業界人に聞いた、テレビの重大事変2017! 「テレ朝自滅」「ネットの“テレビ批判”横行」

 2017 年のテレビ業界も、さまざまな話題が上った。一体どんな年だったのか振り返る意味で、業界関係者に印象的な重大トピックスを聞き、ランキング形式で挙げてみた。

1位:おじさんが大活躍

 CM起用社数ランキング(ニホンモニター調べ)で12本と1位に輝いた遠藤憲一(56歳)、「ゆるキャラ」的存在で人気となった加藤一二三・九段(77歳)のほか、「バラエティ番組の会議で一番名前が挙がる」(放送作家)という梅沢富美男(67歳)、「年を取ったことで甲高い声が低くなり、滑舌も悪くなり、体にムチ打つ感が『けなげ』と思われるようになった」(同)と評判の出川哲朗(53歳)など、おじさんブームが到来。「TOKIO・城島茂も安定の老化をたどっています」(制作会社スタッフ)と、次なるおじさんも育っている。

 おばさんもすごかった。性格が豹変する豊田真由子元議員(43歳)はもちろん、「この世の喜怒哀楽をかき集めた感情の塊。ワイドショーを盛り上げた」松居一代(60歳)、不倫相手の医師が悪目立ちした斉藤由貴(51歳)、号泣の不倫謝罪会見の藤吉久美子(56歳)など、老いてますます盛んな猛女の当たり年だった。

第2位:連続ドラマ、視聴率1ケタが常態化

 視聴率は1ケタが当たり前の時代に突入した。NHK朝の連続テレビ小説『ひよっこ』の筆力でさらに評価を高めた脚本家・岡田惠和は、金曜午後8時のドラマ『ユニバーサル広告社~あなたの人生、売り込みます!~』(テレビ東京系)で、沢村一樹に和久井映見、三宅裕司にやついいちろうと『ひよっこ』主演者を大挙して出したものの、12月1日の最終回は2.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)、全話平均3.9%と今期連ドラ最低視聴率を記録。ほかにも、「共演者の窪田正孝と水川あさみの熱愛が発覚した『僕たちがやりました』(フジテレビ系)は全話平均6.0%、スキャンダルで自滅した香里奈が復活して主演を務めた『嫌われる勇気』(同)は同6.5%で、特にフジドラマの爆死が多かった」(芸能ライター)。

3位:元SMAPメンバーを民放が黙殺

 元SMAPの稲垣吾郎、香取慎吾、草なぎ剛の活動が、民放ではスルーされている。「『アッコにおまかせ!』『王様のブランチ』(ともにTBS系)など取り上げる番組もありますが、ほかはほぼ無視。気持ちの悪い状況が続いています」(テレビ局関係者)。不自然なテレビ局の姿勢に、お茶の間はとっくに気づいているというのに、18年もスルーし続けるのだろうか? 

4位:「土ワイ」移設で自滅したテレビ朝日

 全日(午前6時~深夜0時)、ゴールデン(午後7時~午後10時)、プライム(午後7時~午後11時)の3つの時間帯で1位を獲得したときに付与される肩書「視聴率三冠王」。今年の年間視聴率も年明けに発表予定だが、日テレがゴールテープを切ることになりそうだ。日曜日の縦の流れはもちろん、月曜日も『有吉ゼミ』『世界まる見え!テレビ特捜部』『人生が変わる1分間の深イイ話』『しゃべくり007』と安定した流れになりつつある。

 2位のテレビ朝日は自滅。30年続いた『土曜ワイド劇場』を終わらせて日曜午前10時に移設したものの、常時4%と苦しい状況だ。「ほかにも、『金曜ロンドンハーツ』『アメトーーク!』など隆盛を支えたバラエティが一時の勢いを完全に失い、報道と『ドラえもん』だけしか売りのなかった頃のテレ朝に戻りつつあります」(放送作家)。

5:ネットユーザーの多大な影響位

 『バイキング』『ワイドナショー』(ともにフジテレビ系)を始めとして、ネットニュースで盛んに報じられた結果、視聴率が上向く番組が増えている。「『池の水ぜんぶ抜く』(テレビ東京系)、ゴールデンに昇格した『マツコの知らない世界』(TBS系)なども、ネットの威力によって人気番組へ一気に上りつめた印象がある」(制作会社スタッフ)とのこと。

 一方、ネットの声が番組を終わらせる遠因にも。保毛尾田保毛男騒動が起きた『とんねるずのみなさんのおかげでした』(フジテレビ系)をはじめ、番組を見ていない人も論争に参加するという事態が起こるようになった。「ネットユーザーによる“テレビ批判”は今後も続きそうです」(同)。

6位:TBSのバラエティに陰り

 「TBSのバラエティに脅威を感じると言われた時期もありました。確かに、『プレバト!!』『マツコの知らない世界』の視聴率は毎週2ケタではあるものの、『ニンゲン観察バラエティ モニタリング』はマンネリがたたり、息切れしつつあります。さらに、『サンデー・ジャポン』がいよいよ2ケタを割る週も出ている」(制作会社ディレクター)。

 TBSはドラマも好不調の波が激しい。「日曜劇場」の枠では4月、警察内部の戦いを描いた『小さな巨人』が平均13.5%で終えたものの、その直後の7月クールは恋愛ドラマ『ごめん、愛してる』を持ってきた。最終回は12.8%を記録し、平均9.7%でフィニッシュしたが、決して成功とは言えないだろう。さらにその後の『陸王』は最終回20.5%、平均16.0%と有終の美を飾ったが、「企業モノドラマのイメージが強い枠に、ラブストーリーを持ってくるTBSの編成の悪さが目立つ。枠の固定視聴者が離れる要因になる」(芸能ライター)。

 ヒットドラマにも、疑問符がつく。「『カンナさーん!』『コウノドリ』ですが、実は最高視聴率を出しているのはほぼオープニングシーンで、右肩上がりではありません。『カンナさーん!』は前の番組『マツコの知らない世界』、『コウノドリ』は『中居正広の金曜日のスマイルたちへ』のお釣りで見ているにすぎないのです」(放送作家)。

7位:フジテレビの求心力低下

 バラエティを席巻した加藤一二三・九段はもともと『アウト×デラックス』(フジテレビ系)から輩出された人物。ANZEN漫才・みやぞんのブレークも昨年8月の『世界の果てまでイッテQ!』(フジテレビ系)がきっかけのように言われているが、「その2カ月前の『みなさんのおかげでした』が見いだした芸人。それが広まらないあたりに、フジテレビの力が弱まっていると思われます」(芸能ライター)。

8位:「じゃない方芸人」の覚醒

「バイきんぐ・小峠英二の相方という役割でしかなかった西村瑞樹が『陸海空 世界征服するなんて』(テレビ朝日系)などで言い知れぬ存在感を発揮しています」(放送作家)「三四郎・小宮浩信じゃない方、相田周二が最近は堰を切ったようにしゃべり始めているのが気になる」(制作会社ディレクター)との声が上がった。18年は、コンビ間の露出格差が減るかもしれない。

9位:病気でわかったマツコの存在感

 耳の三半規管にウイルスが入り、めまいなどを発症、大事をとって都内の病院に入院し静養したマツコ・デラックス。『月曜から夜ふかし』(日本テレビ系)は総集編を放送するなどして対応したが、「マツコがいないと成り立たない番組も多く、その存在の大きさをあらためて思い知らされました。有吉弘行の番組であれば『有吉反省会』(日本テレビ系)しかり『有吉くんの正直さんぽ』(フジテレビ系)しかり、代役を立てられたかもしれないですが、マツコの代打はいない」(放送作家)。いずれにしてもテレビ界はいつまでマツコに頼るのであろうか。

 東京オリンピックまであと2年。海外からの目もより注がれることになるが、タレントの不倫やら「お母ちゃん!」と生電話して泣きわめく女性を生中継する日本のテレビをどう思うのだろうか? できるだけ襟は正してほしいものだが、果たして……。
(村上春虎)

