刑務所で食する至高の味『極道めし』ヒロインの後ろ姿に、むせび泣き!

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雑居房で過ごす5人の男たちは、
お正月の「おせち料理」を賭けて熱きフードバトルを繰り広げる。
(c)2011『極道めし』製作委員会 (c)土山しげる/双葉社
 花輪和一原作、崔洋一監督作『刑務所の中』(02)で一躍有名になったのが、刑務所で大晦日の晩に出てくる"おせち料理"。鮭の切り身、エビフライ、チキンカツ、コブ巻き、タマゴ焼き、ようかん、ミカン、年越しソバ、そして翌朝には雑煮......と食べ切れない品数が並ぶ。食べることが数少ない楽しみである受刑者にとって、年に一度きりのごちそうである。シャバにいながらもコンビニ食で正月を過ごす人間にも、羨ましく感じられるほどだ。土山しげる原作の人気コミックを映画化した『極道めし』では、この"おせち料理"を巡って受刑者同士が壮絶なバトルを繰り広げる。おせち争奪戦のルールは簡単。雑居房で同房となった受刑者たちは、それぞれがこれまでに食べた最高に美味しかった料理の自慢話を披露し合う。他の受刑者たちの喉を鳴らすことができれば1点。最高得点者は、参加者のおせち料理から好きな1品を選び取ることができる。エビフライだろうが雑煮だろうが、容赦なく奪い取られるので、参加者はそれこそ血まなこだ。年末の刑務所で、空前の激熱フードバトルが巻き起きる。  このフードバトルに勝利するには、巧みな話術以外にも秘訣がある。キャビア、フォアグラ、フグの刺身、松坂牛のステーキといった高級料理の美味しさをいくら自慢しても得点には結びつかない。刑務所で年末を過ごす彼らは、そういったグルメには縁のない暮らしを送ってきたので、高級料理の味は想像できないのだ。誰もが食べたことのある庶民的料理でなくては、共感は得られず、高得点は望めない。そして、それぞれの自慢話が進むにつれ、参加者たちの思い出の味にはある共通点があることが浮かび上がってくる。
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八さん(麿赤兒)が少年時代に食べた思い出
のすき焼き。子供の目には、肉を焼く父親の
姿が頼もしく映った。
 204房の牢名主・八さん(麿赤兒)の勝負めしは、少年時代に食べた"すき焼き"。食料事情の悪かった時代、苦労して手に入れた肉を父親が威厳を持って鉄鍋の上に広げた。育ち盛りの兄弟で競い合うようにしてハシを伸ばした。上京してホストになったアイダ(落合モトキ)は職場でトラブルを起こし、田舎の実家へ逃げ帰った。母親は何も聞かずに黙って炊きたての白いご飯に、産まれたての生卵を添えてくれた。空腹のあまり、夢中になって"卵かけご飯"をかき込むと、口の中で卵の甘みが広がった。新入りの健太(永岡佑)にとって忘れられない味は、恋人のしおり(木村文乃)が最後に作ってくれた"インスタントラーメン"。どこでも売っている袋入り即席ラーメンだが、麺の上には焦がしネギと熱々のネギ油がたっぷりトッピングされている。丼の底には刻みキャベツも隠されている。ろくな物を食べていないヤクザ者の健太の健康を考えた栄養食だ。スープの温かさが健太の体に染み渡る。受刑者たちが語る"思い出のグルメ"はどれもレストランや料亭で出されるメニューではなく、自分のために家族や恋人が作ってくれた家庭料理ばかり。刑務所送りとなった彼らにとって、数少ない幸福な、温かい宝物のような記憶なのだ。思い出の中のごちそうを、受刑者たちは貪り分け合う。
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中華料理店で働きながら、恋人・健太の出所
を待つしおり(木村文乃)。自分のラーメン
店を持つのがしおりの夢だ
 三木聡監督のロードムービー『転々』(07)では、天涯孤独で育った大学8年生の文哉(オダギリジョー)はひょんなことから借金取り(三浦友和)とその知人(小泉今日子、吉高由里子)らと"疑似家族"となり、夕食を共にする。いつも、ひとりで食事を済ませていた文哉にとっては、初めての家族団らんのひと時。何でもない普通のカレーライスをひと口食べ、文哉は涙を流す。食事を摂る上で大切なことは、どんなごちそうを食べるかではなく、誰と食べるかであることを『転々』の中の偽物家族たちは教えてくれた。『転々』をはじめ、B級グルメを扱った映画には秀作が多い。伊丹十三監督の『タンポポ』(85)、荻上直子監督の『かもめ食堂』(05)、沖田修一監督の『南極料理人』(09)などなど。ただし、それらの作品は料理人が主人公であるのに対し、『極道めし』は食べる側が主人公だ。作った側の苦労や思いやりを考えずに、ガツガツと平らげ、「ごちそうさま」のひと言もない、礼儀知らずな大バカモノたちばかりだ。  本作のメガホンをとったのは前田哲監督。そんな大バカモノたちの視点から、心に染み入るグルメ映画を撮り上げた。思い出の逸品をシズル感たっぷりに映し出すことはもちろん、大バカモノのためにせっせと調理に励む家族や恋人たちの姿を丁寧にクローズアップしてみせる。とりわけ、身勝手な恋人のためにラーメン用のネギをけなげに刻む木村文乃の後ろ姿が何とも美しい。