AKB48の強さは「メッセージ力」 総選挙を行う真の理由の裏に潜む“承認欲求”の真実(後編)

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(c)AKS
前編はこちらから ■ランク外のメンバーが誓った“恩返し”と自己実現意欲を喚起させる“承認欲求”  シングル参加メンバーを選ぶ「AKB48 27thシングル選抜総選挙」。光あるところには、当然影も存在する。昨年の総選挙で惜しくもランク外となったメンバーはそれぞれブログでファンにメッセージを送った。多くのメンバーがそれぞれ綴ったのは「ごめんなさい」と「恩返ししたい」という言葉だった。中田ちさとは「たくさん応援してもらっているのに恩返しできなくて本当にごめんなさい。今日のことをしっかり受け止めて改めて自分と向き合って今後どうしていったらいいか考えます」とコメント。また、小林香菜は「私は今回もあのステージに上がることはできませんでした でも、凄く納得しています きっと、私はあのステージに立っていたメンバーよりも欠けている所がたくさんあるんだと思います だから、これからはきちんとその足りない物、欠けている所を直していきます」と明かした。壇上に立つことはできなかったが、総選挙を通して、メンバーたちは改めて自分と向き合い、さらに向上することを誓うきっかけとしたのだった。  ランク外となっても総選挙は、向上心を培う――。右脳と左脳をつなぐ脳梁が男性よりも太く、より感情的な女性は承認欲求が強いとされ、誰かに認められることで、喜びと心の平穏を得る場合が多い。   心理学者・マズローの「人間は自己実現に向かって絶えず成長する生き物である」という「自己実現論」がある。人間の基本的欲求を低次から生理的欲求、安全の欲求、所属と愛の欲求、承認の欲求、自己実現の欲求という5段階あると定義している。AKB48で例えれば、研究生として加入、正規メンバー昇格、アンダーガールズ、選抜メンバー、神7(あるいはSKE48のセレクション8、NMB48のNMBセブン)となぞらえられるかもしれない。また、今回の総選挙では、フューチャーガールズ(49位~64位)、ネクストガールズ(33位~48位)、アンダーガールズ(17~32位)、選抜(1位~16位)、神7(選抜の中の1位~7位。あるいは筆者提唱の新概念・G8=記事参照)となる。つまり、各メンバーに目標を設定し、常に成長するきっかけとしているのだ。  努力し、成長を続けるメンバーたちによる総選挙は見る者の心を鷲づかみにする。マーケティングに「エンゲージメント・リング」という発想がある。人々の心を揺り動かし、物事を「自分ごと化」するもので、ファンが自ら参加して順位が決まり、メンバーが壇上で思いのたけを語る総選挙のように、ここまで人間の感情が揺さぶられるようなイベントを見てしまうと、ファンはメンバーたちに共感と連帯感を感じずにはいられない。選抜総選挙は単なる人気格付けを超越して、メンバーを成長させ、さらにファンとメンバーの間にある絆を深めるような人間の情動に響く、年に一度の“涙の祭典”となったのだった。   ■総選挙後、メンバーブログに起きた“聖地現象”  総選挙でメンバーたちが語った嘘偽りない言葉は、同性である女性たちにも刺さった。「なんでこの人たちはこんなに泣いているのだろう?」……そんな疑問からAKB48に興味を持ち、メンバーたちに“共感”してファンになった女性が増えたのだ。  男性ファンのみならず、女性ファンの共感も得た結果生まれたのが「聖地現象」。メンバーたちが、総選挙を終えてファンへの感謝のメッセージを綴ったブログには、膨大なコメントが寄せられ、それが1年を経過した今でもファンが、その投稿にコメントを続け、いつしか聖地と呼ばれるようになっている。昨年2位になった大島優子は「皆さんの愛は私の身体にじゅうじゅう染み渡っています。(中略)だから一緒にまた歩いてくれませんか?」と綴り、彼女の言葉に感銘を受けたファンがコメントを記し、そのコメントに別のファンが共感して、さらなるコメントを書き、次第にファン同士が日々の生活の苦悩や喜びを吐き出す場所となり、やがては、そのコメント欄を通じて知り合い、一緒に握手会に参加している例まであるのだ。そのほか、昨年の総選挙で「なぜか7人までで切られてしまうことが多くて……」と“神7”への苦悩を初めて吐露した柏木由紀や高城亜樹、北原里英のブログで聖地が発生。また、指原莉乃のブログ更新100回目の投稿やNMB48・山本彩が誕生日に18歳の決意を綴ったブログも“聖地”となっており、メンバーのブログのコメント欄が一種のSNSとして機能しているのだ。ほかのアーティスト、タレントには見られない自然発生的なこの現象は、メンバーのメッセージ力が共感を生み、もたらしたAKB48ならではの共同幻想なのだろう。 ■嫌われる勇気を持ち、個性をさらけ出す……AKB48の最終目標  AKB48グループの特徴は、AKB48や姉妹グループ、そしてノースリーブスなどの派生ユニットなど、レコード会社が各社に分かれ、メンバーも各芸能プロダクションに分かれて移籍している点。AKB48本体を運営するAKSを中心としながら、複数の芸能プロ、レコード会社と協力し、協調しながらプロジェクトを進めているようなグループは、異例の存在だろう。だが、秋元康氏は関わる団体が多い中で、積極的にNG事項を無くし、メンバーたちのありのままの姿をファンに見せようと取り組んでいる。メンバーのGoogle+の投稿をスタッフの検閲をなくし、同サイトと通じて、AKB48内に美術部、演劇部などの部活をスタートさせるなど新たな個性が発揮させる場を作っている。  素人からプロへと進化する過程を見せるAKB48において、彼女たちのありのままの姿を見せることが重要だった。中でも今回、総選挙速報で上位に来た大島優子、柏木由紀、渡辺麻友はそれぞれ自分をさらけ出すことで大きく変わっていったメンバーだ。優等生から変顔も辞さないコメディエンヌぶりを見せた大島、「ブラック」「雨女」と呼ばれながらもアイドルを貫く柏木、二次元好きをアピールすることで人間臭さが増した渡辺など、AKB48には、ありのままの自分をそのまま出すことでファンがその多面性に共感し、人気を集めていった経緯がある。  時に自分の本性を出すことには、“嫌われる勇気”が必要だ。だが、彼女たちは自分たちの弱さも認めながら、それを克服するために努力し、大勢の仲間たちに触発されながら、互いの個性を認め合い、「己をさらけ出すことの美しさ」を獲得していった。  そんなグループの目標について秋元康氏は「将来的には、エンタメ界で最強の進学校にしたい。女優や歌手、タレントになりたい人だけの集団ではなく、作詞家や漫画家、デザイナーなど様々な夢を持った人たちの登竜門になるのが理想です」と明かす。劇場公演を通じて培った表現力、協調性などを通して、この構想が実現する日も遠くないだろう。その試金石となるのが、前田敦子の卒業となるはずだ。彼女もまたAKB48を通して、大きく魅力を開花させた人材であり、AKB48だから、ここまで輝けた人だから。  そんな彼女がAKB48を去る中で、行われる今回の総選挙。年に一度の祭りであり、ファンからの通信簿とも評されるイベントだ。この1年間、彼女たちの続けてきた努力がファンからどのように評価されるだろうのか? そして、順位以上に重大なのが壇上で彼女たちが語るメッセージ。世代交代が注目のAKB48、この1年で大きく飛躍したSKE48、さまざまな出来事を通して、一丸となったNMB48、潜在能力は計り知れないHKT48……。彼女たちのメッセージ力が今年も試される日がやってくる。 (文=本城零次<http://ameblo.jp/iiwake-lazy/>)

