画像無断転載、ものまねメイク加工疑惑……ざわちんの“筆跡”からわかる「炎上しやすい体質」

 一般人が撮影した東京ディズニーシーの写真を自身が撮影したかのようにブログに投稿したり、SNSへの非常識な内容の投稿で炎上(既報)、また得意の「ものまねメイク」への画像加工疑惑について、ネットで有志が解析会社に依頼した結果、「クロ」であったざわちん。他人の撮影した写真を使用したことは、画像検索の機能を使えばネットで簡単に調べられるが、そんな「調べればすぐにバレること」をやってのけてしまう背景には何があるのか? ざわちんの人となりを、筆跡鑑定人で、筆跡心理学に基づいた書籍『自分のイヤなところは直る! ~名前を書くだけ~』(東邦出版)の著者・牧野秀美氏に、Twitterにアップされた手書きの筆跡から読み解いてもらった。

■理屈ではなく、反射的に行動するタイプ

――ざわちんさん、読みやすい字ですよね。

牧野秀美氏(以下、牧野) 余白の多い、見やすいレイアウトは、古風で好ましい感じを受けます。書字技量は決して高いとはいえませんが、ひらがなの形がきれいなのと、字間の詰まっていない縦長文字から、落ち着きを感じさせます。前回の土屋太鳳さんのような、息苦しい圧迫感を感じません。

――ちなみに、習字で字の矯正をしていても、筆跡に個性は出るものなのでしょうか?

牧野 書道や硬筆などを習っていた場合、同じお手本で練習しているわけですから、文字の形は矯正されますが、書き続けているうちに、自分なりのクセは出てくるものです。

 さて、ざわちんさんの字ですが、「おっとり」というよりも、「マイペース、ゴーイングマイウェイ」タイプですね。

 まず、書き始めもひねりなどはなく、相手にあまり警戒心を抱かせないタイプだといえそうです。また、「今」の字の長い左払いは、見られることが心地いい、華やかな場所で活躍したいといった願望を表していることや、「澤」の字のへんとつくりの間隔が狭く、自分の世界に没頭する職人気質であることから、自身の世界を追求するモノマネメイクのお仕事は、まさに天職だといえるでしょう。

――ただ、字の配置が、たまに妙ですよね。

牧野 はい。問題なのは「高校生活青春できな…」で見られる行のブレや、「青春」の横線の間隔がばらばらであること、「勝」の字で表れている線と線が衝突している異常接筆、これらの特徴は、高い精神性や理想を持ちながらも、それをぶち壊してしまう衝動性を表しています。それが普通の人なら、しり込みするようなことを平気でやってのける行動力につながっていると考えられます。ざわちんさんは理屈ではなく、ぱっとひらめいたものに対して反射的に行動するタイプなのかもしれません。

 また、全体的にハネが弱く、切り替えが早い方です。何事もあまり深く考えず、手早くササッとやってしまうのでしょう。

 

zawachin_handwriting2

――「炎上上等!」という感じではなく、「あまり考えずに、さくっとやっちゃう」みたいな感じなんですね。かえって怖いですが。

牧野 また、「日」や「男」の字の接筆(四角い文字の左上の角)が開いていたり閉じていたり、角が丸かったり角ばっていたりと、一貫性がないことから、考え方や行動の基準が一定しておらず、「まあいいか」と自分勝手に物事を考えてしまいがちな面が出てくるようです。本人的には、それらを深刻な問題として捉えていないのではないでしょうか。

――「大胆なことをしたい」+「切り替えが早い」+「まあいいか、で深刻にとらえない」となると、ハートが強すぎますね。真木よう子さんもTwitterで炎上を何発かやらかして、今はやめてしまいました。また、体調不良で、出演予定だった映画を降板しています。その原因がTwitterかはわかりませんが、つくづく、SNSは向き不向きがありますね。