業界人に聞いた、テレビの重大事変2017! 「テレ朝自滅」「ネットの“テレビ批判”横行」

 2017 年のテレビ業界も、さまざまな話題が上った。一体どんな年だったのか振り返る意味で、業界関係者に印象的な重大トピックスを聞き、ランキング形式で挙げてみた。

1位:おじさんが大活躍

 CM起用社数ランキング(ニホンモニター調べ)で12本と1位に輝いた遠藤憲一(56歳)、「ゆるキャラ」的存在で人気となった加藤一二三・九段(77歳)のほか、「バラエティ番組の会議で一番名前が挙がる」(放送作家)という梅沢富美男(67歳)、「年を取ったことで甲高い声が低くなり、滑舌も悪くなり、体にムチ打つ感が『けなげ』と思われるようになった」(同)と評判の出川哲朗(53歳)など、おじさんブームが到来。「TOKIO・城島茂も安定の老化をたどっています」(制作会社スタッフ)と、次なるおじさんも育っている。

 おばさんもすごかった。性格が豹変する豊田真由子元議員(43歳)はもちろん、「この世の喜怒哀楽をかき集めた感情の塊。ワイドショーを盛り上げた」松居一代(60歳)、不倫相手の医師が悪目立ちした斉藤由貴(51歳)、号泣の不倫謝罪会見の藤吉久美子(56歳)など、老いてますます盛んな猛女の当たり年だった。

第2位:連続ドラマ、視聴率1ケタが常態化

 視聴率は1ケタが当たり前の時代に突入した。NHK朝の連続テレビ小説『ひよっこ』の筆力でさらに評価を高めた脚本家・岡田惠和は、金曜午後8時のドラマ『ユニバーサル広告社~あなたの人生、売り込みます!~』(テレビ東京系)で、沢村一樹に和久井映見、三宅裕司にやついいちろうと『ひよっこ』主演者を大挙して出したものの、12月1日の最終回は2.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)、全話平均3.9%と今期連ドラ最低視聴率を記録。ほかにも、「共演者の窪田正孝と水川あさみの熱愛が発覚した『僕たちがやりました』(フジテレビ系)は全話平均6.0%、スキャンダルで自滅した香里奈が復活して主演を務めた『嫌われる勇気』(同)は同6.5%で、特にフジドラマの爆死が多かった」(芸能ライター)。

3位:元SMAPメンバーを民放が黙殺

 元SMAPの稲垣吾郎、香取慎吾、草なぎ剛の活動が、民放ではスルーされている。「『アッコにおまかせ!』『王様のブランチ』(ともにTBS系)など取り上げる番組もありますが、ほかはほぼ無視。気持ちの悪い状況が続いています」(テレビ局関係者)。不自然なテレビ局の姿勢に、お茶の間はとっくに気づいているというのに、18年もスルーし続けるのだろうか? 

4位:「土ワイ」移設で自滅したテレビ朝日

 全日(午前6時~深夜0時)、ゴールデン(午後7時~午後10時)、プライム(午後7時~午後11時)の3つの時間帯で1位を獲得したときに付与される肩書「視聴率三冠王」。今年の年間視聴率も年明けに発表予定だが、日テレがゴールテープを切ることになりそうだ。日曜日の縦の流れはもちろん、月曜日も『有吉ゼミ』『世界まる見え!テレビ特捜部』『人生が変わる1分間の深イイ話』『しゃべくり007』と安定した流れになりつつある。

 2位のテレビ朝日は自滅。30年続いた『土曜ワイド劇場』を終わらせて日曜午前10時に移設したものの、常時4%と苦しい状況だ。「ほかにも、『金曜ロンドンハーツ』『アメトーーク!』など隆盛を支えたバラエティが一時の勢いを完全に失い、報道と『ドラえもん』だけしか売りのなかった頃のテレ朝に戻りつつあります」(放送作家)。

5:ネットユーザーの多大な影響位

 『バイキング』『ワイドナショー』(ともにフジテレビ系)を始めとして、ネットニュースで盛んに報じられた結果、視聴率が上向く番組が増えている。「『池の水ぜんぶ抜く』(テレビ東京系)、ゴールデンに昇格した『マツコの知らない世界』(TBS系)なども、ネットの威力によって人気番組へ一気に上りつめた印象がある」(制作会社スタッフ)とのこと。

 一方、ネットの声が番組を終わらせる遠因にも。保毛尾田保毛男騒動が起きた『とんねるずのみなさんのおかげでした』(フジテレビ系)をはじめ、番組を見ていない人も論争に参加するという事態が起こるようになった。「ネットユーザーによる“テレビ批判”は今後も続きそうです」(同)。

6位:TBSのバラエティに陰り

 「TBSのバラエティに脅威を感じると言われた時期もありました。確かに、『プレバト!!』『マツコの知らない世界』の視聴率は毎週2ケタではあるものの、『ニンゲン観察バラエティ モニタリング』はマンネリがたたり、息切れしつつあります。さらに、『サンデー・ジャポン』がいよいよ2ケタを割る週も出ている」(制作会社ディレクター)。

 TBSはドラマも好不調の波が激しい。「日曜劇場」の枠では4月、警察内部の戦いを描いた『小さな巨人』が平均13.5%で終えたものの、その直後の7月クールは恋愛ドラマ『ごめん、愛してる』を持ってきた。最終回は12.8%を記録し、平均9.7%でフィニッシュしたが、決して成功とは言えないだろう。さらにその後の『陸王』は最終回20.5%、平均16.0%と有終の美を飾ったが、「企業モノドラマのイメージが強い枠に、ラブストーリーを持ってくるTBSの編成の悪さが目立つ。枠の固定視聴者が離れる要因になる」(芸能ライター)。

 ヒットドラマにも、疑問符がつく。「『カンナさーん!』『コウノドリ』ですが、実は最高視聴率を出しているのはほぼオープニングシーンで、右肩上がりではありません。『カンナさーん!』は前の番組『マツコの知らない世界』、『コウノドリ』は『中居正広の金曜日のスマイルたちへ』のお釣りで見ているにすぎないのです」(放送作家)。

7位:フジテレビの求心力低下

 バラエティを席巻した加藤一二三・九段はもともと『アウト×デラックス』(フジテレビ系)から輩出された人物。ANZEN漫才・みやぞんのブレークも昨年8月の『世界の果てまでイッテQ!』(フジテレビ系)がきっかけのように言われているが、「その2カ月前の『みなさんのおかげでした』が見いだした芸人。それが広まらないあたりに、フジテレビの力が弱まっていると思われます」(芸能ライター)。

8位:「じゃない方芸人」の覚醒

「バイきんぐ・小峠英二の相方という役割でしかなかった西村瑞樹が『陸海空 世界征服するなんて』(テレビ朝日系)などで言い知れぬ存在感を発揮しています」(放送作家)「三四郎・小宮浩信じゃない方、相田周二が最近は堰を切ったようにしゃべり始めているのが気になる」(制作会社ディレクター)との声が上がった。18年は、コンビ間の露出格差が減るかもしれない。

9位:病気でわかったマツコの存在感

 耳の三半規管にウイルスが入り、めまいなどを発症、大事をとって都内の病院に入院し静養したマツコ・デラックス。『月曜から夜ふかし』(日本テレビ系)は総集編を放送するなどして対応したが、「マツコがいないと成り立たない番組も多く、その存在の大きさをあらためて思い知らされました。有吉弘行の番組であれば『有吉反省会』(日本テレビ系)しかり『有吉くんの正直さんぽ』(フジテレビ系)しかり、代役を立てられたかもしれないですが、マツコの代打はいない」(放送作家)。いずれにしてもテレビ界はいつまでマツコに頼るのであろうか。

 東京オリンピックまであと2年。海外からの目もより注がれることになるが、タレントの不倫やら「お母ちゃん!」と生電話して泣きわめく女性を生中継する日本のテレビをどう思うのだろうか? できるだけ襟は正してほしいものだが、果たして……。
(村上春虎)

