『スターシップ・トゥルーパーズ』最新作で積年の到達を見せた荒牧伸志監督インタビュー

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 昆虫型エイリアン(バグ)と未来人類との全面戦争を描いたポール・バーホーベン監督のSF大作『スターシップ・トゥルーパーズ』(97)が公開されて15年。『スターシップ・トゥルーパーズ2』(03)は基地に取り残された兵士たちの密室サスペンス、『スターシップ・トゥルーパーズ3』(08)は若者の愛国心をプロパガンダCMで煽る軍部を風刺コメディに仕立てるなど、1作ごとに趣向を変えた人気シリーズとなっている。そして第4弾となる最新作『スターシップ・トゥルーパーズ インベイジョン』には、日本の荒牧伸志監督が起用された。荒牧監督は『アップルシード』(04)、『エクスマキナ』(07)が世界マーケットで高評価を得た、フルCGアニメの第一人者。原作小説『宇宙の戦士』(ロバート・A・ハインライン/59年)ファンにとっては待望となる、パワードスーツ(強化服)に身を固めた地球連邦軍の兵士たちがバグの大群を相手に命知らずの戦いを挑む。とりわけ、地球へ帰還する後半はクライマックスの連続。『スター・ウォーズ』(77)以降のハリウッドSF映画の系譜に、『機動戦士ガンダム』(79)をはじめとする日本アニメのエッセンスをぶちまけたかのような怒濤の展開となっている。本作のために、新宿・歌舞伎町の一角にスタジオ「SOLA DIGITAL ARTS」を立ち上げた荒牧監督。原作小説『宇宙の戦士』との出会いによって人生が変わったという荒牧監督に、原作への想いと監督業との兼ね合い、セルアニメからCGアニメへ移行した経緯についても語ってもらった。 ――荒牧監督は高校時代にロバート・A・ハインラインのSF小説『宇宙の戦士』に出会って、人生が変わったそうですね。 荒牧伸志監督(以下、荒牧) そうです。いくつかあったターニングポイントのひとつだったことには間違いないですね。ボクの世代は中学のときに『宇宙戦艦ヤマト』(74)に出会い、それこそ中二病を患ったわけです(笑)。さらに高校で『スター・ウォーズ』、大学に入って『機動戦士ガンダム』。進学や就職を考える度に、そういった作品に遭遇したんです。『宇宙の戦士』に出会ったのは、『スター・ウォーズ』のちょっと前だったから高校2年の頃だったかなぁ。高校の帰りにいつも寄っていた書店に平積みされていたんです。何だろうと思ってパラパラめくってみると、スタジオぬえが手掛けたイラストが素晴らしかった。なけなしの小遣いで買いましたね。小説に書かれていたパワードスーツの概念も興味深かった。人間の身体能力を増強するスーツなんだけど、それを着る人間は自分の肉体もちゃんと鍛えなくてはいけない。そのための訓練は海兵隊のものと変わらない。軍隊的なイメージとSFの世界観がうまくハマっているところも新鮮に感じたんです。 ――ちなみに、進学前にそんな作品と出会ってしまって、大学受験は大丈夫だったんですか? 荒牧 夏休み中なんか、補習を受けると言っては映画館に1日中いて『スター・ウォーズ』を繰り返し観ていたんですけど、国立大学に入ることができたんです。試験がマークシート方式で、ボクはそういうのが得意だった(笑)。でも結局、大学は中退。上京してアニメ業界に進むことを親に告げると「もう、帰ってくるな!」と言われましたね。自分が子どもを育てる立ち場になって、親が怒った気持ちが分かるようになりました(苦笑)。 ――『アップルシード』『エクスマキナ』が海外で評価されたことで、『宇宙の戦士』を原作にした『スターシップ・トゥルーパーズ』シリーズの最新作を監督することに。感慨深いのでは?
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(c)2012 Sony Pictures Worldwide 
Acquisitions Inc.All rights reserved.
荒牧 そう言ってもらえると確かに感慨深く思うんですが、現場に身を置く立ち場としてはただバタバタと仕事に追われているもので、感慨に耽っている余裕がないんです(苦笑)。監督という立ち場に就くと、「次は何をやるか」ということを常に考えていなくちゃならないわけです。もちろん、今抱えている仕事を成功させるというのが大前提です。そういう中で今度は『スターシップ・トゥルーパーズ』ができればサイコーだなと提案したところ、プロデューサー側も『スターシップ・トゥルーパーズ』シリーズを候補作のリストに入れていたんです。ラッキーでした。自分がやりたい企画は、誰彼かまわず言い続けることは大事だなと思いますよ(笑)。ただし、今回は新しいスタジオを立ち上げることになり、スタッフ集めから積極的に関わっていたため、あれこれと余計なことで悩む暇がなかった。逆にそれもよかったように思いますね。 ■スタジオぬえ版とは異なるパワードスーツ ――もしも若い頃に『スターシップ・トゥルーパーズ』を手掛けることになっていたら、「『宇宙の戦士』をいちばん理解しているのはオレだ」みたいな気持ちが強く働いたんじゃないでしょうか? 荒牧 以前の自分なら、「スタジオぬえの『宇宙の戦士』のイラストをそのままデザイン化しよう」などゴリゴリの考えになっていたと思います。でも今回、そういうのはなかったですね。監督作を何本かやらせてもらう中で、出会った人たちをうまくコーディネイトしながら面白いものを作ることを覚えたように思います。集まったスタッフの中から自分とは違うものが出てくることを「これはこれで面白いな」と感じるようになっていた。そのほうが仕事は広がります。ですから今回も最初からかっちりしたイメージに向かって突き進んだというより、いろんなスタッフから出てきたものに自分が少しずつ調味料を加えながら作っていった感じなんです。どんな仕上がりになるのか、自分も楽しみながらの作業だったように思いますね。 ――本作のオープニングのせりふ「医者にはわかるまい。これは武者ぶるいだ」は、『宇宙の戦士』の冒頭を思わせます。 荒牧 言葉遣いは現代風に脚本家のフリント・ディルがいじっていますけど、原作小説からの完全な引用です。今回、基本的にはポール・バーホーベン監督が作った第1作の世界観に則った形にしていますが、やっぱりどこかに原作ファンとしてのこだわりは残しておきたいという想いがあったんです。ちょうど、ソニー・ピクチャーズ側のプロデューサーから「冒頭シーンを『宇宙の戦士』っぽくできないか」とオファーが出ていたので、「ぜひやりましょう」と。原作者であるハインラインへのリスペクトを、改めて作品の中に刻もうということですね。予告編を見た人は『宇宙の戦士』だと気づいてくれているようです。「あれ、スタジオぬえのイラストとは違うな」と思ってもらっても構いませんし、もちろん第1作からのファンにも観てほしい。いろんな角度から楽しんでもらいたいですね。
