上映反対で揺れる問題作『ザ・コーヴ』"渦中の人"リック・オバリー氏の主張

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アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞を受賞した『ザ・コーヴ』で、
イルカをめぐる巨大ビジネスの実態を明かす"元イルカ調教師"リック・オバリー氏。
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 米国のドキュメンタリー映画『ザ・コーヴ』の日本での公開が大きく揺れている。和歌山県太地町でのイルカの追い込み漁の実態をカメラが捉えたものだが、隠し撮りという手法を使って一方的に取材している点、太地町でのイルカの捕獲数やイルカ肉に含まれる残留水銀の含有率などの信憑性が問題視されている。日本の保守系市民グループは『ザ・コーヴ』を"反日""虐日"と糾弾し、配給会社や公開を予定していた劇場への抗議活動を展開していた。当初は6月26日からの公開が予定されていたが、6月4日に都内の2館、大阪の1館が上映中止を決定。街宣予告を受けた劇場側が上映を自粛した形となった。6月21日になってようやく都内を含む全国の上映館が確定したが、作品内容をめぐってさらに波紋は広がっていくと思われる。  上映に反対する市民グループは、『ザ・コーヴ』を"反日プロパガンダ映画"としている。しかし、問題作だから上映してはいけない、みんな観るべきではないという考えは、それこそ一方的というもの。問題作だからこそ、刮目するべきではないのか。どのシーンがどのように問題なのか、どこが虚偽で何が真実なのか。メディアリテラシーが求められる現代において、自分の目で見極めるべき作品だろう。  『ザ・コーヴ』はイルカの保護・解放を訴える米国人リック・オバリー氏が主人公として登場する。オバリー氏は1960年代に人気を博したテレビドラマ『わんぱくフリッパー』でイルカの調教師兼俳優として活躍し、巨額の報酬を得ていた。しかし、番組終了後、知能が高く、感受性豊かなイルカたちを自分が苦しめていたことに気づき、世界各地で解放運動を開始する。水族館で飼育されているイルカの檻を破るなどの活動を続けたため、逮捕歴は数えきれない。毎年9月に太地町で行なわれる大規模なイルカ漁を阻止しようと、ルイ・シホヨス監督ら撮影クルーを現地で迎え入れる。撮影クルーは隠しカメラなどを駆使して、イルカの群れが捕殺される入り江(ザ・コーヴ)の様子を撮影。イルカの血で入り江全体が赤く染まる衝撃的なシーンが、本作のハイライトとなっている。  都内で予定されていたメーン館での公開自粛が報じられ、明治大学で予定されていた上映会&シンポジウムが中止になるなどの騒ぎが続いた状況の中、6月8日に"渦中の人"リック・オバリー氏が来日。6月15日、15分間という限られた時間ながら、コメントをもらう機会があった。 ──『わんぱくフリッパー』を子どもの頃に観ていただけに、映画の内容には驚きました。日本での上映中止の騒ぎは予測していましたか? オバリー いえ、予測できませんでした。非常に驚いています。北朝鮮やキューバ、中国といった国なら、このような事態になることこは予測できたかもしれません。でも、まさか日本でこのようなことになるとは思いもしませんでした。これは民主主義への攻撃ではないでしょうか? 一般の人が映画を観る機会を奪われるわけですから。通常、若い人たちに「こういう映画を観ちゃダメだ」と禁じると、逆に「観たい」と思うのではないですか。ぜひ、一般の人たちで劇場のオーナーたちに激励のメールや声を送ってほしいと思います。
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来日中のリック・オバリー氏。数えき
れないほど逮捕されているが、「いわ
ゆる市民的不服従です。逮捕され
たほうがアピールできるときだけ、
逮捕されているのです」と涼しげに語る。
──前半、米軍が飼育しているイルカをオバリー氏が逃がす映像も盛り込まれています。あのイルカは、米軍が軍事トレーニングしていたものですか? オバリー そうです。米国海軍はイルカを軍事利用のために飼育しているのです。米国海軍が飼育しているイルカは、イルカとは呼ばれずに"端的生物兵器システム"と呼ばれています。米国海軍によって100頭ほどのイルカたちが飼育されているんです。米軍だけでなく、旧ソ連、ロシアも軍事目的で500頭飼っていました。映画の中で伝えられているイルカたちの悲劇は、ごく一部にしか過ぎないのです。 ──デンマーク領のフェロー諸島、オセアニアのソロモン諸島でもイルカ漁は行なわれています。製作スタッフの間で、「日本以外のイルカ漁についても取り上げよう」という声はなかったのでしょうか? オバリー 私は映画製作者ではなく、あくまでも取材される側でした。もちろん、シホヨス監督には世界中でイルカたちがどういう目に遭っているのかは話しました。でも、撮影地をどうするかまでは、私にはコントロールできません。実は今回、日本に来る直前、ソロモン諸島に滞在していました。ソロモン諸島でも毎年2,000頭ほどのイルカが殺され、それが400年にわたって続いていたんです。しかし、今年の4月になって、ソロモン諸島ではこの行為を今後やめることをようやく決めました。イルカ漁をやめることをソロモン諸島は宣言したのです。