「女性自衛官をバニーガール扱い」ポスター1枚で怒り心頭に発する人々は2018年も不滅か

 ホント、みんな萌え系ポスターが好きだな……という程度で、冷ややかな目で見ているのではないかな。

 もはや当たり前になってきた、行政や公共系の団体・組織による萌え系イラストのポスター。それらで用いられるイラストにさまざまな非難が浴びせられるのも、いあまやテンプレとなっている。非難とはいうが、個人的な感想に公共性を持たせる=みんなそう思ってるんだよ!! という類いの「意見」である。

 昨年末、そんな「意見」によって、新たに話題になったのが、自衛隊・茨城地方協力本部の自衛官募集ポスターだ。

 ここでは、近年毎年『I☆P’s』と名付けた3人娘のキャラクター。空の「ひばり」、海の「のばら」、陸の「小梅」を用いたポスターを制作し、話題となっている。

 そんなポスターに寄せられたのが「(キャラクターの)胸の大きさが強調されるのが変だ。自衛隊はオタクのみをターゲットにしてるのだろうか」というツイート。どうも人によっては胸を強調しているデザインに見えるようで「女性自衛官へのセクハラですよ」「まるで女性自衛官をバニーガール扱い」といった非難のツイートがなされたのである。

 ここまでなら、またいつもの「私の意見は、みんな同じ」系の萌え絵ヘイト。ところが、今回は自衛隊との組み合わせだったために、あらぬ方向へと一部の人の思考は拡大していった。

「日本では軍隊の暴力性はエロに組み込まれた」「アニオタ≒ネトウヨの図式は、なぜか一致する事が多い」「再び、慰安婦をやりだす懸念を感じずにはいられない」などなど……。

 これに関連する形で、戦史研究家でシミュレーションゲームデザイナーの山崎雅弘氏は「防衛省・自衛隊側がコンテンツの権利者に擦り寄って、兵器の情報提供などの協力と引き換えに<味方>に取り込もうとする動き」があることを冷静にツイートしている。でも、平時における自衛隊の宣伝戦略を指摘する、冷静なツイートに対する感想は「安倍政権の陰謀」を信じたい人たちのものばかり。

 安倍政権への是非は別として、ポスターひとつを通して、萌え絵に文句を言いたい人と、憲法9条を守りたい系の人が合体すると、とんでもないことになるなとしか思えない現象。きっと2018年も、またさまざまな事件が起こることだろうと考えている。

 ただ、ずっと疑問なのはTwitterだとよく見かける、こうした思考の人にリアルだと、ほぼ出会う機会がないこと。「萌えは女性差別」「自衛隊は人殺し」系の発言をする人は、普段はどこで何をして暮らしているのだろうか。それが、一番の謎だ。
(文=昼間たかし)

「女性自衛官をバニーガール扱い」ポスター1枚で怒り心頭に発する人々は2018年も不滅か

 ホント、みんな萌え系ポスターが好きだな……という程度で、冷ややかな目で見ているのではないかな。

 もはや当たり前になってきた、行政や公共系の団体・組織による萌え系イラストのポスター。それらで用いられるイラストにさまざまな非難が浴びせられるのも、いあまやテンプレとなっている。非難とはいうが、個人的な感想に公共性を持たせる=みんなそう思ってるんだよ!! という類いの「意見」である。

 昨年末、そんな「意見」によって、新たに話題になったのが、自衛隊・茨城地方協力本部の自衛官募集ポスターだ。

 ここでは、近年毎年『I☆P’s』と名付けた3人娘のキャラクター。空の「ひばり」、海の「のばら」、陸の「小梅」を用いたポスターを制作し、話題となっている。

 そんなポスターに寄せられたのが「(キャラクターの)胸の大きさが強調されるのが変だ。自衛隊はオタクのみをターゲットにしてるのだろうか」というツイート。どうも人によっては胸を強調しているデザインに見えるようで「女性自衛官へのセクハラですよ」「まるで女性自衛官をバニーガール扱い」といった非難のツイートがなされたのである。

 ここまでなら、またいつもの「私の意見は、みんな同じ」系の萌え絵ヘイト。ところが、今回は自衛隊との組み合わせだったために、あらぬ方向へと一部の人の思考は拡大していった。

「日本では軍隊の暴力性はエロに組み込まれた」「アニオタ≒ネトウヨの図式は、なぜか一致する事が多い」「再び、慰安婦をやりだす懸念を感じずにはいられない」などなど……。

 これに関連する形で、戦史研究家でシミュレーションゲームデザイナーの山崎雅弘氏は「防衛省・自衛隊側がコンテンツの権利者に擦り寄って、兵器の情報提供などの協力と引き換えに<味方>に取り込もうとする動き」があることを冷静にツイートしている。でも、平時における自衛隊の宣伝戦略を指摘する、冷静なツイートに対する感想は「安倍政権の陰謀」を信じたい人たちのものばかり。