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――荒牧監督といえば、メカデザインへのこだわりで有名。序盤から登場するパワードスーツですが、思ったよりもシンプルで驚きました。 荒牧 原作小説でもそうなんですが、パワードスーツは全兵士が着用しているもの。マスプロダクトっぽい感じにしたかったんです。あえて1着1着をヒーローっぽくしませんでした。軍隊みたいに見せたかったんです。その分、後半に登場するマローダー・マーク2はヒーローっぽい押し出し感を打ち出しています。『スターシップ・トゥルーパーズ3』のラストにもマローダーは登場していたので、今回は実写版に負けないものを考えました。メカデザインはゲーム業界でキャリアを積んだ臼井伸二さんにお願いしたんですが、それが良かったように思います。自分が直接手掛けると、どうしてもスタジオぬえのイメージから離れられなかったでしょうから。 ■鬼気迫るクライマックス、その製作内情は? ――モーションキャプチャーで撮影されたリアルなフルCGアニメを観ていると、実写とアニメの境界がなくなっているように感じます。 荒牧 どういう風に観ていただいてもいいと思います。キャプチャー技術はハード面もソフト面もずいぶん向上しています。でも実際の仕上げは、アニメーションのスーパーバイザーという担当者がいて、CG臭さが気になるシーンがあると物凄く細かくチェックを入れるんです。人の体の基本的な動きはキャプチャーで表現できるんですが、手首・指先・目線などの動きは後から付けています。「指の角度をあと5度下げてください」「ほんのちょっと戻してください」とスーパーバイザーの指示が非常に細かい(苦笑)。そんなに細かく直しても……と思ったりもするんですが、仕上がった映像を確認すると、すごく自然になっているんです。キャプチャーの動きをそのまま取り込んでいるわけではなく、とても細かいアニメーション的作業も要していますね。 ――バグに乗っ取られた宇宙戦艦が地球へ突撃していく後半は、異様な盛り上がり。『スター・ウォーズ』や『エイリアン2』(86)といったハリウッドSF大作、『機動戦士ガンダム』をはじめとする日本の人気アニメのエッセンスを総結集させたような迫力です。 荒牧 そういう風に楽しんでもらえるのが、ボクとしては一番うれしい。極論すると、自分の好きなものしか作れないってことですね(笑)。後半はやりすぎだったかも知れません(苦笑)。正直なところ、製作中は大変なことになりました。宇宙戦艦が地球の大気圏を突破していくシーンは、海外の幾つかのプロダクションに発注していたんですが、ギリギリの段階になって「やっぱりできない」と言われてしまった。「おいおい!」ですよ。それでもう仕方ないんで、社内でやることになったんです。世界を1周して、自分たちのところに戻ってきてしまった(笑)。現場では、みんなブチ切れながら作業していました。自分たちの追い込まれた状況が、作品に反映されているかも知れません(笑)。 ■荒牧監督がCGに手を伸ばしたその理由 ――バグと人類の壮絶な戦いは、日本のアニメ業界がどうやってこれから生き残っていくのかということも連想させます。言葉を換えれば、アナログ的なものとデジタル的なものとのサバイバル戦争のようにも感じます。
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荒牧 なるほど。ボクはかれこれ30年ほどアニメの世界に身を置いています。今でこそ「アニメは日本の誇る人気コンテンツ」なんてもてはやされていますが、ボクがこの世界に入った頃は全然違いました。「いい年して、アニメを見て」と嘲笑されていた時代に、この業界に入ったわけです。これから自分はどうなるんだろうという不安を抱えながら仕事を始めました。それが、今でもこの仕事を続けることができている。それだけで充分に幸せなんです。本当はもっと後進のことも考えないといけないんでしょう。でも、ボクとしては「好きな絵を描いて、お金までもらえるなんて」という感謝の気持ちが今でもあるんですよ(笑)。これからのアニメはこうあるべきとか、大層なことはボクは考えていません。CGアニメを始めたのも、同世代のアニメ作家である河森正治さんや庵野秀明さんには同じ土俵では敵わないと思ったから。他のデザイナーたちより2~3年だけ早くCGアニメに着手しただけ。デジタルかアナログかという意識はなかったですね。ボクの場合はメカデザインを描くことが多かったので、メカは手で描くよりもCGを使ったほうが細かく描けるし、1度モデルを作れば、細かいメカを何十枚も描いてもらう苦労も省けるはず、というシンプルな考えからです。楽できる部分は楽しようと。ガンダムはメカだけどキャラクターでもあるから、あんまりカチッと描くと嫌がるファンもいるので、そういう場合は手描きでもいいと思うんです。要は観てくれる人を楽しませることができるかどうかの問題でしょうね。 ――日本のアニメは今後どうなると思いますか? 荒牧 日本のアニメ、特に手描きのアニメーションは作品の量も質も、それを支えるファンの熱意も世界で一番です。作り手の情熱が続いて、ファンが支えてくれれば、この状況は続くでしょう。ただし、その状況がいつまで続くのかはわかりません。その点、ボクはあまり心配していないんです。アナログだろうが、デジタルだろうが、きっと残るものは残るよ、という考え方ですね。 (取材・構成=長野辰次/撮影=市村岬) 『スターシップ・トゥルーパーズ インベイジョン』 製作総指揮/エド・ニューマイヤー、キャスパー・ヴァン・ディーン 原案/荒牧伸志、ジョセフ・チョウ、河田成人 脚本/フリント・ディル 監督/荒牧伸志 配給/ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント 7月21日(土)より新宿ピカデリーほか日本先行公開 <http://www.ssti.jp> ●あらまき・しんじ 1960年、福岡生まれ。メカニックデザイナーとしてアニメ界で頭角を現わす。大型パワードスーツが活躍するオリジナルビデオアニメ『メタルスキンパニックMADOX-01』(88)で監督デビュー。士郎正宗原作による『アップルシード』(04)はフル3DCG、トゥーンシェーディング、モーションキャプチャーを用い、海外でも話題に。続く『エクスマキナ』(07)は『男たちの挽歌』(86)のジョン・ウーがプロデュースを手掛け、世界マーケットに送り出された。松本零士の『宇宙海賊キャプテンハーロック』をフルCGアニメ化した『SPACE PIRATE CAPTAIN HARLOCK』が現在製作進行中。