フェロー諸島でも確かにイルカ漁は行なわれています。しかし、フェロー諸島でもイルカ肉に含まれる水銀は人体に有害であると問題になり、イルカ漁をやめようという動きに向かっています。そうなれば、イルカ漁を大々的に行っているのは世界中で日本だけになります。 ──『ザ・コーヴ』は日本のイルカ漁だけを取り上げたことから、"ジャパン・バッシング"だと言われています。その点はどう思いますか? オバリー いえ、ジャパン・バッシングだとは思いません。イルカ漁が行なわれていたのが、たまたま日本の太地町だったので、太地町で撮影をしたのです。他国でもイルカ漁は行なわれていると指摘されましたが、あれほど大規模にイルカが殺されているのは太地町だけなんです。もし、イタリアやフランスで行なわれていたら、私たちはそちらでカメラを回していたはずです。この映画はジャパン・バッシングを目的としたものではありません。 ──シー・シェパード代表のポール・ワトソン船長もコメンテーターとして出演しています。オバリー氏はシー・シェパードの活動をどう見ていますか? オバリー シー・シェパードに関して、私は思うところは全くありません。シー・シェパードともグリンピースとも、私は関係ありません。私は自分の活動に専念しています。残念ながら、日本のメディアは似たような活動をしている人たちを一緒にしています。しかし、それは正しくありません。シー・シェパードが設立されるよりもずっと前から、私は活動を続けています。彼らは日本に対してボイコット運動をしようと唱えていますが、私と私の所属するアース・アイランド研究所は「ボイコットはよくない」と反対しています。日本の人たちと協力し合って、問題を解決したいと強く願っています。私は日本が大好きなんです。 ──映画が国内で公開されることで、太地町はさらに大きく揺れると思います。太地町がどうなるのか見届けるつもりですか? オバリー もちろんです。太地町でこれから何が起きるのか、ずっと見続けるつもりです。私は太地町が大好きです。太地町には約3,400人の住人がいますが、実際にイルカ漁に関わっているのは非常に少数の人たちです。太地町の人たちとは話し合いの場を持ちたいと願っています。イルカ漁が再開される9月1日には、再び太地町を訪問する予定です。家族や友達を伴って1,000人ほどで太地町を訪ねるつもりです。でも、それは抗議活動のためではありません。みんなで太地町を観光し、レストランなどで食事を楽しみたいと考えています。たくさんお金を使って、日本や太地町の経済に役立ちたいのです。太地町は観光名所として、新しい時代を迎えてほしい。太地町の素晴らしい点に、もっとスポットが当たることを願っています。 ──オバリー氏の最終的な目標を教えてください。 オバリー 世界中の困っているイルカたちのところへ行って、手助けすることです。私は日本だけに注目しているわけではないのです。率直に言えば、私が活動する必要のない世界になることが最終的に望んでいることです。私がもうやることがなくなり、家族と過ごす時間が増えればと思います。これまで長い間、私は私のことを嫌いだという人、私のことを殺したいと思っている人たちと共に過ごしてきました。そろそろ、違う人生を送りたいと思っています。  * * *  取材続きのためか、この日のオバリー氏はいくらか疲れた表情を見せていたが、背筋をピンと伸ばした立ち姿は70歳という年齢を感じさせない。取材の終わりには、携帯電話の待ち受け画面にしている家族のスナップ写真を笑顔で見せ、「家族には心配をかけている」とこぼした。マイホームに戻れば、良き家庭人らしい。  映画のタイトルとなっている"ザ・コーヴ(入り江)"は、ふだんは自分たちが見逃している、もしくは気がつかないふりをしている人間社会のブラックボックスでもある。そのブラックボックスは、足を踏み入れた人間にいろんなものを見せる。地元の漁師にとっては他所ものによって侵されることの許されない聖域であり、上映に反対する市民グループにとっては人種ハラスメントが凝縮されたシーンであり、宗教家にとっては他の動物を殺生して生きながらえる人間の業を象徴する場である。そして、野心的なドキュメンタリー監督にとっては格好の被写体だった。映画を観るか観ないかは、個人の意思に委ねられる問題だろう。ただ、現代社会にはイルカ漁だけでなく、実に多くのブラックボックスが横たわっていることは認識しておいたほうがよさそうだ。 (文=長野辰次) cove0622_03.jpg 『ザ・コーヴ』 監督/ルイ・シホヨス 出演/リック・オバリー、ルイ・シホヨス、サイモン・ハッチンズ、チャールズ・ハンブルトン、ジョー・チズルム、マンディ=レイ・クルークシャンク、カーク・クラック、ジョゼフ・チズルム、C.スコット・ベイカー、ブルック・エイトキン、ハーディー・ジョーンズ、マイケル・イリフ、イアン・キャンベル、ポール・ワトソン  提供/メダリオンメディア 配給/アンプラグド  7月3日(土)より全国順次ロードショー PG12 <http://thecove-2010.com>
靖国 YASUKUNI 『靖国』並みに、揺れてます。 amazon_associate_logo.jpg
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"禁断の手"まで!? 不可能だと思われていたTOKIOの新曲が首位を奪取

