オートレーサー・森且行、12年目の告白 「まだ1番じゃない。負けるわけにいかない」

──1996年、森且行は突如として芸能界を引退し"爆音"の世界に消えていった。以来、12年の月日が経った。オートレーサーとして一流の称号をつかんだ彼の現在の心境はいかに? "オートレーサー・森且行"をプロデビュー前から追い続けてきたノンフィクション作家が、34歳になった男の本音に迫る。
(当特集は2008年5月号掲載のものを再構成・編集したものです)

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拡大画像はプレミアサイゾーでご覧になれます。
(写真/田中まこと)

 森且行がオートレースの世界に身を投じてから、12年が過ぎた。

 時折、取材先で知り合う20歳ぐらいの女の子に「あのグループに木村、中居、草彅、香取、稲垣のほか、もう1人いたって知ってる?」と聞くことがある。すると彼女たちはすぐに「知ってます」と答える。その返事を聞くと、僕は少しうれしくなる。当時。人気絶頂だったアイドルグループを脱退してまで、自分の夢に賭けた1人の男の存在を、世間はまだ忘れないでいる。

数々の記録を更新中! ジャスティン・ビーバー、2010年に41億円を稼ぐ

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リッチカップルのジャスティンとセレーナです。高笑い
が聞こえてきそうです

 世界中のティーンに絶大な人気を誇る、歌手ジャスティン・ビーバー。YouTubeでの再生回数や、Twitterのフォロワー数はもちろんのこと、今年2月に公開された3D映画『ジャスティン・ビーバー ネヴァー・セイ・ネヴァー』は『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』を超え、アメリカ至上最高の興行収入を上げたコンサート・ドキュメンタリー映画に輝いており、17歳という若さで数々の記録を塗り替えるヒットメーカーとして注目されている。そんなジャスティンが、ハリウッドのティーン長者番付でトップに躍り出たことが明らかになった。

枕営業はやはりある!? 岡本夏生「10年芸能界で生き残るためには…」発言の重み

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※画像は岡本夏生オフィシャルブログ
「人生ガチンコすぎるわよ!」より
【メンズサイゾーより】  2009年に自殺した韓国の女優、チャン・ジャヨンが「31人に100回以上の酒接待、性接待を強要された」などと自筆で残した文書が今年3月に公開され、話題となったことは記憶に新しい。捜査の結果、この筆跡はチャンさんのものではなかったという結論に至り、騒動も終結したが、とかく、この手の"枕営業"の存在の有無については、韓国だけでなく日本の芸能界においても、まことしやかに囁かれ続けているうわさのひとつだろう。  オンラインゲーム『Dragon Nest』の新キャラクター「ハロリ」の声優に初挑戦することとなった、モーニング娘。道重さゆみが、8月15日にコスプレ姿で記者会見に出席した。道重といえばこれまで......
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一晩限りのはずが、彼に恋しちゃった……もう一度触れてほしいの!

【作品名】『キャバ恋 甘く淫らな夜 』 【作者】森智世乃

【作品紹介】 彼氏に捨てられて行く所がなくなったキャバ嬢の私・ちせ(源氏名=ゆかり)。たまにお店にくるお客の吾郎さん家に拾ってもらって一週間。さみしさと勢いで最初にHしてから、二度目はナシ。私たちのカンケーって何? ゆきずり? ただの気まぐれ? 私は吾郎さんのこと好きになっちゃったのにな。そんななか、お店にお客としてきた彼。「勘違いするな」なんて......!?

