったのではないだろうか。  「ものづくり」という行為に対して物の見方をあらためて問い直し、日本が「ものづくり大国」として復権するためのヒントがちりばめられている現代のバイブル。それが本書なのだ。

ドラえもんがプチ整形!? 声優・水田わさびが天狗状態でブーイングの嵐?

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『TV版NEWドラえもん プレミアムコレ
クション 感動スペシャル~君はかけが
えのない親友だ!』/ポニーキャニオン

 国民的アニメともいわれ、今も根強い人気を誇っている『ドラえもん』(テレビ朝日系)だが、その収録現場では、昔から激しい対立と派閥争いが繰り広げられているという。特に、先代のドラえもん役・大山のぶ代と、のび太役・小原乃梨子が険悪だったことは有名な話。スタジオでは毎週、2人はそれぞれ端に立ち、収録が行われていた。

 2005年、キャスト総入れ替えで、新生『ドラえもん』が誕生したが、現在も『ドラえもん』の現場では、水面下でさまざまないざこざが起こっているのだという。

 まずは、主人公であるドラえもんの水田わさび。声優として細々と活動していた矢先、ドラえもん声優の座を獲得。さえない時代から一転、国民的人気キャラクターを演じることになった。ドラえもんに抜擢される前は、声優活動だけでは食べていけずに、新宿歌舞伎町のキャバクラで働き、エロゲーなどの吹き替えもこなしていたという。

