ニコニコキングオブコメディ 冗談にもほどがある! 10月4日発売です!
日別アーカイブ: 2012年7月5日
サイゾーテレビ【ニコニコキングオブコメディ】第53回、配信しました!
ニコニコキングオブコメディ 冗談にもほどがある! 10月4日発売です!
白血病の娘のために集まった募金を横取り!? 実父が医師に安楽死を要求

「女児ひき逃げ放置事件」が発生し、中国社会の道徳崩壊が声高に叫ばれるきっかけとなった広東省仏山市で、さらに驚愕せざるを得ない事件が発生した。
なんと実の父親が、娘の治療のために全国から集まった募金を横取りしようとしていたことが発覚したのだ。
仏山市の病院に入院しながらも、経済的な理由で治療中断の危機に瀕している5歳の白血病の少女を救うため、少女の担当看護師らが呼びかけ人となり、中国版Twitter「微博」で広がった募金活動。数日の間に募金者は1,000人以上に上り、治療費を賄える100万円を突破した。道徳崩壊への批判も高まる中国だが、今回ばかりは善意も存在することが証明される結果となり、「めでたしめでたし」の美談となるはずだった。
ところが7月2日になって、少女の父親が「借金返済に流用しようとしている」として、母親が管理する募金を自分に渡す要求。「さもないと、少女を力ずくで病院から連れ去る」と脅したのだ。しかし父親は、医師に対して密かに娘の安楽死を要求しており、少女を見殺しにした上で、集まった募金を横取りしようとしていたことが明らかになったのだ。さらに父親は、過去にも少女の治療費として親戚縁者が用意した約13万円を横領した前科があるという。
その後、騒ぎを聞きつけた地元の婦人団体が駆け付け、丸一日かけて父親を説得。募金のすべてを病院側が管理し、医療費に使われなかった部分は慈善団体に寄付することに同意した。
ところが、こうした騒動を目の当たりにした少女は今回の一件で深く傷ついており、「天国に行ってお姉ちゃんを護ってあげる」と、まるで死を希望するようなことを担当看護師に話しているという。
善意とは与える側と受け取る側の両方の道徳がそろってこそ、初めて意味のあるものになるということか。この国の道徳回復は、まだまだ先になりそうだ。
(文=牧野源)
ビヨンセ、ローリン・ヒルをバカにしたプレゼンターに笑顔の忠告

普段怒らない女が怒ったら、どれだけ怖いか知らしめてるっ!
世界の歌姫ビヨンセが、1日に開催されたヒップ・ホップ、R&Bのアーティストを表彰する『BETアワード』で、プレゼンターがローリン・ヒルを笑いネタにしたことに憤慨したと報じられている。観客の前で嫌な顔をすることはなかったものの、バックステージでは「ひどい侮辱」だと、怒りをあらわにしていたという。
アフリカ系アメリカ人を対象とした娯楽ケーブル・チャンネル、BET(ブラック・エンターテインメント・テレビジョン)が主催する『BETアワード』。2001年創設と賞の歴史は浅いものの、同局で平日夕方に放送される、ミュージック・カウントダウン&トーク番組『106 & Park』はアメリカの音楽界から一目置かれる番組となっていることから、BETアワードもステータスの高いものと見なされている。
表に出ないはずだった小林幸子・夫の経営介入話も明るみに、泥沼化する解任騒動

『小林幸子 プレミアム・ベスト2012』
/日本コロムビア
歌手・小林幸子(58)の社長解任劇が、再び脚光を浴びることになった。
引き金を引いたのは小林だった。突然解任された社長側の代理人から、残された任期までの約3年半分の支払いを求められた小林夫妻。すぐに弁護士事務所に駆けつけ、金銭の和解交渉に入る。話し合いの結果、代理人が算定した約9,000万円を6,000万円に減らして、元社長、元専務に支払う形で合意。しかし、これはあくまで法的解決であって、道義的・倫理的責任、感情的解決をしたわけではなかった。にもかかわらず、この弁護士、元社長、元専務、小林夫妻の5人しか知らない出来事が、一部スポーツ紙で「和解」として記事になってしまったのだ。
しかも小林側は、知人に「相手側はお金の問題ではないとのことでしたが、結局お金でした。最初に退職慰労金を提示して、そんなもの1円もいらないと拒否された金額の倍の要求でした」とメールした。ほかにも「もしかしたら、またひと騒動あるかも」「彼女たちの嘘がどんどん暴露されていくと思います」などとも綴られており、マスコミはこれを「元社長側に対する宣戦布告」と報じた。
“映画祭監督”がド新人監督にインディーズ魂を伝授 処女作をめぐる熱きトーク60分一本勝負!