AKB48の強さは「メッセージ力」 総選挙を行う真の理由の裏に潜む“承認欲求”の真実(後編)

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前編はこちらから ■ランク外のメンバーが誓った“恩返し”と自己実現意欲を喚起させる“承認欲求”  シングル参加メンバーを選ぶ「AKB48 27thシングル選抜総選挙」。光あるところには、当然影も存在する。昨年の総選挙で惜しくもランク外となったメンバーはそれぞれブログでファンにメッセージを送った。多くのメンバーがそれぞれ綴ったのは「ごめんなさい」と「恩返ししたい」という言葉だった。中田ちさとは「たくさん応援してもらっているのに恩返しできなくて本当にごめんなさい。今日のことをしっかり受け止めて改めて自分と向き合って今後どうしていったらいいか考えます」とコメント。また、小林香菜は「私は今回もあのステージに上がることはできませんでした でも、凄く納得しています きっと、私はあのステージに立っていたメンバーよりも欠けている所がたくさんあるんだと思います だから、これからはきちんとその足りない物、欠けている所を直していきます」と明かした。壇上に立つことはできなかったが、総選挙を通して、メンバーたちは改めて自分と向き合い、さらに向上することを誓うきっかけとしたのだった。  ランク外となっても総選挙は、向上心を培う――。右脳と左脳をつなぐ脳梁が男性よりも太く、より感情的な女性は承認欲求が強いとされ、誰かに認められることで、喜びと心の平穏を得る場合が多い。   心理学者・マズローの「人間は自己実現に向かって絶えず成長する生き物である」という「自己実現論」がある。人間の基本的欲求を低次から生理的欲求、安全の欲求、所属と愛の欲求、承認の欲求、自己実現の欲求という5段階あると定義している。AKB48で例えれば、研究生として加入、正規メンバー昇格、アンダーガールズ、選抜メンバー、神7(あるいはSKE48のセレクション8、NMB48のNMBセブン)となぞらえられるかもしれない。また、今回の総選挙では、フューチャーガールズ(49位~64位)、ネクストガールズ(33位~48位)、アンダーガールズ(17~32位)、選抜(1位~16位)、神7(選抜の中の1位~7位。あるいは筆者提唱の新概念・G8=記事参照)となる。つまり、各メンバーに目標を設定し、常に成長するきっかけとしているのだ。  努力し、成長を続けるメンバーたちによる総選挙は見る者の心を鷲づかみにする。マーケティングに「エンゲージメント・リング」という発想がある。人々の心を揺り動かし、物事を「自分ごと化」するもので、ファンが自ら参加して順位が決まり、メンバーが壇上で思いのたけを語る総選挙のように、ここまで人間の感情が揺さぶられるようなイベントを見てしまうと、ファンはメンバーたちに共感と連帯感を感じずにはいられない。選抜総選挙は単なる人気格付けを超越して、メンバーを成長させ、さらにファンとメンバーの間にある絆を深めるような人間の情動に響く、年に一度の“涙の祭典”となったのだった。   ■総選挙後、メンバーブログに起きた“聖地現象”  総選挙でメンバーたちが語った嘘偽りない言葉は、同性である女性たちにも刺さった。「なんでこの人たちはこんなに泣いているのだろう?」……そんな疑問からAKB48に興味を持ち、メンバーたちに“共感”してファンになった女性が増えたのだ。  男性ファンのみならず、女性ファンの共感も得た結果生まれたのが「聖地現象」。メンバーたちが、総選挙を終えてファンへの感謝のメッセージを綴ったブログには、膨大なコメントが寄せられ、それが1年を経過した今でもファンが、その投稿にコメントを続け、いつしか聖地と呼ばれるようになっている。昨年2位になった大島優子は「皆さんの愛は私の身体にじゅうじゅう染み渡っています。(中略)だから一緒にまた歩いてくれませんか?」と綴り、彼女の言葉に感銘を受けたファンがコメントを記し、そのコメントに別のファンが共感して、さらなるコメントを書き、次第にファン同士が日々の生活の苦悩や喜びを吐き出す場所となり、やがては、そのコメント欄を通じて知り合い、一緒に握手会に参加している例まであるのだ。そのほか、昨年の総選挙で「なぜか7人までで切られてしまうことが多くて……」と“神7”への苦悩を初めて吐露した柏木由紀や高城亜樹、北原里英のブログで聖地が発生。また、指原莉乃のブログ更新100回目の投稿やNMB48・山本彩が誕生日に18歳の決意を綴ったブログも“聖地”となっており、メンバーのブログのコメント欄が一種のSNSとして機能しているのだ。ほかのアーティスト、タレントには見られない自然発生的なこの現象は、メンバーのメッセージ力が共感を生み、もたらしたAKB48ならではの共同幻想なのだろう。 ■嫌われる勇気を持ち、個性をさらけ出す……AKB48の最終目標  AKB48グループの特徴は、AKB48や姉妹グループ、そしてノースリーブスなどの派生ユニットなど、レコード会社が各社に分かれ、メンバーも各芸能プロダクションに分かれて移籍している点。AKB48本体を運営するAKSを中心としながら、複数の芸能プロ、レコード会社と協力し、協調しながらプロジェクトを進めているようなグループは、異例の存在だろう。だが、秋元康氏は関わる団体が多い中で、積極的にNG事項を無くし、メンバーたちのありのままの姿をファンに見せようと取り組んでいる。メンバーのGoogle+の投稿をスタッフの検閲をなくし、同サイトと通じて、AKB48内に美術部、演劇部などの部活をスタートさせるなど新たな個性が発揮させる場を作っている。  素人からプロへと進化する過程を見せるAKB48において、彼女たちのありのままの姿を見せることが重要だった。中でも今回、総選挙速報で上位に来た大島優子、柏木由紀、渡辺麻友はそれぞれ自分をさらけ出すことで大きく変わっていったメンバーだ。優等生から変顔も辞さないコメディエンヌぶりを見せた大島、「ブラック」「雨女」と呼ばれながらもアイドルを貫く柏木、二次元好きをアピールすることで人間臭さが増した渡辺など、AKB48には、ありのままの自分をそのまま出すことでファンがその多面性に共感し、人気を集めていった経緯がある。  時に自分の本性を出すことには、“嫌われる勇気”が必要だ。だが、彼女たちは自分たちの弱さも認めながら、それを克服するために努力し、大勢の仲間たちに触発されながら、互いの個性を認め合い、「己をさらけ出すことの美しさ」を獲得していった。  そんなグループの目標について秋元康氏は「将来的には、エンタメ界で最強の進学校にしたい。女優や歌手、タレントになりたい人だけの集団ではなく、作詞家や漫画家、デザイナーなど様々な夢を持った人たちの登竜門になるのが理想です」と明かす。劇場公演を通じて培った表現力、協調性などを通して、この構想が実現する日も遠くないだろう。その試金石となるのが、前田敦子の卒業となるはずだ。彼女もまたAKB48を通して、大きく魅力を開花させた人材であり、AKB48だから、ここまで輝けた人だから。  そんな彼女がAKB48を去る中で、行われる今回の総選挙。年に一度の祭りであり、ファンからの通信簿とも評されるイベントだ。この1年間、彼女たちの続けてきた努力がファンからどのように評価されるだろうのか? そして、順位以上に重大なのが壇上で彼女たちが語るメッセージ。世代交代が注目のAKB48、この1年で大きく飛躍したSKE48、さまざまな出来事を通して、一丸となったNMB48、潜在能力は計り知れないHKT48……。彼女たちのメッセージ力が今年も試される日がやってくる。 (文=本城零次<http://ameblo.jp/iiwake-lazy/>)

「いつも一緒にいたい女のコ」像を追求した結果、阿部定っぽくなった「Ray」

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Ray2012年 07月号(主婦の友社)

 女性誌レビューに、赤文字雑誌「Ray」が初登場です! 突然ですが、みなさんは「Ray」にどんなイメージを持っていますか? もしかしたら、「んー、『CanCam』と『JJ』よりは幼い感じかなぁ? 『ViVi』みたいにギャルではないよね」など、曖昧な答えしか出てこないのではないでしょうか。

 そう、「Ray」は、ほかの赤文字雑誌が、間の抜けたP音が笑いを誘う「おしゃP」(「JJ」)、かつては紗栄子とダルビッシュの結婚を指した「羨ま婚」(「CanCam」)、言葉自体にバカ可愛さがあふれる「おしゃ可愛うぃーね!」(「ViVi」)などといったキャッチ&ワードで、イジッてアピールをする中、今いち個性が見えてこないんです……。しかし、「Ray」とて、20年以上もの間、赤文字雑誌四天王の一角としてその座を守り続けている豪傑。今回は、そんな「Ray」の世界に、切り込んでいこうと思います!

<トピック>
◎「Happy Summerを約束するワンピMagic」
◎「今日の気分は何色? 夏おしゃれ★COLOR」
◎「肉食女子のための“草食のふり”講座」

“ミシェル”との離婚、舞台への恐怖心……『フルハウス』ジョーイの人生

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金髪ロン毛のだっさい髪型が魅力だったのに……

――夢中になった映画やドラマに出演していた、あの人。パタっと見なくなったけど、やっぱり気になる~!! そんなアナタのために、サイゾーウーマンの海外特派員・JULIEが、噂のあの人の仕事からプライベートまで、現地で情報をかき集めてきました!

