大間のマグロ漁の影にも原発マネー 口には出せない漁師の本音とは?

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「週刊ポスト」1月27日号 中吊り広告より
第1位 「どうしても増税したい大メディアと野田官邸の『頭ン中』」(「週刊ポスト」1月27日号) 第2位 「独占スクープインタビュー 吉本興業創業家当主が初めて語る『紳助復帰?ありえない。本当のこと話します』」(「週刊現代」1月28日号) 第3位 「大間マグロと原発マネー」(「AERA」1月23日号)  年末年始から週刊誌に活気がない。誌面から立ち上ってくる勢いが感じられない。  東日本大震災の復興もいまだ手につかず、原発事故の収束の目処はたたず、政局も世界経済も混迷のままである。  こんなときこそ週刊誌がどんよりした世の中を目覚めさせるスクープに期待したいのだが、そうした記事にお目にかからないのは残念だ。  さて今週、あまり期待していなかったが読んで面白かったのはAERAの記事。  今週の1行コピーに「新編集長は一色、アエラは多色」というあまり感心できないコピーが載っているが、『報道ステーション』(テレビ朝日系)でコメンテーターをやっていた一色清が編集長に就任したようだ。たしか彼は2度目だが、部数減をくい止められるかな。  今やマグロの最高峰になった大間のマグロ。1月5日の東京築地市場で史上最高値の5,649万円(269キロ)を叩き出した。  地元で食べるマグロ丼でも3,000円するそうだ。その大ブランドのマグロの町・大間町は下北半島の突端に位置し、人口6,000人強で、長い間積雪と強風で隔絶された陸の孤島だった。  大間のマグロの名が全国に知られるようになったのは最近だという。ある時期、青函トンネル建設の影響か不漁が続き、多くの漁師が廃業に追い込まれた。  そこへ電源開発による原子力発電所建設の話が持ち上がり、1984年12月に大間町議会は誘致を正式決定する。  漁師たちは一斉に反発したが、「10年にわたる電源開発側の工作により、最後は多額の補償金で漁民は屈服させられた」と長年大間原発の取材をしているルポライター・鎌田慧が語っている。  組合員923人いる大間漁協には96億円が転がり込み、さらにプルトニウムを消費する「フルMOX」型に原子炉が変更されると、増量する温排水分として22億5,000万円が上積みされた。  この他、電源三法により10年度までに大間町には67億円が交付され、原発が完成すれば16年間にわたって440億円の固定資産税収入が見込まれているのだ。  そんな中で2001年の正月に築地市場で202キロの大間産マグロに2,020万円の値がつき、メディアが殺到した。00年のNHKの朝ドラ『私の青空』が大間町を舞台にしていたこともあって、ここから大間のマグロの快進撃が始まる。  07年に渡哲也主演のドラマ『マグロ』(テレビ朝日系)が決定打となり、大間のマグロのブランドは定着した。だが、なぜその番組に10億円の巨費を投じることができたのか、そのカネはどこから出たのか真相はハッキリしないという。そのドラマの中で当然ながら大間原発の存在が語られることはなかった。  大間町観光協会が主催する「超マグロ祭り」という人気イベントがある。目玉はマグロの解体ショー。この後援の一つが電源開発。  原発マネーで潤った漁師たちは、最先端の漁業設備を漁船に搭載したが、そのときも漁協から一人当たり2,000万円前後が支払われたといわれる。  高度な魚群探知機や針にかかったマグロに電気ショックを与えて気絶させ、鮮度を保ったまま水揚げできる大間独特の漁具も一気に進化した。  原発マネーが大間のマグロ漁を近代化させ、テレビによって全国ブランドとなっていったのである。  東日本大震災以降、大間漁協でもマグロの放射線量の検査を始めた。今のところセシウムなどは検出されていないが、マグロ漁を引き継いだ30代のAさんはこう言っている。 「漁業権を放棄した福島の漁師たちが声をあげることもできずに、無気力に浜に佇む姿が自分たちの未来と重なる。オヤジたちがもらったカネの意味がようやくわかりました」  原発事故以来、大間原発建設工事は止まっている。進捗率は38%。金澤満春大間町長は、「国のエネルギー政策を理解し、立地に協力してきた住民の思いは揺るがない」と工事再開への姿勢を崩していない。  原発誘致の話があった頃、大間のマグロが全国で注目を浴びていたら、国も電源開発も、ここに原発を造ることは断念していただろうと、ベテラン漁師が話している。  1月15日夜のNHKスペシャルは福島第一原発20キロ圏内の海の放射能汚染を調べる研究者たちを追っていた。案の定、海底の泥が500ベクレル/Kg以上を計測する箇所があちこちにあり、中には4,520ベクレル/Kgという驚くべき数値を示す超ホットスポットもある。  さらに取材班は東京湾を調べるが、ここでも驚くほど放射能汚染は拡がっていることが分かる。特に江戸川や荒川の河口付近では1,623ベクレル/Kgもの数値が出た。  調査している人間によると、2年2カ月後にはさらに汚染は深刻になるという。ここでも 「海に流れた放射能は拡散して薄まる」といった東電や保安院のウソが明らかになった。  大間原発に事故が起きれば大間のマグロは致命的なダメージを受ける。だが、マグロで暮らしていけるのだから原発はいらないとは口に出せない。こうした現実を私は知らなかった。同じ青森県にある六カ所の再処理工場と合わせて考えなければならないことである。  第2位は、あの島田紳助に「復帰してほしい」とラブコールを送った吉本興業の大崎洋社長の発言に、創業家の当主が「常識を疑う」と批判した「現代」の記事。  林正樹(40)は吉本創業の礎を築いた祖父、社長・会長の父を持つが、経営陣と創業家の争いがあったため、経営陣によって吉本を追われた。  吉本の経営のおかしさや、ここ半年、芸人のギャランティの支払いが遅れていることに言及しているが、彼の話の中で一番重大な点は、05年8月12日の出来事である。  