批評家・佐々木敦が選ぶ3冊 エイズで亡くなった"幻のアーティスト"伝記

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──批評家による禁断のアーティスト本、大宅賞作家が選んだ禁忌な一冊、さらには、ネット発のカリスマバンドメンバーから人気グラビアアイドルまで、今年の賢人たちが選んだヤバい本を一気にレビュー![10年11月臨時増刊号所収]

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佐々木 敦(ささき・あつし) 64年、愛知県生まれ。批評家、HEADZ主宰。雑誌「エクス・ポ」、「ヒアホン」編集人。新聞、雑誌で文芸批評を行うほか、早稲田大学、武蔵野美術大学の非常勤講師を務める。近著に『ニッポンの思想』(講談社現代新書)、『文学拡張マニュアル ゼロ年代を超えるためのブックガイド』(青土社)など。

■モンドマンガ的遅咲きの異才、音楽の鬼才、哲学の異端が面白い  今回選んだ3冊は、それぞれに違った意味でヤバい本です。  1冊目は『洞窟ゲーム』【1】というマンガで、作者は「月刊漫画ガロ」の後継である「アックス」(共に青林工藝舎)で活躍中のまどの一哉。マンガはよく読むほうではないのですが、書店でたまたま見つけて、編集者・マンガ原作者の竹熊健太郎さんとSF作家の北野勇作さんが帯で褒めていたことから手に取りました。  ポイントは、まず作者が76年にデビューしており、34年目にして初の単行本であること。それゆえ、絵柄がまったく今風ではなく、劇画とマンガが区別できていなかった当時を偲ばせます。また内容的には、良い意味で精緻に構築されたSFとは異なり、どこか投げやりなところにヤバさがあります。  ガロ系作家の特徴はシュールさですが、これは適当さに換言することができるでしょう。マンガ家では蛭子能収、小説家では中原昌也にいえることだと思いますが、作者がいろんな理由で適当に書いたものが、なぜか不条理に見えてくる。「アックス」に掲載されたインタビューを読むと、まどの氏が至って真面目な人物であることがわかります。しかし、なぜかストーリーが途中からアサッテの方向に駆け出してしまう(笑)。最初から適当な作家とは違い、本人が真剣であることが巧まざる笑いを生み、いい具合のシュールさにつながっているのだと思います。  90年代、作者は真剣だけれどアンバランスな作風であるモンドマンガがブームになりましたが、そこですくい上げられることがなかった人がまだいて、この201 0年になって突然、特に話題になることもなく世に出てきたことも面白い。内容も、全体的に70年代──筒井康隆さんなどが元気だった頃の雰囲気を彷彿とさせます。  続いて、『アーサー・ラッセル ニューヨーク、音楽、その大いなる冒険』【2】。これは、92年にエイズで他界した、作曲家・チェロ奏者のアーサー・ラッセルの伝記です。彼はニューヨークのクラブシーンの最前線にいながら、フィリップ・グラスらと交流する現代音楽の作曲家でもあり、シンガーソングライターとしても良作を発表していましたが、どの活動もマニアックな評価を得ながらも、最後までほとんど売れませんでした。当時からアメリカ音楽界のキーパーソンとして知られていたものの、リリースがあまりなかったこともあり、なかなか音源が手に入らない幻のアーティストでした。しかしゼロ年代に入り、彼の音源を専門に復刻するレーベルが登場。リリースが相次ぎ、亡くなってから評価が追いついてきた人だといえます。  今では日本でもほとんどの作品を聴くことができますが、オムニバスでさまざまな作品が楽しめる『ザ・ワールド・オブ・アーサー・ラッセル』、エコーを最大限に上げた状態でチェロの弾き語りをした異色作『ワールド・オブ・エコー』などがオススメです。  この本にはさまざまなヤバさがあるのですが、そもそもこの音楽書が売れない時代に、わざわざ幻のアーティストの本を翻訳して出したのがスゴい(笑)。音楽書を専門に手掛ける「P-Vi ne」ならではの蛮勇です。  本の内容も刺激的です。アーサーは音楽に関して雑食で、広い分野の知識を持って時代の最先端を走っていましたが、それは「快楽」に関しても同じでした。不特定多数の同性とセックスをしているうちにエイズに感染し、病状が進んだ晩年には、がんと認知症を併発。そんな中で、彼がヘッドフォンで自分の曲を聴きながら、ニューヨークの街を徘徊していたことなどが生々しく描かれています。彼の葬儀には、各界の大物が集まり、初めて彼自身の偉大さが明らかになったそうです。  この本を読んで、あらためてアーサーの楽曲を聴いてみると、刺激的でカッコよく、先進的なものが多い。アカデミックな現代音楽とクラブミュージックは別物だと思われがちですが、その両方でしっかり立っている彼は、まさに偉大な音楽家。彼の評価はまだ始まったばかりで、その音楽的なヤバさは汲み尽くされていません。この本によって注目が集まってほしいと思います。  余談ですが、この本のヤバさとしては、近年まれに見るウルトラ直訳も挙げられます。というか、部分的にはほとんど日本語になっていない(笑)。読むことにスゴく抵抗感がある訳文なのに、それを補うに余りある内容だったので、なおさらおすすめしたいですね。  最後は、『ポストモダンの共産主義』【3】。スロベニア出身の精神分析家、思想家のスラヴォイ・ジジェクが09年出版(原著)したばかりの本です。本書で彼は、「今こそコミュニズムの時代だ」と主張しています。まずは、それがスゴいと思う。  東西対立の構造もなくなり、右翼/左翼という区別がナンセンスになって久しい時代ですが、一方で、ワーキングプア問題やロスジェネの議論があり、雇用問題でデモが起こるようにもなった。湯浅誠さんや雨宮処凛さんらが注目を集め、左翼的な感覚がリアルなものになっている。また他方で、「資本主義が過剰に進んだ結果、リーマンショックが起きたけれど、結局は資本主義でいくしかない」という意見もある。でも僕には、それらは資本主義をめぐる議論の裏表にしか思えないんです。ジジェクは、ちゃんと問題を相対化した上で、それでも「マルクスをやってやろう」と言ってる(笑)。  完全に平等で理想的な共産主義が確立されたらいいだろうけれど、それは現実的に考えて不可能ですよね。だからジジェクの主張は強引なんですが、同時に貴重さを感じます。彼の非現実的な主張は決して無意味ではなく、アリなんじゃないかと思わされるのです。  かつては「大きな物語」があって、それが崩壊したのがポストモダン。そして現在は、「大きな物語」が「小さな物語」になり、それが「より小さな物語」に......と、細分化が進んだ挙げ句、最終的に「自分の得になるように行動すればいいや」という状況です。日本でも「功利主義的な発想が蔓延する中で、皆がエゴイスティックに振る舞ってもうまく回るような社会を作らなければならない」という議論がありますが、そのための方向性として示されている道は、おそらく2つ。ひとつは東浩紀さん以降のアーキテクチャの発想で、人々が好き勝手に動いても、全体としてうまくいく調整機能を持った不可視のシステムを作る。もうひとつは、宮台真司さんなどが主張しているエリート官僚主義で、まずは衆愚を認めて、優れた人たちが市民の行動を調整するやり方です。  そんな中でジジェクは、「いやいや、共産主義でしょ」と言う。最初は「このオッサン、何を言ってるんだ?」と思うのだけど、読み進めると「本気だな」ということがわかる。柄谷行人も10年に刊行した『世界史の構造』(岩波書店)の中で、「暴力なしの世界同時革命」を謳っていますが、一見して実現不可能なことを理論的にしっかり補強しながら、強弁することのヤバさを感じます。  ジジェクの本は、「暗号の解読書が暗号化されている」ような、煙に巻かれるような内容のものが多いのですが、この本に限ってはかなりわかりやすい。こうしたアクチュアルな哲学書を、学生でも買える新書で出したことも評価したいですね。 (構成/神谷弘一 blueprint、G.B.) 【1】『洞窟ゲーム』 まどの一哉/青林工藝舎(10年)/1365円 不条理な世界観でコアなファンを抱える、まどの一哉の処女短編集。雑誌「アックス」に発表した短編の中から、「洞窟ゲーム」「プロペラ」など、よりすぐりの作品を収録。