愛する者のために台所に立つヒロインの背中に後光が差している。『ブタがいた教室』(08)では食べる側と食べられる側のシビアな関係に着目した前田監督だが、本作では作る側と食べる側との関係性をドラマとして見せることで、過去の名作グルメ映画に肩を並べる作品へと押し上げることに成功した。  本作を観ているうちに、次第に自分自身の体験も蘇ってくる。働きすぎてポックリ亡くなってしまった母親のことだとか、昔付き合っていた彼女のことだとか。自分にとって大切な人であるはずなのに、でもどんな話をしたとか、そのときどんな表情をしていたとか、肝心な記憶はどんどん曖昧になっていることにも気づく。そうなのだ、自分も大バカモノのひとりなのだ。刑務所の中にいる健太たちと大して変わらない、恩知らずの大バカモノなのだ。自分にとって大切な人の顔がうろ覚えになっているくせに、狭い台所から聞こえてきた野菜を刻んだり、油がはねる音、吹き溢れた鍋から漂う匂いの記憶だけは鮮明に覚えている。そして、二度と食べることのできないあの味も。五感の中に記憶されている"極めし"こそが、男にとっての"桃源郷"なのだろう。思い出の中の料理ほど、美味しいものはない。 (文=長野辰次) gokumeshi04.jpg 『極道めし』 原作/土山しげる 脚本/羽原大介、前田哲 監督/前田哲  出演/永岡佑、勝村政信、落合モトキ、ぎたろー(コンドルズ)、麿赤兒、木村文乃、田畑智子、田中要次、木下ほうか、でんでん、木野花、内田慈  配給/ショウゲート 9月23日(金)より新宿バルト9ほか全国ロードショー <http://gokumeshi-movie.com>
極道めし(8) ゴクリッ。 amazon_associate_logo.jpg
●深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】INDEX [第136回]"理想の恋人"という偶像を破壊せよ 深夜番長の劇場デビュー作『モテキ』 [第135回]"城定秀夫監督、ブレイク前夜の予感! 闘争本能を呼び覚ます『タナトス』 [第134回]"人間失格"の道を選んだ映画監督の業 林由美香の最新主演作『監督失格』 [第133回]ホラ吹きのホラを見破る特異な職能 ポランスキー監督『ゴーストライター』 [第132回]芦田愛菜、6歳にして危険な魅力!? 子連れで全力疾走『うさぎドロップ』 [第131回]元"暴走族"が書いた旧友への鎮魂歌 青春懺悔録『アメイジング グレイス』 [第130回]V・ギャロ主演のサバイバルグルメ!? 『エッセンシャル・キリング』 [第129回]『キック・アス』より悪趣味で泣ける 中年男の悪ノリ暴走劇『スーパー!』 [第128回]この夏の清涼剤、地方少女のダンス成長記『あぜみちジャンピンッ!』 [第127回]竹ヤリで世界進出"スシタイフーン"『エイリアンVSニンジャ』ほか逆上陸 [第126回]イーモウ監督、久々のアイドル映画 中華的妹萌え『サンザシの樹の下で』 [第125回]ナタリー・ポートマン vs. ヘビメタ野郎 人気女優の隠し球『メタルヘッド』 [第124回]黒澤明の名作『生きる』のラテン版! ヤモメ男が残した遺産『BIUTIFUL』 [第123回]北国で93年間営業を続ける"大黒座"と町の記録『小さな町の小さな映画館』 [第122回]新幹線がすれ違う瞬間、願いが叶う? 小学生の目線で描かれた『奇跡』 [第121回]理想と情熱がもたらした"痛い現実" 青春の蹉跌『マイ・バック・ページ』 [第120回]胸に響く金言"プロとは手を抜くこと" 職人秘話『アトムの足音が聞こえる』 [第119回]危険な出会い、井口昇ミーツ仲村みう 悪夢の遊園地『富江 アンリミテッド』 [第118回]ナタリー・ポートマン"第1章"の終幕 虚実が攻め合う『ブラック・スワン』 [第117回]"セカイ"を旅立った少女の地底探検記 新海誠監督の新作『星を追う子ども』 [第116回] 美少女たちの輝きが脳裏から離れない。青春ムービー『魔法少女を忘れない』 [第115回] 恋愛が与える"陶酔"とリアルな"痛み"サブカル活劇『スコット・ピルグリム』 [第114回]妄想、空想、そして現実からの大脱走 美少女革命『エンジェル ウォーズ』 [第113回]"3.11"後の新しい映画モデルとなるか『劇場版 神聖かまってちゃん』の挑戦 [第112回]マスコミが讃えた"楽園"のその後、ひとりの少女の成長記録『愛しきソナ』 [第111回]閉鎖的な"村社会"をブチ破ったれ! 韓流サバイバル劇『ビー・デビル』 [第110回]"粋"を愛したフランスの伯父さん J・タチ主演『イリュージョニスト』 [第109回]自分にとって家族は敵か、味方か? オスカー2冠受賞『ザ・ファイター』 [第108回]コーエン兄弟『トゥルー・グリット』40年で変化した"米国のヒーロー像" [第107回]ジョニー・デップが愛した"極道記者" 『GONZO』奇人がスターだった時代 [第106回] 巨匠イーストウッド監督の異色作! 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125億ドルでモトローラを買ったGoogleアンドロイド陣営の真の狙い

