膨らみ続ける借金から逃げるため、男が20年間逃亡していた先

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Photo by adelie33_Asako from Flickr

 嫉妬、恨み、欲望、恐怖。探偵事務所を訪れる人間の多くがその感情に突き動かされているという。多くの女性の依頼を受けてきたべテラン探偵の鈴野氏が、現代の「女の暗部」を語る。

 時が過ぎ、時効が成立してしまっても、どうしても探して欲しいという依頼が舞い込むことがある。先月逮捕された元オウム犯もそうだが、犯罪でないにしても、命がけで逃げている人を探し出すのは探偵でも難しい。

「ゴジラに出てくる怪獣が大好きだった」インドネシアの“落書きアーティスト”が描くジャカルタの今

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「bigballs 2011」(c)Darbotz
 『AKIRA』『ドラゴンボール』『ドラえもん』......子どものころ、僕らの心をアツくさせた漫画やアニメが、海の向こうに住むアジアの子どもたちの心にも火をつけていた。今や日本人だけのものではなくなった、日本のポップカルチャー。その影響を受けて育った、アジアの才能豊かなクリエーターたちを紹介します。 第29回 ストリート・アーティスト ダルボッツ(Darbotz)  cumiは、インドネシアの首都・ジャカルタをベースに活動するアーティスト、ダルボッツの描く代表的なキャラクターだ。ジャカルタの街のあちらこちらにタギングされたcumiは、“イカのお化け”であり、ジャカルタというケオティック・シティを征服しようと立ち向かうアーティストの分身でもある。cumiは、高密度でひしめく波の間で暴れている。過剰で、粗野とも受け取れる作品のスタイルは、ダルボッツに言わせると「ジャカルタそのもの」なのだという。  人口1,000万人超を抱えるアジア屈指の国際都市、ジャカルタ。高層ビルが林立し、巨大ショッピングモールがひしめくランドスケープは、アジアのほかの大都市と変わらず、発展著しいインドネシアの勢いそのものを映し出している。しかし、キラキラ輝く高層ビルの足元には、ゴミと埃にまみれた貧困層の暮らすスラム街が広がるなど、貧富の差は凄まじく、深刻な社会問題も頻発している。
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「high five 2012」(c)Darbotz
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(c)Darbotz
「僕は、自分の描くもので、自分の居場所を語っている。君が僕の作品から、暑苦しさやせわしなさ、ヒリヒリしたものを感じるとしたら、それはまさに僕自身がジャカルタに対して持っている思いだ。好きでも嫌いでも、ここは僕たちが生活して、死んでいくところ。ここでなんとかやっていくしかないんです」  描くものに、自分の気持を代弁させているというダルボッツ。その作品を象徴するのが、先に触れたイカ怪獣cumiと、執拗に繰り返される、波のような鱗のような独特のパターンだ。それは、インドネシアの伝統的な工芸品であるバテック(ジャワ更紗)の文様を想起させる。
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(c)Darbotz
 「大学の卒業プロジェクトで、インドネシアに伝わるさまざまな図柄を研究したんですが、そのとき、自分は、自分のルーツであるインドネシアのデザインがすごく好きなんだってことに気づいた。インドネシアらしいものを自分の作品でも表現したいと思ったんです」と言うダルボッツ。そんな彼を驚かせたのは、それが日本のある伝統的な図柄にもつながっているということ。
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「M for monster 2012」(c)Darbotz
「浮世絵とかで描かれる波模様と僕のインドネシアパターンに、通じるところがある! って、あるとき気がついたんです。最初はまったく意識してなかったんですが、よく見るとすごく似ている......ね、“セイカイ”でしょ?」  そして、彼のキャラクターたちは、日本の奇妙な生き物や怪獣にも多大な影響を受けている。 「それこそ、数えきれないたくさんの日本の漫画やアニメに囲まれて育ちましたから。いまだに覚えているのは、『ウルトラマン』『宇宙刑事ギャバン』『仮面ライダー』...... 家の近くに日本のビデオばかり揃えているレンタルビデオ店があったので、いつもそこから借りて。毎週日曜日の朝は、テレビで『ドラえもん』と『聖闘士星矢』を見る。日本のロボット系や漫画の影響は、インドネシアでも相当大きいですよ。僕が好きだった漫画は『かりあげクン』。ゴジラに出てくる怪獣は大好きだったなあ。それと、『AKIRA』と黒澤明の『乱』も」
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「NIKE the look of sport installation 2012」
(c)Darbotz
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「Polluted 2011」(c)Darbotz
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「high five 2010」(c)Darbotz
 グラフィティにとどまらず、クライアントや、海外のアーティストとのコラボレーションなど、これまで精力的に活動してきたダルボッツにとって、今年は比較的「静かな」年だという。「新米パパとしての日々を楽しんでいるんです(笑)」。それでも、今年中にはゲリラストアを立ち上げるなど、複数のプロジェクトが進んでいるという。  今年10月には、待望の初来日を果たすというダルボッツ。「いつか日本でプロジェクトができたら最高」というインドネシアのイカ怪獣は、東京という都市を、果たしてどのように見るのだろうか。 potrait.jpg ●ダルボッツ インドネシア、ジャカルタ生まれジャカルタ育ち。当地を代表するストリート・アーティスト。ヒップホップ・カルチャーの影響を受け、グラフィティやアート制作を中心に、マーチャンダイズ、ファッション・デザインなど、幅広く活動している。彼の作品を代表するイカのお化け cumiは、Google Chromeやナイキなどのキャラクターとしても使用された。内外のアーティストとのコラボレーションにも精力的で、ギャラリーなどでの展覧会にも多数参加。 公式サイト <http://thedarbotz.com/> ●なかにし・たか アジアのデザイナー、アーティストの日本におけるマネジメント、プロデュースを行なう「ASHU」代表。日本のクリエーターをアジア各国に紹介するプロジェクトにも従事している。著書に『香港特別藝術区』(技術評論社)がある。<http://www.ashu-nk.com > オンラインTシャツオンデマンド「Tee Party」<http://teeparty.jp/ashu/> ■バックナンバー 【vol.28】香港フィギュアブームの火付け役! ‟『AKIRA』にヤラれた”作家が手がける近未来物語 【vol.27】“田名網チルドレン”続々……アジア各地で熱烈支持されるサイケデリック・マスター 【vol.26】『銀河鉄道999』はアップル並みのインパクト? 韓国の催眠術的ポートレイト 【vol.25】ネタ元は日本の特撮ヒーロー? インドネシア式ファンタジー 【vol.24】"80後"世代の代弁者 中国売れっ子写真家の「未来系アート」 【vol.23】「ヤクルトとカップヌードルに洗礼?」MOJOKOのユーモラスな世界 【vol.22】「狂気とポップカルチャーが融合!?」香港のアーティストが追求する"不完全な美" 【vol.21】「人間の欲望を視覚化?」香港人気キャラの生みの親が追求する"醜さの美学" 【vol.20】「故郷・ボルネオ島での原体験が創造力の源」世界で活躍するマレーシアの"ケンヂ" 【vol.19】「人生に起きるすべてのことを細かく観察したい」中国ネット世代のアーティスト 【vol.18】「ヒーローは宮崎駿と奈良美智」シンガポールのマルチスタイル・アーティスト 【vol.17】「ルーツは『天空の城 ラピュタ』」ウォン・カーウァイに見い出された香港の若き才能 【vol.16】怖かわいい魑魅魍魎が暴れ回る! ヤン・ウェイの妖魔的異界 【vol.15】「原点は日本のコミック」東南アジアを席巻する都会派クリエーター 【vol.14】エロ×宗教×故事が混在!? 中国版・寺山修司が造り出すカオスな世界 【vol.13】昼間はOL、夜は寡黙なアーティスト ソン・ニが描く秘密の快楽の世界 【vol.12】まるで初期アニメ ローテクを駆使する南国のアート・ユニット「トロマラマ」 【vol.11】「造形師・竹谷隆之に憧れて......」 1000の触手を持つ、マレーシアのモンスター 【vol.10】"中国のガロ系"!? 80年代以降を代表するコミック・リーダー ヤン・コン 【vol.9】大のラーメンおたく!? シンガポールデザイン界を率いる兄貴、クリス・リー 【vol.8】メイド・イン・ジャパンに憧れて...... 香港の文学系コミック作家・智海 【vol.7】「血眼になってマンガを追いかけた」海賊版文化が育んだ中国の新しい才能 【vol.6】裸人間がわらわら 香港ピクセル・アートティストが放つ"アナログデジタル"な世界 【vol.5】ダメでも笑い飛ばせ! 香港の国民性を体現したグラフィック・ノベリスト 【vol.4】「教科書はガンダムの落書きだらけだった」 香港・原色の魔術師の意外な原点 【vol.3】「懐かしいのに、新しい」 読むほどにクセになる"タイ初の日本漫画家"タムくん 【vol.2】 マイブームはBL!? 香港の腐女子が描きとめる、消えゆく都市の記憶 【vol.1】「 :phunk版ガッチャマンが作りたい」 シンガポール発のデザイン集団が描く夢