【2】『アーサー・ラッセル ニューヨーク、音楽、その大いなる冒険』 ティム・ローレンス著、野田努監修、山根夏実訳/ P‐Vine BOOks(10年)/3465円 70~80年代のニューヨーク、アンダーグラウンドの音楽シーンを代表する"伝説的アーティスト"、アーサー・ラッセルの伝記。

【3】『ポストモダンの共産主義 はじめは悲劇として、二度めは笑劇として』 スラヴォイ・ジジェク著、栗原百代訳/ちくま新書(10年)/945円 闘う思想家=ジジェクが、混迷の2000年代を分析。資本主義イデオロギーの限界と、世界を変革に導く「まったく新しいコミュニズム」。

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月額525円読み放題! (バックナンバー含む)

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──批評家による禁断のアーティスト本、大宅賞作家が選んだ禁忌な一冊、さらには、ネット発のカリスマバンドメンバーから人気グラビアアイドルまで、今年の賢人たちが選んだヤバい本を一気にレビュー![10年11月臨時増刊号所収]
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佐々木 敦(ささき・あつし) 64年、愛知県生まれ。批評家、HEADZ主宰。雑誌「エクス・ポ」、「ヒアホン」編集人。新聞、雑誌で文芸批評を行うほか、早稲田大学、武蔵野美術大学の非常勤講師を務める。近著に『ニッポンの思想』(講談社現代新書)、『文学拡張マニュアル ゼロ年代を超えるためのブックガイド』(青土社)など。