Twitterを介した新しい関係性を築いている。
■ホテルの便せんに綴られたルコントからの手紙 ──小林監督、完成した『くそガキの告白』を観ての感想は? 小林 『くそガキの告白』のチラシにコメントを書いたけど、その通りですよ。あまり期待していなかった(笑)。撮影するというのは知っていたけど、いつまで経っても完成しないし、完成披露の試写もないから、「あぁ、ダメだったんだな。お蔵入りだな」と思っていた(笑)。完成させるのに、すごく時間が掛かったね? 鈴木 はい、撮影は4月に済んでいたんです。でも、悩みながら編集作業を進めている間に、小林監督は『ギリギリの女たち』を8月に撮影して、10月の東京国際映画祭でもう上映していたので驚きました。『くそガキの告白』は「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」の締め切りぎりぎりの11月に完成したんです。完成はしたけど、観たのはプロデューサーと編集者ぐらい。DVDを小林監督のご自宅に送っていいものか、ずいぶん迷いました(苦笑)。試写会の開き方も分からず、誰を呼べばいいのか見当がつかないまま、公開直前に2度やっただけですね。2度とも全然、集めることができませんでした。 ──社交辞令ぬきで、『くそガキの告白』に厳しい指摘はありませんか? 小林 あんまりないですよ。面白いシーンなら、いっぱいあるけどね。やっぱり、作品に気持ちが入っているんですよ。やりたいことを全部やったなという感じがします。娯楽作品として上手くまとめているしね。ボクのデビュー作『クロージング・タイム』(96)は、42歳で初めて撮った作品だから想いが強すぎて、詰め込みすぎのホン(脚本)になってしまった。『クロージング・タイム』が「ゆうばり映画祭」で賞をもらった後、『髪結い屋の亭主』(90)のパトリス・ルコント監督が来日していて、講演会でルコントに「ボクのデビュー作です。観てください」と『クロージング・タイム』のビデオを渡したんです。数日後に配給会社経由でルコントからの手紙が届いた。フランス語が読めなかったので、評論家の山田宏一さんのところに持っていき、「何て書いてあるんですか? 読んでください」と(笑)。そうしたら、山田さんが「いいことが書いてありますよ」と手紙を読んでくれた。『デビュー作にありがちな詰め込みすぎで、まるで映画のカタログを見ているかのようだ。これからはその中の1つ1つのテーマを1本の映画にして、突き進みなさい』みたいなことが書いてあった。その点、『くそガキ』は詰め込みすぎになってないし、でも自分の想いは充分に入っている。まぁ、暑苦しいくらいに鈴木監督の想いが入っているけどさ(笑)。 鈴木 キャストが脚本を読んでくれて、より熱く演じてくれたように思います。居酒屋で主人公が大学時代の映画サークルのメンバーから責められるシーンは、小林監督とのTwitterでのやりとりを使わせてもらいました。「そんなんなら、映画やめちまえ」とか……(笑)。 ■映画製作は、すべてが楽しい ──文芸の世界では『作家は処女作に向かって成熟する』という言葉がありますが、映画にも当てはまりそうですね。デビュー作に監督のすべてが詰まっているものですか?鈴木太一監督のデビュー作『くそガキの告白』。
映画監督志望のニート男(今野浩喜)が自分
だけのヒロイン(田代さやか)を見つけ、処女
作へと突っ走る。鈴木監督は借金で製作費を捻出
し、キャストの出演交渉も自分で進めた。
小林 映画の場合は、なかなかそうは行かない。プロデューサーの存在が大きいし、他の人が書いた脚本の場合は特にね。助監督を経て監督になると、自分をどう表現するかよりも、与えられた脚本をいかに商品として形にするかが仕事になるでしょう。まぁ、自主映画の場合だと、デビュー作にやっぱり自分が出ますよ。そこから180度変わることは少ない。それでも、役者が表現するわけだから、100%自分が表現できるわけじゃない。でも、『くそガキ』は、鈴木太一そのものだよね。自分をストレートにさらけ出している。今どき、自分をさらけ出す若者は少ないよ。自分をさらけ出すのは、恥ずかしいし、怖いからね。
鈴木 100%自分というわけでもないんですけど。逆に自分をさらけ出すことが、果たしてお客さんを楽しませることになるのかと脚本の時点ではずいぶん悩みました。そのこともあって、キャスティングはジメジメしないように考えました。主人公(今野浩喜)とヒロイン(田代さやか)は、こちらが演出したというよりも、それぞれ脚本でハマった部分を撮影現場でうまく出してもらったように思います。
──小林監督はご自身で、企画・製作から作品によっては配給まで手掛けていますね。
小林 仕方なしですよ。引き受けてくれる人がいないから(苦笑)。でもね、最初の頃は、配給や宣伝の仕事も面白くて、「こんな美味しい仕事を他人に任せたくない」と思ってました。美味しいといってもお金になるって意味じゃないよ。自分の映画を撮ることも、編集することも、宣伝することも、映画はすべてが楽しいんです。柳町光男監督は『十九歳の地図』(79)のとき、自分でチケットを100枚単位で売り歩き、2万枚をひとりで捌いたそうですよ。そこまではなかなかできないけど、ボクも『クロージング・タイム』のときは自分で宣伝をやりました。まず酒を呑んで景気づけしてから、飲み屋を回ってチラシを配って、30分ぐらいしてから「今なら、1000円でチケット買えますよ」とね。チケットを買ってくれた人には「じゃあ、一杯呑みませんか?」とサービスしていたので赤字です(笑)。でも、デビュー作って1回限りのものだからね。
鈴木 分かります。今、自分も『くそガキ』のチラシを配っている最中なんです。それまでチラシ配りが楽しいとは思っていなかったけど、小林監督の話を聞いて「あぁ、自分は楽しいから、自分の作品の宣伝をしてるんだ」と思えてきました(笑)。
小林 だから、一度全部やってみると、映画の仕組みがよく理解できますよ。プロデューサーにとっては、都合よくないでしょうね。監督が演出だけでなく、予算の使い道を知ってしまうのはね。お金の使い方を監督が覚えてしまうと、予算を使い切られてしまうようになるから(笑)。
■新人監督が陥りやすい、危険な“アリ地獄”とは?
──7月28日(土)には小林監督の新作『ギリギリの女たち』が公開されます。被災地である気仙沼市でのロケ、キャストは3人の女優だけ、冒頭シーンは35分に及ぶ長回し。異様な雰囲気を感じさせます。長回しは被災地の空気感を取り込むためのものだそうですね。