──激変するITビジネス&カルチャーの深層を抉る!
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Googleマン&キャプテン・モトローラタッグ
の結成で、ケータイ市場で勝利をおさめる!?
 8月中旬、世界を驚かせたグーグルによるモトローラ・モビリティ買収劇。その異例の買収額も相まって、さまざまな憶測が飛び交った。果たしてグーグルの真の目的はどこにあったのか?ヒートアップする携帯OS戦争の行方を探る。  グーグルが、アメリカの通信機器大手モトローラ・モビリティを125億ドルという驚異的な金額で買収することを発表した。日本円にして、なんと1兆円に達しようという価格である。  モトローラは、コンピュータ業界に古くから接している人にとっては非常になじんだ企業名だ。設立は第二次世界大戦以前。1970年代末から80年代にかけては、インテルに張り合って68000シリーズと呼ばれる32ビットの高性能CPUを開発し、マニアックな人気を誇った。シャープのX68000なんてパソコンもあったほどだ。このシリーズはMacintoshにも搭載され、後継でIBMなどと共同開発されたPowerPCも含めれば、モトローラはずっとアップルの良き友だったのだ。  携帯電話の世界で言えば、同社から80年代末に登場したマイクロタック、そして90年代半ばのスタータックという端末は超カッコよかった。90年代半ばはまだ携帯の黎明期で、日本製の機器にはろくなデザインのものがなかった時代である。スタータックの小ぶりでソリッドなデザインは、多くのマニアの心をわしづかみにし、ちょっとレトロな「M」のマークに皆憧れた。  モトローラ携帯最後のヒット作は、04年のレーザー。iPhoneを先取りしていたような超薄型で優れたデザインだったが、これ以降はヒット作を出すこともなく、停滞してしまう。シェア争いではノキア、サムスンに引き離され、さらにiPhoneやアンドロイドの登場でスマートフォン化が進み、携帯電話の市場が大きく様変わりをしていく中で、独り置いてけぼりを食らう状況に陥ってしまったのだった。  携帯電話機器が極度の不振に陥ったことで、モトローラはこの分野の分社化を決意する。そうして11年初頭、モトローラは携帯電話とテレビ関連の機器事業を担当するモトローラ・モビリティと、ネットワーク関連機器などを扱うモトローラ・ソリューションズに分社されたのだった。  今回グーグルが買収したのは、前者のモトローラ・モビリティだ。スマートフォン戦争にすっかり乗り遅れ、かなり落ち目になってしまった社員1万9000人の大企業を1兆円もの巨費を投じて買収したのは、いったいなぜだったのだろうか?  グーグルは、買収の理由は特許戦争の防衛だったことを認めている。  スマートフォンの開発は特許のかたまりで、何か新しい機能を実装しようとすると必ずほかの企業の特許に抵触することになる。他社から提訴されればたいへんな訴訟費用がかかってしまうため、自社の持つ特許と「無料で特許を認め合う」というようなことを行って、特許訴訟を回避する。これがクロスライセンス契約と呼ばれるものだ。  ところが携帯電話OS「アンドロイド」を普及させようとしているグーグルは、携帯電話市場ではまったくの新参者。クロスライセンス契約を結ぼうにも、交換できる特許をほとんど持っていない。そしてこれをいいことに対立陣営は、アンドロイドの機器メーカーに特許訴訟を仕掛けてくるようになった。このままでは訴訟費用に負けてアンドロイド陣営は崩壊し、市場も収縮しかねない。そういう状況の中でグーグルは、大枚をはたいてモトローラを買収したのだ。なにしろ携帯電話市場の古株であるモトローラは、約1万7000件にも及ぶ携帯電話関連の特許を所有しているから。
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暴排条例の施行でガラ空きの"『紅白』演歌枠" ジャニーズがねじ込まれる!?

