
『ミラクルひかる/swinution 』
7月6日、『12年ぶり復活!ものまね王座決定戦!芸能界日本一は誰だ?大激突トーナメントスペシャル』(フジテレビ系)が放送された。フジテレビのものまね番組はこれまでにも定期的に放送されていたのだが、「ものまね王座決定戦」というタイトルで、トーナメント形式で行われるのは実に12年ぶり。かつて「ものまね四天王」として一世を風靡した清水アキラ、栗田貫一といったベテラン勢から、ダブルネーム、渡辺直美といった若手組まで、幅広い層の実力派ものまね芸人たちが参戦。「ものまね王座決定戦」という伝説的な番組の名前を冠しているだけあって、出てくるものまね芸人たちもいつになく真剣。最近のものまね番組にはなかった心地よい緊張感を楽しむことができた。
ここで激闘を制して見事に優勝を果たしたのは、ミラクルひかる。宇多田ヒカルのものまねネタで知られる彼女は、トーナメントで毎回違うネタをかけて勝ち上がり、決勝でもmihimaru GTの「気分上々↑↑」を熱唱して、95点という高得点をマーク。圧倒的な実力を見せつけて栄冠を手にした。
ミラクルひかるの代表作は、言わずと知れた宇多田ヒカルのものまねである。宇多田のあの歌声を似せるだけでも簡単なことではないはずなのだが、ミラクルは歌を真似するばかりか、容姿や動きも限りなく本物に近付けた上に、普段のたどたどしいしゃべり方までうり二つに再現することができる。これは間違いなくものまねの歴史に残る名作だ。
ミラクルは、宇多田のものまねネタで有名になり、それ以降はものまね番組を中心に多数のバラエティ番組に出演するようになった。だが、彼女は、ものまね番組で必ずしも揺るぎないエース的な存在として認識されていたわけではなかった。なぜなら、ミラクルは、良くも悪くも「自分のやりたいネタをやる」ということにこだわりを持っていたからだ。
宇多田のものまねに代表されるいくつかのネタでは、すさまじく高いクオリティのものまねを見せるのだが、それ以外のネタで一気に振り切って笑いに走るときの思い切りの良さも群を抜いている。ものまね芸人が「悪意のこもったネタ」を演じることはたまにあるが、ミラクルの持ちネタのいくつかはそのレベルを超えている。悪意を盛りすぎて、もはや原型をとどめていないと思われるほどのレパートリーも数多く存在していて、そういうのをやるときほど誇らしげなそぶりを見せるようなところがあるのだ。
恐らく、ミラクルは「ものまねタレント」よりも「ものまね芸人」であるという自意識が強いタイプなのだと思う。単に似せるだけでは満足できず、自分なりの解釈や誇張を加えて、笑いどころを増やし、ときにはキャラクターが破綻するところまで暴走してみせる。そういう意味では、ミラクルは根っからの芸人気質なのだ。
そんな彼女が、今回の『ものまね王座決定戦』ではひと味違う一面を披露した。本気のパフォーマンスで、徹底して勝ちにこだわる姿勢を見せたのだ。その裏には、自分と同じような枠の女性ものまね芸人が増えていることに対する焦りと苛立ちが見え隠れしていた。
この日のミラクルの最高のネタは、準決勝で見せた「冬のオペラグラス」を歌う新田恵利のものまねだろう。元の歌を知っている人なら笑わずにはいられない再現性の高さ。新田のつたない歌声、微妙に外れる音程。それらを完璧に再現するという離れ業を演じたのだ。わざと下手に歌って笑わせるというのはたまにあるが、ほどほどに下手な歌をそのままほどほどに下手な状態で再現するというのはなかなかできることではない。ずば抜けた歌唱力の賜物だ。
うがった見方をすれば、このネタは、歌がうまいというだけでもてはやされている昨今の「ものまね新女王」と呼ばれたりしている後輩芸人に対する、ミラクルなりの宣戦布告でもあるのだろう。「本物のものまねっていうのは、こうやるんだよ!」と。
一視聴者の立場で言わせてもらえば、ものまね番組を見ていると「歌がうまいだけで別にそれほど似てはいないよね」とか、「それなりに似てはいるけど面白くはないし感動もしないよね」とか、そういうことを感じるときがたまにある。だが、ミラクルのネタにはそれがない。あふれるサービス精神、高いプロ意識、研ぎ澄まされた技術と発想力によって生み出された珠玉のものまねネタの数々。ミラクルひかるは、その負けん気の強さも含めて、ものまねに必要なあらゆる要素を持ちあわせている“奇跡”のものまね芸人だ。
(文=お笑い評論家・ラリー遠田)
●連載「この芸人を見よ!」INDEX
【第109回】スギちゃん 実直な人柄でチャンスをつかんだ「芸人再生工場の最終兵器」
【第108回】アンジャッシュ “勘違いコント”のジャンルを築いた「コント職人のネクストステージ」