■モンドマンガ的遅咲きの異才、音楽の鬼才、哲学の異端が面白い  今回選んだ3冊は、それぞれに違った意味でヤバい本です。  1冊目は『洞窟ゲーム』【1】というマンガで、作者は「月刊漫画ガロ」の後継である「アックス」(共に青林工藝舎)で活躍中のまどの一哉。マンガはよく読むほうではないのですが、書店でたまたま見つけて、編集者・マンガ原作者の竹熊健太郎さんとSF作家の北野勇作さんが帯で褒めていたことから手に取りました。  ポイントは、まず作者が76年にデビューしており、34年目にして初の単行本であること。それゆえ、絵柄がまったく今風ではなく、劇画とマンガが区別できていなかった当時を偲ばせます。また内容的には、良い意味で精緻に構築されたSFとは異なり、どこか投げやりなところにヤバさがあります。  ガロ系作家の特徴はシュールさですが、これは適当さに換言することができるでしょう。マンガ家では蛭子能収、小説家では中原昌也にいえることだと思いますが、作者がいろんな理由で適当に書いたものが、なぜか不条理に見えてくる。「アックス」に掲載されたインタビューを読むと、まどの氏が至って真面目な人物であることがわかります。しかし、なぜかストーリーが途中からアサッテの方向に駆け出してしまう(笑)。最初から適当な作家とは違い、本人が真剣であることが巧まざる笑いを生み、いい具合のシュールさにつながっているのだと思います。  90年代、作者は真剣だけれどアンバランスな作風であるモンドマンガがブームになりましたが、そこですくい上げられることがなかった人がまだいて、この201 0年になって突然、特に話題になることもなく世に出てきたことも面白い。内容も、全体的に70年代──筒井康隆さんなどが元気だった頃の雰囲気を彷彿とさせます。  続いて、『アーサー・ラッセル ニューヨーク、音楽、その大いなる冒険』【2】。これは、92年にエイズで他界した、作曲家・チェロ奏者のアーサー・ラッセルの伝記です。彼はニューヨークのクラブシーンの最前線にいながら、フィリップ・グラスらと交流する現代音楽の作曲家でもあり、シンガーソングライターとしても良作を発表していましたが、どの活動もマニアックな評価を得ながらも、最後までほとんど売れませんでした。当時からアメリカ音楽界のキーパーソンとして知られていたものの、リリースがあまりなかったこともあり、なかなか音源が手に入らない幻のアーティストでした。しかしゼロ年代に入り、彼の音源を専門に復刻するレーベルが登場。リリースが相次ぎ、亡くなってから評価が追いついてきた人だといえます。  今では日本でもほとんどの作品を聴くことができますが、オムニバスでさまざまな作品が楽しめる『ザ・ワールド・オブ・アーサー・ラッセル』、エコーを最大限に上げた状態でチェロの弾き語りをした異色作『ワールド・オブ・エコー』などがオススメです。  この本にはさまざまなヤバさがあるのですが、そもそもこの音楽書が売れない時代に、わざわざ幻のアーティストの本を翻訳して出したのがスゴい(笑)。音楽書を専門に手掛ける「P-Vi ne」ならではの蛮勇です。  本の内容も刺激的です。アーサーは音楽に関して雑食で、広い分野の知識を持って時代の最先端を走っていましたが、それは「快楽」に関しても同じでした。不特定多数の同性とセックスをしているうちにエイズに感染し、病状が進んだ晩年には、がんと認知症を併発。そんな中で、彼がヘッドフォンで自分の曲を聴きながら、ニューヨークの街を徘徊していたことなどが生々しく描かれています。彼の葬儀には、各界の大物が集まり、初めて彼自身の偉大さが明らかになったそうです。  この本を読んで、あらためてアーサーの楽曲を聴いてみると、刺激的でカッコよく、先進的なものが多い。アカデミックな現代音楽とクラブミュージックは別物だと思われがちですが、その両方でしっかり立っている彼は、まさに偉大な音楽家。彼の評価はまだ始まったばかりで、その音楽的なヤバさは汲み尽くされていません。この本によって注目が集まってほしいと思います。  余談ですが、この本のヤバさとしては、近年まれに見るウルトラ直訳も挙げられます。というか、部分的にはほとんど日本語になっていない(笑)。読むことにスゴく抵抗感がある訳文なのに、それを補うに余りある内容だったので、なおさらおすすめしたいですね。  最後は、『ポストモダンの共産主義』【3】。スロベニア出身の精神分析家、思想家のスラヴォイ・ジジェクが09年出版(原著)したばかりの本です。本書で彼は、「今こそコミュニズムの時代だ」と主張しています。まずは、それがスゴいと思う。  東西対立の構造もなくなり、右翼/左翼という区別がナンセンスになって久しい時代ですが、一方で、ワーキングプア問題やロスジェネの議論があり、雇用問題でデモが起こるようにもなった。湯浅誠さんや雨宮処凛さんらが注目を集め、左翼的な感覚がリアルなものになっている。また他方で、「資本主義が過剰に進んだ結果、リーマンショックが起きたけれど、結局は資本主義でいくしかない」という意見もある。でも僕には、それらは資本主義をめぐる議論の裏表にしか思えないんです。ジジェクは、ちゃんと問題を相対化した上で、それでも「マルクスをやってやろう」と言ってる(笑)。  完全に平等で理想的な共産主義が確立されたらいいだろうけれど、それは現実的に考えて不可能ですよね。だからジジェクの主張は強引なんですが、同時に貴重さを感じます。彼の非現実的な主張は決して無意味ではなく、アリなんじゃないかと思わされるのです。  かつては「大きな物語」があって、それが崩壊したのがポストモダン。そして現在は、「大きな物語」が「小さな物語」になり、それが「より小さな物語」に......と、細分化が進んだ挙げ句、最終的に「自分の得になるように行動すればいいや」という状況です。日本でも「功利主義的な発想が蔓延する中で、皆がエゴイスティックに振る舞ってもうまく回るような社会を作らなければならない」という議論がありますが、そのための方向性として示されている道は、おそらく2つ。ひとつは東浩紀さん以降のアーキテクチャの発想で、人々が好き勝手に動いても、全体としてうまくいく調整機能を持った不可視のシステムを作る。もうひとつは、宮台真司さんなどが主張しているエリート官僚主義で、まずは衆愚を認めて、優れた人たちが市民の行動を調整するやり方です。  そんな中でジジェクは、「いやいや、共産主義でしょ」と言う。最初は「このオッサン、何を言ってるんだ?」と思うのだけど、読み進めると「本気だな」ということがわかる。柄谷行人も10年に刊行した『世界史の構造』(岩波書店)の中で、「暴力なしの世界同時革命」を謳っていますが、一見して実現不可能なことを理論的にしっかり補強しながら、強弁することのヤバさを感じます。  ジジェクの本は、「暗号の解読書が暗号化されている」ような、煙に巻かれるような内容のものが多いのですが、この本に限ってはかなりわかりやすい。こうしたアクチュアルな哲学書を、学生でも買える新書で出したことも評価したいですね。 (構成/神谷弘一 blueprint、G.B.) 【1】『洞窟ゲーム』 まどの一哉/青林工藝舎(10年)/1365円 不条理な世界観でコアなファンを抱える、まどの一哉の処女短編集。雑誌「アックス」に発表した短編の中から、「洞窟ゲーム」「プロペラ」など、よりすぐりの作品を収録。

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"黒歴史"をお金に換えるキャンペーン中止! 懸賞金100万円で犯人探し始まる!!