小林 ビデオで撮ったのは『白夜』(09)以来となる2作目です。デビューからずっとフィルムで撮ってきて、試行錯誤して自分のスタイルを築いてきたんだけど、まだビデオはどう撮ればいいのか手探りの状態。やっぱりフィルムとビデオでは絵の重みが違うんです。今までのやり方ではダメだなと。それでフィルムではできないことに挑戦しようとね。今回は屋内のシーンが多いから、東京のスタジオで撮って、風景だけ被災地に行ってちょこちょこと撮ってきても良かった。その方が楽だしね。でも、被災地でロケ撮影することで、キャストもスタッフも気持ちの持ち方が違ってくるんですよ。数百人、数千人の方が数か月前に亡くなった場所で、噓っこの物語を撮るわけです。それがどれだけ疚しいことなのか、いろんなことを噛み締めながら撮りたかった。まぁ、それはボクの勝手な思い込みかもしれない。空気感なんて、出そうで出ませんよ。舞台挨拶では「空気感を」なんてボクも言いますが、空気感なんて表現しようと思っても表現できないもの。でもねぇ、何というかなぁ、長回しすることで、どんどんドキュメンタリーに近づきますよ。ビデオだから、リハーサルをしっかりやっているかどうかとか、女優が“演じている”感も、すごく出るんです。35分間の長回しは女優たちだけでなく、スタッフも緊張したでしょう。冒頭の長回しシーンだけで、20~30回撮り直しました。最初のシーンで、みんなもうヘトヘトですよ(笑)。 鈴木 『くそガキ』でも長回しを使っていますけど、意味合いもやり方も全然違います。『ギリギリの女たち』の場合、冒頭の長回しシーンで首をつかまれて、あの世界に無理矢理連れていかれた感じがしました。一体これから何が始まるんだろうと引き込まれたんです。3人の姉妹のギリギリ感もすごく伝わりました。『ギリギリの女たち』を観たのが、『くそガキ』の編集がなかなか進まずにモヤモヤしていた時期でしたし、震災直後に『くそガキ』を撮ったこともあり、これからどう世界と向き合えばいいのか悩んでいた自分に、『ギリギリの女たち』はすごく突き刺さるものがありました。 ──鈴木監督、映画監督としてサバイバルしていく秘訣を小林監督に聞いてみたくありませんか? 鈴木 そうですねぇ……。撮りたいものを撮る、というシンプルな気持ちで撮り続けられるものですか? 小林 撮りたいから撮る、というよりも、もう絞り出すように撮っている状態だよ。どっかに篭って企画を考えても、そうそう出てこないよ(苦笑)。自主映画は儲からない。でも、自分が権利を持っているわけだから、DVD化されたり、BS放送の放映料などで何とか食べてる。だから、新作を撮り続けないと食べていけない(笑)。次回作はね、早く撮ったほうがいいよ。あまり時間を置くと、欲が出てくる。前作よりもいいものを作ろうと気負いが出てきて、時間を置けば置くほど、どんどん気負いだけが大きくなっていく。「こんな企画じゃ、オレの第2作に相応しくない」とか考えるようになるんだ。自分の中で自分がどんどんエラくなっていくんだよ。 鈴木 それは、リアルに怖いですね……。 小林 新作が撮れないまま、あっという間に10年くらい経ってしまうからね。そうなるのがイヤで、ボクは毎年1本ペースで撮ろうとしているんだ。フランソワ・トリュフォー監督を見習ったんだよ。トリュフォー監督は常にシナリオを5本持ち歩いて、ことあるごとに映画会社に企画を持ち掛けていたんだよ。だからね、鈴木監督も2~3本は企画を準備していたほうがいいよ。 鈴木 はい。そう言われると気負ってしまいそうですが、なるべく気負わずに次の作品に取り掛かろうと思います! (取材・構成=長野辰次)7月28日(土)より公開される小林政広監督
の最新作『ギリギリの女たち』。震災後の気仙
沼の自宅に戻ってきた3姉妹の物語。人生の崖っ
ぷちに立たされた3人が、家族の在り方を見
つめ直す。被災地でのロケ作品だが、近未来の
日本のようでもある。
『ギリギリの女たち』
2011年8月に小林監督の自宅のあった気仙沼市唐桑町でロケ撮影された作品。冒頭35分の長回しをはじめ、全編をわずか28カットで撮り上げている。父の介護を終えた後、保険金を持って海外に出た長女(渡辺真紀子)、東京で結婚した次女(中村優子)、自宅にひとり残された三女(藤真美穂)の再会と葛藤を描いている。
監督・脚本/小林政広 撮影/西久保弘一 出演/渡辺真起子、中村優子、藤真美穂 製作/オールイン エンタテインメント、Grist 配給/ブラウニー 7月28日(土)より渋谷ユーロスペース、シネ・リーブル梅田ほか全国順次公開。http://girigiri-women.com
(c)モンキータウンプロダクション/映画「ギリギリの女たち」製作委員会
●こばやし・まさひろ
1954年東京都生まれ。高田渡に弟子入りし、林ヒロシとしてフォークシンガーとして活動。その後、脚本家に転身。『クロージング・タイム』(96)で監督デビュー。『海賊版=BOOTLEG FILM』(99)、『KOROSHI 殺し』(00)、『歩く、人』(01)で3年連続カンヌ映画祭に招かれる。『バッシング』(05)はカンヌ映画祭コンペティション部門に選ばれた。『完全なる飼育 女理髪師の恋』(03)はロカルノ映画祭特別大賞を受賞。監督・脚本・監督を兼ねた『愛の予感』(07)はロカルノ映画祭史上初となる4冠を受賞している。『春との旅』(10)に続き、仲代達矢を主演に迎えた『日本の悲劇』が公開待機中。
『くそガキの告白』
能書きばかり垂れて、いつまでも映画を撮れずにいる映画監督志望の30男・馬場大輔(今野浩喜)。ホラー映画の撮影現場で純真な無名女優・木下桃子(田代さやか)に出会い、仕事を口実にアプローチを図る。鈴木監督の実生活が投影された青春コメディ映画。入江悠監督の『SR/サイタマノラッパー』シリーズを思わせる、クライマックスの長回しシーンが印象的だ。
監督・脚本/鈴木太一 出演/今野浩喜(キングオブコメディ)、田代さやか、辻岡正人、今井りか、仲川遥香(AKB48)、北山ひろし、高橋健一(キングオブコメディ)、石井トミコほか 6月30日よりテアトル新宿にて公開中。大阪・第七藝術劇場ほか全国順次公開。http://kuso-gaki.com
(c)SUMIWOOD FILMS&Taichi Suzuki
●すずき・たいち
1976年東京都生まれ。早稲田大学第二文学部卒業後、ENBUゼミナールに入学し、篠原哲雄監督の講義を受講する。オリジナルビデオ作品『怪奇!アンビリーバブル』シリーズの演出・構成で映像キャリアを積み、その中の一編『闇の都市伝説』(08)が話題に。2008年、短編映画『信二』が東京ネットムービーフェスティバルで「田中麗奈賞」を受賞。2011年にも短編『ベージュ』を発表。長編デビュー作『くそガキの告白』が「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」で審査員特別賞、シネガーアワードを含む4冠を受賞した。
“映画祭監督”がド新人監督にインディーズ魂を伝授 処女作をめぐる熱きトーク60分一本勝負!