『スターシップ・トゥルーパーズ』最新作で積年の到達を見せた荒牧伸志監督インタビュー

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 昆虫型エイリアン(バグ)と未来人類との全面戦争を描いたポール・バーホーベン監督のSF大作『スターシップ・トゥルーパーズ』(97)が公開されて15年。『スターシップ・トゥルーパーズ2』(03)は基地に取り残された兵士たちの密室サスペンス、『スターシップ・トゥルーパーズ3』(08)は若者の愛国心をプロパガンダCMで煽る軍部を風刺コメディに仕立てるなど、1作ごとに趣向を変えた人気シリーズとなっている。そして第4弾となる最新作『スターシップ・トゥルーパーズ インベイジョン』には、日本の荒牧伸志監督が起用された。荒牧監督は『アップルシード』(04)、『エクスマキナ』(07)が世界マーケットで高評価を得た、フルCGアニメの第一人者。原作小説『宇宙の戦士』(ロバート・A・ハインライン/59年)ファンにとっては待望となる、パワードスーツ(強化服)に身を固めた地球連邦軍の兵士たちがバグの大群を相手に命知らずの戦いを挑む。とりわけ、地球へ帰還する後半はクライマックスの連続。『スター・ウォーズ』(77)以降のハリウッドSF映画の系譜に、『機動戦士ガンダム』(79)をはじめとする日本アニメのエッセンスをぶちまけたかのような怒濤の展開となっている。本作のために、新宿・歌舞伎町の一角にスタジオ「SOLA DIGITAL ARTS」を立ち上げた荒牧監督。原作小説『宇宙の戦士』との出会いによって人生が変わったという荒牧監督に、原作への想いと監督業との兼ね合い、セルアニメからCGアニメへ移行した経緯についても語ってもらった。 ――荒牧監督は高校時代にロバート・A・ハインラインのSF小説『宇宙の戦士』に出会って、人生が変わったそうですね。 荒牧伸志監督(以下、荒牧) そうです。いくつかあったターニングポイントのひとつだったことには間違いないですね。ボクの世代は中学のときに『宇宙戦艦ヤマト』(74)に出会い、それこそ中二病を患ったわけです(笑)。さらに高校で『スター・ウォーズ』、大学に入って『機動戦士ガンダム』。進学や就職を考える度に、そういった作品に遭遇したんです。『宇宙の戦士』に出会ったのは、『スター・ウォーズ』のちょっと前だったから高校2年の頃だったかなぁ。高校の帰りにいつも寄っていた書店に平積みされていたんです。何だろうと思ってパラパラめくってみると、スタジオぬえが手掛けたイラストが素晴らしかった。なけなしの小遣いで買いましたね。小説に書かれていたパワードスーツの概念も興味深かった。人間の身体能力を増強するスーツなんだけど、それを着る人間は自分の肉体もちゃんと鍛えなくてはいけない。そのための訓練は海兵隊のものと変わらない。軍隊的なイメージとSFの世界観がうまくハマっているところも新鮮に感じたんです。 ――ちなみに、進学前にそんな作品と出会ってしまって、大学受験は大丈夫だったんですか? 荒牧 夏休み中なんか、補習を受けると言っては映画館に1日中いて『スター・ウォーズ』を繰り返し観ていたんですけど、国立大学に入ることができたんです。試験がマークシート方式で、ボクはそういうのが得意だった(笑)。でも結局、大学は中退。上京してアニメ業界に進むことを親に告げると「もう、帰ってくるな!」と言われましたね。自分が子どもを育てる立ち場になって、親が怒った気持ちが分かるようになりました(苦笑)。 ――『アップルシード』『エクスマキナ』が海外で評価されたことで、『宇宙の戦士』を原作にした『スターシップ・トゥルーパーズ』シリーズの最新作を監督することに。感慨深いのでは?
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(c)2012 Sony Pictures Worldwide 
Acquisitions Inc.All rights reserved.
荒牧 そう言ってもらえると確かに感慨深く思うんですが、現場に身を置く立ち場としてはただバタバタと仕事に追われているもので、感慨に耽っている余裕がないんです(苦笑)。監督という立ち場に就くと、「次は何をやるか」ということを常に考えていなくちゃならないわけです。もちろん、今抱えている仕事を成功させるというのが大前提です。そういう中で今度は『スターシップ・トゥルーパーズ』ができればサイコーだなと提案したところ、プロデューサー側も『スターシップ・トゥルーパーズ』シリーズを候補作のリストに入れていたんです。ラッキーでした。自分がやりたい企画は、誰彼かまわず言い続けることは大事だなと思いますよ(笑)。ただし、今回は新しいスタジオを立ち上げることになり、スタッフ集めから積極的に関わっていたため、あれこれと余計なことで悩む暇がなかった。逆にそれもよかったように思いますね。 ■スタジオぬえ版とは異なるパワードスーツ ――もしも若い頃に『スターシップ・トゥルーパーズ』を手掛けることになっていたら、「『宇宙の戦士』をいちばん理解しているのはオレだ」みたいな気持ちが強く働いたんじゃないでしょうか? 荒牧 以前の自分なら、「スタジオぬえの『宇宙の戦士』のイラストをそのままデザイン化しよう」などゴリゴリの考えになっていたと思います。でも今回、そういうのはなかったですね。監督作を何本かやらせてもらう中で、出会った人たちをうまくコーディネイトしながら面白いものを作ることを覚えたように思います。集まったスタッフの中から自分とは違うものが出てくることを「これはこれで面白いな」と感じるようになっていた。そのほうが仕事は広がります。ですから今回も最初からかっちりしたイメージに向かって突き進んだというより、いろんなスタッフから出てきたものに自分が少しずつ調味料を加えながら作っていった感じなんです。どんな仕上がりになるのか、自分も楽しみながらの作業だったように思いますね。 ――本作のオープニングのせりふ「医者にはわかるまい。これは武者ぶるいだ」は、『宇宙の戦士』の冒頭を思わせます。 荒牧 言葉遣いは現代風に脚本家のフリント・ディルがいじっていますけど、原作小説からの完全な引用です。今回、基本的にはポール・バーホーベン監督が作った第1作の世界観に則った形にしていますが、やっぱりどこかに原作ファンとしてのこだわりは残しておきたいという想いがあったんです。ちょうど、ソニー・ピクチャーズ側のプロデューサーから「冒頭シーンを『宇宙の戦士』っぽくできないか」とオファーが出ていたので、「ぜひやりましょう」と。原作者であるハインラインへのリスペクトを、改めて作品の中に刻もうということですね。予告編を見た人は『宇宙の戦士』だと気づいてくれているようです。「あれ、スタジオぬえのイラストとは違うな」と思ってもらっても構いませんし、もちろん第1作からのファンにも観てほしい。いろんな角度から楽しんでもらいたいですね。
