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日別アーカイブ: 2010年5月4日
人気中堅お笑い芸人H、幸せの裏に隠された知られてはいけない優しい情事
彼と出会ったのは本当に偶然でした。当時、私はネイルサロンで働いていたんですが、見た目は今よりもずっとギャルっぽくて、自分で言うのもあれなんですけど、おねえ系で通っていました。 ある日、仕事の後に同僚と飲んで、別れてひとりで新宿駅のホームで電車を待っていたんです。すると男性が「これから飲みに行かない?」と声をかけてきたんです。よくあるおっさんのナンパだろうと思って、険しい顔つきで振り返ってやりました。そしたらなんと、そこにはテレビでよく見る顔が。険しい顔は一転、きょとん顔に(笑)。それがお笑い芸人のHとの出会いでした......
すべてが吹っ飛ぶ極上スプラッタ・ホラー漫画『血まみれスケバンチェーンソー』
「日本ホラー大賞短編賞」受賞の小説家・田辺青蛙によるオススメブックレビュー。
疲れている時、あなたは何をしたいですか? 頭を休めたい時、気分転換に何をしますか? 睡眠? ゲーム? 動画鑑賞? スポーツ?
僕の場合、物凄く頭の悪そうなホラー作品を手に取りたくなります。今回ご紹介する『血まみれスケバンチェーンソー』はどこに出しても恥ずかしくない、極上の馬鹿スプラッタ・ホラー漫画。いきなり「けだもの幼稚園」のバスがゾンビ軍団に襲われているところから始まります。
そして園児に応援されながら、パンチラならぬ、褌チラ全開の晒しを巻いた巨乳女子中学生、ギーコちゃんがゾンビをチェーンソーで蹴散らします。ゾンビはいろんな種類が用意されてて、触手がついてたり腕が四本あったりします。イエーイ! 女ゾンビは倒れる時、首から血を流しながらポロリのサービス。もう凄いですね、お寿司を頼んだらケーキとステーキと、ラーメンが出てきたようなてんこ盛りですよ。
ノーパン女子中学生ゾンビ(優等生らしい)が腕からミサイルを発射した後、足をくるくる回転させながら、あたりを火の海にしたかと思いきや、股間からロケットミサイルですよ。劇中の○○○とか伏字に意味はあるんでしょうか? 主人公のギーコが、きったねぇ親父二匹(別にゾンビじゃない)にレイプされそうになったら、チェーンソーで手足をバッラバラでギッタンギタンですよ。倫理? 何それ、食えるの? ってな感じでノンストップですよ。いいぞ、もっとやれ、ギヒヒヒヒですよ。同級生がゾンビ化して襲ってきたら「何時だと思ってんだてめら~~~!!」と言って火だるまにした後に細切れですよ。『ゾンビ屋れい子』や『サタニスター』、『巨乳ドラゴン』などの作品でも知られる通り、三家本礼の描くスプラッタシーンは物凄くスピーディー。スパスパスパスパっと、まるで切られたことに気がついてないトマトみたいにゾンビがなぎ倒されていきます。(時々人間も混ざってますが)
凄いのはスプラッタシーンだけじゃありません。敵も味方も入り混じって、急に出てくるシャワーシーンに巨乳のドアップ、わざとらしいお色気絵。これでもかというほどのB級要素満載、物理法則? 何それ、美味しいの? ですよ。
いろんな嫌なことがあったらこの漫画を手にとって下さい。きっとギーコが悩みをぶった斬ってくれると思いますから。とにかく、ゾンビとか巨乳とかB級好きなら読んで損はない漫画です。もう僕は近所の子どもとかに「ボウズ、ゾンビ好きか?」とか聞きながら布教したいくらいに好きな漫画です。(いや、実際にはしませんよ当然。最近は子どもに声をかけただけで逮捕される世の中ですからね)
そして最近漫画のレビューばかりが続いているので、次は小説について書こうと思います。多分......。
(文=田辺青蛙)
●たなべ・せいあ
「小説すばる」(集英社)「幽」(メディアファクトリー)、WEBマガジン『ポプラビーチ』などで妖怪や怪談に関する記事を担当。2008年、『生き屏風』(角川書店 )で第15回日本ホラー小説大賞を受賞。綾波レイのコスプレで授賞式に挑む。著書の『生き屏風』、共著に『てのひら怪談』(ポプラ社)シリーズ。2冊目の書き下ろしホラー小説、『魂追い』(角川書店)も好評発売中。