■今回のターゲット
デイブ・クーリエ(『フルハウス』のジョーイ役など)

 事故で妻を亡くした男性が2人の男友達に助けられながら、幼い娘3人を育てていく姿をコミカルに描いたハートウォーミングコメディー『フルハウス』。この作品で、ジョーイおじさんを演じたのがデイブ・クーリエです。教員免許を持ちながらも世界一のコメディアンを目指し、趣味も思いっきり楽しむという自由人ジョーイを、デイブは自然体で演じ、世界中の子どもたちの人気者に。彼のモノマネに老若男女が大笑いし、デイブは「アメリカで一番面白い男」として、幅広い層から支持される人気喜劇俳優になったのです。

ネクロフィリアの波がアニメにも!? ゾンビに萌えろ『さんかれあ』

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『さんかれあ』公式サイトより
 ありとあらゆる性癖を貪欲に飲み込み、一般化していく昨今の「萌え」カルチャー。たとえば、三次元でのセクシャリティは一点の曇りもなくノンケな男子が、二次元を消費する際には女装した美少年(いわゆる「男の娘」)に萌え狂っている様子も、もはや珍しい風景ではなくなった。時はまさに性器末、もとい世紀末といった感じである。21世紀はまだ最初の10年を少し過ぎたばかりだけれども。  現在放送中のアニメ『さんかれあ』(TBS系)では、特殊性癖の中でもかなりエクストリーム寄りな、ネクロフィリア(屍体愛好)が作品のテーマになっている。子供の頃からの筋金入りのゾンビ映画オタクで(余談だが、タイトルの元ネタである『サンゲリア』を筆頭に、本作にはゾンビ映画オマージュネタが満載)、ゾンビ化した女の子との恋愛願望を長年抱き続けてきた主人公が、ひょんなことからゾンビになってしまった世間知らずのお嬢様と繰り広げる、甘酸っぱくて少し切ないドキドキ同居ラブストーリーが毎週地上波でオンエアされているというのは、驚くべき事態だというほかない。もともと原作コミック(はっとりみつる作、講談社刊)が人気を集めていたとはいえ、まさに性器(以下略)である。  ……と、ひとくさり良識派ぶってみたものの、ゾンビになってしまったヒロインの散華 礼弥(さんか・れあ)ちゃんは実にかわいいのである。性格も声もかわいいが、なんといっても、ゾンビ化したことが原因の青白い肌と真っ赤な瞳がたまらない。ほかにも、死後硬直してしまったり、ときおり理性を失ってみたり、脳のリミッターが外れているせいで馬鹿力を発揮してみたり、ゾンビならではの魅力がひしひしと作品から伝わってくる。二次元の世界でなら、ネクロフィリアもいけるかもしれない。「匂い」という、リアル死姦での最大のハードルもないし。思わずそんなことを考えてしまうだけの説得力がある。  本作が初監督作である畠山守は、『荒川アンダー ザ ブリッジ』『魔法少女まどか☆マギカ』など、新房昭之監督作品に「小俣真一」名義で参加していた。色でキーアイテムを際立たせる鮮烈な色彩設計や、雄弁に情報を物語る象徴的な画面構成など、どこか新房からの影響を意識させるスタイリッシュさがあることも、ゾンビに萌えることへの抵抗感を薄れさせているように思える。  ここから、日本社会にネクロフィリアがライトなフェティッシュとして根付くのかもしれない……ゾンビ娘ブームに乗り遅れるな!  ぞんび とても いいです  かわゆい  うま (文=麻枝雅彦)

ネクロフィリアの波がアニメにも!? ゾンビに萌えろ『さんかれあ』

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『さんかれあ』公式サイトより
 ありとあらゆる性癖を貪欲に飲み込み、一般化していく昨今の「萌え」カルチャー。たとえば、三次元でのセクシャリティは一点の曇りもなくノンケな男子が、二次元を消費する際には女装した美少年(いわゆる「男の娘」)に萌え狂っている様子も、もはや珍しい風景ではなくなった。時はまさに性器末、もとい世紀末といった感じである。21世紀はまだ最初の10年を少し過ぎたばかりだけれども。  現在放送中のアニメ『さんかれあ』(TBS系)では、特殊性癖の中でもかなりエクストリーム寄りな、ネクロフィリア(屍体愛好)が作品のテーマになっている。子供の頃からの筋金入りのゾンビ映画オタクで(余談だが、タイトルの元ネタである『サンゲリア』を筆頭に、本作にはゾンビ映画オマージュネタが満載)、ゾンビ化した女の子との恋愛願望を長年抱き続けてきた主人公が、ひょんなことからゾンビになってしまった世間知らずのお嬢様と繰り広げる、甘酸っぱくて少し切ないドキドキ同居ラブストーリーが毎週地上波でオンエアされているというのは、驚くべき事態だというほかない。もともと原作コミック(はっとりみつる作、講談社刊)が人気を集めていたとはいえ、まさに性器(以下略)である。  ……と、ひとくさり良識派ぶってみたものの、ゾンビになってしまったヒロインの散華 礼弥(さんか・れあ)ちゃんは実にかわいいのである。性格も声もかわいいが、なんといっても、ゾンビ化したことが原因の青白い肌と真っ赤な瞳がたまらない。ほかにも、死後硬直してしまったり、ときおり理性を失ってみたり、脳のリミッターが外れているせいで馬鹿力を発揮してみたり、ゾンビならではの魅力がひしひしと作品から伝わってくる。二次元の世界でなら、ネクロフィリアもいけるかもしれない。「匂い」という、リアル死姦での最大のハードルもないし。思わずそんなことを考えてしまうだけの説得力がある。  本作が初監督作である畠山守は、『荒川アンダー ザ ブリッジ』『魔法少女まどか☆マギカ』など、新房昭之監督作品に「小俣真一」名義で参加していた。色でキーアイテムを際立たせる鮮烈な色彩設計や、雄弁に情報を物語る象徴的な画面構成など、どこか新房からの影響を意識させるスタイリッシュさがあることも、ゾンビに萌えることへの抵抗感を薄れさせているように思える。  ここから、日本社会にネクロフィリアがライトなフェティッシュとして根付くのかもしれない……ゾンビ娘ブームに乗り遅れるな!  ぞんび とても いいです  かわゆい  うま (文=麻枝雅彦)

「沖縄でバーを開きたい」赤西仁が黒木メイサの地元に移住を希望?