母を“人質”に!? マイケルの遺産をめぐり、ジャクソン兄弟と遺児が泥沼状態

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確かにパリス(中)は気が強そう

 2009年6月に50歳の若さで急死した後も、CDやDVDで大金を稼いでいるマイケル・ジャクソン。彼が遺した400億円近い借金は年内に全額返済できる見通しが立ち、遺産相続人である3人の子どもたちの後見人でマイケルの母キャサリンは、莫大に増え続ける遺産管理に大わらわだと報じられたばかりである。そのキャサリンを中心としたジャクソン家のお家騒動が先週から勃発しており、一族総出で連日タブロイドを賑わせている。

 事の始まりは、先週、マイケルの遺産管理人であるジョン・ブランカとジョン・マクレインに対して、マイケルの兄であるジャーメインとティト、弟のランディ、妹のジャネット、姉のリビーが連名で送りつけた、遺産管理人を辞任するよう強く要求した手紙だった。

“学校”という名の密室ではびこる児童虐待の事実! 子どもたちは教師を訴える『トガニ 幼き瞳の告発』

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実在の事件を題材にした『トガニ 幼き瞳の告発』。
虐待の事実を知った新米教師のカン(コン・ユ)は
自分が勤める職場を訴えることを決意する。
 子どもたちにとって学校は教育の場ではなく、暴力と欲望が渦巻く、金魚鉢のように逃げ場のない空間だった。映画『トガニ 幼き瞳の告発』は韓国・光州市で実際に起きた教職員による児童への性的虐待事件を題材にした社会派サスペンスだ。聴覚障害者学校で複数の生徒へ性的暴行が長年ふるわれていたことが2005年に明るみになった。同校に勤務する教職員による内部告発がきっかけだった。2011年9月に韓国で本作は公開され、460万人以上を動員するほどの大反響に。映画が放つ熱気が観客に伝播し、韓国の司法・国会を突き動かす。事件の再調査が行なわれ、また13歳未満の児童への性暴力犯罪の処罰に関する改定法が“トガニ法”と名付けられ立法化された。執行猶予処分で済まされた問題の教職員が復職していた同校は校名の変更を申請していたが、2012年2月に廃校に追い込まれている。  映画の主人公は、見るからにお人好しそうな男カン・イノ(人気ドラマ『コーヒープリンス1号店』のコン・ユ)。カンは画家を目指していたが、芸術ではひとり娘を食べさせていくことができない。大学時代の恩師のコネを頼って、何とか全寮制の聴覚障害者学校「慈愛学園」の美術教師の職を得る。ヤル気満々で教壇に立ったカンだが、生徒たちの顔がみんなどんよりとしていて暗い。先輩教師のパク(キム・ミンサン)は「障害がある児童は、教師になかなか心を開いてくれない」と説明するが、どうも釈然としない。やがて、生徒たちが怯えていた醜悪なモンスターの正体をカンは知ることになる。  カンは自分の目を疑った。障害を持つ児童への“躾”という名目での体罰が尋常ではないのだ。パク教師は男子生徒ミンス(ペク・スンファン)に向かって「何で言うことを聞けない? どうして心を開かない?」と流血するまで殴り続ける。女子生徒のヨンドゥ(キム・ヒョンス)は生活指導の女性教師から、作動中の洗濯機の中へ顔を押しつけられている。世間の目から隔離された学園内では、過剰な体罰が日常化していたのだ。驚いたカンは、ぐったりしているヨンドゥを病院へ連れていく。学園関係者のいない病室でヨンドゥが筆談で語った内容は、カンにとって驚愕の事実だった。ヨンドゥや知的障害を持つユリ(チョン・インソ)ら複数の生徒は、校長をはじめとする教職員たちから性的暴行を受けているという。人権センターのソ・ユジン(チョン・ユミ)と相談したカンは、事件の全貌をマスコミに公表することを決意。ようやく見つけた職場をクビになる覚悟での決断だった。さらに闘いの場は法廷に移り、虐待を受け続けた生徒vs.学園側の全面抗争へと発展する。
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『コーヒープリンス1号店』の人気二枚目
俳優コン・ユ。2009年に出版された原作
小説を読み、映画化を働き掛けた。
 実在の事件を社会派エンターテイメントに仕立て、観客のエモーションを掻き立てさせる手練は、韓国映画は抜きん出たものがある。前半は“社会派ホラー”と称したくなるエログロシーンの連続だ。男子生徒ミンスはパク教師のホモハラの餌食となり、一緒に入浴することを迫られる。校長室ではいつもニコニコした温和な校長(チャン・ガン)が、放課後はニタニタした変態ロリコンオヤジと化す。校長室から逃げ出したヨンドゥを女子トイレへと追い詰めていく校長の笑顔が不気味すぎる。学校という密室的環境の中で、ターゲットにされた子どもたちはどこにも逃げ場がない。子役たちの熱演もさることながら、題材となった事件のおぞましさを伝えるために、ギリギリの描写に取り組んだスタッフの熱意もハンパない。  学園ホラーから一転して、後半は本格的法廷サスペンスに。カンは好奇の目にさらされることになる裁判に子どもたちを引っぱり出してしまったことを後悔するが、証言台に着く生徒たちの顔は知らない間に激変していた。それまでの怯えきった表情から、毅然とした顔つきに変わっていく。学校しか自分たちの生きる場所はないと思っていた子どもたちが、学校の外にも世界があることを知る。煮えたぎる血の池地獄のようだった学校を離れ、“生きた教育”に触れた子どもたちが輝き始める。例え裁判所はシビアな闘いの場であっても、自分たちがこれまで受けてきた虐待の全てを吐き出したい。明るい太陽の下で、自分の想いをちゃんと訴えたい。対等な立場で、自分をなぶりものにしてきたヤツらと最後まで闘い通してみせる。大人たちが驚くような記憶力と判断力で、子どもたちは暴力教師を糾弾していく。傍聴席では学園の卒業生たちが声にならない熱い声援を送っている。ちなみに、この場面でのエキストラには、実際の問題になった学校の卒業生たちが参加しているそうだ。