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――荒牧監督といえば、メカデザインへのこだわりで有名。序盤から登場するパワードスーツですが、思ったよりもシンプルで驚きました。 荒牧 原作小説でもそうなんですが、パワードスーツは全兵士が着用しているもの。マスプロダクトっぽい感じにしたかったんです。あえて1着1着をヒーローっぽくしませんでした。軍隊みたいに見せたかったんです。その分、後半に登場するマローダー・マーク2はヒーローっぽい押し出し感を打ち出しています。『スターシップ・トゥルーパーズ3』のラストにもマローダーは登場していたので、今回は実写版に負けないものを考えました。メカデザインはゲーム業界でキャリアを積んだ臼井伸二さんにお願いしたんですが、それが良かったように思います。自分が直接手掛けると、どうしてもスタジオぬえのイメージから離れられなかったでしょうから。 ■鬼気迫るクライマックス、その製作内情は? ――モーションキャプチャーで撮影されたリアルなフルCGアニメを観ていると、実写とアニメの境界がなくなっているように感じます。 荒牧 どういう風に観ていただいてもいいと思います。キャプチャー技術はハード面もソフト面もずいぶん向上しています。でも実際の仕上げは、アニメーションのスーパーバイザーという担当者がいて、CG臭さが気になるシーンがあると物凄く細かくチェックを入れるんです。人の体の基本的な動きはキャプチャーで表現できるんですが、手首・指先・目線などの動きは後から付けています。「指の角度をあと5度下げてください」「ほんのちょっと戻してください」とスーパーバイザーの指示が非常に細かい(苦笑)。そんなに細かく直しても……と思ったりもするんですが、仕上がった映像を確認すると、すごく自然になっているんです。キャプチャーの動きをそのまま取り込んでいるわけではなく、とても細かいアニメーション的作業も要していますね。 ――バグに乗っ取られた宇宙戦艦が地球へ突撃していく後半は、異様な盛り上がり。『スター・ウォーズ』や『エイリアン2』(86)といったハリウッドSF大作、『機動戦士ガンダム』をはじめとする日本の人気アニメのエッセンスを総結集させたような迫力です。 荒牧 そういう風に楽しんでもらえるのが、ボクとしては一番うれしい。極論すると、自分の好きなものしか作れないってことですね(笑)。後半はやりすぎだったかも知れません(苦笑)。正直なところ、製作中は大変なことになりました。宇宙戦艦が地球の大気圏を突破していくシーンは、海外の幾つかのプロダクションに発注していたんですが、ギリギリの段階になって「やっぱりできない」と言われてしまった。「おいおい!」ですよ。それでもう仕方ないんで、社内でやることになったんです。世界を1周して、自分たちのところに戻ってきてしまった(笑)。現場では、みんなブチ切れながら作業していました。自分たちの追い込まれた状況が、作品に反映されているかも知れません(笑)。 ■荒牧監督がCGに手を伸ばしたその理由 ――バグと人類の壮絶な戦いは、日本のアニメ業界がどうやってこれから生き残っていくのかということも連想させます。言葉を換えれば、アナログ的なものとデジタル的なものとのサバイバル戦争のようにも感じます。
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荒牧 なるほど。ボクはかれこれ30年ほどアニメの世界に身を置いています。今でこそ「アニメは日本の誇る人気コンテンツ」なんてもてはやされていますが、ボクがこの世界に入った頃は全然違いました。「いい年して、アニメを見て」と嘲笑されていた時代に、この業界に入ったわけです。これから自分はどうなるんだろうという不安を抱えながら仕事を始めました。それが、今でもこの仕事を続けることができている。それだけで充分に幸せなんです。本当はもっと後進のことも考えないといけないんでしょう。でも、ボクとしては「好きな絵を描いて、お金までもらえるなんて」という感謝の気持ちが今でもあるんですよ(笑)。これからのアニメはこうあるべきとか、大層なことはボクは考えていません。CGアニメを始めたのも、同世代のアニメ作家である河森正治さんや庵野秀明さんには同じ土俵では敵わないと思ったから。他のデザイナーたちより2~3年だけ早くCGアニメに着手しただけ。デジタルかアナログかという意識はなかったですね。ボクの場合はメカデザインを描くことが多かったので、メカは手で描くよりもCGを使ったほうが細かく描けるし、1度モデルを作れば、細かいメカを何十枚も描いてもらう苦労も省けるはず、というシンプルな考えからです。楽できる部分は楽しようと。ガンダムはメカだけどキャラクターでもあるから、あんまりカチッと描くと嫌がるファンもいるので、そういう場合は手描きでもいいと思うんです。要は観てくれる人を楽しませることができるかどうかの問題でしょうね。 ――日本のアニメは今後どうなると思いますか? 荒牧 日本のアニメ、特に手描きのアニメーションは作品の量も質も、それを支えるファンの熱意も世界で一番です。作り手の情熱が続いて、ファンが支えてくれれば、この状況は続くでしょう。ただし、その状況がいつまで続くのかはわかりません。その点、ボクはあまり心配していないんです。アナログだろうが、デジタルだろうが、きっと残るものは残るよ、という考え方ですね。 (取材・構成=長野辰次/撮影=市村岬) 『スターシップ・トゥルーパーズ インベイジョン』 製作総指揮/エド・ニューマイヤー、キャスパー・ヴァン・ディーン 原案/荒牧伸志、ジョセフ・チョウ、河田成人 脚本/フリント・ディル 監督/荒牧伸志 配給/ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント 7月21日(土)より新宿ピカデリーほか日本先行公開 <http://www.ssti.jp> ●あらまき・しんじ 1960年、福岡生まれ。メカニックデザイナーとしてアニメ界で頭角を現わす。大型パワードスーツが活躍するオリジナルビデオアニメ『メタルスキンパニックMADOX-01』(88)で監督デビュー。士郎正宗原作による『アップルシード』(04)はフル3DCG、トゥーンシェーディング、モーションキャプチャーを用い、海外でも話題に。続く『エクスマキナ』(07)は『男たちの挽歌』(86)のジョン・ウーがプロデュースを手掛け、世界マーケットに送り出された。松本零士の『宇宙海賊キャプテンハーロック』をフルCGアニメ化した『SPACE PIRATE CAPTAIN HARLOCK』が現在製作進行中。