【第107回】2700 狂熱的に奏でられた「ナンセンスとリズムの融合」に笑いの根源を見る
【第106回】千鳥 いよいよ全国区に羽根を広げる「媚びない心」の切れ味
【第105回】渡辺直美 希代のドリームガールが見つけた「かわいいとブサイクの間にあるもの」
【第104回】ロバート コント日本一をかっさらった暴風雨・秋山竜次の芝居に宿る「殺気の正体」
【第103回】TKO 不遇を乗り越えたかつてのアイドル芸人が「太って咲かせた、もう一花」
【第102回】オアシズ それぞれにブスを昇華した「現実と空想のアンサンブル」
【第101回】スリムクラブ 最後のM-1を駆け抜けた「超スローテンポという革命」
【第100回】レイザーラモンRG "吉本団体芸"が生んだ「強心臓のニューヒーロー」
【第99回】麒麟 5度の決勝進出が「M-1グランプリの申し子」をどう変えたか
【第98回】ピース 噛み合わない2つの破片が力ずくで組み上げた「笑いのパズル」
【第97回】次長課長 変幻自在のオールラウンダー河本を生かす、井上の「受け止めるツッコミ」
【第96回】 オセロ松嶋尚美 大先輩・鶴瓶に見初められ「褒められて咲いた大輪の花」
【第95回】 ダイノジ 雌伏16年──ついに訪れる「二頭の虎が目覚めるとき」
【第94回】 キングオブコメディ 極限の不運と"顔芸人"のレッテルを払拭して掴んだ「コント日本一」
【第93回】 山田邦子 史上初の「天下を取った女芸人」その栄光と転落のタレント人生
【第92回】エレキコミック 一度ハマるとクセになる!?「一点突破の納豆コント」
【第91回】野性爆弾 「遅れてきた吉本最終兵器」がブレイクを果たした秘密とは
【第90回】野沢直子 今振り返るカリスマ女芸人の「先駆者としての比類なき存在感」
【第89回】サバンナ 野生の勘で芸能界を疾走する「発展途上のロジカルモンスター」
【第88回】東京ダイナマイト 破壊なくして創造なし! ハチミツ流「笑いのセメントマッチ」
【第87回】トータルテンボス 進化を止めない本格派コンビを育てた「M-1急転直下の挫折劇」
【第86回】ロッチ シンプルな構図でコントに魂を吹き込む「関係性のスペシャリティ」
【第85回】山崎邦正 ダウンタウンによって強制開花した「ヘタレの天才」が巻き起こす奇跡
【第84回】フルーツポンチ 確かな演技力でポストバブル世代に現出した「キザ男のリアリズム」
【第83回】よゐこ 爆発力と切れ味で支持層を拡大する「自然体のシュール」
【第82回】バッファロー吾郎 マニアック芸人の権化が極めた「もうひとつの天下」
【第81回】ドランクドラゴン 完璧な構築物に風穴を開けて回る「鈴木拓のガッカリ力」
【第80回】高田純次 還暦過ぎても華衰えぬ「日本一の適当男」が歩み続けた孤高の道程
【第79回】森三中 メンバーの結婚で進化する「ブスとブスとブスの関係性」
【第78回】Wコロン・ねづっち 「整いました!」なぞかけ芸が時代にハマった深い理由
【第77回】所ジョージ 突出した安定感を生み出すボーダレスな「私の世界」
【第76回】土田晃之 元ヤン、家電、ガンダム......でも嫌われない「ひな壇の神」の冴えたやりかた
【第75回】タカアンドトシ 非関西系漫才のツッコミ新境地「欧米か!」が生まれた理由
【第74回】キングコング西野亮廣 嫌われるには理由がある!? 天才を悩ませる「出た杭の憂鬱」
【第73回】椿鬼奴 虚栄心から自由になった女芸人の「自然体が放散する魅力」とは
【第72回】萩本欽一 テレビを作り、テレビに呑み込まれた「巨人の功罪」
【第71回】アンガールズ キモカワ芸人が精緻に切り出した「人生のNGシーン」に宿る笑い
【第70回】エハラマサヒロ 「究極の器用貧乏芸人」が無限の笑いをコラージュする
【第69回】なだぎ武 R-1二連覇を成した演技派芸人の「本当の運命の出会い」とは
【第68回】いとうあさこ 悲観なき自虐を操る「アラフォー女性のしたたかなリアル」
【第67回】チュートリアル M-1完全優勝を勝ち取った「ひとつもボケない」漫才進化論
【第66回】松村邦洋 己を棄てて己を活かす「笑われる天才」が生きる道
【第65回】キャイ~ン・ウド鈴木 20年目の変わらぬ想い──「満面の笑顔で愛を叫ぶ」
【第64回】しずる 緻密なマーケティングと確かな演技力で突っ走る「腐女子枠のプリンス」
【第63回】青木さやか 仕事も家庭も......不器用に体現する「現代女性の映し鏡」
【第62回】 今田耕司 好きな司会者第3位にランクされる「代弁者としての3つの極意」
【第61回】我が家 「変幻自在のローテーション」が3人のキャラ薄をメリットに転化する
【第60回】ハライチ "ツッコミ"を棄てた関東M-1新世代が生み出す「面の笑い」とは?