 安倍政権への是非は別として、ポスターひとつを通して、萌え絵に文句を言いたい人と、憲法9条を守りたい系の人が合体すると、とんでもないことになるなとしか思えない現象。きっと2018年も、またさまざまな事件が起こることだろうと考えている。

 ただ、ずっと疑問なのはTwitterだとよく見かける、こうした思考の人にリアルだと、ほぼ出会う機会がないこと。「萌えは女性差別」「自衛隊は人殺し」系の発言をする人は、普段はどこで何をして暮らしているのだろうか。それが、一番の謎だ。
(文=昼間たかし)

タイムリミットは超えたが……まだ「東館確保」を目指す東京ビッグサイト会場問題

 東京五輪の煽りを受けて東京ビッグサイトの使用が制限される、東京ビッグサイト会場問題。

 当初、解決のリミットといわれていた昨年12月は、なんら解決を見ないまま終わった。2018年を迎えた今、もはや現状の制限予定が打破される可能性は、ほぼ失われているように見える。けれども、まだ「東館の全館確保」を目指して模索は続いているようだ。

 東京ビッグサイトの使用制限に対しては、17年中には2度にわたってデモが開催されたり、さまざまな運動が実施されてきた。だが、運動は一貫性に欠けてきた。

 というのも、利害関係者それぞれの思惑が大きく異なったからだ。実際に展示会を開催する企業にしてみれば、利用制限があるにしても、まずは欲しいのは自社の催しに都合のよい日程。そのため、東京ビッグサイトとも良好な関係を結びつつ……というのが前提にあった。そうした側から見れば、煽りを受けて仕事の減るディスプレイ製作会社や印刷業者に対しては「仕事が減ることはわかっているのだから、今のうちに企業努力を」という態度なのである。

 そんな思惑のズレから打開策の打ち出せない中で、いまだ「東京五輪期間も東館の全面利用を」と訴えている人物がいた。山田太郎・前参議院議員である。

 このところ東京ビッグサイト問題への言及が低調だった山田氏。その理由は「衆院選の結果、人が入れ替わってしまった」ことを挙げ、まだ諦めていない意志を明らかにする。

「この問題はコミケだけではない」ことを改めて述べた山田氏は企業人としての経験から「とりわけギフトショーの開催が減ると、中小企業にとっては大ダメージ」だと語る。

 先日は、マンガ議連を通して古屋圭司衆議院議員(自民)と共に、政府に対して問題解決の要望を行っている山田氏。

 ただ、問題解決への「仕切り直し」は、始まったばかり。いつ頃までに結果を出せるかは、山田氏にとっても未知数である。

 関係者が枕を高くして眠ることができる日までは、まだ遠いようだ。
(文=昼間たかし)

【昼間たかし】話を聞いているだけじゃ見えてこないものがある。ルポルタージュで振り返る2017年

 改めて、取材して書くことに傾注しようと決めた。2017年は、そんな年であった。

 だから木訥に、自分の興味の赴くままに、人に会い文章を書き記してきた。なぜ、そんなことをするのか。それは、ほかにすることを思いつかないからだ。

 そうした個人的な情熱だけで走った文章を掲載してくれる「日刊サイゾー」は、私のような書き手にとっては心底ありがたいメディアである。

 そんな2017年も、あと数日ばかり。改めて、今年「日刊サイゾー」と「おたぽる」に書いた文章を読み直し、私なりの自省を込めた解説をしていきたいと思う。

 

●神社本庁も「これはちょっと……」と漏らした。「DMM GAMES」新作『社にほへと』から考えるオタクの信仰
http://otapol.jp/2017/04/post-10195.html

 なぜか大きな注目を集めたこの文章の中で感じたのは、発端になったゲーム『社にほへと』に対するさまざまな人の感覚の違いであった。

 パッと見た時から、私には「なんと罰当たりな」という気持ちが湧いた。怒りではなく畏れである。神道への理解の根本には「考えるな、感じるんだ」というような意識がある。その感じ方の違いが千差万別なのだと、改めて感じた。だから、すぐに取材に応じてくれた神社本庁だけでなく、ゲームの企画者たちの思いも聞いてみたいと思ったが、果たすことはできなかった。

 ただ、この文章が掲載されてから後、企業内の友人からは「いま、箝口令が敷かれていて」などの話も聞いており、ただならぬ事態が起きていることは容易に想像ができた。

 数年もすれば「リリース前に中止されたゲーム」として記録だけが残ることになるだろう。その頃には、改めて製作サイドの想いを聞くことができるだろうか。

 なお、この問題に関する論評はいくつもあるが『宗教問題』20号に掲載されている中川大地「神社を擬人化した美少女ゲームはなぜ開発中止に追い込まれたのか」は、読んでおくべき価値ある論考だと思っている。