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本格的法廷サスペンスとなる後半。聴覚障害
を持つ女子生徒ヨンドゥ(キム・ヒョンス)
は判決を左右する“切り札”を握っていた。
 当然ながら、したたかな校長たちは様々な妨害工作を仕掛け、カンたちは正義とは大きく掛け離れた不条理な現実を思い知らされる。それでも子どもたちは、法廷で過ごしたわずかな期間に瞬く間に成長を遂げていく。子どもたちは学校の外には広い世界があることを知っただけでなく、その広い世界は自分たちにとって単純なユートピアではなく、やはり不条理さに満ち、違った形の暴力があることも学んでいく。そして、激しい怒声、罵声が飛び交うクライマックス。実際の事件の被害者となった児童たちの痛み、怒り、哀しみを主人公カンは全身に浴びたかのようにズブ濡れになる。  2009年に発刊されたノンフィクション小説『トガニ』をベースに映画化に取り組んだファン・ドンヒョク監督が来日。7月24日、都内で開かれたトークイベントで次のように語った。 「映画化の企画を聞き、原作小説を読んだのですが、それまでは事件のことを自分は知らなかったし、無関心でした。原作を読み、衝撃を受けました。でも、自分には映画化する自信がなく、一度は『他の監督に頼んでください』と断ったんです。その後、1か月経っても他の監督が決まっていなかった。それで引き受けることにしました。もし、これが被害者も加害者も亡くっているような昔の事件だったら映画にする意味はなかったと思います。テレビ報道され、小説にもなっているのに、まだこの事件のことを知らない人が自分も含めて多かったのです。映画化はこの事件のことを世に知らしめるための最後のチャンスだと思い、決断しました。関係者にはあえて取材はしていません。原作小説はしっかり取材した上で書かれたものですし、彼らに会うことであまりに事実を知りすぎると映画的演出に支障が出ると思ったからです。公開後に被害者の支援者から激励の言葉をもらいました。『自分たちが5~6年働き掛けても何もできなかったのに、映画が公開されて2~3か月で事件が再調査され、法律が改正され、学校の仕組みが改められた。うれしい反面、ホロ苦いものも感じた』と。韓国だけでなく、世界各地で同じような事件が起きていることを知ってください」  劇映画がきっかけとなり、その国の司法や立法まで動かしたという事実にも驚く。脚色はどこまで許されるのかという問題を伴うが、タブーを恐れない製作者の腹の括り方、キャストたちのリミット越えの熱演、観る者の心情を揺さぶる演出や音楽、それらの要素ががっちりと噛み合った映画は、時として尋常ならざるエネルギーを放つ。お隣・韓国と同じように、日本も密室だらけだ。学校、家庭、職場、政治、原発……。密室の扉を吹き飛ばす、パワーみなぎる映画が日本からも生まれればいいのに思う。 (文=長野辰次) togani_4.jpg 『トガニ 幼き瞳の告発』 原作/コン・ジュン 監督/ファン・ドンヒョク 出演/コン・ユ、チョン・ユミ 配給/CJ Entertainment Japan R18+ 8月4日(土)より渋谷シネマライズ、新宿武蔵野館ほか全国公開 <http://dogani.jp> (c)2011 CJE&M Corporation.All Rights Reserved ●深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】INDEX [第180回]“神様”との出会いと別れ、そして旅からの帰還  ドキュメンタリー『アニメ師・杉井ギサブロー』 [第179回]親友=お金を貸してくれる、女友達=SEXさせてくれる!? 品性お下劣男の青春『苦役列車』 [第178回]“沢尻エリカ”という名のアトラクションムービー『ヘルタースケルター』が描く無常の世界 [第177回]毒カレー、オウム真理教、光市母子殺害……“悪魔の弁護人”と呼ばれる男の素顔『死刑弁護人』 [第176回]“芸能生活30周年”ニコラス・ケイジの会心作! 被災地に流布する暗号『ハングリー・ラビット』 [第175回]やめろと言われても、今では遅すぎたッ! 妻夫木聡&武井咲主演の過剰なる純愛劇『愛と誠』 [第174回]年間自殺者数3万人を越える現代社会への提言 自殺対策の現状を追った『希望のシグナル』 [第173回]“三島割腹事件”を若松孝二監督が映画化!『11.25自決の日 三島由紀夫と若者たち』 [第172回]実在の事件を題材にした“命の授業”『先生を流産させる会』がついに劇場公開! 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CGなしの狂乱劇再び『マッハ!弐』 [第48回]全米"オシャレ番長"ズーイー、見参! 草食系に捧ぐ『(500日)のサマー』 [第47回]市川崑監督&水谷豊"幻の名作"『幸福』28年の歳月を経て、初のパッケージ化 [第46回]押井守監督、大いなる方向転換か? 黒木メイサ主演『アサルトガールズ』 [第45回]ドラッグ漬けの芸能関係者必見!"神の子"の復活を追う『マラドーナ』 [第44回] 暴走する"システム"が止まらない! マイケル・ムーア監督『キャピタリズム』 [第43回]"人は二度死ぬ"という独自の死生観『ガマの油』役所広司の監督ぶりは? 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若者に迎合する「美ST」に喝! “私”主義のババアのプライドを取り戻せ!