【サイゾーウーマンリコメンド】 はい、名言頂きましたよ~!! 「あそこがキュウキュウしてるよ」!! みなさんも男性から言われるように頑張りましょう。

「日本の侵略戦争が……」苦情殺到の「まんべくん」Twitterが中止へ 長万部町長が謝罪

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「まんべくん」公式Twitterより
 8月14日に、Twitter上で「どう見ても日本の侵略戦争が全てのはじまりです」「日本の犠牲者三百十万人。日本がアジア諸国民に与えた被害者数二千万人」などと発言し、問題視されていた北海道長万部町のゆるキャラ「まんべくん」について、長万部町の白井捷一町長がWEB上に「お詫び」を掲載。「まんべくん」のTwitterが中止されることが明らかになった。  「まんべくん」Twitterは長万部町に委託された業者の男性が更新作業を行っており、上記の発言について町長は「お詫び」の中で「まんべくんのキャラクターの商標を許可している株式会社エム社のコメントであり、長万部町の公式な発言でありませんので、ご理解を頂きたいと存じます」としながらも、「町のキャラクターである『まんべくん』の発言であり、皆様にご心配ご迷惑をおかけいたしましたことを重ねて深くお詫び申し上げます」と謝罪。当該業者に対して「まんべくん」の使用許諾を禁止するとともに、「まんべくん」Twitterを中止することを明言した。 「『まんべくん』は、町の公式キャラクターには似つかわしくない過激な発言で人気を集めていました。過去にも問題発言をして謝罪騒動を起こしたことがありましたが、そうした騒動もキャラクターと長万部町の"知名度アップ"には確実につながっていました。そうした経緯から、今回の件も賛否を呼ぶことは織り込み済みでの発言だったのでしょうが......」(ネットに詳しい記者)  町は今後、更に今回の状況を調査し適切な対応をしていくという。人気キャラとして一躍有名になった「まんべくん」、このままお蔵入りとなるのだろうか。
まんべくん ぬいぐるみ (L)サイズ 短い間でしたが、おつかれさまでした。 amazon_associate_logo.jpg
【関連記事】 ゆるキャラ最萌えを狙う!? 噂の「チーバくん」衝撃的登場! まさに鬼畜!? 同類を売る看板ゆるキャラの悲哀『共食いキャラの本』 みうらじゅん、ひこにゃんピンチに物申す