笑いと文学をつなぐ究極読書芸人の隠れ家的ユートピア『ピース又吉の活字の世界』

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『第2図書係補佐』(幻冬舎)
しゃべりと笑いと音楽があふれる“少数派”メディアの魅力を再発掘! ラジオ好きライターが贈る、必聴ラジオコラム。  ピースの又吉直樹は、今もっとも売れている芸人の一人である。そんな彼が、華やかなテレビのゴールデンタイムの裏で、驚くほど静かに、ひっそりと文学を語っている。芸人ラジオのゴールデンタイムといえば、テレビの喧噪がすっかり遠のいてからの時間帯、つまり『JUNK』(TBSラジオ)や『オールナイトニッポン』(ニッポン放送)が放送されている、深夜1:00~3:00である。今ピースがラジオをやるならば、まさしくそのどちらかの枠がふさわしいだろう。しかし、又吉にとってラジオ初のレギュラー番組となる『ピース又吉の活字の世界』(ニッポン放送 水曜20:00~20:30)は、そのどちらの枠でもなく、時間も短く、コンビでもなければ、お笑い芸人然としたハイテンションでもない。30分間、又吉が本の魅力をただひたすら語るという、それだけの番組だ。しかしこれが、妙に面白い。その面白さの中に含まれる「妙さ」こそはまさに、優れた文学作品を読んだときに感じる面白さである。  お笑い芸人が、お笑い以外の趣味を核とした枠組みで番組をやることは、テレビでもラジオでも時にあるが、多くの場合、その芸人の持つ面白さは、扱っているジャンル自体の持つ面白さの枠内に押し込められてしまう。車好きの芸人が自動車の番組をやっても車自体の面白さには勝てず、競馬やパチンコの番組をやっても、その中でその芸人ならではの特長を出すのは、とても難しい。しかし、この『活字の世界』という番組においては、むしろテレビでの又吉よりも面白いといっていいくらい、彼の本領が発揮されていると感じる。それはきっと、本というものが、又吉にとって趣味という領域をはるかに越えてしまっているからだ。  初回放送で又吉は、「本が好きな人が世の中に増えて、どんどんみんな小説を書いて、その面白い小説が読める世の中になれば、最高の人生を過ごせるんじゃないかと思ってる」という、本好きのユートピア幻想ともいうべき理想論を掲げた。まるでこの世には本と人間以外には何も存在していないような、恐ろしくピュアでロマンティックな理屈である。又吉にとって本とは、すでに趣味の領域を越えて、イコール世界になっている。そんなことをいうと、「書を捨てよ、町へ出よう」と寺山修司のような、リア充目線のお説教がどこからか飛んできそうだが、本は人が書いたものである以上、それは人の思考回路そのものであり、さらには人の発想が組み立ててきた世界そのものであるということも、またひとつの事実ではないか。  だから又吉の中では、お笑いも文学も、同じ世界の中に含まれる。どちらも人の思考回路が露出した結果であり、それこそが人間そのものを表現しているということに違いはない。又吉にとって、文学は別腹に入れるべき単なる趣味ではない。彼はこの番組の中で、「笑いと文学は密接な関係にある。ほとんど一緒なんじゃないかとさえ思う」と語る。その二つは同等の、そして同種のものなのだ。だからこそ又吉は、文学における笑いを、お笑いと同じく「緊張と緩和」の構造から読み解いたり、敬愛する太宰治の作風について、「ナルシストな自分をさんざん書いて、そのあと転がり落ちるようなオチつけたり」する「お笑い芸人の手法」だと分析することで、世間に蔓延する「文学は暗い」という誤解を鮮やかに解いてみせる。  とはいえ、この番組の面白さは、そういった又吉の真摯な文学語りのみにあるわけではない。又吉が本の魅力を語ったり、本にまつわるゲストと話をしていく中で、芸人・又吉の根本にある奇妙な感性が、ところどころひょっこりと顔を出してくるのが楽しい。「売れない時代に古本を読みすぎて、新品の本を見たら紙が白すぎて目がチカチカした。僕にとっては日焼けしてる本が常識だった」と反転した価値観を披露し、「太宰はなんていったら怒るかをずっと考えていた時期がある」という謎の(しかしちょっとわかる)妄執を明かし、「バスを降りるとき、たくさん人が乗ってるのに、自分しかそこで降車ボタンを押さないと、『こんなとこで降りる奴はセンスがない』と思われるんじゃないかと思ってしまう」と、期待を越えるスケールの被害妄想を具体的に公表してみせる。又吉は本の魅力のベースにあるのは「共感」の力だと語るが、その先にある生理的な「違和感」というのも、また大きな魅力である。笑いも文学も、「共感」と「違和感」の狭間にできた渦のような場所から生まれる。  ゲストに訪れた歌人の穂村弘は又吉のことを、「次の瞬間、ものすごいことをこの無表情な人はしてしまいそうな感じがする」「それはもしかしたら、テレビでは映してはいけないようなことかもしれない」と評したが、そんな「共感の向こう側に突き抜けてしまいそうな危うさ」こそがまさに、文学と又吉に共通する最大の、そして不可解な魅力なのだと思う。テレビサイズには収まらない「又吉の世界=活字の世界」は、そのまま「ラジオの世界」にも通じている。 (文=井上智公<http://arsenal4.blog65.fc2.com/>) ■ラジオ批評「逆にラジオ」バックナンバー 【第8回】気づきすぎるコラムニストが、虫めがね的観察眼で見いだす小さな大発見『えのきどいちろうの水曜Wanted!!』 【第7回】「安住二世」と呼ばれたくないTBS若手アナが解き放つ、暗黒のポテンシャル『ザ・トップ5~リターンズ』 【第6回】めくるめく複眼思考の、ひとりしゃべりキングダム『宮川賢のまつぼっくり王国』 【第5回】地方FMというアウェイの地に築かれた、毒舌王の強烈な磁場『有吉弘行のSUNDAY NIGHT DREAMER』 【第4回】「おもしろくてあたりまえ」という壁を越える、若手コント師の傍若無人ぶり『ANNお笑いオールスターウィーク』 【第3回】五輪なでしこ戦の裏で炸裂した、ラジオの王様の誠実な毒『JUNK 伊集院光 深夜の馬鹿力』 【第2回】局アナの枠を飛び出した、マジカルな思考回路の冒険『安住紳一郎の日曜天国』 【第1回】予測不能な「集団的笑い」の境地『JUNKサタデー エレ片のコント太郎』