 

●行ってみて聞いてわかった 御朱印帳のネット転売で、なぜ宮司は「もう来ないで下さい」と書いたのか
http://www.cyzo.com/2017/06/post_33347_entry.html

 神道関係では、こちらの記事はまた別の方向から、信仰というものを考える機会になった。

 発端は、Twitterでの宮司の怒りのツイートが話題になったこと。表面だけ追って見えるのは、神社で頒布した限定品の御朱印帳を、すぐにネットで転売しているヤツがいる、けしからん……と、ただそれだけのこと。

 でも、ただそんな「けしからん」などということで宮司がツイートしたのではないことは、神社を訪ねて初めてわかった。

 自身が宮司になるまで。なってからの地域の人々と共に支え合ってきた想い。金曜日の午後に聞いた話を、土日を使って一気呵成に書き上げた。そんな熱くなるものが、ここにはあった。

 宮司もまた、足を運んだ私の想いに応えてくれた。今なお神社のTwitterの冒頭には、この記事についてのツイートが掲示されている。

 改めて財布を、どんなテーマでも、迷うくらいならば、取材費で血塗れにしてでも、現地に足を運ぼうと思った。そのことは、必ず文章に成果として現れるのだと。

 

●「上から目線の権力の介入」千葉市が主導するミニストップの“エロ本規制”に、日本雑誌協会からも批判
http://www.cyzo.com/2017/11/post_143469_entry.html

 事態の推移については、関連するものも含めて記した通りである。このテーマでは、今のところ情報を手早く書いて知らせることに徹している。それを「作品」と呼べるようなものにしていくのは、これからのことだ。

 ここで気になったのは、ミニストップが成人向け雑誌の取り扱い中止を発表してから、同社や千葉市を批判する人々の動向である。ネットでさまざま評論を繰り広げる人や、市長のTwitterアカウントに批判を書く人は無数にいた。けれども、具体的な行動はどこにもみられなかった。

 この人たちは、いったい何をしたかったのだろう。エロ本に限らない、禍々しいものを偶然に覗き見た気になった。

 その間にも出版業界では、各コンビニチェーンと、これがミニストップに限った話であるなどの確認を取っていた。情報をまとめたり、評論するだけでは物事の本質は見えてこないのだなと思った。

●「ガイナックスのコンテンツならなんでも使える」と豪語!? 渦中の「神戸アニメストリート」岸建介氏の手口と次の寄生先も発見!
http://otapol.jp/2017/04/post-10331.html

 マンガやアニメが地域振興の目玉となり、<聖地巡礼>が話題になる昨今。これも、起こるべくして起こった事件だといえる。

 正直なところ、小はプロデューサーの仕切りがグダグダだった話から、大はイベントの成否よりも、地元企業に資金をいかに分配するかのほうに力点が置かれた結末等々、失敗例は数多く聞く。

 そして、そのことは巧妙に隠蔽され、知られることは少ない。この事件は、ことが明るみになっただけ、まだマシだといえるだろう。

 何しろ、行政が絡んでいるとなれば信用度は上がる。そうそう悪人がいるとは、誰もが思いたくないものだ。

 この文章の際には取材に応じることもなく電話を切った武田康廣も、また被害者。岸が取締役に名を連ねていることに気づいた人物が、すぐに武田に連絡したところ「え、これからGAINAX WESTの記者会見なんだよ……」という最悪なタイミングだったという。

 当の岸は、すでに新たな店舗をオープンさせていることを幾人かから聞いている。でも、今のところは、そこを訪ねてみる気にはならない。なぜなら、被害にあった当事者に先んじて正義を追求するのは、物書きの仕事ではないと思うからだ。

 

●29万票の金利~山田太郎と「表現の自由」の行方
http://otapol.jp/2017/07/post-11040.html

 書いた後で考えたのは、冒頭のアイスクリームを食べている自身の描写。

「オッサンがアイスを食べてる描写などいらぬ」などと批判的な感想が半分。「アイスの描写で引き込まれる」と絶賛が半分。

 つまり、自分でもどちらがよいのかわからない。ただルポルタージュやノンフィクションという文章では当たり前の「私」や「ぼく」という主観的な書き方を、ネット媒体では、新鮮に感じる人が多いのだと思った。

 毎日取材しているわけではないが、山田太郎の取材には、だいたい5年。そして、選挙の取材から1年も寝かせてしまった。その間も、今もなお29万票の金利は残っているように見える。

 では、次に山田が選挙に立った時、私は取材をするだろうか。

 そのことの答えは、まだ出ていない。

 

●新作『女装千年王国』も大好評! 西田一が語る、ただひとつの“愛の物語”
http://www.cyzo.com/2017/10/post_34930_entry.html