日本一有名になってしまった村・飯舘村村長が綴った"までい"な暮らし

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『美しい村に放射能が降った
~飯舘村長・決断と覚悟の120日~』
(ワニブックスPLUS新書)
 前例のない原発事故が多くの人々を混乱させている。右往左往する政府や自治体、東京電力、原子力安全・保安院、そして学者や知識人、言論人と呼ばれる人々も例外ではない。ある人は「不謹慎であるけども」という前置きをしながら「原発は現代アートみたいなもの」と皮肉っていた。受け取る側の解釈一つによって、同じ数字が「ただちに健康に影響はない」ものであると同時に「今すぐに避難しなければならない」ものとなってしまう。  ホットスポットであることが判明し、計画的避難区域に認定された福島県相馬郡飯舘村。わずか人口6,000人あまりの小さな村は、突如として日本でいちばん有名な村となってしまった。この村の村長である菅野典雄氏による手記『美しい村に放射能が降った ~飯舘村長・決断と覚悟の120日~』(ワニブックスPLUS新書)が発売された。  阿武隈高地の北部に位置する飯舘村を、3月11日以前に知っていた人はどれほどいただろうか? 美しい自然とおいしい農作物、人間味あふれる人々。「平凡な日本の美しい田舎」と菅野氏が表現するように、そこは数ある小村の一つでしかなかった。本書には、この飯舘村を豊かにするために村長として奔走した彼の日々が綴られている。村の女性たちを海外に送り出す「『若妻の翼』プロジェクト」や、男性の育児休暇促進のために制定した「パパクォーター制度」など、そこには菅野氏が飯舘村のために全力を尽くしてきた歴史があった。  そんな飯舘村の歴史を象徴するような言葉が、「までい」という方言だ。  「真手」、つまり両手が揃った状態のことであり、「丁寧に」「心を込めて」といったニュアンスのこの言葉。それにあやかり、村長は村の生活を「までいライフ」と表現する。飯舘村では村人たちがともに支え合いながら楽しく、美しく、心安らかに歩んでいける暮らしを目指していた。  しかし、3月11日、村を大地震が襲い、降り出した雪とともに放射能が舞い降りた。  住民たちは避難する者、取り残される者、あるいはこの村に残ることを決める者とに分かれた。村長は村に留まることを決意し、「村を残すこと」を最大の目標とする。「放射能の害よりも避難の害の方が大きい場合だってある」と本書で綴っているように、村人にとって、故郷としての村を残すことは、命と同じくらい重要なことだった。  4月11日、計画的避難区域に指定され、1カ月を目安に全村避難を迫られるも、なかなか避難は進まない。避難にあたり、村長が政府に対して粘り強く交渉を続けていたためだ。そのような村長の行動は、「命を危険に晒すな」といった批判を全国から集めた。確かにその批判は正論かもしれない。しかし、避難"後"の村を考えた場合、村人たちの生活を守ることもまた村長としての重要な仕事だった。  6月22日、飯舘村役場は福島市役所飯野支所に開設され、一部の老人ホームや事業所を除き、避難は完了。この避難にあたり、村長は飯舘村に戻るまでの時間を「2年間」と明言した。しかし、この8月にも新たにプルトニウム239の親核種であるネプツニウム239が数千ベクレル検出され、その状況が絶望的であることが改めて明らかとなってしまった飯舘村。本当に「2年間」で村民たちが村に戻ることができるかは定かではない。しかし、村人たちの希望をつなぎ止めるためには「2年間」という約束が必要だった。この数字には、村長の村人に対する「までい」な気持ちが表れている。  『「フクシマ」論 原子力ムラはなぜ生まれたのか』(青土社)で一躍時の人となった社会学者の開沼博氏は、当サイトのインタビューで以下のように語った。 「何か原発について声を大にして主張したがる人に読んでいただければと思います。主張するなと言っているのではありません。その気持ちが圧倒的な「善意」に基づくという自覚があったとしても、実は知らぬ間に暴力や抑圧に転化してしまっていることを受け止めなければならない」  原発事故は、それぞれの立場の違いを浮き彫りにした。東京に住んでいる人/福島に住んでいる人、原発に関連のある人/原発とは無関連の人、子どもがいる人/いない人、それぞれの立場によってそれぞれの正論が存在する。今必要なのは、その正論を別の立場から批判することではなく、立場の違いを尊重しながら、他人の言葉に耳を澄ますことではないだろうか。  「村を守る」ことを仕事とする、菅野村長の言葉に静かに耳を澄ませてみると、東京では想像できない飯舘村の「までい」な暮らしが広がってくる。 (文=萩原雄太[かもめマシーン] ●かんの・のりお 1946年、現・飯舘村生まれ。70年帯広畜産大学草地学科卒業。酪農を営み、乳牛60頭を飼うかたわら、89年から7年間、飯舘村公民館の嘱託館長を勤める。96年10月、村長選挙で当選し、第5代目飯館村村長に就任、以来4期連続で勤める。合併しない「自主自立の村づくり」を進め、小規模自治体の良さを活かした子育て支援や環境保全活動、定住支援などユニークな施策で知られる。「丁寧に、心を込めて、大切に」という意味の方言から取った「までいライフ」を村の暮らしのモットーに掲げる。
美しい村に放射能が降った ~飯舘村長・決断と覚悟の120日~ 東電さん、読んでくれましたか? amazon_associate_logo.jpg
【関連記事】 原発依存症に陥った福島を生んだのは「中央への服従心」だった!? 「私たちはどこへ向かうべきなのか」写真家・広川泰士氏が語る"日本の風景"としての原発  「福島から、一緒に未来を歩いてゆく」詩人・和合亮一 その言葉とともにあるもの

リア・ディゾンが美容整形のCMに出演!! フルヌード写真集への布石か!?

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※画像は『リア・ディゾン
in USA/FINAL』
より
【メンズサイゾーより】  "グラビア界の黒船"と銘打たれ、グラビア・歌手・演劇など幅広く活躍したリア・ディゾンが、湘南美容外科クリニックのCMに出演すると16日付けの日刊スポーツが報じている。  リアは人気絶頂の2008年10月にスタイリストのBun氏とできちゃった結婚し、出産のため芸能活動休止を発表。09年4月に長女美蘭(みら)ちゃんを出産後、芸能界に復帰し舞台などに出演していた。しかし10年10月には夫との別居が報じられ、12月に離婚が成立していた。  元・夫との別居が報じられてからは、表舞台に立つこともほぼなく、今回のCMで久々に日本のメディアに顔を出すことになったリア。出演するCMは、ニューヨークのマンハッタンで6月に撮影されたもので......
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まったく働かない年下男性、仕事を押し付けられてますがどうすれば?

