元国会議員、暴力団関係者……押尾学の裁判員裁判で続々飛び出す闇人物の正体

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 押尾学被告の初公判が3日、東京地裁で開かれた。速報の通り、6日には死亡女性側の知人が検察側の証人として出廷、「押尾被告が女性に薬を飲ませたがっていた」などの証言が飛び出した。  さて、裁判での押尾被告や証人の言動は一般紙・スポーツ紙やテレビの情報番組に譲るとして、ここでは公判で名前が出た気になる人々を紹介したい。  まず、MDMAを服用した被害者女性の容体が急変した際に押尾被告が電話で助けを求めたとされる「元国会議員」の知人男性。あえて名前は伏せられていたようだが......。永田町関係者の話。 「民主党の某大物議員の要請で10年以上前に比例区で出馬。当選し、衆院議員となった。体調不良のため1期を勤め上げて政界を引退。しかし、その後もその議員と密に連絡を取り合っている。その議員が押尾事件の"火の粉"をかぶる可能性もなきにしもあらず、と言ったところでしょう」  押尾被告の怪しい人脈を伺わせるが、押尾被告の弁護人はあくまでもMDMAは被害者女性のものと主張し、検察との対決姿勢を打ち出している。 「裁判員には被害者女性の"黒い交際"を印象づける作戦に出ているのかもしれません。公判初日、弁護側は、事件当時まで被害者女性が勤めていた東京・銀座のクラブのママの供述として、被害者女性が交際していた2人の広域暴力団組長の実名を挙げ、そのうち1人とは月30万円で"愛人契約"を結んでいたという話も飛び出ていたほどです」  そんな中、6日に出廷した証人に対し弁護側は、暴力団関係者の交遊を指摘。実は今回の証人は、芸能プロを経営する業界では知る人ぞ知る人物だ。当人はこう語る。 「確かに暴力団とのつながりを指摘されましたが、そもそも知り合いの暴力団員とは小さい頃からの幼なじみ。当然私は構成員でもなく、経営する会社もフロント企業でもない。それに今回の事件に関しても、心苦しいですが、押尾に体を許した女性にも非はあると思う。ただ、裁判員制度に問題があるのかもしれない。被告の真横に立たされて、高台から裁判員の視線が集中する中で証言をする。精神的なダメージも大きいし、(押尾被告と関係を持った)女性の証人が入廷せず、別室から証言をしたこともうなずける」  芸能人初の裁判員裁判となった今回の事件、マスコミの注目も高い。
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至高のロリ巨乳・篠崎愛が引退!? 失業者相次ぐグラビア不況の波

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DVD『篠崎愛 バイト中!』
【メンズサイゾーより】  今年、高校を卒業したばかりのグラビアアイドル・篠崎愛(18)に、引退との情報が流れている。篠崎は、2006年に「週刊ヤングジャンプ」(集英社)の読者投票型アイドルオーディション「制コレGP」で準グランプリを獲得し、グラビアデビュー。当初から中学生とは思えない87センチの巨乳と幼いアイドルフェイスのギャップで人気を獲得していたが、その胸やお尻はデビュー後いっそうの成長を遂げ、一部マニアの間ではかなり高い評価を得ている存在だった。  06年のデビュー以来、毎年写真集やイメージDVDをコンスタントにリリースし続けてきた篠崎だが、高校生活最後の年である09年には、今まで以上に精力的ななんと一年で7本ものDVDを発売。今年もすでに4本のDVDと1冊の写真集をリリース済みだ。一見、順調な活動を続けているかに見えた彼女に、一体何があったのか?
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郵便不正事件 村木元厚生労働省局長"無罪"で検察はどう責任を取る?