Twitterを介した新しい関係性を築いている。
■ホテルの便せんに綴られたルコントからの手紙 ──小林監督、完成した『くそガキの告白』を観ての感想は? 小林 『くそガキの告白』のチラシにコメントを書いたけど、その通りですよ。あまり期待していなかった(笑)。撮影するというのは知っていたけど、いつまで経っても完成しないし、完成披露の試写もないから、「あぁ、ダメだったんだな。お蔵入りだな」と思っていた(笑)。完成させるのに、すごく時間が掛かったね? 鈴木 はい、撮影は4月に済んでいたんです。でも、悩みながら編集作業を進めている間に、小林監督は『ギリギリの女たち』を8月に撮影して、10月の東京国際映画祭でもう上映していたので驚きました。『くそガキの告白』は「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」の締め切りぎりぎりの11月に完成したんです。完成はしたけど、観たのはプロデューサーと編集者ぐらい。DVDを小林監督のご自宅に送っていいものか、ずいぶん迷いました(苦笑)。試写会の開き方も分からず、誰を呼べばいいのか見当がつかないまま、公開直前に2度やっただけですね。2度とも全然、集めることができませんでした。 ──社交辞令ぬきで、『くそガキの告白』に厳しい指摘はありませんか? 小林 あんまりないですよ。面白いシーンなら、いっぱいあるけどね。やっぱり、作品に気持ちが入っているんですよ。やりたいことを全部やったなという感じがします。娯楽作品として上手くまとめているしね。ボクのデビュー作『クロージング・タイム』(96)は、42歳で初めて撮った作品だから想いが強すぎて、詰め込みすぎのホン(脚本)になってしまった。『クロージング・タイム』が「ゆうばり映画祭」で賞をもらった後、『髪結い屋の亭主』(90)のパトリス・ルコント監督が来日していて、講演会でルコントに「ボクのデビュー作です。観てください」と『クロージング・タイム』のビデオを渡したんです。数日後に配給会社経由でルコントからの手紙が届いた。フランス語が読めなかったので、評論家の山田宏一さんのところに持っていき、「何て書いてあるんですか? 読んでください」と(笑)。そうしたら、山田さんが「いいことが書いてありますよ」と手紙を読んでくれた。『デビュー作にありがちな詰め込みすぎで、まるで映画のカタログを見ているかのようだ。これからはその中の1つ1つのテーマを1本の映画にして、突き進みなさい』みたいなことが書いてあった。その点、『くそガキ』は詰め込みすぎになってないし、でも自分の想いは充分に入っている。まぁ、暑苦しいくらいに鈴木監督の想いが入っているけどさ(笑)。 鈴木 キャストが脚本を読んでくれて、より熱く演じてくれたように思います。居酒屋で主人公が大学時代の映画サークルのメンバーから責められるシーンは、小林監督とのTwitterでのやりとりを使わせてもらいました。「そんなんなら、映画やめちまえ」とか……(笑)。 ■映画製作は、すべてが楽しい ──文芸の世界では『作家は処女作に向かって成熟する』という言葉がありますが、映画にも当てはまりそうですね。デビュー作に監督のすべてが詰まっているものですか?鈴木太一監督のデビュー作『くそガキの告白』。
映画監督志望のニート男(今野浩喜)が自分
だけのヒロイン(田代さやか)を見つけ、処女
作へと突っ走る。鈴木監督は借金で製作費を捻出
し、キャストの出演交渉も自分で進めた。
小林 映画の場合は、なかなかそうは行かない。プロデューサーの存在が大きいし、他の人が書いた脚本の場合は特にね。助監督を経て監督になると、自分をどう表現するかよりも、与えられた脚本をいかに商品として形にするかが仕事になるでしょう。まぁ、自主映画の場合だと、デビュー作にやっぱり自分が出ますよ。そこから180度変わることは少ない。それでも、役者が表現するわけだから、100%自分が表現できるわけじゃない。でも、『くそガキ』は、鈴木太一そのものだよね。自分をストレートにさらけ出している。今どき、自分をさらけ出す若者は少ないよ。自分をさらけ出すのは、恥ずかしいし、怖いからね。
鈴木 100%自分というわけでもないんですけど。逆に自分をさらけ出すことが、果たしてお客さんを楽しませることになるのかと脚本の時点ではずいぶん悩みました。そのこともあって、キャスティングはジメジメしないように考えました。主人公(今野浩喜)とヒロイン(田代さやか)は、こちらが演出したというよりも、それぞれ脚本でハマった部分を撮影現場でうまく出してもらったように思います。
──小林監督はご自身で、企画・製作から作品によっては配給まで手掛けていますね。
小林 仕方なしですよ。引き受けてくれる人がいないから(苦笑)。でもね、最初の頃は、配給や宣伝の仕事も面白くて、「こんな美味しい仕事を他人に任せたくない」と思ってました。美味しいといってもお金になるって意味じゃないよ。自分の映画を撮ることも、編集することも、宣伝することも、映画はすべてが楽しいんです。柳町光男監督は『十九歳の地図』(79)のとき、自分でチケットを100枚単位で売り歩き、2万枚をひとりで捌いたそうですよ。そこまではなかなかできないけど、ボクも『クロージング・タイム』のときは自分で宣伝をやりました。まず酒を呑んで景気づけしてから、飲み屋を回ってチラシを配って、30分ぐらいしてから「今なら、1000円でチケット買えますよ」とね。チケットを買ってくれた人には「じゃあ、一杯呑みませんか?」とサービスしていたので赤字です(笑)。でも、デビュー作って1回限りのものだからね。
鈴木 分かります。今、自分も『くそガキ』のチラシを配っている最中なんです。それまでチラシ配りが楽しいとは思っていなかったけど、小林監督の話を聞いて「あぁ、自分は楽しいから、自分の作品の宣伝をしてるんだ」と思えてきました(笑)。
小林 だから、一度全部やってみると、映画の仕組みがよく理解できますよ。プロデューサーにとっては、都合よくないでしょうね。監督が演出だけでなく、予算の使い道を知ってしまうのはね。お金の使い方を監督が覚えてしまうと、予算を使い切られてしまうようになるから(笑)。
■新人監督が陥りやすい、危険な“アリ地獄”とは?
──7月28日(土)には小林監督の新作『ギリギリの女たち』が公開されます。被災地である気仙沼市でのロケ、キャストは3人の女優だけ、冒頭シーンは35分に及ぶ長回し。異様な雰囲気を感じさせます。長回しは被災地の空気感を取り込むためのものだそうですね。