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心の距離の開き方がハンパないッス

――男性的な思考と女性のようなしなやかさで、魑魅魍魎のサラリーマン生活をくぐり抜けているヲネエ部長・taico。社会という迷路で立ちすくんでいる子羊ちゃんたちに愛のムチならぬ、"バラのムチ"を振り下ろすわ~!

【お悩み】
 設計会社勤務の、28歳OLです。仕事では2人1組でチームを組んでいるのですが、相談したいのは、1歳年下の男性パートナーのことです。仕事さえ納期に仕上げれば、会社から干渉さないのですが、彼はパソコンでツイッターかYouTubeしか開かず、まったく仕事をしません。今まで何度か、注意・話し合いをしたのですが、真剣を聞いてくれないのです。むしろ逆ギレしたり、モノを蹴ったり。納期が遅れると私にもペナルティが下されるので、仕方なく、私が8割ほど仕事をすることに。上司にも相談したのですが、彼が男性先輩への立ち回りが上手く、何回か相談するうちに、上司には私の方がただのヒステリーであるかのように言われます。私としては今の会社の環境が好きなので辞めたくはないのですが、このまま残業ばかりをしていると、体調まで崩しそうです。どうすればいいでしょうか。

芦田愛菜、6歳にして危険な魅力!? 子連れで全力疾走『うさぎドロップ』

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松山ケンイチが珍しく普通のサラリーマンを演じた『うさぎドロップ』。
撮影時6歳だった芦田愛菜は完成された女の子走りを見せる。
(c)2011『うさぎドロップ』製作委員会
 SABU監督作品の主人公たちは、とにかくガムシャラに走る。ヤクザから逃げるため、自分に付きまとう悪運を振り払うため、『弾丸ランナー』(96)の田口トモロヲも、『アンラッキー・モンキー』(98)の堤真一も、『トラブルマン』(テレビ東京系)の加藤成亮も、みんな走りながらアドレナリンを噴出し、ランナーズハイになって、さらに走り続ける。前作『蟹工船』(09)でちょっとコサックダンスにも挑戦してみたが、新作『うさぎドロップ』の主人公・ダイキチ(松山ケンイチ)もやっぱり全力で疾走する。これまでのSABU作品は後ろを振り返らずに自分の息が切れるまで走り切ればよかったが、今回はそうはいかない。6歳の女の子・りん(芦田愛菜)を連れて、もしくは抱っこしながら走らなくてならないのだ。自分のペースで走れない分、これまで以上にキツい走りだ。でも、ダイキチがりんの手を握ると、相手は手を握り返してくれる。シンドイけれど、ダイキチは笑いながら走り続ける。  物語の中心となるりんを演じるのは、ただいま日本でいちばんの売れっ子女優・芦田愛菜。ファーストシーンは喪服姿での登場だ。6歳児に喪服とは反則技ではないか。製作陣は初々しい演技を求め、子役経験の浅い子を探していたそうだが、『Mother』(日本テレビ系)に出演していた芦田愛菜の実力がズバ抜けており、2,000人の中からオーディションで選ばれている。おねしょして、「これは汗!」と言い訳する仕草、髪を結んでもらって喜ぶ表情、内緒でお遊戯の稽古をする姿......。目に入れても痛くないほど、かわいい愛菜ちゃんのオンパレードだ。ダイキチの家に来て初めての朝、オニギリを作る場面は母性すら感じさせる。姉さん女房の小雪と入籍して間もない松ケンも、育児を体験中のSABU監督も、愛菜ちゃんの演技と思わせない役への自然な溶け込みぶりにゾッコンだったようだ。6歳にして恐るべき魔性の女である。
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祖父の隠し子・りん(芦田愛菜)を引き取ったダイ
キチ(松山ケンイチ)。年下の叔母の面倒を見
るため、それまでの独身生活が一変する。