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「週刊朝日」9月17日号より
●第58回(8月31日~9月7日発売号より) 第1位 「村木厚子・元厚生労働省局長 いよいよ無罪へ」(「週刊朝日」9月17日号) 第2位 「独占120分インタビュー 菅原文太が聞く永田町の仁義なき戦い」(「週刊朝日」9月17日号) 第3位 「『山本モナ』結婚引退宣言に『たけし』が怒った!」(「週刊新潮」9月9日号) 「『大槻教授』に宣戦布告された怪しい『アグネス・チャン』」(「週刊新潮」9月9日号) 「沢尻エリカCNNサイトで『ウソ泣き』暴露の内幕」(「週刊朝日」9月17日号)  土曜日(9月4日)朝、われわれの業界では有名人だった親友・猪坂豊一さんが、2カ月近くの入院の末、亡くなった。マスコミ業界はもちろんのこと、大使館にもすごい人脈を持っていた人で、ロシアを始め多くの国の大使には、アポなしでいつでも会えた。外務省にも、これほどの人間関係を持っている人間はいない。享年64歳。惜しい人を亡くしてしまった。  今週は、腹の立つ芸能人の記事ばかりを集めて書こうと思ったが、小粒な話ばかりなので、まとめて3本を第3位にした。  沢尻エリカほど腹の立つタレントはいないと思っている。「別に~」事件などはどうでもいいが、その後の生き方が無様である。今回は、米CNNが運営する情報サイトで、「別に~」への謝罪は「ウソ泣き」だったと暴露した。歌った曲が連続でオリコンで1位になったそうだが、歌謡曲みたいで好きじゃなかったと「応援してくれたファンまでバカにする始末」(朝日)。とうに賞味期限の切れた半人前のタレントは、無視するに限る。  ユニセフ親善大使という肩書をもった元(?)歌手・アグネス・チャンの「怪しいビジネス」におかしいと声を上げたのは、早稲田大学の大槻義彦名誉教授。自身のブログに、「アグネス・チャンとパワーストーン業者の深いつながりがあるという疑惑」と書いて、そこで販売している「風水パワーストーン」は霊感商法そのものだと批判する。また、「五色霊芝」は、その辺に生える「マンネンタケ」で、貧血やガンに効くというのは、薬事法に抵触する可能性があると指摘したのだ。 「彼女がやっているのは、オカルト集団が壺や掛け軸を売りつけるのと同じ霊感商法です」(大槻名誉教授)  しかも、アグネスの夫で、「チャンズ」の社長・金子力氏は、「すべて私の管理不行届」と平謝り。「新潮」の書いているように、即刻、「ユニセフ親善大使」の肩書は返上せよ。だいぶ前に、某月刊誌でアグネスの講演料のことを書いたとき、社長にまで直訴して、誌面で大々的なお詫びをさせたことがある。講演料なしでボランティアでやっているのを、多額の講演料をもらっていると書いたのならお詫びは当然だが、ハッキリ額は覚えていないが、30万円を50万円と書いたに過ぎない。だが、そのお詫びの仕方が大げさすぎると、社長の逆鱗に触れ、その雑誌はお取り潰しになってしまった。  モナのことなどどうでもいいが、たけしが怒っているというので読んでみた。その理由は、モナが結婚して引退すると言ったことに起因する。 「モナちゃんだってよ、ウチにまだだいぶ借金残ってんじゃないの?(中略)何たって2回も仕事降ろされてるわけだしな。(中略)カミさんが借金を残して引退したいってんなら、ダンナが代わりに借金返せっての!」(たけしの親しい知人が代弁)  モナの男好きはビョーキの域に達しているのではないか。大方の見方は、すぐ別れるというもののようだ。まあ、たけしも人間を見る目がなかったということで、諦めるしかないんじゃないのかね。  14日の代表選に向けて、菅と小沢の舌戦はヒートアップしているが、どちらが勝つかについても、週刊誌対新聞の戦争の様相を呈してきた。新聞は、「民主党代表にふさわしいのは? 菅氏66% 小沢氏18%」(読売新聞9月6日朝刊)と、世論は菅を支持しているとしているようだが、週刊誌のほとんどは、「とうとう小沢総理」(現代)と、小沢楽勝ムードである。  さらに新聞のいけないところは、見出しと内容が違いすぎるのだ。よく読むと、日本経済をどちらが立て直せるかという質問には、菅37%、小沢36%。政治主導の実現では、菅39%、小沢43%。ねじれ国会を乗り切ることができるのは、菅37%、小沢32%と、ほぼ拮抗しているのだ。  内容は大同小異なので、小沢のインタビュアーに「仁義なき戦い」の広能昌三役で知られる俳優の菅原文太を起用した、朝日を選んだ。120分も聞いたわりには中身はごく薄い水割り程度だが、小沢の目指しているのは、鳩山や菅と違って、小さな政府だということが分かる。 「約30兆円ある政策的予算(裁量的予算)も、介護や生活保護などをすべて地方に任せてしまえば必ずコストダウンできる。それは、他の政策実現に使える財源が生まれるということです。地方にできることを地方に任せれば、いま国でやっている仕事の半分以上はなくなります」(小沢)  「ポスト」の「小沢一郎が7年前から書き進めていた『新日本改造計画』仰天の500頁」と併せて読むと、小沢のやりたいことの(できることではない)幾分かは分かろうというものだ。  「朝日」の「菅VS.小沢『私はこちらを支持する』で、森永卓郎氏、佐藤優氏、岸博幸氏、孫崎享氏が、菅よりも小沢に期待している。私も小沢有利と読んではいるが、その後が怖いというのも本音だ。  さて、郵便不正事件で逮捕・起訴された村木厚子元厚生労働省局長の判決が、9月10日に下される。「朝日」は、事件当初から、大阪地検の強引な捜査のやり方を批判し、数々の重要証言を取材してきた。  9月7日には、緊急出版として『私は無実です 検察と闘った厚労省官僚 村木厚子の445日』(朝日新聞出版)を出す。  この事件は、政権交代目前だった民主党に狙いを定めて、東京地検が小沢一郎、大阪地検が副代表の石井一を落とす意図を持ってやられたというのだ。特に、大阪地検は、強引なストーリーをもとに、自白を強要し、都合のいい供述調書をつくっていたことなどが、出廷した証人たちから次々と暴露された。ある大阪地検幹部も、「今回はヤバい」と漏らしているという。  元大阪市助役で弁護士の大平光代氏もこう語っている。 「9月10日、村木さんに無罪判決が下されることを確信していますが、大阪地検には控訴してほしくありません。無実の彼女を逮捕・起訴した上、さらに控訴することは、彼女の人生を二重に奪うことになる。それよりも、どう責任をとるのか、どうやって彼女の名誉を回復するのかを考えてほしいと思っています」  「朝日」が心血を注いだキャンペーンが、「村木無罪」で実を結ぶのか。だが検察という組織は、そう簡単に自分たちの恥部を見せたり、謝罪したりしないところである。この注目の判決が、検察のこれからを変える可能性がある。注目である。 (文=元木昌彦)
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撮影/佃太平
●元木昌彦(もとき・まさひこ) 1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。 【著書】 編著「編集者の学校」(編著/講談社/01年)、「日本のルールはすべて編集の現場に詰まっていた」(夏目書房/03年)、「週刊誌編集長」(展望社/06年)、「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社/08年)、「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス/08年)、「競馬必勝放浪記」(祥伝社/09年)、「新版・編集者の学校」(講談社/09年)「週刊誌は死なず」(朝日新聞社/09年)ほか
私は無実です 検察と闘った厚労省官僚村木厚子の445日 隠された真実。 amazon_associate_logo.jpg
麻酔なしで腕をナイフで切られる以上の痛さ! 小錦が明かした男性不妊治療の実情 慈善事業なのに要風俗営業認可 セックスボランティアの厳しい現状 ついに雑誌業界にも波及! 3Dで楽しむ小向美奈子のヌードグラビア