【第59回】出川哲朗 稀代のリアクション芸人が「計算を超えた奇跡」を起こし続ける理由
【第58回】中川家 すべてはここから始まった!? 兄弟が奏でる「舞台芸と楽屋芸のハイブリッド」
【第57回】板尾創路 笑いの神に愛された男が泰然と歩む「天然と計算の境界線」
【第56回】清水ミチコ 対象者の心を浮き彫りにする「ものまねを超えた賢人の不真面目芸」
【第55回】とんねるず 暴れ放題で天下を取った「学生ノリと楽屋オチの帝王学」
【第54回】友近 孤高の女芸人が体現する「女としての業と生き様」
【第53回】ウンナン内村光良 受け継がれゆく遺伝子「終わらないコント愛」
【第52回】モンスターエンジン 結成2年でシーンを席巻する「高次元のバランス」
【第51回】関根勤 再評価される「妄想力」ひとり遊びが共感を呼ぶ2つの理由
【第50回】南海キャンディーズ しずちゃんを化けさせた山里亮太の「コンビ愛という魔法」
【第49回】フットボールアワー 無限の可能性を秘めた「ブサイクという隠れみの」
【第48回】ますだおかだ 「陽気なスベリ芸」という無敵のキャラクターが司る進化
【第47回】ナインティナイン あえて引き受ける「テレビ芸人としてのヒーロー像」
【第46回】インパルス タフなツッコミで狂気を切り崩す「極上のスリルを笑う世界」
【第45回】アンタッチャブル 「過剰なる気迫」がテレビサイズを突き抜ける
【第44回】おぎやはぎ 「場の空気を引き込む力」が放散し続ける規格外の違和感
【第43回】志村けん 「進化する全年齢型の笑い」が観る者を童心に帰らせる
【第42回】はるな愛 「すべてをさらして明るく美しく」新時代のオネエキャラ
【第41回】明石家さんま テレビが生んだ「史上最大お笑い怪獣」の行く末
【第40回】ブラックマヨネーズ コンプレックスを笑いに転化する「受け止める側の覚悟」
【第39回】笑い飯 Wボケ強行突破に見る「笑わせる者」としての誇りと闘争心
【第38回】笑福亭鶴瓶 愛されアナーキストが極めた「玄人による素人話芸」とは
【第37回】島田紳助 "永遠の二番手"を時代のトップに押し上げた「笑いと泣きの黄金率」
【第36回】東野幸治 氷の心を持つ芸人・東野幸治が生み出す「笑いの共犯関係」とは
【第35回】ハリセンボン 徹底した自己分析で見せる「ブス芸人の向こう側」
【第34回】FUJIWARA くすぶり続けたオールマイティ芸人の「二段構えの臨界点」
【第33回】ロンブー淳 の「不気味なる奔放」テレ朝『ロンドンハーツ』が嫌われる理由
【第32回】柳原可奈子 が切り拓くお笑い男女平等社会「女は笑いに向いているか?」
【第31回】松本人志 結婚発表で突如訪れたカリスマの「幼年期の終わり」
【第30回】はんにゃ アイドル人気を裏打ちする「喜劇人としての身体能力」
【第29回】ビートたけし が放った『FAMOSO』は新世紀版「たけしの挑戦状」か
【第28回】NON STYLE M-1王者が手にした「もうひとつの称号」とは
【第27回】ダチョウ倶楽部・上島竜兵 が"竜兵会"で体現する「新たなリーダー像」
【第26回】品川祐 人気者なのに愛されない芸人の「がむしゃらなリアル」
【第25回】タモリ アコムCM出演で失望? 既存イメージと「タモリ的なるもの」
【第24回】ケンドーコバヤシ 「時代が追いついてきた」彼がすべらない3つの理由
【第23回】カンニング竹山 「理由なき怒りの刃」を収めた先に見る未来
【第22回】ナイツ 「星を継ぐ者」古臭さを武器に変えた浅草最強の新世代
【第21回】立川談志 孤高の家元が歩み続ける「死にぞこないの夢」の中
【第20回】バカリズム 業界内も絶賛する「フォーマット」としての革新性
【第19回】劇団ひとり 結婚会見に垣間見た芸人の「フェイクとリアル」
【第18回】オードリー 挫折の末に磨き上げた「春日」その比類なき存在
【第17回】千原兄弟 東京進出13年目 「真のブレイク」とは
【第16回】狩野英孝 「レッドカーペットの申し子」の進化するスベリキャラ
【第15回】サンドウィッチマン 「ドラマとしてのM-1」を体現した前王者
【第14回】小島よしお 「キング・オブ・一発屋」のキャラクター戦略
【第13回】U字工事 M-1決勝出場「北関東の星」が急成長を遂げた理由
【第12回】江頭2:50 空気を読んで無茶をやる「笑いの求道者」
【第11回】バナナマン 実力派を変革に導いた「ブサイク顔面芸」の衝撃
【第10回】山本高広 「偶像は死んだ」ものまね芸人の破壊力
【第09回】東京03 三者三様のキャラクターが描き出す「日常のリアル」
【第08回】ジャルジャル 「コント冬の時代」に生れ落ちた寵児
【第07回】爆笑問題・太田光 誤解を恐れない「なんちゃってインテリ」
【第06回】世界のナベアツ 「アホを突き詰める」究極のオリジナリティ
【第05回】伊集院光 ラジオキングが磨き上げた「空気を形にする力」
