
この巨大なビルが新たなマンガとアニメの聖地になるのか。うん、巨大すぎる……
全国各地で展開されている、マンガやアニメによる地域振興。そうした中、全国初となる自治体が直接運営するマンガ博物館がオープン間近と聞き、早速取材に向かった。
これだけマンガやアニメによる地域振興が叫ばれながら、自治体が直接運営する博物館がなかったのも驚きだが、さらに驚くのはオープンする場所だ。場所は、北九州のJR小倉駅前。ここに8月3日オープンするのが、北九州市が運営する「北九州市漫画ミュージアム」だ。
小倉駅前の商業ビルの一部を使用するこの施設。一体どんなところなのだろうかと、行ってみて驚いた。現在準備中のミュージアムが入る階以外の各階では、すでにマンガ・アニメ系ショップが絶賛営業中なのだ。この建物、最上階の7階には劇場。5・6階にはミュージアムが入るのだが、その下の階の充実ぶりがすさまじい。「まんだらけ」「アニメイト」「ゲーマーズ」「メロンブックス」「らしんばん」と名だたるショップが一堂に集結。さらに、全国でもここ以外は徳島市にしかない『Fate/Zero』ショップに、日本初のアニソン専門カフェである「ANIMAX MUSIX CAFE」も入居している。
どう表現すればよいだろう、オタク系ショップが各種入居していることで知られる中野ブロードウェイが、さらに濃く内容も充実して、かつキレイになって登場した、というスタイルなのだ。
なんにしても、世界的なオタクの中心地である秋葉原にもないショップが出店しているのはすごい……。

中は完全にオタク系ショップばかりの筋の通った感じがたまらない

さすがに平日の正午頃だったので客は少なかった
だが、北九州市がミュージアムを立ち上げるのは、単にアニメ・マンガで地域振興を図りたいがためだけではない。古くから栄えた北九州市は、多くの文化人をも輩出してきた。マンガだけに限っても松本零士氏、畑中純氏、わたせせいぞう氏、北条司氏と著名なマンガ家を数多く輩出している。

内部はまだ工事中だが。告知用の壁紙が、かなりキテていい感じの仕上がりに……

このセンスの独特さが新たな可能性を感じさせてくれるのだ
「北九州という街は、少女マンガから青年マンガまで、さまざまなマンガ家を輩出してきた街でもあります。これまでも、松本先生や畑中先生にも協力していただき、準備を進めてきました。北九州市の文化の幅の広さを見ることのできる施設になると思います」
と、これまで同館の立ち上げに携わってきた専門研究員の表智之氏は語る。同館は、単に展示を行うだけでなく、数万冊のマンガ単行本を閲覧できるコーナー、マンガ教室などを想定したイベントコーナーなども設けており、創意工夫を凝らした試みが行われていくことになりそうだ。何より、いわゆる「オタクビル」に入居していることの価値は高い。

やはり松本先生といえば『男おいどん』だよ。
筆者もまだ、おいどんみたいな暮らしっぷりだよ

子供から大人まで楽しめる施設が充実しているのがいいよね
「各種のショップが入居しているので、ビル全体にミュージアムも機能を持たせることができるんですよ」(表氏)
文字通り、過去から最新のマンガまでを閲覧できる施設になるわけだ。
北九州市といえば、『無法松の一生』ヨロシクな荒くれ者の集う街かと思っていたのだが、こんなに文化事業に熱心だとは知らなかった(今回の取材まで、筆者の北九州市の知識は『無法松の一生』と『花と龍』)。
市内には、北九州市ゆかりの文豪の資料を展示する「北九州市立文学館」や「松本清張記念館」といった文化施設も数多くあるし、レトロな風景まで残っていて魅力は尽きない。

なんともレトロな雰囲気の市場が。こういうのが残っている街は間違いなくアタリだ

内部にも活気が。失われたなにかを思い出したよ……

きっと、この街の人々はフランクで付き合いやすいに違いない

レトロな映画館が残る街にハズレはない

アヤしげな雰囲気の場所も。知らない街の歓楽街で
カメラを出す勇気はありませんでした
おそらくは九州最大のマンガ・アニメ文化の拠点になるであろう北九州市の動向から、目が離せない。
(取材・文=昼間たかし)
この取材の直後に畑中純先生が逝去されました。改めてご冥福をお祈り申し上げます。
<ミュージアム概要>
開館日:8月3日(金)
住所:北九州市小倉北区浅野二丁目14-5
あるあるCity5・6階
開館時間:11時~19時(夏休みなどは~20時)
休館日:火曜日
最新情報はコチラから:
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http://www.city.kitakyushu.lg.jp/shimin/02101004.html>