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「美ST」2012年9月号(光文社)

 今月の「美ST」の表紙は向井理なんですが、彼について書いた齋藤薫の「読む美容液」がすごかった。「美しすぎる男」「その美しさを素直に評価し、リスペクトすらしたくなる」というヨイショヨイショはいつものことなんですが、問題はその後。

「もちろん、10代からアイドルをやってきた芸能人とは根本的に違う。普通に大学を出て社会に出た人が、自然に培ったバランス感覚と言ってもいいけれど、もっと本質的なところに、正しい知性というものを感じさせる」
「有名大学卒で“理系”。だから知的……という単純な説明では片づけられないが、疑いようもなく“頭がいい”という事実は、美形の男の場合、たいへんに重要。男の美と知は化学反応を起こして、別格のオーラをつくるのだ」

 と記述していました。大卒アイドルがウジャウジャいる平成の芸能界において、「高学歴」は「高学歴(笑)」であり、「クイズ芸人へのエリートコース」ぐらいしか意味をなさないというのに、あえてそこを突くチャレンジャー! 数年後、辰巳琢郎、宇治原史規と並んで「タイムショック」に出ている向井クンの姿が見えちゃいましたよ。で、コラムを最後まで読んだんですが、「顔がよくて大卒」ということしか語られておらず、彼が役者として「何をやってきて、今何をしているか」という“実”の部分がまったく触れられていなかったので、超訳して「男はやっぱり3高」と解釈いたしました。現代の感覚とまるで合っていませんね。

<トピック>
◎全力捜査!「THE・取材拒否の美魔女」
◎40代「迫力美人」と呼ばないで(怒)
◎剃っちゃえばいいんです!「まゆゆ眉」で小顔な私

「カッコつけるのは面倒臭くて嫌なんだよ!」“ワイルド”なモト冬樹が恋愛指南!?

