胡散臭さ、わざとらしさが命! 今こそ知っておきたい新・通販スター列伝

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3人の中で唯一HPを持っているべガス味岡

 皆さんは通販番組にどんなイメージをお持ちだろうか。胡散臭い? 安っぽい? わざとらしい? 現在ではほとんどのキー局が独自の通販番組を展開し、「マルシェ」だの「マーメイド」だのオシャレなネーミングでそのイメージを覆そうと躍起になっている。しかし、私は言いたい。通販番組とは、野暮ったさと違和感が結晶した究極の芸能であると。

 古めかしいスーツを着て、甲高い声で商品を説明し、佐世保の小さなカメラ屋を一流企業に押し上げたジャパネットたかた。「全国をネットする快適ライフのパートナー」というキャッチフレーズも、読むほどに違和感がこみ上げてくるが、TVッ子の脳には深く深く刻み込まれている。通販界の東の正横綱が高田社長なら、西は間違いなくトーカ堂・北社長。無いはずのハンカチで汗をぬぐう、いわゆる「北のエアー汗ふき」や、値段を言う際に異常に恐縮する「じゅうきゅうまん......はっせんえぇぇぇん」など、商品よりも社長が気になって仕方ない北マニアを続出させている。ちなみに北社長のキャッチコピーは「感動配達人」である。

北朝鮮がミサイル発射!? 室積光が描く架空政治小説『史上最強の内閣』

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『史上最強の内閣』(小学館)
 自民党一党が政権を担っていた55年体制に終止符を打ち、劇的な政権交代を果たした民主党だが、与党となって1年3カ月、菅内閣の支持率は21%まで下落している。中国との外交問題でつまづき、沖縄基地問題で公約破り、小沢一郎との内輪モメはモメにモメ......、"迷走"と揶揄されるのも無理はない菅内閣の現状であるが、期待あってこその批判と言えよう。  そんな国難に影の内閣が立ち上がった。『史上最強の内閣』(小学館)は、「都立水商!」の室積光氏が理想の内閣を描いた架空政治エンタテインメントだ。実際の国際情勢に則したストーリーで、ユーモアたっぷりの内容だが、風刺や政治批判といった毒もしっかりと効いている。  我々が選挙で選んだ政府は言わば二軍で、有事の際にだけ立ち上がる本当の内閣が京都にあるという。自由民権党の浅尾総理は、北朝鮮がミサイルに燃料を注入し日本に向けて発射設定をするという事態に直面し、とうとうこの一軍内閣の総理「二条友麿」に出馬を請うた。二条は自身の人脈を生かし、独特の人選で"史上最強"の内閣を組閣する。史上最強の内閣は危機的状況を打開できるのか?  内閣の顔ぶれは松平杜方内閣官房長官、浪花秀吉財務大臣、坂本万次郎外務大臣、高杉松五郎総務大臣、山本軍治防衛大臣、西郷利明国家公安委員長......といずれもどこかで聞いたことのあるような姓名のお歴々。今の世の中、坂本龍馬が外務大臣で、豊臣秀吉が財務大臣だったら、と民衆の理想を体現した内閣だ。各大臣がしゃべる方言が丁々発止と面白い。  二条内閣の政策には、著者の政治的スタンスが如実に反映されている。自民はダメだが民主も同じ。憲法9条は大切にするが左翼には懐疑的で、朝地新聞(≒朝日新聞)、社倫党(≒社民党)の書き方はことに辛らつ。"9条を守る"一点張りの宮城美津穂(≒福島瑞穂)に対しては「中学校の優等生にこんな口調の女子がいた」「何かの宗教にはまった人みたいだな」と作中人物に手厳しい感想を述べさせている。二条内閣が相対する北朝鮮も徹底的に滑稽に描かれているが、最後にホロリと泣かせる仕掛けがにくらしい。  先の見えない不景気に政情不安、隣国の圧力と、史上最強の内閣の登場を期待したくなるご時勢だから、物語もより鮮明に輪郭を帯びてくる。この『史上最強の内閣』は"政府がまっとうな政治をする"という、愉快で痛快なフィクションだ。まっとうな政治がフィクションにしかなりえないというのは、なんとも情けない話であるが......。 (文=平野遼) ●むろづみ・ひかる 1955年山口県光市生まれ。俳優として映画・テレビに多数出演。劇団「東京地下鉄劇場」を主宰し劇作家としても活躍する。2001年『都立水商!』(小学館文庫)で小説家デビュー。07年『記念試合』(小学館)が自身の脚本で『北辰斜めにさすところ』として映画化。著書は他に『ドスコイ警備保障』(小学館文庫)『達人 山を下る』(中央公論新社)などがある。
史上最強の内閣 [単行本] もはやどちらがフィクションだか。 amazon_associate_logo.jpg
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いまいち分からなかったミス・ユニバースの「美」の意味が分かった!