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TOKIOは自然体が売りなのに......

 16日に発売されたTOKIOのニューシングル「-遥か-」が、6月28日付のオリコン週間ランキングで2年7カ月ぶりに首位を獲得した。今作は『ザ! 鉄腕! DASH!!』(日本テレビ系)の"DASH海岸"のテーマソングでもあり、ファンだけでなくお茶の間にもなじみ深い一曲。発売1週目で4万9,000枚を売り上げたものの、2位につけ たSound Horizonの「イドへ至る森へ至るイド」の売上は2,000枚差となる4万7,000枚。TOKIOが僅差で逃げ切った結果となった。

「マンガを正当なビジネスにしたい」マンガ家・佐藤秀峰 爆弾発言の裏にある思い(後編)

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前編はこちら ――マンガの新たな表現の場を求めて、立ち上げられた『漫画 on Web』について、改めて説明をお願いします。立ち上げたきっかけを教えてください。 佐藤 紙媒体が斜陽化していて、次のメディアを考えたのがきっかけです。自分でサイトを作るのは、金も労力もかかるのですごく面倒で、誰かに作って欲しかったんですけど、誰も作ってくれないんですよね。出版社が動いてくれたら楽だったのに全然動かないから、結局自分で作りました。 ――出版社が作っても莫大なマージンを取りそうですよね。現在アクセス数は1日どの程度でしょう? 佐藤 詳細は言えませんが、アクセスは1日数千。日刊サイゾーで取り上げられて、「Yahoo!トップニュース」になった時で数万ですね。収支は、赤字ではないんですが、平均でランニングコストとサイト用のスタッフ1人の人件費を払って利益が多少出る程度ですね。売り上げも月に数十万円。100万円はいかないですね。昨年9月の有料サービスを開始して、最初は一気にポイント(マンガの閲覧はポイント制で300ポイント315円から)を買ってくれて、初日は10万円売り上げたんですが、そのまま100万円まで行くかと思ったら、落ち着いちゃいましたね。 ――サイトには読者の掲示板もありますが、読者の反応はいかがですか? 佐藤 「意外と読める」という人もいれば、「紙の方がいい」という人も。デジタルになって初めて僕のマンガを読んだ方もいて、年配の方から「マンガコーナーに行って自分がマンガを選んでいる姿が恥ずかしい。それがパソコンだと誰にも探すところを見られなくて30年ぶりにマンガ読んだ」という意見もありました。僕自身はネットで読むことに抵抗はなくて、机の前にパソコンモニターがあって、一日中、メールや資料をパソコンで見ながら作品を描いているので、不便じゃない。でも、マンガを読むためだけにパソコン立ち上げると考えると面倒かもしれませんね。 ――『漫画 on Web』には、『ダービージョッキー』『日本沈没』のマンガ家・一色登希彦、『森繁ダイナミック』のマンガ家・桃吐マキルさんも参加されています。出展者はDEBUTコースなら月額5,250円のみと低料金ですね。 佐藤 システムは正直にやっています。出展するマンガ家さんからは売り上げの手数料は1円ももらってないし、掲載は審査もしていないので誰でもOK。誰でも自由に登録して使ってくださいという形式で、小説も写真集も出展可能です。1話あたりの値段や、読者が閲覧できる期間は、作家さんが自由に決められて、1回購入で最大366日閲覧可能。僕の作品は366日ですね。『ブラックジャックによろしく』は旧作は1話10円。マンガは1冊10話としたら、1冊100円で妥当な値段かと。新作は1話30円で1冊分に相当する10話買うと300円。紙の本より安くないと意味がないし、BOOK OFFと同じ値段じゃないと競合しない。出展はこちらから営業は一切していないので、興味を持ってくれた方に自由に使ってもらえる魅力的なシステムにしたいですね。 ――『漫画 on Web』では、佐藤先生のアシスタントも作品を発表されていますね。テーマを基にネームの出来を競う"ネーム対決"を行っています。 佐藤 アシスタントにはプロになって欲しい。マンガ家は一代限りの才能なので、僕の才能がなくなったら会社も潰れ、みんな雇えなくなってしまう。長く面倒は見られないので、アシスタントには最長3年で辞めてもらうという契約にしています。