 世には、変態だとかニッチだとか呼ばれるジャンルがいくつもある。男の娘というジャンルも、その一つだ。

 人は、そこにどういう感情を抱くだろうか。口では貶しながらも、実は羨ましさを持っているのではないか。

 そこの世界に足を踏み入れることは、とてつもない決意と覚悟がなくては、できないことなのだから。

 そして、そこに至る人生の旅はさまざまだ。

 無数の旅路の一つで、乗り合わせた客のつもりになり、この掌編を仕上げた。女装エロゲーに人生を賭けた西田の旅路は、どこへ続くのだろうか。また、旅路を共にしたいと思っている。

 

●「アダルトグッズ+催眠音声」の可能性を追求するトランスイノベーションへの誘い
http://www.cyzo.com/2017/10/post_34820_entry.html

 まさかここまで人生を賭けて、情熱を注ぎ込んでいるなんて。そんな感動を伝えるためには、まず自分のことを書かなくてはならないと思った。自分自身が、いかに催眠音声を楽しんでいるのか。取材の時から、そのことを大いに話した。そうでなくては、取材が、上から目線の覗き見になってしまうと思ったからだ。そして文章も同様。

 別に自分の楽しんでいるものを、恥ずかしがる必要はない。むしろ、今の楽しさの、その先を求める探究心は誇るべきものではないか。そんなことを考える機会となった。

 

●なぜ、人はそこに集うのか? 新店舗には喫茶ルームもできた「カストリ書房」に、サウダーデを見た
http://www.cyzo.com/2017/09/post_34442.html

 2016年のオープン以来、さまざまなメディアに取材されているカストリ書房。

 訪問する前に、これまでカストリ書房について触れた幾つもの文章を読んだ。そして「なんだこれは?」という気分になった。多くのメディアの文章では、カストリ書房、そして、遊郭が女性にブームとなっている背景として「豊かな時代への憧れ」などの、わかりやすい言葉を用いていた。なるほど、それはわかりやすいかもしれない。けれども、そんな総括には、綺麗にまとめただけの上から目線を感じた。

 僅かなインタビューの時間で、さまざまなものが見えてきた。カストリ書房がもてはやされる理由。その根底には、間違いなく店主の渡辺豪の人となりがあるのだと思った。

 状況を描くのではなく細部を描写するルポライターの矜恃を改めて考えた。

●9月25日午後8時、たつき監督はなぜツイートをしたのか──『けものフレンズ』わからなかったこと、そして、わかったこと。
http://www.cyzo.com/2017/10/post_34862.html

 妄想である。箝口令の中で周辺取材は限られている。いつもは、すぐに返事を返してくるヤツまで「福原Pに会わせてよ」とLINEすると既読スルー。そんな状態で得られた情報を元に書いた。

 正直なところ、KADOKAWAとヤオヨロズと、どちらが正邪なのかはどうでもいい。

 原作者との軋轢云々も同様である。ただ、いい大人と呼ばれる年齢のたつき監督が、自身の仲間をも巻き込むような、あの乱暴なツイートを叩きつけるに至った心境を書きたかったのだ。

 きっとこうだろうと、私自身の思いで綴った文章。真偽のほどはわからぬが、ある関係者から「だいたい、あってる……」とポツリと呟かれて、この件は終わった。

 

●西原理恵子の生き様が人生の分岐に──『嫌な顔されながらおパンツ見せてもらいたい本』40原が語る“パンツ愛”そして、これから
http://www.cyzo.com/2017/11/post_143771_entry.html

 パンツ愛を聞いていたら、飛び出してくるのは西原理恵子に『パトレイバー』などなど……。

 それらを通じてイラストレーター・40原の「なにものかになりたい」という情熱を、存分に聞くことができた。

 もちろん「パンツ愛」は、本物だが、それと共に多くの文字数を使った彼の半生。やがて、これを読んだ人が、なにものかになってくれるとよいなと思っている。

 あまりに話に熱中していたので、4時間くらい喫茶店で話ながらも「おかわりどうですか」というタイミングを逸っしたのは反省。
 

●女と自由との揺らぎ──『私だってするんです』小谷真倫の探求「自分の凡庸に負けたんだ……」
http://www.cyzo.com/2017/12/post_144853.html

 自画像が、がさつそうな女性だったので、どんな人が来るのかと思ったら、まったく真逆のタイプの人だった。

 インタビューは初めてという緊張感。そんな緊張感の中で、訪ねるテーマはオナニー。

 ふと言葉の合間に見せる表情が、作品に真摯に取り組む意志の強さを感じさせていた。

 連載は、さらに好調に続いている。2018年は、もっと話題になる描き手なのではないかと思っている。

 幾つもの掌編・短編・中編を書き続けてきた2017年。なにかを成し遂げた人。なにかを成し遂げた人を見ていると、この人物は、どのような人生を歩んで今があるのか。そんなことに興味がわく。

 テレビ東京系の番組『家、ついて行ってイイですか?』が注目されていることからも、分析や批評が持てはやされる時代は、もう終焉を迎えていることが、よくわかる。

 2018年は、もっと個や細部を追いかけていきたいと思っている。
(文=昼間たかし)

「営業してるの……?」アドベンチャーワールドの“和歌山のパンダ”が、閑散としすぎてて見やすいぞ!