隠蔽体質の学校と過剰報道に走るマスコミ……大津いじめ問題を取り巻く毒

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「女性自身」(光文社)8月7日号

下世話、醜聞、スキャンダル――。長く女性の"欲望"に応えてきた女性週刊誌を、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ぶった斬る!

第135回(7/24発売号より)

 垂直離着陸輸送機・オスプレイに関し、朝日新聞のスクープが続いている。過去の事故原因の調査報告への圧力の存在、5年で58件もの事故が起きていたにもかかわらず、“重大事故”ではないとして隠蔽していたこと――。原発事故に対する日本政府の隠蔽といい、日本もアメリカも“国家”が嘘をつく、というのは普遍的共通項だ。そんな欠陥オスプレイが日本各地を飛ぶのは確実だろう。原発もオスプレイも“国災”である。

1位「加害少年3人を本誌『家庭訪問』&『追跡調査』少年Cは鼻歌でレゲエ…親も本人も『全員反省なし!』」(「女性自身」8月7日号)
2位「美元が政伸に突きつけた ああ幻の『セレブ生活計画書』」(「週刊女性」8月7日号)
3位「酒井法子 『女優復帰へ…』続く逆風でも“美白肌キープ”真夏の執念」(「女性自身」8月7日号)

七夕に織姫コスプレでラブラブなはずが、軽い女と勘違いされて!?

【作品名】『処女×童貞カップル☆織姫のロストバージン』  【作者】清水沙斗子

【作品紹介】 初体験同士のH、でもカレが素股でイッちゃった……なかなか言い出せないでいたら、「処女じゃなかったのかよ」って言われてケンカに! もうすぐ文化祭だから、織姫と彦星コスプレでラブラブしようと思ったのに……。仲直りして初Hをちゃんとしたい! その思いを七夕の短冊に書いてみたの。

【サイゾーウーマンリコメンド】処女にとって初戦は「突貫工事」である、そういう作者のメッセージを感じずにはいられない、「戦」感が満点、エロさ皆無の作品でございます。七夕のコスプレのままラブホに駆け込んだり、素股で昇天したり、若さ溢れる彼もなかなかでございます。

