
「週刊新潮」7月12日号 中吊り広告より
グランプリ
「生活保護の『元夫』に脅される家元『勅使河原茜』」(「週刊新潮」7月12日号)
第2位
「袋とじ ついにとらえた絶頂の瞬間」(「週刊現代」7月21・28日号)
第3位
「袋とじ 謎の美女YURI」(「週刊ポスト」7月20・27日号)
今週は現代とポストが合併号で420円。どちらも「お得感」を出そうとして苦心しているのがわかるが、イマイチ記事に見るべきものがない。
現代は「実名大公開!日本の大金持ち1000人」という大企画の前編がトップ。取材に手間暇かけたのはわかるが、東日本でいえば、毎度おなじみの顔ぶれがずらりと並ぶ。
1位はソフトバンク創業者の孫正義で約93億9,600万円。2位がユニクロ創業者の柳井正で約51億円。3位はパチンコメーカーのユニバーサルエンターテインメント創業者の岡田和夫で約36億円。
8位にもパチンコ・パチスロなどの遊技機大手セガサミー創業者の里見治が約23億6,000万円。パチンコ機製造大手SANKYOの創業者毒島邦雄が約21億円で11位に入っているから、不況になってもパチンコは強いことを立証している。
私の好きな競馬界からは、ディープインパクトなど良血な種牡馬を多数繋養する「社台スタリオンステーション」を持つ社台ファーム代表の吉田照哉が12位で約20億円、同じ代表の吉田勝己が約15億円で17位に入っている。
各県ごとに1位から20位まで実名で公表してあって、それなりに楽しいのだが、こちとら由緒正しい貧乏人には無縁の話である。
ポストは「橋下徹『愛人と隠し子』怪情報」のタイトルに惹かれて読んだが、案の定、怪情報のところで止まっている。
ポストによればこの数週間、このスキャンダルが流されていて、発信元は自民党で政権トップまで務めた長老だというから、森喜朗元総理あたりだろうか。内容はこうだ。
「大阪・北新地の名門クラブに勤めていた元ホステスとの間に隠し子がいる」
週刊誌お決まりの表現「事実だとすれば」大変だと、週刊誌の記者たちがウワサになった北新地の高級クラブに押しかけ、ホステスたちに聞いて回って「騒動」になったというのである。
もちろん、橋下市長側は「根も葉もない」と一笑に付す。いまや日本一顔の売れている橋下市長が女性と連れだって歩くだけで目立つのだから、愛人でもいれば隠しておけるはずもないだろう。
昔、自民党の金権腐敗を批判して飛び出し、新党をつくってブームを起こした若きリーダーがいた。
彼から直接聞いた話だが、オヤジの代から受け継いだ競走馬を新党の代表になるにあたって、みんな売り払ったという。私が、それほどまでしなくてもというと、「リーダーたる者、身辺はきれいにしておかなくてはいけないのです」と答えた。
あとで彼の側近から聞いた話だが、そのときいた彼女とも手を切ったという。
仮に、橋下市長にかつて彼女がいたとしても、政治に出るときには身辺を「始末」をしたであろう。そういう意味で小沢一郎は、自分のスキャンダルを書くのは現代と松田賢弥記者しかいないと、油断していたのだろう。
まさか、自分の妻がスキャンダルを暴露するなどとは夢にも思っていなかったに違いない。
イマイチといえば、フライデーの蒼井優の熱愛報道もやや迫力に欠けた。
彼氏だった大森南朋に電撃結婚されてしまった蒼井優(26)が、舞台や映画を中心に活躍する俳優・鈴木浩介(37)と「新しい恋」を始めたそうである。
6月中旬の某夜。東京・世田谷の庶民的な焼き肉屋に2人の姿があった。正確には蒼井のマネジャーも同席していたようだが、これはカモフラージュであろう。
蒼井が歩く横を鈴木が足早に通り過ぎて行く姿がバッチリ映っているが、持っている上着で顔を隠している。この女なんか知りませんよというフリなのだろうが、見え見えなのがおかしい。
2人のきっかけは、昨年12月の舞台『その妹』だった。
