千鳥が、なぜか夏木ゆたかに夢中! 「売れっ子芸人のいじりでベテラン芸能人がリバイバルする」の構図になるか?

 好調なお笑い芸人が、かつてほど露出しなくなった芸能人をイタズラ心でいじる。結果、“いじられた側”のタレントが“いじる側”の上昇気流に巻き込まれリバイバルする。これまでの芸能界で、そんなケースをたびたび目にしてきた。

 例えば、とんねるずにいじられ“スター”という異名で返り咲いた錦野旦は代表格だろう。ビートたけしは「ポール牧みたいな~」とツッコミ時にやたらと人名を挿入し、先輩芸人の復活に尽力していた。

 そんなシステムを、もしかしたら久方ぶりに目撃したかもしれない。1月1日に放送された特番『落ちましておめでとうございます! ~落とし穴未経験の芸能人・落ち初め連発~』(テレビ東京系)は、“落とし穴未経験の芸能人”を落とし穴に嵌め、その落ちっぷりに点数を付けるという前代未聞の内容である。

 司会を務めるのは、博多華丸・大吉と千鳥。まさに、上昇気流に乗りっぱなしの絶好調コンビ2組だ。

 

■夏木ゆたかに夢中で、ずっと夏木を探し続ける大悟

 番組は、“落とし穴未経験の芸能人”を次々に落としていく。貴闘力、上西小百合、ジミー大西、なんでんかんでんの川原ひろし社長らがターゲットになったが、ミッションを遂行する際のシチュエーションは大掛かりだ。時にはCM撮影現場に見せかけたり、ドキュメンタリーチックな密着番組を装ったり。

 ついには、『それいけ! マイケル』なる偽番組までセッティングされた今回。そのMCとして、番組は“落とし穴未経験の芸能人”であるコウメ太夫を呼び寄せている。というのもコウメは「第1回ムーンウォーク世界大会」で準優勝を果たしており、ダンサーとして実績に申し分がないのだ。

 ちなみに“仕掛け人”(偽番組のリポーター)として起用されたのは、あの夏木ゆたか。現在、夏木はTOKYO MXの帯番組『ひるキュン!』金曜レギュラーを務めているが、そんな彼の現在の容貌はご存知だろうか? 御年69歳であるにもかかわらず頭の毛量は異常に多く、それでいて髪を逆立て気味にセット。しかも、身長180㎝という迫力あるサイズを誇っている。

 この存在に、千鳥が食いついた。夏木が画面に映った瞬間、それだけでうれしそうに笑みをこぼすノブ。続けて、遠慮のない大悟は夏木の髪型を指して「老ライオン?」と失礼な見立てを繰り出していく。

 そして、本番前。外ロケのため、極寒の中で上半身裸のままメイク作業に入るコウメであったが、そこへ夏木が挨拶にやって来た。衣装に身を包んでいないコウメと夏木ゆたかが出会うだけで、もう面白い。このツーショットを目にした瞬間、千鳥の2人は「カッカッカ!」とガマンできずに笑ってしまうのだ。

 どうやら、夏木はコウメについて何も知らないらしい。真顔で「お家の血筋が芸者さん?」「笑わせるやつやるんですか?」という質問を連発し、トンチンカンであることを隠せない。

 あと、どうしても夏木の風体が面白い。VTRを観ながら「すごい髪!」「南斗水鳥拳の男か(笑)」と指摘せずにいられないノブがいて、大悟に至っては「カッカッカ!」と、ただただ笑うのみである。

 結果、このシチュエーションでコウメ太夫はムーンウォークしながら落とし穴へ近付いていき、見事に落下! しかし笑いのピークは、仕掛け人でありながら無言のまま呆然とコウメを凝視する夏木が持っていってしまった。「仕掛け人なのに、なんで初見みたいな顔してる?」「この面白さは説明がつかん」と、夏木のインパクトには華丸大吉も大喜びだ。

 しかし、千鳥のハマリ度はそれ以上。コウメのブロックが終わり、別の落とし穴VTRを観ているというのに「どこかで夏木を探している自分がいる(笑)」(大悟)と、夏木のことをずっと忘れられないでいるのだ。

■ハリウッドザコシショウを無視して夏木で笑う千鳥

 制作陣も、出演者の笑いのツボを心得ているのだろう。“落とし穴未経験の芸能人”おばたのお兄さんを落とすべく用意されたのは、『夏木ゆたかのヒト言、言わせてちょーだいな!』なる偽番組であった。

 VTRで夏木の姿を再見した大悟は「帰ってくるんだ!」と、喜色満面の表情になってしまう。もはや、夏木中毒か。

 このシチュエーションでは、夏木の背中を弾みに馬跳びをしたおばたをその勢いのまま落とし穴へ落とすという作戦が決行された。もちろん、ミッションは無事に成功!