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第62回NHK紅白歌合戦公式サイトより
 暴力団関係者との"黒い交際"を明かし、島田紳助さんが芸能界を引退した余波で一躍注目を浴びているのが、10月1日から東京都でも施行される暴力団排除条例。その影響で出場歌手が大幅に制限されそうなのが、大みそかの『NHK紅白歌合戦』だという。 「NHKの松本政之会長は今月8日の定例会見で、出演者と取り交わす契約書に4月から『暴力団排除条項』を盛り込んでいることを明かした。そのため、出場者としてリストアップしている歌手の暴力団関係者との関係について、徹底的に洗い出している。昨年の出場者だと、これまで何度も大トリを務めている北島三郎は暴力団とズブズブで、某広域暴力団のテーマソングを作っているほど。細川たかしは暴力団関係のゴルフコンペ出席で『紅白』出場見合わせになったこともあるので、そろって出場はアウトだろう。昨年、演歌勢は男女で13組出場したが、今年は多くても8組程度にとどまりそう」(レコード会社関係者)  そこで、空いた演歌枠にねじ込まれそうなのがジャニーズ事務所の所属タレントだというのだ。 「昨年は白組の司会を嵐が務め、常連のSMAP、TOKIOに加え、どさくさまぎれにジャニー喜多川社長の"スペオキ(=スペシャルなお気に入り)"中山優馬がいるNYCもねじ込み4組が出場。出場の伏線としてNYCには昨年の4月からNHKの人気アニメ『忍たま乱太郎』の主題歌『勇気100%』を歌わせた。スペオキの『紅白』出場にジャニー社長はかなりご満悦だったとか」(スポーツ紙記者)  そして、今年は昨年の4組から大幅に増えそうな勢いだという。 「昨年の出場歌手のうち、NYCは厳しいだろうが他の3組は当確。さらには、まず、今年の司会内定と言われているのが、視聴率が好調な朝の情報番組『あさイチ』の司会を務めるV6の井ノ原快彦と同局の有働由美子アナ。2人は"夏の紅白"と言われる8月に放送された『思い出のメロディー』の司会を務め、緊張でカミカミの有働アナを井ノ原がうまくフォロー。井ノ原のおかげでV6、今年事務所がイチオシの関ジャニ∞とKis-My-Ft2(キスマイフットツー)も内定といわれている」(芸能プロ関係者)  ここまでだと昨年出場した嵐、SMAP、TOKIO、V6、関ジャニ、キスマイの6組で、これでもジャニーズ史上最多の出場者数となるが、ジャニー社長のスペオキがいるあのデュオもねじ込まれそうだというのだ。 「ジャニー社長が高級車を買い与えるほど気に入っている今井翼のいる『タッキー&翼』です。シングルを出せどもなかなか売れず、事務所の猛プッシュで『24時間テレビ』(日本テレビ系)のメーンパーソナリティーを務めた07年も出場できなかった。タッキーこと滝沢秀明は周囲から『ソロでやったら?』と勧められたが、『翼と一緒じゃないとイヤ』と突っぱねたことを聞いてジャニー社長も感動。『あの2人を紅白に出してあげたい』と周辺関係者に漏らしていたこともあった。今年は昨年のNYCと同じ手口で、タキツバが歌う8月発売のシングル『Journey Journey~ボクラノミライ~』のカップリング『友よ』が8月から9月に同曲の長寿音楽番組『みんなのうた』で放送された。また今井は3月から同局のスペイン語講座番組『テレビでスペイン語』のナビゲーターを務めているのもあまりにもタイミングが良すぎる」(同関係者)  先日、自宅の高級マンションに不審者が侵入する騒動に巻き込まれたジャニー社長だが、大みそかに念願が達成されそうで、いい形で1年を締めくくれそうだ。
おとこの潮路 サブちゃんが出ない紅白なんて! amazon_associate_logo.jpg
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「やっと逢えたね」元ジャニーズの川崎麻世、待ち望んだあの人と対面!