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あ~もう、この仁かわいすぎるってば!

 今年2月に一部スポーツ紙で元KAT-TUNの赤西仁とデキ婚したことが報じられた女優の黒木メイサ。その時点では、双方結婚事実は認めたものの、黒木サイドは4月中旬にようやく妊娠4カ月であることを発表。10月に出産予定にもかかわらず、来年の綾瀬はるか主演のNHK大河ドラマ『八重の桜』への出演が決まったことが一部で報じられ、出産後もバリバリ仕事をこなす姿勢のようだ。

 一方の赤西だが、黒木とは対照的に現在のところスケジュールは白紙で、かなり不安定な先行きだ。

乾燥は年齢肌の元! エアコンにまけない潤い・ハリに近づきたい

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 早くもこの時期から、電車やオフィスではエアコンが大活躍。夏日には心地のよいエアコンの風も、肌から水分を奪いとるという面では女性にとって大敵です。化粧直しの度にスプレーで保湿したり、保湿効果の高いコスメを使ってみたりと、エアコン対策に奮闘している方も多いのでは? 「オイリー肌だから乾燥とは無縁」と思っていても、その皮脂の原因が「乾燥」というケースもあります。

 肌の乾燥の厄介なところは、肌バランスを乱しさまざまな肌トラブルや肌老化を引き起こす元になる点です。エアコンに代表される外的要因だけでなく、加齢という抵抗できない要因も肌の乾燥を引き起こします。ならばと高級なスキンケアラインで揃えたり、スキンケアアイテムを増やしてみたところで、使用方法が面倒くさかったり忙しくてケアまで手が回らなかったり……。 