『ドクターX』が朝ドラを制しトップ! フジ、日テレは惨敗……「2017年連ドラ視聴率ランキング」

 12月24日に放送され、視聴率20%を超えたTBS日曜劇場『陸王』(役所広司主演)最終回の余韻も覚めやらぬところだが、2017年にオンエアされた連続ドラマを平均視聴率ランキング形式で振り返ってみたい。対象は、年内に放送を終え、10%以上の視聴率をマークしたドラマのみ。(視聴率はすべてビデオリサーチ調べ、関東地区)

 昨年はNHK連続ドラマ小説の『あさが来た』(波瑠主演)と『とと姉ちゃん』(高畑充希主演)がツートップとなったが、今年の朝ドラはやや低調で、『ひよっこ』(有村架純主演)が2位、『べっぴんさん』(芳根京子主演)が3位に終わった。両ドラマ共、なんとか20%の大台には乗せたが、首位に立ったのは、米倉涼子主演『ドクターX~外科医・大門未知子~』第5シリーズ(テレビ朝日系)だった。昨年は朝ドラに敗れて3位に甘んじたが、今年は堂々のトップ。これだけファンの高い支持を受けている作品だけに、来年も続編の放送を期待したい。

 最終回で有終の美を飾った『陸王』は4位で、原作者・池井戸潤氏の作品の強さを改めて証明した。ただ、民放2位といっても、『ドクターX』とは4.9ポイントもの大差がついた。

 2クールにまたぐテレ朝の鉄板ドラマ『相棒season15』(水谷豊主演)は15.2%で5位。前シーズンは15.3%で、視聴率はほぼ横ばい。ただ、“4代目相棒”反町隆史が登場した『season14』以降、明らかに数字が落ちており、反町が『season17』も続投するかどうか気になるところ。

 6位には、山下智久主演『コード・ブルー-ドクターヘリ緊急救命-3rd season』(フジテレビ系)が14.8%を獲得して入った。同シリーズは7年ぶりの放送で不安視されたが、そんな不安など一掃した。昨年、フジの連ドラはオール1ケタの惨状だったが、同ドラマはまさしく救世主となった。

 木村拓哉主演『A LIFE~愛しき人~』(TBS系)は14.6%と今ひとつ振るわず、7位にとどまった。かつては、主演ドラマで20%超えを連発し、“平成の視聴率男”と称された木村だが、その人気にも陰りが見えてきた。

 14年1月期以来、3年ぶりの放送となった『緊急取調室』(天海祐希主演/テレビ朝日系)は14.1%の高視聴率で8位にランクイン。シーズン1の12.9%を上回る高い数字を挙げただけに、シーズン3のオンエアが期待される。

“演技派”長谷川博巳が主演を務めた『小さな巨人』(TBS系)は、キャストが全体的に地味だったが、ストーリーで視聴者を引っ張り、13.6%をマークして9位に入った。長谷川は1月2日にTBS系で放送されるスペシャルドラマ『都庁爆破!』での主演が決まっており、注目の作品となりそう。

 12.8%で、NHK大河ドラマ史上ワースト3位の低視聴率に終わった『おんな城主 直虎』(柴咲コウ主演)は、かろうじて10位にランクイン。昨年の『真田丸』(堺雅人主演)は16.6%で5位だっただけに、一抹の寂しさを禁じ得ない。来年の『西郷どん』(鈴木亮平主演)は高視聴率をマークして、大河の健在ぶりを示してほしいものだ。

 視聴率10%を超えた24作品を局別に見ると、テレ朝が9作で、今年も断トツのトップ。これは、『相棒』『科捜研の女』『ドクターX』など数多くの人気シリーズモノを抱えているからこそ。『黒革の手帖』(武井咲主演)を除く8作がシリーズモノで、来年も、その強さは変わらないだろう。

 TBSは、看板枠の「日曜劇場」を中心に6作が2ケタ視聴率に乗せた。「火10」「金10」からもヒット作が生まれており、“ドラマのTBS”を示した。

 一方、民放で惨敗を喫したのは3作のフジと日本テレビだ。それでも、フジは昨年0作だっただけに、いくらかがんばった方だ。問題は日テレで、最高が綾瀬はるか主演『奥様は、取り扱い注意』の12.7%で11位。原因は明らかで、「水10」は強くても、「土10」と「日曜ドラマ」が弱すぎで、昨年も2ケタ突破ドラマが4作しかなかった。バラエティ、情報番組は好調で、今年も視聴率3冠王に向け邁進する同局だが、来年はテコ入れを図らないと、「ドラマが弱い局」との印象は変えられそうにない。いつまでもジャニーズとベッタリではまずいだろう。

 例年通りだが、NHKは大河と朝ドラ以外は今年もサッパリで、世間の話題にすらならないのはさびしいところ。

 なお、NHKを除く民放プライム帯の連ドラで、平均視聴率が5%にも満たなかったのは、沢村一樹主演『ユニバーサル広告社』(テレビ東京系)=3.99%、真木よう子主演『セシルのもくろみ』(フジテレビ系)=4.5%、小雪主演『大貧乏』(同)=4.99%の3作だった。

(文=田中七男)

 

<2017年連続ドラマ平均視聴率ランキング>
※2017年中に放送を終えたドラマのみが対象

1位 『ドクターX~外科医・大門未知子~』(テレビ朝日系)20.9%
2位 『ひよっこ』(NHK総合)20.4%
3位 『べっぴんさん』(同)20.3%
4位 『陸王』(TBS系)16.0%
5位 『相棒season15』(テレビ朝日系)15.2%
6位 『コード・ブルー-ドクターヘリ緊急救命-3rd season』(フジテレビ系)14.8%
7位 『A LIFE~愛しき人~』(TBS系)14.6%
8位 『緊急取調室』(テレビ朝日系)14.1%
9位 『小さな巨人』(TBS系)13.6%
10位 『おんな城主 直虎』(NHK総合)12.8%
11位 『奥様は、取り扱い注意』(日本テレビ系)12.7%
12位 『警視庁・捜査一課長』(テレビ朝日系)12.2%
13位 『コウノドリ』(TBS系)11.9%
14位 『科捜研の女16』(テレビ朝日系)11.7%
15位 『警視庁捜査一課9係』(同)11.5%
16位 『過保護のカホコ』(日本テレビ系)11.47%
17位 『黒革の手帖』(テレビ朝日系)11.45%
18位 『東京タラレバ娘』(日本テレビ系)11.39%
19位 『嘘の戦争』(フジテレビ系)11.30%
19位 『刑事7人』(テレビ朝日系)11.30%
21位 『あなたのことはそれほど』(TBS系)11.25%
22位 『遺留捜査』(テレビ朝日系)11.1%
23位 『CRISIS 公安機動捜査隊特捜班』(フジテレビ系)10.6%
24位 『カンナさーん!』(TBS系)10.2%

『ドクターX』が朝ドラを制しトップ! フジ、日テレは惨敗……「2017年連ドラ視聴率ランキング」

 12月24日に放送され、視聴率20%を超えたTBS日曜劇場『陸王』(役所広司主演)最終回の余韻も覚めやらぬところだが、2017年にオンエアされた連続ドラマを平均視聴率ランキング形式で振り返ってみたい。対象は、年内に放送を終え、10%以上の視聴率をマークしたドラマのみ。(視聴率はすべてビデオリサーチ調べ、関東地区)

 昨年はNHK連続ドラマ小説の『あさが来た』(波瑠主演)と『とと姉ちゃん』(高畑充希主演)がツートップとなったが、今年の朝ドラはやや低調で、『ひよっこ』(有村架純主演)が2位、『べっぴんさん』(芳根京子主演)が3位に終わった。両ドラマ共、なんとか20%の大台には乗せたが、首位に立ったのは、米倉涼子主演『ドクターX~外科医・大門未知子~』第5シリーズ(テレビ朝日系)だった。昨年は朝ドラに敗れて3位に甘んじたが、今年は堂々のトップ。これだけファンの高い支持を受けている作品だけに、来年も続編の放送を期待したい。

 最終回で有終の美を飾った『陸王』は4位で、原作者・池井戸潤氏の作品の強さを改めて証明した。ただ、民放2位といっても、『ドクターX』とは4.9ポイントもの大差がついた。

