
※イメージ画像:
『GINGER 2012年 02月号』/幻冬舎
【メンズサイゾーより】
『マツコ&有吉の怒り新党』(テレビ朝日系)のレギュラーがようやく板についてきた感のあるフリーアナウンサー・夏目三久。2009年夏に「コンドーム写真流出騒動」がきっかけで番組を降ろされたのち、昨年1月に日本テレビを退社して初のレギュラーである。当初こそぎこちなさが拭えなかったが、番組がスタートして1カ月ほどを経過してからは慣れてきたのか、共演者の有吉弘行に対し『有吉さん、ムカつく』と発言するなど、くだけたやり取りも増え始め、徐々にレギュラー3名の"空気感"が出来上がっていったように見える。
そんな夏目に対し、各局からオファーが舞い込んでいるというのは昨年にも報じた通りだが、3月29日号の「週刊実話」(日本ジャーナル出版)が、日テレからのオファーを夏目が断ったことを報じている。
記事によれば……
日別アーカイブ: 2012年3月15日
コンドーム騒動の恨み!? 夏目三久、日テレ復帰決裂か

※イメージ画像:
『GINGER 2012年 02月号』/幻冬舎
【メンズサイゾーより】
『マツコ&有吉の怒り新党』(テレビ朝日系)のレギュラーがようやく板についてきた感のあるフリーアナウンサー・夏目三久。2009年夏に「コンドーム写真流出騒動」がきっかけで番組を降ろされたのち、昨年1月に日本テレビを退社して初のレギュラーである。当初こそぎこちなさが拭えなかったが、番組がスタートして1カ月ほどを経過してからは慣れてきたのか、共演者の有吉弘行に対し『有吉さん、ムカつく』と発言するなど、くだけたやり取りも増え始め、徐々にレギュラー3名の"空気感"が出来上がっていったように見える。
そんな夏目に対し、各局からオファーが舞い込んでいるというのは昨年にも報じた通りだが、3月29日号の「週刊実話」(日本ジャーナル出版)が、日テレからのオファーを夏目が断ったことを報じている。
記事によれば……
サイゾーテレビ【ニコニコキングオブコメディ】第45回、配信しました!
「キングオブコント2010」王者・キングオブコメディのガチゆるハートウォーミングバラエティ『ニコニコキングオブコメディ』第45回放送です。 今回はもちろん、主演映画『くそガキの告白』でゆうばり国際ファンタスティック映画祭4冠という栄光に輝いた今野くんの授賞式でのお話。何しろ4冠ですから、登壇した舞台上のエピソードにも事欠きません。そして相方のパーケン氏は東京で何をしてたかというと……? うでしにはごろごろしたアレが登場です! ●「ニコニコキングオブコメディ」アーカイブ集 http://www.cyzo.com/2010/08/post_5162.html ●サイゾーテレビ http://ch.nicovideo.jp/channel/ch3120 ●サイゾーテレビ on Twitter http://twitter.com/cyzoTV 番組DVDについては以下より! 10月4日に発売されたDVD『ニコニコキングオブコメディ 冗談にもほどがある!』の予告ムービーを先行ドロップ! サイゾーテレビでのぐだぐだ放送から、まさかのDVD化にいたった本作はなんと、(ほとんど)オール撮り下ろしです!
ニコニコキングオブコメディ 冗談にもほどがある! 10月4日発売です!
ニコニコキングオブコメディ 冗談にもほどがある! 10月4日発売です!
サイゾーテレビ【ニコニコキングオブコメディ】第45回、配信しました!
ニコニコキングオブコメディ 冗談にもほどがある! 10月4日発売です!