その日はSHIBUYA-AXというライブハウスで吉本所属のFayrayという歌手のライブがあった。  Fayrayは大崎が自ら発掘し芸名もつけた。ライブの開演前に大崎は会場にいる20代前半と思しき女の子を指さしてこういったのだ。 「あれは五代目の娘や。歌手になりたいと言ってると、カウスさんから頼まれた。ウチでレッスン受けさして、R&C(註・子会社のレコード会社)からCDを1~2枚出したら満足するやろ」  この山口組五代目渡辺芳則組長の娘のデビュー計画は頓挫したらしいが、吉本側が担当社員もつけて歌唱レッスンをさせていたのである。  この事実だけで、大崎社長の首が飛んでもおかしくない。吉本と暴力団とのつながりは長く深く強い。歴代の社長たちが親しく暴力団と付き合ってきたから、カウスという準構成員のような芸人が幅をきかし、その下にいる紳助が同じことを真似て、おかしいとは思わない。  推測するに、大崎社長が紳助の復帰を堂々と公言するのは、紳助のバックにいる暴力団連中から何か言われたからではないか。  明石家さんまは「フライデー」の取材に対して「紳助、復帰してほしくないわ」と言っている。大崎社長は身内からのこの言葉を重く受け止めたほうがいい。さもないと、今はいうがままになっているテレビ側が目覚めて、吉本の芸人を一斉にテレビから締め出す事態だって起きかねないと思う。 NHKの大河ドラマは『平清盛』である。大崎社長へこの言葉を贈ろう。 「祗園精舎の鐘の声、 諸行無常の響きあり。 沙羅双樹の花の色、 盛者必衰の理をあらはす。 おごれる者久しからず、 唯春の夜の夢のごとし。 たけき者も遂にはほろびぬ、 偏(ひとえ)に風の前の塵に同じ」  今週のグランプリはポストの大メディア批判記事。大メディアは増税すべしという論調でここまで来ているが、その裏には野田佳彦首相や官僚とメディアの癒着構造があると歯切れよく叩き切っていて小気味いい。  朝日新聞や読売新聞は社説でも野田首相の増税路線を支持しているが、大メディアは裏で、増税反対の論陣を張る元官僚やジャーナリストをパージし始めているのだ。  まずはカネのバラ撒きから。昨年12月4日付けの全国紙と地方紙71紙に、政府が社会保障と税の一体改革についてという全面広告を出したが、これに総額3億円の税金が使われた。  増税反対派の言論封殺の指揮をとっているとされるのは財務省の香川俊介官房長で、彼は「財務省の天皇」といわれる勝栄二郎事務次官直系である。  最初にターゲットにされたのが元経産官僚の古賀茂明。古賀自らが某テレビ局幹部に香川官房長官が電話を入れ、「古賀を出しているような局に安住淳大臣は出せない」と圧力をかけたことを明かした。  やはり元財務官僚の高橋洋一も「ブラックリストの筆頭」にあるといわれ、対談や討論番組への出演依頼後にキャンセルされることが何度かあったという。  また出演しても、増税論派を論破したところはカットされてしまった。  財務省が毎年年末に予算の政府原案がまとまると各紙の論説委員と経済部長を集めて「論説委員経済部長懇談会」を開くのだが、長谷川幸洋東京新聞論説副主幹は、突然そこから排除されてしまった。  また全国紙の中では唯一増税批判の姿勢をとってきた産経新聞には、昨夏、国税の税務調査が入った。そのためか税務調査後は「増税やむなし」という論が産経でも目立つようになったと、「ポスト」は書いている。  先の論説懇談会の夜、野田首相は東京港区の高級料亭で朝日新聞の星浩編集委員、毎日新聞の岩見隆夫客員編集委員、読売新聞の橋本五郎特別編集委員と酒食をともにしたのである。  星は1月8日の朝刊のコラムでこう書いている。 「権力監視が仕事であるメディアが『増税を容認すること』への疑問はあるだろう。しかし、先進国で赤字が膨らみ、危機からの脱出策を探っている現在、メディアの役割は『監視』だけでは済まない。国の再生に向けて、政治に『結果』を求めることが必要になってきた」  朝日新聞が増税推進であることの自己弁護のような書き方である。  さらに驚くのは、新聞協会が政府に対して、消費税が10%になっても、新聞はゼロにしてくれと裏取引をし、テレビはテレビで震災を口実に放送設備を新設するに当たって減税を要求しているというのだから、あきれた話だ。  しかし朝日新聞など大メディアの増税キャンペーンは功を奏さず、朝日の世論調査結果によると、消費増税の政府案に賛成は34%、反対派57%となり、反対が6割に迫ったのだ。  大メディアがいかに国民の感覚からズレているかという証である。こうした大メディア批判は最近「ポスト」の独壇場になった。読者目線で物事を考える。我々は先輩からそう教えられた。「ポスト」はそれを忘れていない。 (文=元木昌彦)
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撮影/佃太平
●元木昌彦(もとき・まさひこ)
1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。 【著書】 編著「編集者の学校」(編著/講談社/01年)、「日本のルールはすべて編集の現場に詰まっていた」(夏目書房/03年)、「週刊誌編集長」(展望社/06年)、「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社/08年)、「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス/08年)、「競馬必勝放浪記」(祥伝社/09年)、「新版・編集者の学校」(講談社/09年)「週刊誌は死なず」(朝日新聞社/09年)ほか
大間まぐろ 天然 本マグロ 中トロ サク 2人前 200g 食べれるうちに。 amazon_associate_logo.jpg
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ジャニーさんがギネスを持ち歩いている? 丸山隆平のインタビューで発覚

