サイゾー新ニュースサイト
「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けしちゃいます!
■「Business Journal」人気記事(一部抜粋)
まるで探偵!? 新オレオレ詐欺は家族情報を調べあげて実行
【対談】岩瀬大輔・中川淳一郎「仕事がデキない人の条件」
ゼネコンを次々とのみ込む大和ハウスが鹿島を超える日
■特にオススメ記事はこちら!
ユニクロ、トヨタも参戦! ドコモが野菜宅配会社を買収した狙い - Business Journal(8月16日)

「らでぃっしゅぼーや」HPより。
農業は天候によって収穫量が増減し、収支の予測が立てにくいとされてきた。だが、植物工場など新たなシステムの導入で、農業に進出する企業が増えてきている。最近では、「エッ!」と驚くような会社までが新規参入している。
証券最大手、野村ホールディングス(HD)の株主総会では「野菜ホールディングスに社名を変えよ」といったとっぴな株主提案が話題になった。この提案は議案には採用されなかったが、野村HDが農業に進出したことを皮肉ったものだ。
同社は10年10月、新会社・野村アグリプランニング&アドバイザリーを設立,
農業に関心のある自治体や企業に、経営ノウハウ・栽培技術を提供するなどコンサルティング業務を開始した。同時に、子会社・野村ファームを設立、温度や光を制御して効率的に農産物を生産する植物工場を千葉県で借りて、高糖度トマトの栽培を行う計画を打ち出した。だから「野菜ホールディングスに社名変更せよ」とからかわれたのだ。
異業種進出では、アグリビジネスが大人気だ。アグリとは農業のことだが、じいちゃん、ばあちゃん、かあちゃんの3ちゃんのイメージが強い農業という言葉は使わない。生産だけではなく新しい品種の開発や改良種の育成から、農産物の加工・貯蔵・流通までを含めた幅広い経済活動の総称がアグリビジネスなのだ。
携帯電話キャリアの最大手、NTTドコモは、ジャスダック上場の有機野菜や無添加食品の会員制宅配会社・らでぃっしゅぼーや(東京・港区)の株式を友好的なTOB(株式公開買い付け)で75.74%取得して子会社化、同社は上場廃止となった。
NTTドコモの12年3月期の連結売上高は4兆2400億円、営業利益8744億円。一方、らでぃっしゅぼーやの12年2月期の売上高は220億円、営業利益2.9億円。通信会社が、なぜ小さな野菜宅配会社を買収したのか?
ドコモはニュースリリースで、「日々の生活の根幹をなす食品は、日常的に利用されるモバイル端末と親和性が高い」と買収した理由を説明した。ドコモが描く青写真はこうだ。らでぃっしゅぼーやと共同で、スマートフォンやタブレット端末を使った通信販売システムを構築。携帯電話の顧客6000万人に、らでぃっしゅぼーやが提携している全国2600の契約農家が作る低農薬の有機野菜を宅配する。携帯の通信・通話料金と一緒に、売った野菜の代金を回収するというビジネスモデルだ。
スマートフォンの普及に伴って、携帯電話の通信・通信料金の値下げ競争に拍車がかかってきた。ドコモは11年11月に発表した「中期ビジョン2015」で「これからは総合サービス事業として、モバイルとのシナジー効果が高いさまざまな事業領域において新たな価値創造に向けた取り組みを推進していく」と宣言した。野菜の宅配会社の買収は「モバイルとのシナジー効果」を高めることができるかどうかの実験の場を確保する意味合いが強い。
「スマホで野菜を買う」。現場感覚ゼロの経営企画担当者が、いかにも思いつきそうなアイデアである。ドコモのユーザーがスマホを使って野菜を注文する、と本気で思っているのだろうか?