 しかし、結果は大した問題ではない。VTR終了後、ノブは「主役がおばたじゃない」とこぼし「スタッフは俺らが夏木さんにハマることを完全に見越している」とコメント。また大悟は、とにかく夏木のルックスがストライクらしく「顔がランディ・ジョンソンにちょっと似てる」と、笑いが止まらない様子だ。

 また、ハリウッドザコシショウを落とし穴へ落とすVTRにも夏木は登場。そこでも、千鳥はザコシショウをないがしろにして、夏木で爆笑してしまっている。夏木と遭遇すれば、千鳥に笑いが起こる確率は100%だ。

 1番組で3回も登場した夏木。今回の遭遇で、千鳥はすっかり夏木にハマってしまった。思うに、このコラボを今回のみで終わらすのは絶対もったいない。番組の垣根、局の垣根を超え、「夏木×千鳥」の絡みを何度も観たいと願うばかり。

 千鳥は夏木を好きだし、夏木だって69歳にして予想外のチャンス到来である。誰にとっても得しかない、奇跡の座組だと思うのだが。
(文=寺西ジャジューカ)

千鳥が、なぜか夏木ゆたかに夢中! 「売れっ子芸人のいじりでベテラン芸能人がリバイバルする」の構図になるか?

 好調なお笑い芸人が、かつてほど露出しなくなった芸能人をイタズラ心でいじる。結果、“いじられた側”のタレントが“いじる側”の上昇気流に巻き込まれリバイバルする。これまでの芸能界で、そんなケースをたびたび目にしてきた。

 例えば、とんねるずにいじられ“スター”という異名で返り咲いた錦野旦は代表格だろう。ビートたけしは「ポール牧みたいな~」とツッコミ時にやたらと人名を挿入し、先輩芸人の復活に尽力していた。

 そんなシステムを、もしかしたら久方ぶりに目撃したかもしれない。1月1日に放送された特番『落ちましておめでとうございます! ~落とし穴未経験の芸能人・落ち初め連発~』(テレビ東京系)は、“落とし穴未経験の芸能人”を落とし穴に嵌め、その落ちっぷりに点数を付けるという前代未聞の内容である。

 司会を務めるのは、博多華丸・大吉と千鳥。まさに、上昇気流に乗りっぱなしの絶好調コンビ2組だ。

 

■夏木ゆたかに夢中で、ずっと夏木を探し続ける大悟

 番組は、“落とし穴未経験の芸能人”を次々に落としていく。貴闘力、上西小百合、ジミー大西、なんでんかんでんの川原ひろし社長らがターゲットになったが、ミッションを遂行する際のシチュエーションは大掛かりだ。時にはCM撮影現場に見せかけたり、ドキュメンタリーチックな密着番組を装ったり。

 ついには、『それいけ! マイケル』なる偽番組までセッティングされた今回。そのMCとして、番組は“落とし穴未経験の芸能人”であるコウメ太夫を呼び寄せている。というのもコウメは「第1回ムーンウォーク世界大会」で準優勝を果たしており、ダンサーとして実績に申し分がないのだ。

 ちなみに“仕掛け人”(偽番組のリポーター)として起用されたのは、あの夏木ゆたか。現在、夏木はTOKYO MXの帯番組『ひるキュン!』金曜レギュラーを務めているが、そんな彼の現在の容貌はご存知だろうか? 御年69歳であるにもかかわらず頭の毛量は異常に多く、それでいて髪を逆立て気味にセット。しかも、身長180㎝という迫力あるサイズを誇っている。

 この存在に、千鳥が食いついた。夏木が画面に映った瞬間、それだけでうれしそうに笑みをこぼすノブ。続けて、遠慮のない大悟は夏木の髪型を指して「老ライオン?」と失礼な見立てを繰り出していく。

 そして、本番前。外ロケのため、極寒の中で上半身裸のままメイク作業に入るコウメであったが、そこへ夏木が挨拶にやって来た。衣装に身を包んでいないコウメと夏木ゆたかが出会うだけで、もう面白い。このツーショットを目にした瞬間、千鳥の2人は「カッカッカ!」とガマンできずに笑ってしまうのだ。

 どうやら、夏木はコウメについて何も知らないらしい。真顔で「お家の血筋が芸者さん?」「笑わせるやつやるんですか?」という質問を連発し、トンチンカンであることを隠せない。

 あと、どうしても夏木の風体が面白い。VTRを観ながら「すごい髪!」「南斗水鳥拳の男か(笑)」と指摘せずにいられないノブがいて、大悟に至っては「カッカッカ!」と、ただただ笑うのみである。

 結果、このシチュエーションでコウメ太夫はムーンウォークしながら落とし穴へ近付いていき、見事に落下! しかし笑いのピークは、仕掛け人でありながら無言のまま呆然とコウメを凝視する夏木が持っていってしまった。「仕掛け人なのに、なんで初見みたいな顔してる?」「この面白さは説明がつかん」と、夏木のインパクトには華丸大吉も大喜びだ。

 しかし、千鳥のハマリ度はそれ以上。コウメのブロックが終わり、別の落とし穴VTRを観ているというのに「どこかで夏木を探している自分がいる(笑)」(大悟)と、夏木のことをずっと忘れられないでいるのだ。

■ハリウッドザコシショウを無視して夏木で笑う千鳥

 制作陣も、出演者の笑いのツボを心得ているのだろう。“落とし穴未経験の芸能人”おばたのお兄さんを落とすべく用意されたのは、『夏木ゆたかのヒト言、言わせてちょーだいな!』なる偽番組であった。

 VTRで夏木の姿を再見した大悟は「帰ってくるんだ!」と、喜色満面の表情になってしまう。もはや、夏木中毒か。

 このシチュエーションでは、夏木の背中を弾みに馬跳びをしたおばたをその勢いのまま落とし穴へ落とすという作戦が決行された。もちろん、ミッションは無事に成功!