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第一線で活躍する著名人が語る『わたしが子どもだったころ』

『わたしが子どもだったころ イチ!』
(ポプラ社)
「5歳上の兄貴は勉強ができたんですけれども、『1+1はなんで2や?』って、聞いたんですよ。そしたら、ものも言わんと殴りましたね」
「いちいち『なんでやろ?』と考えてしまうから、九九も覚えられない。いまでも六の段からあとは言えません」
これは、NHKの大人気番組『わたしが子どもだったころ』内で謎に包まれた凄腕スナイパー『ゴルゴ13』ことデューク東郷の生みの親、漫画家のさいとう・たかを氏が語った一幕。
今回紹介する『わたしが子どもだったころ イチ!』(ポプラ社)は、この番組を書籍化したものだ。これまで番組に出演した人の中から13名を厳選(全3巻あり、全39名が登場予定)し、一人ひとりの話を本人の語り口調そのままにまとめている。
この番組では、学問・スポーツ・音楽・演劇・文学などさまざまな分野の第一線で活躍している人の子ども時代のエピソードや、将来を方向づけた強烈な原体験を本人の語りと再現ドラマで描いてきたのだが、その内容はどれもものすごく濃い。
本になってもその濃密さは保たれ、ページをめくる度、「えぇっ、そんなことってあるの?」「子どもの時にそんな風に考えてたの?」の連続で、自分はなんと平凡な子どもだったのかと驚かされる。
たとえば、「大人計画」主宰・松尾スズキ氏は小学3年生のころ、「自分がいましゃべっている言葉も行動も、神様にすべて決定されている」という、大いなる妄想にかられていた。給食の時間、パンを手に取るふりをして牛乳を飲んだりと、四六時中、神様の裏をかいて生活する毎日。
また、映画監督の押井守氏は大学生のころ、学生運動に参加していた。ある日、父親に「出かけるぞ」と言われ、実家の東京都大田区から山梨県北東部にある大菩薩峠の山小屋に連れて行かれ、そのまま軟禁。
ジャズの鬼才・菊地成孔氏は、生まれも育ちも千葉県銚子市の歓楽街ど真ん中。両親は食堂を営んでいて、7歳から2年間、「昼の定食」をストリップ小屋の楽屋へ届けていた。そこで働く踊り子に抱きしめられたり、身体を触られたり、口紅を塗りたくられたり。何をされても黙ったまま表情ひとつ変えなかったので、お人形さんのようにかわいがられ……。
こんな風に、彼らの子どものころの考え方や家族、生まれ育った環境などに関するちょっと変わった話が、次から次へと飛び出してくる。
それにしても、この本を読むと「あぁ、この人はこうやって育ったから今があるのか」と妙に納得し、不思議なほど惹きつけられてしまう。
本書に出てくる著名人はこのほか、よしもとばなな氏、高橋ジョージ氏、荒俣宏氏、映画美術監督の種田陽平氏、世界最高齢の『ミシュランガイド』三ツ星料理人の小野二郎氏ほか、ともかく濃いエピソードを語る面々ばかり。
1925~1964年生まれと比較的年齢層が高めで、彼らが生まれた時は日本がまだ戦争中であったり学生運動が盛んであったり、ひどく勝手な大人の「ルール」に従うしかなかったという背景もある。
その中で自分の強烈な個性を生かし、「勉強ができなくたって、大人にほめられなくたっていい」と前に進み、今に至っている。
「自分は自分」――。そんな彼らの生き方に、心揺さぶられる。
(文=上浦未来)
第一線で活躍する著名人が語る『わたしが子どもだったころ』

『わたしが子どもだったころ イチ!』
(ポプラ社)
「5歳上の兄貴は勉強ができたんですけれども、『1+1はなんで2や?』って、聞いたんですよ。そしたら、ものも言わんと殴りましたね」
「いちいち『なんでやろ?』と考えてしまうから、九九も覚えられない。いまでも六の段からあとは言えません」
これは、NHKの大人気番組『わたしが子どもだったころ』内で謎に包まれた凄腕スナイパー『ゴルゴ13』ことデューク東郷の生みの親、漫画家のさいとう・たかを氏が語った一幕。
今回紹介する『わたしが子どもだったころ イチ!』(ポプラ社)は、この番組を書籍化したものだ。これまで番組に出演した人の中から13名を厳選(全3巻あり、全39名が登場予定)し、一人ひとりの話を本人の語り口調そのままにまとめている。
この番組では、学問・スポーツ・音楽・演劇・文学などさまざまな分野の第一線で活躍している人の子ども時代のエピソードや、将来を方向づけた強烈な原体験を本人の語りと再現ドラマで描いてきたのだが、その内容はどれもものすごく濃い。
本になってもその濃密さは保たれ、ページをめくる度、「えぇっ、そんなことってあるの?」「子どもの時にそんな風に考えてたの?」の連続で、自分はなんと平凡な子どもだったのかと驚かされる。