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“かっこいい”モト冬樹が見られるのは、この映画だけ!?
 これまで若者たちの“ダメ恋愛”を多く描き、数々の映画賞を受賞してきた今泉力哉が監督・脚本を手掛けた、究極のダメ恋愛群像劇『こっぴどい猫』が、7月28日より公開となる。主演は、『ヅラ刑事』(06年)以来の主演2作目となるモト冬樹。ストーリーは、総勢15人の男女と7つの三角関係が交差するクセだらけの恋物語だ。  この映画は、独特な今泉ワールドをビンビンに感じられると同時に、モト冬樹という一人の超有名芸能人の今まで気付かなかった魅力を、まざまざと見せつけられる。鑑賞後には「今までモト冬樹を知ったような気になっていて、すみませんでした」と、ちょっぴり申し訳ない気持ちにさえなるかもしれない。  この日、たまたま取材場所に居合わせた今泉監督にも少々交ざっていただきつつ、今年61歳を迎えたモト冬樹に、同作の魅力や、自身の結婚生活、また“いい女”の見分け方などを伺った。 ――『こっぴどい猫』は、「モト冬樹生誕60周年記念作品」を大々的に謳っていますが、ご存命の方の生誕を記念した映画って珍しいですよね。 モト冬樹(以下、モト) 「還暦に何かやりたいね」というところから始まって、映画の話が持ち上がったんです。僕は、今までどちらかというとバイプレイヤーとしてやってきたので、僕を主演にしようってこと自体、すごいことだよね。それに『ヅラ刑事』(06年)は普通の役じゃなかったから、“普通の男”の役で主演って初めてだし。 今泉監督 僕がお話をいただいた時は、「モトさんが主演であること以外、自由にやってください」って言っていただいたんです。だけど、まず「生誕60周年記念作品」ってものを見たことがなかったですし(笑)、メジャーなタレントさんとやったことがなかったので、プレッシャーで全然、脚本が書けなくて……。それでモトさんと一緒に飲ませてもらった時に「本書けなくてすみません」って言ったら、「一回失敗しても、もう一回やればいいじゃない」って言ってもらって、すごくラクになれたんです。そこからは、いつも自分が撮ってる若者の恋愛模様に、モトさんを引っ張り込みました。 モト 俺、そんなこと言った? 酔っ払ってたから覚えてない(笑)。この監督の映画は、セリフが自然な会話口調なのがびっくりだよね。あと展開がすごい! コメディもそうだけど、我々って、見てる人の期待を裏切ることに喜びがあるから、この監督の作品は面白いと思ったね。『こっぴどい猫』も、途中までじじぃと若い子のただの恋愛モノだと思ったでしょ? そんなに甘くないんだよねえ~♪ ――それにしても劇中のモトさんが、すごくカッコ良かったです。 モト ほんとに~? 趣味悪いんじゃないの? ハゲ好き? 今泉監督 試写でも、「モトさんのこと本気で好きになった」って言っている女性がいましたよ。
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モト へ~、うれしいなあ。今まで、そんなこと言われたことないよ。いつも“ハゲたカッコ悪い上司”の役とかが多いから、普通の役をしてる僕を、みんな見たことがないのかもな~。でも、ずっとシリアスな演技が続いても、ラストがああいう展開だから、「ああ、俺だな」ってホッとできるよね(笑)。 ――確かに、最後はズッコケました(笑)。この映画の主人公は、随分若い女性に恋をしますが、モトさん自身も若い子に心を奪われたりしますか? モト しょっちゅうあるよ。人に魅力を感じることに、若いとか年取ってるとか関係ないよね。ただ俺、結婚したから(2010年5月に一般女性と入籍)、「やってみてえなあ」とかはなかなか思わなくなったなあ~。 ――そういえば、『ものまね珍坊』(~92年、フジテレビ系)などにご出演されていた頃は、「恋多き男」としてイジられていた記憶があるのですが、実際はどうだったんですか? モト 普通じゃないですか? でもほら、俺、若い時はバンドやってたから、そういう機会がいっぱいあったんだよね。やっぱ20代の頃はね、男はいっぱい遊んだほうがいいと思う。30代になると、だんだん“いい女”と“悪い女”の区別がついてくるんだよね。それで40代になると、もっと好きな人が分かってきて、50代になったら好きな相手から断られたりするんだけど……。まあ、それはいいんだけど(笑)、若いうちは瞬間的な恋愛でもいいから、いっぱい恋愛したほうがいいと思いますね。だって、いい大学出て、いい会社入って、年取ってから明らかに「え?」っていうような女に騙される男っているじゃない。いっぱい免疫をつけておいたほうがいいと思うんだよね。 ――“いい女”とは、どんな女性だと思いますか? モト 付き合ってて、自分が“いい人間”になれる女の子は絶対いいよね。ところが、自分がヤキモチばっか焼いて、「あの子、今日何してるんだろう」とか心配しちゃうようだと絶対続かない。でも若い頃は、そういう子にハマるんだよね。 ――それは男女逆でも当てはまりますか? モト そうだと思う。でも、ダメな男に一生懸命尽くすことで、自分の存在を確認できる女っているんだよね。長いスパンの幸せが欲しいのか、ダメな男に尽くしてる時の濃い幸せが欲しいのか、どっちかだよ人間って。あと「この人のことを、あたしは変えられる」って思ってるうぬぼれの強い女はダメだよ。人間なんて100%変えられない。ただ、俺は結婚して、一緒に住み始めた時に、自分のペースが崩れてお互いギクシャクしたんだけど、その時、「この人のために変わろう」と思ったんだよね。これは俺が変わったほうが、俺が幸せになるから変われるんだよ。 ――どんなところを変えたんですか? モト 俺ってマメに見られるんだけど、すごく面倒臭がり屋なのよ。メールもあんましないし、電話番号聞いても、ほとんどかけたことないし。でも、今、初めて「今、帰るよ」とか、しょっちゅう嫁さんにメールしてるし、嫁さんが喜ぶことを頑張ってしてる。そしたら、うまく回りだしたんだよね。
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――本来は男っぽい性格なんですね。 モト 女って言葉を欲しがるけど、俺は“行動”だと思うわけよ。誕生日とかバレンタインデーとか、ホントは何もやる気しないんだよ(笑)。でも嫁さんがそういうの好きだから、やってるよ。しょうがないから。 ――記念日とかが好きな男性も、中にはいますけどね。 モト いるいるー。モテる男って、花束渡したり、鳥肌立つようなこと平気でできるんだよね。(グッチ)裕三はA型ですっごいマメだから、カセットテープ渡して「これ聴いて」とか、料理作ってやったりできるんだよ。だからあいつは3回結婚してるじゃない? ちなみに男は3回目がうまくいく人が多いのよ。松崎しげるさんもそうだし。まあ、体力とお金の面で3回が限界っていうのもあると思うんだけど(笑)。 ――そんな実はワイルドなモトさんが、59歳にして初めて結婚しようと思ったのはなぜですか? モトト 嫁さんとは10年以上付き合ってたんだけど、結婚しようなんてこれっぽっちも思ってなくて。「このままパートナーでいられればいいなあ」と思ってたんだけど、ある流れで「彼女を守るためには結婚するしかないなあ」ってなったんだよね。でも、40歳くらいで結婚してたら絶対にダメになってたと思う。「この人よりいい人が出てくるかもしれない」と思ってる時点で、結婚はダメだよね。 ――現在、大学を卒業したばかりの娘さんが、大阪にお住まいだそうですね。 _MG_1019.jpg モト うちの娘は、嫁さん同様、シンプルでウソつけないいい人間でね。親子なのに友達みたいな関係だから、隠し事ゼロで、“今、誰と付き合ってるか”とか全部知ってるよ。娘は男に選ばれるんじゃなくて、完全に自分で男選んでるから安心なんだけど、サイクルが早いのよー。大学の時にめっちゃ頭のいい男と付き合ってたんだけど、卒業できるのが分かったら別れやがって(笑)。その男のおかげで卒業できるのにひどくない? 今は違うのと付き合ってるけど。あははは! ――これ書いちゃって大丈夫ですか? モト ダメだな。前にテレビで「うちの娘はB専で、ブサイクとばっか付き合ってる」って言ったら、付き合ってる男がそれを家族と見てたらしくて、とてもかわいそうなことになっちゃったんだよ。はははは! でも今付き合ってるのは、結構いい顔だから、「お前、珍しいな」って言ってる。 ――モトさんて、もっと芸能人っぽい方なのかと思ってましたが、すごくナチュラルな方なんですね。少しイメージ変わりました。 モト 俺ってカッコつけたり、無理するのが、面倒臭くて嫌なんだよね。5あったら3くらい出してるのが好きなんだよ。5なのに7出してるヤツは大変だなって思う。絶対シンプルなほうがラク! だから、ヅラかぶってるヤツとか大変だろうなって思うんだよね。 (取材・文=林タモツ/撮影=後藤秀二) ●『こっぴどい猫』 監督/脚本/編集:今泉力哉 出演:モト冬樹、小宮一葉、内村遥、三浦英、小石川祐子、平井正吾、後藤ユウミ、高木珠里、結、工藤響、今泉力哉、木村知貴、前彩子、泉光典、青山花織 7月28日(土)より 新宿K's cinemaにてレイトショー <http://koppidoi-neko.com/>

「今世紀最大の美女」は整形だった! 韓国の“天然美人”信仰はいかほど?