プロになって辞めてくれるのが一番ですが、3年やって才能の芽が出なければ、若いうちに田舎に帰るのもいいんじゃないかと思うし。 ――佐藤先生のアシスタントからプロになった方もいらっしゃるんでしょうか? 佐藤 去年は5人辞めて、4人連載を持っています。吉田貴司は「モーニング・ツー」(講談社)で『フィンランド・サガ(性)』を、梅澤功二朗は「ヤングジャンプ」(集英社)で『ヤナガオート』を連載中。白鳥貴久は「ヤングキング」(少年画報社)で『タイガーズ』連載して、携帯コミックでも活躍。まぁびんこと藤井五成は「月刊スピリッツ」(小学館)で『DRAGON JAM』が始まりました。こんなにアシスタントがマンガ家になっているのは日本でウチだけだと思います。 ――それは佐藤先生に若手を育成するメソッドがあるのでは? satoshuho_sashikae.jpg 佐藤 才能を拘束しないで、ある程度のお金とゆとりを与えることですかね。週5日、1日12時間拘束で働いてもらいますが、年に2~3カ月有給休暇がある。その間も給料払うけど、「しっかり自分の作品描いてね」と言っています。ボーナスも4カ月分出してます。 ――そんな好待遇を記事にしたら、アシスタント応募殺到しますよ(笑)。佐藤先生にとってマンガ家のプロになる条件は? 佐藤 描くことだけ。雑誌に載ってる人は、描いてる人ですよ。描かないで載る人は一人もいない。マンガ家になれたのは、いっぱい描いた人だけです。なれなかった人は途中で描くの辞めますからね。プロになるまで描いたからなれた。ちゃんと考えながら1,000枚原稿描けば絶対なれますよ。その前にみんな諦めちゃうだけ。 ●改めて問う、佐藤秀峰にとってマンガを描くことの意味とは? ――では、改めてお伺いします。佐藤先生にとってマンガとは何でしょうか? 佐藤 「マンガとは?」ってあんまり聞かれないですよ......(長い沈黙)。マンガはなくてもいいものだと思うんです。マンガのない国もいっぱいあるし、マンガを読まなくても日常過ごしている日本人もいっぱいいる。描くのは好きだけど、ほかのマンガはまったく読まないし、斜に構えてる感じじゃなくて、あってもなくてもいいものだと思う。でも、なんであるか分からない......改めて聞かれるとマンガってなんだろう......(さらに長い沈黙)。実は、仕事してることに罪悪感もあるんですよ。例えば、『ブラックジャックによろしく』でテーマにしている医者だったら、医療がない時代も人は生きて繁殖して、人類は続いてきた。だから「医者ってどこまで必要なのかな?」と考えると分からなくなってしまう。長生きしたいし、病気で苦しんで、治療して楽になったらありがたい存在だけど、自分が医者だったら、結局病気の人からお金を吸い上げて生きている気持ちになる。マンガってなくてもいいものだと思うし、無駄な出費を誰かにさせて暮らしているわけで、無駄なものにお金を使わせている。これを続けてどういう意味があるんだろうと思うこともあります。 ――医者の話は極論だとしても、人は無駄なものに対価を払いませんよ。先生の作品に「本当に救われた」「感動した」という読者の声も届くのでは? 佐藤 感動してくれればうれしいですけど、その人のために描いてないですからね。その人に会ったことないし、その人の顔を思い浮かべて描いたわけじゃないから。「この仕事は何なんだろう」と思いますね。 ――では、誰のために描いてるんですか? 佐藤 当然自分のためだと思います。生活のため、表現欲を満たすため。そのために誰かに何かを伝える言葉だから相手が必要。 ――例えばスティーブン・キングは「すべての小説を夫人に向けて書いている」と聞いたことがあります。また、伊集院光は深夜ラジオで「中2の自分に向かって話している」と語っていました。佐藤先生にとっての想定読者は? 佐藤 自問自答している感じ。でも、自分の作品も基本的には読み返さない。描いていて、整合性取るためには読むけど、それ以外は読まないですね。 ●作品発表は『漫画 on Web』へ 『ブラよろ』の結末は...... ――今後は、『漫画 on Web』メインで、今後は完全に"脱・出版社"の方向で、大手出版社の仕事は受けないつもりなのですか? 佐藤 印税に頼るのはギャンブルなので、制作費をカバーできる正当な原稿料をもらえれば出版社でも描くし、もらえなければやらない。ビジネスパートナーになってくれるのであれば、仕事をするだけです。