血まみれスケバンチェーンソー 1
非実在青少年問題なんてなんのその。

■「妖しき本棚」INDEX 【第7回】後味の悪さが尾を引く、究極のマゾヒズム世界『劇画 家畜人ヤプー』 【第6回】妖怪並みの衝撃! 変態おじさんとの思い出がフラッシュバックする『バカ男子』 【第5回】「げに美しき血と汚物と拷問の世界に溺れる『ダイナー』 【第4回】「グッチャネでシコッてくれ」 河童に脳みそをかき回される『粘膜人間』 【第3回】なつかしく、おそろしく、死と欲望の詰まった"岡山"を読む『魔羅節』 【第2回】"大熊、人を喰ふ"史上最悪の熊害を描き出すドキュメンタリー『羆嵐』 【第1回】3本指、片輪車......封印された甘美なる"タブー"の世界『封印漫画大全』
●たなべ・せいあ
「小説すばる」(集英社)「幽」(メディアファクトリー)、WEBマガジン『ポプラビーチ』などで妖怪や怪談に関する記事を担当。2008年、『生き屏風』(角川書店 )で第15回日本ホラー小説大賞を受賞。綾波レイのコスプレで授賞式に挑む。著書の『生き屏風』、共著に『てのひら怪談』(ポプラ社)シリーズ。2冊目の書き下ろしホラー小説、『魂追い』(角川書店)も好評発売中。
血まみれスケバンチェーンソー 1
非実在青少年問題なんてなんのその。
■「妖しき本棚」INDEX 【第7回】後味の悪さが尾を引く、究極のマゾヒズム世界『劇画 家畜人ヤプー』 【第6回】妖怪並みの衝撃! 変態おじさんとの思い出がフラッシュバックする『バカ男子』 【第5回】「げに美しき血と汚物と拷問の世界に溺れる『ダイナー』 【第4回】「グッチャネでシコッてくれ」 河童に脳みそをかき回される『粘膜人間』 【第3回】なつかしく、おそろしく、死と欲望の詰まった"岡山"を読む『魔羅節』 【第2回】"大熊、人を喰ふ"史上最悪の熊害を描き出すドキュメンタリー『羆嵐』 【第1回】3本指、片輪車......封印された甘美なる"タブー"の世界『封印漫画大全』
すべてが吹っ飛ぶ極上スプラッタ・ホラー漫画『血まみれスケバンチェーンソー』
「日本ホラー大賞短編賞」受賞の小説家・田辺青蛙によるオススメブックレビュー。
疲れている時、あなたは何をしたいですか? 頭を休めたい時、気分転換に何をしますか? 睡眠? ゲーム? 動画鑑賞? スポーツ?
僕の場合、物凄く頭の悪そうなホラー作品を手に取りたくなります。今回ご紹介する『血まみれスケバンチェーンソー』はどこに出しても恥ずかしくない、極上の馬鹿スプラッタ・ホラー漫画。いきなり「けだもの幼稚園」のバスがゾンビ軍団に襲われているところから始まります。
そして園児に応援されながら、パンチラならぬ、褌チラ全開の晒しを巻いた巨乳女子中学生、ギーコちゃんがゾンビをチェーンソーで蹴散らします。ゾンビはいろんな種類が用意されてて、触手がついてたり腕が四本あったりします。イエーイ! 女ゾンビは倒れる時、首から血を流しながらポロリのサービス。もう凄いですね、お寿司を頼んだらケーキとステーキと、ラーメンが出てきたようなてんこ盛りですよ。
ノーパン女子中学生ゾンビ(優等生らしい)が腕からミサイルを発射した後、足をくるくる回転させながら、あたりを火の海にしたかと思いきや、股間からロケットミサイルですよ。劇中の○○○とか伏字に意味はあるんでしょうか? 主人公のギーコが、きったねぇ親父二匹(別にゾンビじゃない)にレイプされそうになったら、チェーンソーで手足をバッラバラでギッタンギタンですよ。倫理? 何それ、食えるの? ってな感じでノンストップですよ。いいぞ、もっとやれ、ギヒヒヒヒですよ。同級生がゾンビ化して襲ってきたら「何時だと思ってんだてめら~~~!!」と言って火だるまにした後に細切れですよ。『ゾンビ屋れい子』や『サタニスター』、『巨乳ドラゴン』などの作品でも知られる通り、三家本礼の描くスプラッタシーンは物凄くスピーディー。スパスパスパスパっと、まるで切られたことに気がついてないトマトみたいにゾンビがなぎ倒されていきます。(時々人間も混ざってますが)
凄いのはスプラッタシーンだけじゃありません。敵も味方も入り混じって、急に出てくるシャワーシーンに巨乳のドアップ、わざとらしいお色気絵。これでもかというほどのB級要素満載、物理法則? 何それ、美味しいの? ですよ。