 原作は宇仁田ゆみの同名コミック(祥伝社)で、前半部分にあたる第1部の映画化。突然6歳の少女と暮らすことになった普通の独身サラリーマンのドタバタ&成長を描いている。主人公のダイキチ(松山ケンイチ)が祖父の葬式に出るために実家に戻ったところ、祖父に隠し子がいたことが発覚する。そのワケありな少女・りん(芦田愛菜)を親戚一同誰も引き取ろうとしないので、一本気な性格のダイキチは思わず、りんに「オレんちに来るか」と声を掛ける。りんに毎朝起こされ、ダイキチの生活は激変。ダイキチはりんを保育園へ連れていき、それから猛ダッシュで会社に向かう。丁度、仕事が面白くなってきた時期だったが、残業はスルーして、ダイキチはりんの待つ保育園へと走る。それまでの気ままな独身生活は吹っ飛び、りんの送り迎えだけで体はクタクタ。合コンにも行けないし、自宅でエッチなサイトにもアクセスできない。でも、これまでのひとりぼっちのダラダラした生活よりも、温かみのある今の暮らしがそう悪いものにはダイキチには感じられない。  それまで仕事中心の生活を理由にして、彼女も作れずにいた不器用な男・ダイキチに子育てが可能なのか。ダイキチの母親(風吹ジュン)は「子育てで、どれだけ自分の人生を犠牲にしたことか」と愚痴っていた。ダイキチは、りんの母子手帳を手掛かりにりんの母親を探し当てる。りんの母親・正子(キタキマユ)はダイキチの祖父の家政婦で、駆け出し中の漫画家だった。その後、漫画家としての勝負作を描くチャンスが巡ってきたため、りんの育児を放棄したのだ。ダイキチの会社の先輩・後藤さん(池脇千鶴)も妊娠・出産を機に、閑職へ異動した。結局、ダイキチも上司に相談して、出世コースの営業職から残業の少ない倉庫での在庫管理へと異動することになる。子どもの面倒を見ることは相当なエネルギーを使うことは、すでに実感できた。でも、子育てとは、自分の時間や人生を犠牲にすることなのか。男であり、女性との付き合いもそう多くない普通のサラリーマンのダイキチには、よく分からない。とりあえず、りんに毎朝起こされ、保育園まで走るのが日課となる。  やがて、保育園でダイキチに頼りになるママ友ができる。りんと仲良しの腕白坊主・コウキ(佐藤瑠生亮)の母親ゆかり(香里奈)だ。ゆかりは夫を早くに亡くし、女手ひとつでコウキを育てている。りんが熱を出して、ダイキチがおろおろしていると、「保護者が落ち着いて」と適切なアドバイスをくれる。父親の記憶がほとんどないコウキはダイキチになつく。家は別々だが、ダイキチとりん、ゆかりとコウキの4人はひとつの"疑似家族"のような存在になっていく。ダイキチの妹(桐谷美玲)も気になるらしく、電話をちょくちょく掛けてくる。あれだけダイキチの子育てに反対していた母親だが、ダイキチがりんを実家に連れていくと、りんの前では絵に描いたようなニコニコ顔のおばあちゃんとなる。ダイキチはいろんな人に自分たちは支えられていることに気づく。
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保育園で知り合ったゆかり(香里奈)はシングル
マザー。育児経験のないダイキチにとって頼り
になる存在となる。
 『うさぎドロップ』では父親は終身雇用の職場に勤め、母親が専業主婦として育児を担当するという、従来の家族モデルとは大きく異なった新しい家庭の姿が描かれる。1999年に放映された内館牧子脚本によるドラマ『週末婚』(TBS系)では平日は別々に過ごし、週末だけ一緒に暮らすことでアツアツの男女関係を保つ新しい夫婦像が提案された。結局、"週末婚"は「夫婦として熟成されない」と内館牧子自身が結論づけたが、家族の在り方が多様化してきていることを感じさせた。  では『うさぎドロップ』で描かれる、新しい"疑似家族"の形態は成功するのかと言えば、やはりそう上手くはいかない。全9巻の原作コミックでは第2部となる5巻から、りんとコウキは高校生に一気に成長し、無邪気だった保育園児時代とは異なるややこしい関係が待ち受けている。兄妹同然の仲良しで育ったために、りんとコウキは辛い目に遭う。ゆかりに恋心を抱いて独身を続けていたダイキチも、手痛い経験をすることになる。でも、それはコミックで描かれる、もっと先の話。映画の中のダイキチには未来のことは分からない。将来になって後悔しないよう、そのときのベストの選択をするしかない。  朝になり、ダイキチはりんの手を取って保育園へと走る。