たとえば、「大人計画」主宰・松尾スズキ氏は小学3年生のころ、「自分がいましゃべっている言葉も行動も、神様にすべて決定されている」という、大いなる妄想にかられていた。給食の時間、パンを手に取るふりをして牛乳を飲んだりと、四六時中、神様の裏をかいて生活する毎日。
また、映画監督の押井守氏は大学生のころ、学生運動に参加していた。ある日、父親に「出かけるぞ」と言われ、実家の東京都大田区から山梨県北東部にある大菩薩峠の山小屋に連れて行かれ、そのまま軟禁。
ジャズの鬼才・菊地成孔氏は、生まれも育ちも千葉県銚子市の歓楽街ど真ん中。両親は食堂を営んでいて、7歳から2年間、「昼の定食」をストリップ小屋の楽屋へ届けていた。そこで働く踊り子に抱きしめられたり、身体を触られたり、口紅を塗りたくられたり。何をされても黙ったまま表情ひとつ変えなかったので、お人形さんのようにかわいがられ……。
こんな風に、彼らの子どものころの考え方や家族、生まれ育った環境などに関するちょっと変わった話が、次から次へと飛び出してくる。
それにしても、この本を読むと「あぁ、この人はこうやって育ったから今があるのか」と妙に納得し、不思議なほど惹きつけられてしまう。
本書に出てくる著名人はこのほか、よしもとばなな氏、高橋ジョージ氏、荒俣宏氏、映画美術監督の種田陽平氏、世界最高齢の『ミシュランガイド』三ツ星料理人の小野二郎氏ほか、ともかく濃いエピソードを語る面々ばかり。
1925~1964年生まれと比較的年齢層が高めで、彼らが生まれた時は日本がまだ戦争中であったり学生運動が盛んであったり、ひどく勝手な大人の「ルール」に従うしかなかったという背景もある。
その中で自分の強烈な個性を生かし、「勉強ができなくたって、大人にほめられなくたっていい」と前に進み、今に至っている。
「自分は自分」――。そんな彼らの生き方に、心揺さぶられる。
(文=上浦未来)
ぜい沢な暮らしから、物語性のある暮らしへ! 「VERY」の静かな変化

「VERY」 2012年4月号/光文社
光文社の女性誌の世代交代が進み、「VERY」の読者はかつてのように「単に高くていいものを持っている、人もうらやむようなぜい沢な生活を送っている」=「自分が輝く」という価値観ではなく、むしろ「自分が大切にしていたり、物語のあるものを消費するほうが意味がある」という方向性に変わっているのがひしひしと感じられます。
その一例が「母ゴコロエコゴコロ」。連載が始まった当初は、「VERY」がエコを取り上げることに違和感がありましたが、今や「VERY」読者が“ストーリーとして語りやすいエコ”を考えるのも当然。ただ、エコに真剣に寄りそっている「ku:nel」(マガジンハウス)や「天然生活」(地球丸)と違って見えるのは、エコの精神を重要視しているのはなく、「長く使うことによって精神が宿るモノ」が語られていること。
今月号の「母ゴコロエコゴコロ」には伊東美咲が登場し、子どもが使っている漆のお椀を「使い込めば使い込むほど艶が出て、生き生きとしてくるんです」と紹介していますし、井川遥の連載「はるかスタンダード」でもヴィンテージスカーフの良さを「一枚として同じものがない」「一期一会」と語っています。また、今月から始まった「スタイリスト大草直子さんのオシャレって財産」という新連載にも「使い捨てファッションは、もう卒業」と、スイスの高級時計メーカー、ジャガー・ルクルトの時計が紹介されています。この時計は、マニファクチャールといって、時計の外側から中の機械部分に至るまで自社で手掛けているのが特長。単に高くて新しいものではなく、一生もので、唯一無二で、物語のあるものにこそ価値があるとでも言いたげです。
<トピック>
◎母ゴコロエコゴコロ 伊東美咲
◎すれ違いがち多忙夫婦の技ありコミュニケーション術
◎なりたい私になるための毎日服の揃え方
長谷川理恵破局の背景に、神田正輝の“夫婦同然”女性の存在が
交際期間1年半で、破局してしまった俳優・神田正輝(61)とタレントの長谷川理恵(38)。「僕は60歳になったら好きに生きようと思っていたんです。 今やっと60過ぎたばかりですから」と、結婚についてはっきりと口にしない神田を、待ちきれなかった長谷川という図式。長谷川は、「約1年間プロポーズを信じて待っていた」「ずっと一緒にいたくて結婚を意識していた」「ふたりで話し合いをしてきたが、結婚という結論に至らなかった」「行き先が見えないまま、このままずっと待つのはつらい」と、なりふり構わずに心境をブログに綴った。
森田芳光監督の最終列車『僕達急行』人生は出会いと旅立ちのリフレイン!