今の状況では、『漫画 on Web』が一次使用で、それを「原稿料払うので雑誌に載せたい」という話があれば二次使用としてはいいかなと思う。契約の仕方ですね。発表の形態もiPadには期待を寄せているので、今後、7月中を目途に『漫画 on Web』をiPadに対応させてから、その次に翻訳して、海外版もできればと考えています。 ――次回作は、「週刊マンガTIMES」(芳文社)に掲載されて休載中の『特攻の島』ですか? 佐藤 『特攻の島』は途中なので、そこまでは雑誌でやります。『新ブラックジャックによろしく』が終わったら、一カ月程度休んでからやろうと思ってます。掲載期間は、1年から2年ですね。その次の作品もネームはできているので描きたいんですけど。さすがにそれはまだ詳しいことは言えないです。常に描きたいことはいっぱいあるけど、形にするのに苦労します。描きたいことを出し切るには、かなりの時間が必要で、描きたいことがなくなるということは今のところない。 ――描いてみたいテーマはありますか? 佐藤 ジャンルで描きたいものはないんですよ。だから編集者が提案してきたものを受け入れちゃうんですよ。どんな食材を持ってきても、おいしく料理できますよって感じ。マグロしか扱えないとかそういう風になりたくない。どうせ僕が描くと泥臭い感じになるんで。でも、泥臭い風にしかならないけど、なんでもできます、となりたいかな。 ――一色登希彦さんのマンガ家としての半生をマンガにするという企画がお二人のTwitterでのやりとりから始まって、その基となる一色さんへのインタビューをUSTREAMで配信されました。 佐藤 一色さんとのマンガは、『漫画 on Web』ですぐにやりたいと思ってます。取材があまり必要じゃない自分の知ってる世界を書けたらいいなと思ったけど、話を聞いたら意外と大変で......。おそらく「表現者とは何か?」という話になる予定です。 ――では最後に、残り2回となった『新ブラックジャックによろしく』はどのような幕引きとなるのでしょうか? 佐藤 最後回のために取材してきた題材があるので、それを描こうと思っています。医療マンガもまだ描こうと思えば描けます。愛情を持って描いてきたので、寂しい気持ちもありますね......。最終回は"マンガでは誰も描いたことがない終わり方"になると思います。 * * *  佐藤先生の日記での告白に、「激怒」「マジギレ」「暴露」......そんな見出しを付けてきた我々だが、直接生で聞いた先生の声は穏やかで冷静、しかしながらマンガへの強い信念が随所にほとばしっていた。「マンガとは?」という質問に、言葉を選び、熟慮して答えていただいたその様は『ブラックジャックによろしく』の自問自答する主人公・斉藤英二郎そのもの。たゆたう心情をありのままに表現するその姿勢こそが、作品にリアリティを生んでいるように思われた。大手出版社への挑戦状とも言える『漫画 on Web』の未来と、掲載誌を変え、8年にわたって連載されてきた『ブラックジャックによろしく』の"誰も描いたことがない"着地点に期待したい。 (取材・文=本城零次<http://ameblo.jp/iiwake-lazy/>) ●佐藤秀峰(さとう・しゅうほう) 1973年12月8日生まれ。大学在学中よりマンガ家を志し、福本伸行、高橋ツトムのアシスタントを経て、1998年「ヤングサンデー」に掲載の『おめでとォ!』でデビュー。同年開始の『海猿』はNHK BSハイビジョンでTOKIO・国分太一でドラマ化され、さらに伊藤英明主演で映画化、フジテレビ系でドラマ化、今年9月18日には3作目の映画公開も控える。また、02年、「モーニング」に『ブラックジャックによろしく』を連載、03年に妻夫木聡主演でTBS系でドラマ化。単行本1~13巻の累計発行部数は1000万部を突破。07年、「ビッグコミックスピリッツ」に移籍し、『新ブラックジャックによろしく』と改題。09年、オンラインコミックサイト『漫画 on Web』(http://mangaonweb.com/)を立ち上げ、マンガの新天地を模索している。
新ブラックジャックによろしく 8 「世界を変えるのはいつでもたった一人の情熱だ」(Amazonより引用) amazon_associate_logo.jpg
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マイケル・ジャクソンの子どもたちが、いよいよ学校デビューへ