※画像:ダウンロードサイト「DLsite.com」より
【メンズサイゾーより】  同人誌や同人ゲームは欲しいけど、店頭で買うのは恥ずかしいし、保管に困る! という人は多いだろう。そんな方にオススメなのが、インターネット上でそれらをデータとして購入できるサイト「DLsite.com」だ。こちらを利用すれば、店頭に赴く必要もなく、人目を気にせず、登録されている83,000作品を何時間だって選び放題。人気作品もランキングで一目瞭然で、お好みのジャンルもワンクリックで絞りこめる。もちろん、データゆえ保管場所に困るということもないだろう。  現在、隆盛を極めつつあるアニメ・マンガカルチャーだが、企業作品から個人作品まで縦横無尽に取り扱っている「DLsite.com」が……

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明石家さんま、ダウンタウン、とんねるず……大御所たちが続々とライブ回帰のワケは!?


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とんねるずのみなさんのおかげでした 博士と助手 細かすぎて伝わらないモノマネ選手権 Season2 Vol.1 「デオデオデオデオ」
 先日、吉本興業からあるライブイベントに関する発表があった。4月8日に行われる「吉本興業創業100周年初日公演(4回目)」にて、明石家さんま、ダウンタウンの出演が決定したというのだ。  さんまは月亭八方、間寛平、村上ショージ、ジミー大西、今田耕司らとともに、かつての人気番組『さんまの駐在さん』(朝日放送)を復活させるという。一方のダウンタウンは「ポケットミュージカルス」と題された企画で今田耕司、130R、東野幸治、木村祐一らと共演する。この公演は、大阪・なんばグランド花月のリニューアルオープンを記念して開催されるもの。吉本の二大看板を張る両者が、久しぶりに吉本の舞台に上がることになった。  さんまとダウンタウンはいずれも、若い頃にテレビに出演して人気が出てきてからは、吉本の劇場に出る機会がなくなっていた。例えば、2007年から10年にかけて行われた吉本芸人が総出演するお笑いフェスティバル「LIVE STAND」にも、彼らは一度も出演していない。いわゆる吉本の“公式行事”のようなものには、さんまとダウンタウンは姿を現さないというのが慣例のようになっていた。だからこそ、今回のような事務所主導の企画で彼らが吉本の舞台に上がるというのは本当に珍しいことだ。  さんまは、テレビの仕事の合間を縫って、自らがプロデュースする舞台を1992年からほぼ毎年行っている。一方のダウンタウンは、東京に進出してからはその種のライブ活動もほとんど行っていない。ダウンタウンのファンにとっては、今回の公演はまたとない貴重な機会となるはずだ。  また、3月15日放送の『とんねるずのみなさんのおかげでした』(フジテレビ)では、とんねるずの木梨憲武の口から衝撃的な発言が飛び出した。番組内では、3月8日から10日にかけて東京・日本橋三井ホール行われた木梨のソロイベント「NORITAKE GUIDE 5.0」の模様が放送されていた。そこで最終日にサプライズゲストとして登場したのは、相方の石橋貴明だった。2人でヒット曲「一番偉い人へ」を歌い終えた後、木梨は「来年あたり、とんねるずで(ライブを)やりますか」とライブ開催を高らかに宣言した。さらに、木梨は自身のブログでも「あきとんねるずらいぶあるかも、ありがとう」という意味深なコメントを残した。来年ではなく今年の秋にとんねるずのライブが行われるのだろうか? かつては歌手として全国を回りながら、苗場プリンスホテルで毎年コントライブを行っていたこともあるとんねるず。彼らもここへ来て改めてライブ活動に興味を示しているのだ。  明石家さんま、ダウンタウン、そしてとんねるず……。大御所芸人たちのライブ回帰は何を意味するのか? それは恐らく、芸人として節目を迎えた彼らが「第二の芸人人生」を模索するための試みのひとつだ。さんまとダウンタウンが所属する吉本興業は今年で創業100周年。また、ダウンタウンは結成30周年の節目の年でもある。一方のとんねるずはこの3月に木梨が誕生日を迎えて、2人ともちょうど50歳になった。キャリアを重ねてそれなりの地位を築いた今だからこそ、テレビだけではなくライブでも自分たちのパフォーマンスを見せたいという意識が高まっているのだろう。  彼らのライブ回帰は、お笑いライブ市場を活性化するきっかけにもなるかもしれない。今の若手お笑いライブの主な客層は若い女性である。だが、大御所芸人のライブとなれば、もっと上の世代がライブ会場に足を運ぶことも考えられる。お笑いシーンを盛り上げてもらうためにも、彼らには単なる一過性のイベントではなく、芸人魂を込めた熱いライブを期待したいものだ。 (お笑い評論家・ラリー遠田)
とんねるずのみなさんのおかげでした 博士と助手 細かすぎて伝わらないモノマネ選手権 Season2 Vol.1 年末のPODCASTから何か予感めいたものは。 amazon_associate_logo.jpg
【関連記事】 ・松本人志 結婚発表で突如訪れたカリスマの「幼年期の終わり」とんねるず 暴れ放題で天下を取った「学生ノリと楽屋オチの帝王学」明石家さんま テレビが生んだ「史上最大お笑い怪獣」の行く末今田耕司 好きな司会者第3位にランクされる「代弁者としての3つの極意」愛されアナーキスト・笑福亭鶴瓶が極めた「玄人による素人話芸」とは

明石家さんま、ダウンタウン、とんねるず……大御所たちが続々とライブ回帰のワケは!?