 しかし、結果は大した問題ではない。VTR終了後、ノブは「主役がおばたじゃない」とこぼし「スタッフは俺らが夏木さんにハマることを完全に見越している」とコメント。また大悟は、とにかく夏木のルックスがストライクらしく「顔がランディ・ジョンソンにちょっと似てる」と、笑いが止まらない様子だ。

 また、ハリウッドザコシショウを落とし穴へ落とすVTRにも夏木は登場。そこでも、千鳥はザコシショウをないがしろにして、夏木で爆笑してしまっている。夏木と遭遇すれば、千鳥に笑いが起こる確率は100%だ。

 1番組で3回も登場した夏木。今回の遭遇で、千鳥はすっかり夏木にハマってしまった。思うに、このコラボを今回のみで終わらすのは絶対もったいない。番組の垣根、局の垣根を超え、「夏木×千鳥」の絡みを何度も観たいと願うばかり。

 千鳥は夏木を好きだし、夏木だって69歳にして予想外のチャンス到来である。誰にとっても得しかない、奇跡の座組だと思うのだが。
(文=寺西ジャジューカ)

テレ東の低迷『路線バス』が、ついに新春特番から消えた! いまだ“太川陽介&蛭子能収頼み”で……

  テレビ東京の人気番組『ローカル路線バス乗り継ぎの旅』が、恒例だった新春特番のラインナップから、ついに消えた。

 同番組は太川陽介と蛭子能収の名コンビで、2007年10月20日放送回からスタート。路線バスのみを使って、3泊4日で目的地を目指すガチンコ旅で、初回から12.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)の高視聴率を獲得。08年3月22日放送の第2弾では15.3%もの高い数字を記録するなど躍進。その後、視聴率が2ケタを切る回もあったが、太川と蛭子の掛け合いが好評で、同局の人気番組となった。13年からは新春特番がスタートし、15年は1月3日、16年と17年は1月2日と、3年連続で三が日にオンエアされ、正月には欠かせない番組になっていた。

 しかし、昨年1月2日放送の第25弾をもって、太川と蛭子のコンビが惜しまれながら卒業。16年11月26日放送回では、田中要次と芥川賞作家・羽田圭介とのコンビでのバス旅が“特別編”としてオンエアされた。後に、このコンビが新レギュラーに決まり、昨年3月25日放送分より、新シリーズ『ローカル路線バス乗り継ぎの旅Z』がスタートし、太川はナレーションで参加することになった。

 だが、特別編を含め、視聴率は1ケタ台に低迷。番組のファンからは依然太川と蛭子コンビの復活を願う声が寄せられる始末。その結果、同局では、同番組をついに新春特番から外す決断を下し、新シリーズ第4弾を昨年12月16日に放送した。

 それでも、太川と蛭子コンビの人気にあやかりたい同局では、『ローカル路線バス』は卒業したものの、『土曜スペシャル』枠の『いい旅・夢気分スペシャル』で、この2人による旅を継続。昨年暮れの12月27日のゴールデン帯では、16年2月公開の映画『ローカル路線バスの旅 THE MOVIE』を、地上波で2度目の放送。さらに、年明けの2日午前8時から午後1時30分まで、『ローカル路線バス』の第20弾と第25弾を再放送し、いまだ、このコンビに依存する姿勢は変わっていない。

「太川と蛭子コンビの卒業理由は、“不仲説”もありましたが、回るルートがだんだんなくなり、歩くことが増えたため、高齢化した蛭子の体力の限界によるものです。ガチンコの『ローカル路線バス』は無理でも、お約束で旅する『いい旅・夢気分』なら、2人の共演は可能なわけです。ただ、ファンからしたら、あくまでも見たいのはガチンコのバス旅で、その希望は果たされていません。『ローカル路線バス』の新シリーズを放送すればするほど、太川&蛭子コンビの“復活待望論”は根強く続くと思われます」(テレビ誌関係者)

 とはいえ、同局としては、卒業した太川と蛭子を今さら『ローカル路線バス』に復活させるわけにもいかないところ。となれば、2人を口説き落として、新春特番などで、年に1回のスペシャルくらいなら、復活も可能ではないだろうか? そうすれば、新シリーズも相乗効果で視聴率がアップするかもしれない。むろん、それを実現させるためには、ギャラアップと、老体にむち打つ蛭子のために「できるだけ歩かないで済むルートを見つけること」が必須だろう。
(文=田中七男)

大みそか『紅白』の裏番組視聴率……テレ東が下克上果たし民放2位! “ビリ”は井岡一翔が消えたTBS『KYOKUGEN』

 昨年大みそかの『第68回NHK紅白歌合戦』の視聴率は、第1部(午後7時15分~8時55分)こそ、35.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)で、前年より0.7ポイント微増したが、第2部(午後9時~11時45分)は、今年9月に引退する安室奈美恵や、桑田佳祐の特別出演があったものの39.4%で、前年比0.8ポイント減。これは2部制となった1989年以降では、2015年の39.2%、04年の39.3%に次ぐ歴代ワースト3位で振るわなかった。

 一方、『紅白』裏の民放では、日本テレビ系『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!大晦日年越しSP絶対に笑ってはいけないアメリカンポリス24時!』が第1部(午後6時30分~9時)で17.3%、第2部(午後9時~深夜0時30分)で16.3%をマークして、8年連続で貫禄のトップを守った。前年と比べると、第1部が0.4ポイント減、第2部が0.2ポイント増でほぼ横ばい。マンネリを叫ばれながらも、同番組の強さは不変。