いろんな嫌なことがあったらこの漫画を手にとって下さい。きっとギーコが悩みをぶった斬ってくれると思いますから。とにかく、ゾンビとか巨乳とかB級好きなら読んで損はない漫画です。もう僕は近所の子どもとかに「ボウズ、ゾンビ好きか?」とか聞きながら布教したいくらいに好きな漫画です。(いや、実際にはしませんよ当然。最近は子どもに声をかけただけで逮捕される世の中ですからね)
そして最近漫画のレビューばかりが続いているので、次は小説について書こうと思います。多分......。
(文=田辺青蛙)
●たなべ・せいあ
「小説すばる」(集英社)「幽」(メディアファクトリー)、WEBマガジン『ポプラビーチ』などで妖怪や怪談に関する記事を担当。2008年、『生き屏風』(角川書店 )で第15回日本ホラー小説大賞を受賞。綾波レイのコスプレで授賞式に挑む。著書の『生き屏風』、共著に『てのひら怪談』(ポプラ社)シリーズ。2冊目の書き下ろしホラー小説、『魂追い』(角川書店)も好評発売中。
血まみれスケバンチェーンソー 1
非実在青少年問題なんてなんのその。

■「妖しき本棚」INDEX 【第7回】後味の悪さが尾を引く、究極のマゾヒズム世界『劇画 家畜人ヤプー』 【第6回】妖怪並みの衝撃! 変態おじさんとの思い出がフラッシュバックする『バカ男子』 【第5回】「げに美しき血と汚物と拷問の世界に溺れる『ダイナー』 【第4回】「グッチャネでシコッてくれ」 河童に脳みそをかき回される『粘膜人間』 【第3回】なつかしく、おそろしく、死と欲望の詰まった"岡山"を読む『魔羅節』 【第2回】"大熊、人を喰ふ"史上最悪の熊害を描き出すドキュメンタリー『羆嵐』 【第1回】3本指、片輪車......封印された甘美なる"タブー"の世界『封印漫画大全』
●たなべ・せいあ
「小説すばる」(集英社)「幽」(メディアファクトリー)、WEBマガジン『ポプラビーチ』などで妖怪や怪談に関する記事を担当。2008年、『生き屏風』(角川書店 )で第15回日本ホラー小説大賞を受賞。綾波レイのコスプレで授賞式に挑む。著書の『生き屏風』、共著に『てのひら怪談』(ポプラ社)シリーズ。2冊目の書き下ろしホラー小説、『魂追い』(角川書店)も好評発売中。
血まみれスケバンチェーンソー 1
非実在青少年問題なんてなんのその。
■「妖しき本棚」INDEX 【第7回】後味の悪さが尾を引く、究極のマゾヒズム世界『劇画 家畜人ヤプー』 【第6回】妖怪並みの衝撃! 変態おじさんとの思い出がフラッシュバックする『バカ男子』 【第5回】「げに美しき血と汚物と拷問の世界に溺れる『ダイナー』 【第4回】「グッチャネでシコッてくれ」 河童に脳みそをかき回される『粘膜人間』 【第3回】なつかしく、おそろしく、死と欲望の詰まった"岡山"を読む『魔羅節』 【第2回】"大熊、人を喰ふ"史上最悪の熊害を描き出すドキュメンタリー『羆嵐』 【第1回】3本指、片輪車......封印された甘美なる"タブー"の世界『封印漫画大全』
二重の女子もよりデカ目に! 最強アイメイク「メザイク」が大ヒット中
(左)MEZAIK ストレッチファイバー120¥2310
(右)MEZAIK ストレッチファイバー60¥1260/アーツブレインズ
くっきり二重に憧れるけど、アイプチだと「いかにも二重を作ってます」感が出て不自然に見えたり、まぶたが引きつってしまい、どうしても違和感を感じてしまうもの。それに、うっかりうたた寝してしまったときに、ちょっと白目をむいてしまう怖い寝顔など、悩みはつきもの! とにかく自然な二重ラインを作りたい......。
インフレとデノミ
4コマ漫画
超ヘビー級なシリアス劇『プレシャス』”家族”という名の地獄から脱出せよ