 日本において、パンダの本場は和歌山県!!

 ついに、和歌山県知事自ら、上野動物園に叩きつけた挑戦状に注目が集まっている。

 和歌山県民の怒りがわき上がったのは、19日に始まった上野動物園のジャイアントパンダの赤ちゃん。シャンシャンをめぐる報道だ。

 さまざまなマスコミがシャンシャンのかわいさを書きたて、全国紙やテレビニュースでも報道が止むことはない。

 これに対して、待ったをかけたのが和歌山県の仁坂吉伸知事だ。仁坂知事は20日に開かれた記者会見の中で「上野のシャンシャンしか世の中にいないのか、というくらいの浮かれようだ」と発言。「和歌山にもいるんですよ、と一言くらい入れてくれたらいいのに」と、マスコミに苦言を呈したのである。

 実に和歌山県は日本におけるパンダの本場である。パンダがいるのは、和歌山県白浜町にあるアドベンチャーワールド。ここでは、現在5頭のジャイアントパンダを飼育。昨年には、メスの結浜(ゆいひん)が生まれている。

 だが、それが全国区のニュースになることはない。

 もし、純粋にパンダを見たいならば、上野動物園で行列するほどのことはない。何しろ、アドベンチャーワールドは平日ならば、驚くほどゆったりとパンダを見ることができるのだから。

 そんなウワサを聞いた筆者は、今年5月にアドベンチャーワールドを訪れた。白浜町の温泉地を回るバスでたどり着いたそこで感じた第一印象は「大丈夫か、ここは……」というもの。

 なにしろ、平日のそこは営業しているのが疑わしいレベルで閑散としていたのである。

 あちこちに設置されたパンダのモニュメントなどを横目に、中に入る。やはり、人の数は少ない。次第に不安になる筆者の目に飛び込んできたのは、パンダを囲む人だかりであった。

 閑散とした中で、パンダの前にだけは人だかりができている。とはいえ、人だかりは驚くほどに小さい。これまで、パンダを見るためには行列が必須、あるいは「立ち止まらないでくださーい」と、チラッと白黒の物体が見えたかと思ったら、すぐに移動させられた記憶ばかり。

 ところが、ここでは誰もが思い思いにパンダを眺めて、写真を撮っているではないか。ウワサに聞いた、パンダをゆっくりと見ることができる伝説の地。その存在を、筆者は五感で味わったのである。

 感無量な筆者にこみ上げてきた思い。それは忘れることはできない。

「ホントに、パンダって笹食って寝てるだけなんだな……」

 なお、帰りの白浜駅行きバスが、ほぼ、とれとれ市場に停車する設定になっているという観光地っぽさも忘れがたい。

ソレ とれ とれ とれ とれ とれ とれとれ
とれ とれ とれ とれ とれ とーれ(テーマ曲「とれとれ音頭」)

(文=昼間たかし)

「営業してるの……?」アドベンチャーワールドの“和歌山のパンダ”が、閑散としすぎてて見やすいぞ!

 日本において、パンダの本場は和歌山県!!

 ついに、和歌山県知事自ら、上野動物園に叩きつけた挑戦状に注目が集まっている。

 和歌山県民の怒りがわき上がったのは、19日に始まった上野動物園のジャイアントパンダの赤ちゃん。シャンシャンをめぐる報道だ。

 さまざまなマスコミがシャンシャンのかわいさを書きたて、全国紙やテレビニュースでも報道が止むことはない。

 これに対して、待ったをかけたのが和歌山県の仁坂吉伸知事だ。仁坂知事は20日に開かれた記者会見の中で「上野のシャンシャンしか世の中にいないのか、というくらいの浮かれようだ」と発言。「和歌山にもいるんですよ、と一言くらい入れてくれたらいいのに」と、マスコミに苦言を呈したのである。

 実に和歌山県は日本におけるパンダの本場である。パンダがいるのは、和歌山県白浜町にあるアドベンチャーワールド。ここでは、現在5頭のジャイアントパンダを飼育。昨年には、メスの結浜(ゆいひん)が生まれている。

 だが、それが全国区のニュースになることはない。

 もし、純粋にパンダを見たいならば、上野動物園で行列するほどのことはない。何しろ、アドベンチャーワールドは平日ならば、驚くほどゆったりとパンダを見ることができるのだから。