映画界の中ですっかり嫌われ者ですが、いよいよ叶井俊太郎再始動です!

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(C)倉田真由美

――くらたまとの"真実の愛"に目覚めた叶井俊太郎が、一筋縄ではいかない、「元ヤリチン」流の子育てに奔走中!

 自己破産を決意した今年の3月頃から、破産後の仕事や人生について考えてみたんだけど、考えてもどうにもならないので、止めました。破産してみないと、周囲の反応を含めて、どうなるかなんて分からないじゃないですか。オレは映画の仕事しかしたことがないので、どうにかして映画に携わる仕事を探すしかないかな、と漠然と思ってたわけですよ。で、破産した後に知り合いの映画会社の社長にお願いしてみたら、やはりオレを雇う余裕がないとのこと。そもそもオレを社員として雇うのは無理があるみたいですね。

アグネス・チャン「薬事法違反」騒動とその前科

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アグネス・チャンオフィシャルブログ
「アグネスちゃんこ鍋」
 自らがオーナーを務めるサイトで、科学的根拠を欠く効能をうたって商品を販売していたことが、大槻義彦教授に「霊感商法」、「薬事法違反」と指摘されたアグネス・チャン。  その後、ネット上で猛烈なバッシングを浴び、「病気緩和に効く」としていたパワーストーンや、「目を治し、肝臓機能を補う」としていた健康食品の購入者に対しては、返金に応じる構えを見せている。しかし、違法性の認識については「知らなかった」と否定するに終始している。  ところが、問題となった健康食品に"前科"があることが判明した。  アグネスのサイトで販売されていた健康食品「五色霊芝」という製品は、アグネスの実姉で香港在住の医師、ヘレン・チャンが開発したものだ。  このヘレン医師、香港の日本人社会ではかなり有名な存在だという。今から4年ほど前、彼女に診察してもらったことがあるという香港在住の日本人女性は話す。 「急な発熱の際、日本語が通じるということで訪れたのがヘレン先生の病院だった。彼女は日本語が堪能で助かったのですが、一回の診察で診療費は2万円ほどとかなり高額だったことを覚えています。まあ、海外旅行保険でカバーされたので文句はありませんが、漢方っぽい薬をかなり処方されたような......」  ヘレン医師は臨床医として活動する一方、1992年頃から、霊芝を使った健康食品の開発、販売も行っている。しかし06年、「医師としての立場を利用し、公正に欠ける不当な広告を行った」として、香港の医師会から、医師免許の2カ月停止、執行猶予2年の処分を受けているのだ。(香港紙『文匯報』)  その後、ヘレン医師はこの処分を不服として控訴。処分は取り消されている。とは言え、商品の開発者でもある実姉が過去にこんな騒動に巻き込まれているのだから、アグネスも今回の件に関して問題となる可能性を認識していたことも疑われる。  ちなみにヘレン医師は騒動後も数々の健康食品の開発を続け、ヒットを飛ばしている様子。問題となった「五色霊芝」も香港でも販売されているのだが、その価格は240グラム入りが6000円ほど。一方、アグネスのサイトでは120グラム入りが1万8000円で売られていた。  この価格差は、やっぱ「恵まれない子どもたち」への寄付金となっているのですか、アグネスさん? (文=高田信人)
アグネス・チャン 人って変わるのね。 amazon_associate_logo.jpg
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嵐、ケンカの仲直りの秘訣は●●!? 二宮和也&相葉雅紀がファンの目の前で大胆披露

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嵐のいちゃいちゃはあざといとも言われてますが......