“三島割腹事件”を若松孝二監督が映画化!『11.25自決の日 三島由紀夫と若者たち』

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自衛隊市ヶ谷駐屯地の総監室を占拠した三島由紀夫(井浦新)は
バルコニーでの演説後、割腹自殺に及ぶ。
 “キング・オブ・インディペンデント”若松孝二監督の『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』(08)『キャタピラー』(10)に続く、“昭和三部作”の完結編となる『11.25自決の日 三島由紀夫と若者たち』。1970年11月25日に自衛隊市ヶ谷駐屯地で割腹自殺を遂げた作家・三島由紀夫が日本の未来を憂う若者たちと「楯の会」を結成し、三島事件を引き起こすまでの軌跡を描いたものだ。三島由紀夫役を演じたARATAが本作に出演したことがきっかけで、「アルファベット表記はこの作品に相応しくない」と本名の井浦新に芸名を改めるなど、男たちの激情が渦巻く力作となっている。
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自衛官たちに向かって“改憲”を訴える三島
由紀夫。本作をきっかけにARATAから改名した
井浦新が渾身の演技に挑む。
 映画はまず、日比谷公会堂で演説中の日本社会党委員長・浅沼稲次郎が17歳の少年・山口二矢に刺殺される瞬間のニュース映像で幕を開ける。沢木耕太郎のノンフィクション小説『テロルの決算』(文藝春秋)でも知られるショッキングな暗殺事件だ。1960年に起きたこの事件を、若松監督は未成年者による殺人事件とは解釈せず、自国を愛するあまりに直接行動に出た17歳の少年の純粋さに共鳴している。17歳のときに実家を飛び出して上京した若松監督は、この事件当時はまだピンク映画『甘い罠』(63)で監督デビューする前の何者でもなかった。何者でもなかったこのアウトロー監督にとって、よっぽど忘れがたい事件だったのだろう。また、この国のことを憂いていたのは山口二矢だけではなかった。獄中で山口二矢が首吊り自殺を遂げるシーンが映し出され、カメラがパーンすると、そこには書斎で短編小説『憂国』を執筆中の三島由紀夫(井浦新)の姿がある。戦後の日本社会が物質的に満たされていく一方、日本人の美しい心がけがれていく。日本語による美しい文章を綴る三島由紀夫には、そのことが堪え難かった。  自衛隊を武士道精神を受け継ぐ拠り所と考えた三島由紀夫は自衛隊に体験入隊し、自衛官たちと交流を重ねていく。そして、若者たちに呼び掛けて、民兵組織「楯の会」を結成する。運営費や制服代は、三島由紀夫の作家としての収益が当てられた。1960年代の大学を吹き荒れた学園紛争に反感を感じていた民族派の学生・持丸博(渋川清彦)や森田必勝(満島真之介)らが「楯の会」に参加し、麗しき男たちの王国が築かれる。国の未来を憂うことで一心同体となった彼らは、来るべき日のための訓練に汗を流し、酒を酌み交わし、『昭和残侠伝』(65)の主題歌「唐獅子牡丹」を朗々と歌う。三島由紀夫夫人・瑤子(寺島しのぶ)は女の自分が立ち入れない“男だけのユートピア”がちょっぴり羨ましげだ。
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多くの若者たちが三島のもとに集まるが、
「楯の会」に入会するには自衛隊で1カ月以上
の軍事訓練を体験しなくてはならなかった。
 三島由紀夫というとアブノーマルな作風からホモセクシャル疑惑がつきまとうが、若松監督はその点に関しては安易にスキャンダラスな描き方をしない。その代わり、三島由紀夫と森田必勝らは一緒にサウナ風呂に入る。タオル一枚で全身から玉のような汗をダラダラと流しながら、男たちは熱く語り合う。三島由紀夫を何よりも崇拝する森田必勝は「先生、ボクは死ぬことは怖くありません!」「この国のために、身を捧げることができるなら本望です!」と大きな目をギラギラさせながら三島に迫る。ついに三島は「楯の会」の中から信頼できるメンバーを率いて、行動に出ることを決意。市ヶ谷駐屯地で自衛官たちの決起を促し、その後“改憲”を訴えて自衛隊と共に国会を包囲するというクーデターを画策する。駐屯地に押し入る際の武器は、日本古来からの武器である日本刀のみ。決起を誓い合った三島由紀夫と若者たちは、今まで感じたことのない究極の恍惚感に酔いしれる。  みずから若松プロに電話して、『実録・連合赤軍』のオーディションに参加して以来、すっかり若松作品の常連俳優となったARATAこと井浦新。『11.25自決の日』と同時期に撮影した『海燕ホテル・ブルー』の公開時に話を聞いたところ、若松監督から三島由紀夫役を頼まれたのはクランクインの2か月前だったそうだ。 「若松監督からは『実録・連行赤軍』の撮影中に『左の次は右も撮るぞ』と聞いていたんですが、まさか自分が三島役をやるとは思いもしていませんでした。若松監督から頼まれたら断ることはできないんですが、正直なところ、うれしいというよりプレッシャーでしかなかったですよ(苦笑)。役づくりに1年あっても足りないくらいなのに、2か月ですから。でも、若松監督からは『物まね映画にはしない。お前の考える三島由紀夫を演じればいいんだ』と言われ、すごく気が楽になりましたね」と語ってくれた。以前より、1960年~1970年代の文化に興味があり、三島文学もたしなんでいたので、撮影前に慌てて三島由紀夫全集を読み直したりすることはなかったそうだ。三島由紀夫研究読本などに手を伸ばすこともなく、写真集『薔薇刑』などの撮影を通して三島由紀夫と親交のあった写真家・細江英公のエッセイなどを思い出しながら、三島由紀夫役に挑んだという。  ARATA時代の井浦新は、おしゃれでクールな印象が強かったが、「まだ見たことのない自分に会ってみたい」という純粋な想いから若松組に飛び込んでいった激情家の一面を持つ。ごく少人数での撮影だった『海燕ホテル・ブルー』の伊豆大島ロケでは、助監督代わりに現場での雑用も引き受け、初めて若松作品に出演する若手俳優には声を掛けて飲み会を開く好漢でもある。『実録・連合赤軍』で新しい自分の一面を引き出してくれた若松監督の期待に応えるため、精一杯の熱演を見せている。自衛隊での演習シーンで奇妙な走り方をするが、これは三島役のオファーを受ける直前に足の骨折で入院しており、無理矢理リハビリして撮影現場に入ったためと思われる。演技力うんぬんではなく、精神力勝負の現場だったようだ。森田必勝役を演じた満島真之介(満島ひかりの実弟)の黒目がちなギラギラした瞳も印象的。彼の一本気な情熱が、井浦のクールなルックスの裏に隠された激情を呼び起こし、男たちの物語はクライマックスへとなだれ込む。