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今となってはこれも一つの愛情表現だった
のかも

 キング・オブ・ポップと称され、世界中で愛されたマイケル・ジャクソンの衝撃的な死から、早くも1年。これまで沈黙を守ってきたマイケルの母キャサリンが、後見人となった3人の遺児たちの「今」を語り、父親の死を乗り越えるために、学校デビューさせることを明かした。

 英「Mirror」紙のインタビューで、キャサリンは「今、現在も子どもたちはマイケルの死を乗り越えられず、それぞれが毎日を必死に過ごしている」と告白。12歳になる長女パリスは、自分の寝室を「ダディの聖堂」仕様に変え、マイケルの写真を飾りまくることで心のバランスを保とうとしているとのこと。「『女の子なのだから、お部屋にはきれいな花やバレリーナの写真を飾りましょう』とパリスに言ったのだけど、『ダディの写真じゃないと嫌っ!』と言ってきかないの」「マイケルの写真ばかりを飾り、寝る直前までマイケルの写真を見て、朝起きてすぐにマイケルの写真を見る」状態が続いているという。

開き直った清純派? 魔性・熊田曜子がモテまくっている

【メンズサイゾーより】  今月17日、グラビアアイドルの熊田曜子が、著作『Juicy Girl featuring 熊田曜子 Love Sex & Love Body』(講談社)を刊行した。女性誌「with」(講談社)の連載企画をベースにした本書、ひと言で言えば「女の子のためのセックスマニュアル本」。監修に参加した熊田の、"裸のセックス観"が見どころとなっている。 「ここまで赤裸々に語ったのは初めて」  と、本人が言うほど、本書では熊田の恋愛・セックス観が露わにされている。「熊田曜子さん、SEXとは何ですか?」「私たちのSEXリアル」「20代女子代表 熊田曜子さんとお悩み解決"エロスとは何ですか?"」と、どこを読んでもセックスの話ばかりで、大胆宣言満載の内容となっており、ベッドで彼を待つ格好から、男の好きなポーズなども熊田自身が披露。豊富な男性経験をお持ちであろうことがうかがえる。これまでのセックス経験を赤裸々に語る熊田には、もはやアイドルとしての自覚などさらさらないのか? だが驚いたことに、熊田は未だにテレビ出演の際には白々しくも清純派発言をしているのである。 「合コンなんて一度も行ったことないですよ......