チャンスをください。一度だけでいいから、人生をリセットするチャンスをください。チャンスさえもらえれば、後は何とか自分でやりますから......。しかし、いくら願っても、サイテーのどん底生活を送っている人間には、そのチャンスさえ回ってこない。万が一、チャンスが訪れたとしても、サイテーの生活を送っている人間は、それが自分にとってのチャンスであることが認識できない。『プレシャス』のヒロイン、クレアリース・プレシャス・ジョーンズ(ガボレイ・シディベ)は、16歳でお先真っ暗な人生を歩んでいる。体重はヘルスメーターの目盛りを軽く越え、自分によく似た体型の母親(モニーク)から「デブでウスノロ、早く食事の用意をしろ!」とどつかれる毎日だ。落第を重ね、いまだ中学校に通うプレシャスに対し、母親は「学校なんか通っても意味がない。それよりも役所に行って、生活保護費をもらってこい」と怒鳴り散らす。実の父親はプレシャスをレイプした挙げ句に身籠らせて、家を出ていった。母親のDVはますます激しくなる。息が詰まる生活。でも、お腹はどんどん大きくなっていく。プレシャス(高貴)という名前は、彼女にとってあまりに残酷なジョークでしかない。
1980年代のNY・ハーレムで生まれ育った黒人少女の葛藤を描いた『プレシャス』は、かつてない超ヘビー級のシリアスドラマだ。重い現実に潰されそうになるプレシャスに、ささやかなチャンスが訪れる。クモの糸のように、か細くて、すぐに切れてしまいそうだが、母親のDV地獄に悩むプレシャスにとっては、唯一の希望の光だ。妊娠していることが中学校にバレたプレシャスは退学させられるが、代替学校として「フリースクール」への入学を勧められる。教科書に何が書いてあるのかさっぱり分からないが、家の外に出られるのなら、どんなチャンスでも構わない。プレシャスは重い体を揺らしながら、クモの糸に手を伸ばす。
自分が不幸なのは家族のせいだ、自分がダメなのは親の遺伝子のせいだと、責任転嫁する輩は少なくない。しかし、家族をののしり、自分の境遇を憐れんでいる人間は、血縁という名の狭苦しい牢獄に自分から進んで入っているようなもの。生まれた時代が悪かった、オレが悪いんじゃない社会が悪いんだと嘆く人間も同罪だ。自分で檻の中に入っておきながら、カギの開け方を覚えようとしない。自分の目の前にクモの糸が垂れていることにも気づかない。仮に気づいても、途中でクモの糸が切れるんじゃないかと尻込みしてしまう。
プレシャスもこれまでは自分のことしか考えることができず、妄想の世界に逃げるしかなかった。しかし、生まれてくる子どものために、プレシャスはクモの糸を這い上がっていく決心をする。このままでは、自分のお腹の中にいる赤ちゃんは生まれてくる前からどん底の一生が決まっている。子どもには自分や母親のような目に遭わせたくない。アルファベットの読み書きも満足にできないプレシャスだったが、フリースクールの女性教師レイン(ポーラ・パットン)は熱心に、物事を学び自分で考えていく面白さをプレシャスに教えていく。受験勉強ではない、本当の意味での教育だ。プレシャスに初めて他人をリスペクトする気持ちが芽生える。
また、フリースクールに集まる同年代の少女たちも、それぞれに事情を抱えていた。今まで自分のことしか考えなかったプレシャスの黒目に光が灯り、少しずつだが視界が広がっていく。自分ひとりでも重そうなプレシャスだが、生まれてくる赤ちゃんの重量が加わり、クモの糸をたぐる腕に不思議と力が入る。どれだけクモの糸を上がっただろうか。気が付けば、今までの自分はひどく狭い場所にいたことが分かってきた。
プレシャス役に抜擢されたのは、まったくの演技未経験のガボレイ・シディベ、撮影時24歳。本作での体当たりの熱演が評判となり、アカデミー賞主演女優賞にノミネートされ、人気女優サンドラ・ブロックや演技派メリル・ストリープ、ヘレン・ミレン、若手の期待株キャリー・マリガンらと堂々と肩を並べた。鬼母役を演じたモニークは、米国では大柄な女性のビューティコンテスト番組のホストを務めているコメディエンヌとして人気者だ。最悪な境遇から抜け出せない苛立ちを娘にぶつけることしかできない難役を演じ、アカデミー賞助演女優賞に輝いた。女教師ミズ・レインを演じたポーラ・パットンも好演している。若くて聡明な美人教師レインだが、実はレズビアンという設定であり、原作者サファイアの分身でもある。マイノリティーとして生きていく彼女は、十字架を背負う者の眼差しの強さを感じさせる。