 9月4日、全国コンサートツアーの幕開けとなる3年連続、4日間にわたる国立競技場でのオーラス公演を終了した嵐。国立で幕を開けた全国ツアーは、嵐として過去最大の86万人を動員する。

"ゴシップスター"沢尻エリカの迷走と、もみ消された過去のスキャンダル

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ゴシップガールの暴走は止まらない。
芸能取材歴30年以上、タブー知らずのベテランジャーナリストが、縦横無尽に話題の芸能トピックの「裏側」を語り尽くす!  映像クリエーターの高城剛さんとの離婚に向けた話し合いが遅々と進んでおらず、さらに芸能界への本格復帰が宙ぶらりんになっている女優の沢尻エリカ。現在、こなせている仕事といえば、雑誌のインタビューやファッションショーのモデルなど、芸能界のメインストリームとは異なる"亜流"のものばかりである。  そんな沢尻が先週、CNNのウェブサイトでのインタビューに答えたことが話題となった。その中で、3年前の傲慢不遜な舞台挨拶がきっかけで起きた騒ぎに対して謝罪したことに触れ、「あれは間違いでした」と前所属事務所スターダストプロモーション批判とも受け取れる発言をして、物議を醸し出している。  2007年の10月、沢尻は主演映画『クローズドノート』の舞台挨拶で腕を組みながら、司会者の質問に「別に......」と答えたことが、女優として、大人としてあるまじき行為だとして、メディアや世間からバッシングを受けた。  その後、沢尻は、テレビ朝日系の『スーパーモーニング』で涙ながらに謝罪した。ところが、今になって沢尻は「あれは間違いでした、前の事務所が謝罪しなくてはいけないと言ったけど、ずっと断っていたんです。絶対したくなかった。これが私のやり方なんだからと。結局、私が折れて。でも間違っていた」と言い出した。  騒動の当時、前事務所の細野義朗社長は筆者に「そこまで悪いことをしたわけではないから、謹慎させることは考えていない。しかし、バッシングを浴びたんだから、これまでの清純派の役はできないだろう」と語り、「周囲に不愉快な思いをさせたのだから、謝罪させてケジメをつける」と語った。それはそれで、正しい選択だと思った。ところが沢尻は、その社長の判断を批判した。第三者が批判するならまだしも、沢尻を売り出すのに、あれだけ力を入れてくれた事務所社長に対して、当の本人が何を今さら言っているのだ。  沢尻は中学生の頃から、スターダストに所属していた。05年、映画『パッチギ!』に出演。同年、フジテレビ系のドラマ『1リットルの涙』でブレークした。人気を得られたのは、沢尻の才能があってこそのものだろうが、それ以前にスターダストの力がなければ、これらの作品にはキャスティングされてはいなかった。  そんなブレーク直後に、福祉を食い物にした「グッドウィル・グループ」の折口雅博前会長との淫行スキャンダル疑惑が浮上した。  疑惑は、またブレーク前だった沢尻が家出して、港区白金の折口のマンションに転がり込んで、別れるときに多額の手切れ金をもらったというものだった。  ことの真偽を確かめるべくマスコミが動いたが、事務所の力もあって、この話が表面化することはなかった。だが、事実だとすると大問題である。事務所は未成年の子どもを預かった以上、社会的な教育をする必要がある。このスキャンダルに関してだけではない。傲慢不遜な態度を取ったことに、なぜ謝罪しなければいけないのかを親身になって説得しなければいけなかった。人様に対する受け答えとして、「別に......」はありえない態度であることは間違いないことだし、その態度によって、沢尻のイメージが低下すれば、これまで彼女にかかわってきたさまざまな人々に迷惑をかけることになる。実に単純なことだ。  だが、スターダストはそれができなかった。そこには、大手芸能プロが抱える問題がある。昔は、社長自ら、タレントをマンツウマンで育てたものが、芸能プロが大きくなっていくと、すべてのタレントに目が届かなくなりがちだ。一方、現場を担当するマネジャーはサラリーマン気質に陥りがちで、タレントに嫌われるようなことを厳しく言える人間は少ない。  かつて、ホリプロの創始者である堀威雄さんは、石川さゆりに「森昌子ばかり可愛がる」と嫉妬されて、芸能界育ての親といわれながらも石川の結婚式に招待されなかった。沢尻を育てた細野社長も、沢尻の結婚式には呼ばれなかった。  結局は、双方の間に愛情が足りなかったから、沢尻が今になって後ろ足で砂をかけるような発言をしたとしか思えない。それにしてもだ。事務所の言う通りに謝罪した後、結局、沢尻は事務所の意向を無視して、"私のやり方"を通してきた(過去の当コラムを参照されたし。http://www.cyzo.com/2009/01/post_1415.html)。その結果が、離婚問題も解決できず、芸能界復帰がままならない今日につながっているのだ。もし、事務所の方針に従っていたら、今のような悲惨な状態に陥っていなかったということを認識すべきだろう。本人は、自由気ままな現在の地位に満足しているかもしれないが、今、雑誌やイベントが沢尻を起用するのも、「別に......」騒動時と同様、ゴシップスターとしてネタにしているだけという事実に、本人は気づいているのだろうか。 (文=本多圭)
P‐chu!―沢尻エリカ写真集 エリカの爆弾発言にはもううんざり。 amazon_associate_logo.jpg
【関連記事】 「帰れっ!」"ハミ尻ライブ"で明らかになった沢尻エリカの不人気ぶり 兄の結婚式に「離婚騒動」を持ち込んだ沢尻エリカに非難の声が殺到中 夫・高城剛氏を挑発し続ける沢尻エリカとエイベックスの"離婚戦略"

ファンはショック! グループ主演舞台になぜか出演しないジャニーズJr.