「この作品は武者小路実篤の名作で、ヒロイン役の蒼井はいつにも増して気合いが入っていました。でも、一部の評論家からは彼女の演技について厳しい意見もあったそうなんです。基本的に気が強い蒼井ですが、演技に関しては人一倍ストイックな分、批判に落ち込んでしまった。そんな時に彼女を励ましたのが、鈴木だったんです」(演劇関係者)
CMを多く抱えている蒼井は熱愛を報じられることには徹底的に注意しているようで、都心から少し離れた鈴木のマンションで会っているそうである。
今週号の文春恒例「好きな女優・嫌いな女優」で、好きなほうでは綾瀬はるかが1位で2位が吉永小百合で、蒼井は7位である。
嫌いなほうは、当然ながら沢尻エリカがダントツで、2位が泉ピン子だった。
この記事、順位を付ければ4位というところか。
さて、今週の現代、ポストのみどころはズバリ袋とじにある。まずはポストだが、謎の美女YURIを前と後ろのW袋とじにしてきた。
この欄でも以前から触れているが、このYURI、なんともいえない雰囲気をもった女性である。
かなり前から後半の見開きグラビアを使って、何気ない日常の清楚な姿と、彼女の裏の姿をなんの説明もなく載せていたが、これがじわじわ評判になったのだろう。
グラビアの中にこんな言葉が小さく書かれている。
「YURIって、誰? 日本人? ネットで調べたけどわからん。何か、異様にエロい……。あんまり脱がさないでください」
そう、やや愁いに満ちた表情と整った顔立ち、清楚な服装。
そんな彼女が部屋でオナニーをしている。納屋のようなところで下半身を露わにしているのも、オナニーの後か。あまり男の影を感じさせない女だ。
最後のページの、グラスを持ってかすかに微笑んでいる彼女を見ていると、日本ではなく中国か、東南アジア系かもしれないなと思えてくる。
グラビアアイドル界に久々に現れた大型グラドルであることは間違いない。ポストはいい女を見つけたものだ。
ポストの袋とじが3位で現代が2位なのは、「過激」さにおいて現代が優ったからである。
オーガズムを迎えると女性の体はどのような変化が現れるのか、その瞬間を撮影したとある。よくある手法ではあるが、今回は目を見張るほど過激である。
見開きに女性が2人。水沢真樹と当真ゆきとある。2人がマスターベーションを始め、だんだん絶頂を迎えていく。時間の経過とともに、閉じていた足が開き、最後は大きく開いて絶頂を迎える。
それを下半身のほうから撮っている。すごい! ヘアはもちろん、ヘアに隠れている秘所へ指を当てているところまで写っているのだ。もちろん秘所そのものは写っていないが、私のようなヘア・ヌードの元祖から見ても、なかなか刺激が強い。
次のページでは、別の女性2人が絶頂を迎えた瞬間が載っている。最後のページは、女性を絶頂に導くのは「性感脳」を開くことだとアダム徳永が話しているが、これはどうでもいい。
たしかに、こうしたものはネットの動画サイトに行けば無料で見られるが、雑誌でやるのはなかなか勇気がいることであろう。この二つの袋とじは必見である。
フライデーも現代にならって、袋とじで「『無毛』という新常識」をやっている。最初の見開きの「“世界初の無毛ドル”スペシャル撮り下ろし」がなかなかいい。輝真モアという25歳の娘だが、かわいらしくてそそる娘である。
お笑いタレントの河本準一の母親が生活保護を受給していた問題は大きな波紋を広げた。だが、そのため本当に生活に困窮している人が生活保護を申請しづらくなったり、生活保護で暮らしているために、世間から白い目で見られることが多くなっているようである。困ったものだ。
週刊朝日が片山さつき参議院議員と「ネットと愛国 在特会の『闇』を追いかけて」(講談社)を書いたジャーナリスト安田浩一との対談を載せているが、意見が対立してこれがなかなかおもしろい。
その中で安田は不正受給者の数をこう話している。
「実際は2010年度の不正受給額は約129億円と全体の0.38%に過ぎません。特殊な例を一般化して制度を厳格化してしまうと、受給すべき立場の人が受給できなくなったり、制度の枠からはみ出したりする人が、今よりさらに増えてしまうと思うんです」