 2クールにまたぐテレ朝の鉄板ドラマ『相棒season15』(水谷豊主演)は15.2%で5位。前シーズンは15.3%で、視聴率はほぼ横ばい。ただ、“4代目相棒”反町隆史が登場した『season14』以降、明らかに数字が落ちており、反町が『season17』も続投するかどうか気になるところ。

 6位には、山下智久主演『コード・ブルー-ドクターヘリ緊急救命-3rd season』(フジテレビ系)が14.8%を獲得して入った。同シリーズは7年ぶりの放送で不安視されたが、そんな不安など一掃した。昨年、フジの連ドラはオール1ケタの惨状だったが、同ドラマはまさしく救世主となった。

 木村拓哉主演『A LIFE~愛しき人~』(TBS系)は14.6%と今ひとつ振るわず、7位にとどまった。かつては、主演ドラマで20%超えを連発し、“平成の視聴率男”と称された木村だが、その人気にも陰りが見えてきた。

 14年1月期以来、3年ぶりの放送となった『緊急取調室』(天海祐希主演/テレビ朝日系)は14.1%の高視聴率で8位にランクイン。シーズン1の12.9%を上回る高い数字を挙げただけに、シーズン3のオンエアが期待される。

“演技派”長谷川博巳が主演を務めた『小さな巨人』(TBS系)は、キャストが全体的に地味だったが、ストーリーで視聴者を引っ張り、13.6%をマークして9位に入った。長谷川は1月2日にTBS系で放送されるスペシャルドラマ『都庁爆破!』での主演が決まっており、注目の作品となりそう。

 12.8%で、NHK大河ドラマ史上ワースト3位の低視聴率に終わった『おんな城主 直虎』(柴咲コウ主演)は、かろうじて10位にランクイン。昨年の『真田丸』(堺雅人主演)は16.6%で5位だっただけに、一抹の寂しさを禁じ得ない。来年の『西郷どん』(鈴木亮平主演)は高視聴率をマークして、大河の健在ぶりを示してほしいものだ。

 視聴率10%を超えた24作品を局別に見ると、テレ朝が9作で、今年も断トツのトップ。これは、『相棒』『科捜研の女』『ドクターX』など数多くの人気シリーズモノを抱えているからこそ。『黒革の手帖』(武井咲主演)を除く8作がシリーズモノで、来年も、その強さは変わらないだろう。

 TBSは、看板枠の「日曜劇場」を中心に6作が2ケタ視聴率に乗せた。「火10」「金10」からもヒット作が生まれており、“ドラマのTBS”を示した。

 一方、民放で惨敗を喫したのは3作のフジと日本テレビだ。それでも、フジは昨年0作だっただけに、いくらかがんばった方だ。問題は日テレで、最高が綾瀬はるか主演『奥様は、取り扱い注意』の12.7%で11位。原因は明らかで、「水10」は強くても、「土10」と「日曜ドラマ」が弱すぎで、昨年も2ケタ突破ドラマが4作しかなかった。バラエティ、情報番組は好調で、今年も視聴率3冠王に向け邁進する同局だが、来年はテコ入れを図らないと、「ドラマが弱い局」との印象は変えられそうにない。いつまでもジャニーズとベッタリではまずいだろう。

 例年通りだが、NHKは大河と朝ドラ以外は今年もサッパリで、世間の話題にすらならないのはさびしいところ。

 なお、NHKを除く民放プライム帯の連ドラで、平均視聴率が5%にも満たなかったのは、沢村一樹主演『ユニバーサル広告社』(テレビ東京系)=3.99%、真木よう子主演『セシルのもくろみ』(フジテレビ系)=4.5%、小雪主演『大貧乏』(同)=4.99%の3作だった。

(文=田中七男)

 

<2017年連続ドラマ平均視聴率ランキング>
※2017年中に放送を終えたドラマのみが対象

1位 『ドクターX~外科医・大門未知子~』(テレビ朝日系)20.9%
2位 『ひよっこ』(NHK総合)20.4%
3位 『べっぴんさん』(同)20.3%
4位 『陸王』(TBS系)16.0%
5位 『相棒season15』(テレビ朝日系)15.2%
6位 『コード・ブルー-ドクターヘリ緊急救命-3rd season』(フジテレビ系)14.8%
7位 『A LIFE~愛しき人~』(TBS系)14.6%
8位 『緊急取調室』(テレビ朝日系)14.1%
9位 『小さな巨人』(TBS系)13.6%
10位 『おんな城主 直虎』(NHK総合)12.8%
11位 『奥様は、取り扱い注意』(日本テレビ系)12.7%
12位 『警視庁・捜査一課長』(テレビ朝日系)12.2%
13位 『コウノドリ』(TBS系)11.9%
14位 『科捜研の女16』(テレビ朝日系)11.7%
15位 『警視庁捜査一課9係』(同)11.5%
16位 『過保護のカホコ』(日本テレビ系)11.47%
17位 『黒革の手帖』(テレビ朝日系)11.45%
18位 『東京タラレバ娘』(日本テレビ系)11.39%
19位 『嘘の戦争』(フジテレビ系)11.30%
19位 『刑事7人』(テレビ朝日系)11.30%
21位 『あなたのことはそれほど』(TBS系)11.25%
22位 『遺留捜査』(テレビ朝日系)11.1%
23位 『CRISIS 公安機動捜査隊特捜班』(フジテレビ系)10.6%
24位 『カンナさーん!』(TBS系)10.2%

“徹子いじり”で、ブルゾンちえみが大勝利! 芸人の鬼門『徹子の部屋』対策の貴重なサンプル例に

“芸人殺し”と称されることの多いテレビ朝日の『徹子の部屋』。確かに芸人と相対した途端、黒柳徹子の対応は危険度が急上昇する。

 くりぃむしちゅーが出演した際は「面白いんですよね、あなたたち。何かやって!」とあまりにもなリクエストを放るし、ナイツが得意の“ヤホー漫才”を披露すれば「お間違えになるのがお上手」と冷静に解説、間寛平が得意のギャグ「かい~の」を行うと「それは芸なんですか?」と温度の低い質問を投げ掛けるなど、数々の芸人の心を折ってきたのはお馴染みだ。お笑い界の中では“鬼門”というイメージさえ抱かれる名番組である。

 そして12月21日放送回では、ゲストとしてお笑い界からブルゾンちえみ with Bが出演している。

「今年の顔」と紹介され登場した彼女らは、さっそくお馴染みの持ち芸(ブルゾン扮するキャリアウーマンが「35億!」と決めるネタ)を披露。その後、徹子がどういう態度を取るかに注目していたのだが、これが悪くないのだ。それどころか、彼女らのネタは見事に琴線に触れたようで「新しい芸だと思った」「面白かった!」と徹子は絶賛。どうやら、徹子とブルゾンは相性がいいようだ。

 いや、どうも相性だけの問題で片付けられないぞ……。この日の徹子の上機嫌を見ていると、そんな風に思えた次第。ブルゾンちえみ with Bが選んだ今回の作戦、完全にドンピシャだったのだ。

 

■素性を徹底的にリサーチされ、喜びを隠せない黒柳徹子

 

 3人はこの日の出演に備え、いわゆる“徹子さんネタ”を用意していた。その内容は、以下のようなものであった。

「あ~、『徹子の部屋』に来れて、よかった! どうしたの、徹子ちゃん。えっ? ピザとパンダとかき氷が大好きで、最近はインスタグラムにもハマってる? 趣味はとっても乙女で可愛いんだけど、交友関係がちょっとすごいんだよね。……チャップリンとゴルバチョフはマブダチ(with Bが脱ぐとそれぞれの背中に『チャップリン』『ゴルバチョフ』と書いてある)。交友関係がとってもいかつい。ちなみにそんな徹子ちゃん、とっておきの秘密があるんだけど知ってる? ……普段からノーブラ」