 一気に浮上して見事に下克上を果たしたのは、16年はビリだったテレビ東京だ。3年ぶりにゴールデン帯に復活した『第50回年忘れにっぽんの歌』(午後4時~10時)が8.4%を獲得して、6年ぶりに民放2位の座を奪取。大みそかの夜では異例のドラマ放送となった『孤独のグルメ』(午後10時~11時30分)は4.6%を記録し、同時間帯では日テレ、テレビ朝日に次いで民放3位と健闘した。

 前年は『ウソのような本当の瞬間!30秒後に絶対見られるTV~大みそかは、世界の果てでお風呂に入ろうSP』が2.5%、田口良一、内山高志のW世界戦を中継した『大晦日ボクシングスペシャル THE BEST OF BEST』が3.9%と爆死したが、編成の見直しが功を奏した。同局では、16年まで大みそかの夜に6年連続でボクシング中継を行ってきたが、昨年は“オトナの事情”で放送することができなくなった。だが、視聴率的には禍転じて福となした格好。

 民放3位は、4年目のテレビ朝日系『くりぃむVS林修! 年越しクイズサバイバー2017』で、第1部(午後6時~7時)が6.8%、第2部(午後7時~9時)が5.2%、第3部(午後9時~11時45分)が4.9%、第4部(午後11時45分~深夜1時)が6.4%で、すべての時間帯で2年連続ダウンした。ただ、第1部は『紅白』が始まる前で、純粋に『紅白』の裏では第2部の5.2%が最高で、実質的には最下位だった。企画もマンネリで視聴率はジリ貧状態で、2ケタには遠く及ばないだけに、今年は新たな特番にチェンジする決断を迫られそうだ。

 3年目となったフジテレビ系『RIZIN FIGHTING WORLD GP 2017 バンダム級トーナメント&女子スーパーアトム級トーナメント 2ND ROUND/FINAL ROUND』は、第1部(午後6時30分~7時30分)が4.8%、第2部(午後7時30分~9時30分)が6.4%、第3部(午後9時30分~10時50分)が6.2%、第4部(午後10時50分~11時45分)が4.3%で民放4位。

 視聴率は過去3年で最低だったが、何といっても、格闘技ファン以外にも名が通用する選手の出場がミルコ・クロコップくらいしかおらず、当然の結果ともいえる。“売り”は女芸人・野沢直子の娘、真珠・野沢オークライヤー、“ツヨカワ女王”RENA、“キック界の新星”那須川天心、“元UFC戦士”堀口恭司らの試合だったが、いかんせんマニアックすぎて一般の視聴者には響かなかった。

『RIZIN』は今年も大みそか興行の開催がすでに決定しており、フジで中継することが有力。予算の問題はあろうが、全盛期の『PRIDE』のように、世間に通用する知名度ある選手をラインナップしないかぎり、大きな視聴率アップは望めそうにない。

 前身番組である11年の『ビートたけしの勝手にスポーツ国民栄誉SHOW』時代を含め、7年目となったTBS系『KYOKUGEN』は、第1部(午後6時~7時50分)が5.9%、第2部(午後7時50分~10時15分)が5.9%、第3部(午後10時15分~11時)が4.0%、第4部(午後11時~11時35分)が2.2%で民放最下位に陥落した。

 もともと同番組は、発祥から後のボクシング3階級制覇王者・井岡一翔の試合中継が目玉になっていた。その成果は上々で、井岡の試合の時間帯では、12年には11.9%、13年には14.5%の高視聴率を獲得した。ところが、昨年は井岡が世界王座を返上し、大みそかの試合が中止となり、代わりに田口、木村翔、京口紘人の3大世界戦をテレ東から強奪して中継したが、その時間帯は5.9%と振るわなかった。

 第3部では引退したフィギュアスケート・浅田真央の演技を生放送したが、4.0%しか取れず、同時間帯でも民放ビリ。さらに、午後11時過ぎから井岡の電撃引退会見を生放送したが、事前の周知がなされていなかったことが響いたか、2.2%で断トツ最下位だった。井岡は新たな道にチャレンジする意向を示すとともに、復帰の可能性がゼロではないことを明かした。今年も同局が『KYOKUGEN』を継続するなら、井岡のサプライズ復帰戦くらいの“弾”を用意しないかぎり、苦戦は免れそうにない。

 総じて、民放では、日テレ『ガキ使』の変わらぬ独走と、テレ東の健闘ぶりが目立ったが、ほかの3局は、テコ入れ、見直しを図らないと、今年もまた惨敗するのは必至だ。(文=田中七男)

大みそか『紅白』の裏は今年もマンネリだが……“台風の目”はテレ東!

 大みそかの夜の楽しみのひとつといえば、各局が全勢力を注ぎ込んだ特別番組を見ることだろう。昨年の『第67回NHK紅白歌合戦』の視聴率は第1部が35.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)、第2部が40.2%で、多くの視聴者の関心が『紅白』に集まるのは揺るぎないところ。今年は安室奈美恵、桑田佳祐の出演も決まり、昨年以上の視聴率も望めそうな雰囲気だ。

 一方、反『紅白』の視聴者が多いのも事実で、民放5局が、残されたパイを奪い合うことになる。だが、今年は限りなくマンネリ感が漂っている。

 日本テレビは12年目を迎えた『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!! 大晦日年越しスペシャル 絶対に笑ってはいけないアメリカンポリス24時!』(午後6時30分~深夜0時30分)を放送する。マンネリを叫ばれながらも、昨年は第1部で17.7%、第2部で16.1%をマークして、7年連続で『紅白』裏の民放トップの座を守った。他局とは大差がついており、今年も『ガキ使』が民放首位に立つのは間違いないだろう。