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【ジャニーズ研究会より】

<アイドル誌チェック>

 今月号の「Wink up」、まず目に飛び込んでくるのは、巻頭ワイドピンナップのKis-My-Ft2のベッド写真です。悩ましげな表情でカメラを見据えていたり、上半身裸で横たわっていたりと、Kis-My-Ft2のオトナな一面にドキドキすること間違いなし!

 彼らのインタビューページの扉では、全員が上半身裸なのにシーツを持っているため乳首は隠れています。見せないのが逆に想像を掻き立てていやらしい雰囲気を醸し出していますが、リード文を見る限り、この写真のテーマは、「2012年のはじまり=朝のイメージ」だそう。なるほど、半裸でもさわやかなのは、「朝」だからですね。

貫地谷しほり、入籍か? お相手はDAIGOでもチュートリアル徳井でもなく……

※イメージ画像:『貫地谷しほりフォトブック
「カンジヤノハナシ」』
ワニブックス
【メンズサイゾーより】  女優の貫地谷しほりが、近く入籍する見込みであることを東スポが報じている。お相手は2010年10月、「女性セブン」(小学館)にお泊まりデートを報じられた男性A氏で、現在も交際が続いていたようだ。妻夫木聡に似たイケメンの元モデルで、現在広告代理店に勤務しているという。  2007年から2008年にかけて放送されたNHK朝の連続テレビ小説『ちりとてちん』でヒロインを演じた折、共演者だった渡瀬恒彦に「女優になるために生まれたような子」と言わしめた貫地谷は、その演技力が高く評価され、コンスタントに映画やドラマに出演を果たし...