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北山の「千秋楽にはキャストが変わってい
るかも」発言を信じたい

 9月3日から幕を開けたジャニーズJr.内ユニットA.B.C-Z&Kis-My-Ft2主演のミュージカル『少年たち~格子無き牢獄』(日生劇場、26日まで)。これは少年院を舞台にした若者たちの群像劇で、ジャニー喜多川社長が作・構成・演出を担当したもの。8月には関西ジャニーズJr.により松竹座で上演されており、関西チームと関東チームが良きライバルとして互いにエールを送り合うなど、注目を集めていた。

 だが、本来ならば大喜びのはずの舞台初日、会場では"悲しみの涙"を流すファンの姿が見られたと言う。その理由は......

野沢直子 今振り返るカリスマ女芸人の「先駆者としての比類なき存在感」

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『アップリケ』(ワニブックス)
 8月18日、米在住の「出稼ぎ芸人」として知られる野沢直子が、初めての小説『アップリケ』(ワニブックス)を出版した。この作品は、社会に適応できない子どもたちの青春を描いた群像劇。劇作家・本谷有希子も絶賛するほどの本格的な純文学に仕上がっている。  現在30代以上のテレビ視聴者ならば、野沢直子の名前を知らない者はいないだろう。彼女は、1980年代後半から90年代初頭にかけて、女性芸人としては空前の大ブレイクを果たし、数々のバラエティー番組に出演して人気を博していた。特に、『夢で逢えたら』(フジテレビ系)でウッチャンナンチャンやダウンタウンと並んでコントを演じたり、『クイズ世界はSHOW by ショーバイ!!』(日本テレビ系)で珍解答を連発したりしていた姿が記憶に焼き付いている人も多いだろう。元気いっぱいで明るく振る舞う一方、時には鋭く本質を突く発言で笑いを取るセンスもあり、都会的でアカ抜けた奇抜な髪形やファッションでも注目を集めていた。  だが、そんな野沢は、91年、人気の絶頂期に突如としてすべてのレギュラー番組を降板し、単身ニューヨークへと旅立ってしまった。その理由は、本人の発言によると、日本でのタレント活動に行き詰まりを感じていたためだという。  その後、野沢はアメリカ人男性と結婚して、生活の拠点を米国に移した。現在では、年に一度だけ帰国をして、日本のバラエティー番組に顔を出すのが通例になっている。  野沢のテレビタレントとしての最大の魅力は、その自由奔放さにあった。彼女がデビューした80年代当時、テレビに出る女性タレントの多くは、「女」らしく振る舞うことを求められていた。それは、女性芸人も例外ではなかった。たとえ、自分がブスやデブであることをネタにするとしても、それはそれでステレオタイプな「女らしさ」への反発にしかならない。いずれにせよ、そこに縛られていることには変わりがないのだ。  だが、野沢はデビュー当初から、そういうものをあまり意識させない特殊なタイプの女性タレントだった。それは恐らく、祖父が作家の陸直次郎、叔父が演出家・声優の野沢那智、といった芸術家気質の家系に育ったということも関係しているのだろう。彼女は、テレビの中でもごく自然に、男言葉に近い話し方でしゃべり、好き勝手にギャグを連発していた。  約20年前に野沢がテレビで見せていた自由で自然な振る舞いは、2010年現在の基準に照らし合わせると、ごく普通で当たり前のように見える。だが、当時はあれが画期的だったのだ。野沢は、女性はおしとやかに振る舞うべきだという社会通念に対する堂々たる反逆者であり、カリスマだった。女性視聴者にとって嫌みにならず、男性視聴者にも嫌われない。そのバランスを保つことができたのが、彼女が成功した最大の要因だ。  また、野沢は、いわゆる「お笑い」という枠にも縛られていなかった。お笑いの世界には、持ちネタがあり、間合いがあり、技術がある。また、先輩後輩の上下関係があり、求道的なプロ意識がある。野沢は、吉本興業に所属する女性芸人という立場でありながら、初めからそういったものに背を向けて生きてきたようなところがある。もともと、コミックソングを歌うパフォーマーとして世に出てきたということもあり、舞台で漫才やコントを演じる芸人の本道とは全く違うルートから、芸能界に入ってきたのだ。  本人の発言によると、彼女は、『夢で逢えたら』で共演したダウンタウンやウンナンといった男性芸人のお笑いセンスに打ちのめされて、日本での活動を断念したのだという。