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『私たちが世界一の美女を目指す
理由』(幻冬舎)
【サイゾーウーマンより】  世界一うらやましくない美女、それがミス・ユニバース。なんででしょうね。「いかにも東洋人」という顔がもてはやされるというシステムが、西洋人の偏った価値基準を感じさせるせいか、審査のときに「ナショナルコスチューム」と称して温泉街の和服コンパニオンみたいな格好をさせられるせいか、いつもたすき姿なせいか、ぶっちゃけ「日本にはもっとほかに美しい人がいるだろ!」とツッコミたくなるせいか、いろいろ理由はあるが、どうしてもミス・ユニバースのありがたみがわからない。スゴいんだろうなとは思うが、それ以上の感覚が沸かないのである。
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いまいち分からなかったミス・ユニバースの「美」の意味が分かった!

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『私たちが世界一の美女を目指す
理由』(幻冬舎)

 世界一うらやましくない美女、それがミス・ユニバース。なんででしょうね。「いかにも東洋人」という顔がもてはやされるというシステムが、西洋人の偏った価値基準を感じさせるせいか、審査のときに「ナショナルコスチューム」と称して温泉街の和服コンパニオンみたいな格好をさせられるせいか、いつもたすき姿なせいか、ぶっちゃけ「日本にはもっとほかに美しい人がいるだろ!」とツッコミたくなるせいか、いろいろ理由はあるが、どうしてもミス・ユニバースのありがたみがわからない。スゴいんだろうなとは思うが、それ以上の感覚が沸かないのである。