小林 ビデオで撮ったのは『白夜』(09)以来となる2作目です。デビューからずっとフィルムで撮ってきて、試行錯誤して自分のスタイルを築いてきたんだけど、まだビデオはどう撮ればいいのか手探りの状態。やっぱりフィルムとビデオでは絵の重みが違うんです。今までのやり方ではダメだなと。それでフィルムではできないことに挑戦しようとね。今回は屋内のシーンが多いから、東京のスタジオで撮って、風景だけ被災地に行ってちょこちょこと撮ってきても良かった。その方が楽だしね。でも、被災地でロケ撮影することで、キャストもスタッフも気持ちの持ち方が違ってくるんですよ。数百人、数千人の方が数か月前に亡くなった場所で、噓っこの物語を撮るわけです。それがどれだけ疚しいことなのか、いろんなことを噛み締めながら撮りたかった。まぁ、それはボクの勝手な思い込みかもしれない。空気感なんて、出そうで出ませんよ。舞台挨拶では「空気感を」なんてボクも言いますが、空気感なんて表現しようと思っても表現できないもの。でもねぇ、何というかなぁ、長回しすることで、どんどんドキュメンタリーに近づきますよ。ビデオだから、リハーサルをしっかりやっているかどうかとか、女優が“演じている”感も、すごく出るんです。35分間の長回しは女優たちだけでなく、スタッフも緊張したでしょう。冒頭の長回しシーンだけで、20~30回撮り直しました。最初のシーンで、みんなもうヘトヘトですよ(笑)。 鈴木 『くそガキ』でも長回しを使っていますけど、意味合いもやり方も全然違います。『ギリギリの女たち』の場合、冒頭の長回しシーンで首をつかまれて、あの世界に無理矢理連れていかれた感じがしました。一体これから何が始まるんだろうと引き込まれたんです。3人の姉妹のギリギリ感もすごく伝わりました。『ギリギリの女たち』を観たのが、『くそガキ』の編集がなかなか進まずにモヤモヤしていた時期でしたし、震災直後に『くそガキ』を撮ったこともあり、これからどう世界と向き合えばいいのか悩んでいた自分に、『ギリギリの女たち』はすごく突き刺さるものがありました。 ──鈴木監督、映画監督としてサバイバルしていく秘訣を小林監督に聞いてみたくありませんか? 鈴木 そうですねぇ……。撮りたいものを撮る、というシンプルな気持ちで撮り続けられるものですか? 小林 撮りたいから撮る、というよりも、もう絞り出すように撮っている状態だよ。どっかに篭って企画を考えても、そうそう出てこないよ(苦笑)。自主映画は儲からない。でも、自分が権利を持っているわけだから、DVD化されたり、BS放送の放映料などで何とか食べてる。だから、新作を撮り続けないと食べていけない(笑)。次回作はね、早く撮ったほうがいいよ。あまり時間を置くと、欲が出てくる。前作よりもいいものを作ろうと気負いが出てきて、時間を置けば置くほど、どんどん気負いだけが大きくなっていく。「こんな企画じゃ、オレの第2作に相応しくない」とか考えるようになるんだ。自分の中で自分がどんどんエラくなっていくんだよ。 鈴木 それは、リアルに怖いですね……。 小林 新作が撮れないまま、あっという間に10年くらい経ってしまうからね。そうなるのがイヤで、ボクは毎年1本ペースで撮ろうとしているんだ。フランソワ・トリュフォー監督を見習ったんだよ。トリュフォー監督は常にシナリオを5本持ち歩いて、ことあるごとに映画会社に企画を持ち掛けていたんだよ。だからね、鈴木監督も2~3本は企画を準備していたほうがいいよ。 鈴木 はい。そう言われると気負ってしまいそうですが、なるべく気負わずに次の作品に取り掛かろうと思います! (取材・構成=長野辰次)7月28日(土)より公開される小林政広監督
の最新作『ギリギリの女たち』。震災後の気仙
沼の自宅に戻ってきた3姉妹の物語。人生の崖っ
ぷちに立たされた3人が、家族の在り方を見
つめ直す。被災地でのロケ作品だが、近未来の
日本のようでもある。
『ギリギリの女たち』
2011年8月に小林監督の自宅のあった気仙沼市唐桑町でロケ撮影された作品。冒頭35分の長回しをはじめ、全編をわずか28カットで撮り上げている。父の介護を終えた後、保険金を持って海外に出た長女(渡辺真紀子)、東京で結婚した次女(中村優子)、自宅にひとり残された三女(藤真美穂)の再会と葛藤を描いている。
監督・脚本/小林政広 撮影/西久保弘一 出演/渡辺真起子、中村優子、藤真美穂 製作/オールイン エンタテインメント、Grist 配給/ブラウニー 7月28日(土)より渋谷ユーロスペース、シネ・リーブル梅田ほか全国順次公開。http://girigiri-women.com
(c)モンキータウンプロダクション/映画「ギリギリの女たち」製作委員会
●こばやし・まさひろ
1954年東京都生まれ。高田渡に弟子入りし、林ヒロシとしてフォークシンガーとして活動。その後、脚本家に転身。『クロージング・タイム』(96)で監督デビュー。『海賊版=BOOTLEG FILM』(99)、『KOROSHI 殺し』(00)、『歩く、人』(01)で3年連続カンヌ映画祭に招かれる。『バッシング』(05)はカンヌ映画祭コンペティション部門に選ばれた。『完全なる飼育 女理髪師の恋』(03)はロカルノ映画祭特別大賞を受賞。監督・脚本・監督を兼ねた『愛の予感』(07)はロカルノ映画祭史上初となる4冠を受賞している。『春との旅』(10)に続き、仲代達矢を主演に迎えた『日本の悲劇』が公開待機中。
『くそガキの告白』
能書きばかり垂れて、いつまでも映画を撮れずにいる映画監督志望の30男・馬場大輔(今野浩喜)。ホラー映画の撮影現場で純真な無名女優・木下桃子(田代さやか)に出会い、仕事を口実にアプローチを図る。鈴木監督の実生活が投影された青春コメディ映画。入江悠監督の『SR/サイタマノラッパー』シリーズを思わせる、クライマックスの長回しシーンが印象的だ。
監督・脚本/鈴木太一 出演/今野浩喜(キングオブコメディ)、田代さやか、辻岡正人、今井りか、仲川遥香(AKB48)、北山ひろし、高橋健一(キングオブコメディ)、石井トミコほか 6月30日よりテアトル新宿にて公開中。大阪・第七藝術劇場ほか全国順次公開。http://kuso-gaki.com
(c)SUMIWOOD FILMS&Taichi Suzuki
●すずき・たいち
1976年東京都生まれ。早稲田大学第二文学部卒業後、ENBUゼミナールに入学し、篠原哲雄監督の講義を受講する。オリジナルビデオ作品『怪奇!アンビリーバブル』シリーズの演出・構成で映像キャリアを積み、その中の一編『闇の都市伝説』(08)が話題に。2008年、短編映画『信二』が東京ネットムービーフェスティバルで「田中麗奈賞」を受賞。2011年にも短編『ベージュ』を発表。長編デビュー作『くそガキの告白』が「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」で審査員特別賞、シネガーアワードを含む4冠を受賞した。
「家庭画報」で体操選手のエロスが解禁! “ギャランのドゥ”が脳天直撃