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 先日、吉本興業からあるライブイベントに関する発表があった。4月8日に行われる「吉本興業創業100周年初日公演(4回目)」にて、明石家さんま、ダウンタウンの出演が決定したというのだ。  さんまは月亭八方、間寛平、村上ショージ、ジミー大西、今田耕司らとともに、かつての人気番組『さんまの駐在さん』(朝日放送)を復活させるという。一方のダウンタウンは「ポケットミュージカルス」と題された企画で今田耕司、130R、東野幸治、木村祐一らと共演する。この公演は、大阪・なんばグランド花月のリニューアルオープンを記念して開催されるもの。吉本の二大看板を張る両者が、久しぶりに吉本の舞台に上がることになった。  さんまとダウンタウンはいずれも、若い頃にテレビに出演して人気が出てきてからは、吉本の劇場に出る機会がなくなっていた。例えば、2007年から10年にかけて行われた吉本芸人が総出演するお笑いフェスティバル「LIVE STAND」にも、彼らは一度も出演していない。いわゆる吉本の“公式行事”のようなものには、さんまとダウンタウンは姿を現さないというのが慣例のようになっていた。だからこそ、今回のような事務所主導の企画で彼らが吉本の舞台に上がるというのは本当に珍しいことだ。  さんまは、テレビの仕事の合間を縫って、自らがプロデュースする舞台を1992年からほぼ毎年行っている。一方のダウンタウンは、東京に進出してからはその種のライブ活動もほとんど行っていない。ダウンタウンのファンにとっては、今回の公演はまたとない貴重な機会となるはずだ。  また、3月15日放送の『とんねるずのみなさんのおかげでした』(フジテレビ)では、とんねるずの木梨憲武の口から衝撃的な発言が飛び出した。番組内では、3月8日から10日にかけて東京・日本橋三井ホール行われた木梨のソロイベント「NORITAKE GUIDE 5.0」の模様が放送されていた。そこで最終日にサプライズゲストとして登場したのは、相方の石橋貴明だった。2人でヒット曲「一番偉い人へ」を歌い終えた後、木梨は「来年あたり、とんねるずで(ライブを)やりますか」とライブ開催を高らかに宣言した。さらに、木梨は自身のブログでも「あきとんねるずらいぶあるかも、ありがとう」という意味深なコメントを残した。来年ではなく今年の秋にとんねるずのライブが行われるのだろうか? かつては歌手として全国を回りながら、苗場プリンスホテルで毎年コントライブを行っていたこともあるとんねるず。彼らもここへ来て改めてライブ活動に興味を示しているのだ。  明石家さんま、ダウンタウン、そしてとんねるず……。大御所芸人たちのライブ回帰は何を意味するのか? それは恐らく、芸人として節目を迎えた彼らが「第二の芸人人生」を模索するための試みのひとつだ。さんまとダウンタウンが所属する吉本興業は今年で創業100周年。また、ダウンタウンは結成30周年の節目の年でもある。一方のとんねるずはこの3月に木梨が誕生日を迎えて、2人ともちょうど50歳になった。キャリアを重ねてそれなりの地位を築いた今だからこそ、テレビだけではなくライブでも自分たちのパフォーマンスを見せたいという意識が高まっているのだろう。  彼らのライブ回帰は、お笑いライブ市場を活性化するきっかけにもなるかもしれない。今の若手お笑いライブの主な客層は若い女性である。だが、大御所芸人のライブとなれば、もっと上の世代がライブ会場に足を運ぶことも考えられる。お笑いシーンを盛り上げてもらうためにも、彼らには単なる一過性のイベントではなく、芸人魂を込めた熱いライブを期待したいものだ。 (お笑い評論家・ラリー遠田)
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懐柔策もそろそろ限界! AKB48キャンダル、秋には解禁?

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プライベートに気をつけて〜
【サイゾーウーマンより】  いまだ衰えぬAKB48人気。世間を飽きさせないさまざまな仕掛けはもちろん、メディアとより良い関係を築いたこともAKB人気が長く続いている理由だろう。本来なら敵である週刊誌やゴシップ誌の取材も積極的に受けることで懐柔し、スキャンダルを封じ、ファン離れを起こさせないことに成功している。しかしそんなスキャンダル封じが通じるのも今年夏まででは……と週刊誌関係者は語る。 「『週刊文春』(文藝春秋)、『週刊新潮』(新潮社)以外は写真集利権などを与えてもらっているため、AKBネタはNGなのは有名です。しかし高橋みなみの母親の逮捕事件を報じなかったことから、新聞、週刊誌の姿勢を疑う声があがり始めている。取材を行う記者からも不満の声があがりつつあります。AKB御用達週刊誌と揶揄されているある週刊誌では、そんな姿勢に嫌気がさしてかこの1年間で複数の記者が他誌へ移籍しているほど」(週刊誌記者)

電通・みずほ・トヨタ・ANA……経済評論家・佐高信に聞く、巨大企業の「裏の顔」とは?

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──言わずもがな、マスコミ最大のタブーは、広告という「飯のタネ」を提供してくれる数々の大手企業のスキャンダルだ。特に就職先としても人気の高い優良企業は、膨大な広告費を持つゆえ、いいイメージばかりが流布される。「裏の顔」があることは誰もがわかっているのに......では、そんな虚飾に満ちた企業の実態を知るに最適な本はないものか?[07年6月号所収]