「スーパーガール」/ユニバーサル・シグマ

韓国芸能界に渦巻く闇からキラめく星まで、魅せられちゃったら止まらない! K-POPに夢中な2人がミーハー魂を炸裂させてゴシップネタをぶった斬り☆ 嘘か真か単なるウワサ? 

M……本業はギョーカイ系の駆け出しライター。職業柄ネタは豊富。
K……K-POP全般が好きなアラフォーライター。基本ミーハー。

M  ちょ~~ど、昨日、韓国からかえってきました~!

K ほんと、韓国行きまくりだよね。

M  今回は知人の紹介でシンサの超高級皮膚科につれてってもらったんだけど、一回4万円! 韓国価格で4万って相当高い! 芸能人が通ってるところらしいよ。ソフトピーリングやら、フェイシャルをやるんだけど……とにもかくにも、先生が異様に美人で倒れそうになった(笑)。ちなみに、今は、自分の血液から採取した血小板を肌に注入する? とかのPRP注入療法? とかがはやってるみたいで、やたら勧められたよ~。自分の血液だから、害が少なくて、ほうれい線とかがあっという間に消えるらしい!!

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小さくてもいいじゃん!豊胸手術で乳がん検診が受けられない?

 サイゾー新ニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けしちゃいます! ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) ヤフー・ツタヤ提携が狙うネット&リアルの覇権と楽天潰し!? 原発で大儲け、出版社に脅し…電通と博報堂のふしだらなリアル 「配属テストは麻雀だった !?」ファンドマネージャー座談会 ■特にオススメ記事はこちら! 小さくてもいいじゃん!豊胸手術で乳がん検診が受けられない? - Business Journal(7月25日)
『がんのひみつ』(朝日出版社/中川恵一)
 人口動態統計によると、平成21年、乳がんによる死亡者数は約1万2000人。昭和40年には約2000人にすぎなかったことから見ると、ここ40年ほどで大激増したといえよう。  これを受けて、平成17年度より、全国の9割以上の市区町村で、触診・エコー・マンモグラフィーの3本立てによる乳がん検診が行われるようになった。厚生労働省が乳がん撲滅のため、全国に40億円の機器購入補助金を出した成果である。  しかし、検診を受ける女性の数は、現在でも4人に1人程度と決して多くはない。その理由は、「検診を受けられる場所が遠い」「異常がないから大丈夫」「数千円の検診料を払えない」などさまざまである。  しかし、少数ながら「豊胸手術のせいで検診が受けられない」という女性たちがいることは、ほとんど知られていない。そのため、魅力的なバストに憧れて豊胸手術を受けてみたものの、乳がん検診を受けられず不安な思いをする女性たちが後を絶たないのだ。 豊胸手術のせいでマンモグラフィーが使えない  豊胸手術経験者の亜由美さん(仮名、40代)に、自治体から乳がん検診の通知が来た。しかし検診案内の注意書きには、「豊胸手術をしている方は、マンモグラフィーにより豊胸バッグ破損の怖れがあるため、検診をお断りさせていただいております」と書かれていたのだ。  亜由美さんはかつて豊胸手術を受ける前、いくつもの美容クリニックを訪れて、手術方法や術後の健康への影響について医師のカウンセリングを受けている。 「授乳に影響はない、とか、触っても違和感がない、などと言われました。かなり低い確率でバストが変形することがあるとの説明も受けていました。でも、乳がん検診を断られるなんて、どのクリニックでも一言も言われませんでした」(亜由美さん)  亜由美さんは手術をしたクリニックの医師に、 「どうして乳がん検診への影響について教えてくれなかったのか」 と、質問を投げてみたところ、医師は次のように答えたそうだ。 「マンモグラフィーの検診を断る医療機関はあるかもしれませんね。でも、ちゃんと探せば、検診してくれる病院はあるんじゃないですか?」 医者も知らん顔  しかし、実際に自治体の検診は受けられなかったと返答すると、その医師から次のように言われたという。 「受けられる自治体もあるはずですよ? 患者さんが将来、どの街に住むかまでは予想できませんからねえ。なんでしたら紹介料はかかりますけど、検診をしてくれる病院を紹介しましょうか?」  水掛け論めいたやりとりに嫌気が差した亜由美さんは、乳がん検診をしてくれる医療機関を自力で探し始めた。  しかし、近隣の病院ではどこも「バッグを破損させるからマンモグラフィーは使えない」というところばかり。中には「豊胸手術をした胸の触診はできない」と断る病院も。  この件について、美容クリニック経営者のA氏は次のように語った。 「豊胸バッグが入っているとマンモグラフィーを使えなくなることは、医師なら誰でも知ってますよ。でも、手術を勧める立場としては、あえて言わないんです。