牧野 ざわちんさんは、ものまねメイクにおいて、仕上がりに対する高い完成度を安易に求めてしまう、つまり、過度の演出をコントロールできない衝動性が、今回のように騒がれる問題を引き起こしているのかもしれません。実際、TVやイベントはメイクとアングルのみの勝負ですし、結果を出しているからこそ、こうして活躍されているのですから、疑惑を招くような小細工は必要ないのでは、とも思います。これからは、影響力のあるタレントとして、自身の行動を意識していくことは大切だと思います。いろいろな経験をバネに、自分の価値観を確立して、さらに活躍してほしいと思います。
(石徹白未亜)

牧野秀美
筆跡鑑定人。筆跡アドバイザー・マスター。筆跡心理学をもとにした鑑定と診断を行う。著書に『自分のイヤなところは直る! ~名前を書くだけ~』(東邦出版)
ほっかいどう筆跡鑑定研究所

「美人○○アドバイザー」が狙う名声と男――朝活に集う“自分で肩書をつけるオンナ”とは?

 ここ数年のトレンドとして、自らに肩書を付けTwitterやブログというようなSNSを使って活動する「自称〇〇」が増えている。今では当たり前となった「ブロガー」や「インスタグラマー」も、元々はネット時代の新しい“肩書系”職業だろう。その成功例と言えば、日本だけには留まらず世界的な有名人となった「こんまり」こと近藤麻理恵。彼女は『人生がときめく片づけの魔法』(サンマーク出版)がベストセラーとなり、その名をメディアにとどろかせたが、当初は「片付けコンサルタント」と自称していた。

 自身の編み出したハウツーの価値を高め、情報商材として売り込み、仕事にする。そんな成功を夢見る、新たな肩書女子が出没するホットスポットとなっているのが、なんと「朝活」だという。耳慣れない未知の肩書が世にあふれ、そのインパクトに好奇の目を向ける人が多い中で、彼女たちの“素顔”が気になる人も少なくないのではないだろうか。かねてから、女性同士のコミュニティに興味を持ち、自らそこに飛び込んで研究している筆者は、その活動の一環として、ベールに包まれていた朝活に参加してきた。今回は、筆者が数々の朝活現場で遭遇した“自ら肩書をつける女”たちの実態についてレポートする。

■そもそも「朝活」とは何か?

 朝活とは、文字通り出社前の時間を使い、異業種交流会として意見交換をするのがメインで、それは「朝会」と呼ばれている。朝会の舞台となるのは、おしゃれなカフェや少し敷居の高い店のケースが多く、ビュッフェの料理や、カフェのドリンクなど「インスタ映え」と呼ばれる要素も兼ね備えている。夜に開かれる勉強会よりも、カフェでのドリンク代のみと費用が安く済むので、本業での収入が少ないものにとっては、ありがたいと言えるだろう。

 テーマを持った朝会の中でもポピュラーなのが「読書会」。1~ 3分程度で、最近読んだ本をみんなの前でプレゼンするのが定番だ。「ビジネス書」や「自己啓発書」というようなツッコミどころが少ない本を取り上げる人が多く、それは、その場で恥をかきたくないという精神からなのかもしれない。ある意味、朝会は純粋な「読書好き」が集まるような趣味の集いとは一線を画しているようだ。

 では実際に、朝会に集う肩書女子は、一体どんな人物なのだろうか。筆者の見たところ、自分が広告塔となり、SNSなどで顔出しをしているタイプと、野心に燃えた起業家タイプが二大勢力。服装からして特徴的で、前者は「愛されOL系」ファッションが多く、トップスは白や薄ピンクのような顔写りの良い色合いを選びがち。ボトムはフレアスカートにローヒールのパンプスが定番だ。後者は反対に、大柄の花柄や幾何学模様柄のノースリーブワンピに、カーディガンという組み合わせが目につく。ワンピに使われている色がラッキーカラーというケースも多く、その場合は、もれなくスマホケースやネイル、名刺入れなども同じ色で統一しているのですぐわかる。