熱く、冷酷で、チャーミングな男たちが銃弾と踊る『冷たい雨に撃て、約束の銃弾を』

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ジョニー・トー監督作品と言えば、
やっぱりアンソニー・ウォン!
 男は、出された飯を美味そうに平らげなければならない。男は、拳銃の扱いに慣れていなければならない。男は、信頼できる友の前では少年のように笑って見せなければならない。そして男は、死んでも約束を守らなければならない──。『ザ・ミッション 非情の掟』(00)『エグザイル/絆』(06)で日本でもスマッシュヒットを飛ばした香港映画界の俊英、ジョニー・トー監督が描くのは、いつだってそんな男たちである。  そんなトー監督の最新作が、現在公開中の『冷たい雨に撃て、悲しみの銃弾を』だ。従来の"トー組"キャストに加え、フランスからジョニー・アリディを主演に迎えた本作もまた、男たちの侠義に彩られた、暑苦しいまでに重厚な復讐譚に仕上がっている。  『男たちの挽歌』シリーズに端を発した香港ノワールの正統な継承者でありながら、サム・ペキンパーばりのソリッドなガンアクションで魅せるトー作品、その主要キャストであり続ける俳優アンソニー・ウォンに話を聞いた。 ──『冷たい雨に撃て、約束の銃弾を』拝見しました。ジョニー・トー監督『ザ・ミッション 非情の掟』『エグザイル/絆』から続く3部作という捉え方でよろしいでしょうか。 アンソニー・ウォン(以下、アンソニー) それは監督に聞いてください。僕は監督の希望通りに動くのが仕事なので、特に過去の作品を意識することはないよ。確かに、役名は続いているけどね。ジョニー・トーの作品にはあまりにも数多く出演させてもらっているし、(この作品の役名である)クワイのようなキャラクターを僕に根付かせてくれたのもトー監督だからね。彼には本当に感謝しているよ。 ──今回はフランス人のジョニー・アリディがキャストに加わり、制作もフランス主導で行われたと聞いています。先に上げた2作と比べて、どんな印象を持たれましたか?
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アンソニー 僕にとっては、まったく今までの香港作品と変わりありません。僕は与えられた仕事にベストを尽くすだけ。この作品は、舞台も香港とマカオ、つまり地元だし、撮影もここ。アリディの参加はとても刺激的だったけど、彼が我々に馴染んでくれたと言ったほうがいいかもしれないね(笑)。 ──監督の演出法についても聞かせてください。トー監督の撮影ではほとんどNGカットがなく、一発撮りで撮ったシーンはすべて使うという話を聞きました。そんな監督の撮影スタイルを、演者の側からはどう見ていますか? アンソニー 確かに独特のスタイルだよね。だけど、僕自身は監督のイメージ通りに演技をすることが仕事なわけだから、何も問題はないよ。その代わりというわけじゃないけど、トー監督は細かい演技の仕方については僕らに自由を与えてくれるんだ。だって、その場の思いつきで台本を書き換えたりすることもあるくらいだからね(笑)。役者のイメージもちゃんと聞いてくれる監督だよ。まぁ、僕らの意見が反映されることはあまりないのだけれど(笑)。 ──ジョニー・トー作品はバイオレンスの演出に長けた映画ですが、昨今、世界中でバイオレンス作品に対する風当たりが強くなっています。青少年に悪影響を与えるとして、表現が規制される例も。ウォンさんはそうした「映画のなかの暴力」が観客に与える影響、また「映画のなかで暴力を描くこと」の社会的な意味についてどのようにお考えでしょうか。過去の主演作では『八仙飯店之人肉饅頭』(92)という、ものすごいバイオレンス映画もありましたが......。 アンソニー その作品についてはあまり語りたくないんだ。申し訳ない。暴力シーンの影響についてだけど、青少年というくくりの正確なところにもよると思うよ。あくまで映画は映画だし、出来上がった物の与える影響も確かにあるとは思うけれど......僕らは作品が出来上がる過程の駒でしかないし、それが仕事だからね。 ──では、ウォンさんの好きな映画を教えてください。 アンソニー うーん、ありすぎて困るね(笑)。ひとつ上げるとすれば『ベン・ハー』(59)かな......。それと、映画ではないけれど、最近香港で上演されたミュージカル『シカゴ』にすごく感動したよ。 ──最後に。今作『復仇』(原題)は『冷たい雨に撃て、約束の銃弾を』というタイトルで日本公開されています。とても素敵なタイトルだと思いますが、ウォンさんの印象を聞かせてください。 アンソニー 素晴らしい名前だね。オリジナルの名前よりもいいと思うよ! (取材・文=編集部) ●『冷たい雨に撃て、約束の銃弾を』 監督:ジョニー・トー 脚本:ワイ・カーファイ 出演:ジョニー・アリディ/アンソニー・ウォン/ラム・カートン/ラム・シュー/サイモン・ヤム/シルヴィー・テステュー 提供:ファントム・フィルム/アスミック・エース エンタテインメント 配給:ファントム・フィルム 宣伝:スキップ (c)2009 ARP - MEDIA ASIA ALL RIGHTS RESERVED 公開中 http://judan-movie.com/
ザ・ミッション 非情の掟 すべてはここから始まった。 amazon_associate_logo.jpg
【関連記事】 下町育ちの"北野少年"が見た現代社会 人間同士の食物連鎖『アウトレイジ』 担当判事が冤罪を訴える"袴田事件" 映画『BOX』は司法判決を覆せるか? デビュー作『鉄男』の衝撃から20年! 塚本晋也監督の変わらない製作スタイル