手術件数を増やさないと経営が成り立ちませんから」 医療機関の冷たい対応  20代の頃、豊胸手術を受けた元モデルの由紀恵さん(仮名、50代)は、乳がん検診を受けたことがない。 「マンモグラフィーが使えなくても、触診とエコーで検診はできるんですよね。それだけでも受けようかなと思うけど、医師に豊胸手術のことを言うと、態度が変わるっていうか、冷たくされるっていうか……。『大事な身体を傷つけて』みたいに言われたこともあったんです。ただでさえ整形をカミングアウトするのは辛いんです。医師の態度には本当に傷つきました。乳がんは怖いです。でも、あんな不愉快な思いをしてまで検診を受ける勇気が、出ないんです」  豊胸手術に対する、医療機関の“偏見”とも言える冷たさを指摘する女性は少なくない。 出産後、バストアップのため手術を受けた雅子さん(仮名、30代)もそのひとりだ。 「病院で『豊胸手術をしてますが、乳がん検診を受けられますか?』と聞いたんです。そうしたら『おっぱいの整形? ええっ?』と聞き返され『そんなの診たことないですよ』とバカにしたように言われたんです。田舎のせいか、そんな病院ばかり。なんだかすごく惨めになって、検診は受けていないんです」  前出の亜由美さんは、ACジャパンのテレビCMで乳がん検診の必要性を熱く訴える某財団法人に電話をかけ、検診を行ってくれる医療機関について聞いてみたが、 「豊胸手術した人の乳がん検診? どこで受けたらいいんでしょうねぇ。もしかしたら、ここならやってるかも」 と、4~5カ所の医療機関を教えられたものの、いざ問い合わせをしてみると1カ所を除いて乳がん検診自体を断られた。そしてその1カ所に行ってはみたものの、やはりマンモグラフィーは使えず、エコーと触診のみだったというのだ。 検診のために豊胸バッグを抜去  かつて「豊胸手術をすると乳がんになりやすい」と報道された時期もあったが、現在、豊胸手術と乳がん発症の因果関係については今ひとつ不明とされている。豊胸手術大国と言われるアメリカの医療機関には、後追い調査の結果、豊胸手術をしても乳がん発生率は変わらないと発表している機関もある。  しかし、日本では、豊胸バッグがあるため検診が受けられず、乳がんの早期発見ができないケースは決して少なくないのではないだろうか?  一体、彼女たちがマンモグラフィーによる乳がん検診を受けるには、どうすれば良いのだろう。  前出のクリニック経営者・A氏は続けて語る。 「健康のために再手術をして、豊胸バッグを抜去する女性も少なくありません。抜去や乳がん検診のできる豊胸への再手術の費用が、クリニックの収入源のひとつであることも否定しません」 信頼できる病院を探すのも大変  ちなみに抜去費用はクリニックそれぞれ。十数万円のところもあれば、百万円以上を請求するところもある。手術経験者たちによると、手術料金が高ければ技術が高い、大病院だから信頼できるとは決していえないようだ。  かなりの低価格で優良な施術をする医師もおり、彼らの名前はインターネットのクチコミサイトである程度、確認することができる。  ちなみに、抜去手術をした後、胸が小さくしぼんでしまうだけではない。豊胸手術で膨らまされていた胸の皮膚は、バッグを失うと同時に張りを失い、実年齢以上に垂れてしまうケースがほとんどだ。手術をしてまで「美しさ」を追求した女性たちが受ける精神的ダメージは、決して少なくはない。  胸に豊胸バッグを入れたまま、マンモグラフィーのかわりにMRIによる乳がん検診を受けることも可能だ。アメリカの医療機関では、豊胸手術をした人に対して2年に1度の割合で、MRIによる乳がん検診を勧めるところが多い。しかし、日本ではMRI検診をした場合、検査費用3万円程度を自費で支払うケースが多く、通常の乳がん検診に比べて、かなりの出費になることを覚悟しなければいけない。 「豊胸手術をしてもマンモグラフィー検診を受けられる」とされる、脂肪注入(自分の皮下脂肪を胸に移植する)、ヒアルロン酸注入(ヒアルロンで胸を膨らませる)など、いくつかの方法もないわけではない。  しかしいずれも、胸がすぐにしぼむ、豊胸バッグに比べてかなり費用がかかる、数十万から百万以上のお金をかけて定期的に注入を繰り返さなければいけない、などの問題点が挙げられる。  日本国内で現在、どれくらいの数の豊胸手術が行われているか、正確な数字は出ていない。豊胸手術の善し悪しを問うつもりもないし、魅力的な胸を求めて手術する女性たちを愚かと決めつけるつもりもない。  ただ、こういった理由で乳がん検診から遠のいている女性たちがいるのは、事実なのだ。 (文=玉置美螢/ライター) <おすすめ記事> ヤフー・ツタヤ提携が狙うネット&リアルの覇権と楽天潰し!? 原発で大儲け、出版社に脅し…電通と博報堂のふしだらなリアル 「配属テストは麻雀だった !?」ファンドマネージャー座談会 アマゾンなんて怖くない? 楽天、凸版、電子書籍リーダーの未来 駅のゴミ箱が復活しないのは、経費削減のため? GREE、DeNAは新しい“卓越した”コンプガチャを生む 敵はジャパネット? ヤマダ電機会長、ジリ貧の焦り