笑いと文学をつなぐ究極読書芸人の隠れ家的ユートピア『ピース又吉の活字の世界』

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『第2図書係補佐』(幻冬舎)
しゃべりと笑いと音楽があふれる“少数派”メディアの魅力を再発掘! ラジオ好きライターが贈る、必聴ラジオコラム。  ピースの又吉直樹は、今もっとも売れている芸人の一人である。そんな彼が、華やかなテレビのゴールデンタイムの裏で、驚くほど静かに、ひっそりと文学を語っている。芸人ラジオのゴールデンタイムといえば、テレビの喧噪がすっかり遠のいてからの時間帯、つまり『JUNK』(TBSラジオ)や『オールナイトニッポン』(ニッポン放送)が放送されている、深夜1:00~3:00である。今ピースがラジオをやるならば、まさしくそのどちらかの枠がふさわしいだろう。しかし、又吉にとってラジオ初のレギュラー番組となる『ピース又吉の活字の世界』(ニッポン放送 水曜20:00~20:30)は、そのどちらの枠でもなく、時間も短く、コンビでもなければ、お笑い芸人然としたハイテンションでもない。30分間、又吉が本の魅力をただひたすら語るという、それだけの番組だ。しかしこれが、妙に面白い。その面白さの中に含まれる「妙さ」こそはまさに、優れた文学作品を読んだときに感じる面白さである。  お笑い芸人が、お笑い以外の趣味を核とした枠組みで番組をやることは、テレビでもラジオでも時にあるが、多くの場合、その芸人の持つ面白さは、扱っているジャンル自体の持つ面白さの枠内に押し込められてしまう。車好きの芸人が自動車の番組をやっても車自体の面白さには勝てず、競馬やパチンコの番組をやっても、その中でその芸人ならではの特長を出すのは、とても難しい。しかし、この『活字の世界』という番組においては、むしろテレビでの又吉よりも面白いといっていいくらい、彼の本領が発揮されていると感じる。それはきっと、本というものが、又吉にとって趣味という領域をはるかに越えてしまっているからだ。  初回放送で又吉は、「本が好きな人が世の中に増えて、どんどんみんな小説を書いて、その面白い小説が読める世の中になれば、最高の人生を過ごせるんじゃないかと思ってる」という、本好きのユートピア幻想ともいうべき理想論を掲げた。まるでこの世には本と人間以外には何も存在していないような、恐ろしくピュアでロマンティックな理屈である。又吉にとって本とは、すでに趣味の領域を越えて、イコール世界になっている。そんなことをいうと、「書を捨てよ、町へ出よう」と寺山修司のような、リア充目線のお説教がどこからか飛んできそうだが、本は人が書いたものである以上、それは人の思考回路そのものであり、さらには人の発想が組み立ててきた世界そのものであるということも、またひとつの事実ではないか。  だから又吉の中では、お笑いも文学も、同じ世界の中に含まれる。どちらも人の思考回路が露出した結果であり、それこそが人間そのものを表現しているということに違いはない。又吉にとって、文学は別腹に入れるべき単なる趣味ではない。彼はこの番組の中で、「笑いと文学は密接な関係にある。ほとんど一緒なんじゃないかとさえ思う」と語る。その二つは同等の、そして同種のものなのだ。だからこそ又吉は、文学における笑いを、お笑いと同じく「緊張と緩和」の構造から読み解いたり、敬愛する太宰治の作風について、「ナルシストな自分をさんざん書いて、そのあと転がり落ちるようなオチつけたり」する「お笑い芸人の手法」だと分析することで、世間に蔓延する「文学は暗い」という誤解を鮮やかに解いてみせる。  とはいえ、この番組の面白さは、そういった又吉の真摯な文学語りのみにあるわけではない。又吉が本の魅力を語ったり、本にまつわるゲストと話をしていく中で、芸人・又吉の根本にある奇妙な感性が、ところどころひょっこりと顔を出してくるのが楽しい。「売れない時代に古本を読みすぎて、新品の本を見たら紙が白すぎて目がチカチカした。僕にとっては日焼けしてる本が常識だった」と反転した価値観を披露し、「太宰はなんていったら怒るかをずっと考えていた時期がある」という謎の(しかしちょっとわかる)妄執を明かし、「バスを降りるとき、たくさん人が乗ってるのに、自分しかそこで降車ボタンを押さないと、『こんなとこで降りる奴はセンスがない』と思われるんじゃないかと思ってしまう」と、期待を越えるスケールの被害妄想を具体的に公表してみせる。又吉は本の魅力のベースにあるのは「共感」の力だと語るが、その先にある生理的な「違和感」というのも、また大きな魅力である。笑いも文学も、「共感」と「違和感」の狭間にできた渦のような場所から生まれる。  ゲストに訪れた歌人の穂村弘は又吉のことを、「次の瞬間、ものすごいことをこの無表情な人はしてしまいそうな感じがする」「それはもしかしたら、テレビでは映してはいけないようなことかもしれない」と評したが、そんな「共感の向こう側に突き抜けてしまいそうな危うさ」こそがまさに、文学と又吉に共通する最大の、そして不可解な魅力なのだと思う。テレビサイズには収まらない「又吉の世界=活字の世界」は、そのまま「ラジオの世界」にも通じている。 (文=井上智公<http://arsenal4.blog65.fc2.com/>) ■ラジオ批評「逆にラジオ」バックナンバー 【第8回】気づきすぎるコラムニストが、虫めがね的観察眼で見いだす小さな大発見『えのきどいちろうの水曜Wanted!!』 【第7回】「安住二世」と呼ばれたくないTBS若手アナが解き放つ、暗黒のポテンシャル『ザ・トップ5~リターンズ』 【第6回】めくるめく複眼思考の、ひとりしゃべりキングダム『宮川賢のまつぼっくり王国』 【第5回】地方FMというアウェイの地に築かれた、毒舌王の強烈な磁場『有吉弘行のSUNDAY NIGHT DREAMER』 【第4回】「おもしろくてあたりまえ」という壁を越える、若手コント師の傍若無人ぶり『ANNお笑いオールスターウィーク』 【第3回】五輪なでしこ戦の裏で炸裂した、ラジオの王様の誠実な毒『JUNK 伊集院光 深夜の馬鹿力』 【第2回】局アナの枠を飛び出した、マジカルな思考回路の冒険『安住紳一郎の日曜天国』 【第1回】予測不能な「集団的笑い」の境地『JUNKサタデー エレ片のコント太郎』