「作品」を「コンテンツ」と呼び始めた邦画界 "お蔵入り映画"が続出する杜撰な内情

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2005年に製作されたものの、5年間お蔵入り状態になっていたオムニバスホラー
『オボエテイル』のポスター。ポジフィルムおよびスチール素材を製作会社が紛失したため、
画面から抜いたシーン画像とイラストの合成で作られている。
(c)2005(株)ベルウッド
 年末年始は映画館がもっとも賑わう稼ぎどきだが、映画界から明るいニュースがなかなか発信されない。映画ファンから長年支持されてきた恵比寿ガーデンシネマが1月28日に閉館するのに続き、シネセゾン渋谷も2月の閉館を予定している。2010年6月には渋谷シネマライズが3スクリーンから1スクリーンに縮小。都内で個性を競い合ってきたミニシアターが厳しい状況に追い込まれている。また、邦画バブル以降、年間400本以上も公開されている日本映画だが、興収成績の上位は『踊る大捜査線 THE MOVIE3 ヤツらを解放せよ!』『THE LAST MESSAGE海猿』といったテレビ局主導による"製作委員会方式"のシネコン映画がほぼ独占。いや、劇場公開される作品はまだ恵まれており、日の目を見ずに"お蔵入り映画"と化している作品が続出しているのだ。"映画ファンド"は製作委員会方式に変わる画期的システムとして鳴り物入りで迎え入れられたが、株式会社アイコットが潤沢なファンドを元に製作した青山真治監督の『こおろぎ』(06)、小林政広監督の『ええじゃないかニッポン・気仙沼編』(06)は、ともに人気女優・鈴木京香を主演に据えながらも一般公開されずにお蔵入りしたまま。邦画バブルの崩壊後、製作会社の倒産や吸収合併などが相次ぎ、映画の権利が宙に浮いてしまった作品が年々増えている状態だ。フィルム現像所には引き取り手の現われない、倉庫に眠る作品が数百本にも及ぶとも言われている。  製作はしたものの、製作費の回収の見通しが立たずにお蔵入り状態となっている作品も少なくない。社会派ドラマ『密約 外務省機密漏洩事件』(78)で知られる千野皓司監督の『THWAY 血の絆』(03)は製作費3億5,000万円を投じた日本・ミャンマー合作による上映時間3時間15分の大作だが、製作費を回収するのに充分な配給・宣伝費を用意することができずに未公開となっている。中村雅俊主演の『ふうけもん』は09年1月に全国東映系で公開されることが発表されたが、公開が間近に迫っても製作会社が完成フィルムを東映に納品しないという非常事態となり、08年12月になって急遽公開中止に。『ふうけもん』は製作会社が資金面で問題を抱えたことから、作品を期日までに完成させることができなかったとされている。  直木賞作家・高橋克彦原作のオムニバスホラー映画『オボエテイル』は05年10月に「第9回みちのく国際ミステリー映画祭2005 in 盛岡」でフィルム上映されたが、製作会社側のトラブルから5年間お蔵入り状態となっていた作品だ。当時の製作会社とは別の会社から1月21日にDVDリリースされることが決まったが、『オボエテイル』に参加した3人の監督の中で企画を主導した明石知幸監督が「どうしても映画館で上映したい」と自腹を切る形で劇場公開に漕ぎ着けたレアなケースである。明石監督、そして『オボエテイル』の配給に奔走したフリーのプロデューサー・生駒隆始氏に一連の舞台裏を語ってもらった。
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オムニバスホラー『オボエテイル』の第3話「緋い記憶」。
高橋克彦の直木賞受賞作品を香川照之、光石研ら
実力派キャストで映画化している。
 生駒プロデューサーは映画製作会社ディレクターズ・カンパニー(82~92年)の末期に参加し、黒沢清監督の初期作品『地獄の警備員』(92)をプロデュース。また、井筒和幸監督の"お蔵入り映画"『東方見聞録』(91)は直接のスタッフではなかったが、当時の厳しい状況を知る人物だ。配給・宣伝のノウハウも持つことから、旧知の明石監督から協力を求められ、新宿K's Cinemaほか全国3館で『オボエテイル』の配給をブッキングすることに成功した。 生駒「実は『地獄の警備員』も"お蔵入り"寸前でした。ディレクターズ・カンパニーの経営が破綻してしまったため、そのままだとフィルムを差し抑えられてしまうため、プロデューサーのボクの判断で別の会社に権利を譲渡させたんです。『東方見聞録』がお蔵入り映画となったのはロケ現場で出演者のひとりが事故で亡くなったことが大きいのですが、実際にはディレクターズ・カンパニーが倒産しようにも倒産できるだけのお金もなくて休眠状態に陥ったために、配給会社が自分のところに支払いの請求が来ることを避けるためにお蔵入りさせたんです。映画がお蔵入りする理由は様々ですが、製作会社で金銭的問題が生じると、配給会社はトラブルに巻き込まれたくないので作品をお蔵入りさせてしまうんです」
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『オボエテイル』を劇場公開するためにみずから
動いた明石知幸監督。「商業映画で監督から
働きかけて公開に漕ぎ着けたケースは珍しい
でしょう(苦笑)。原作者の高橋克彦さんや出演者の
みなさんとの約束を果たせて
よかった」と語る。