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『キャタピラー』(10)に続いての若松
孝二作品への出演となった寺島しのぶ。三島
由紀夫の妻・瑤子を演じる。
 ポール・シュレイダー監督、緒形拳主演の日本未公開映画『Mishima:A Life In Four Chapters』(85)と同様に、本作の三島由紀夫も狂気と血に彩られた一生に一度きりの“聖なる神事”へと突き進む。総監室のバルコニーから自衛官たちに決起を呼び掛けるが、その声はヤジに掻き消されてしまう。でも、そんなことは三島由紀夫には織り込み済みだった。何よりも自分たちが行動することが大事なのであって、成功するかどうかは問題ではなかったのだ。自衛隊にはすでに武士道精神を持つ者がいないことを確認した三島由紀夫はおのれが武士としての死に様を見せることで、自分自身の物語の感動的なグランドフィナーレを迎える。その介錯を務めるのは、三島由紀夫が愛する美しい若者・森田必勝だ。  この5月、本作を携えて41年ぶりにカンヌ映画祭に参加した若松監督は、現在76歳。2011年には『11.25自決の日』『海燕ホテル・ブルー』だけでなく、中上健次原作『千年の愉楽』(今秋公開予定)も撮り上げている。今まさに、人生のクライマックスを謳歌しているといっては失礼だろうか。三島由紀夫は自らが潔く散ることに美を求めたが、若松監督は貪欲に生き抜くことで生の輝きを放っている。三島由紀夫の死と若松孝二の生が激突する。スクリーンからヤケドしそうなほどの熱い火花がほとばしる。 (文=長野辰次) mishimayukio_05.jpg ●『11.25自決の日 三島由紀夫と若者たち』 監督・脚本/若松孝二 企画協力/鈴木邦夫 脚本/掛川正幸 出演/井浦新、満島真之介、岩間天嗣、永岡佑、鉄之助、渋川清彦、大西信満、地曳豪、タモト清嵐、中泉英雄、長谷川公彦、韓英姫、小林優斗、小林三四郎、笠松伴助、小倉一郎、篠原勝之、吉澤健、寺島しのぶ  配給/若松プロ、スコーレ 6月2日(土)よりテアトル新宿ほか全国公開 <http://www.wakamatsukoji.org/11.25> (c)若松プロダクション ●深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】INDEX [第172回]実在の事件を題材にした“命の授業”『先生を流産させる会』がついに劇場公開! [第171回]自由社会に順応できない“脱北者”の過酷な現状 無垢なる季節との決別『ムサン日記 白い犬』 [第170回] 世界興収100億突破のSF大作『ロボット』はあらゆる既成概念を破壊する!! [第169回]“エンタの神さま”ツイ・ハークが大復活! B級映画マニアの心を焦がす『王朝の陰謀』 [第168回]人はお下劣な分だけ、強く優しくなれる!? 結婚を控えた女たちの本音『ブライズメイズ』 [第167回]行きすぎたシステム社会に警鐘を鳴らす“ユナボマー・マニフェスト”の映画化『モンスターズクラブ』 [第166回]祭りの終わりと新ステージの幕開け、3部作完結『サイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者』 [第165回]すばらしき“コーマン野郎”の世界!『コーマン帝国』、愛と欲望の歴史 [第164回]懐かしき香り漂う、新感覚サスペンス 破滅へ突き進む男の悲劇『ドライヴ』 [第163回] 災害に備えた地下シェルターは必要? 心理ホラー『テイク・シェルター』 [第162回] 森田芳光監督の最終列車『僕達急行』人生は出会いと旅立ちのリフレイン! [第161回] 鬼才キム・ギドクの"多重人格ショー"セルフドキュメンタリー『アリラン』 [第160回]映画創成期に散った"殉教者"への聖歌 3D映画『ヒューゴの不思議な発明』 [第159回]これはホラー? それともコメディ? 勘違い女が爆走『ヤング≒アダルト』 [第158回] ピラミッドは古代からのメッセージ!? 歴史ミステリー『ピラミッドの謎』 [第157回] 韓国映画の名匠が明かす"創作の極意"イ・チャンドン監督『ポエトリー』 [第156回] ローカル局で"伝説となった男"の生涯『木村栄文レトロスペクティブ』 [第155回] 米国に半世紀も君臨した"影の大統領" FBI初代長官『J・エドガー』 [第154回]犯罪者たちに学ぶ"人心掌握術"の奨め『アニマル・キングダム』『預言者』 [第153回]"地獄"からの生還者・板尾創路の凄み 古典落語を過激に脚色『月光ノ仮面』 [第152回]早くも2012年ベスト1映画が登場!"代理殺人"を巡る恐怖『哀しき獣』 [第151回]父殺し、自分殺し、そして再生の物語 園子温流ラブストーリー『ヒミズ』 [第150回]米国お笑い横断旅行『宇宙人ポール』人間のちっぽけな悩みはETが解決! 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“三島割腹事件”を若松孝二監督が映画化!『11.25自決の日 三島由紀夫と若者たち』