「家庭画報」2012年8月号(世界文化
社)
みなさま大変です! 今月号の「家庭画報」は妙に荒ぶっています。先月号まではとても思慮深い若かりし頃の吉永小百合みたいだったのに、今月号は更年期でホルモンに誤作動が起こり、色気というよりエロ気が出てしまったシルク師匠のような様相を呈しています。が、いついかなるときも、表紙は凛とした生け花の写真、特集は「オーベルジュの贅沢」と夢見心地の文字が並びます。読んでみなけりゃわからない、という雑誌の奥深さを体感できる1冊となっていますよ。
<トピック>
◎日本男子体操、栄光を目指して
◎「エイジレス・ボディ」の秘訣
◎初めてのソーシャル・ネットワーク Facebookに挑戦!
東京に宇宙人がいた!? 宇宙村レポート

宇宙村村長の、カゲローカッパこと景山さん……
キャラ強すぎるよ!
珍奇なものをこよなく愛するライター・北村ヂンが、気になったことや場所にNGナシで体当たり取材していく【突撃取材野郎!】。第17回は、摩訶不思議な宇宙村に行ってきました。
■謎すぎる……宇宙人の経営する店「宇宙村」

コレが宇宙村の中枢部。な……謎すぎる!
東京に宇宙人がいた! こんな衝撃的なレポートを「月刊ムー」ではなく「日刊サイゾー」で書くことになろうとは……。
UFOと遭遇したというコンタクティや、宇宙人とコミュニケーションを取ることができるチャネラーなどの話は時々聞くことがあるが(たいていは、ただ単にオーバードライブ気味な脳の持ち主なんだけど)、宇宙人自体が東京にやって来ていたなんて……。その昔、岡本太郎がデザインした宇宙人・パイラ人が大活躍する『宇宙人東京に現わる』という映画があったけど、「現わる」どころの騒ぎじゃない。だって、宇宙人が東京に住んでるんだもん。しかも、お店までやっているらしいのだ。
オリオン座大星雲M42α-α-α(住所らしい)からやって来たという問題の宇宙人「カゲローカッパ」が経営するお店は、東京・新宿御苑近くにある「宇宙村」。「宇宙」から感じる壮大かつ未来的な響きと「村」という言葉の持つ牧歌的なイメージ、あまりにも食い合わせの悪いワードをムリヤリくっつけた「宇宙村」とは一体いかなるお店なのか!?