横を見ると、ゆかりもコウキの手を引いて走っている。視線を広げれば、他の人たちも同じようにハンド・イン・ハンドしながら走っている。子ども手当はどうなるのかとか、もっと企業側は子育てに理解を示す職場にならないのかとか、ダイキチにはすぐにはどうしようもならないことが多い。それでも慌ただしく走りながら、この世の中はそんなに悪いことばかりではないんじゃないかと思えてくる。育児よりも仕事を選んだ正子は、りんの手の温かさを知っているのだろうか。まだ数か月しか経っていないはずなのに、りんの握り返す手の力が前より強くなったようにダイキチは感じる。 (文=長野辰次) usagidrop004.jpg 『うさぎドロップ』 原作/宇仁田ゆみ 脚本/林民夫、SABU 監督/SABU 出演/松山ケンイチ、香里奈、芦田愛菜、桐谷美玲、キタキマユ、佐藤瑠生亮、綾野剛、木村了、高畑淳子、池脇千鶴、風吹ジュン、中村梅雀  配給/ショウゲート 8月20日(土)より渋谷シネクイント、新宿ピカデリーほか全国公開 http://www.usagi-drop.com (c)2011『うさぎドロップ』製作委員会
弾丸ランナー SABU監督流疾走映画の原点。 amazon_associate_logo.jpg
●深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】INDEX [第131回]元"暴走族"が書いた旧友への鎮魂歌 青春懺悔録『アメイジング グレイス』 [第130回]V・ギャロ主演のサバイバルグルメ!? 『エッセンシャル・キリング』 [第129回]『キック・アス』より悪趣味で泣ける 中年男の悪ノリ暴走劇『スーパー!』 [第128回]この夏の清涼剤、地方少女のダンス成長記『あぜみちジャンピンッ!』 [第127回]竹ヤリで世界進出"スシタイフーン"『エイリアンVSニンジャ』ほか逆上陸 [第126回]イーモウ監督、久々のアイドル映画 中華的妹萌え『サンザシの樹の下で』 [第125回]ナタリー・ポートマン vs. ヘビメタ野郎 人気女優の隠し球『メタルヘッド』 [第124回]黒澤明の名作『生きる』のラテン版! ヤモメ男が残した遺産『BIUTIFUL』 [第123回]北国で93年間営業を続ける"大黒座"と町の記録『小さな町の小さな映画館』 [第122回]新幹線がすれ違う瞬間、願いが叶う? 小学生の目線で描かれた『奇跡』 [第121回]理想と情熱がもたらした"痛い現実" 青春の蹉跌『マイ・バック・ページ』 [第120回]胸に響く金言"プロとは手を抜くこと" 職人秘話『アトムの足音が聞こえる』 [第119回]危険な出会い、井口昇ミーツ仲村みう 悪夢の遊園地『富江 アンリミテッド』 [第118回]ナタリー・ポートマン"第1章"の終幕 虚実が攻め合う『ブラック・スワン』 [第117回]"セカイ"を旅立った少女の地底探検記 新海誠監督の新作『星を追う子ども』 [第116回] 美少女たちの輝きが脳裏から離れない。青春ムービー『魔法少女を忘れない』 [第115回] 恋愛が与える"陶酔"とリアルな"痛み"サブカル活劇『スコット・ピルグリム』 [第114回]妄想、空想、そして現実からの大脱走 美少女革命『エンジェル ウォーズ』 [第113回]"3.11"後の新しい映画モデルとなるか『劇場版 神聖かまってちゃん』の挑戦 [第112回]マスコミが讃えた"楽園"のその後、ひとりの少女の成長記録『愛しきソナ』 [第111回]閉鎖的な"村社会"をブチ破ったれ! 韓流サバイバル劇『ビー・デビル』 [第110回]"粋"を愛したフランスの伯父さん J・タチ主演『イリュージョニスト』 [第109回]自分にとって家族は敵か、味方か? オスカー2冠受賞『ザ・ファイター』 [第108回]コーエン兄弟『トゥルー・グリット』40年で変化した"米国のヒーロー像" [第107回]ジョニー・デップが愛した"極道記者" 『GONZO』奇人がスターだった時代 [第106回] 巨匠イーストウッド監督の異色作! 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