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自衛隊市ヶ谷駐屯地の総監室を占拠した三島由紀夫(井浦新)は
バルコニーでの演説後、割腹自殺に及ぶ。
 “キング・オブ・インディペンデント”若松孝二監督の『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』(08)『キャタピラー』(10)に続く、“昭和三部作”の完結編となる『11.25自決の日 三島由紀夫と若者たち』。1970年11月25日に自衛隊市ヶ谷駐屯地で割腹自殺を遂げた作家・三島由紀夫が日本の未来を憂う若者たちと「楯の会」を結成し、三島事件を引き起こすまでの軌跡を描いたものだ。三島由紀夫役を演じたARATAが本作に出演したことがきっかけで、「アルファベット表記はこの作品に相応しくない」と本名の井浦新に芸名を改めるなど、男たちの激情が渦巻く力作となっている。
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自衛官たちに向かって“改憲”を訴える三島
由紀夫。本作をきっかけにARATAから改名した
井浦新が渾身の演技に挑む。
 映画はまず、日比谷公会堂で演説中の日本社会党委員長・浅沼稲次郎が17歳の少年・山口二矢に刺殺される瞬間のニュース映像で幕を開ける。沢木耕太郎のノンフィクション小説『テロルの決算』(文藝春秋)でも知られるショッキングな暗殺事件だ。1960年に起きたこの事件を、若松監督は未成年者による殺人事件とは解釈せず、自国を愛するあまりに直接行動に出た17歳の少年の純粋さに共鳴している。17歳のときに実家を飛び出して上京した若松監督は、この事件当時はまだピンク映画『甘い罠』(63)で監督デビューする前の何者でもなかった。何者でもなかったこのアウトロー監督にとって、よっぽど忘れがたい事件だったのだろう。また、この国のことを憂いていたのは山口二矢だけではなかった。獄中で山口二矢が首吊り自殺を遂げるシーンが映し出され、カメラがパーンすると、そこには書斎で短編小説『憂国』を執筆中の三島由紀夫(井浦新)の姿がある。戦後の日本社会が物質的に満たされていく一方、日本人の美しい心がけがれていく。日本語による美しい文章を綴る三島由紀夫には、そのことが堪え難かった。  自衛隊を武士道精神を受け継ぐ拠り所と考えた三島由紀夫は自衛隊に体験入隊し、自衛官たちと交流を重ねていく。そして、若者たちに呼び掛けて、民兵組織「楯の会」を結成する。運営費や制服代は、三島由紀夫の作家としての収益が当てられた。1960年代の大学を吹き荒れた学園紛争に反感を感じていた民族派の学生・持丸博(渋川清彦)や森田必勝(満島真之介)らが「楯の会」に参加し、麗しき男たちの王国が築かれる。国の未来を憂うことで一心同体となった彼らは、来るべき日のための訓練に汗を流し、酒を酌み交わし、『昭和残侠伝』(65)の主題歌「唐獅子牡丹」を朗々と歌う。三島由紀夫夫人・瑤子(寺島しのぶ)は女の自分が立ち入れない“男だけのユートピア”がちょっぴり羨ましげだ。
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多くの若者たちが三島のもとに集まるが、
「楯の会」に入会するには自衛隊で1カ月以上
の軍事訓練を体験しなくてはならなかった。
 三島由紀夫というとアブノーマルな作風からホモセクシャル疑惑がつきまとうが、若松監督はその点に関しては安易にスキャンダラスな描き方をしない。その代わり、三島由紀夫と森田必勝らは一緒にサウナ風呂に入る。タオル一枚で全身から玉のような汗をダラダラと流しながら、男たちは熱く語り合う。三島由紀夫を何よりも崇拝する森田必勝は「先生、ボクは死ぬことは怖くありません!」「この国のために、身を捧げることができるなら本望です!」と大きな目をギラギラさせながら三島に迫る。ついに三島は「楯の会」の中から信頼できるメンバーを率いて、行動に出ることを決意。市ヶ谷駐屯地で自衛官たちの決起を促し、その後“改憲”を訴えて自衛隊と共に国会を包囲するというクーデターを画策する。駐屯地に押し入る際の武器は、日本古来からの武器である日本刀のみ。決起を誓い合った三島由紀夫と若者たちは、今まで感じたことのない究極の恍惚感に酔いしれる。  みずから若松プロに電話して、『実録・連合赤軍』のオーディションに参加して以来、すっかり若松作品の常連俳優となったARATAこと井浦新。『11.25自決の日』と同時期に撮影した『海燕ホテル・ブルー』の公開時に話を聞いたところ、若松監督から三島由紀夫役を頼まれたのはクランクインの2か月前だったそうだ。 「若松監督からは『実録・連行赤軍』の撮影中に『右の次は左も撮るぞ』と聞いていたんですが、まさか自分が三島役をやるとは思いもしていませんでした。若松監督から頼まれたら断ることはできないんですが、正直なところ、うれしいというよりプレッシャーでしかなかったですよ(苦笑)。役づくりに1年あっても足りないくらいなのに、2か月ですから。でも、若松監督からは『物まね映画にはしない。お前の考える三島由紀夫を演じればいいんだ』と言われ、すごく気が楽になりましたね」と語ってくれた。以前より、1960年~1970年代の文化に興味があり、三島文学もたしなんでいたので、撮影前に慌てて三島由紀夫全集を読み直したりすることはなかったそうだ。三島由紀夫研究読本などに手を伸ばすこともなく、写真集『薔薇刑』などの撮影を通して三島由紀夫と親交のあった写真家・細江英公のエッセイなどを思い出しながら、三島由紀夫役に挑んだという。  ARATA時代の井浦新は、おしゃれでクールな印象が強かったが、「まだ見たことのない自分に会ってみたい」という純粋な想いから若松組に飛び込んでいった激情家の一面を持つ。ごく少人数での撮影だった『海燕ホテル・ブルー』の伊豆大島ロケでは、助監督代わりに現場での雑用も引き受け、初めて若松作品に出演する若手俳優には声を掛けて飲み会を開く好漢でもある。『実録・連合赤軍』で新しい自分の一面を引き出してくれた若松監督の期待に応えるため、精一杯の熱演を見せている。自衛隊での演習シーンで奇妙な走り方をするが、これは三島役のオファーを受ける直前に足の骨折で入院しており、無理矢理リハビリして撮影現場に入ったためと思われる。演技力うんぬんではなく、精神力勝負の現場だったようだ。森田必勝役を演じた満島真之介(満島ひかりの実弟)の黒目がちなギラギラした瞳も印象的。彼の一本気な情熱が、井浦のクールなルックスの裏に隠された激情を呼び起こし、男たちの物語はクライマックスへとなだれ込む。
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『キャタピラー』(10)に続いての若松
孝二作品への出演となった寺島しのぶ。三島
由紀夫の妻・瑤子を演じる。
 ポール・シュレイダー監督、緒形拳主演の日本未公開映画『Mishima:A Life In Four Chapters』(85)と同様に、本作の三島由紀夫も狂気と血に彩られた一生に一度きりの“聖なる神事”へと突き進む。総監室のバルコニーから自衛官たちに決起を呼び掛けるが、その声はヤジに掻き消されてしまう。でも、そんなことは三島由紀夫には織り込み済みだった。何よりも自分たちが行動することが大事なのであって、成功するかどうかは問題ではなかったのだ。自衛隊にはすでに武士道精神を持つ者がいないことを確認した三島由紀夫はおのれが武士としての死に様を見せることで、自分自身の物語の感動的なグランドフィナーレを迎える。その介錯を務めるのは、三島由紀夫が愛する美しい若者・森田必勝だ。  この5月、本作を携えて41年ぶりにカンヌ映画祭に参加した若松監督は、現在76歳。2011年には『11.25自決の日』『海燕ホテル・ブルー』だけでなく、中上健次原作『千年の悦楽』(今秋公開予定)も撮り上げている。今まさに、人生のクライマックスを謳歌しているといっては失礼だろうか。三島由紀夫は自らが潔く散ることに美を求めたが、若松監督は貪欲に生き抜くことで生の輝きを放っている。三島由紀夫の死と若松孝二の生が激突する。スクリーンからヤケドしそうなほどの熱い火花がほとばしる。 (文=長野辰次) mishimayukio_05.jpg ●『11.25自決の日 三島由紀夫と若者たち』 監督・脚本/若松孝二 企画協力/鈴木邦夫 脚本/掛川正幸 出演/井浦新、満島真之介、岩間天嗣、永岡佑、鉄之助、渋川清彦、大西信満、地曳豪、タモト清嵐、中泉英雄、長谷川公彦、韓英姫、小林優斗、小林三四郎、笠松伴助、小倉一郎、篠原勝之、吉澤健、寺島しのぶ  配給/若松プロ、スコーレ 6月2日(土)よりテアトル新宿ほか全国公開 <http://www.wakamatsukoji.org/11.25> (c)若松プロダクション ●深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】INDEX [第172回]実在の事件を題材にした“命の授業”『先生を流産させる会』がついに劇場公開! 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