ただ、率直に言えば、芸人の誰もがダウンタウンやウンナンを目指す必要はない。野沢には野沢にしか持っていないキャラクターがあり、彼女にしかできない仕事があった。『夢で逢えたら』という番組の屋台骨を支えていたのは、自由に動いて場をかき回す野沢の存在だった。そんな器用さを備えていたのは、当時彼女しかいなかったのだ。  目の前にある山の頂上を一心不乱に目指すような立場から見ると、絶頂期にその地位をあっさりと手放す野沢の生き方は不可解にも見える。だが、野沢のそんな身軽で自由奔放な生き様こそが、そのまま彼女のタレントとしての魅力でもあった。日本とアメリカをまたにかけて活躍する野沢は、時代を先取りした天性のエンターテイナーである。 (文=お笑い評論家・ラリー遠田)
アップリケ 渡米からもう20年。 amazon_associate_logo.jpg
●連載「この芸人を見よ!」INDEX 【第89回】サバンナ 野生の勘で芸能界を疾走する「発展途上のロジカルモンスター」 【第88回】東京ダイナマイト 破壊なくして創造なし! ハチミツ流「笑いのセメントマッチ」 【第87回】トータルテンボス 進化を止めない本格派コンビを育てた「M-1急転直下の挫折劇」 【第86回】ロッチ  シンプルな構図でコントに魂を吹き込む「関係性のスペシャリティ」 【第85回】山崎邦正 ダウンタウンによって強制開花した「ヘタレの天才」が巻き起こす奇跡 【第84回】フルーツポンチ 確かな演技力でポストバブル世代に現出した「キザ男のリアリズム」 【第83回】よゐこ 爆発力と切れ味で支持層を拡大する「自然体のシュール」 【第82回】バッファロー吾郎 マニアック芸人の権化が極めた「もうひとつの天下」 【第81回】ドランクドラゴン 完璧な構築物に風穴を開けて回る「鈴木拓のガッカリ力」 【第80回】高田純次 還暦過ぎても華衰えぬ「日本一の適当男」が歩み続けた孤高の道程 【第79回】森三中  メンバーの結婚で進化する「ブスとブスとブスの関係性」 【第78回】Wコロン・ねづっち  「整いました!」なぞかけ芸が時代にハマった深い理由 【第77回】所ジョージ  突出した安定感を生み出すボーダレスな「私の世界」 【第76回】土田晃之  元ヤン、家電、ガンダム......でも嫌われない「ひな壇の神」の冴えたやりかた 【第75回】タカアンドトシ  非関西系漫才のツッコミ新境地「欧米か!」が生まれた理由 【第74回】キングコング西野亮廣  嫌われるには理由がある!? 天才を悩ませる「出た杭の憂鬱」 【第73回】椿鬼奴  虚栄心から自由になった女芸人の「自然体が放散する魅力」とは 【第72回】萩本欽一  テレビを作り、テレビに呑み込まれた「巨人の功罪」 【第71回】アンガールズ  キモカワ芸人が精緻に切り出した「人生のNGシーン」に宿る笑い 【第70回】エハラマサヒロ   「究極の器用貧乏芸人」が無限の笑いをコラージュする 【第69回】なだぎ武 R-1二連覇を成した演技派芸人の「本当の運命の出会い」とは 【第68回】いとうあさこ 悲観なき自虐を操る「アラフォー女性のしたたかなリアル」 【第67回】チュートリアル M-1完全優勝を勝ち取った「ひとつもボケない」漫才進化論 【第66回】松村邦洋 己を棄てて己を活かす「笑われる天才」が生きる道 【第65回】キャイ~ン・ウド鈴木 20年目の変わらぬ想い──「満面の笑顔で愛を叫ぶ」 【第64回】しずる 緻密なマーケティングと確かな演技力で突っ走る「腐女子枠のプリンス」 【第63回】青木さやか 仕事も家庭も......不器用に体現する「現代女性の映し鏡」 【第62回】 今田耕司 好きな司会者第3位にランクされる「代弁者としての3つの極意」 【第61回】我が家 「変幻自在のローテーション」が3人のキャラ薄をメリットに転化する 【第60回】ハライチ "ツッコミ"を棄てた関東M-1新世代が生み出す「面の笑い」とは? 【第59回】出川哲朗 稀代のリアクション芸人が「計算を超えた奇跡」を起こし続ける理由 【第58回】中川家 すべてはここから始まった!? 