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うちの松岡、気合入り過ぎて変な格
好してなかったでしょうか?

 俳優・川崎麻世が、後輩にあたるTOKIO松岡昌宏と初めて食事し、"ジャニーズトーク"で盛り上がったことを自身のブログで明かしている。

「やっと逢えたね」

再放送なのに再放送じゃない!? 矛盾する『ほこ×たて』に非難続出!!

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※画像はフジテレビ「ほこ×たて」公式HPより
【メンズサイゾーより】  19日に放送されたバラエティー番組『ほこ×たて』(フジテレビ系)が、ネット上を中心に非難を浴びている。矛先を向けられたのは番組の内容。再放送というわけでもないようなのだが、以前放送されたものとまったく同じVTRが流されただけの番組に、多くのユーザーが戸惑い、怒りを覚えたようだ。見ていない人のために、詳しく経緯を探ってみよう。  『ほこ×たて』とは、その故事成語をもじった番組タイトルの通り、相反する主張をするものが「実際に戦ってみたらどうなるのか」という疑問に答えを出す番組。メーンMCをタカアンドトシが務め、来月10月からゴールデンタイムに進出するフジテレビの人気バラエティー。そして、この番組の中でメーン企画となっているのが、日本の中小企業が英知を集めて作り上げた、世界に誇る技術品同士の対決だ......
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「女性自身」が撮った加藤茶夫妻2ショットに、どうしてもぬぐえない疑問

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「女性自身」10月4日号(光文社)

下世話、醜聞、スキャンダル――。長く女性の"欲望"に応えてきた女性週刊誌を、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ぶった斬る!