「ココ! 危ないから!」正月早々ハブショーで響き渡る、妻くらたまの声

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(C)倉田真由美

 ちょっと前の話ですが、去年クリスマスをオレはひとりで過ごしたんですよ! 高級レストランやホテルにわざわざ行ったことはないですが、クリスマスをひとりで過ごすというのも初めて。妻くらたまとココは仕事のために、12月21日~28日は福岡の実家に帰ってしまった。ホントは1日で東京に戻ることもできたのですが、向こうに住んでいる息子まーが寂しがるということで、そのまま1週間も福岡で過ごすことに。

 残されたオレはひとりぼっち。しかも今年のクリスマスは3連休。このコラム担当のSさんから「やることないならマンガ喫茶でも行ってネタ探してくださいよ!」と言われたので、3日間とも朝から渋谷のマンガ喫茶に行ってきました。いや~、ひとりマンガ喫茶は意外にハマる! 読んでないマンガが結構あって、5時間コースでずっと読みまくり! ネタを探す余裕もなかったですよ。クリスマスイブはガラガラだと思ってたんですが、ほぼ満席。2、3人の女性グループが何組かいたな~。彼氏がいないから友達同士でマンガを読んでるんでしょうが、なぜわざわざカップルが多い渋谷のマンガ喫茶に来るんだ? 狭い部屋で女3人で無言でマンガを読むってどうよ?

ますます人気低迷? 迷走するEXILEは大丈夫か(1月上旬の人気記事)


ranking1311.jpg  年明け早々ブチ込まれた、吉本興業・大崎洋社長の"紳助復帰容認宣言"が波紋を広げています。紳助のクビを切ったはずの大崎社長と紳助の蜜月っぷりは、紳助引退後もたびたび話題になっていましたが、すべては筋書き通りだったということでしょうか。これが芸能界なんですね。怖いところです。この一連のニュースを、紳助は一体どんな顔で見ていたのでしょうか。  さて、そのほか1月上旬の日刊サイゾーでは、EXILEの迷走っぷりやAV出演がささやかれる高岡早紀の近況、生田斗真の正月休みのニュースが話題を集めました。  では早速、日刊サイゾー人気記事ランキングをチェックしてみましょう!! 第1位 「『レコ大』意味不明の飛び入り、結婚報道にガチ反論......迷走するEXILEに大ヒンシュク HIROのプロデュース力も鈍ってきた? 第2位 AV出演がウワサされる高岡早紀 金欠の裏にあった恩師の死と元夫・保阪尚希の影 『金スマ』とかに出そうだね。 第3位 「アイツと遊ぶな!」事務所幹部の厳命を守らずハワイに飛んだ生田斗真 子どもじゃないんだから。 第4位 島田紳助「日テレ『行列』で復帰」の青写真あった "独裁者"大崎洋社長、暴走の裏側 クーデター起こるね。 第5位 全芸人の思いって?」島田紳助復帰容認発言に現場は激怒!? "伏魔殿"吉本興業の闇 お茶の間は誰も待ってないよ。 次点 「元旦婚も......」山田孝之の隠し子騒動を"美談"に仕立て上げた芸能マスコミの罪 パパ......! 次々点 「「非常識すぎる」吉本・大崎社長の紳助復帰歓迎"大号令"で同調の現役芸人にも批判の声 お笑い帝国のルールは絶対です。

「意外にも親日家が多い!?」緊張感高まるイラン、黒いベールにつつまれた国を歩く(後編)