 7年目となるTBS『KYOKUGEN2017』(午後6時~11時35分)は苦しいところ。同番組では例年、プロボクシング・井岡一翔の試合を中継していたが、当の井岡が世界王座を返上し、試合ができない状況に陥った。代わりに、田口良一VSミラン・メリンドのWBA・IBF世界ライトフライ級統一王座戦など、プロボクシング3大世界戦を中継するが、井岡と比べると、注目度が低すぎ。また、一昨年、昨年と元K-1戦士・魔裟斗の試合を生放送したが、それもなし。2つの目玉を失った同番組では、引退したフィギュアスケーター・浅田真央の演技や、ボブ・サップVS野獣クマなどをオンエアするが、苦戦は免れそうにない。

 テレビ朝日は『くりぃむVS林修! 年越しクイズサバイバー2017』(午後6時~深夜1時)を4年連続で放送。昨年は最高でも7.1%(第1部)しか取れなかった。企画自体に変化がないだけに、2ケタに乗せるのは至難のワザだろう。

 フジテレビは3年目となる『RIZIN FIGHTING WORLD GRAND PRIX 2017 バンタム級トーナメント&女子スーパーアトム級トーナメント 2nd ROUND&FINAL ROUND』(午後6時30分~11時45分)で勝負。昨年は第2部の7.1%が最高だったが、格闘技ファンではない一般層に訴えられるカードがないのが痛いところ。世間に響きそうなのは、ミルコ・クロコップVS高阪剛、ギャル・ガルシアVS神取忍くらいなもの。あとはお笑い芸人・野沢直子の娘である真珠・野沢オークライヤー、RENA、那須川天心、才賀紀左衛門らの試合で、どこまで視聴者を引きつけられるかがポイントになりそう。

 民放4局が例年通りを押し通す中、テレビ東京だけは変化してチャレンジする。昨年は『ウソのような本当の瞬間!30秒後に絶対見られるTV~大みそかは、世界の果てでお風呂に入ろうSP』と、田口良一、内山高志のW世界戦を中継した『大晦日ボクシングスペシャル THE BEST OF BEST』を放送したが、『ウソのような本当の瞬間!』は2.5%、ボクシング中継は3.9%と爆死。それもあって、今年は大みそか恒例の『第50回年忘れにっぽんの歌』(午後4時~10時)と『孤独のグルメ大晦日スペシャル~瀬戸内出張編~』(午後10時~11時30分)をオンエアする。

『年忘れにっぽんの歌』は、同局が1968年から大みそかに放送している歴史ある番組。14年までは『紅白』裏のゴールデン帯でオンエアされ、11年には8.0%を獲得し、『ガキ使』に次いで民放2位になったこともある。15年からは夕方の放送だったが、50回目の区切りとあって、3年ぶりにホールデン帯に復活する。過去の実績があるだけに、日テレ以外の民放局には要注意な存在になりそう。

『孤独のグルメ』は、12年から放送されている、松重豊主演のグルメドラマ。好評なことから、連ドラとして、シーズン6までオンエアされ、今年1月2日には正月特番が放送された。大みそかの夜にドラマが流れるのは異例中の異例だが、固定ファンが多い番組だけに、食われる局もありそうだ。

 総じて、『紅白』の裏は、『ガキ使』の独走に変わりはないだろうが、テレ東が“台風の目”になる可能性は十分だ。
(文=田中七男)

『ひよっこ』再結集の『ユニバーサル広告社』が“激コケ”! 沢村一樹は代表作『DOCTORS 最強の名医』で復権なるか

 今クール、テレビ東京系で放送された「金8」ドラマ『ユニバーサル広告社』(沢村一樹主演)はズタボロな視聴率で終わった。

 同作は、沢村が主演、和久井映見がヒロイン、そのほか三宅裕司、やついいちろうが出演し、9月までオンエアされたNHK連続ドラマ小説『ひよっこ』の主要キャストが集結。脚本家も、『ひよっこ』の岡田惠和氏が担当するとあって、注目を集めていた。

 ところが、初回で4.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)とつまずくと、第2話4.4%、第3話4.1%、第4話3.8%と低迷。第5話では5.0%まで上げたが、第6話は3.3%と急降下。最終回(第7話)は2.9%まで落ち込んで、さびしく幕を閉じた。全話平均は4.0%で、壮絶爆死を遂げた格好。

 同ドラマは、最近では珍しくなった“正統派”のアットホームなもので、コメディ要素もなし。岡田氏らしい、ほのぼのとした作品だったが、今の時代には、なかなか受け入れられなかったようだ。

 テレ東もいたく力を入れたドラマだったが、想定外の大コケで士気は下がり、沢村にとっては“黒歴史”となってしまった。

『ひよっこ』では、主人公・谷田部みね子(有村架純)の父親役を演じ、改めて、その存在感を示した沢村だが、前回の主演ドラマ『レンタル救世主』(日本テレビ系/昨年10月期)も平均7.2%と爆死している。主演した連ドラが2作連続でコケる事態になり、沢村の“主役”としての評価もぐらつくところだ。

