【ぱすぽ☆】──10人のアイドルCAと共に空高く離陸せよ

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 ふわふわのミニスカートを翻し、10人の美少女たちが入り乱れて激しくダンス! ぱすぽ☆はそんなアイドルグループだ。09年の結成以来インディーズでライブを積み重ね、4月6日にメジャーデビューを果たす。今、どんな気持ちですか? 根岸愛「最初はただの女子高生だったのに......あっという間ですね」 藤本有紀美「メジャーデビューは目標だったので、すごくうれしい。でも、ここからが本当のスタート。気を引き締めていきます!」  結成時、まず最初に行ったのはライブではなく、街頭での"ティッシュ配り"。正直、先行きに不安を感じませんでしたか? 槙田紗子「それはすごく感じました。『アイドルなのにティッシュ?』って。その時は、こんなに素敵な衣装(所属事務所の先輩・若槻千夏がデザインを担当)も着れるとは思ってなかったし」 佐久間夏帆「でも、途中からは自分たちから『ティッシュ配りやりたいです!』って言ってました。そこから私たちのことを知ってくださった方も多かったんですよね。めげずにがんばってきてよかったなって思います」 「空」「旅」をコンセプトに掲げるぱすぽ☆は、世界観を"キャビンアテンダント"に統一している。ファンを「パッセンジャー」、ライブを「フライト」などと呼んでいるのもそのせいだ。パッセンジャーとの距離感が友達感覚といえるほど近いのも、魅力のひとつ。
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PlayStation MoveはWiiに似すぎではないですか?

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PlayStation Moveサイトより

 気になって仕方がない素朴なギモンを直接企業に聞いてみよう、という本連載。この連載、今回を含め残り2回である。どうぞ最後までお付き合い願いたい。

 さて、最近、リビングで埃をかぶっているWiiを久しぶりに立ち上げて遊んでみたのだが、やはり面白かった。こういったゲームはちょっとした期間を置いて、忘れた頃にプレイすると"ちょっとお得な気持ち"を味わえるのもうれしい。つらつらとそんな事を思いながらWiiをプレイしていると、プレイステーションのことを思い出した。そういえば、去年の10月くらいにWiiに似たコントローラーを発売していたなぁ、と。そう、PlayStation Moveである。

起死回生の一打となるか? 舌禍タレント、グラビア登場のワケ

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画像:「FLASH 2011年3月29日号」光文社より
【メンズサイゾーより】  3月15日発売の「FLASH」(光文社・3月29日号)の袋とじグラビアに、かつて"毒舌タレント"と称された吉野紗香が登場している。袋とじ表には、紫の大きなハットでおっぱいと股間を隠し、網タイツにハイヒールで、胸元にバタフライのタトゥーで座るカット。スクープ取り下ろしと銘打たれた"クレイジー・ビッチ!!"というタイトルにふさわしい扉だ。さらに「ビキニを外し大胆暴露! これが奔放女優の真の姿?」なるキャッチまで。ついに乳首解禁か!? はやる気持ちをおさえつつ、袋とじを開くと......。  そこには、扉と同じような網タイツに紫のチューブトップで寝そべっていたり、ヒョウ柄ファージャケットでおっぱいを隠し、挑発的なカメラ目線の吉野紗香の姿。
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マンガ最大のタブー『ワンピース』──誰も語らないヒットの真相【前編】