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イランの大多数が支持するイスラームシーア派の聖地
マシュハド、ハラム(ハラメ・モタッハル広場)。
前編はこちらから  イランでは、イスラームを国教としている。そのため、当然ながら国民全員が信仰深いムスリム(イスラム教徒)と思われがちだが、そんなことはない。信仰の深さは、人によって驚くほどバラバラだ。  例えば、イスラーム・シーア派にとって、メッカに次ぐともいわれる聖地"マシュハド"。この街の中心には、宗教施設の複合体、ハラメ・モタッハル広場(ハラメ)があり、イラン国内はもとより、国外からも信者が集う。イランではもっとも宗教的な場所で、当然ながら、信仰心の深い人が多い。  彼らの一番のお目当ては、ムハンマドの後継者のひとり、エマーム・レザーの聖墓。エマーム・レザーとは、816年にシーア派を弾圧していたアッバース朝のカリフ・マアムーン(スンナ派)が突然、彼を後継者に任命。バクダッドの反対派の鎮定に向かい、その途上で亡くなった人物なのだそうだが、正直なところ、日本人にはさっぱり馴染みがない。
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エマーム・レザー聖墓の様子。
 現地の人によれば、彼の名をつぶやき祈りを捧げると、歩けなかった人が歩けるようになり、盲目だった人の目が見えるようになったという伝説があり、人気があるそうだ。  その聖墓は「黄金のドーム」の下にあるのだが、足を踏み入れた瞬間、その熱気に圧倒された。縦2メートル、横5メートル、高さ3メートルぐらいの大きさの聖墓の周りには、人、人、人。真ん中に仕切りがあり、男女分かれているのだが、なぜか女性は男性よりもずっと興奮していて大パニック状態。まるでバーゲンセール会場だ。押し合いへし合いの末、倒れこむ人までいる。これが信仰の場か。
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ハラム内で祈る女性ムスリム。この後ろに100列以上並んでいる。
 エマーム・レザーのありがたみはよく分からないが、聖墓の中がどうなっているのか確かめたい。その一心で、7、8重ぐらいになっている人の層をかきわけ、前へ進もうとするが、最前列の人は祈りを捧げていて延々と動かないし、やっと動いたと思いきや、周囲のおばさんたちがものすごい力でその人物を外へ追い出し、空いたスペースへ10人ぐらいが一斉に入ろうとする。30分ぐらいもみくちゃにされ、あと1メートルというところまで詰めたが、前列から人が出る波に押され、くるくるくるーっと転がされ、気付けばかやの外。  だが、いったん離れ遠くから見ていると、必死で聖墓に触ろうとする人の中には、涙する人たちもいて、これは、私なんかが貴重な1人分の場所を取るべきではなかったのだ。反省し、その場を去った。  聖地に信仰心の深い人が多いのは当然だが、その他の場所では、どうなのか。  これが、正直なところ、帰国するまでいろんな人と接してみたが、よく分からなかった。  「スカーフなんて嫌いっ!」と言っていた若い女の子でも、私が神の存在は信じていない、と言うと、ちょっと悲しそうな顔をしてみたり、部屋の中でやたらと露出していた女子大生は、「アッラー(神)はね、寛大で、やさしくて、美しいの♪」などと、うっとりとしたような表情で説明したりして、服装の規則はイヤだけど、神の存在は信じている子は結構いる。
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マホメッドの後継者(イマーム)の殉教記念日の様子。みんな大泣き。
 かと思えば、とあるイケメン30代男性は、「僕はアッラーの存在は信じていないよ。信じていることは、今の自分の生活と、自然だけさ」など神の存在を始めから否定するかのうような、びっくり発言を聞く時もある。  もちろん、信仰心の強い人もいて、「神を信じていない」と言うと、「君はコーランを読んで勉強すべきだ」などと、いきなり説教されることもあった。そういう人に対しては、できるだけ、ハイ、ハイ、と聞き流すようにしているのだが、何度も繰り返し説教されると反抗もしたくなり、つい爆発。「コーランは読んだ! でもコーランには、ムスリムであれば死んでから天国に行けて、そこには目がぱっちりした純白の最上の女性をはべらすことができる、と何度も記されてるよね。それって、完全に男向けじゃん。女はどうなるんだっ。女はっ」などと、鼻息荒く言ってしまい、喧嘩に......。   