第93回(9/15~9/20発売号より)

 18日夜に愛知県日進市で行われた花火大会で、福島県で製造された花火が"パージ"された。放射性物質への心配からだ。今回のケースは実際に放射性物質が検出された京都の五山送り火問題とは少し違うと思う。運輸のための車さえも問題視されたらしい。しかも花火自体は昨年作られたものだったというのに。いろんな意味で西日本と東日本の温度差が徐々に広がってきているように思う。徹底的な放射線検査と情報公開がなければ、日本は西と東に分断してしまうのでは。そんな心配をしてしまうほど、事態は悪化していると思う。

原発関連記事は激少傾向! いま問われる週刊誌ジャーナリズムの役割

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「フライデー」9月30日号
第1位 「スミで146行塗り潰し!東電が隠す『事故手順書』」 「福島の農業『セシウム汚染放射能と共存するしかない』」 「福島第一原発作業員の告白『いまだ1万ミリシーベルト検出!作業拒否が続出』」(「フライデー」9月30日号) 第2位 「独占袋とじ企画 小向美奈子 誌上AV連続写真」(「週刊ポスト」9月30日号) 第3位 「鉢呂前経産相が語った失言騒動の一部始終」(「週刊朝日」9月30日号)  ジャーナリスト歴75年になる、むのたけじは『希望は絶望のど真ん中に』(岩波書店)の中で、ジャーナリズムについてこう書いている。 「私の考えでは民衆生活の朝夕の相談相手ですな。(中略)世の中の続発する動態についてその原因と過程と結果を明らかにして、さらに一つの結果が次の新しい原因となる筋道を明らかにする作業」  そうした任務をするべきジャーナリズムがおかしくなってきていると、むのは指摘する。  さて、福島第一原発周辺を視察した後の感想で「死の町」と表現し、前日の囲み取材では記者に「放射能つけちゃうぞ」と発言したとして辞任に追い込まれた鉢呂吉雄前経産相のケースは、バカな奴が大臣になっただけということで片がついたようだが、「週刊朝日」が検証してみると、事実関係がだいぶ違うというのだ。  まず「死の町」という表現は不適切なのか。当の鉢呂は、そう新聞に書かれたことを驚いたと話している。  元共同通信論説副委員長・藤田博司は、そう感じるのは自然だと弁護し、ノンフィクション・ライターの吉岡忍も、3月下旬に原発から半径20キロ圏内に入ったとき、まさにそこは「死の町」だったという。  「放射能つけちゃうぞ」発言は、鉢呂はまったく記憶にないという。先の藤田は、当事者である毎日新聞の記者が「『放射能をつけたぞ』という趣旨の発言をした」と書いているのは不自然だとし、表現も各社まちまちで鉢呂に真意を確認した形跡もないと断じる。この程度の事実で閣僚の進退や責任を問うのはおかしいともいう。  吉岡は、今回の報道の背景には被災者たちを弱者とみなす裏返しの差別を感じるという。 「そうなった理由には、遺体を報じられなかったメディアの形式主義があると思う。この震災では多くの被災者ががれきの下などに無惨に横たわる遺体を見ている。だから悲しみも大きいんです」  そういう現実から目をそむけたメディアは被災の残酷さを浅くしか理解しなかったため、今回のような見当外れの報道に陥ったのではないかと指摘する。  鉢呂は経産省の「総合資源エネルギー調査会」の委員を原発推進派が多数を占めていたため、それを半分にしようと予定していたのが、経産省にしてみれば煙たかったのではないかと語っている。  マスメディアがろくな検証もせず大声で触れ回れば、大衆は何の疑問も挟まず、けしからん辞任させろと大合唱する。今回のケースもそうではなかったのか。新聞、テレビ、週刊誌は今一度検証してみる必要がある。  第2位は「週刊ポスト」の袋とじ企画。クスリ疑惑騒動もあり、フィリピンに逃げていたとき撮られた醜く太った小向美奈子の姿に、これではカムバックは難しいのではないかと思っていたが、このグラビアで見る限り、彼女の愛らしとセクシーさがよく出ている。  今アイドルになるための道はいろいろあるようで、飯島愛のようにAV女優からアイドルを目指す子も多くいるようである。  小向は逆のケースだが、この胸の大きさと愛らしさがあればAV界のスターになれるかもしれない。つまらない男やクスリに走らず頑張れと声援を送りたくなるが、無理だろうな~。  今週のグランプリは「フライデー」の原発3連発に贈る。まだあの原発事故から半年しか過ぎていないというのに、メディアから原発記事が消えかかっているのは、おかしくないか。  あれほど放射能は危険だ危険だと大騒ぎしてきた「週刊現代」も、今週ザッと見る限り原発関連記事はゼロである。  ジャーナリズムの役割を忘れかけている週刊誌の中で、3本もやっているのは見事である。  「スミで146行塗り潰し!東電が隠す『事故手順書』」では、原発事故の原因を検証するために衆議院側が求め、9月7日にようやく東電側が出してきた「事故時運転操作手順書」は、12ページ分、全159行のうちスミが塗られていないのは13行だけだったと告発している。  東電側は知的財産や、開示することで原子力安全確保上の問題が生じるためだと弁解しているが、ふざけるな! である。「フライデー」は「福島第一原発事故が『人災』であることを示す決定的な証拠がそこに記載されている」ためではないかと書く。  地震直後、1号機原子炉内の圧力が急激に低下したが、これは揺れによって配管損傷が起きた証拠ではないかと指摘されてきた。