兄弟が奏でる「舞台芸と楽屋芸のハイブリッド」 【第57回】板尾創路 笑いの神に愛された男が泰然と歩む「天然と計算の境界線」 【第56回】清水ミチコ 対象者の心を浮き彫りにする「ものまねを超えた賢人の不真面目芸」 【第55回】とんねるず 暴れ放題で天下を取った「学生ノリと楽屋オチの帝王学」 【第54回】友近 孤高の女芸人が体現する「女としての業と生き様」 【第53回】ウンナン内村光良 受け継がれゆく遺伝子「終わらないコント愛」 【第52回】モンスターエンジン 結成2年でシーンを席巻する「高次元のバランス」 【第51回】関根勤 再評価される「妄想力」ひとり遊びが共感を呼ぶ2つの理由 【第50回】南海キャンディーズ しずちゃんを化けさせた山里亮太の「コンビ愛という魔法」 【第49回】フットボールアワー 無限の可能性を秘めた「ブサイクという隠れみの」 【第48回】ますだおかだ 「陽気なスベリ芸」という無敵のキャラクターが司る進化 【第47回】ナインティナイン あえて引き受ける「テレビ芸人としてのヒーロー像」 【第46回】インパルス タフなツッコミで狂気を切り崩す「極上のスリルを笑う世界」 【第45回】アンタッチャブル 「過剰なる気迫」がテレビサイズを突き抜ける 【第44回】おぎやはぎ 「場の空気を引き込む力」が放散し続ける規格外の違和感 【第43回】志村けん 「進化する全年齢型の笑い」が観る者を童心に帰らせる 【第42回】はるな愛 「すべてをさらして明るく美しく」新時代のオネエキャラ 【第41回】明石家さんま テレビが生んだ「史上最大お笑い怪獣」の行く末 【第40回】ブラックマヨネーズ コンプレックスを笑いに転化する「受け止める側の覚悟」 【第39回】笑い飯 Wボケ強行突破に見る「笑わせる者」としての誇りと闘争心 【第38回】笑福亭鶴瓶 愛されアナーキストが極めた「玄人による素人話芸」とは 【第37回】島田紳助 "永遠の二番手"を時代のトップに押し上げた「笑いと泣きの黄金率」 【第36回】東野幸治 氷の心を持つ芸人・東野幸治が生み出す「笑いの共犯関係」とは 【第35回】ハリセンボン 徹底した自己分析で見せる「ブス芸人の向こう側」 【第34回】FUJIWARA くすぶり続けたオールマイティ芸人の「二段構えの臨界点」 【第33回】ロンブー淳 の「不気味なる奔放」テレ朝『ロンドンハーツ』が嫌われる理由 【第32回】柳原可奈子 が切り拓くお笑い男女平等社会「女は笑いに向いているか?」 【第31回】松本人志 結婚発表で突如訪れたカリスマの「幼年期の終わり」 【第30回】はんにゃ アイドル人気を裏打ちする「喜劇人としての身体能力」 【第29回】ビートたけし が放った『FAMOSO』は新世紀版「たけしの挑戦状」か 【第28回】NON STYLE M-1王者が手にした「もうひとつの称号」とは 【第27回】ダチョウ倶楽部・上島竜兵 が"竜兵会"で体現する「新たなリーダー像」 【第26回】品川祐 人気者なのに愛されない芸人の「がむしゃらなリアル」 【第25回】タモリ アコムCM出演で失望? 既存イメージと「タモリ的なるもの」 【第24回】ケンドーコバヤシ 「時代が追いついてきた」彼がすべらない3つの理由 【第23回】カンニング竹山 「理由なき怒りの刃」を収めた先に見る未来 【第22回】ナイツ 「星を継ぐ者」古臭さを武器に変えた浅草最強の新世代 【第21回】立川談志 孤高の家元が歩み続ける「死にぞこないの夢」の中 【第20回】バカリズム 業界内も絶賛する「フォーマット」としての革新性 【第19回】劇団ひとり 結婚会見に垣間見た芸人の「フェイクとリアル」 【第18回】オードリー 挫折の末に磨き上げた「春日」その比類なき存在 【第17回】千原兄弟 東京進出13年目 「真のブレイク」とは 【第16回】狩野英孝 「レッドカーペットの申し子」の進化するスベリキャラ 【第15回】サンドウィッチマン 「ドラマとしてのM-1」を体現した前王者 【第14回】小島よしお 「キング・オブ・一発屋」のキャラクター戦略 【第13回】U字工事 M-1決勝出場「北関東の星」が急成長を遂げた理由 【第12回】江頭2:50 空気を読んで無茶をやる「笑いの求道者」 【第11回】バナナマン 実力派を変革に導いた「ブサイク顔面芸」の衝撃 【第10回】山本高広 「偶像は死んだ」ものまね芸人の破壊力 【第09回】東京03 三者三様のキャラクターが描き出す「日常のリアル」 【第08回】ジャルジャル 「コント冬の時代」に生れ落ちた寵児 【第07回】爆笑問題・太田光 誤解を恐れない「なんちゃってインテリ」 【第06回】世界のナベアツ 「アホを突き詰める」究極のオリジナリティ 【第05回】伊集院光 ラジオキングが磨き上げた「空気を形にする力」 【第04回】鳥居みゆき 強靭な妄想キャラを支える「比類なき覚悟」 【第03回】くりぃむしちゅー有田哲平 が見せる「引き芸の境地」 【第02回】オリエンタルラジオ 「華やかな挫折の先に」 【第01回】有吉弘行 が手にした「毒舌の免罪符」