キャスト陣で、もうひとつ話題がある。実際にハーレムで代替学校の教師を経験した詩人サファイアの原作小説に共鳴した人気アーティストのレニー・クラヴィッツが看護士役、マライア・キャリーがソーシャルワーカー役で出演している。人気スターにありがちな1シーンだけのカメオ出演ではなく、出口を見出せずにさまよい続ける現代の"プレシャス"たちに寄り添い、祝福するべく真摯な演技を見せている。とりわけ、マライア・キャリーはノーメイクで出演し、すっぴんの素顔をさらしている。マイノリティー出身ながら、スターの座を手に入れた両者にとっても、クモの糸を這い上がるプレシャスの生き方は他人事ではなかったのだろう。
クモの糸をよじ上っても、その先で待っているのは夢で見たお花畑が咲き乱れるような天国とは限らない。さらにレベルの上がった新しい地獄かもしれないのだ。でも、そこが天国だろうが地獄だろうが、プレシャスには関係ない。そこはプレシャスが自分の手でつかみ取った新しい世界。生まれてきた赤ちゃんと共に生きるための聖地なのだ。たった一度だけ巡ってきたチャンスを見事にものにしたプレシャス。その名前の通り、彼女は輝き始めた。
(文=長野辰次)
●『プレシャス』
原作/サファイア 監督・脚本/リー・ダニエルズ 出演/ガボレイ・シディベ、モニーク、ポーラ・パットン、マライア・キャリー、シェリー・シェパード、レニー・クラヴィッツ 配給/ファントム・フィルム 4月24日より日比谷・TOHOシネマズシャンテ、渋谷シネマライズほか全国公開中
http://www.precious-movie.net/
プレシャス
サントラも発売中です。

●深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】INDEX [第64回]乱れ咲く"悪の華"ゼブラクイーン! 仲里依紗が過激変身『ゼブラーマン2』 [第63回] オタク王が見出した"夢と現実"の接点 ティム・バートン監督作『アリス──』 [第62回] バッドテイストな感動作『第9地区』 アナタはエビ人間とお友達になれるか? [第61回]スコセッシ監督の犯罪アトラクション『シャッターアイランド』へようこそ! [第60回]宮崎あおいの"映画代表作"が誕生! 毒を呑んでも生き続けよ『ソラニン』 [第59回]"おっぱいアート"は世界を救えるか? 母乳戦士の記録『桃色のジャンヌ・ダルク』 [第58回]現代に甦った"梶原一騎ワールド"韓流ステゴロ映画『息もできない』 [第57回]命知らずの変態レポーター、中東へ! 史上最大のどっきり?『ブルーノ』 [第56回]仲里依紗がアニメから実写へと跳躍! 母娘2代の時空旅行『時をかける少女』 [第55回]ビグロー監督はキャメロンより硬派! 人間爆弾の恐怖『ハート・ロッカー』 [第54回] "空気を読む"若者の悲劇『パレード』楽しいルームシェア生活の行き先は? [第53回]社会の"生け贄"に選ばれた男の逃亡劇 堺雅人主演『ゴールデンスランバー』 [第52回]『男はつらいよ』の別エンディング? "寅さん"の最期を描く『おとうと』 [第51回]ひとり相撲なら無敵のチャンピオン! 童貞暴走劇『ボーイズ・オン・ザ・ラン』 [第50回]ヒース・レジャーが最後に見た夢の世界 理想と欲望が渦巻く『Dr.パルナサスの鏡』 [第49回]トニー・ジャーは本気なんジャー! CGなしの狂乱劇再び『マッハ!弐』 [第48回]全米"オシャレ番長"ズーイー、見参! 草食系に捧ぐ『(500日)のサマー』 [第47回]市川崑監督&水谷豊"幻の名作"『幸福』28年の歳月を経て、初のパッケージ化 [第46回]押井守監督、大いなる方向転換か? 黒木メイサ主演『アサルトガールズ』 [第45回]ドラッグ漬けの芸能関係者必見!"神の子"の復活を追う『マラドーナ』 [第44回] 暴走する"システム"が止まらない! マイケル・ムーア監督『キャピタリズム』 [第43回]"人は二度死ぬ"という独自の死生観『ガマの油』役所広司の監督ぶりは? [第42回]誰もが共感、あるあるコメディー! 2ちゃんねる発『ブラック会社』 [第41回]タラとブラピが組むと、こーなった!! 戦争奇談『イングロリアス・バスターズ』 [第40回]"涅槃の境地"のラストシーンに唖然! 