 まだ、ある。with Bことブリリアンの2人(金髪のコージと黒髪のダイキ)は、特定の人物を中央に据えて「with B!」と決めポーズを取るくだりが恒例だ。もちろん、この日のブリリアンは徹子を中央に決めポーズを取っているのだが、その時の彼らにソツがなかった。

・「カバンの中は!」(ダイキ) 「グチャグチャ!」(コージ) 「徹子です」(徹子) 「with B!」

・「焼肉!」(ダイキ) 「大好き!」(コージ) 「黒柳徹子」(徹子) 「with B!」

・「かき氷が好き!」(ダイキ) 「食べすぎてスタッフに叱られる!」(コージ) 「黒柳徹子です」(徹子) 「with B!」

 この芸に参加した時の徹子は、あからさまに大喜び! 「あんまり本当のことだったんで(笑)」「私のこと、調べてきてるんだ?」と、声が裏返るほど興奮してしまっているのだ。

 お笑い芸人にとって、昔から“客いじり”は「邪道」だと言われている。しかし、この日の彼女らは“徹子いじり”を徹底的に行い、結果、見事にハマった。数々の芸人が無残な姿を晒した『徹子の部屋』でだ。

 今回の成功例は、貴重なサンプルではないだろうか。推測するに、黒柳徹子は“徹子いじり”に弱い。

 芸人出演回において、ネタを披露する流れになるのは必然の『徹子の部屋』。ならば、そのネタを徹底的に“徹子仕様”にしてしまうのも一つの手か。数多い芸人の心を折ってきたこの番組で結果を残せるならば、邪道も何も言ってられないという気がする。

 ちなみに、黒柳徹子には「筋肉に弱い」という一面も持っている。法政大学アメフト部主将という経歴を持つコージの肉体を見た徹子は、やはり大興奮し、手形が付きそうな勢いで「スゴいですね」と胸筋の感触を確かめまくっていた。

 なるほど。今回の彼女らの勝因は、「相性」と「リサーチ力」と「肉体」か。
(文=寺西ジャジューカ)

嵐・櫻井『先僕』5位惨敗、『ドクターX』『陸王』トップ独走! 1月ドラマ視聴率ランク 

 2クール連続で放送中の『相棒』『科捜研の女』(ともにテレビ朝日系)を除いた秋ドラマが、12月25日までにそれぞれ最終回を迎えた。今期の平均視聴率ランキングで首位を獲得したのは、言わずと知れた米倉涼子主演の大ヒットシリーズ『ドクターX ~外科医・大門未知子~』(同)。全10話の平均は20.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)で、秋ドラマ唯一の平均20%超えとなった。

 2012年にスタートして以降、毎シーズン高視聴率をマークしている『ドクターX』。今や『相棒』『科捜研の女』と並ぶテレ朝の看板ドラマになり、今回の第5シーズンは初回から20.9%のロケットスタートを切った。最終話直前の第9話のラストでは、米倉演じる主人公・大門未知子が倒れる場面があり、視聴者は騒然。最終話で25.3%という今シーズン最高記録を叩き出し、全話平均は20.7%となった。

 2位は役所広司主演の『陸王』(TBS系)で、全10話の平均は16.0%を記録。4回目となる「日曜劇場×池井戸潤」のタッグとなる今作は、老舗足袋業者・こはぜ屋が会社存続の危機を乗り越えながらもランニングシューズの開発に挑戦していく物語だった。役所、寺尾聰といった渋い顔ぶれのほかには、今をときめく旬の俳優・竹内涼真と山崎賢人も好演。初回で14.7%を獲得後は2ケタ台をキープし、最終回は20.5%で有終の美を飾った。

 3位に食い込んだのは、綾瀬はるかが主演を務めた『奥様は、取り扱い注意』(日本テレビ系)。元特殊工作員の菜美(綾瀬)が、町で起こるさまざまな事件を解決していくストーリーで、綾瀬のアクションシーンも見どころの1つとなった。11~14%を行き来し、全10話の平均は12.7%で完走。一部では続編や映画化の話も報じられていただけに、今後の展開に注目が集まっている。

 続いては、ワースト3作品をご紹介。不名誉な3位となってしまったのは、ディーン・フジオカと武井咲がW主演を務めた『今からあなたを脅迫します』(同)で、全9話の平均は6.1%だった。武井といえば、同作が始まる前の9月1日にEXILE・TAKAHIROとの結婚と自身が妊娠3カ月であると発表。武井の健康面を考慮しながら撮影が行われたと報じられ、物語が進むにつれて視聴者の視線も“おなか”に集中。視聴率は初回8.0%で始まったものの、2話で5.7%にまでダウン。第6話は4.9%と最低値を記録し、最終回も6.3%と2ケタには届かなかった。ディーン&武井にとって、今作の失敗がこの先のタレント活動に悪影響を及ぼす可能性もあるだろう。

 ワースト2位は全10話平均が5.7%に終わった井上真央主演の『明日の約束』(フジテレビ系)。不可解な死を遂げた男子高校生の謎を追うヒューマン・ミステリーで、井上は高校のスクールカウンセラー・藍沢日向役を演じた。井上は16年に所属事務所「セブンス・アヴェニュー」を退社しており、新事務所「アン・ヌフ」に移籍後、初の連ドラ主演作。初回は8.2%と、視聴率が悪いフジにしてはまずまずの数字を取るも、2話から4~6%を推移した。しかし、テレビ情報サイト「テレビウォッチャー」の調査(2,400人へのテレビ視聴アンケート)では、第7話で4.00の高満足度を達成したという。最終話までに視聴率は上昇しなかったが、ネット上には作品の内容を評価するコメントが多数見受けられた。

 そして最下位は、沢村一樹主演の『ユニバーサル広告社~あなたの人生、売り込みます!~』(テレビ東京系)。直木賞作家・荻原浩氏の人気小説が原作で、脚本も4~9月放送の朝の連続テレビ小説『ひよっこ』(NHK)を手掛けた岡田惠和氏が担当したほか、沢村、和久井映見、三宅裕司、エレキコミックのやついいちろうと、『ひよっこ』出演者がズラリ。もともと視聴率に恵まれない放送枠だけに、初回は4.4%と今期ドラマ最低のスタートを切り、最終話も深夜ドラマ並みの2.9%を記録。全7話の平均は4.0%だった。

 18年1月期は木村拓哉主演の『BG~身辺警護人~』(テレビ朝日系、木曜午後9時)や嵐・松本潤主演『99.9‐刑事専門弁護士‐SEASON II』(TBS系、日曜午後9時)をはじめ、人気女優・石原さとみ主演の法医学ミステリー『アンナチュラル』(TBS系、金曜午後10時)、広瀬すず主演『anone』(日本テレビ系、水曜午後10時)も放送前から話題となっている。ジャニーズ陣はHey!Say!JUMP・山田涼介主演の『もみ消して冬 ~わが家の問題なかったことに~』(同、土曜午後10時)とKAT-TUN・亀梨和也主演『FINAL CUT』(フジテレビ系、火曜午後9時)もあり、視聴率の戦いが楽しみなシーズンとなりそうだ。

【2017年秋ドラマ(午後8~10時台、民放5局)平均視聴率一覧】

1位『ドクターX ~外科医・大門未知子~』(テレビ朝日系・木曜午後9時)全10話/20.7%
2位『陸王』(TBS系・日曜午後9時)全10話/16.0%
3位『奥様は、取り扱い注意』(日本テレビ系・水曜午後10時)全10話/12.7%
4位『コウノドリ』(TBS系・金曜午後10時)全11話/11.9%
5位『先に生まれただけの僕』(日本テレビ系・土曜午後10時)全10話/8.7%
6位『監獄のお姫さま』(TBS系・火曜午後10時)全10話/7.7%
7位『民衆の敵~世の中、おかしくないですか!?~』(フジテレビ系・月曜午後9時)全10話/6.7%
8位『刑事ゆがみ』(フジテレビ系・木曜午後10時)全10話/6.5%
9位『今からあなたを脅迫します』(日本テレビ系・日曜午後10時30分)全9話/6.1%
10位『明日の約束』(フジテレビ系・火曜午後9時)全10話/5.7%
11位『ユニバーサル広告社~あなたの人生、売り込みます!~』(テレビ東京・金曜午後8時)全7話/4.0%