 そんな折、沢村にとっては、そういったマイナスイメージを払拭するチャンスが訪れる。来年1月4日に、テレビ朝日系の新春ドラマスペシャルとして、自身の代表作である『DOCTORS 最強の名医』が放送されるからだ。

 同ドラマは2011年10月期に第1シリーズが放送され、平均14.8%の高視聴率をマーク。第2シリーズ(13年7月期)は、第1シリーズを上回る平均18.3%を記録。第3シリーズ(15年1月期)も平均14.4%をマークした。13年6月、15年新春のスペシャルも高視聴率を挙げており、安定した人気を誇っているだけに、今回のスペシャルも期待は大。沢村にとっては、代表作で、その存在をアピールしたいところ。

 同ドラマで、沢村は患者に優しい笑顔を見せる一方で、非情な一面も持ち合わせる“スゴ腕外科医”相良浩介役を演じ、森山卓医師(高嶋政伸)と対立を続けてきた。舞台となる堂上総合病院の院長・堂上たまき役を演じてきた野際陽子さんが亡くなったため、たまきはブータンでの開業を決意し、日本を離れたとの設定。新院長には森山が就任し、さらに激しいバトルが繰り広げられることになりそうだ。

 ファンの間では、『DOCTORS』の連ドラでの復活が熱望されているようだ。沢村は来年のNHK大河ドラマ『西郷どん』に出演するが、スケジュール調整すれば、民放で連ドラ主演も可能だろう。テレ朝には、続編実現へ向け動いてほしいものだが……。
(文=田中七男)

『ひよっこ』再結集の『ユニバーサル広告社』が“激コケ”! 沢村一樹は代表作『DOCTORS 最強の名医』で復権なるか

 今クール、テレビ東京系で放送された「金8」ドラマ『ユニバーサル広告社』(沢村一樹主演)はズタボロな視聴率で終わった。

 同作は、沢村が主演、和久井映見がヒロイン、そのほか三宅裕司、やついいちろうが出演し、9月までオンエアされたNHK連続ドラマ小説『ひよっこ』の主要キャストが集結。脚本家も、『ひよっこ』の岡田惠和氏が担当するとあって、注目を集めていた。

 ところが、初回で4.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)とつまずくと、第2話4.4%、第3話4.1%、第4話3.8%と低迷。第5話では5.0%まで上げたが、第6話は3.3%と急降下。最終回(第7話)は2.9%まで落ち込んで、さびしく幕を閉じた。全話平均は4.0%で、壮絶爆死を遂げた格好。

 同ドラマは、最近では珍しくなった“正統派”のアットホームなもので、コメディ要素もなし。岡田氏らしい、ほのぼのとした作品だったが、今の時代には、なかなか受け入れられなかったようだ。

 テレ東もいたく力を入れたドラマだったが、想定外の大コケで士気は下がり、沢村にとっては“黒歴史”となってしまった。

『ひよっこ』では、主人公・谷田部みね子(有村架純)の父親役を演じ、改めて、その存在感を示した沢村だが、前回の主演ドラマ『レンタル救世主』(日本テレビ系/昨年10月期)も平均7.2%と爆死している。主演した連ドラが2作連続でコケる事態になり、沢村の“主役”としての評価もぐらつくところだ。

 そんな折、沢村にとっては、そういったマイナスイメージを払拭するチャンスが訪れる。来年1月4日に、テレビ朝日系の新春ドラマスペシャルとして、自身の代表作である『DOCTORS 最強の名医』が放送されるからだ。

 同ドラマは2011年10月期に第1シリーズが放送され、平均14.8%の高視聴率をマーク。第2シリーズ(13年7月期)は、第1シリーズを上回る平均18.3%を記録。第3シリーズ(15年1月期)も平均14.4%をマークした。13年6月、15年新春のスペシャルも高視聴率を挙げており、安定した人気を誇っているだけに、今回のスペシャルも期待は大。沢村にとっては、代表作で、その存在をアピールしたいところ。

 同ドラマで、沢村は患者に優しい笑顔を見せる一方で、非情な一面も持ち合わせる“スゴ腕外科医”相良浩介役を演じ、森山卓医師(高嶋政伸)と対立を続けてきた。舞台となる堂上総合病院の院長・堂上たまき役を演じてきた野際陽子さんが亡くなったため、たまきはブータンでの開業を決意し、日本を離れたとの設定。新院長には森山が就任し、さらに激しいバトルが繰り広げられることになりそうだ。

 ファンの間では、『DOCTORS』の連ドラでの復活が熱望されているようだ。沢村は来年のNHK大河ドラマ『西郷どん』に出演するが、スケジュール調整すれば、民放で連ドラ主演も可能だろう。テレ朝には、続編実現へ向け動いてほしいものだが……。
(文=田中七男)

ついにフジテレビがテレ東をパクった!? “素人密着モノ”参入に、業界内から冷たい視線

 視聴率競争で後塵を拝し、「振り向けばテレ東」などと揶揄されてきたフジテレビ。そんなフジが、ついに番組作りまで「テレ東をパクった」と話題になっている。

 問題の番組は、12月10日の16時からフジテレビで放送された『私の家を壊して下さい』という番組だ。たまたま放送を見ていた同局関係者は、これが自局の番組だったことに大いに驚いたそうだ。