"凋落"復活請負人・小室哲哉とSMAPの"極秘"コラボプロジェクト

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「週刊女性」7月6日号(主婦と生活社)

下世話、醜聞、スキャンダル――。長く女性の"欲望"に応えてきた女性週刊誌を、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ぶった斬る!

第33回(6/17~6/22発売号より)

 相撲界をめぐる野球賭博問題はもはや収束のメドが立たない。暴力団との関係は、日本相撲協会や親方たちも例外ではないだろうし、ずっと昔からあるものだろう。ズブズブのね。膿を出すにはとりあえず名古屋場所自体を休場し、協会を解体するしかないと思う。全理事は懲戒解雇、そして外部も登用して新たな協会を作る。琴光喜関や現役力士だけを処分するなんてことは許さんぞ!

【WC2010】「退屈」「勝利を放棄している」岡田ジャパンを世界中のメディアが酷評中

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デンマークメディアも日本の様子を報道。
写真はオランダ戦での日本の失点シーン。
GK川島の反応が早すぎたとしている。
 どうやら日本では、南アフリカW杯の初戦でカメルーンを下した岡田ジャパンの話題で盛り上がっているようだ。某誌の担当編集者Tから聞いた話なので、どこまで当てになるかは分からないが、きっとそれなりには盛り上がっているのだろう。現地でW杯を取材する筆者も、カメルーン戦後には何本かの電話取材を受けたぐらいだから、きっとそうに違いない。 19日に行なわれたオランダとの第2戦は、惜しくも0-1と敗れたが、同日に行なわれた同グループのデンマーク対カメルーンが2-1でデンマークの勝利に終わったことで、日本はデンマークとのグループリーグ第3戦(24日)に引き分け以上で、決勝トーナメント進出が決まる。W杯開幕前は4連敗と結果が出ておらず、岡田武史監督がサッカー協会会長に"進退伺い"までしていたぐらいだから、よくぞここまで持ち直したと言えるだろう。  岡田監督が"ベスト4"などという非現実的な目標を掲げたことで、サッカーにそれほど詳しくない人は「グループリーグ突破ぐらいでなぜ大騒ぎ?」と思うかもしれないが、決勝トーナメントに進出するようなことがあれば、まさに快挙といえるのだ(サッカーを詳しくない方、その理由は周りのサッカーに詳しい方に聞いてください)。 ところで、世界は岡田ジャパンをどう見ているのだろうか?  日本とグループリーグ突破を争うライバルとなったデンマークでは、日本の初戦となったカメルーン戦について「つまらない試合」、「デンマークが恐れる相手ではない」と紹介。また、第2戦で日本に勝ったオランダの地元紙は、「日本は、平均的な技術しか持ち合わせていないが、労を惜しまず働くので負かすのは難しい」と一定の評価を与えながらも、全体としては「あのような守備的なサッカーは退屈で、初めから勝利を放棄しているかのよう」とバッサリ。そして、決戦を控えるデンマークの大衆紙では、自らの代表チームへの助言として日本の選手を取り上げてこんな言い方をしている。GK川島永嗣に対して「ミスなしでゲームを切り抜けることは滅多にない。たくさんシュートを放って、失敗を誘発させるべき」。W杯開幕後、俄然注目されている本田圭佑に対しては「前線では、オランダがしたように、90分間ケイスケ・ホンダをマークし続けろ」と。  果たして、岡田ジャパンの快挙なるか。 (取材・文=栗原正夫)
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