美少女たちが追いつめられる姿にゾクゾク!? リアル系ロボットアニメ『トータル・イクリプス』

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『トータル・イクリプス』公式サイトより
 力作ぞろいの夏クールアニメの中でも、気合の入りまくった作画といきなり最終回みたいなテンションの高さでアニメファンの度肝を抜いたのが、『トータル・イクリプス』だ。パソコン用恋愛ゲーム『マブラヴ オルタネイティブ』のスピンアウト作品という位置づけだが、キャッキャウフフと美少女たちが乱舞する萌え萌えな内容かというと、さにあらず。  地球外生命体「BETA」の侵攻で絶滅の危機に瀕している人類の存亡をかけた戦いが描かれ、主人公たちが乗り込む、炎の匂いが染み付いて思わずむせてしまいそうな人型ロボット「戦術機」がハイスピードアクションを見せる、リアル系ロボットアニメなのだ!  その第1話、第2話では、日本に上陸したBETAの軍勢を食い止めるために、訓練生ながら戦術機に乗り込んで防衛作戦に参加することになった女子衛士(劇中では戦術機パイロットを「衛士」と呼ぶ)たちの、凄惨な戦いが描かれる。  防衛ラインに設定された京都を舞台に、鉄の塊をぶっ放す戦術機や現代兵器と、人類の抵抗などなんのそのの勢いで驀進してくるBETAの群れが激突する中、初陣の衛士が対BETA戦において生きていられる「8分」というタイムリミットを乗り越えようと、美少女衛士たちが死に物狂いで戦場を駆け抜ける。なんとか問題の8分を乗り越え、キャラクターはもちろん、視聴者もひと安心するわけだが、物語はここからが本番だ。反撃に転じたBETAの猛攻の前に、気を抜いた女学生たちの乗る戦術機が次々と蹂躙されていくのだ。  その描写がまたエグい。悲鳴も上げることなく撃墜されるキャラもいれば、コクピットハッチを強引にこじ開けられゴリゴリムシャムシャと食べられるキャラもいたりと、戦場の悲惨さがこれでもかと描かれるのだ。死にゆく美少女たちを演じる声優陣の演技もすさまじいものがある。狂気に囚われ、ひたすらBETAをナイフでめった刺しにする金元寿子演じる能登和泉の姿や、死を目前にして「殺して!」と泣き叫ぶ植田佳奈演じるクール系美少女の山城上総と、絶叫しつつ彼女を銃で撃ち抜こうとする中原麻衣演じる篁唯依の掛け合いは鳥肌モノ。  冒頭で「美少女たちが乱舞する萌えアニメではない」旨の解説をしたものの、二次元キャラたちが表情をゆがめてあらわにする生々しい人間の感情が噴出し始める第2話は、ある意味、非常にセクシャルで、ともすればちょっぴりアブない性癖を喚起してしまいそうなほどの迫力と魅力に満ち溢れている。  閑話休題だが、ロボットアニメはその誕生の瞬間より「男子の身体拡張願望」を描き続けてきたジャンルだといえる。例を挙げるならば、『マジンガーZ』は「兜甲児がマジンガーZの脳となることで、巨大な力を制御下に置く」という分かりやすい形でそれを示してくれたし、『機動戦士ガンダム』では、「未成熟な少年であるアムロ・レイが父親的存在を乗り越えていくための武装としてガンダムを操る」という、思春期の少年の成長を結びつけて描き出し、『ターンエーガンダム』では立派にそそり立つ男性器を模したコクピットまで登場。そんな「男の子の乗り物」であり、「願望」であり、「象徴」であるスーパーロボットに美少女が乗るという行為は、それだけでエロティックなメタファーを多分に含んでいる、といえる。  だからこそ、スーパーロボットに乗る美少女たちはそれだけで魅力的だし、僕らはそんな彼女たちが追い詰められていく姿にサディスティックな興奮を覚えるのだろう。この「美少女がロボットに乗り込むこと」に対するアブノーマルな感情と欲求を隠すことなくさらけ出した『トータル・イクリプス』第1話、第2話には全力でスタンディング・オベーションを送りたい。  ただ、当初本作の監督を務めていた稲垣隆行氏は、この第1話、第2話に全力投球しすぎたため、第3話以降の制作スケジュールを圧迫。第10話より稲垣氏は脚本・シリーズ構成に集中。それまで副監督を務めていた安藤正臣氏が監督を引き継ぐことが発表された(表記は第3話より変更になっている)。このスタッフ交代劇が今後、作品にどのような影響を与えるのかはまだ分からないが、願わくば第1話、第2話で見せたような、思い切りフェティッシュで過剰な演出はそのままに、もうちょっとだけ作画を安定させて、より視聴者の煩悩を刺激する映像を見せてほしい。 (文=龍崎珠樹) ■バックナンバー 【第16回】夏アニメの穴馬!? “いわく付き”SNSゲームアニメ『探検ドリランド』に熱視線 【第15回】 キーワードはホモソーシャルな描写!? 今夏は「乙女ゲーム原作アニメ」が熱い! 【第14回】「まるで90年代の夕方6時枠アニメ!?」『モーレツ宇宙海賊』の大器晩成ぶり 【第13回】もはや“声優アイドルフェス”!? アニソン重鎮不在の「アニサマ2012」に不安の声 【第12回】「期待外れ?」「これぞ京アニ?」 賛否両論『氷菓』の本当の見どころ 【第11回】「燃え上がれ、俺の小宇宙よ!」前作ファンもニヤリ『聖闘士星矢Ω』 【第10回】「見たかったのはコレジャナイ!?」声優アイドルアニメ『夏色キセキ』に早くも黄色信号 【第9回】大コケの『機動戦士ガンダムAGE』を徹底検証! 求められる新たな「ガンダム像」とは? 【第8回】アニメ業界の新トレンド!? “分割2クール作品”急増の裏事情 【第7回】ついに世代交代!? 若手アイドル声優が続々歌手デビュー 【第6回】AKB48 vs 声優アイドルユニット アニメ界もついにアイドル戦国時代突入か!? 【第5回】一流アニメファンなら女児向け作品もチェックせよ!? 『スマイルプリキュア!』 【第4回】過激なピンク描写が男子の下半身を直撃!『アマガミSS+ plus』 【第3回】今クール話題の学園モノを徹底分析!『男子高校生の日常』『Another』 【第2回】ロボット好き必見! 洗練されたメカたちが大活躍『輪廻のラグランジェ』 【第1回】水樹奈々が歌いながらバトル!? 「戦うヒロイン」アニメに大注目!

夏こそホラーに身も心も浸りたい! 大人気作『王様ゲーム』の魅力に接近

『王様ゲーム』(双葉社)

 暑い夏を涼しく過ごすレジャーといえば、プールや海、ビアガーデンなどが定番ですが、暑い最中に外に出るのも億劫という人も多いのでは? インドアでも夏らしく涼を取るなら、怪談やホラーなど背筋がヒヤっとする作品に身も心も浸るのがオススメです。中でもこの夏イチオシのゾクゾクする作品は『王様ゲーム』。

 数あるホラー漫画の中でも高い人気を誇る『王様ゲーム』(双葉社)は、同名のホラー小説を完全コミック化した作品。原作小説は、単行本の売上ランキングに2年半もチャートインし続けた驚異的なロングセラー小説です。コミック版も発売から1年で累計180万部を記録、昨年末には映画化もされ、さらにゲーム化まで果たしたメディアミックス時代の超話題作なんです。

実写版『俺はまだ本気出してないだけ』主演・堤真一が“本気で”結婚願望を吹聴している!?