ただ、イスラームが持つ、"おもてなし精神"は、イラン全土、すみずみまで、行き届いていた。  例えばバスや電車の中。ただ座っているだけで、「食べて」と、みかん、りんご、クッキー、チョコ、チャイ、ナーンなど、こちらがお腹がいっぱいだと断るまで、どんどん食べ物が集まってくる。また、仲良くなった女の子の化粧ポーチを見せてもらっていると、「気に入ったの? 全部あげる」と、そのままポーチごとくれようとしたりするので、慌てて断るということもあった。けれど、イランでは、お客様がほしいと言ったものは、プレゼントしたくなってしまうことが、わりと普通のようだ。  旅行者の間では、「もう、イラン人のお宅には泊まりました?」という会話が出るほど、家に招いてもらえる率も高い。実際、イラン到着3日目にして、私もお誘いを受けた。  相手は、バスの中で偶然出会った14歳の少女、ニッキー。彼女はニット帽をかぶっていたので、車内で「ねぇ、その帽子の下はどうなってるの?」と聞いてみると、「男の人がいるところでは取っちゃダメなの」と言いつつも、キョロキョロと周りを確認して帽子を取り、高い位置でポニーテールにしていた髪を見せてくれた。
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バスで会った美少女ニッキー。ママと一緒だった。
 着いた先は、なんだか高級そうなマンション。オートロック式の門まである。てっきり、イランの伝統的な一軒家かと思っていたので、あまりにも近代的な外観で拍子抜け。ここのお宅だけでなく、都市部ではかなりマンション率が高いようだ。
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ニッキー邸。ひょっとして、お金持ち?
 ドアを開けると、日本のマンションと似た造りで、リビングにキッチン、部屋が2つに、お風呂とトイレ。床には有名なペルシャ絨毯が敷いてあり、しかもリビングにはコタツまで! コタツは日本独自のものかと思っていたので、なんだか親近感。
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イランでまさかのコタツ。ぬくぬく~。
 やっぱりイランは石油資源が豊富だな、と感じるのは、どこかの建物内に入ったときだ。例えば、ホテルでも誰かの部屋でもそうなのだが、常に暖かい。日本では資源を使い過ぎないように、省エネや節約に命をかけているようなところがあるが、イランでは、人がいなくてもガスファンヒーターをつけっぱなし。  なお、現地で出会ったテヘランのホテル従業員に聞いた話によれば、イランでは、オイルマネーが、年齢に関係なく、1カ月につき1人30ドル入ってくる、とのこと。公共料金(4人家族の場合)は、水道代15~20ドル、ガス代10ドル、電気代10ドル~20ドルほどということなので、家族で暮らしていれば、事実上、公共料金は無料。貯金ができるぐらいだ。  気づけば、ニッキーも彼女の母親も、しゅるしゅるっとスカーフを取り、半袖にスパッツの部屋着に着替えていた。そこへ、同じマンションの住人のおばちゃん数名と子どもが遊びにやって来たのだが、女性は家の中ではとても元気。  「キャー、日本人がいる!!!」と爆笑しながら入ってきたかと思いきや、「ちょっと待って、友達に電話するから、何かしゃべって!」。なんかしゃべって!? 受話器を渡されるも、何を話したらいいのか分からず、無意味に「ハロー、アイム ジャパニー」などと言ってみるが、これは何か意味があるのか。
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ニッキー宅に遊びに来ていた、超かわいい少女パーニちゃん(10歳)。
スカーフは12歳から必要になる。 
 イラン人は、日本人が大好き。正確に言えば、韓国人も、中国人も、アジア人全般が好きなのだが、とくに、日本人は勤勉で、働き者なところがスバラシイと評価が高い。それなのに、日本でのイランのイメージといえば、核やテロ、麻薬の密輸犯と、まさに"悪の中枢"。この国は、政治の印象と、そこで暮らす人々の印象が大きくかけ離れすぎている。  情報化社会から切り離された一般市民の声が、世界に届く日は来るのだろうか。 (取材・文・写真=上浦未来)
イランはこれからどうなるのか―「イスラム大国」の真実 どうなるの? amazon_associate_logo.jpg
【関連記事】 ・「意外にも親日家が多い!?」緊張感高まるイラン、黒いベールに包まれた国を歩く(前編)何を信じていいの? カダフィ政権崩壊をめぐる「偽造映像」騒動街ごとすっぽり!? ドーハの巨大モールがすごすぎる