木を見て森を見ずというのが今の生活保護不正受給問題だと思う。だが、それにしてもひどすぎるぜ~と思わせるのが週刊新潮の記事である。
草月流といえば、池坊、小原流と並ぶ生け花の三大流派の一つで、創設は一番新しいが、個性を尊重した自由な表現が多くの支持を受けている。
その4代目家元勅使河原茜の元夫というのが生活保護を受給しているが、その手口が度を過ぎていると書いている。
茜が夫になる風間義彦(仮名)と出会ったのは1985年頃。幼稚園教諭をやめた茜が草月で仕事を始め、遊びに行ったディスコで知り合った。カフェバーでバーテンをやっていたそうだが、インテリアに興味があると学校に通い始め、茜と同棲を始める。
2人は88年頃に結婚するが、風間の乱暴な言動に、父親の勅使河原宏は快く思っていなかったという。
そして一度離婚するが、風間にぞっこんの茜は再び結婚して、風間に金を自由に使わせていたが、2001年に再び離婚するのだから、男女の仲は一寸先は闇だ。
その後の風間は白金のマンションに住んで、知人からモノや金をだまし取ったりして暮らしていたようだが、なぜか生活保護受給者なのである。
白金のマンションは家賃11万円超だが、虚偽の家賃を記した賃貸契約書を偽造して生活保護を申請していた。偽造された契約書に記された家賃は5万3,700円。都内に住む単身生活保護受給者が受け取る住宅扶助の上限だという。
知人によれば、実家がある長野県の山林も所有しているが、2010年に養子縁組でもしたのか別姓で登記し直し、その後、風間姓に戻って生活保護の受給申請したという。
土地などの資産を持っていると、生活保護は受給できないそうである。
件の知人によれば、昨年7月に風間は勅使河原茜に屋敷の設計料だか何かの名目で金を請求したそうだ。その後、ある程度の金が勅使河原家から振り込まれたそうだが、その口座は風間の父親のものだった。風間は知人に「生活保護受給者の口座に記録が残るとまずい」と言ったそうだ。
新潮は風間が住む港区の区役所に、不正受給の件を聞いている。だが、
「縁もゆかりもない地域の土地を取得していたり、養子縁組で姓を変えて相続していたりすると、申告がないかぎりわからないですね。賃貸契約書を偽造して生活保護を受給しても、臨時の振込があっても、調査のしようがない」
と、お手上げ状態である。
こうした悪知恵を使って不正受給している輩をこそどんどん摘発するべきであろう。
生活保護は申請すれば受け付けなくてはいけないはずである。したがって、役所の窓口はできるだけ申請させないように、受給者の数を増やさないようにしている。
だから、札幌の老姉妹が孤立死したように、気の弱い、またはプライドの高い人は申請することを躊躇してしまって、こうした悲劇が繰り返される。
窓口は広くして申請をしやすくし、不正受給している人間の摘発は厳しくやることが、最後のセイフティーネットとしての生活保護のあり方ではなかろうか。
不正受給問題を昔から取り上げている新潮ならではのこの記事が、今週のグランプリ!
(文=元木昌彦)

1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。 【著書】 編著「編集者の学校」(編著/講談社/01年)、「日本のルールはすべて編集の現場に詰まっていた」(夏目書房/03年)、「週刊誌編集長」(展望社/06年)、「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社/08年)、「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス/08年)、「競馬必勝放浪記」(祥伝社/09年)、「新版・編集者の学校」(講談社/09年)「週刊誌は死なず」(朝日新聞社/09年)ほか