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『クライマーズ・ハイ』
(ソニー・ピクチャーズエンタ
テインメント)
 40歳で会社を辞めてマンガ家を目指すことを決意した大黒シズオのどうしようもない日常を描く、青野春秋のマンガ『俺はまだ本気出してないだけ』が実写映画化され、先日、その打ち上げが行われた。 「この映画は堤真一さんが主演し、山田孝之さんや水野美紀さんらが共演しています。打ち上げにもみなさん参加していて、堤さんがかなり盛り上げていましたね」(映画関係者)  そこで、堤が山田にある相談をしていたというのだ。 「堤さんは、山田さんに『結婚生活、どう?』って聞いていました。山田さんはあんまり多くを語らずに、『いいっすよ』とだけ答えていました(笑)」(同)  鈴木京香との破局以降、何人かの女性と浮き名を流すも、結婚というゴールにいまだ到達していない堤。 「堤さんも、もうすぐ50歳ですからね。そろそろ結婚というのも考えているんでしょう。今は一般の女性と交際して、半同棲中という話もあります。もしかしたら近々、そういう話もあるかもしれませんね。何より、本人が今まで“結婚”の二文字を口にすることすらなかったんですからね。これは大きな進歩ですよ」(芸能事務所関係者)  今までは、まさに映画のタイトル通り“本気出してなかっただけ”の堤。映画の公開は来年だが、堤の“本気=結婚”が見られるのはいつになるのか……。

ジョンベネ事件の元捜査官が記録書を発売、内部犯行説を強く主張

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Wikipediaより

 美少女コンテストの常連だったジョンベネ・パトリシア・ラムジー(享年6歳)が、性的暴力行を受けたうえに殺害された“ジョンベネ殺害事件”から、15年がたつ。家族の犯行だと疑ってかかった地元警察の捜査ミスが祟り、現在に至るまで有力な容疑者を特定することができず、完全に迷宮入りしてしまっている。事件がどんどん風化していく中、地方検事に雇われ、捜査に携わった人物が、「外部の人間が事件に関わった可能性は非常に低い」と主張。事件の概要と捜査内容を詳しくつづった記録書を自費出版し、真犯人に関する独自の見解を示していると注目を集めている。

 コロラド州ボルダーで会社を経営する裕福な父親と、元ミス・ウェストバージニアの母親の間に生まれたジョンベネ。母親は、自分がかなえられなかったミス・アメリカの夢を娘に託し、幼いジョンベネをお姫様のように着飾らせ、大人への媚の売り方を叩き込んだ。ジョンベネはそんな母親の期待に応え、美少女コンテストを次々と制覇。父親の事業も順調で、ラムジー家は幸せの絶頂にいたのだが、1996年のクリスマスの翌朝、悲劇が起こった。ジョンベネが誘拐され、その後、自宅の地下室で遺体となって発見されたのだ。口をガムテープで塞がれ、首には紐で絞められた痕が残る、無残な姿だったという。

ユーザ無視でニーズない電子書籍普及カギはiTunes?