※平均視聴率は単純平均視聴率(全話合計÷放送回数)。小数点第二位以下を四捨五入。2クール連続で放送する『相棒』『科捜研の女』(ともにテレビ朝日系)はランキング対象外とする。

“頼みの綱”は菜々緒のお色気シーン!? “高視聴率”が義務づけられた木村拓哉主演『BG~身辺警護人~』

 1月18日に放送開始する木村拓哉主演ドラマ『BG~身辺警護人~』(テレビ朝日系/木曜午後9時~)は、高視聴率が義務づけられており、同局としては相当なプレッシャーがかかりそうだ。

 というのは、木村の主演ドラマは注目度や制作費の高さから、高い視聴率をマークするのが必須とされている。さらに、今クール、同局の同枠でオンエアされた、米倉涼子主演『ドクターX~外科医・大門未知子~』第5シリーズが、平均20.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)を挙げているだけに、『BG』は何かと『ドクターX』の視聴率と比較されるのが間違いないからだ。

『BG』の主人公・島崎章(木村)は、民間警備会社のボディガードだったが、ある出来事をきっかけにボディガードの世界から身を引き、工事現場の警備員をしていた。そんな折、身辺警護課の新設に伴い、ボディガードに復帰する。民間の警護人は拳銃など殺傷能力の高い武器を持つことができないため、丸腰で危険と隣り合わせで、クライアントの依頼に応えなければならない。そんなボディガードたちの熱く泥臭い戦いの日々を濃密に描いた作品で、警視庁SPとの激しい対立も見どころとなっている。

 脇を固めるのは、同僚ボディガード役の斎藤工、菜々緒、間宮祥太朗、上川隆也、元キャスターで厚生労働大臣役の石田ゆり子、警視庁SP役の江口洋介らで、このメンバーで何本も主演ドラマがつくれるほどの豪華キャストだ。

 脚本は、フジテレビ系『昼顔~平日午後3時の恋人たち~』(2014年)をヒットさせた井上由美子氏で、木村の主演ドラマでは、『GOOD LUCK!!』(03年/TBS系)、『エンジン』(05年/フジテレビ系)を手掛けており、13年ぶり3度目のタッグ結成となる。

 かつては、“平成の視聴率男”として君臨した木村だが、近年ではすっかり陰りが見えている。14年7月期『HERO』第2シリーズ(同)こそ、平均21.3%をマークしたが、その前の13年10月期『安堂ロイド~A.I.knows LOVE?~』は平均12.8%しか取れず、自身の主演ドラマでワースト視聴率を記録した。『HERO』後は、15年4月期『アイムホーム』(テレビ朝日系)が平均14.8%、今年1月期『A LIFE~愛しき人~』(TBS系)が平均14.6%で15%割れが続いている。

「木村の主演ドラマは、そのギャラの高さだけではなく、キャスティング、脚本、演出などに口を出してくるため、制作費がどうしても膨れ上がってしまいます。ご多分に漏れず、すでにクランクインしている『BG』も同様です。『HERO』のような人気シリーズならともかく、今の木村で20%超えは困難でしょうが、ノルマは最低でも15%以上。これを下回るとなると、スポンサーにも面目が立たなくなるでしょうね。脚本家の井上氏は、『昼顔』のヒット以降、堀北真希主演『まっしろ』(TBS系)や、松嶋菜々子主演『営業部長 吉良奈津子』(フジテレビ系)で爆死しているだけに不安視されます。前半で数字がなかなか上がらないようなら、菜々緒の“お色気シーン”などの奥の手も使わざるを得なくなりそうです」(スポーツ紙記者)

 テレ朝の「木9」枠といえば、『ドクターX』や『緊急取調室』(天海祐希主演)などの人気シリーズモノを放送しており、同局としては、歴史ある「TBS日曜劇場」と並ぶ“ドラマ枠”に育てようと躍起になっている。それだけに、『BG』は“高視聴率必須”という呪縛から逃れられそうにない。同作がコケたら、木村の株もいよいよ大暴落だ。
(文=田中七男)

「別れさせ屋」「スクープ記者」を完全再現!『99%ノンフィクション』で、逆に浮かび上がった“狩る側のリアル”

 23日深夜、テレビ朝日で、少し変わったタイプのドキュメンタリー(風)番組が放送された。『99%ノンフィクション』と題されたこの番組は「ワケあって世間に顔を出せない人物を役者が演じ、その実態を完全実写化するというノンフィクションに限りなく近いドキュメンタリー番組」とのこと(MC談)。

 あえて雑に言わせてもらうならば、顔を出せない特殊なプロフェッショナルたちの仕事っぷりを、多少豪華な役者を使って再現VTRにして見せる番組だ。

 しかし、この番組が他の再現ものと違うのは、プロフェッショナル本人から「再現VTR」の元となるエピソードを聞き出すインタビュー取材の部分も役者が再現をし「密着ドキュメンタリー風」に演じて見せるというところだ。最近日本でも増えてきたフェイクドキュメンタリーの一種と言えるかもしれない。

 役者は、元となる取材映像を事前に「顔出し」で見ており、それに寄せて役作りをしているので、普通はモザイクがかかるはずの表情がわかり、見やすくなる。

 同じように顔出しできないディープな状況の人物を紹介する番組『ねほりんぱほりん』(NHK Eテレ)が、対象をぬいぐるみとしてキャラクター化し、表情を見えるように(見えているかのように)したのに対し、この番組は影武者に対象を演じさせ、模倣とはいえ本物の表情を与え可視化した。

 そして、ネタ満載な職種にもかかわらず、過剰な演出やドラマ仕立てにはあえてせず、どちらかというと、その変わった仕事内容を淡々とドキュメンタリータッチで見せることで、その特殊性を浮き立たせ、さらにそれらを当たり前のように語る人物そのものに焦点が当たるようになっている。

 今回焦点が当てられたのは、2組の特殊なプロ。

 

■数百組の男女を別れさせた「別れさせ業」工作員

 

 この仕事は、依頼されたターゲットに近づき、男女関係を壊すプロ。「別れさせ屋」という仕事があるとのウワサくらいは聞いたことがあるかもしれない。多いのは不倫や浮気がらみの案件で、今回もある妻(依頼主)からの、「夫が不倫してるから相手の女性と別れさせて、元の結婚生活に戻してほしい」という依頼。

 探偵や興信所なら実態を調査し、報告して終了なのだが、「別れさせ屋」は実際にターゲットに接触、あの手この手で「別れさせ」を実行、もちろんそれが依頼主の差し金であることに気付かれることなく秘密裏に行わねばならない。

「依頼主から吸い上げた情報を元にして、対象に合わせた効果的な作戦を立て、私たち工作員が近づいて……」

 女優・相楽樹は、この工作員歴7年だという橋本未来(仮名・27)になりきってインタビューを受け、取材されているがごとく仕事内容を説明する。

 このあと実際に、どのようにターゲット(夫)に接触し、不倫相手と別れさせたかという手口が、インタビュー取材を元にした「密着ドキュメンタリー風」で再現されるのだが、相楽演じる橋本以外にはモザイクがかかったり、時に隠しカメラの映像っぽく撮影するなど、リアルな臨場感がよい。

・ターゲット(夫)と不倫相手の女性がデート中のスポーツバーに入店、試合の盛り上がりに乗じて、さりげなく会話する(ただし女性側としか話さない)

・後日、その女性だけを誘って飲みに行き、そこに仲間の工作員である男性(おそらくイケメン)を連れて行き、その女性とくっつくように仕向ける

・その女性の気持ちを完全に工作員の男性に向けさせ、ターゲットの夫から「剥がす」ことで、夫は妻のもとに戻る

 という段取りらしい。

 途中途中で、実際に橋本本人が取材で語った内容を、相楽がなりきって語る様子が差し込まれたりして、まさにドキュメンタリーぽい。

「これって今回は失敗なんですか?」

「いえいえ、全然失敗じゃないですよ、私、今まで失敗したことないですから。大門未知子(ドクターX)じゃないですけど(笑)」

「女性としか話してませんでしたよね?」

「だって今回は女性の方と仲良くなる目的だったんで。今回、私は橋渡し的な、つなぐ役割ですね」

 冗談の入れ具合が生々しいのは、まさに本人がインタビューで語ったままを台本に入れ込んでいるからだろう。時折、本人(モザイク付き)のインタビュー取材時の映像も差し込まれるが、同じようなことを言っている。