引退を賭けた角川春樹監督『笑う警官』 [第39回]伝説の男・松田優作は今も生きている 20回忌ドキュメント『SOUL RED』 [第38回]海より深い"ドメスティック・ラブ"ポン・ジュノ監督『母なる証明』 [第37回]チャン・ツィイーが放つフェロモン爆撃 悪女注意報発令せり!『ホースメン』 [第36回]『ソウ』の監督が放つ激痛バイオレンス やりすぎベーコン!『狼の死刑宣告』 [第35回]"負け組人生"から抜け出したい!! 藤原竜也主演『カイジ 人生逆転ゲーム』 [第34回]2兆円ペット産業の"開かずの間"に迫る ドキュメンタリー『犬と猫と人間と』 [第33回]"女神降臨"ペ・ドゥナの裸体が神々しい 空っぽな心に響く都市の寓話『空気人形』 [第32回]電気仕掛けのパンティをはくヒロイン R15コメディ『男と女の不都合な真実』 [第31回]萩原健一、松方弘樹の助演陣が過剰すぎ! 小栗旬主演の時代活劇『TAJOMARU』 [第30回]松本人志監督・主演第2作『しんぼる』 閉塞状況の中で踊り続ける男の悲喜劇 [第29回]シビアな現実を商品化してしまう才女、西原理恵子の自叙伝『女の子ものがたり』 [第28回]"おねマス"のマッコイ斉藤プレゼンツ 不謹慎さが爆笑を呼ぶ『上島ジェーン』 [第27回]究極料理を超えた"極地料理"に舌鼓! 納涼&グルメ映画『南極料理人』 [第26回]ハチは"失われた少年時代"のアイコン ハリウッド版『HACHI』に涙腺崩壊! [第25回]白熱! 女同士のゴツゴツエゴバトル 金子修介監督の歌曲劇『プライド』 [第24回]悪意と善意が反転する"仮想空間"細田守監督『サマーウォーズ』 [第23回]沖縄に"精霊が暮らす楽園"があった! 中江裕司監督『真夏の夜の夢』 [第22回]"最強のライブバンド"の底力発揮! ストーンズ『シャイン・ア・ライト』 [第21回]身長15mの"巨大娘"に抱かれたい! 3Dアニメ『モンスターvsエイリアン』 [第20回]ウディ・アレンのヨハンソンいじりが冴え渡る!『それでも恋するバルセロナ』 [第19回]ケイト姐さんが"DTハンター"に! オスカー受賞の官能作『愛を読むひと』 [第18回]1万枚の段ボールで建てた"夢の砦"男のロマンここにあり『築城せよ!』 [第17回]地獄から甦った男のセミドキュメント ミッキー・ローク『レスラー』 [第16回]人生がちょっぴり楽しくなる特効薬 三木聡"脱力"劇場『インスタント沼』 [第15回]"裁判員制度"が始まる今こそ注目 死刑執行を克明に再現した『休暇』 [第14回]生傷美少女の危険な足技に痺れたい! タイ発『チョコレート・ファイター』 [第13回]風俗嬢を狙う快楽殺人鬼の恐怖! 極限の韓流映画『チェイサー』 [第12回]お姫様のハートを盗んだ男の悲哀 紀里谷監督の歴史奇談『GOEMON』 [第11回]美人女優は"下ネタ"でこそ輝く! ファレリー兄弟『ライラにお手あげ』 [第10回]ジャッキー・チェンの"暗黒面"? 中国で上映禁止『新宿インシデント』 [第9回]胸の谷間に"桃源郷"を見た! 綾瀬はるか『おっぱいバレー』 [第8回]"都市伝説"は映画と結びつく 白石晃士監督『オカルト』『テケテケ』 [第7回]少女たちの壮絶サバイバル!楳図かずおワールド『赤んぼ少女』 [第6回]派遣の"叫び"がこだまする現代版蟹工船『遭難フリーター』 [第5回]三池崇史監督『ヤッターマン』で深田恭子が"倒錯美"の世界へ [第4回]フランス、中国、日本......世界各国のタブーを暴いた劇映画続々 [第3回]水野晴郎の遺作『ギララの逆襲』岡山弁で語った最後の台詞は...... [第2回]『チェンジリング』そしてイーストウッドは"映画の神様"となった [第1回]堤幸彦版『20世紀少年』に漂うフェイクならではの哀愁と美学

市役所に勤めるソーシャルワーカー役のマライア・
キャリー。これが"世界の歌姫"のすっぴん顔。
キャリー。これが"世界の歌姫"のすっぴん顔。
●『プレシャス』
原作/サファイア 監督・脚本/リー・ダニエルズ 出演/ガボレイ・シディベ、モニーク、ポーラ・パットン、マライア・キャリー、シェリー・シェパード、レニー・クラヴィッツ 配給/ファントム・フィルム 4月24日より日比谷・TOHOシネマズシャンテ、渋谷シネマライズほか全国公開中