メイド・イン・ジャパンに憧れて…… 香港の文学系コミック作家・智海

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「Sea」(2006) ©Chihoi
 『AKIRA』『ドラゴンボール』『ドラえもん』......子どもの頃、僕らの心をアツくさせた漫画やアニメが、海の向こうに住むアジアの子どもたちの心にも火をつけていた。今や日本人だけのものではなくなった、ジャパニーズ・ポップカルチャー。その影響を受けて育った、アジアの才能豊かなクリエーターたちを紹介します。 第8回 コミック・アーティスト 智海(チーホイ)  智海(チーホイ)は、香港随一の「文学系コミック作家」だ。実際の文学作品をモチーフにすることも多く、その静謐なタッチはフランスやイタリアで受け入れられ、今では台湾、中国本土にも人気が広がっている。哲学者のカントと誕生日が同じなのが自慢(?)のチーホイだが、子どもの頃は、思いっきり「メイド・イン・ジャパン」に囲まれて過ごしたのだという。
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『ヤッターマン 1』(松竹)
「うちでは、扇風機やオーブン、掃除機まで、みんな『National』。母親は、昔から"家電といえばNationalよ!"って。日本製は、質が良くて、長持ちだって、みんなが信じてた。日本のモノって、そんな感じで、ずっと僕たちの身近にあったんです」  身近なのは、家電だけではなかった。1980年代、他の香港の子どもたち同様、幼いチーホイは、毎日テレビのアニメ番組を見て過ごした。 「まずは『ヤッターマン (広東語のタイトル:小雙俠)』『ドラえもん』『六神合体ゴッドマーズ (六神合體)』『ユニクロン (宇宙大帝)』『1000年女王 (千年女王)』。そうそう『魔法の天使クリィミーマミ (我係小忌廉)』に、あとそれから......」  と、日本アニメ三昧の日々。
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「Fa Fa World」
(2009) ©Chihoi
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「全部日本製だと気づいたのは大人になってから。でも、子どもは、どこ製のアニメか、なんて気にしないでしょう」 「いい時代でした。今でもすごく懐かしい。あの頃は、いつも、宮崎駿の『未来少年コナン』の主人公になれたら、と、夢想してました」  そんな時代に対する思いが、『花花世界(ファーファーの世界)』という、最近の作品にも現れている。花花(ファーファー)という小さな女の子が主人公の、チーホイの作風には珍しい、ほのぼの系四コママンガだ。08年に新聞で連載されるや、これまでチーホイの作品を知らなかった人たちも含め、たくさんの読者から反響があったという。花花は、今、香港で最も愛されているキャラクターだ。  チーホイの「日本観」はもう少し続く。 「日本人は、みんなが熱心に働いている、というイメージ。すごく集中力があるから、他のことに気を取られない。集中力を保つためには、心を静めることも必要だし、時間もかけなくては。日本の芸術は、そうした、静謐さ、正確さ、注意深さ、繊細さに対するクオリティやメンタリティを表したものだと思う。そこにとても憧れます」  チーホイが敬愛するアーティストは、「竹久夢二、棟方志功、橫尾忠則、橫山裕一(今一番欲しいのが、横山さんのTシャツ!)、辻直之。あとそれから......」
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左:「The Train」(2007)/右:「Papa(爸爸) from Still Life」 (2003) ©Chihoi
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 最近、ドイツのおもちゃ工場の依頼で、花花をキャラクターにしたヴィンテージ・トイ(スライド・ビューTV)を作った。代表作『Still Life(黙示録)』の改訂版や、『花花世界』の簡体字版の発行が決まっているし、友人のライターの本の挿絵も頼まれている。2011年の1月に、フランスのアングレーム国際コミック・フェスティバルで「香港展」が開かれるのに併せ、同年末まで開催される、グループ展へも招待された。 「全てがハイスピードで進む香港で活動していると、集中するということがとても難しい。いろんな情報が入って来て、つい散漫になる。今、自分を集中モードに持っていく必要を感じています。日本スタイルを倣ってね」 (取材・文=中西多香[ASHU]) Chihoi_portrait.jpgチーホイ(智海/CHIHOI) 1977年、哲学者イマヌエル・カントと同じ日に香港に生まれ、長じてはフランツ・カフカをこよなく愛する(いわく「彼は人間の創造性の究極の源だ」)。文学的とも評される作風により、香港のインディペンデント・シーンにとどまらずアジア各国からヨーロッパへと人気が広がっている。主な作品集に、地元香港で出版された『黙示録(Still Life)』(03)、愛らしい四コママンガ集『花花世界』(09)『花花世界2』(10)、台湾で出版された鴻鴻との共著『灰掐(The Train)』(07)、そのイタリア語
『Il Treno』(08)、スイスで出版されたフランス語の『A L'Horizon』(08)などがある。 <http://www.chihoi.net/> 『花花世界(ファーファーの世界)』(2009年 Joint Publishing刊) <http://www.ashu-nk.com/ASHU/shop2_Joint.html> ●なかにし・たか アジアのデザイナー、アーティストの日本におけるマネジメント、プロデュースを行なう「ASHU」代表。日本のクリエーターをアジア各国に紹介するプロジェクトにも従事している。著書に『香港特別藝術区』(技術評論社)がある。<http://www.ashu-nk.com > オンラインTシャツオンデマンド「Tee Party」<http://teeparty.jp/ashu/>
ヤッターマン 1 ポチッとな。 amazon_associate_logo.jpg
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