リアルな男は不在! 複雑な欲求が見え隠れする「VERY」のモテ企画

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「VERY」 2012年2月号/光文社

 先月は"私たちの"と所有格付きで井川遥さんを全面的に推すことで、"女神"井川遥と同化し、「VERY」どころか、「VERY」読者のイメージや「VERY」読者の自己肯定感すらも底上げした感のある「VERY」。今月の大特集は、「第2のモテキ狙います!」。自己肯定感はアゲアゲのままに、最近は同性受け上位で抑えめだった「モテ」を解禁です。

<トピック>
◎母ゴコロ、エコゴコロ 金原ひとみさん
◎妻として、主婦として 第2のモテキ狙います!
◎別冊付録 韓国BOOK 子連れソウル&ママ友ソウル

■芥川賞作家だから言えること!

 モテ特集の前に、連載「母ゴコロ、エコゴコロ」でもちょっとした衝撃がありました。今月号では作家の金原ひとみが登場し、「放射線被害から子どもを守るために岡山に移住。食への意識も変わりました」と告白しています。

楽天元執行役員・小澤隆生(おざーん)!新規ビジネス成功の極意


小澤隆生氏
 2011年末、オンラインゲーム「Mobage(モバゲー)」などで知られる、DeNAによる横浜ベイスターズ買収が世間を賑わせた。難航した監督探しも、同年12月に元巨人軍・中畑清氏の監督就任が正式に決定し、ここ数年最下位に甘んじてきた同球団がどのように生まれ変わるか、ベイスターズ・ファンの期待も大きい模様だ。  また、IT企業によるプロ野球団経営のケースとしては、ソフトバンク、楽天に続き、3つ目となるが、「新興IT企業が、どのようなプロ野球団経営、ビジネスを展開するのか?」という面も、世間が関心を寄せるところとなっている。  こうした中、密かに注目を集めている人物がいる。楽天イーグルス元取締役事業本部長であり、現在は楽天顧問を務める小澤隆生氏である。  04年に楽天イーグルスが設立された当初も、DeNAと同様、「IT企業がプロ野球団の運営なんてできるのか?」という批判的な声が多く聞かれた。しかし同球団は、"日本中の"予想を裏切り、なんと設立初年度に全プロ球団の中で唯一単独黒字を達成という偉業を成し遂げた。  その成功のカギとなったのが、既存のプロ野球団経営の常識を覆すような、 「勝っても負けても楽しい、エンターテインメント」 「ライバルは他球団やJリーグではなく、地元の居酒屋さん」 「球団と球場の一括経営」  といったキーワードを柱とする「打ち出し角度」の設定の仕方だったという。こうした取り組みをはじめ、同球団設立の陣頭指揮をとったのが、小澤氏なのである。楽天イーグルスの設立メンバーには、プロ野球団経営のノウハウを持つ者がいなかったというから驚きだが、小澤氏もまた、プロ野球ビジネスとは無縁の、主にネットビジネスの世界に身を置くビジネスパーソンであった。  小澤氏のビジネスキャリアは、システム開発会社・CSKの社員としてスタートしたが、同社在籍中、ボランティアでインターネット上の中古品マーケットプレイスの開発/運用などもしていた。  退社後はこれを事業化しビズシークを創業するが、「ネット上で買い手が『こういうモノをこれくらいの値段で買いたい』と呼びかけ、それに対し売り手が反応して取引が成立する」という、いわゆるリバースオークションを利用したビジネスモデルは当時画期的だった。加えて、ユーザのサイト内での行動を解析するという、これまた当時では革命的なマーケティング手法を確立し、その先端性は、のちに楽天がこの事業を丸ごと買収するというかたちで証明された。  そして、買収後は、楽天執行役員として同社のオークション事業を飛躍的に成長させた後に、楽天イーグルス取締役事業本部長として、同球団立ち上げの陣頭指揮をとることになったのである。  楽天イーグルスの経営から離れた現在は、楽天顧問として同社の経営に携わりながら、日本のビジネス業界を活気づけるべく、10社以上のベンチャー企業への投資やコンサルティング業を通じて、資金、ノウハウの両面にて積極的に新しい起業家たちのサポートを行う中で、常にビジネスの最前線に身を置いている。  また近年は、NPO法人、政府、企業を結びつけて、迅速かつ的確な災害対策支援を実現するための、プラットフォームを提供する社団法人Civic Force理事として、東日本大震災被災者の生活再建や企業/産業復興の活動にも取り組んでいる。  そんな小澤氏に、生で会える場がある。  同氏を講師として迎え、2月8日(水)午後7時~開催される第6回「サイゾーpresents"本音の"ビジネスキャリア塾」である。  毎回多数の参加者から、 「キャリアアップのために、今すぐ取り組めるアドバイスをもらえた」 「質疑応答など、講師とのインタラクティブな時間が満載で楽しかった」  などの好評の声をいただいているこの講演会であるが、今回は、ネット、スポーツ、ベンチャーというビジネス領域だけでなく、非営利事業でも"一歩先"を歩んできた小澤氏に、 「新規ビジネスで成功するにはどうすればよいか?」 「今ビジネスパーソンが身につけるべきこととは何か?」  などといった"切羽詰まった"問いへの答えを、この講演会で語っていただく。  もちろん質問や相談があれば、小澤氏にその場で直接聞けるインタラクティブな交流の時間もたくさん設け、みなさまの満足度100%を目指します。  講演会は先着順で参加者募集中ですので、ふるってご参加ください。人数が定員になり次第、募集は終了いたします。 ※詳細内容の確認、お申し込みは、こちらのサイトよりお願いします。 ■イベント詳細 【第6回 サイゾーpresents"本音の"ビジネスキャリア塾】 「新規ビジネス成功の極意」 ■講演者 小澤隆生 楽天株式会社顧問(同社 元楽天イーグルス取締役事業本部長) 小澤総合研究所所長 一般財団法人ジャスト・ギビング・ジャパン 理事 公益社団法人Civic Force 理事
 スターフェスティバル株式会社 取締役
 株式会社インテリジェンステクノロジー 取締役
 株式会社ロケットスタート パトロン
 (千葉県出身/1972年生まれ/早稲田大学法学部卒) ■日時 2月8日(水) 午後7時~9時(開場午後6時半) (構成)午後7時~8時 講演 午後8時~9時 事前メール、及び会場受講者から小澤氏への質疑応答 ※終了後、小澤氏との名刺交換のお時間がございます(ご希望者のみ) ■場所 渋谷区道玄坂(詳細は参加者にお知らせします) ■参加費 銀行振込  :3,000円(税込) 当日現金払い:3,500円(税込) ※特別割引価格の「銀行振込」をお薦めします。 ■お問い合わせ窓口 css@cyzo.com ※詳細内容の確認、お申し込みは、こちらのサイトよりお願いします。 ※当イベントの録音や録画、撮影は禁止です。また、メディアからの取材は受け付けておりません。
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「漫画家としての誇りは●●」『キャプ翼』高橋陽一が新作発売記念サイン会を開催