東電と保安院側は圧力低下の理由を「非常用復水器が作動したため」としているが、それがわずか11分で停止されているのはつじつまが合わないではないかという厳しい批判もある。  もし非常用復水器が作動していれば、メルトダウンから水素爆発までの時間を稼ぐことができ、事故を回避できた可能性もあったのに、作業員の手によって「手動」で停止されてしまったのはなぜなのか。  ここで、私が事故直後の3月13日に公表した「地震のとき中国・北京で勝俣東電会長と一緒にいた」という事実をもう一度書いておきたい。  あとになって清水社長も奈良方面にいたことが判明するが、東電の決定権を持つトップ2人が震源地から遠く離れ、東電本社で2人がそろったのは、どう考えても地震が起きてから丸一日近くが経っていたはずである。原発事故の収束は現場だけで判断できるはずがない。廃炉にするかどうかも含めてトップの決断がなければ、現場は動きがとれなかったはずである。  私は、東電の不幸が日本人全体の不幸になってしまうのではないか、そこのところをしっかり検証してくれと、新聞を含めたメディアに話をしたのだが、どこのメディアも検証した形跡はない。  この記事を読んで、東電側が隠したかったのは、非常時には現場はもちろんだが、トップが即断するべきこともこと細かく書かれているのではないかと思った。しかし、そのトップ2人とは満足に連絡さえ取れなかったのである。そのことを含めて東電側は隠ぺいしたいのではないのか。この私の推測はそれほど間違っていないと、掲載されている勝俣東電会長が自宅から出てくる写真を見ながら、私は考えるのだが。  2番目の記事は、チェルノブイリ原発のその後をたどって、放射能とどう付き合ったらいいのかを考えるルポである。  86年4月の原発事故直後に政府は広範囲の線量マップを作り、高線量の放射能が確認された地域では、農業や酪農を停止し、中程度の地域では乳牛の飼育を禁じた。また汚染されていないエサを与え、家畜の体内の汚染量を下げる対策を取ったというのだ。  日本政府より対応がはるかに速い。  90年代になると「プルシアンブルー」という薬品が使われた。これは牛に飲ませるとセシウム結合体を体外に放出させる効果がある。  そうしたことを試みながら「放射線量を何とか基準値以下に抑えこんで農作物を作り続けようという発想」で、流通も販売も「放射能汚染ありき」の態勢をとっているというのだ。  しかし福島の農家は、農作物が基準値より大幅に低くても、1ベクレルでも検出されれば消費者は買ってはくれないと嘆く。これだけ大量にばらまかれた放射能から逃げて暮らすことはできはしない。それは日本から離れても同じである。原発から出される人工放射能から逃れられないならば、どこで折り合いをつけて生きていくのかが、われわれ全員に問われているのだ。  3本目は福島第一原発の作業現場ではいまだに大変な事態が解消されてはいないという現場ルポ。  ベテラン作業員は「死地に行くようなもんだ」と仕事を拒否する者が多く、そのために人手が足りず、最近では原発で仕事をしたことがない素人でも大量に採用されている。しかし低賃金、保険未加入、契約書もない不当な雇用条件はおかしいと告発する作業員も出てきていて、現場では不満が鬱積してきている。そのため作業ははかどらず、東電が発表している「安定した状態」などウソっぱちだと作業員が語っている。  8月1日には1号機と2号機の原子炉建屋の間にある排気筒近くで「毎時1万ミリシーベルト」という、信じられない高い線量が検出されている。  浄化システムを構築したり原子炉建屋をカバーで覆っても、しょせんは応急措置をしているだけで、溶解した核燃料を取り除くためには格納容器近くに作業員が入らなければならない。だが、そうした作業はほぼ不可能だと、東芝で原子炉格納容器を設計した後藤政志は分析している。彼は「福島第一は手のつけられない状況にあるんです」と警鐘を鳴らす。  東電や政府が情報を出さなくなったときこそ危ないのである。メディアはどんな小さなことでもいいから、福島第一原発から目を離してはいけない。 (文=元木昌彦)
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撮影/佃太平
●元木昌彦(もとき・まさひこ)
1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。 【著書】 編著「編集者の学校」(編著/講談社/01年)、「日本のルールはすべて編集の現場に詰まっていた」(夏目書房/03年)、「週刊誌編集長」(展望社/06年)、「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社/08年)、「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス/08年)、「競馬必勝放浪記」(祥伝社/09年)、「新版・編集者の学校」(講談社/09年)「週刊誌は死なず」(朝日新聞社/09年)ほか
希望は絶望のど真ん中に そう信じたい。 amazon_associate_logo.jpg
【関連記事】 SM、のぞき魔、露出狂まで!? 知ってびっくり世界の性教育 「紳助はスケープゴート」暴力団との不適切な関係は吉本の体質だった!? 「心を許せる友は暴力団関係者だけだった」島田紳助"黒い携帯メール"