──いまや、単行本の累計発行部数が2億部を突破したという『ワンピース』。その圧倒的な認知度や支持率の高さから批判的なコメントはもちろん、まともな批評すら許されがたい状況になっている。いったい何がファンを妄信的にとりこにしているのか。
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 2011年1月31日、集英社は「週刊少年ジャンプ」で連載中の尾田栄一郎『ONE PIECE(以下、ワンピース)』【1】の単行本60巻までの累計発行部数が2億部を突破したことを発表。2月末までに発売される同社全33誌の表紙を『ワンピース』にちなんだものにする「表紙ジャックキャンペーン」を展開。「non-no」4月号や「週刊プレイボーイ」8号などで、タレントがキャラのコスプレをして表紙を飾るなどしている。  こんな例を引くまでもなく、ここ数年の『ワンピース』人気の過熱ぶりには目を見張るものがある。ゲームやフィギュアなど、サブカルチャーのニオイのするコンテンツやプロダクトについて、浅い知識を自慢げに開陳し、一家言ある風を装いたがる矢口真里はご多分に漏れず、多くのタレント、芸人、ミュージシャンらがファンであることを公言。明石家さんままでもが、サンジが恩人のもとを離れ、麦わらの一味に加入するシーンで泣いたと発言している。  また、集英社の雑誌のほか、10年7月には「日経エンタテインメント!」(日経BP社)8月号の表紙にもルフィは登場し、この2月には『クローズアップ現代』(NHK総合)も同作のヒットの理由を探る特集を企画。本誌でも10年11月号で『ワンピース』バブルの過熱ぶりについて報じた。そして、09年末公開の映画『ONE PIECE FILM STRONG WORLD』は興行収入48億円を記録し、1月にはアニメ版の制作や版権管理などを手掛ける東映アニメーションが、10年度の『ワンピース』の国内版権売り上げが第3四半期までに前年度通年の4倍近くとなる24億4900万円に上ると推計するなど、メディアミックス事業の成績も上々だ。

『ワンピース』批評はタブー化してる?

 かようにメガヒットコンテンツと化した『ワンピース』ではあるが、その半面、ベストセラーにはつきものの本格的な批評、評論にはなぜかめったに出くわさない。  前出「non-no」において専属モデル・佐藤ありさが「感動できるエピソードが続々と出てきてハマっちゃう」と語るように、ファンを公言するタレントの『ワンピース』評は「泣ける」「燃える」「熱い友情に感動」など、読後感を表すものばかり。「日経エンタテインメント!」が同作の魅力を「夢を抱き、仲間との友情を信じる熱いメッセージ性」「各キャラクターがそれぞれ人生の物語を持っている」「壮大な世界観」とするなど、メディアでの扱いもそう変わらない。 「それだけに、なぜ『ワンピース』が突出した人気を獲得しているのか。理由がよくわからないんですよ」  そう語るのは、『オタクコミュニスト超絶マンガ評論』(築地書館)などの著書を持つ紙屋高雪氏だ。紙屋氏は10年6月、自身のブログに「なぜ『ワンピース』はつまらないのか?」というエントリを投稿。『ワンピース』は、続々と登場する強大な敵やライバルに打ち勝つスポーツマンガのように物語が進む作品と見受けられるものの、その割にルフィには敵を倒すための努力や勝つための戦略があるようには見えない。しかし、強い信念や決意を表明するための"名言"をことあるごとに絶叫してみせる。そのロジカルではない精神論は苦手だ、としたところ、はてなブックマークに400ものブックマークが寄せられた。 「あの一件では『読者は努力や理屈なんて求めていないのでは』『あのテンポの良さが魅力』『友情と離別の物語が面白いんだ』という指摘を数多く頂きました。それだけに、ロジックを求めた僕が野暮だったのかなぁ、とも思ったものの、じゃあ、なぜ別のマンガじゃダメなんだろう? という疑問も浮かんでしまった。たとえば『SLAM DUNK』【2】だって同じように友情や仲間との絆を描いた作品ですよね。もちろん『SLAM DUNK』もベストセラーですが、なぜ『ワンピース』はそれすらも飛び越えて、日本一売れているマンガたり得ているのか。はてなブックマークはもちろん、マンガ評論家の書評や雑誌の『ワンピース』特集などもマジメに追いかけてみたんですけど、作中に描かれた絆やバトルの素晴らしさを明確に語ることに成功している言説には、残念ながら出会えませんでした」(紙屋氏)  前出『クローズアップ現代』によると、その読者層の9割は19歳以上が占め、全読者の1割以上は50代以上だという。あまりにも多くの大人をそこまで魅了するワケが明確に説明されないのは不思議な話だが、紙屋氏は、その理由のひとつにファン層があるのではないか、と見る。
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チャリティーグッズ、出演料全額寄付まで 芸能界に広がる支援の輪