「この番組は、タイトルそのままに、使わなくなった家を解体する過程を追ったドキュメンタリーです。ある家庭に密着して、家を壊すことになった経緯や、家にまつわる思い出を聞き出し、最後は実際に家を解体する様子と、それを眺める家族の姿を追うものでした。日曜の夕方という枠は、一般視聴者にとってはエアポケットのような時間帯ですが、パイロット版(評判が良ければゴールデンやレギュラーに昇格する、テスト用の番組)がしばしば放送されるので、テレビマンにとっては要チェックの時間帯です。今回の『私の家を~』も、おそらくその類いでしょう。内容自体は面白かったのですが、エンディングロールを見ていたら、これがカンテレ(関西テレビ/フジテレビ系列)制作の番組だったことに驚きました。私はてっきりテレビ東京だと思って見ていたのです」

 同様な感想を抱いたのはこの関係者だけでなく、ネットにも、

「なんかテレ東の手法を安易にパクッた的な……」

「テレ東の遅れ番組(制作した放送局以外の局でも放送する時に、発局の放送から遅らせて放送すること)かと思ったら、フジの全国ネットか」

「めっちゃテレ東臭のする番組だな」

 といった書き込みが続出。いったいどこがテレ東的だったのか?

「テレ東といえば、訪日外国人がターゲットの『YOUは何しに日本へ?』、終電を乗り過ごした人などについていく『家、ついて行ってイイですか?』、最近の大ヒット『池の水をぜんぶ抜く』など、実録モノというか、密着ドキュメンタリーが軒並み大ヒットし、高評価を得ています。今回の『私の家を~』の番組作りは、完全にそういった流れを踏襲したものです。そもそもテレビ業界には、かつての大食いバトル、警察密着ドキュメント、最近はやりのカラオケバトル、年末年始に定番となったマグロ漁など、他の局で当たったものをパクってくるのが恥ずかしいという概念がありません。むしろ『ウチもやれ』と、尻を叩かれるぐらいです。ただ、フジテレビがいくら落ちぶれたからといって、会社の規模は比べ物にならないわけで、予算がないからこそアイデアで勝負しているテレ東からヒントをもらってくるようでは、プライドも何もあったものじゃないですね」

 もし、「テレ東の企画に、ウチの予算をつぎ込んだら……」などと考えているようなら、いよいよ「振り向けばテレ東」の立ち位置さえも怪しくなりそうだ。

激戦区の日曜ゴールデン帯で“王者”日テレが大失策! さんま特番惨敗で、テレ東、フジが肉薄

 激戦区の日曜ゴールデン帯で、独走する“王者”日本テレビが“編成ミス”で視聴率を大きく落す失策を演じてしまった。

 日テレでは、通常、同時間帯に『ザ!鉄腕!DASH!!』『世界の果てまでイッテQ!』『行列のできる法律相談所』をオンエアし、圧倒的な強さを見せている。前週(19日)は、『DASH!!』が17.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)、『イッテQ!』が19.9%、『行列』が13.6%の高視聴率を獲得していた。

 26日は、これらの3番組をすべて休止し、午後7時より、3時間枠で、『誰も知らない明石家さんま NGなしロングインタビューで解禁&さんま青春時代ドラマ』を放送。同番組はさんまにロングインタビューを行い、13個の質問にNGなしで応えたものだったが、視聴率は13.9%どまり。午後7時から9時の時間帯に関しては、通常番組より、大きく数字を落としてしまった。

 同番組は、昨年11月26日に、土曜午後7時から2時間枠でオンエアされ、13.5%を獲得した。今回とは放送曜日が異なっており、同じレベルで比較はできないが、日曜ゴールデン帯にもってきた日テレの編成ミスといえそうだ。

「日テレの日曜ゴールデン帯のレギュラー番組は、他局の追随を許しません。それなのに、わざわざ休止してまで、さんま特番を放送したのは明らかに失策。編成部は責任を問われかねません」(テレビ誌関係者)

 この機に乗じて、高い視聴率を挙げたのは、ふだん低視聴率に苦しんでいるテレビ東京とフジテレビだった。テレ東は、注目度急上昇中の『緊急SOS!史上最大の池に異常発生!怪物1万匹!? 池の水ぜんぶ抜く大作戦5』(午後7時54分~9時54分)を放送し、12.8%をマーク。フジテレビは、『ニチファミ!』枠の『中居正広のプロ野球 珍プレー好プレー大賞2017』(午後7時~9時54分)が、奇跡ともいえる11.0%を獲得した。

 今年1月15日に第1弾が放送された『池の水ぜんぶ抜く』は、当初は8%台だったが、その後、グングン数字を上げ、9月3日の第4弾では11.8%と初の2ケタ台を記録。第6弾は、正月特番の3時間スペシャルとしてオンエアされることが決定。特番枠とはいえ、今後テレ東の目玉番組となるのは必至だ。

 そのほかの局では、TBS日曜劇場『陸王』(午後9時~9時54分)が安定の16.3%をマーク。NHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』(午後8時~8時45分)は、自己ワースト4位タイの11.3%と低調だった。

 テレ東、フジが2ケタに乗せたことで、割を食ったのが27年ぶりにレギュラー復活した『ビートたけしのスポーツ大将』(テレビ朝日系/午後7時58分~8時54分)の第2回で5.8%と爆死。12日の初回は12.6%とよかったが、半減以下に落ち込んでしまった。

 次回12月3日、日テレは通常番組に戻り、テレ朝は『M-1グランプリ2017』(午後6時57分~10時10分)を放送。TBS系は『東大王★2時間半SP★豪華芸能人12人が天才東大生にクイズで勝ったら100万円!』(午後6時30分~8時54分)をオンエアし、盤石の『陸王』につなげるが、今週も各局の熾烈な視聴率獲得合戦が繰り広げられることになりそうだ。
(文=田中七男)

マニアが愛する映画を大胆に弄り倒す『要博士の異常な映画愛』が、識者から批判されないのはなぜ?