思ってたんと違う!
新宿通りに面したビルの一階という、かなりの一等地に存在する「宇宙村」だが、ショーウィンドウをのぞき込むと、古そうなツボやら仏像やらがズラズラーッと陳列されており、「宇宙村」というよりは古美術商や骨董品屋といった風情。しかも看板には「願いが叶う隕石」「流れ星パワーお守り・シール」などの文字が並べられ、印象としては……ワンワードで表現するならば「アヤシイ!」、ツーワードならば「チョー・アヤシイ!」としか言いようがない感じ。

古美術? 骨董? 仏像? 流れ星パワー?
■宇宙人・カゲローカッパとご対面
少々、デンジャラスなニオイを感じ取りながら、おずおずと店に入ると、いきなりファンキー&エキセントリックなファッションのおっちゃんが出迎えてくれた。
「んんーっ、誰ぇ~? えっ、取材? そんなの聞いてないなぁ~。あ、電話くれた? そうだっけぇ~?」
イヤイヤイヤイヤ、取材が来るの分かってるから、そうやって衣装を着て待っててくれたんでしょう!? そんな人を煙に巻きまくるトークでウェルカムしてくれたこのおっちゃんこそ、自称宇宙人・カゲローカッパこと景山八郎さん。う……宇宙人……!?

宇宙村……?

……というよりは古美術商、もしくは物産展といった趣が。
それにしても「宇宙村」なんてスペイシーかつコズミックな名前がつけられているわりに、店内は仏像や変な形をした石ばかりで、スペースシャトルもUFOもありゃしない。一体、コレのどこが宇宙だっていうんだろーか?
「あ、その石、宇宙から落ちてきた隕石!」
へ、コレが!?

仏像たちに混じってシレッと置かれている隕石。
子どもの頃から天文学に興味を持っていたという景山さんは、その後ロケットを作ったり、人工衛星関連の仕事に就いたりと、宇宙を研究し続けていたのだが、ある時「宇宙のことを知るためには、ロケットを飛ばすよりも隕石を調べたほうがいいッ! だって宇宙にあったんだから!」と悟り、隕石のコレクションを開始。やがて隕石に人の願いを叶えるパワーがあることを発見して、その幸せパワーをみんなに分けてあげるために、この「宇宙村」を始めたのだという。

若かりし日のおっちゃん。こんなロケットを作っていたらしい。
スゲエ!
「こんな大きくてイイ隕石は普段は売らないんだけどねぇ、アンタになら売ってもイイよぉ~、560万円! どう、買わない? こんなのタダみたいなモンだよぉ。自分でロケット打ち上げて宇宙に隕石を取りに行くことを考えたら……」

この隕石が560万円だ! ……安い?
あ、はい……確かにロケット打ち上げることを考えれば560万円なんてタダみたいなモンだけど、ロケットを打ち上げる気がない身としては560万円は560万円だからねぇ……。えーっと、じゃあ隕石に関してはひとまずいいとして、この大量の仏像たちは……コレも宇宙から来たの?
「そんなワケないでしょぉ~、バカタレ。仏教でもキリスト教でも、死んだら天国に行くっていうでしょ? 天国っていうのは要するに宇宙のことなんだよぉ~。だから、仏像でもなんでも、みんな宇宙と関係があるんだよぉ~」
■宇宙パワーに頭クラクラ

隕石パワーを注入されているという「宇宙パワーシール」(1組100円~)。

お手頃な小さい隕石も販売中(500円~)。

なんと隕石で作ったナイフなんだとか(価格不明)。
隕石や仏像に、パワーシール……ボクのような凡人の脳には負荷が高すぎるアイテムばかりで知恵熱出そう。さらに、たたみかけるように水(?)らしきものを差し出してきた。
「コレ飲んでけぇ~。隕石パワーが入った水!」
い、隕石パワー……水……?