叩き上げのおしゃPからお嬢様へ、「JJ」改革の鍵を握るのは “ママ”!?

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「JJ」2012年12月号/光文社

 現在「JJ」(光文社)にレギュラー登場しているのは、おなじみ紗栄子、なぜか吉川ひなの、JJ読者の等身大アーティスト西野カナ、そしてブロモの面々です。そんな中、今月の「JJ」で、ひっそりと最終回を迎えた連載「モリモトのモト」。アパレルブランド「KariAng Park」のプロデューサー・森本容子によるコーディネート講座ページです。森本は、いわゆる「おしゃP」と呼ばれる存在。「おしゃP」とは「おしゃれプロデューサーズ」の略で、「JJ」による造語です。アパレルデザイナー、プレス、プロデューサーなどの職業につく彼女たちは、「JJ」読者の憧れの存在として、2010年夏頃から「JJ」誌上で押されに押されまくってきました。しかし、最近その「おしゃP」の存在が、「JJ」誌上で消えつつあるのです。今の「JJ」に何が起こっているのか。詳しく見ていきましょう。

<トピック>
◎森本容子主宰「スタイル美人塾」 モリモトのモト
◎大学生のちょっぴり大人な通学コーデバイブル
◎ドキッ(はぁと)女子大ガールズの合コン→デート変装テク!

才気あふれるBL漫画家の人気作、『満開ダーリン』を読む

 BL漫画家として活動した後、一般コミックに活動の場を広げ、ついには『このマンガがすごい!2011 オンナ編』(宝島社)1、2位を受賞したヤマシタトモコを筆頭に、BLには才気あふれる漫画家たちが眠っています。漫画好きならぜひ押さえておきたいBLの世界から、今回は売れっ子BL漫画家・山本小鉄子の『満開ダーリン』(大洋図書)をご紹介します。ちょっとした日常生活の1シーンから、トキメキや胸キュンを引き出す腕はファンのお墨付き。しかも、今作に出てくる男の子たちは、面倒見のよいイケメン、女の子みたいな少年、頼れるお兄さん的な美青年と、絵面だけでも女心を鷲掴みます。『満開ダーリン』は、そんな彼らの恋愛模様と人間模様が楽しめる作品です。