 日活撮影所出身の明石監督は、森田芳光監督の『家族ゲーム』(83)、『キッチン』(89)などの助監督を務めた後、『免許がない!』(94)、『キリコの風景』(98)などを監督している実力派。『オボエテイル』がお蔵入りした経緯をこう説明する。 明石「05年6月に『オボエテイル』は盛岡市で撮影し、9月には完成させました。10月の『みちのく国際ミステリー映画祭』でフィルム上映され、原作者の高橋克彦さんや地元の方たちに温かく迎え入れられました。ちょうど邦画バブルだったこともあり、製作会社側には早く劇場を押さえるようにと口を酸っぱくして言っていたんですが、その後どうも配給に動いている様子がない。06年2月に製作会社側を呼び出してどうなったのか尋ねると、新しい映画の製作に取りかかっていて、そちらに力を注いでいるらしい。それなら監督側で自主配給させてくれとも頼みましたが、なしのつぶてでした。しばらくして、その製作会社は社名変更してしまい、『オボエテイル』の権利が宙に浮いた格好になってしまっていたんです。社名変更した新会社には『オボエテイル』に関わった社員はもう誰もいませんでした」  10年9月になって、明石監督は『オボエテイル』の権利が製作会社とは別の株式会社ベルウッドに移ったこと、年明けには劇場未公開のままDVDとしてリリースされることを知った。そこで明石監督はベルウッド社から劇場で公開する権利を認めてもらい、劇場に顔の利く生駒プロデューサーに配給・宣伝を依頼することになった。 明石「配給は生駒さんに尽力してもらいましたが、ポスターやチラシの製作・印刷代など宣伝にかかる諸経費はボクと第3話を担当した久保朝洋監督で出し合った形です。具体的な金額は差し控えますが、単館系で公開するなら配給・宣伝費は少なくとも200~300万円はかかるんじゃないですか。でも、お金の問題じゃないですよ。キャストのみなさんには『劇場公開作品です』ということで出演していただいたわけですし、久保監督は35mmフィルムでのデビュー作になるはずだった作品。原作者の高橋克彦さんにとっては直木賞受賞作の映画化でもあったわけです。企画を主導し、みんなに声を掛けたボクとしては何とかして劇場公開したかったんです」
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中村美玲、篠井英介らが出演した第2話「前世の
記憶」は明石監督作。「今回の『オボエテイル』は
タイプの異なる3人の監督がそれぞれ個性を出して
いる叙情派ホラー。ボクの作品は70年代の米国風
ショック映画っぽい内容です」と明石監督。
 自分たちの熱意を汲んで、わずかな期間で新宿、横浜、さらに神戸での劇場公開をブッキングした生駒プロデューサーに感謝する明石監督だが、「100%喜ぶわけにはいかない」とも打ち明ける。元々、『オボエテイル』はHDCAMというデジタルカメラで撮影されたが、劇場公開用に35mmフィルムにブローアップしていた。だが、製作会社が社名変更などのドタバタの中で上映用の35mmポジフィルムを紛失。今回の劇場公開はブルーレイでの上映を余儀なくされている。 明石「35mmのポジフィルムだけでなく、宣伝に使うために撮影したスチール素材も丸ごと紛失しているんです。そのため、今回のポスターは画面から抜いた画像を合成した苦肉の策ですよ(苦笑)。しかも、一連のトラブルの後、HDのオリジナル原版さえも紛失しているんです。現場の苦労を知っている人間なら、こんな過ちは起こしませんよ  今回のトラブルは『オボエテイル』だけに降り掛かったものではなく、日本映画界全体に関わるものではないかと生駒プロデューサーと明石監督は話す。 生駒「邦画ファンドもそうですが、近年は映画の現場のことを知らない他の分野から来た人たちが製作に参加しています。映画のことを作品と言わず、コンテンツと呼ぶ人たちです。もちろん、新規参入が悪いわけではありませんが、あまりにも作品の扱いが軽すぎる。作品に対する想いも浅い。採算がちょっと難しいようだと、すぐにお蔵入りさせてしまっているように見えます。お蔵入りした作品をいろいろ見聞きしてきましたが、最近のお蔵入りした理由はあまりにもレベルが低いように感じますね」 明石「今回はお蔵入りする前に、製作会社からキャストとスタッフにちゃんとギャラが払われていたのが幸いでした。もし、払われていなかったら、監督としてボクはみんなに会わせる顔がなくて、本当にお蔵入りさせたままになっていたはずです。これからの監督は現場の責任者であるだけでなく、作品がどういう形でアウトプットされるのかまで、きちんと見届ける必要があるように思いますね」  最後に明石監督はこう付け加えた。 明石「シネマライズが1スクリーンになり、シネマアンジェリカもすでに休館。恵比寿ガーデンシネマ、シネセゾン渋谷も閉館に......。渋谷系のミニシアターは壊滅的状況。テレビ局が製作したシネコン映画は全国チェーンで大々的に公開されていますが、逆に日本映画の多様性は失われつつあるんじゃないですか。ヒットが難しい作品は、存在さえなかったことにされる。『オボエテイル』はそんな日本映画界の現状の一端を象徴しているように思うんです。『オボエテイル』の公開うんぬん以上に、日本映画の今後が心配です」  製作会社が失念してしまった大事なことを、監督たち現場の人間はしっかりと覚えていた。映画『オボエテイル』は1月8日より期間限定で劇場公開される。 (取材・文=長野辰次) ●高橋克彦ミステリーコレクション『オボエテイル』 原作/高橋克彦 第1話「遠い記憶」 監督・脚本/芳田秀明 出演/村上淳、麻生祐未、浅井江理名、吉田日出子 第2話「前世の記憶」 監督/明石知幸 脚本・久保朝洋 出演/中村美玲、葛山信吾、結城しのぶ、篠井英介 第3話「緋い記憶」 監督・脚本/久保朝洋 出演/香川照之、光石研、渡辺真紀子、蛍雪次朗 配給/生駒隆始 1月8日(土)より新宿K's cinema、横浜ニューテアトル、神戸映画資料館にて限定ロードショー
オボエテイル [DVD] DVDはGPミュージアムより1月21日発売。 amazon_associate_logo.jpg
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