http://www.precious-movie.net/
プレシャス
サントラも発売中です。
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超ヘビー級なシリアス劇『プレシャス』”家族”という名の地獄から脱出せよ
チャンスをください。一度だけでいいから、人生をリセットするチャンスをください。チャンスさえもらえれば、後は何とか自分でやりますから......。しかし、いくら願っても、サイテーのどん底生活を送っている人間には、そのチャンスさえ回ってこない。万が一、チャンスが訪れたとしても、サイテーの生活を送っている人間は、それが自分にとってのチャンスであることが認識できない。『プレシャス』のヒロイン、クレアリース・プレシャス・ジョーンズ(ガボレイ・シディベ)は、16歳でお先真っ暗な人生を歩んでいる。体重はヘルスメーターの目盛りを軽く越え、自分によく似た体型の母親(モニーク)から「デブでウスノロ、早く食事の用意をしろ!」とどつかれる毎日だ。落第を重ね、いまだ中学校に通うプレシャスに対し、母親は「学校なんか通っても意味がない。それよりも役所に行って、生活保護費をもらってこい」と怒鳴り散らす。実の父親はプレシャスをレイプした挙げ句に身籠らせて、家を出ていった。母親のDVはますます激しくなる。息が詰まる生活。でも、お腹はどんどん大きくなっていく。プレシャス(高貴)という名前は、彼女にとってあまりに残酷なジョークでしかない。
1980年代のNY・ハーレムで生まれ育った黒人少女の葛藤を描いた『プレシャス』は、かつてない超ヘビー級のシリアスドラマだ。重い現実に潰されそうになるプレシャスに、ささやかなチャンスが訪れる。クモの糸のように、か細くて、すぐに切れてしまいそうだが、母親のDV地獄に悩むプレシャスにとっては、唯一の希望の光だ。妊娠していることが中学校にバレたプレシャスは退学させられるが、代替学校として「フリースクール」への入学を勧められる。教科書に何が書いてあるのかさっぱり分からないが、家の外に出られるのなら、どんなチャンスでも構わない。プレシャスは重い体を揺らしながら、クモの糸に手を伸ばす。
自分が不幸なのは家族のせいだ、自分がダメなのは親の遺伝子のせいだと、責任転嫁する輩は少なくない。しかし、家族をののしり、自分の境遇を憐れんでいる人間は、血縁という名の狭苦しい牢獄に自分から進んで入っているようなもの。生まれた時代が悪かった、オレが悪いんじゃない社会が悪いんだと嘆く人間も同罪だ。自分で檻の中に入っておきながら、カギの開け方を覚えようとしない。自分の目の前にクモの糸が垂れていることにも気づかない。仮に気づいても、途中でクモの糸が切れるんじゃないかと尻込みしてしまう。
プレシャスもこれまでは自分のことしか考えることができず、妄想の世界に逃げるしかなかった。しかし、生まれてくる子どものために、プレシャスはクモの糸を這い上がっていく決心をする。このままでは、自分のお腹の中にいる赤ちゃんは生まれてくる前からどん底の一生が決まっている。子どもには自分や母親のような目に遭わせたくない。アルファベットの読み書きも満足にできないプレシャスだったが、フリースクールの女性教師レイン(ポーラ・パットン)は熱心に、物事を学び自分で考えていく面白さをプレシャスに教えていく。受験勉強ではない、本当の意味での教育だ。プレシャスに初めて他人をリスペクトする気持ちが芽生える。
また、フリースクールに集まる同年代の少女たちも、それぞれに事情を抱えていた。今まで自分のことしか考えなかったプレシャスの黒目に光が灯り、少しずつだが視界が広がっていく。自分ひとりでも重そうなプレシャスだが、生まれてくる赤ちゃんの重量が加わり、クモの糸をたぐる腕に不思議と力が入る。どれだけクモの糸を上がっただろうか。気が付けば、今までの自分はひどく狭い場所にいたことが分かってきた。