【第04回】鳥居みゆき 強靭な妄想キャラを支える「比類なき覚悟」
【第03回】くりぃむしちゅー有田哲平 が見せる「引き芸の境地」
【第02回】オリエンタルラジオ 「華やかな挫折の先に」
【第01回】有吉弘行 が手にした「毒舌の免罪符」
月別アーカイブ: 2012年7月
ミラクルひかる 単なる“歌うま”と一線を画すクオリティ──そのものまねに宿る「本物の矜持」

『ミラクルひかる/swinution 』
7月6日、『12年ぶり復活!ものまね王座決定戦!芸能界日本一は誰だ?大激突トーナメントスペシャル』(フジテレビ系)が放送された。フジテレビのものまね番組はこれまでにも定期的に放送されていたのだが、「ものまね王座決定戦」というタイトルで、トーナメント形式で行われるのは実に12年ぶり。かつて「ものまね四天王」として一世を風靡した清水アキラ、栗田貫一といったベテラン勢から、ダブルネーム、渡辺直美といった若手組まで、幅広い層の実力派ものまね芸人たちが参戦。「ものまね王座決定戦」という伝説的な番組の名前を冠しているだけあって、出てくるものまね芸人たちもいつになく真剣。最近のものまね番組にはなかった心地よい緊張感を楽しむことができた。
ここで激闘を制して見事に優勝を果たしたのは、ミラクルひかる。宇多田ヒカルのものまねネタで知られる彼女は、トーナメントで毎回違うネタをかけて勝ち上がり、決勝でもmihimaru GTの「気分上々↑↑」を熱唱して、95点という高得点をマーク。圧倒的な実力を見せつけて栄冠を手にした。
ミラクルひかるの代表作は、言わずと知れた宇多田ヒカルのものまねである。宇多田のあの歌声を似せるだけでも簡単なことではないはずなのだが、ミラクルは歌を真似するばかりか、容姿や動きも限りなく本物に近付けた上に、普段のたどたどしいしゃべり方までうり二つに再現することができる。これは間違いなくものまねの歴史に残る名作だ。
ミラクルは、宇多田のものまねネタで有名になり、それ以降はものまね番組を中心に多数のバラエティ番組に出演するようになった。だが、彼女は、ものまね番組で必ずしも揺るぎないエース的な存在として認識されていたわけではなかった。なぜなら、ミラクルは、良くも悪くも「自分のやりたいネタをやる」ということにこだわりを持っていたからだ。
宇多田のものまねに代表されるいくつかのネタでは、すさまじく高いクオリティのものまねを見せるのだが、それ以外のネタで一気に振り切って笑いに走るときの思い切りの良さも群を抜いている。ものまね芸人が「悪意のこもったネタ」を演じることはたまにあるが、ミラクルの持ちネタのいくつかはそのレベルを超えている。悪意を盛りすぎて、もはや原型をとどめていないと思われるほどのレパートリーも数多く存在していて、そういうのをやるときほど誇らしげなそぶりを見せるようなところがあるのだ。
恐らく、ミラクルは「ものまねタレント」よりも「ものまね芸人」であるという自意識が強いタイプなのだと思う。単に似せるだけでは満足できず、自分なりの解釈や誇張を加えて、笑いどころを増やし、ときにはキャラクターが破綻するところまで暴走してみせる。そういう意味では、ミラクルは根っからの芸人気質なのだ。
そんな彼女が、今回の『ものまね王座決定戦』ではひと味違う一面を披露した。本気のパフォーマンスで、徹底して勝ちにこだわる姿勢を見せたのだ。その裏には、自分と同じような枠の女性ものまね芸人が増えていることに対する焦りと苛立ちが見え隠れしていた。
この日のミラクルの最高のネタは、準決勝で見せた「冬のオペラグラス」を歌う新田恵利のものまねだろう。元の歌を知っている人なら笑わずにはいられない再現性の高さ。新田のつたない歌声、微妙に外れる音程。それらを完璧に再現するという離れ業を演じたのだ。わざと下手に歌って笑わせるというのはたまにあるが、ほどほどに下手な歌をそのままほどほどに下手な状態で再現するというのはなかなかできることではない。ずば抜けた歌唱力の賜物だ。
うがった見方をすれば、このネタは、歌がうまいというだけでもてはやされている昨今の「ものまね新女王」と呼ばれたりしている後輩芸人に対する、ミラクルなりの宣戦布告でもあるのだろう。「本物のものまねっていうのは、こうやるんだよ!」と。
一視聴者の立場で言わせてもらえば、ものまね番組を見ていると「歌がうまいだけで別にそれほど似てはいないよね」とか、「それなりに似てはいるけど面白くはないし感動もしないよね」とか、そういうことを感じるときがたまにある。だが、ミラクルのネタにはそれがない。あふれるサービス精神、高いプロ意識、研ぎ澄まされた技術と発想力によって生み出された珠玉のものまねネタの数々。ミラクルひかるは、その負けん気の強さも含めて、ものまねに必要なあらゆる要素を持ちあわせている“奇跡”のものまね芸人だ。
(文=お笑い評論家・ラリー遠田)
●連載「この芸人を見よ!」INDEX