思い起こされるのはユニクロの失敗である。ユニクロを運営するファーストリテイリングは02年9月、子会社エフアール・フーズを設立し、「SKIP」というブランド名で生鮮野菜のインターネット通販を始めた。販売の柱となるのは会員制の定期購入クラブ「SKIPクラブ」。隔週ごとに「おまかせ」で旬の野菜や果物の詰め合わせが届く。全量買い上げ契約を結んだ全国500余の農家が生鮮野菜を提供した。
余分な水と肥料を極力抑え、自然本来の持つ力を引き出すという永田農業研究所が提唱する「永田農法」で生産した野菜というのがセールスポイントだった。時間をたっぷりかけて作るこの農法の野菜は、糖度の高いトマトなどで有名だった。普通のスーパーの野菜よりは高くなるが、安全が売り物。03年には松屋銀座地下の食品コーナーに生鮮野菜売り場を出店したのを皮切りに、5つの直営店を出した。
だが、生鮮野菜の販売は大失敗。04年3月、エフアール・フーズは解散して、野菜の販売事業から撤退した。価格の高さと会員制コースの使い勝手の悪さがネックとなり28億円の赤字を出した。
当時ユニクロは、フリースのブームが去り、停滞期に入っていた。行き詰まりを打破するために、元気が出る革新的プロジェクトとして野菜の販売に乗り出した。柳井正会長(現・会長兼社長)は「ユニクロ方式がまったく別の業種・業態である農業の世界で通用するか、やってみなければわからない」と語っていた。
失敗だとわかったら、いち早く撤退するのが柳井氏の真骨頂だ。「失敗しても会社がつぶれなければいい。失敗するなら早く失敗して、早く修正すればいい」との考え方は、この時から一貫している。
新規参入がうまくいくとは限らないのだが、農業に進出する企業は多い。
読者諸氏は、トヨタ自動車がこの分野に進出していることをご存じだろうか。トヨタは01年、インドネシアのスマトラ島にトヨタ・バイオ・インドネシアを設立し、100ヘクタール余りの農場でサツマイモの栽培を始めた。このサツマイモは日本に輸入され、鹿児島で黒豚の飼料となり、鹿児島産の焼酎にも一部利用されている。将来的には、バイオプラスチックの原料とする計画だ。
農業への参入に積極的なのが小売業や外食産業だ。セブン&アイ・ホールディングスは08年8月に千葉県で農業生産法人を設立。傘下のイトーヨーカ堂は食品リサイクルによる環境循環型農業を行う農事会社、セブンファームを持っている。スーパーで廃棄される食品の残りかすを回収して堆肥化。契約農場でこれを活用し、ニンジンやタマネギ、サツマイモなどの露地野菜を栽培している。収穫された農産物はイトーヨーカ堂の店舗で販売されている。現在セブンファームは6カ所ある。
ローソンは10年6月、農業生産法人、ローソンファームを設立。傘下の農場で栽培した野菜を自社店で販売し始めた。大手コンビニが自社の農場で野菜を生産し販売するのは、初めての試みだ。全国に10カ所で農場を整備し、グループ全体の野菜販売量の1割を賄う構想だ。
外食で先陣を切ったのがワタミグループ。02年4月、農業生産法人、ワタミファームを設立。ワタミグループ各店に食材を供給している。ワタミファームは全国に9カ所。有機農産物の生産のほか、畜産・酪農もやっている。
三菱商事はコメに本腰を入れ、米穀卸2社と資本提携した。08年にミツハシ(横浜市)に33.4%を出資、10年に国内最大手の神明(神戸市)に20%を出資した。関東と関西の最大米卸と提携し、コメの流通を押さえた。09年には、米の生産や販売を行う山形県の農業生産法人、まいすたぁに出資した。三菱商事本体が農業生産法人に出資するのは初めてのこと。同年12月に施行された改正農地法などの規制緩和の流れが、三菱商事の農業参入を後押ししている。
企業が新たな収益源を求めて異業種に進出する際に、特に人気なのがメガソーラー(大規模太陽光発電所)とアグリビジネスだ。農業分野に進出する企業は、年々増加している。
政府の国家戦略会議は20年までの日本再生戦略を決定し、医療、環境、農林水産の3分野に優先的に取り組む方針を明記した。予算配分が手厚くなる農業は、一躍、成長産業に躍り出たのである。
(文=編集部)
■「Business Journal」人気記事(一部抜粋)
まるで探偵!? 新オレオレ詐欺は家族情報を調べあげて実行
【対談】岩瀬大輔・中川淳一郎「仕事がデキない人の条件」
ゼネコンを次々とのみ込む大和ハウスが鹿島を超える日
ルネサス、エルピーダ失墜で、技術者の海外流出が止まらない
介護職員の年収は4倍に!?「日本再生戦略」のウソ
【対談】岩瀬大輔・中川淳一郎「“低い”意識を持て!」
銀行の強引勧誘で4千万円損害 被害者が語るデリバティブの罠