プレシャス役に抜擢されたのは、まったくの演技未経験のガボレイ・シディベ、撮影時24歳。本作での体当たりの熱演が評判となり、アカデミー賞主演女優賞にノミネートされ、人気女優サンドラ・ブロックや演技派メリル・ストリープ、ヘレン・ミレン、若手の期待株キャリー・マリガンらと堂々と肩を並べた。鬼母役を演じたモニークは、米国では大柄な女性のビューティコンテスト番組のホストを務めているコメディエンヌとして人気者だ。最悪な境遇から抜け出せない苛立ちを娘にぶつけることしかできない難役を演じ、アカデミー賞助演女優賞に輝いた。女教師ミズ・レインを演じたポーラ・パットンも好演している。若くて聡明な美人教師レインだが、実はレズビアンという設定であり、原作者サファイアの分身でもある。マイノリティーとして生きていく彼女は、十字架を背負う者の眼差しの強さを感じさせる。
キャスト陣で、もうひとつ話題がある。実際にハーレムで代替学校の教師を経験した詩人サファイアの原作小説に共鳴した人気アーティストのレニー・クラヴィッツが看護士役、マライア・キャリーがソーシャルワーカー役で出演している。人気スターにありがちな1シーンだけのカメオ出演ではなく、出口を見出せずにさまよい続ける現代の"プレシャス"たちに寄り添い、祝福するべく真摯な演技を見せている。とりわけ、マライア・キャリーはノーメイクで出演し、すっぴんの素顔をさらしている。マイノリティー出身ながら、スターの座を手に入れた両者にとっても、クモの糸を這い上がるプレシャスの生き方は他人事ではなかったのだろう。
クモの糸をよじ上っても、その先で待っているのは夢で見たお花畑が咲き乱れるような天国とは限らない。さらにレベルの上がった新しい地獄かもしれないのだ。でも、そこが天国だろうが地獄だろうが、プレシャスには関係ない。そこはプレシャスが自分の手でつかみ取った新しい世界。生まれてきた赤ちゃんと共に生きるための聖地なのだ。たった一度だけ巡ってきたチャンスを見事にものにしたプレシャス。その名前の通り、彼女は輝き始めた。
(文=長野辰次)
●『プレシャス』
原作/サファイア 監督・脚本/リー・ダニエルズ 出演/ガボレイ・シディベ、モニーク、ポーラ・パットン、マライア・キャリー、シェリー・シェパード、レニー・クラヴィッツ 配給/ファントム・フィルム 4月24日より日比谷・TOHOシネマズシャンテ、渋谷シネマライズほか全国公開中
http://www.precious-movie.net/
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市役所に勤めるソーシャルワーカー役のマライア・
キャリー。これが"世界の歌姫"のすっぴん顔。
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●『プレシャス』
原作/サファイア 監督・脚本/リー・ダニエルズ 出演/ガボレイ・シディベ、モニーク、ポーラ・パットン、マライア・キャリー、シェリー・シェパード、レニー・クラヴィッツ 配給/ファントム・フィルム 4月24日より日比谷・TOHOシネマズシャンテ、渋谷シネマライズほか全国公開中
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タモリから森泉まで! ナイナイ岡村が”モテる”理由は……
なんだかんだみんな岡村さんのことが
好きですよ
今回ツッコませていただくのは、映画『てぃだかんかん』の告知のために、様々な番組にピンで出まくっていたナインティナイン・岡村隆史を迎える人々の反応。
筆頭は、岡村を"大好物"とするタモリだ。4月23日に『笑っていいとも!』(フジテレビ系)の「テレフォンショッキング」に岡村が登場した際には、しょっぱなから持ってきたポスターを破る音を口で出してみたり、さまざまなちょっかいを出しては岡村に「ちょっとおかしいですよ、タモリさん」と諌められていた。
育児
家の前の保育園で元気な子供の声が響く。私の体内時計で声が無い日は休日。何か寂しい。メディアで虐待のニュースが減ったような気がしたので調べてみると、実際は毎日のように起こっていた。「もう飽きた」それがメディアの本音なのだろう。うるさいから両腕を折った、壁にぶつけて脳を壊した。親が逮捕されるのは当然。でも、傷ついた子供たちのその後は一体どうなるのだろう。一番大事な時期に、親がいないということ。