大手デベロッパーに勤務する小町圭(松山ケンイチ)と
町工場の二代目・小玉健太(瑛太)。2人とも鉄道を深く愛するが、
恋愛はちょっと奥手。(c)2012『僕達急行』製作委員会
トンネルを抜けると、そこは“森田芳光ワールド”だった。鉄道オタクな2人の青年を主人公にした森田芳光監督作『僕達急行 A列車で行こう』は、軽快な仕上がりのコメディーだ。ビジネス・サクセスストーリーらしき筋書きは一応あるが、デビュー作『の・ようなもの』(81)やヒット作『間宮兄弟』(06)を思わせる、ノホホンとした主人公たちのあくせくしない生き方を肯定的に描いたもの。『椿三十郎』(07)、『サウスバウンド』(07)に続く出演となった松山ケンイチには東北新幹線の“こまち君”、『アヒルと鴨のコインロッカー』(07)の瑛太にはスマートなデザインでロングラン人気を誇る“こだま君”と登場キャラクターそれぞれに列車の名前を冠するといった遊び心も森田監督らしい。2011年12月に急逝した森田監督の遺作となったが、作品には湿っぽさはまったくなく、また巨匠めいた説教臭さも微塵もない。どこまでも軽やかでユーモラスさに溢れた“森田芳光ワールド”が広がる。

こまち君は音楽を聴きながら風景を
眺めるのが好き。こだま君は列車のディテー
ルが好き。同じ鉄道オタクでも、楽しみ方
が異なる。
登場キャラクターの名前だけではなく、本編には「わたらせ渓谷鐵道」をはじめ関東周辺、九州各地の合計20路線80モデルの電車が登場する。走っている路線が違い、年代や製作者が異なれば、当然ながら列車のデザインはまるで変わってくる。最新鋭の特急電車もあれば、のんびりした各駅列車もある。それぞれの列車がそれぞれの風景の中を、毎日きちんとダイヤに合わせて走っていく。きかんしゃトーマスさながら、それぞれの列車には顔があり、漂う風格も異なる。街と街を繋ぐ、それらの列車が走る様子は、人間社会の営みそのもの。主人公のこまち君とこだま君は、どの列車も同じように愛おしそうに見つめ、耳をそばだてる。主人公たちの列車に注ぐ暖かい眼差しは、森田監督が現代社会を生きる人々に向けたものでもあるようだ。
『メイン・テーマ』(84)では携帯電話が普及する前夜のパーソナル無線をツールとして登場させ、『(ハル)』(96)ではパソコン通信で繋がる男女の新しい関係を、『わたし出すわ』(09)では経済至上主義となった現代社会で、お金では買えない友情を探し求めるヒロインの姿を描いた森田監督。時代の流れの中で、変容していく人間関係をずっと見つめてきた。時代を先取りしていたため、ヒット作に恵まれ続けたわけではなかったが、その時代その時代を生きる若者たちを肯定的に捉えてきた。少なくともオリジナル作品に関してはその視線は一貫していたように思う。本作でも、同じ趣味で繋がるこまち君とこだま君の“絆”とか“友情”とはちょっとテイストの異なる、損得勘定のないゆるやかな関係が心地よい。

レールビューが自慢のマンションを2人は見学。
人によって生活における快適条件はまるで違う
ことが分かる。
森田監督には『わたし出すわ』の公開前に、日刊サイゾーのインタビューでお目にかかった。大監督然とせず、にこやかな表情で「何でも言ってください、聞いてください。ボクで答えられることなら、何でも話します」という、ふんわりとした懐の持ち主だった。本作と同じくサラリーマンものである『そろばんずく』(86)がコケたことに話題が及ぶと「あはは。自分では失敗作だとは思ってないけど、ファンは付いて来れないよね」と笑い飛ばした。『それから』(85)のような評論家たちが絶賛する作品を撮ると、その後は逆に人を喰ったようなオリジナル作品が作りたくなるのだと語った。また、シネコンが主流となった映画界があまりに最大公約数的なものばかり追い求めていくと、こぼれ落ちていくものも多くなるんじゃないかと危惧した。今はまだ自分の技術が追いつかないけど、予算があればスタンリー・キューブリックみたいな大作にも取り組んでみたいと将来のことを聞かせてくれた。人気監督らしく服装には気を付けてきたつもり、本当はビンボーなのにね……とも笑って打ち明けてくれた。日本映画=古くさいもの、というイメージを打ち壊したかったそうだ。もっともっとインタビューしたかったし、もっともっと作品を撮り続けてほしい監督だった。利害関係から離れた人間関係をとても大切にする人だった。