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(正木 猛/写真)
 そこで、"企業に最も嫌われている評論家"として、忌憚ない企業批判を展開してきた佐高信氏の元を訪ねた──。 佐高(以下、) そもそも、いまだに若者には、企業、特に日本を代表するような大企業は素晴らしいものだという誤解があるよね。でも、企業は、封建制で成り立っているもの。江戸時代の藩と一緒なんだよ。トヨタ藩であり、松下藩である。だから社長は世襲が多いし、従業員には言論の自由もないから、企業にとって不都合な情報は表に出にくい。そんな中で、企業の実態を知るために読むべきなのが、経済小説だね。 ──でも、小説ということは、フィクションですよね?  いや。経済小説は、基本的に実在する企業や人物をモチーフにしているし、ノンフィクションより緻密な取材をしている。売れっ子作家は、取材費もそれなりにかけられるから、情報も濃い。一方、ルポやノンフィクションの場合は、広報部を通して企業内部を取材をすることがほとんどだ。そのほうが楽だし、訴訟などのトラブルも避けられる。雑誌を持つ大手出版社は、広告的な付き合いもあるしね。でも、それじゃ、企業側に都合の悪いことは書けっこない。 ──小説のほうが、ノンフィクションより真実に近いという、ねじれ現象が起きていると。  そう。小説なら、企業名や人名を変えることで、ギリギリのことが書ける。特に故・城山三郎さん、清水一行さんという作家は、周辺取材だけで、作品に登場する人物のモデルには会わないんだよね。会わないからこそ、遠慮なく事実に迫ることができる。もちろん、脚色された部分はあるけど、本質的な部分は、事実とそう異ならない。だから、結局は名誉毀損で訴えられたり、抗議を受けるのも、小説のほうが多いんだよ。かつては、故・梶山季之の『生贄』(徳間書店)という本があった。日本のインドネシア賠償に絡んだ汚職をモチーフにしたものだけど、インドネシアへの"生贄"として、日本人女性が大統領に嫁ぐんだ。モデルはもちろん、デヴィ夫人だけど、その後、彼女に訴えられて絶版になった。高杉良さんの『濁流』【1】では、ある政界フィクサーをモデルにしてるけど、「週刊朝日」(朝日新聞出版)連載中にモデル本人から内容証明郵便が山ほど届き、連載中に主人公の名前を変更したことがある。だけど、どちらも、すごく面白い。 ──経済小説は、ジャーナリズムでもあると。  その側面は強いね。日本の小説というのは、明治以来、私小説の類ばかりで、サラリーマンからすれば、そんな青っちょろい話は読めないでしょ。病気になった奥さんの下着を洗うような話とか。そこで、ジャーナリスティックな書き手による経済小説が生まれた。企業というのは日々、権力争いやら不正やらが行われているドラマの宝庫だからね。しかも、そうした闇を表に出すことは、社会的に意味があるわけだから。 ──なるほど。ちなみに、リクルートの就職人気企業ランキング(08年度)のトップは、みずほフィナンシャルグループで、2位が全日空、3位に三菱東京UFJ銀行です。これらの企業に関する経済小説で、お勧めの作品はありますか?  銀行が1位と3位? 驚きだね。銀行なんて、封建社会の最たるもの。こんなところに入りたいバカがいるかっていう話だよ。いかに、銀行の実態が知られていないかがわかるね。経済小説の舞台でいちばん多いのは、銀行なんだ。なぜなら、いちばん腐っているから(笑)。でも、銀行はイメージ産業だから、その腐敗ぶりを隠そうとする。そこにつけ込むのが、総会屋。結局、銀行内で権力を握る者は、闇社会との付き合いも必然的に生まれる。こうした企業と闇社会との話が、経済小説の大きな流れのひとつだな。城山さんの出世作は、総会屋を描いた『総会屋錦城』【2】。清水さんの出世作『虚業集団』【3】のモデルは、芳賀龍臥。芳賀といえば、のちに西武の利益供与事件で逮捕される総会屋だよね。みずほに触れた作品の代表格である、高杉良さんの『金融腐蝕列島』(角川文庫)も、みずほの前身・第一勧業銀行をモデルに、銀行と総会屋など闇の勢力とのつながりを描いている。同行は、第一銀行系と勧業銀行系が、たすきがけで人事を決めていた。そこに総会屋がつけ入るスキができたわけ。それを教訓に、次の合併では、第一勧銀と富士銀行と日本興業銀行の3行合併をした。3行なら、たすきがけができないからね。それでも、頭取をどこが出すかでモメて、ATMの主導権争いでトラブルも起こした。こうした経緯は、高杉さんの『銀行大統合』【4】に詳しいよ。 ──ランキング2位の全日空は?  これも信じがたい。日本航空よりはマシということか(笑)。航空会社というのは、ポリティカル・カンパニーなんだよ。つまり、政治に首根っこ押さえられているのね。日航には政官界工作のため、族議員に100枚綴りの無料航空券を配り歩く部隊があったし、全日空にはロッキード事件があった。そこでは、右翼の黒幕・児玉誉士夫とのつながりまでがあったわけだ。こうした舞台裏は、本所次郎さんの『金色の翼』【5】に書かれている。 ■信じるに足る経済小説の選び方 ──さらに、4位はトヨタ、日立が5位、6位が電通です。  日立でいえば、三好徹の『白昼の迷路』【6】というのがある。IBM産業スパイ事件の話なんだけど、この話を書くキッカケは、三好さんの友人の息子さんの自殺なんだよ。日立に入った彼は、新入社員の時に政治的な意識もなく、労働組合の大会をふと覗いた。するとその後、会社側から、社員寮で私物検査をやられる。「おかしいじゃないか」と抗議をしたら、問題社員のレッテルをはられ、さんざん追及された。挙げ句に精神に変調を来して、自殺をするという悲劇を生んだんだ。そこで、義憤に駆られた三好さんが、日立の問題を書くことになった。 ──そのほかの2社、トヨタは広告出稿量が日本一の企業、電通はその広告を分配する元締め。まさに、マスコミの2大タブー企業ですね。  この2社は、出版社からしたら小説としても扱いづらいようで、お勧めできるのは、大下英治の『小説電通』【7】くらいかな。まさに電通が広告という飴を使って、メディアをコントロールしているさまを描いている。あとは、小説ではなく、手前味噌になるけど、(佐高氏が発行人を務める)「週刊金曜日」(金曜日)でのルポをまとめた『トヨタの正体』【8】と『電通の正体』【9】は読んでほしいね。巨大化と合理化によってさまざまな弊害を生み出すトヨタと、広告に汚染された現代社会で隠然たる力を持つ電通の実態に迫っているから。いずれにせよ、就活中の学生には、会社案内やリクルート本だけじゃなくて、経済小説も読んでもらいたいな。もちろん、社会人にとっても最低限の常識だよ。 ──経済小説を読むことの意味はわかりました。しかし、読んでみると、ちょうちん小説だったりすることも多いんです。いい経済小説を選ぶ基準ってありますか?  作家で選ぶのは、重要だよね。城山、清水、高杉。売れっ子の中でいちばんダメなのは、江上剛(苦笑)。 ──江上さんは元第一勧銀マンですが、佐高さんもかつて推薦していませんでしたっけ?  最初は、オレと高杉さんは推したんだけど、そのあと、木村剛が創設した日本振興銀行の社外取締役に就任したんだ。表向きは、まったく関係がないように見せているけどね。この前、朝日新聞の城山三郎さん追悼記事に、江上がコメントを寄せていてびっくりしたよ。彼は城山さんが、いちばん嫌うタイプだよ。そのときの朝日の記事は、ひどかった。江上のほかに、牛尾治朗ウシオ電機会長や、平岩外四元経団連会長に、城山作品を語らせている。牛尾は、リクルート事件で失脚していた人。平岩は、城山さんの作品の中で、『粗にして野だが卑ではない』(文春文庫)を推しているんだけど、この作品は勲章を拒否した実業家・石田礼助の話だよ。それを、勲章を喜々としてもらった平岩が推薦してどうする? 朝日の経済部も、もう少し経済小説を読んだほうがいいわな。 (和田キヨシ/文) 【1】『濁流 企業社会・悪の連鎖』(上・下巻) 高杉良/角川文庫(02年)/各680円 経済誌のオーナー・杉野は、新興宗教にハマる大物フィクサー。大企業や財界人の弱みにつけ込んでは、広告料などの名目で巨額のカネを集める杉野に、政官財界は翻弄され続ける。