【第109回】スギちゃん 実直な人柄でチャンスをつかんだ「芸人再生工場の最終兵器」
【第108回】アンジャッシュ “勘違いコント”のジャンルを築いた「コント職人のネクストステージ」
【第107回】2700 狂熱的に奏でられた「ナンセンスとリズムの融合」に笑いの根源を見る
【第106回】千鳥 いよいよ全国区に羽根を広げる「媚びない心」の切れ味
【第105回】渡辺直美 希代のドリームガールが見つけた「かわいいとブサイクの間にあるもの」
【第104回】ロバート コント日本一をかっさらった暴風雨・秋山竜次の芝居に宿る「殺気の正体」
【第103回】TKO 不遇を乗り越えたかつてのアイドル芸人が「太って咲かせた、もう一花」
【第102回】オアシズ それぞれにブスを昇華した「現実と空想のアンサンブル」
【第101回】スリムクラブ 最後のM-1を駆け抜けた「超スローテンポという革命」
【第100回】レイザーラモンRG "吉本団体芸"が生んだ「強心臓のニューヒーロー」
【第99回】麒麟 5度の決勝進出が「M-1グランプリの申し子」をどう変えたか
【第98回】ピース 噛み合わない2つの破片が力ずくで組み上げた「笑いのパズル」
【第97回】次長課長 変幻自在のオールラウンダー河本を生かす、井上の「受け止めるツッコミ」
【第96回】 オセロ松嶋尚美 大先輩・鶴瓶に見初められ「褒められて咲いた大輪の花」
【第95回】 ダイノジ 雌伏16年──ついに訪れる「二頭の虎が目覚めるとき」
【第94回】 キングオブコメディ 極限の不運と"顔芸人"のレッテルを払拭して掴んだ「コント日本一」
【第93回】 山田邦子 史上初の「天下を取った女芸人」その栄光と転落のタレント人生
【第92回】エレキコミック 一度ハマるとクセになる!?「一点突破の納豆コント」
【第91回】野性爆弾 「遅れてきた吉本最終兵器」がブレイクを果たした秘密とは
【第90回】野沢直子 今振り返るカリスマ女芸人の「先駆者としての比類なき存在感」
【第89回】サバンナ 野生の勘で芸能界を疾走する「発展途上のロジカルモンスター」
【第88回】東京ダイナマイト 破壊なくして創造なし! ハチミツ流「笑いのセメントマッチ」
【第87回】トータルテンボス 進化を止めない本格派コンビを育てた「M-1急転直下の挫折劇」
【第86回】ロッチ シンプルな構図でコントに魂を吹き込む「関係性のスペシャリティ」
【第85回】山崎邦正 ダウンタウンによって強制開花した「ヘタレの天才」が巻き起こす奇跡
【第84回】フルーツポンチ 確かな演技力でポストバブル世代に現出した「キザ男のリアリズム」
【第83回】よゐこ 爆発力と切れ味で支持層を拡大する「自然体のシュール」
【第82回】バッファロー吾郎 マニアック芸人の権化が極めた「もうひとつの天下」
【第81回】ドランクドラゴン 完璧な構築物に風穴を開けて回る「鈴木拓のガッカリ力」
【第80回】高田純次 還暦過ぎても華衰えぬ「日本一の適当男」が歩み続けた孤高の道程
【第79回】森三中 メンバーの結婚で進化する「ブスとブスとブスの関係性」
【第78回】Wコロン・ねづっち 「整いました!」なぞかけ芸が時代にハマった深い理由
【第77回】所ジョージ 突出した安定感を生み出すボーダレスな「私の世界」
【第76回】土田晃之 元ヤン、家電、ガンダム......でも嫌われない「ひな壇の神」の冴えたやりかた
【第75回】タカアンドトシ 非関西系漫才のツッコミ新境地「欧米か!」が生まれた理由
【第74回】キングコング西野亮廣 嫌われるには理由がある!? 天才を悩ませる「出た杭の憂鬱」
【第73回】椿鬼奴 虚栄心から自由になった女芸人の「自然体が放散する魅力」とは
【第72回】萩本欽一 テレビを作り、テレビに呑み込まれた「巨人の功罪」
【第71回】アンガールズ キモカワ芸人が精緻に切り出した「人生のNGシーン」に宿る笑い
【第70回】エハラマサヒロ 「究極の器用貧乏芸人」が無限の笑いをコラージュする
【第69回】なだぎ武 R-1二連覇を成した演技派芸人の「本当の運命の出会い」とは
【第68回】いとうあさこ 悲観なき自虐を操る「アラフォー女性のしたたかなリアル」
【第67回】チュートリアル M-1完全優勝を勝ち取った「ひとつもボケない」漫才進化論
【第66回】松村邦洋 己を棄てて己を活かす「笑われる天才」が生きる道
【第65回】キャイ~ン・ウド鈴木 20年目の変わらぬ想い──「満面の笑顔で愛を叫ぶ」
【第64回】しずる 緻密なマーケティングと確かな演技力で突っ走る「腐女子枠のプリンス」
【第63回】青木さやか 仕事も家庭も......不器用に体現する「現代女性の映し鏡」
【第62回】 今田耕司 好きな司会者第3位にランクされる「代弁者としての3つの極意」
【第61回】我が家 「変幻自在のローテーション」が3人のキャラ薄をメリットに転化する
【第60回】ハライチ "ツッコミ"を棄てた関東M-1新世代が生み出す「面の笑い」とは?