 他にも、元彼がストーカー化し、いわゆる「リベンジポルノ」で脅してきて復縁を迫って来るという厄介な案件では、その元彼に女性(橋本)がさりげなく接触、本気で好きにさせてから、その後「橋本が嫉妬し、怒ったフリをして」依頼主の写真などを消去させるという手口が紹介される。『インファナル・アフェア』(2002)も真っ青な潜入捜査だ。

 単に「警察に行けば?」との意見もあるかもしれないが、見られたくない写真を証拠として警察に提出したくなかったり、警察が動くことで元彼にヤケになって写真をばら撒かれたりすることがないようにしたいので、別れさせ業に依頼してくるケースが少なくないという。その手口も生々しい。

・自転車のチェーンが外れたフリをしてうずくまり「たまたま」通りかかった「元彼」に助けを求め接触

・背後から近づいてくる「元彼」にタイミングよく振り返り声をかけられるよう、仲間の工作員が車からハザードで合図を出す

・その時はあえて連絡先を聞かず、後日偶然を装い仕事帰りに「たまたま」再会し、「運命」を意識させる

・写真を消去してしばらく後、また別の女性工作員が「元彼」に近づき、親密になり橋本とは別れる、こうやって依頼主の存在をどんどん過去に追いやってから、完全に別れる

・依頼料金は1件につき数十万から

 そして、もう一組の顔出しできない人物の仕事とは……。

 

■現役の芸能スクープ記者

 

 こちらは先ほどの別れさせ業に比べると想像しやすく、ある意味「身近」な職種なのかもしれない。しかし、記事になる前の細かい様子は、さほど知られていないだろう。

「今日はね、クラブへ行こうかと思って、うん、実は某有名俳優が女遊びしてるってウワサがあって、今からその現場を確かめてみようかなって」と、記者歴11年の現役記者・下山明雄(仮名・35)に扮して語るのは役者・福士誠治。

 信頼できる協力者(女性)とクラブに行き、VIPルーム付近で取り巻きにナンパされるように協力者に指示、見事に協力者はナンパされ、ルーム内に潜入。ターゲットの俳優の女遊びの有無を確認する。

 先ほどと同じく、これをこっそり密着取材してる風に再現化。そこにリアルな情報を散りばめる。

・メイクやスタイリスト系の人はネタ情報の宝庫。競合タレントを失墜させるため、他社マネジャーからもネタが入る

・通話のふりしてスマホで撮影、車のワイヤレス・キーに見立てた隠しカメラで撮影などの手口紹介

・各編集部によって触れられないネタがあるので、他の編集部に売ることも

・ヘルメットと作業服を車内に置くことで、張り込み中に警戒されにくくなる

・撮られたタレントの事務所との駆け引きで、ちゃんとしたメイクやスポンサーに配慮した持ち物で撮り直しすることもある(スマホやドリンクなどのCMに出演している場合)

・大きいスクープで1本15万から20万の報酬(経費やカメラマンへのギャラはそこから捻出)

 別の案件では、男とホテルで密会しているある女優への突撃取材中、わざと仲間割れのごとくカメラマンと揉め出し、撮影をやめるよう指示、さも自分は味方のような顔して接することで相手の態度を軟化させ、自分にだけ真相を語らせる手法も再現されていた。

 この手口は、取り調べなどでもよく用いられる懐柔術だが、編集部によっては遠くから刺激しないように撮影するなど、それぞれ方針が異なるという。

 

■他人の人生を動かせるという力

 

 別れさせ業の際にも言った通り、要所要所で、顔にモザイクのかかった「プロフェッショナル」本人の取材映像が、わずかながら盛り込まれており、その本人テイストを垣間見せつつ、役者演じる再現を見せる。

 両者を見比べても、髪をさわる癖だったり、しゃべり方だったり、外見的な部分を役者が意識的に演じていることがわかるのだが、今回もっとも印象的だったのは、どちらの本人映像からも、その「業績」を語っている快感のようなものが垣間見られたこと、そしてその点だけは演技のプロである役者の芝居が追いついていなかったことだ。

 これはもちろん想像だが、どちらの「本人」も「人の人生を手玉に取れる」「自分次第で他人の生活に大きな影響を与えられる」という性質が強い行為を生業としているため、お金以上の喜びをもって働いていると思われる。

 仕事柄、おおっぴらに「語る」ことが許されない立場だけに、禁断の「語り」を許可され、しかもその「業績」を面白がり、ありがたがってくれる状況下で、その快感に酔う姿がより多く映し出されてしまったのではないか。

 記者の方(本人)にいたっては「スクープを撮ることはセックスよりも気持ちいいと思っている」と明言していたほどだ。

 しかも、他人の生活を手玉に取れるほどの「力」を持つ仕事をしていながらも、自分自身にスポットが当たることには慣れていないため、普段の職務中には出さないであろう「自分」へのガードが下がる。

 MCやゲストの芸能人(バカリズムや伊集院光など)も、多分に「影響力」や「快感」を持ち合わせる仕事である。

 だが、彼らは同時に「見え方」に対する警戒心や、チヤホヤされながらも、むしろ「狩られる側」であるという認識も強く持ち合わせているはずだ。

 以下は、別れさせ業の橋本(本人)がこの仕事をしていての罪悪感を問われた時のインタビュー受け答えと、相楽が演技でそれを模した受け答えだ。

・相楽演技「……でもあまあ、仕方がないですよね……世の中の人たちって、全員が全員ハッピーでいられるってことは、そんなにないと思うんですよ……」

・橋本本人「仕方がないですよね。それで成り立ってる世の中なんで、全員がハッピーで回ることは無理だと思います」

 ちょっとした匂いの違いが気になった。

 相楽の芝居の甘さと言ってしまえばそれまでだが、芝居では出せない、この仕事を経験しているからこそ特有のアクのような、自信のようなものが断定口調の中から沁みでていた。

 同じくこの仕事への罪悪感の有無を問われたスクープ記者(本人)は、

「撮られるようなことを、まずするな!」

「自分自身で罪悪感を感じろっていう風に(芸能人に言いたい)」

 と強い口調で断言。そう思っていないとできない仕事なのだろうし、むしろ意図的に自身を鼓舞しているのかもしれない。

 役作りのため記者本人の「顔出し」インタビュー映像を見たという福士は、スタジオでのアフタートークで「ほんのちょっとだけなんですけど」と前置きしながらも「腹立たしいんですよ」「狩る側で、追われてる側じゃないんで、態度も大きめ」だとコメント。確かにそれを踏まえ意識して演じていたようだが、比較するように挿入される本人部分と見比べると、残念ながらその「腹立たしさ」は本物より劣ってしまっていた。

 おそらく役者のなりきりぶりを対比させる尺度として「本人映像」は差し込まれたと思うのだが、結果的にはオリジナルの持つ、模倣しにくいアクのようなものを際立たせる結果となった。

 本人のみの従来のドキュメンタリーだとしたら、さほど気にならなかったかもしれない部分だけに、興味深く見せて頂いた。この企画は『笑×演』の特別枠としてお試し的に放送されており、これ自体を番組化するのかはまだわからないが、次回からも演じ甲斐のあるアクの強い「ご本人」に登場して頂きたい。
(文=柿田太郎)