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この頃の淳からは想像も出来ない行動

 「こころ」は誰にも見えないが、「こころづかい」は見える......。

 東日本大震災で自粛していた民放のCMが流れるようになり、少しずつ芸能界も平静を取り戻しつつあるが、イベントやコンサートの中止で混乱はやむを得ない。「何かしなきゃ、と思っているんですが。何からしたらいいですか。先輩もいるのに差し置いてもいいですかね」と、演歌歌手の山本譲二は言う。「みちのくひとり旅」(ポニーキャニオン)の大ヒットで、スター歌手の仲間入りした思い入れのある地の災害。そんな中、芸能界に大きな支援の輪が生まれている。

人気AV女優から個性派女優へノープランで転身!? 「映画館で作品がかかるなんて夢があるな、贅沢だな」しじみインタビュー

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ピンク映画クイーン、しじみ。
妖艶さはAV時代より上!?
【メンズサイゾーより】  日本映画の最前線を丹念に追っている人ならば一度はスクリーンで目にしたことがあるかもしれない。AVに詳しい人ならば元・持田茜と言えば通りが良いだろう。現在、映画やVシネマなどを中心に活動を続けるしじみは、04年に持田茜という芸名でAVメーカー「S1」の専属女優としてデビュー、08年12月に引退するまで数百本のAVに出演、09年から現在の芸名となり本格的に役者としての道を歩み出した。どんな役柄でも憑依したかのように成りきる演技の評価は高く、09年に主演したピンク映画『うたかたの日々』(公開時タイトル『壺姫ソープ ぬる肌で裏責め』)は第22回ピンク大賞・作品ベストテン第1位に輝いた。今後の日本映画界を担うであろう新進気鋭の映画監督たちからのオファーも多く、着実に個性派女優としての地位を築きつつある。
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辞任の前原誠司前外相 銀座のクラブで暴力団とズブズブ"黒い交際"