 サイゾー新ニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けしちゃいます! ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) 敵はジャパネット? ヤマダ電機会長、ジリ貧の焦り 厚労省が、禁断の被生活保護者一斉調査を断行 博報堂が歯医者ビジネス?“不況”広告業界復活カギは脱広告業 ■特にオススメ記事はこちら! ユーザ無視でニーズない電子書籍普及カギはiTunes? - Business Journal(7月23日)
7月に楽天が販売開始した電子書籍「kobo」。
(「同社HP」より)
 電子書籍に多少関心を持っている人ならば、「電子書籍元年」というフレーズを何度も耳にしたことがあるだろう。  しかも、毎年のように。  長く関心を持っている人ならば、2000年代半ばから何度も繰り返し聞かされているキーワードのはずだ。最近では、Amazonが販売する「Kindle」の最新版「Kindle Fire」の日本販売が正式決定したり、楽天が専用端末「kobo」を投入したりと賑やかに見える電子書籍業界だが、今度こそ「電子書籍元年」は来るのだろうか?  日本では03年に松下が、04年にソニーが専用の電子端末を発表し、一瞬電子書籍が盛り上がるかのように見えた時期がある。しかし、その火はすぐに消えた。その原因はいくつか考えられるが、1つも解決できていないように見える。  何が日本での電子書籍普及の障壁となっているのか?  今、それは乗り越えられそうな状態にあるのか?  改めて考えてみよう。 過去の失敗要因「囲い込み」は続行中  先に述べた過去の端末は、重さや性能の面で最新端末とそれほど大きな開きはない。文庫本よりは重いけれど持ち運べる重さであり、十分見やすい文字表示が実現されていた。もちろん年月の経過とともに、より表示速度や表示文字の美しさなどは進化しているし、比較的安価に購入できる端末も多くなっている。カラー表示対応端末や、Android搭載で書籍も読めるタブレットという体裁になっているものもあるが、少なくとも読書の部分に関してはそれほど大きな違いはない。  では、なぜ今とそれほど変わらない端末がありながら、電子書籍は普及できなかったのかといえば、メーカー側の「囲い込み」作戦の失敗があったからだ。どの端末も専用の電子書籍ストアを使うしかなく、中には書籍を購入するのではなく、レンタルしかできないものもあった。独自のファイルフォーマットを採用していた端末まであった。  ただでさえ書籍の電子化という新しい取り組みに懐疑的な作家や出版社が多く、コンテンツの総量が限られていたのに、端末ごとに使えるサービスが分かれてしまった。そのせいで、本を読もうにも読みたい本が見当たらない、使いづらいという状態になってしまったのだ。今の倍以上する価格で購入した端末で、読みたいものがろくにない。そんな状況でユーザーがついて行くはずもなく、利用数減とともにストアごと消えてしまった。  そして困ったことに、この状況はいまだに改善されていない。  最新のどの端末を見ても「うちのサービスから本を買って読んでください」という姿勢は同じだ。「この端末さえ用意すれば、いろいろなショップから好きに本を購入して読める」というかたちはとっていない。もともと楽天は「Raboo」というストアを持っており、パナソニックの端末から利用できたのだが、「kobo」発表時には新たな「koboイーブックストア」を別に用意した。これは世界展開との兼ね合いもあるのだが、同じ楽天の電子書籍サービスですら2つあり、現時点では相互利用ができない。 コンテンツの数は少なく、価格は高い  この10年で、作家や出版社側も電子書籍に慣れた。同じコンテンツが、あちこちのストアに並んでいることも珍しくはない。メーカーごとの「囲い込み」をされたままでも、ユーザは本を読みやすい状況になりつつあるのは事実だ。しかし十分な数が出そろっているかというと疑問がある。  日本では1年に7万5000点前後の新刊が発行される。直近10年分でも75万冊はあるという計算だ。しかし、Amazonの「kindle store」で約100万冊、楽天の「Koboイーブックストア」で240万冊。これは「青空文庫」で公開されているような著作権の切れた旧作や、世界各国の言語版を含んだ数だ。  日本語の最新刊は、どれだけの数入っているのだろうか? 書籍として流通させづらいマニアックなテーマの本なども、流通障壁の少ない電子書籍でこそ読みやすくなりそうなものだが、現状では「人気作を優先的に書籍化するので精いっぱい」というようにも見える。  また、価格に関しても「紙を綴じた書籍という物体が入手できないのに、高すぎる」という意見もある。印刷・配送コストが不要なのにもかかわらず、多くの電子書籍は、紙の書籍とあまり変わらない価格で販売されているのが現状だ。  特にマンガコンテンツの場合、すでに絶版になった旧作などが電子化されていることが多いが、価格は新作と同じだ。これでは新古書店や古書店で買って読む、という層には受け入れられないだろう。  一方で、「内容だけ読めればよいのではない」という本好きの人々は、書籍という形態を好んでいたり、マンガの見開き表現や小説の文字組みなどにもこだわることが多く、電子書籍には馴染みづらい。    気軽に読めることこそ電子書籍のミソなのだとすれば、コンテンツは安価かつ大量にあってほしい。例えば、携帯コミックのように、1作品を細かく分割してしまうのも1つの方法だろう。無料で1話読み、数十円である程度読んでから、続きを買うかどうか考えられるのが携帯コミックでは当たり前だ。  実は日本は、携帯コミックを数に入れると、かなり電子書籍が普及している国らしい。先行成功事例として参考にしてほしいところだが、マンガ雑誌の1話分ずつの切り売りや、書籍の1章ごとの販売といった手法は、今のところ出版社などのコンテンツホルダー側は好んでいないようだ。 特別な本好き以外は、機械を買って読むほど本に飢えていない  電子書籍の戦う相手として、新刊書だけでなく新古書店や古書店に並ぶ本も挙げたが、日本は書店事情が非常に充実している国だ。  新刊書店はとりあえず新刊が配本され、売れなかったら返品できるという「再販制度」で守られている。これがあるから、たくさん売れなさそうな本でも店頭に並ぶチャンスを一応与えられるし、日本全国で定価販売が実現される。定価販売を義務づける手法だけならば、日本以外でも数カ国で行われているが、電子書籍先進国といわれるアメリカでは採用されていない。  日本全国で新刊書が手軽に入手できる上に、新古書店や古書店も多くある。図書館も多く、ネット書店も充実している。日本人は本に飢えていないのだ。読みたいと思えばいつでも本は簡単に読める。  そして、日本人の読書量はそれほど多くない。08年に文化庁が実施した調査では、1カ月に1冊も読まない人が46%、1〜2冊の人が36%にも上った。雑誌やマンガを除いて、という条件だとはいえ、かなり少ない。月7冊以上読む人は3.3%。本よりもマンガを読むという回答は13.4%、マンガしか読まないという回答が2.6%にとどまっている。電子書籍端末が1000冊入る、2000冊入ると自慢したところで、日本人の8割は月に2冊も本を読めば上等という状態なわけだ。  この状況で、電子書籍ビジネスはどこを目指して進むのだろうか?  週に1冊読む人を本好きと呼んだとしても、2割弱。その中で「本」という形状にこだわらず中身が読めれば満足で、形のない電子コンテンツに書籍と同じだけのコストをかけられ、機械の扱いにも抵抗がない人というのはどれくらいいるのだろうか? iTunesのような存在が鍵?  実は、日本では本と同じ再販制度が音楽にも適用されている。つまり、これまで挙げた問題の多くは、音楽業界が過去に解決してきたものだ。  例えば、PCや携帯用プレイヤーに向けた音楽配信が普及するまで、日本では「着メロ」や「着うた」という形で携帯電話を使って音楽を楽しむことが普及していた。これは携帯コミックだけは普及している電子書籍の現状に似ている。  音楽配信も、初期はレコード会社ごとにいろいろな取り組みをしていた。会員の囲い込みが強く、ファイルフォーマットがさまざまだった。それが今、「iTunes」という形でまとまっている。もちろん、今でもほかの音楽ストアはあるし、「iTunes」と別のストアを掛け持ち配信している曲もある。しかし、大きな1つのストアでたくさんのものが買えるようになったことが、ユーザの利便性を高め、普及に一役買ったのは事実だろう。  価格面でも、CDで買う場合の半額程度で購入できるダウンロード版アルバムは少なくない。CD化されないダウンロード限定販売や、先行販売も多い。アルバムの中から1曲だけ買えるのも当たり前だ。書籍もいずれ、低価格販売や切り売りといった方向に進まざるを得ないのではないだろうか。  そして今、ユーザに見極めてほしいのは、 「どこがiTunes的存在になるか?」 ということだ。これまではAmazonが強そうにも見えたが、今のところはっきりとはしていない。海外とは著作権に対する考え方なども違い、なかなか難しそうだ。すでに日本の同人誌をスキャンした海賊版が海外向けのAmazonに登録されていたりと、管理システムにも不安がある。また、日本では普通に書店で販売されているマンガがアダルトコンテンツと解釈される例が、iPhone向けアプリ等で出ており、そのあたりの線引きも感覚差がありそうだ。  どこのサービスが伸びそうなのかがわからないと、どの端末を買えば将来的にも楽しめるのかがわからないのも問題だ。人柱になる勇気がないユーザーとしては、期待しつつ待つしかないというところだが、そうして買い控えが起これば、また市場ごとしぼんでしまう可能性もある。  本当に12年が「電子書籍元年」となりえるのか? 見守りたい。 (文=エースラッシュ) <おすすめ記事> 敵はジャパネット? ヤマダ電機会長、ジリ貧の焦り 厚労省が、禁断の被生活保護者一斉調査を断行 博報堂が歯医者ビジネス?“不況”広告業界復活カギは脱広告業 限られた人材だけで競合チームを作るクラブマネジメント術 アップル元代表、貧乏アジア弾丸ツアーにハマる? パナソニック名誉会長、松下正治氏99歳で死去 CCC、パソナ顧問の注目韓国人企業家「サムスンなぜ強い?」