こまち君もこだま君も、仕事に対してはマジメで、他人を気遣う思いやりもある。でも、それ以上に趣味のこととなると目がランランと輝き、初対面の人とも趣味を通じて瞬く間に打ち解けてしまう。その一方、なかなか異性との恋愛にまでは巧く手が回らない。『僕達急行』は万事OK、大成功とはならない展開がほどよい塩加減だ。主人公は2人とも人当たりのよい好青年だが、何でも解決できるほど器用ではないし、恋愛なんてどうでもいいよと割り切れるほどクールでもない。また、2人が所属するそれぞれの業界も、新しいニーズを切り開いていかないと生き残れないシビアさがある。それでも、発車ベルが鳴り、列車が動き始めると、こまち君もこだま君もこれからどんな風景が待っているのか胸が高鳴る自分がいることに気づく。希望と不安は仲の良い一卵性双生児だ。ドキドキとワクワクを一緒に乗せて『僕達急行』が発車する。発車オーライという森田監督の明るい声がどこからか聞こえてきそうだ。
(文=長野辰次)
『僕達急行 A列車で行こう』
脚本・監督/森田芳光 主題歌/RIP SLYME 音楽/大島ミチル 出演/松山ケンイチ、瑛太、貫地谷しほり、ピエール滝、村川絵梨、伊東ゆかり、伊武雅刀、星野知子、笹野高史、西岡徳馬、松坂慶子 配給/東映 3月24日(土)より丸の内TOEIほか全国ロードショー公開 <http://boku9.jp/>
森田芳光監督の最終列車『僕達急行』人生は出会いと旅立ちのリフレイン!

大手デベロッパーに勤務する小町圭(松山ケンイチ)と
町工場の二代目・小玉健太(瑛太)。2人とも鉄道を深く愛するが、
恋愛はちょっと奥手。(c)2012『僕達急行』製作委員会
トンネルを抜けると、そこは“森田芳光ワールド”だった。鉄道オタクな2人の青年を主人公にした森田芳光監督作『僕達急行 A列車で行こう』は、軽快な仕上がりのコメディーだ。ビジネス・サクセスストーリーらしき筋書きは一応あるが、デビュー作『の・ようなもの』(81)やヒット作『間宮兄弟』(06)を思わせる、ノホホンとした主人公たちのあくせくしない生き方を肯定的に描いたもの。『椿三十郎』(07)、『サウスバウンド』(07)に続く出演となった松山ケンイチには東北新幹線の“こまち君”、『アヒルと鴨のコインロッカー』(07)の瑛太にはスマートなデザインでロングラン人気を誇る“こだま君”と登場キャラクターそれぞれに列車の名前を冠するといった遊び心も森田監督らしい。2011年12月に急逝した森田監督の遺作となったが、作品には湿っぽさはまったくなく、また巨匠めいた説教臭さも微塵もない。どこまでも軽やかでユーモラスさに溢れた“森田芳光ワールド”が広がる。

こまち君は音楽を聴きながら風景を
眺めるのが好き。こだま君は列車のディテー
ルが好き。同じ鉄道オタクでも、楽しみ方
が異なる。
登場キャラクターの名前だけではなく、本編には「わたらせ渓谷鐵道」をはじめ関東周辺、九州各地の合計20路線80モデルの電車が登場する。走っている路線が違い、年代や製作者が異なれば、当然ながら列車のデザインはまるで変わってくる。最新鋭の特急電車もあれば、のんびりした各駅列車もある。それぞれの列車がそれぞれの風景の中を、毎日きちんとダイヤに合わせて走っていく。きかんしゃトーマスさながら、それぞれの列車には顔があり、漂う風格も異なる。街と街を繋ぐ、それらの列車が走る様子は、人間社会の営みそのもの。主人公のこまち君とこだま君は、どの列車も同じように愛おしそうに見つめ、耳をそばだてる。主人公たちの列車に注ぐ暖かい眼差しは、森田監督が現代社会を生きる人々に向けたものでもあるようだ。