 そんなウワサを聞いた筆者は、今年5月にアドベンチャーワールドを訪れた。白浜町の温泉地を回るバスでたどり着いたそこで感じた第一印象は「大丈夫か、ここは……」というもの。

 なにしろ、平日のそこは営業しているのが疑わしいレベルで閑散としていたのである。

 あちこちに設置されたパンダのモニュメントなどを横目に、中に入る。やはり、人の数は少ない。次第に不安になる筆者の目に飛び込んできたのは、パンダを囲む人だかりであった。

 閑散とした中で、パンダの前にだけは人だかりができている。とはいえ、人だかりは驚くほどに小さい。これまで、パンダを見るためには行列が必須、あるいは「立ち止まらないでくださーい」と、チラッと白黒の物体が見えたかと思ったら、すぐに移動させられた記憶ばかり。

 ところが、ここでは誰もが思い思いにパンダを眺めて、写真を撮っているではないか。ウワサに聞いた、パンダをゆっくりと見ることができる伝説の地。その存在を、筆者は五感で味わったのである。

 感無量な筆者にこみ上げてきた思い。それは忘れることはできない。

「ホントに、パンダって笹食って寝てるだけなんだな……」

 なお、帰りの白浜駅行きバスが、ほぼ、とれとれ市場に停車する設定になっているという観光地っぽさも忘れがたい。

ソレ とれ とれ とれ とれ とれ とれとれ
とれ とれ とれ とれ とれ とーれ(テーマ曲「とれとれ音頭」)

(文=昼間たかし)

【画像アリ】ゲテモノを超えた本物のグルメ! 信州では当たり前の昆虫食が集結した「大昆蟲食博」

 昆虫食は、ゲテモノ食い? いやいや、昆虫は美味いのだ。

 単なる怖いもの見たさを超えた本気の昆虫食を展示する「大昆蟲食博」が、長野県伊那市にある市立伊那市創造館で来年5月7日まで開催されている。

 この伊那市というのは、日本でも有数の昆虫食文化が存在する地域。中でも知られるのが、ざざ虫である。ざざ虫とはトビケラ、カワゲラ、ヘビトンボといった川に住む虫の総称。冬になると伊那市周辺の天竜川では、ざざ虫を捕るざざ虫漁が現在も盛んに行われている。「虫踏み」というこの漁法は、河原の石を集めて、鉄製のかんじきでイモを洗うように踏むもの。すると、石の裏についている虫が流れて、網にひっかかるのだ。この地方では、冬の風物詩となっている。

 そうして捕れた虫は、主に佃煮にして食べられる。なぜ佃煮にするのか? その理由を案内してくれた地元のざざ虫博士・牧田豊さんは語る。

「佃煮は作るのも簡単だし、保存がしやすいのが理由でしょう。ただ、佃煮は今でこそ砂糖を使って甘辛く味付けしていますが、昔は砂糖を使わず、もっとしょっぱかったはずです」

 

 牧田さんによれば、ざざ虫を食べる文化は伊那地方だけでなく各地に存在していた。その中で“伊那=昆虫食”のイメージができたのは、大正時代に創業した「かねまん(2011年に閉店)」の存在が大きいという。同店では、ざざ虫の佃煮をお土産などとして販売していた。それは次第に珍味として知られるようになり、東京の料亭などでも販売されるようになった。

 つまり、自家消費だけでなく産業となったことで残ったのだという。

 ただ、それによって、食べられる虫にも変化が起きた。前述のように、ざざ虫とは川に住む虫の総称。その中でもトビケラなどの小さい虫のほうが、メジャーなざざ虫となったのである。

「本当に美味しいのは、孫太郎虫(ヘビトンボの幼虫)。小指くらいのサイズがあるので、しっかりと食べている感じを味わえます。ただ、そんな大きさのためか、佃煮にするとグロいので、販売されているものには使われていません」

 そう聞くと、逆に食べてみたい。そこで、どこに行けば食べられるのかを聞いてみると……。

「う~ん、地元の漁師さんにお願いするしか……」

 この企画展を立案した館長の捧(ささげ)剛太さんも、やはり昆虫食を探求中。この企画に当たっては「カンボジアで売っているタランチュラのフライを買ってきてもらって食べたのですが、美味い!!」という。その探究心はとどまるところを知らず、現在、毎日のように「ざざ虫のピザ」「イナゴとざざ虫と蜂の子のパスタ」「虫の軍艦巻き」などの新メニューを考案中だ。

 これからの時代。虫はメジャーな食べ物になっていくのか?