【2】『総会屋錦城』 城山三郎/新潮文庫(63年)/620円 「どの大企業にも、数匹、数十匹のダニがついている。用といえば、年に二回の総会ですごんだ声をかけるだけ」。株主総会やその裏で暗躍する総会屋のボスを描く直木賞受賞作品。

【3】『虚業集団』 清水一行/集英社文庫(77年)/377円 戦後の混乱期に戸籍を消された上条健策は、独特の手口で手形の回った企業をそっくり食い続ける知能ギャング。モデルは、後に西武総会屋利益供与事件で逮捕される芳賀龍臥。

【4】『銀行大統合』 高杉 良/講談社文庫(04年)/770円 第一勧業銀行、富士銀行、日本興業銀行の各トップは、金融界の大再編に着手した──。トップ同士の調整や会談など、メガバンク誕生の真相に迫る。

【5】『金色の翼 暴かれた航空機商戦』(上・下巻) 本所次郎/読売新聞社(97年)/各1470円 運輸行政の裏で、米国の航空機メーカーからのリベートに群がる政官財の大物たち。ロッキード事件をモチーフに、元総理逮捕へと拡大する航空会社を舞台にした汚職を描く。

【6】『白昼の迷路』 三好 徹/文藝春秋(86年)/1050円 1982年に起こった、IBMの機密を盗んだとして、日立製作所の社員が逮捕された産業スパイ事件がモチーフ。スパイ事件で明らかになった、企業と社員の冷酷なる関係を描く。

【7】『小説電通』 大下英治/ぶんか社(03年)/1575円 メディアへの影響力を駆使して、ほかの代理店をメインにすえる企業をクライアントとして奪う、巨大広告代理店の実態を描く。四半世紀前の小説だが、業界構造は今も変わらず。

【8】『トヨタの正体 マスコミ最大のパトロン』 横田一ほか/金曜日(06年)/1050円 〈プリウスは環境に優しくない〉〈最高級車レクサスと、100万円以上も安いマークXの構造は同じ〉〈格差が歴然とした労働環境〉......暴走する"世界のトヨタ"を徹底批判。

【9】『電通の正体 マスコミ最大のタブー』 週刊金曜日取材班/金曜日(06年)/1260円 テレビや新聞、雑誌といったマスメディアのみならず、五輪や万博、そして、選挙や政局までも動かす力を持つまでに成長した電通の知られざるバックグラウンドをレポート。

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「原発がどんなものか知ってほしい」ネット上を浮遊する原発現場監督の遺言