maehara0317.jpg 芸能取材歴30年以上、タブー知らずのベテランジャーナリストが、縦横無尽に話題の芸能トピックの「裏側」を語り尽くす!  次期総裁候補の最有力と言われていた前原誠司外相(当時)が外国人献金問題で3月6日にあっさりと辞任した。表向きは、在日韓国人からの献金だが、実際に引き金となったのは「週刊文春」(文藝春秋)3月10日号で、過去に脱税で摘発されたことがある問題企業と暴力団人脈からも献金を受けていたという"黒い献金スキャンダル"ではないだろうか。この大問題がおおごとになる前に、比較的小さいな問題で身を引き、潔さをアピールしたかったのだろう。それくらい、前原前外相にとっては、"黒い交際"は触れられたくないところだったのだ。  筆者は、昨年5月に「週刊新潮」(新潮社)が大相撲の野球賭博をスクープして時点で、前原元外相と暴力団の"黒い交際"情報を入手していた。情報元は、夜の銀座だ。  思い返せば約35年前、「週刊ポスト」(小学館)の記者時代から、筆者は夜の銀座にはスクープが転がっていると確信して、情報収集に事欠かない日々を送っていた。金銭的にもさることながら、「よく体が続くわね」と店の人間にすら嫌味を言われながら、一方で家族には迷惑をかけながらも、ひたすら銀座に通ってきた。  おかげで、芸能人と暴力団の"黒い交際"をはじめ、数々の男女のスキャンダルもスクープ取材してきた。  一昨年の8月、元俳優の押尾学被告が起こした事件についても、誰よりも先に情報をつかむことができた。なぜなら、押尾被告に合成麻薬MDMAを飲まされて変死した銀座ホステスの田中香織さんが勤めていたクラブ「ジュリア」(昨年7月に押尾事件に関する風評被害を受けて閉店)の客のひとりだったからだ。  それだけに、遺族はもちろんこと、同僚ホステスや従業員の押尾被告に対する怒りや悲しみは痛いほど理解できた。しかし、押尾被告は保護責任者遺棄致死罪に問われず、保護責任者遺棄罪のみで、懲役2年6月の判決。納得がいかない。それでも「刑が重い」と押尾被告は控訴。3月22日に控訴審が開かれる。"押尾事件"については、あらためて控訴審後に報告したい。  肝心の前原元外相と暴力団の"黒い交際"の話に戻ろう。筆者は、大相撲の野球賭博が発覚した時点で、以前から、相撲取りと暴力団幹部が夜の銀座のクラブで一緒に飲んでいる現場を何度も目撃したことがあったので、親しいクラブ関係者に情報提供を求めた。すると、「政治家だって、暴力団の幹部と飲んでますよ」という情報を得たのだ。しかも、暴力団幹部とクラブで豪遊していたのは民主党の元代表である前原だというのだから、びっくりした。この暴力団幹部とは、2004年に約2億円の脱税で逮捕された競馬予想会社の実質的な経営者だったS氏。今回「文春」が報じた人物と同一人物だった。  親しいクラブ関係者は「S氏は、今は暴力団ではないかもしれませんが、前原と一緒に飲んでいた当時は、銀座のクラブ関係者の認識だと暴力団の幹部でしたよ。一緒に来ていた日は、前原が民主党の代表を降りた日の晩でしたから、今でも鮮明に覚えてますよ」と言う。  06年、民主党の代表を務めていた前原は、"偽メール事件"の責任を取って、3月31日に代表の座を降りている。その晩に、前原は銀座8丁目にある、座っただけでひとり5万円以上は取ると言われている超高級クラブ「M」でS氏と豪遊したという。ちなみに、当時、「M」は銀座のクラブ関係者の間では、"暴力団御用達クラブ"と言われていた。  「M」の元従業員は「前原さんとS氏、それにS氏の取り巻きが6人くらいいましたかね。他にも、銀座のスキヤ通りにある有名クラブにも、全員で行きました」と証言してくれた。  このエピソードだけ取っても、前原元外相と元暴力団幹部のS氏はズブズブの関係だったと言わざるを得ない。そうでないとしたら、どのような関係だったのか、なぜ銀座で一緒に豪遊していたのか、なぜ政治献金を受けていたのかなど、自ら説明すべきだろう。  東日本大震災に紛れて、真相をうやむやにすることは許されない。 (文=本多圭)
民主党政権は、なぜ愚かなのか でも枝野官房長官だけは応援したい。 amazon_associate_logo.jpg
【関連記事】 ついに「3月13日」に決起!? 「小沢新党立ち上げ」の永田町情報 次期首相候補にも!? 現役閣僚3人に「アングラ献金」疑惑で官邸内は大騒ぎ 「東が知事なら師匠も逃げ出す!?」東国原前宮崎県知事 やはり都知事選出馬は断念か

原発、地震、救助者……海外メディアは日本の現状をどう伝えたのか

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不信を買っている要因?
【サイゾーウーマンより】  11日に発生した東日本巨大地震。東北地方は、想定を超える巨大津波に見舞われ、甚大な被害を受けた。未曾有の大惨事は、海外にも大きな衝撃を与え、多くの国が速報で報道。信じられないニュースの映像に誰もが釘付けになり、地震発生直後から特番を組んで放送し続けたCNNの視聴率は、通常より約4倍も上がったと伝えられている。  親日家の多い台湾は地震発生直後からすべてのニュースチャンネルで報道を開始しており、各局現地にレポーターを派遣。どんなに厳しい状況下に置かれても秩序を守る日本人を素晴らしいと評価した。東森新聞では夏川りみの『涙そうそう』をBGMに、被災地の様子を伝え、多くの台湾人が涙している。被災者への義援金を募る活動は台湾全土で広がっており、国民小学校でも行われている。17日夜には、台湾の人気タレントが集結するチャリティー番組が、主要放送局合同で放送され、18日には中華電視でジュディ・オングが指揮をとるチャリティーコンサート『相信希望 Fight & Smile-募款晚會』が放送される。

原発、地震、救助者……海外メディアは日本の現状をどう伝えたのか

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不信を買っている要因?