『メイン・テーマ』(84)では携帯電話が普及する前夜のパーソナル無線をツールとして登場させ、『(ハル)』(96)ではパソコン通信で繋がる男女の新しい関係を、『わたし出すわ』(09)では経済至上主義となった現代社会で、お金では買えない友情を探し求めるヒロインの姿を描いた森田監督。時代の流れの中で、変容していく人間関係をずっと見つめてきた。時代を先取りしていたため、ヒット作に恵まれ続けたわけではなかったが、その時代その時代を生きる若者たちを肯定的に捉えてきた。少なくともオリジナル作品に関してはその視線は一貫していたように思う。本作でも、同じ趣味で繋がるこまち君とこだま君の“絆”とか“友情”とはちょっとテイストの異なる、損得勘定のないゆるやかな関係が心地よい。

レールビューが自慢のマンションを2人は見学。
人によって生活における快適条件はまるで違う
ことが分かる。
森田監督には『わたし出すわ』の公開前に、日刊サイゾーのインタビューでお目にかかった。大監督然とせず、にこやかな表情で「何でも言ってください、聞いてください。ボクで答えられることなら、何でも話します」という、ふんわりとした懐の持ち主だった。本作と同じくサラリーマンものである『そろばんずく』(86)がコケたことに話題が及ぶと「あはは。自分では失敗作だとは思ってないけど、ファンは付いて来れないよね」と笑い飛ばした。『それから』(85)のような評論家たちが絶賛する作品を撮ると、その後は逆に人を喰ったようなオリジナル作品が作りたくなるのだと語った。また、シネコンが主流となった映画界があまりに最大公約数的なものばかり追い求めていくと、こぼれ落ちていくものも多くなるんじゃないかと危惧した。今はまだ自分の技術が追いつかないけど、予算があればスタンリー・キューブリックみたいな大作にも取り組んでみたいと将来のことを聞かせてくれた。人気監督らしく服装には気を付けてきたつもり、本当はビンボーなのにね……とも笑って打ち明けてくれた。日本映画=古くさいもの、というイメージを打ち壊したかったそうだ。もっともっとインタビューしたかったし、もっともっと作品を撮り続けてほしい監督だった。利害関係から離れた人間関係をとても大切にする人だった。
こまち君もこだま君も、仕事に対してはマジメで、他人を気遣う思いやりもある。でも、それ以上に趣味のこととなると目がランランと輝き、初対面の人とも趣味を通じて瞬く間に打ち解けてしまう。その一方、なかなか異性との恋愛にまでは巧く手が回らない。『僕達急行』は万事OK、大成功とはならない展開がほどよい塩加減だ。主人公は2人とも人当たりのよい好青年だが、何でも解決できるほど器用ではないし、恋愛なんてどうでもいいよと割り切れるほどクールでもない。また、2人が所属するそれぞれの業界も、新しいニーズを切り開いていかないと生き残れないシビアさがある。それでも、発車ベルが鳴り、列車が動き始めると、こまち君もこだま君もこれからどんな風景が待っているのか胸が高鳴る自分がいることに気づく。希望と不安は仲の良い一卵性双生児だ。ドキドキとワクワクを一緒に乗せて『僕達急行』が発車する。発車オーライという森田監督の明るい声がどこからか聞こえてきそうだ。
(文=長野辰次)
『僕達急行 A列車で行こう』
脚本・監督/森田芳光 主題歌/RIP SLYME 音楽/大島ミチル 出演/松山ケンイチ、瑛太、貫地谷しほり、ピエール滝、村川絵梨、伊東ゆかり、伊武雅刀、星野知子、笹野高史、西岡徳馬、松坂慶子 配給/東映 3月24日(土)より丸の内TOEIほか全国ロードショー公開 <http://boku9.jp/>