 なお来年3月には、昆虫食に詳しい人々を招き、講演を兼ねた実食会も予定されている。
(文=昼間たかし)

 

【画像アリ】ゲテモノを超えた本物のグルメ! 信州では当たり前の昆虫食が集結した「大昆蟲食博」

 昆虫食は、ゲテモノ食い? いやいや、昆虫は美味いのだ。

 単なる怖いもの見たさを超えた本気の昆虫食を展示する「大昆蟲食博」が、長野県伊那市にある市立伊那市創造館で来年5月7日まで開催されている。

 この伊那市というのは、日本でも有数の昆虫食文化が存在する地域。中でも知られるのが、ざざ虫である。ざざ虫とはトビケラ、カワゲラ、ヘビトンボといった川に住む虫の総称。冬になると伊那市周辺の天竜川では、ざざ虫を捕るざざ虫漁が現在も盛んに行われている。「虫踏み」というこの漁法は、河原の石を集めて、鉄製のかんじきでイモを洗うように踏むもの。すると、石の裏についている虫が流れて、網にひっかかるのだ。この地方では、冬の風物詩となっている。

 そうして捕れた虫は、主に佃煮にして食べられる。なぜ佃煮にするのか? その理由を案内してくれた地元のざざ虫博士・牧田豊さんは語る。

「佃煮は作るのも簡単だし、保存がしやすいのが理由でしょう。ただ、佃煮は今でこそ砂糖を使って甘辛く味付けしていますが、昔は砂糖を使わず、もっとしょっぱかったはずです」

 

 牧田さんによれば、ざざ虫を食べる文化は伊那地方だけでなく各地に存在していた。その中で“伊那=昆虫食”のイメージができたのは、大正時代に創業した「かねまん(2011年に閉店)」の存在が大きいという。同店では、ざざ虫の佃煮をお土産などとして販売していた。それは次第に珍味として知られるようになり、東京の料亭などでも販売されるようになった。

 つまり、自家消費だけでなく産業となったことで残ったのだという。

 ただ、それによって、食べられる虫にも変化が起きた。前述のように、ざざ虫とは川に住む虫の総称。その中でもトビケラなどの小さい虫のほうが、メジャーなざざ虫となったのである。

「本当に美味しいのは、孫太郎虫(ヘビトンボの幼虫)。小指くらいのサイズがあるので、しっかりと食べている感じを味わえます。ただ、そんな大きさのためか、佃煮にするとグロいので、販売されているものには使われていません」

 そう聞くと、逆に食べてみたい。そこで、どこに行けば食べられるのかを聞いてみると……。

「う~ん、地元の漁師さんにお願いするしか……」

 この企画展を立案した館長の捧(ささげ)剛太さんも、やはり昆虫食を探求中。この企画に当たっては「カンボジアで売っているタランチュラのフライを買ってきてもらって食べたのですが、美味い!!」という。その探究心はとどまるところを知らず、現在、毎日のように「ざざ虫のピザ」「イナゴとざざ虫と蜂の子のパスタ」「虫の軍艦巻き」などの新メニューを考案中だ。

 これからの時代。虫はメジャーな食べ物になっていくのか?

 なお来年3月には、昆虫食に詳しい人々を招き、講演を兼ねた実食会も予定されている。
(文=昼間たかし)

 

コミケに譲歩案を出したのに!! 東京ビッグサイト会場問題 小池都知事がオタクに激怒していた

 オリンピック・パラリンピック2020東京大会に伴い、東京ビッグサイトの利用が制限される問題。同施設が「国際放送センター」(IBC)や「メインプレスセンター」(MPC)として使用されることによる使用制限に対して、展示会主催者や関連事業者から見直しを求める声はやまない。

 そうした中、今度はこの問題に絡んで、小池百合子東京都知事が「オタクに激怒している」との話が飛び込んできた。

 事の発端は、9月29日。それまで、この問題について明確な言葉を避けてきた小池都知事が突如、見直し案を示したのだ。

 それは使用制限が予定されている2020年の5月1日~5日に、会場の一部をコミックマーケット(以下、コミケ)で使えるようにするというもの。

 これに対して、問題が解決されたと考える声は、ほとんど挙がらなかった。むしろ寄せられたのは「同人誌即売会を理解していないのではないか?」という疑念。

 というのも、例年のゴールデンウィークあたりは「SUPER COMIC CITY」や「Comic1」などの即売会の開催時期。そこに突如コミケが入る形になる。あたかも、あとは即売会同士で調整してくれと言わんばかりの丸投げの構図である。

 Twitterだけ見ても「オタク層に媚びてるって魂胆ミエミエ」「またなんか口当たりのいいこと言ってる」「何一つビッグサイト問題がわかってねーじゃん」など反発の声が続々と上がっている。

 当時の小池都知事には、目前に迫った衆院選でのオタク票への色気があったとも考えられるが、むしろ希望を失わせるものになったのである。

「オタクが反発を強めたことに、小池都知事は『譲歩をしたのに、どういうことか』と、怒っているというのです。それは逆にいえば、会場問題において、オタクたちの声を脅威に感じているということでしょう」