 11日に発生した東日本巨大地震。東北地方は、想定を超える巨大津波に見舞われ、甚大な被害を受けた。未曾有の大惨事は、海外にも大きな衝撃を与え、多くの国が速報で報道。信じられないニュースの映像に誰もが釘付けになり、地震発生直後から特番を組んで放送し続けたCNNの視聴率は、通常より約4倍も上がったと伝えられている。

"粋"を愛したフランスの伯父さん J・タチ主演『イリュージョニスト』

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スコットランドの離島で育った少女アリスは、パリからやってきた
タチシェフの奇術を本当の魔法だと思い込んでしまう。
(C)2010 Django Films Illusionist Ltd/Cine B/France 3 Cinema All Rights Reserved.
 目の前に立ち塞がるどうしようもない現実の重みを、ほんの一瞬だけでも忘れさせてくれるのが一流のイリュージョニスト(奇術師)だ。ドラえもんの四次元ポケットのように、シルクハットの中から次から次へとサプライズを取り出してみせ、観客にひと時の夢を楽しませてくれる。もちろんシルクハットの底には仕掛けが隠されているが、イリュージョニストは決してタネを明かすことはしない。そそくさとステージを降り、観客が見た一瞬の夢を永遠の夢に変えてしまう。イリュージョニストは"粋"でなくては務まらない職業なのだ。映画『イリュージョニスト』は、フランスの喜劇王ジャック・タチ(1907~1982)が書き残したシナリオ"FILM TATI No.4"を、『ベルヴィル・ランデブー』(02)の人気アニメーション作家であるシルヴァン・ショメ監督が現代に甦らせたもの。ジャック・タチ作品ならではの"粋"の極意を、ショメ監督が哀惜の念を込めて見事にアニメーション化している。  『ぼくの伯父さんの休暇』(52)、『ぼくの伯父さん』(58)で、子どもと犬たちに慕われる"とぼけたオジさん"ムッシュ・ユロを演じ、世界的な人気を博したジャック・タチ。彼の監督作品の中でSEXや暴力が描かれることはなく、その上パントマイム出身だけに台詞もほとんどない。無声映画を思わせる静謐な世界だ。市井の人々の暮らしのおかしみに、額縁職人の家系に生まれた美術センスとシャレた音楽を施すことで、傑作コメディーに仕立てている。"FILM TATI No.4"は、『のんき大将』(48)、『ぼくの伯父さんの休暇』『ぼくの伯父さん』に続く、長編第4作『イリュージョニスト』として人気絶頂期に実写化されるはずだった。
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主人公タチシェフのキャラクターは、往年の
喜劇王ジャック・タチの容姿や立ち振る舞いが
丹念にコピーされている。
 『イリュージョニスト』は1950年代終わりのパリから物語は始まる。ベテラン手品師のタチシェフ(ジャック・タチの本名!)は、パリの劇場でシルクハットから白うさぎが飛び出す昔ながらの演目を続けてきたが、今のパリっ子は誰も見向きもしない。腰をくねらせる長髪の歌手の金切り声に、若者たちは夢中だ。仕事のない老手品師は、やむを得ず、欧州各地へのドサ回りの旅に出る。言葉の通じないスコットランドの離れ島でも淡々と"営業"を続ける老手品師。ただ一人、ボロ旅館で働く無垢な少女アリスだけが、目を輝かせてくれる。世話をしてもらったお礼にと、タチシェフは少女に赤い靴をプレゼントして、島を去っていく。  ところが、少女はタチシェフの奇術を本当の魔法と思い込んで、付いてきてしまう。いまさら、赤い靴は買ったものだとタネ明かしすることもできない。このとき老手品師は思う、自分は大勢の人たちに夢や驚きを与えるプロのエンターテイナーのつもりで生きてきたが、実は純真な子どもを騙してきたペテン師だったのではないかと。身寄りのない少女を島に追い返すことができず、老手品師と白うさぎと少女とのエジンバラでの共同生活が始まる。生まれて初めての都会に驚き、喜ぶ少女。