芸人をセンスで判断しない『くりぃむナンチャラ』新企画 答えをピークにしない大喜利の楽しみ方

 お笑いコンビには、2つの種類がある。コンビの両者が案を出し合い、練ってネタを作り上げていくタイプ。もう1つは、片方が完全にネタ作りを担当するタイプである。

 今回は、後者に注目してみよう。この種のコンビの場合、ネタ作りを担当する側がフリートーク等の平場でもセンスを発揮するパターンが主流。そしてもう1人は、社交的に振る舞って他タレントとの交流を広げたり、爆発的なキャラクターで異なった角度から笑いを取りにいく役目を担当するケースが多いように思う。

 12月15日放送『くりぃむナンチャラ』(テレビ朝日系)にて、コンビを組む2人の性格、役割の違いに焦点を当てた企画が行われている。題して「UNKOダウト」。

 企画の趣旨は、こうだ。まず、それぞれのコンビに大喜利が出題される。そして、どうかと思う言いぐさだが、コンビでセンスを発揮する方を「センス側」、そうではない方を「ウンコ側」と名付け、コンビのうちの「ウンコ側」が考えた答えはどれかを当てる……という内容だ。

 ちなみに、今回出演したコンビは3組。くりぃむしちゅー(「センス側」が有田哲平で「ウンコ側」が上田晋也)、ロッチ(「センス側」がコカドケンタロウで「ウンコ側」が中岡創一)、トレンディエンジェル(「センス側」が斎藤司で「ウンコ側」がたかし)という座組である。

 

■「ウンコ側」が考えた大喜利の答えに、芸人たちから低評価が飛び交う

 

 では、まず「ウンコ側」が答えを考えた大喜利を挙げてみよう。

お題:「日本のお寺を出禁になった外国人 一体何をした?」

答え:「ワーイ ジャパニーズピーポーと何回も言ってくる」(ロッチの「ウンコ側」中岡が回答)

 この回答への評価は、「そんなんじゃ出禁にならないから。大喜利を理解してない」(トレエン斎藤)と散々であった。

また、こちらの回答も強烈に“臭って”くる。

お題:「日本のお寺を出禁になった外国人 一体何をした?」

答え:「お坊さんのコスプレをしてきた」(ロッチの「ウンコ側」中岡が回答)

 周囲から「プンプン臭うな~」「これは人糞だ」と責められ続けた中岡は「僕は頑張って出たウンコだと思うんですけど……」と首をひねるのだが、確かに客観的に見ると臭う気がする。

お題:「サッカー未経験の山田和夫さん(58)が日本代表に選ばれた。どうして?」

答え:「殺人的なスライディングの持ち主」(トレエンの「ウンコ側」たかしが回答)

 この答えも、「安易すぎる」「どういう出し方してもウケへんと思う」とひどい言われようであった。

お題:「サッカー未経験の山田和夫さん(58)が日本代表に選ばれた。どうして?」

答え:「『これぞ日本人だ!』という顔をしているから」(ロッチの「ウンコ側」中岡が回答)

「コカドさんがこんな答え出すわけなくない? だとしたら、ロッチを疑うよ。あんな巧みなコントやってる人間が、こんなの出さないですよ」とトレエンたかしが断言したとおり、上記の回答は中岡考案のものであった。

 

■センスあるロッチ・コカドの考えた答えを中岡作と読み誤り、「浅い」と酷評するくりぃむ・有田

 

 逆に、「センス側」と「ウンコ側」のどちらによるものかわかりにくい回答も登場している。

お題:「日本のお寺を出禁になった外国人 一体何をした?」

答え:「お参りの仕方が2礼2拍手2ブレイクダンス1礼」(ロッチの「センス側」コカドが回答)

 この答えについて、くりぃむ有田は「“2礼2拍手2~”の中に何かを入れる時、ブレイクダンスにするかね。もっと具体的なものにするんじゃない?」と予想したものの、ロッチの「ウンコ側」中岡は「ウンコだと“2礼2拍手”という言葉を大喜利の答えに持ってこれないですよ!」と断言する。

 実はこのゲームの“目利き”として中岡は達人的な判断力を持っており、言ってる内容には説得力が溢れている。しかし、よく考えると自身のセンスの無さを力説していることにもなり、芸人としてはあまりにも哀しい。

お題:「日本のお寺を出禁になった外国人 一体何をした?」

答え:「出家中のお坊さんにマックを差し入れしたから」(トレエンの「ウンコ側」たかしが回答)

 この回答がたかし考案によるものと見破ったのはロッチ中岡だが、正解にたどり着くまでは難産だった。彼は「“お坊さんにマックを差し入れしたから”はウンコのものやねん。でも“出家中”っていう言葉は、多少センス頑張っちゃってんだよな……」という悩み方をするのだ。考えの巡らせ方が常人には計り知れない。「ウンコはウンコを知る」とでも言うべき境地だろうか。

 

■大喜利の答えの面白さは、ここでは二の次

 

 この企画が新しいのは、大喜利の答えを笑いのポイントに置いていないところにある。かつて、糸井重里は「『笑点』で座布団をもらえるような面白さがつまんないとわかっちゃってからの面白さは本当に難しい」と発言していたが、今回はそのレベルを遥かに超えている。

 フジテレビの人気番組『IPPONグランプリ』が存在する最中、いい答えをまるでありがたがろうとしない。スベって外したところを笑いにするというヤマっ気すらない。事実、今回の番組内で答えが出た瞬間に起こった笑いは皆無だったのだから。

 それより、「センス側のくせに、この答えは何?」「ウンコ側にしては頑張ってる」と予想しながら語り合う。“人となり”と“過程”を重視して行う遊びが、「UNKOダウト」なのだ。このゲームでは、センスある人間も必要だし、ウンコなセンスの持ち主も絶対に必要。

 加えて、感性でクラス分けされることがないのでヒエラルキーも出来上がらない。読みが深い「ウンコ側」(今回で言えばロッチ中岡)がMVPを奪ることだってあり得る。

 とかく競技化されがちな昨今の“笑い”だが、それとは真反対を行く「UNKOダウト」は至極心地がいい。「ウケないことすら“笑い”に変える」(すべり笑いとは別物)という芸人の原点に帰着したと感じたのは、私だけではないはずだ。
(文=寺西ジャジューカ)

『ドクターX』好調の裏で、テレビ朝日“2時間ドラマ”消滅の危機!「そもそも、誰が朝から殺人事件なんか……」

 米倉涼子主演『ドクターX』の平均視聴率20%超えに沸くテレビ朝日だが、一方で、長らく放送してきた2時間ドラマには寒風が吹いている。

「正直、4月の改編時点で、社内でも『もう2時間ドラマをやめたらどうか』という声が上がっていたくらいです。実際のところ、以前に比べて制作費が3分の2になったため、制作を請け負うドラマ制作会社がなくなってきているのが現状です」(テレビ朝日ドラマスタッフ)

 今年4月に、1977年から続いていた『土曜ワイド劇場』を、日曜10時から放送の『日曜ワイド』へと看板を掛け替えたテレ朝。

「改編時にも『そもそも、朝から誰が殺人事件のドラマなんか見るんだ!』とか『日曜の朝はアニメだろ!』とか、社内でもたくさんの意見が飛び交っていました。ただ、さっきも言ったように制作費が減ったことで、今まで2時間ドラマを制作していた会社も『利益が出ないので、もう制作できません』と言ってくるところが1社や2社じゃありませんでした。なので、スタジオを持っている東映さんや松竹さんが制作を請け負うことが多くなったんです」(同)

 実際、直近の17日に放送された高島礼子主演の『電卓刑事』も東映が制作している。

「数字も他局の同時間帯と比べると相当悪いですし、この時間帯はニュースやアニメが強いのはわかってるので、うちも“捨て枠”として考えてるんじゃないかとまで言われています。ゴールデンのドラマの視聴率も、一部の作品を除けば1ケタが当たり前の時代ですし、ネットドラマもだいぶ浸透してきましたからね。ただ、唯一現場にとってよかったのは、以前は2時間ドラマだと断られていた長塚京三さんや吉田栄作さんらが、こぞって『出演させてくれ!』って言ってきていることくらいですかね。他局も含めて2時間ドラマが少なくなっている今、より好みをしている余裕はないのでしょう」(同)

 時代の流れには逆らえないのかもしれない――。