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 『キャプテン翼』などのヒット作で知られる人気漫画家・高橋陽一先生の最新作『誇り―プライド―』1巻の発売を記念し15日、SHIBUYA TSUTAYAにてサイン会が開催され、多数のファンたちが詰めかけた。  『誇り―プライド―』は週刊漫画ゴラク(日本文芸社)で連載中の、北海道を拠点とするJ2チーム「函館トゥルーパーズ」を舞台に、それぞれの誇りを持ってサッカーに取り組む男たちの姿を様々な視点から描き出すオムニバス形式のサッカー漫画。 _1190729.jpg _1190734.jpg _1190725.jpg  サイン会後に行われた取材で高橋先生は「日本サッカー界には三浦知良選手をはじめ、ピークを過ぎても"やめない誇り"を持ってプレーし続けている選手たちがたくさんいます。そんな姿を見て自分も頑張ろうと思ってもらいたくて題材に選びました」と語った。  また、エピソードによって主人公が変わっていく本作については、子どものころに大好きだった水島新司先生のオムニバス野球漫画『野球狂の詩』のサッカー版をイメージしているという。  「もしかしたら今後、審判の話だったり、スポーツ記者の話、もちろん女子サッカーなんかも題材にできそうですね」と展望を語り、漫画家としての誇りを問われた際には「手抜きしないで一生懸命、そして締切を守ること! 今まで原稿を落としたことがないのが誇りですね。まあ、プロなんだから当然といえば当然なんですけど(笑)」と笑いを誘っていた。 (取材・文=北村ヂン)
誇り-プライド 1巻 これが大事。 amazon_associate_logo.jpg
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