老手品師は、街に似合う新しい靴とコートを魔法で取り出す。もう彼の財布はすっからかんだ。それでも老手品師は言葉の通じない街で不慣れなアルバイトをしながら、少女の前で魔法を使い続ける。  大衆演芸、自転車、駄犬への狂おしいまでの愛情を詰め込んだ『ベルヴィル・ランデブー』での長編デビューを控えていたシルヴァン・ショメ監督に、シナリオ"FILM TATI No.4"の存在を教えたのはジャック・タチの愛娘、ソフィー・タチシェフ。ソフィーはジャック・タチの晩年の作品『トラフィック』(71)や『パラード』(74)にフィルム編集者として参加しており、ジャック・タチの世界観を誰よりも理解している女性だった。ショメ監督が『ベルヴィラ・ランデブー』の劇中に、『のんき大将』の映像を使用したいと頼んだ際、ソフィーは父親の世界観と若いショメ監督のイメージする世界が通じることを感じとり、映像の使用許可だけでなく父親の遺稿を託すことを決める。まさに明断だ。彼女自身が、父親が残した魔法を見たかったに違いない。だが残念なことに、ソフィーは『イリュージョニスト』の映画化をショメ監督に依頼して間もなく、2001年に他界してしまう。
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ウサ公と放浪の旅を続ける手品師のタチシェフ。
旅先の風景や大衆演芸の世界の描写にショメ
監督は並々ならぬ情熱を注いだ。
 でもなぜ、ジャック・タチは『イリュージョニスト』の脚本づくりに2年の歳月を費やしながらも、製作に踏み切らなかったのだろうか。『ぼくの伯父さんの休暇』『ぼく伯父さん』の人気キャラクターであるユロ氏を愛したファンの前に年老いた姿を見せたくなかったから、手品シーンを完璧に演じることができなかったから......さまざまな理由があったようだ。それに加えて、もうひとつ言われているのが、『イリュージョニスト』の内容がジャック・タチにとって、あまりにリアルすぎるため映画化が見送られたという説。というのも、ジャック・タチ自身が映画界に入る前の独身芸人時代に婚外子をもうけていたことが最近になって明らかになったから。若い頃はさぞモテただろう元二枚目の老紳士が、イギリスの片田舎で暮らす少女のために甲斐甲斐しく尽くす『イリュージョニスト』の物語は、"贖罪"の意識で書かれたのではないかと。  もしジャック・タチが映画界に転身せずに、演芸の世界にこだわり続けていたら。そして、もし旅先で生き別れた自分の子どもに会っていたら。『イリュージョニスト』は、ジャック・タチが果たせなかった、切ない願望の世界であるらしい。結局、ジャック・タチは『イリュージョニスト』の企画はお蔵入りさせ、主人公がいない画期的な大作コメディー『プレイタイム』(67)に着手するが、『プレイタイム』は大コケしてしまい、生涯借金に追い立てられることになる。  実写では生々しくなるエピソードを、シャメ監督は温かみのある手描きのアニメーションとして端正な一本の映画に昇華させてみせた。シャメ監督もアニメ製作に理解のないフランス映画界には随分と不満を持っており、フランス映画界の異端児的存在だったジャック・タチに深いシンパシーを抱いていたようだ。喜劇王ジャック・タチの幻の作品が、娘ソフィーからショメ監督へと粋なバトンリレーによって新たに命を吹き込まれて劇場公開される。これを"イリュージョン"と呼ばずして、何と呼ぼうか。 (文=長野辰次) ●『イリュージョニスト』 オリジナル脚本/ジャック・タチ 脚色・作曲・キャラクターデザイン・監督/シルヴァン・ショメ 声の出演/ジャン=クロード・ドンダ、エルダ・ランキンほか 3月26日(土)よりTOHOシネマズ 六本木ヒルズほか全国順次公開 配給/クロックワークス、三鷹の森ジブリ美術館 <http://illusionist.jp>
ベルヴィル・ランデブー 食わず嫌いはもったいない。 amazon_associate_logo.jpg
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