【第59回】出川哲朗 稀代のリアクション芸人が「計算を超えた奇跡」を起こし続ける理由
【第58回】中川家 すべてはここから始まった!? 兄弟が奏でる「舞台芸と楽屋芸のハイブリッド」
【第57回】板尾創路 笑いの神に愛された男が泰然と歩む「天然と計算の境界線」
【第56回】清水ミチコ 対象者の心を浮き彫りにする「ものまねを超えた賢人の不真面目芸」
【第55回】とんねるず 暴れ放題で天下を取った「学生ノリと楽屋オチの帝王学」
【第54回】友近 孤高の女芸人が体現する「女としての業と生き様」
【第53回】ウンナン内村光良 受け継がれゆく遺伝子「終わらないコント愛」
【第52回】モンスターエンジン 結成2年でシーンを席巻する「高次元のバランス」
【第51回】関根勤 再評価される「妄想力」ひとり遊びが共感を呼ぶ2つの理由
【第50回】南海キャンディーズ しずちゃんを化けさせた山里亮太の「コンビ愛という魔法」
【第49回】フットボールアワー 無限の可能性を秘めた「ブサイクという隠れみの」
【第48回】ますだおかだ 「陽気なスベリ芸」という無敵のキャラクターが司る進化
【第47回】ナインティナイン あえて引き受ける「テレビ芸人としてのヒーロー像」
【第46回】インパルス タフなツッコミで狂気を切り崩す「極上のスリルを笑う世界」
【第45回】アンタッチャブル 「過剰なる気迫」がテレビサイズを突き抜ける
【第44回】おぎやはぎ 「場の空気を引き込む力」が放散し続ける規格外の違和感
【第43回】志村けん 「進化する全年齢型の笑い」が観る者を童心に帰らせる
【第42回】はるな愛 「すべてをさらして明るく美しく」新時代のオネエキャラ
【第41回】明石家さんま テレビが生んだ「史上最大お笑い怪獣」の行く末
【第40回】ブラックマヨネーズ コンプレックスを笑いに転化する「受け止める側の覚悟」
【第39回】笑い飯 Wボケ強行突破に見る「笑わせる者」としての誇りと闘争心
【第38回】笑福亭鶴瓶 愛されアナーキストが極めた「玄人による素人話芸」とは
【第37回】島田紳助 "永遠の二番手"を時代のトップに押し上げた「笑いと泣きの黄金率」
【第36回】東野幸治 氷の心を持つ芸人・東野幸治が生み出す「笑いの共犯関係」とは
【第35回】ハリセンボン 徹底した自己分析で見せる「ブス芸人の向こう側」
【第34回】FUJIWARA くすぶり続けたオールマイティ芸人の「二段構えの臨界点」
【第33回】ロンブー淳 の「不気味なる奔放」テレ朝『ロンドンハーツ』が嫌われる理由
【第32回】柳原可奈子 が切り拓くお笑い男女平等社会「女は笑いに向いているか?」
【第31回】松本人志 結婚発表で突如訪れたカリスマの「幼年期の終わり」
【第30回】はんにゃ アイドル人気を裏打ちする「喜劇人としての身体能力」
【第29回】ビートたけし が放った『FAMOSO』は新世紀版「たけしの挑戦状」か
【第28回】NON STYLE M-1王者が手にした「もうひとつの称号」とは
【第27回】ダチョウ倶楽部・上島竜兵 が"竜兵会"で体現する「新たなリーダー像」
【第26回】品川祐 人気者なのに愛されない芸人の「がむしゃらなリアル」
【第25回】タモリ アコムCM出演で失望? 既存イメージと「タモリ的なるもの」
【第24回】ケンドーコバヤシ 「時代が追いついてきた」彼がすべらない3つの理由
【第23回】カンニング竹山 「理由なき怒りの刃」を収めた先に見る未来
【第22回】ナイツ 「星を継ぐ者」古臭さを武器に変えた浅草最強の新世代
【第21回】立川談志 孤高の家元が歩み続ける「死にぞこないの夢」の中
【第20回】バカリズム 業界内も絶賛する「フォーマット」としての革新性
【第19回】劇団ひとり 結婚会見に垣間見た芸人の「フェイクとリアル」
【第18回】オードリー 挫折の末に磨き上げた「春日」その比類なき存在
【第17回】千原兄弟 東京進出13年目 「真のブレイク」とは
【第16回】狩野英孝 「レッドカーペットの申し子」の進化するスベリキャラ
【第15回】サンドウィッチマン 「ドラマとしてのM-1」を体現した前王者
【第14回】小島よしお 「キング・オブ・一発屋」のキャラクター戦略
【第13回】U字工事 M-1決勝出場「北関東の星」が急成長を遂げた理由
【第12回】江頭2:50 空気を読んで無茶をやる「笑いの求道者」
【第11回】バナナマン 実力派を変革に導いた「ブサイク顔面芸」の衝撃
【第10回】山本高広 「偶像は死んだ」ものまね芸人の破壊力
【第09回】東京03 三者三様のキャラクターが描き出す「日常のリアル」
【第08回】ジャルジャル 「コント冬の時代」に生れ落ちた寵児
【第07回】爆笑問題・太田光 誤解を恐れない「なんちゃってインテリ」
【第06回】世界のナベアツ 「アホを突き詰める」究極のオリジナリティ
【第05回】伊集院光 ラジオキングが磨き上げた「空気を形にする力」
【第04回】鳥居みゆき 強靭な妄想キャラを支える「比類なき覚悟」
【第03回】くりぃむしちゅー有田哲平 が見せる「引き芸の境地」
【第02回】オリエンタルラジオ 「華やかな挫折の先に」
【第01回】有吉弘行 が手にした「毒舌の免罪符」
マネジャーに怒られる山下智久、アイドルの自覚が薄い?