小さくてもいいじゃん!豊胸手術で乳がん検診が受けられない?

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『がんのひみつ』(朝日出版社/中川恵一)
 人口動態統計によると、平成21年、乳がんによる死亡者数は約1万2000人。昭和40年には約2000人にすぎなかったことから見ると、ここ40年ほどで大激増したといえよう。  これを受けて、平成17年度より、全国の9割以上の市区町村で、触診・エコー・マンモグラフィーの3本立てによる乳がん検診が行われるようになった。厚生労働省が乳がん撲滅のため、全国に40億円の機器購入補助金を出した成果である。  しかし、検診を受ける女性の数は、現在でも4人に1人程度と決して多くはない。その理由は、「検診を受けられる場所が遠い」「異常がないから大丈夫」「数千円の検診料を払えない」などさまざまである。  しかし、少数ながら「豊胸手術のせいで検診が受けられない」という女性たちがいることは、ほとんど知られていない。そのため、魅力的なバストに憧れて豊胸手術を受けてみたものの、乳がん検診を受けられず不安な思いをする女性たちが後を絶たないのだ。 豊胸手術のせいでマンモグラフィーが使えない  豊胸手術経験者の亜由美さん(仮名、40代)に、自治体から乳がん検診の通知が来た。しかし検診案内の注意書きには、「豊胸手術をしている方は、マンモグラフィーにより豊胸バッグ破損の怖れがあるため、検診をお断りさせていただいております」と書かれていたのだ。  亜由美さんはかつて豊胸手術を受ける前、いくつもの美容クリニックを訪れて、手術方法や術後の健康への影響について医師のカウンセリングを受けている。 「授乳に影響はない、とか、触っても違和感がない、などと言われました。かなり低い確率でバストが変形することがあるとの説明も受けていました。でも、乳がん検診を断られるなんて、どのクリニックでも一言も言われませんでした」(亜由美さん)  亜由美さんは手術をしたクリニックの医師に、 「どうして乳がん検診への影響について教えてくれなかったのか」 と、質問を投げてみたところ、医師は次のように答えたそうだ。 「マンモグラフィーの検診を断る医療機関はあるかもしれませんね。でも、ちゃんと探せば、検診してくれる病院はあるんじゃないですか?」 医者も知らん顔  しかし、実際に自治体の検診は受けられなかったと返答すると、その医師から次のように言われたという。 「受けられる自治体もあるはずですよ? 患者さんが将来、どの街に住むかまでは予想できませんからねえ。なんでしたら紹介料はかかりますけど、検診をしてくれる病院を紹介しましょうか?」  水掛け論めいたやりとりに嫌気が差した亜由美さんは、乳がん検診をしてくれる医療機関を自力で探し始めた。  しかし、近隣の病院ではどこも「バッグを破損させるからマンモグラフィーは使えない」というところばかり。中には「豊胸手術をした胸の触診はできない」と断る病院も。  この件について、美容クリニック経営者のA氏は次のように語った。 「豊胸バッグが入っているとマンモグラフィーを使えなくなることは、医師なら誰でも知ってますよ。でも、手術を勧める立場としては、あえて言わないんです。手術件数を増やさないと経営が成り立ちませんから」 医療機関の冷たい対応  20代の頃、豊胸手術を受けた元モデルの由紀恵さん(仮名、50代)は、乳がん検診を受けたことがない。 「マンモグラフィーが使えなくても、触診とエコーで検診はできるんですよね。それだけでも受けようかなと思うけど、医師に豊胸手術のことを言うと、態度が変わるっていうか、冷たくされるっていうか……。『大事な身体を傷つけて』みたいに言われたこともあったんです。ただでさえ整形をカミングアウトするのは辛いんです。医師の態度には本当に傷つきました。乳がんは怖いです。でも、あんな不愉快な思いをしてまで検診を受ける勇気が、出ないんです」  豊胸手術に対する、医療機関の“偏見”とも言える冷たさを指摘する女性は少なくない。 出産後、バストアップのため手術を受けた雅子さん(仮名、30代)もそのひとりだ。 「病院で『豊胸手術をしてますが、乳がん検診を受けられますか?』と聞いたんです。そうしたら『おっぱいの整形? ええっ?』と聞き返され『そんなの診たことないですよ』とバカにしたように言われたんです。田舎のせいか、そんな病院ばかり。なんだかすごく惨めになって、検診は受けていないんです」  前出の亜由美さんは、ACジャパンのテレビCMで乳がん検診の必要性を熱く訴える某財団法人に電話をかけ、検診を行ってくれる医療機関について聞いてみたが、 「豊胸手術した人の乳がん検診? どこで受けたらいいんでしょうねぇ。もしかしたら、ここならやってるかも」 と、4~5カ所の医療機関を教えられたものの、いざ問い合わせをしてみると1カ所を除いて乳がん検診自体を断られた。そしてその1カ所に行ってはみたものの、やはりマンモグラフィーは使えず、エコーと触診のみだったというのだ。 検診のために豊胸バッグを抜去  かつて「豊胸手術をすると乳がんになりやすい」と報道された時期もあったが、現在、豊胸手術と乳がん発症の因果関係については今ひとつ不明とされている。豊胸手術大国と言われるアメリカの医療機関には、後追い調査の結果、豊胸手術をしても乳がん発生率は変わらないと発表している機関もある。  しかし、日本では、豊胸バッグがあるため検診が受けられず、乳がんの早期発見ができないケースは決して少なくないのではないだろうか?  一体、彼女たちがマンモグラフィーによる乳がん検診を受けるには、どうすれば良いのだろう。  前出のクリニック経営者・A氏は続けて語る。 「健康のために再手術をして、豊胸バッグを抜去する女性も少なくありません。抜去や乳がん検診のできる豊胸への再手術の費用が、クリニックの収入源のひとつであることも否定しません」 信頼できる病院を探すのも大変  ちなみに抜去費用はクリニックそれぞれ。十数万円のところもあれば、百万円以上を請求するところもある。手術経験者たちによると、手術料金が高ければ技術が高い、大病院だから信頼できるとは決していえないようだ。  かなりの低価格で優良な施術をする医師もおり、彼らの名前はインターネットのクチコミサイトである程度、確認することができる。  ちなみに、抜去手術をした後、胸が小さくしぼんでしまうだけではない。豊胸手術で膨らまされていた胸の皮膚は、バッグを失うと同時に張りを失い、実年齢以上に垂れてしまうケースがほとんどだ。手術をしてまで「美しさ」を追求した女性たちが受ける精神的ダメージは、決して少なくはない。  胸に豊胸バッグを入れたまま、マンモグラフィーのかわりにMRIによる乳がん検診を受けることも可能だ。アメリカの医療機関では、豊胸手術をした人に対して2年に1度の割合で、MRIによる乳がん検診を勧めるところが多い。しかし、日本ではMRI検診をした場合、検査費用3万円程度を自費で支払うケースが多く、通常の乳がん検診に比べて、かなりの出費になることを覚悟しなければいけない。 「豊胸手術をしてもマンモグラフィー検診を受けられる」とされる、脂肪注入(自分の皮下脂肪を胸に移植する)、ヒアルロン酸注入(ヒアルロンで胸を膨らませる)など、いくつかの方法もないわけではない。  しかしいずれも、胸がすぐにしぼむ、豊胸バッグに比べてかなり費用がかかる、数十万から百万以上のお金をかけて定期的に注入を繰り返さなければいけない、などの問題点が挙げられる。  日本国内で現在、どれくらいの数の豊胸手術が行われているか、正確な数字は出ていない。豊胸手術の善し悪しを問うつもりもないし、魅力的な胸を求めて手術する女性たちを愚かと決めつけるつもりもない。  ただ、こういった理由で乳がん検診から遠のいている女性たちがいるのは、事実なのだ。 (文=玉置美螢/ライター) <おすすめ記事> ヤフー・ツタヤ提携が狙うネット&リアルの覇権と楽天潰し!? 原発で大儲け、出版社に脅し…電通と博報堂のふしだらなリアル 「配属テストは麻雀だった !?」ファンドマネージャー座談会 アマゾンなんて怖くない? 楽天、凸版、電子書籍リーダーの未来 駅のゴミ箱が復活しないのは、経費削減のため? GREE、DeNAは新しい“卓越した”コンプガチャを生む 敵はジャパネット? ヤマダ電機会長、ジリ貧の焦り