隕石パワー水! フツーの水にしか見えないけど……?
「隕石パワーで水の粒子が小さくなってるから、どんどん身体にしみこんでいろんな病気に効果があるんだよぉ~」
味がまろやかになる、と言われ飲んでみると……まあ、そう言われればそう感じるような感じないような? そもそも「まろやか」ってどんな味!? バカ舌なんであんまよく分からないけど……。
ところでこの隕石パワー水、どのようにして作られているかというと、ペットボトルに入れた水を隕石の近くに置いておくだけ! これによって隕石から発せられるミラクルパワーで水が変質するのだとか。ちなみに、「下町のナポレオン」でお馴染みの焼酎「いいちこ」も、隕石の近くに置いておくことによって特級酒のようになる(「特級酒」って、日本酒の等級だったような……)らしいぞ。

「売るとしたら3億5,000万円」という貴重な隕石の上に
下町のナポレオンが……。

金属質と石質が混ざっているためスライスするとこんな
感じに。「イミラック」という珍しい隕石らしいです。
「糖尿病って、下が勃たなくなっちゃうでしょ? でもコレ飲んだお客さんが一発で治って、硬くなったって喜んでたよぉ~。飲むだけじゃなくて、肌に塗っても効果があるからね。ワタシなんか毎日塗ってるから、75歳だけどアンタより肌キレイだよ。足の裏だってアンタの顔よりキレイだよぉ~。身体が中から外からキレイになっちゃうんだよぉ~」
足の裏より汚い顔扱いされ、いささかショックを隠しきれないものの、そんなにスゴイスゴイと言われると、ちょっと隕石にも興味が出てくるってもの。

確かに75歳にしてはすごく血色いい!
ま、基本的にスピリチュアルなものに対しては眉唾眉唾というポジションで接しているし、出雲大社あたりのパワースポットで諸手を広げ「パワーの充電! 充電!」とか叫んでいる頭も股もユルユルそうな女には「何が充電じゃ! お前はエネループか、ダボ!」くらいのことは言ってやりたいと思っているボクですが、こういう変わり者のおっちゃんがニコニコ説明してくれると、一応話だけでも聞いてみようかという気になってしまうのだ。

これらの人形やぬいぐるみにもパワーが注入されているらしいぞ。
「アンタ、体調悪いところあるでしょ?」
いやぁ~、最近肩こりが……。
「あー治る! 隕石パワーですぐ治るよぉ~! ……アンタ、結婚は?」
いやぁ~、まだ独身で……。
「ダメだよぉ~、早く結婚しなきゃぁ。隕石パワーで運を引き寄せないと」
肩こりから結婚問題まで解決してくれるのか、なんちゅうオールマイティな石。いわゆる通販とかでよく見る「パワーストーン」とかの類なのかな? と思い訊いてみると、おっちゃんは「あんなのはただの地球上の石でしょぉ? 何にも効果ないよぉ~。ウチにあるのは正真正銘の宇宙から来た隕石だから!」とバッサリ。

よく見る「パワーストーン」と呼ばれる石たち。
「商売だから置いてるけど、効果ないよぉ〜」とのこと。
宇宙パワーがあるのかどうかは知らないけど、とりあえず、この「宇宙村」にある石は、宇宙から落下してきた隕石を拾い集める「隕石ハンター」と呼ばれる人たちに、かなりの大金を支払って買い付けていることは間違いないらしい。隕石の中には、地球上に存在しない物質が含有されており、そこから未知のパワーが発せられている(おっちゃん談)とかいないとか。ま、確かに本物の隕石なら、放射線とかいろいろ出てそうだけど。
「隕石からパワーが出てるから、この店、冬でも暖房いらないもん。ポカポカしてるんだよぉ~」
だったら真夏はさぞかし激暑なんじゃないか……という気もしなくもないものの、おっちゃんに言われるがまま、「おさわり自由」な隕石をペタペタしていると、ひどかった肩こりが若干緩和されたような気がするのだ。
ま、世の中、勘違いと思い込みでその気になっちゃえば意外とうまく回るような気もするし、思い込みでもなんでも、症状が治るんなら儲けものでしょ?
……というわけで、効果の程は未知数ではあるが、話のタネにもなるし、ひとつ隕石のかけらを買って帰ろうとすると、
「ひとつでいいなんて……そんな自分のことしか考えないからダメなんだよぉ~。家族の分も買ってけぇ~」
なんだかんだでいろいろ買わされて、3000円近く買い物をしてしまった。エキセントリックなことを言いながら、なかなか商売上手な宇宙人である。まあ、3000円で肩こりが治って結婚できれば安いもんだが、果たして……!?

0.1グラム単位までキッチリ計量して隕石のかけらを
売ってくれました。意外と細かい!
■宇宙村
住所:東京都新宿区四谷4-28-20 パレ・エテルネル1F
電話:03-3341-5239
営業時間:10:00~18:00 元旦から大晦日まで年中無休
<http://www.uchumura.co.jp/>
(取材・文・写真・イラスト=北村ヂン)
■イベントやります!
7月8日(日)に東京カルチャーカルチャーで「へんてこナイト」というイベントをやります。ボクが普段追いかけている珍スポットや珍おじさんなど、とにかく「へんてこ」なものを紹介しまくるイベントです!
Open 18:30 Start 19:00 End 21:00 (予定)
前売券2,000円・当日券2,500円
詳細はこちらから
<http://tcc.nifty.com/cs/catalog/tcc_schedule/catalog_120617203955_1.htm>
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