
『キャンディ・キャンディ』/中央
公論新社
とおーいとおーい昔に、大好きだった少女マンガのことを覚えていますか。知らず知らずのうちに、あの頃の少女マンガが、大人になった私たちの価値観や行動に、影響を与えていることもあるのです。あの頃の少女たちと今の私たちはどうつながっているのか? 少女マンガを研究する慶應義塾大学の大串尚代先生と読み解いてみましょう!
<今回取り上げる作品>
いがらしゆみこ 原作・水木杏子『キャンディ・キャンディ』/『なかよし』(講談社)連載、1975~1979年
キャンディ……あなたにはとても感謝してる。だって私が「少女マンガ」の存在を知ったのは、あなたのおかげなのだもの。そう、あの当時、みんなあなたに夢中だったわね。アニメもあったし。まわりの女の子たちは、みんな落書き帳に大きなリボンをつけたツインテールの女の子を描いていたっけ。
なにぶん、小学校の低学年の私だったから、物語をきちんと把握できていないところも多かった。シカゴとロンドンの区別もつかなかったり(みんな一律に外国というくくり)、本当は20代のアルバートさんをとんでもなく年上のオッサンだと思いこんでいたり。でも、外国への憧れや、ちょっと不良だけど影のある少年の魅力を教えてくれたり、「戦争と死」というシリアスなことを教えてくれたのも、あなただったわ。