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『福島原発 現場監督の遺言』(講談社)
 「原発がどんなものか知ってほしい」というタイトルのテキストがネット上に出回っている(http://www.iam-t.jp/HIRAI/)。  さまざまなサイトに転載されているこのテキストは、現場監督として原発に携わってきた一級プラント配管技能士・平井憲夫氏の講演録だ。1997年、58歳の若さで亡くなった平井氏。しかし、このテキストだけが独り歩きし、これまでネットの世界で生き延びてきた。  そんな平井氏とともに、原発を取材してきたのが『福島原発 現場監督の遺言』(講談社)を刊行したジャーナリストの恩田勝亘だ。本書は、生前に行われた平井氏との取材の様子や、平井氏が遺した言葉などから、原発の現場が抱える構造的な問題を浮かび上がらせる。  恩田と平井氏の出会いは86年。折しも、チェルノブイリ事故が起こるほんの数カ月前のことだった。きっかけは当時、恩田が在籍していた「週刊現代」(講談社)編集部に平井が電話をかけてきたこと。かねてから原発問題を追いかけていた恩田が平井氏の口から耳にしたのは、隠蔽された「大量被曝事故」の存在だった……。  ある日の作業終了後、突然、放射線管理者からホールボディカウンター検査を受けるように指示された平井氏のチーム。平均1,000カウント/分程度の結果となるところ、ある一人の作業員が出した数値は52万カウント。以降、彼は放射線管理区域に入る仕事から外されたものの、身体のだるさや歯茎からの出血、吐き気など、被曝症状に悩まされたという。この事故は、「週刊現代」が報道するまで、まったく世間に知られることがないまま闇に葬られようとしていた。  平井氏の証言や恩田の追及から判明する原発の姿は、にわかには信じがたい。 「原発へ来て驚いたのは、何といっても技術レベルの低さです。とにかく質が悪い」(平井氏/本文より)  電力会社からは作業員1人あたり8万円/日の報酬が支払われていても、四次、五次まで回される下請けの職人に対する日当はわずか8,000円から1万円。許容される放射線量をオーバーすると作業に従事することができなくなってしまうことから、腕のよい職人は集まらず、職人たちの技術的な習熟もない。また、年間許容量をオーバーし、仕事を失ってしまうことを恐れ、職人たちの間では虚偽の放射線被曝量を申告することが常態化している。平井氏自身も自身が浴びた放射線量の記録を改ざんして、「許容範囲内」の線量を獲得し、作業を行っていたという。  さらに、工事のチェック体制にも問題があると指摘する平井氏。 「検査の大部分は、実際には業者が行っています。発電設備技術検査協会の人、ましてや通産省の検査官は、大部分業者がやった検査で検査の過程は一切見ずに、結果だけを見に来るか、書類だけの検査です」 「工事の業者は買い叩かれ、納期に追われ、で良心的にやろうとしても、どうしてもある程度のごまかしをせざるを得ません。ましてや原発では上は現場のことを理解せず、責任も取りませんし、設計者すら現場に来ない、他の業者との連携もない、工法も時代遅れで不合理、作業員は素人、監督は線量の限界があって完全には現場を監督できないという悪条件が重なっています」(平井氏/本文より)  その結果、看過できない事故は頻発している。本書で例として挙げられるのは、チェルノブイリ目前だったといわれる2つの事故だ。89年福島第二原発3号機で起こった事故では、圧力容器内の水を循環させるポンプの金属片30キロが破損、その一部が炉内に侵入した。その事故はあわや燃料棒や炉内を傷つけ冷却水喪失という大事故を誘発しかねないものだった。また、91年には美浜原発2号機で配管のギロチン破断事故が起こった。この事故によって、一次冷却水が漏れ出し、700万ベクレルの放射能が海へ、90億ベクレルが大気中へと放出された。さらに、冷却水を失ったことによって空焚き状態となった原子炉。手動で緊急炉心冷却装置を作動させたことで、危うく難を逃れたものの「あと0.7秒遅かったらまるっきりチェルノブイリ」という超緊急事態だった。  これらのような大事故のみならず、小規模な事故も数多く発生している。しかし、少なくない数の事故は発表されることがないまま忘れられていくという。これまで数多く指摘されているように、電力会社が隠蔽工作を行うから、だけではない。納期に追われる下請け会社が、事故の存在を電力会社に報告せず、現場レベルでもみ消すということもあるのだ。 「原発の事故の発表というのは、隠せないくらい大きな事故か、少々発表されても問題はない事故が発表されるわけで、その中間が発表されていないのと、それから業者サイドで黙っているのも多いです。(略)不都合なことがあったという場合には、電力会社にわからないように直してしまうんです。(略)だから、電力会社が知らない事故も非常に多いんですよね」(平井氏/本文より)  本書が告発する原発の姿は、にわかには信じがたいものばかりだ。僕は、震災前に、「原発がどんなものか知ってほしい」を偶然発見したとき、その内容を信じることができなかった。そこに描かれる仕事ぶりは「原発」というイメージからはあまりにもかけ離れたずさん過ぎるものだったため、逆に「アンチ原発派による恣意的な文章なのではないか」と疑った。まさか、「原子力」などという最先端かつ危険なものを取扱っている現場に、このようなずさんな工事があるはずがない。だが、福島第一原発事故以降の東電や政府の対応を見ていると、どちらが本当のことを語っているかは自ずとわかってくる。  これまで日本社会には、平井の言葉に耳を傾ける者はほとんどいなかった。そして、福島第一原発事故は発生した。  電力需要がピークを迎える夏までに、政府や電力会社、産業界は原発の再稼働をさせたい考えだ。平井の死から15年、今こそ、その恐ろしい遺言を真摯に受け止める時なのではないだろうか。今からでもまだ遅くはない。 (文=萩原雄太) ●おんだ・かつのぶ 1943年、島根県生まれ。法政大学卒。71年より「週刊現代」(講談社)記者としてチェルノブイリ事故など原発関連の記事を取材、執筆。評論家・内橋克人氏による同誌連載企画「原発が来た町」(1982年)のスタッフライターとして各地の原発立地地域や予定地を取材した。著書に『原発に子孫の命は売れない』『東京電力・帝国の暗黒』(以上、七つ森書館)などがある。
福島原発 現場監督の遺言 お願いだから聞いて。 amazon_associate_logo.jpg
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懐柔策もそろそろ限界! AKB48スキャンダル、秋には解禁?

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プライベートに気をつけて〜

 いまだ衰えぬAKB48人気。世間を飽きさせないさまざまな仕掛けはもちろん、メディアとより良い関係を築いたこともAKB人気が長く続いている理由だろう。本来なら敵である週刊誌やゴシップ誌の取材も積極的に受けることで懐柔し、スキャンダルを封じ、ファン離れを起こさせないことに成功している。しかしそんなスキャンダル封じが通じるのも今年夏まででは……と週刊誌関係者は語る。