 ある展示会関係者は「ここだけの話としながら」そう、ぶちまける。小池都知事のオタクへの脅威は、現場・実務レベルにも伝染しているそうで……

「ビッグサイト関係者から、即売会などオタク系イベント主催者に<会場問題で騒がしいオタクたちはどうやったら静かになるのか>といった話もあったそうです」

 そんな話も飛び交う中で、また新たな動きが。これまで、署名活動にも注力するなど、強く使用制限の見直しを求める運動を行ってきた同人誌印刷会社「栄光印刷」の岡田一社長が、11月25日、自身のブログに「ここからは主催者様の判断と行動に委ねます」とする記事を投稿したのだ。

 これは運動からの撤退を意味するのだろうか。早速岡田氏に電話で話を聞いたところ、撤退は否定しつつ次のように述べた。

「ブログにも書いたように、うちは直接会場と交渉する立場にない会社です。ですので、主催者にもっと頑張ってもらいたいと思い、ああいう投稿をしたんです。投げ出したワケではありませんよ」

 この問題で、本当に命を懸ける者は誰なのか。
(文=昼間たかし)

「紙のマンガ本」がオワコンの時代に突入か……いま、出版業界に必要なのは“スピード感”

 マンガを紙の本で読む時代の終焉が、現実味を帯びているように見える。

 11月末、出版取次大手の日本出版販売(日販)、トーハンの中間決算で、紙のマンガ本離れが進んでいることが、より明確になってきた。

 日販ではコミックス部門の売上が前年同期比で12.7%減少。トーハンでは17.6%の減少となった。実に、2割近くが減ろうとしているわけである。

 トーハンの資料では「相次ぐ大物作品の完結に加え、電子コミックの市場拡大、Webマンガアプリの台頭で紙のマーケットの縮小傾向」が、下落の理由としている。

 もはや出版不況という言葉も当たり前になり、娯楽や情報の分野がWebへと移行していくことは変えられない道筋といえる。今年の年明けから200万部を割った「週刊少年ジャンプ」(集英社)が、一気に180万部台まで部数を減らしたことは、その象徴ともいえる。マンガ絡みで唯一明るい話題なのは「月刊flowers」(小学館)。同誌では今年になり、萩尾望都の『ポーの一族』新シリーズが連載開始。部数を大きく伸ばした。

 つまり、作品の力で部数を確保することが可能であることは明らか。けれども、これはあくまで例外である。

 出版科学研究所の発行する「出版月報」7月号に掲載された2017年上半期の分野別動向によれば、電子書籍市場は、伸びは鈍化したものの前年同期比で21.5%のプラスとなっている。ただ、伸びたとはいえ、まだ規模は小さく、販売金額は1,029億円に過ぎない。この内訳をみると、コミックが777億円。書籍(文字もの)が140億円。雑誌が112億円となっている。

「紙のマンガが電子書籍に食われているのは明らかです。今後も、紙のマンガは厳しくなるでしょう」

 そう話すのは、業界誌「出版ニュース」の清田義昭氏(出版ニュース社代表)。ただ、清田氏からは、こんな話も。

「ちょうど今年も出版業界の十大ニュースを決める時期なんです。それで、電子書籍の話題を何か入れようと思ったのですが、取り立てて大きな話題はないんですよね」

 このことは、紙から電子書籍への移行が、緩慢としか進んでいないことを示している。ここ数年の間に、無料で読むことのできるマンガアプリ、Web雑誌は膨大な数になった。紙の雑誌では売上が少ないからと、Webのみに移行する媒体もある。けれども、Webで連載した作品が単行本になったとき、紙・電子書籍を問わず購入しない読者、すなわち無料でないと読まない読者も増えてきているということだろう。

 こうした変化の中で、出版業界では、まだまだ現在の、取次に本を納品すれば、いったん支払いがあって、配本もしてくれて……という流通システムが続いてくれることを願う人々が多い印象だ。

 紙・電子書籍を問わず、いかに読者の手に届かせるか。そして、お金を払えばより価値のあるものを読むことができると、改めて気づかせる方法は何か。よりビジネスとしてのアイデアが求められる時代になっているように見える。

 筆者も長らく雑誌に記事を書き、年に数冊の単行本を上梓している。取材などで触れるほかの業界と比べて見えてくるのは、出版業界のスピード感のなさであろう。単行本など、ごく一部の「緊急出版」的なものを除けば、企画を立てて、編集者と「やりましょう」という話になってから、長い。「企画会議は来月です」といわれて1カ月くらい待つことはザラだ。

 このスピード感のなさは、問題ばかりではないとしても、やはり漫然としすぎている感は拭えない。いずれ進歩的な変革が起こったりするのだろうか。
(文=昼間たかし)