 10月16日よりスタートした『要博士の異常な映画愛 勝手にセリフ変えてみました』(テレビ東京系)が、非常に文化系だ。

 番組ホームページには、こう書いてある。

「都内某所に、支配人の映画愛がスゴ過ぎて、昔の名画に新たなセリフや音楽を当てた、オリジナルの動画を作るという“遊び”をはじめちゃったサロンがあるという。」

“新たなセリフ”って、どんなものだろう? 例えば、歴史的名画『シェーン』には、馬に跨りワイオミングの山へと去っていく主人公・シェーンの後ろ姿に向かい、少年・ジョーイが「シェーン! カムバーック!!」と叫ぶ有名なラストシーンがある。

 ここに、同サロンは全く別の新たなセリフを当ててしまった。

ナレーション 家族や街を救い、去っていくシェーンに向かって少年・ジョーイが叫んだ一言。

ジョーイ シェーン! そっち行くと交流電源の周波数が60ヘルツだから気をつけて~!

 上記の例は、まだおとなしい方。当てるセリフ次第では、全く別の作品になってしまうから面白い。

ジョーイ シェーンっておっぱい触ったことある?

シェーン 当たり前だ。大人だし、先週も触った。っていうか、揉んだ。超やわらかい。(シェーンの頭を撫で)今、お前の頭を触ってるこの手、この手で揉んだ。

ジョーイ どれくらい柔らかい?

(シェーンは無言で立ち去り、ジョーイが後を追う)

ジョーイ ねぇ、どれくらい柔らかいの?

シェーン 今日も揉むぞー。

ジョーイ 二の腕と同じって本当? コンビニの大福にも似てるって聞いたけどー。この世で一番柔らかいのは、馬場ふみかのおっぱいだよねー?
(馬に跨りワイオミングの山へと去っていくシェーン)

ジョーイ 馬場ふみかの手ブラ、サイコーー!!

 感動の名ゼリフ「シェーン! カムバーック!!」を「馬場ふみかの手ブラ、サイコーー!!」に置き換えることで、西部劇だったはずが、思春期の少年のリビドーを描く心象青春記へと様変わりした。まさに、オリジナル!

 

■昭和初期の“凄い坊や”を、セリフを置き換えて石田純一にしてしまう

 

 このサロンが扱うのは、純粋な映画のみではない。かつて、映画館では映画のみならずニュースも上映していたという。アナウンサーが読み上げる文言を全く異なるものに置き換え、新たな生命を吹き込む。結果、ミラクルが起こるのだ。

 例えば第1回では、満2歳なのに読み書きができる男の子を報じるニュース映画が紹介された。「月火水木金」と曜日の漢字を鉛筆で書き、難しい文章の載った新聞を読み、その上、アルファベットまで書くことができる坊やを報じるニュースだ。

 この映像に、同サロンは全く新しい原稿を当てている。

「あの有名俳優の幼少期の映像が残っていました。東京都は目黒区出身、本名は石田太郎。そう、石田純一さんです。当時からモテモテで、この日は女性と会うスケジュールを立てています。やはり、金曜日は殺到するそうで、今週はなんと5人の女性と会う予定」

「『不倫は文化』発言で、この新聞の芸能面にデカデカと載ることは、当時の純一少年は知る由もありません」

「早稲田大学に入学するほど頭脳明晰な純一さん。5歳にして英語の勉強です。あらあら、アルファベットに少し苦労している様子。『H』だけはすんなり書きました。末恐ろしいです」

 内容が根こそぎ刷新されている! いやはや、大胆な遊びである。

 

■映画に一家言を持つマニアに攻撃されない理由

 

 こういった類の番組が放送されるや、ジャンルに一家言を持つ識者らから不満の声が上がるのは世の常。例えば、『アメトーーク!』(テレビ朝日系)が「読書芸人」なる企画を行えば「作り手が本好きじゃないのでキツい」なんて声がSNS上では散見されてしまうし、ガチの家電好きが「家電芸人」へ抱く悪感情についても耳に入ってくる。

 しかし、『要博士の異常な映画愛』に関しては、そういう声をまだ聞かない。やってることは、正直スレスレだ。だって、名画のストーリーをごっそり変換してしまってるのだから。

 ちなみに、新たなセリフを考えているのは、劇作家、お笑い芸人、落語家、作家、放送作家、脚本家など、総勢50人以上の面々。具体名を挙げると、作家のせきしろ、放送作家の内村宏幸、渡辺雅史、あないかずひさ、お笑い芸人の赤嶺総理、がじん祥太、ネタ職人の鳥獣戯画ジャクソンといった顔ぶれである。

 正直、かなりのうるさ型ばかりだ。だからこそ、映画マニアからの批判にさらされずにいられるのだろう。

 番組スタート時、プロデューサーの太田勇は「番組で扱うのは誰でも知っている有名な古典映画ばかりです。この番組をキッカケに、昔の名画を観てみようと思ってもらえるとうれしいです」とコメントしている。

 どうやら、作り手の側も映画愛には溢れているよう。なるほど、余計な心配はご無用のようだ。
(文=寺西ジャジューカ)