エイベックス内部に見切りをつけている派閥も!? 浜崎あゆみ休業の可能性は?

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※画像は『ayu-mi-x 7 presents
ayu trance 4』
より
【メンズサイゾーより】  16日放送の『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)25周年記念特番に出演予定だった歌手・浜崎あゆみが、滞在先のアメリカで急性いん頭炎を発症したとの理由で出演をドタキャンしたことが大きな話題となり、収束のめどすら立たない状態に陥っている。  この特番は午後7時から3時間、生放送で行われたが、浜崎は突然番組に穴を空ける結果となり、当日番組は過去のVTRを放送するなどして急場をしのいだ。公式サイトでは「体調不良により帰国予定の航空便に搭乗することが出来なかった」としている。  翌日夜、ラスベガスから帰国した浜崎はマスクにサングラス姿で空港に降り立ち「大変申し訳ない」と謝罪。公式サイトでも「本当に残念で、心苦しく、申し訳なく思っています」とコメントした。このドタキャン劇については局と"話し合って解決済み"だと報じられているが......
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まさかの歯ブラシで快楽の扉を開けた! 虫歯のない女と歯学部生の不思議な恋

【作品名】『恥じらい乙女の一雫~乱れ酔い~』 【作者】助知奈

【作品紹介】 親知らずを抜いた夜の合コンで、まさかのお持ち帰り!? しかも相手は憧れの周一先輩じゃなくて、無愛想な孝明先輩!! だけど酔いつぶれた私を介抱してくれただけで、ホントは優しい歯ブラシマニアな彼に惹かれてって......。

【サイゾーウーマンリコメンド】 やだっ! 歯ブラシマニアなんてニッチすぎるじゃないですか!! しかも歯ブラシであんなことやこんなことをされている絵がシュール。でも愛するふたりには、どんなアイテムでも大人のおもちゃになっちゃうんですよ!!

「処女・童貞は決して珍しくない」未婚男女のキビシー現実

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 国立社会保障・人口問題研究所が18歳~34歳の未婚者を調べたところ「交際している異性はいない」と回答した未婚者は男性52.2%、女性では44.7%と未婚男女の約半数には恋人がいないという結果が出ている。  また、過去の性体験の有無について18歳~34歳を調べた場合、男性の平均値は、35.4%もの人に性体験がない。女性の平均値は37.6%の人に性体験がない。  年代を広げると混乱するだろうから、年齢を30歳~34歳にしぼってみると、30歳~34歳で性体験のない未婚男性、24.3%。30歳~34歳で性体験のない未婚女性は26.7%という数値が出ている。
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