7月3日放送の『musicる TV』(テレビ朝日系)に、山下智久がゲスト出演しました。
この日の特集アーティストはケツメイシ。番組MCのヒャダインによる「“3曲で通になれる”ケツメイシ講座」が始まると、「高校生のときとか学校でもはやってましたし、知ってる自信があります」と山下。中でも「トモダチ」(2002年)は大好きだそうで、高校時代カラオケでも歌っていたのだとか。ヒャダインから「高校時代、相当モテたのでは?」と聞かれた山下ですが、「人によりますよね。ものすごい嫌われるか、ものすごい好かれるか、どっちか。何もしてないんですけど、(自分を)ものすごい嫌ってた人たちがいました」と、やるせない思いを吐露していました。
もう失敗できないフジ「花王提供枠」の明暗はいかに!? 夏ドラマ初回レビュー(前編)

『ビューティフルレイン』公式サイトより
7月1日の『ビューティフルレイン』(フジテレビ系)を皮切りに、続々とスタートした夏の連ドラ。何ごとかと戸惑うほど刑事モノに偏っていた前クールとは違い、今期は教師モノやミステリー、ホームドラマやラブコメなど豊富なラインナップが揃っている。
ここでは「夏ドラマ初回レビュー~前編~」と題し、7月1日~7月7日にスタートした連ドラ12作品をプレイバック。オダギリジョー主演『家族のうた』(同)の惨敗で、もう失敗できないフジテレビ・日曜21時枠『ビューティフルレイン』の結果やいかに……?
■トップは人気シリーズ『京都地検の女』の8作目
初回放送の平均視聴率上位は次のとおり(視聴率はビデオリサーチ調べ、関東地区)。
1位『京都地検の女』(テレビ朝日系)16.0%
2位『ゴーストママ捜査線~僕とママの不思議な100日』(日本テレビ系)15.2%
3位『GTO』(フジテレビ系)15.1%
4位『警視庁捜査一課9係』(テレビ朝日系)13.0%
5位『トッカン 特別国税徴収官』(日本テレビ系)12.9%
6位以降は、豊川悦司&芦田愛菜主演『ビューティフルレイン』(12.9%)、毎週主演が異なる一話完結ドラマ『東野圭吾ミステリーズ』(フジテレビ系、11.3%)、多部未華子主演『浪花少年探偵団』(TBS系、7.8%)と続く。
トップの『京都地検の女』は、名取裕子演じる京都地検検事が、「主婦のカン」を駆使しながら事件を解決していく人気シリーズの8作目。名取を取り巻く蟹江敬三、大杉漣、寺島進、益岡徹といった名優たちの並びから発せられる異様な迫力は、もはやチャンネルを変えたらバチが当たるような気すらしてくる。
2位の『ゴーストママ捜査線』は、命を落としてしまった警察官の仲間由紀恵が、幽霊としてこの世に残るファンタジー・ホームコメディ。キャッチコピー「息子の事が心配で、天国に行くのは延期しました。」のとおり、母親のことが唯一見える息子と、母親とのやり取りが中心に描かれていく。
全体的に明るくあっけらかんと描かれている分、小さな息子を残して死んだ母親、母親を亡くした家族、イジメに遭っている息子、それを見ながら何もできない母親……と、それぞれの心情がジワリジワリと心に刺さる。また、仲間由紀恵の好感度がこれでもかと上がりそうな作品だ。
3位のEXILE・AKIRA主演『GTO』は、1998年に最高視聴率35.7%を叩き出した反町隆史版のリメイク。「AKIRAの鬼塚も意外といいじゃん!」「瀧本美織が、松嶋菜々子なんかより冬月先生のイメージに近い」「AKIRAの割れた腹筋を見るだけでも価値あり」といった好意的な声が上がる一方、「AKIRAの棒読みワラ」「AKIRAが城田優と同級生に見えない」「黒木瞳がより一層、くわばたりえに見える」といった意見も。
また「主題歌は『POISON ~言いたい事も言えないこんな世の中は~』のEXILEバージョンじゃないんだ……」と勝手にガッカリしている人も意外と多く見受けられ、「今後、劇中で流れることを期待!」とまだ諦めていない視聴者もいるようだ。
■芦田愛菜をもってしても不穏な「花王提供枠」
豊川悦司演じる若年性アルツハイマーの父と、芦田愛菜演じる娘の親子愛を描く『ビューティフルレイン』は、番組HPでみずから「この夏、最も泣ける親子愛」と謳うお涙必至ドラマ。初回は、慎ましくも幸せな親子感を盛り上げる回のため、「朝食は納豆ご飯よりパンがいいとねだる愛菜」「歯を磨く愛菜」「テケテケと走る愛菜」「体育でなわとびを忘れ落ち込む愛菜」「誕生日に水筒を欲しがる愛菜」など、とにかく芦田愛菜がかわいく見える仕掛けがびっしり。
ちなみに『ビューティフルレイン』が放送されている「ドラマチック・サンデー」は、花王の一社提供。同枠がスタートした2010年10月以降、長らく苦戦が強いられており、松雪泰子主演『パーフェクト・リポート』(全話平均6.6%)、前田敦子主演『花ざかりの君たちへ~イケメン☆パラダイス~2011』(7.0%)をはじめ10%に届かないドラマが続出。前クールの『家族のうた』(3.9%)で“数字の取れない枠”として認知度を高めてしまった。
今回、同枠で唯一15%超えであった『マルモのおきて』の芦田愛菜が帰ってきたことで、花王も期待していたかもしれない。しかし、真ウラで向井理主演『サマーレスキュー ~天空の診療所~』(TBS系、14.7%)がスタートした途端、第2話で9.5%まで下降。挽回のチャンスは、今後の“泣きの展開”次第だろうか。
■カッコ良いはずの山田優に「なんかウケる!」
菜々緒主演の『主に泣いてます』(フジテレビ系、6.6%)は、美し過ぎるゆえ幸せになれない絶世の美女が主人公のドタバタコメディ。菜々緒は、劇中の大半をあらゆるヘンテコなコスプレで登場。子泣きじじいに扮し「ほぎゃーほぎゃー」と泣いたり、武藤敬司に扮し毒ギリを噴いたり、出っ歯を付けて水木しげるの兵隊キャラに扮したりと、そのやり過ぎなコスプレは、無表情の菜々緒にドハマり。今期唯一、脳みそのシワがなくても楽しめるドラマといえるかもしれない。
『VISION 殺しが見える女』(日本テレビ系)は、23時台のドラマの中でも出遅れ気味の平均4.1%。山田優演じる売れないモデルが特殊能力を持つことで、事件の犯人が脳裏に浮かんでしまう。特殊能力が発動する瞬間、突然、ボディコンの山田優が登場し、浅野温子ばりに髪をかきあげる映像がカットインするのだが、この一見、カッコ良さげな演出に対し「ダサ過ぎる」「なんかウケる!」という意見が多数見られた。
また、初回はとにかく細かい説明がまったくないまま話が進んでいったため、「山田優の職業って結局、何?」「金子ノブアキは本当に刑事なのか?」と戸惑ってしまった人も多かった様子。筆者も公式HPの相関図を見たことで初めて各登場人物の設定が分かり、思わずイラッとしてしまった。カッコ良さを追求する“あえて”の演出だろうが、今後は多少の分かりやすさを求めたいところ。
夏ドラマ後半戦も、小栗旬と石原さとみによるシンデレラ・ラブストーリー『リッチマン、プアウーマン』(フジテレビ系)、警察学校が舞台の『ビギナーズ!』、ドラマフリークからの期待度が高い榮倉奈々主演『黒の女教師』(ともにTBS系)など、バラエティに富んだドラマが続々スタート。グッときそうなドラマがないか、今のうちにチェックしておこう(「夏ドラマ初回レビュー~後編~」は7月下旬頃掲載予定)。
(文=林タモツ)
硬めの口調で「おむつ替え」を長々と語る! パパ・市川海老蔵の新たな一面

『一命 【2D&3D】 プレミアム・エデ
ィション』/アミューズソフトエンタ
テインメント
海老蔵が、NHKにやってきた。しかも、観覧客アリ、生放送のトーク番組に。
7月6日放送の『スタジオパークからこんにちは』(NHK)のゲストとして登場した市川海老蔵。海老蔵といえば、やはり今も2年前の暴行事件の印象が根強い。スキャンダルの渦中の人物が再び登場する場合、自虐ネタをかましたり、いじられたりして笑いを取ることで、改めて視聴者の好感を得ようとすることが多いのだが。海老蔵には、やはり「パパいじり」ということになるのだろうか。
「○○ッスね」という、スポーツ選手みたいな口調で、基本的には笑顔で、誠実そうな受け答えをしている海老蔵。歌舞伎に取り組む今の充実した日々を語った後で、<家族の輪>という大きな文字とともに、モニター画面に奥さんの小林麻央の顔写真が。家庭的な一面を見せるチャンス到来だ。しかし、どんなパパかと問われると、「いや、別に……普通ですよ」と、なんだかそっけない返答。「家事とか手伝うんですか?」と質問が続くと、「家事ィ!?(この俺がぁ? 的な)」と、目を見開いて大きな声で言う。こういう感じの受け答えは、番組中に何度も見られたが、所帯じみたことを聞かれた時の、一種の威嚇のようなものなのだろうか。そして、この質問には、「おむつは替えますよ。替えますけども、その~……男性が、子どもに、赤ん坊に接する時間っていうのは、仕事があって、ちょっと時間があって、奥さんが大変かなと思って接して(以下略)」と、おむつ替えを、なぜか硬めの口調で長々と話す。やはり、所帯じみたことを語るのが、少し恥ずかしかったりもするのだろうか。
メキシコ最恐の心霊スポット「人形島」に上陸
その名も「人形島」だ。首都メキシコシティの南、無数の運河が走る一角にあるこの島には、ある言い伝えがあった。運河で水死した少女によって呪われている――。長らく誰も近寄らなかったが、20世紀の中頃、サンタナという男が移住して以来、島は“変貌”を遂げたという。
大津いじめ自殺 警察の被害届け受理拒否の真相
元ピエロ女性はタダ働き?渦中の企業に真相を取材
持っててよかった探偵マニュアル~木刀編~
ほら、街を歩いているだけでいきなりキチガイに木刀で襲われることも...
持っててよかった探偵マニュアル~木刀編~
ほら、街を歩いているだけでいきなりキチガイに木刀で襲われることも...