 どのような肩書を自らにつけているのかといえば、相手の生活やスタイルを変化させるコンサル業のタイプが多い。なかでもよく見かけるのが「ライフスタイル」や「ライフ」という言葉を使った肩書。「ライフスタイルアドバイザー」「ライフスタイルコンサルタント」「ライフオーガナイザー」という「ライフスタイル」プラス「○○」というのがよく見かけるパターン。業務内容は、「ライフスタイルを提案」というざっくりとしたテーマで、家具の提案に始まり、人生そのもののキャリアプランの相談に応じたりと、枚挙にいとまがない。このタイプは話し方も、「私の場合は」と自分の話題に持っていきがちで、それぞれに持ち時間のあるスピーチに割り込んで話し出すなど、周りがいらいらしている場面を見かけたことも。ある起業家向けの朝会では、最終的な目標が「本を出版すること」と語る者もいて、「ユーチューバー的な一獲千金の成功を夢見ている」一面も垣間見えていた。

■「美人」肩書系の特徴

 ルックスに自信があるタイプの女性で多いのが「美人」がつく肩書。「美人計画アドバイザー」「〇〇美人アドバイザー」など、生活環境や、食生活を改ざんすることで、もっと美人になれるというのが売りである。発言がとにかくポジティブで、SNSの自己紹介に「口角を上げてスマイル!」「みんなの役に立ちたい」というようなコメントが並び、朝会でもネガティブな発言をする人に対して「大丈夫! 頑張っている人は報われるよ」と、やや上から目線の発言を繰り出したりする。SNSの更新や自撮りが好きなタイプも多く、SNS用に自撮りライトも持ち歩く人も。正直、目立ちたがり屋の女子に見えてしまうのだが、発言権が順番に回るような読書会では、相手の方に体を向け「聞いていますよ」アピールをしていて、他人に好印象を与えることも意識しているように見える(身なりなどの女子力が高いからかもしれないが)。

 そんな彼女たちを見ていて気づいたのが、「ライフスタイル」系も「美人」系も、どちらも、資格がいらず、どこかにニーズがありそうな肩書をつけているところ。もしかしたら、朝会という実生活とは違う場所で自ら付けた肩書を名乗ることで、自信を付けているのかもしれない。

 彼女たちにとって、朝会は人脈開拓の格好のターゲットを見つける場所となっているようだ。彼女たちは自己紹介で、今後の人脈にプラスがあると感じた相手にだけ、自分の名刺を配るというしたたかさを見せる。名刺には、電話番号などの連絡先は書かずに、肩書とSNSのアカウント名だけ書かれており、朝会で知り合った相手とは基本的にSNSでつながるという。筆者も、肩書女子とSNS上でつながり、相手の友達リストを確認してみた。だいたいリスト上では300~500人以上の人数が表示される者が多く、なかには1,000人越えも。これは、一度しか会ったことがない人に友達申請を送り、リスト上の人数やフォロワーを増やして「人脈がある」ように見せているのではないかと想像させられる。さらには、連絡先を聞かれても「メッセンジャーで送ってください」というツワモノにも遭遇したのだが、これは、「相手が怪しかったらすぐに切るため」だと聞いた。朝会におけるノウハウみたいなものが、実は存在しているのかもしれないと思った。

 さらに朝会は、「起業したい人集まれ」や、「日経新聞を読む会」というビジネス寄りのテーマも多く、起業塾のような高額な勉強会やコンサルティングを受けなくても、朝会でそのような人脈と出会ったり、無料で相談ができる面もある。参加者の中には、それを期待する野心家もいるため、質疑応答の時間では足りずに、朝会が終了してからも有識者に質問攻めしている姿を見かけたことも。比較的、お金をかけないで何かしようとする点が、実際にビジネスプランがあって起業する女性と、圧倒的に違う部分ではないかと感じた。

■実は「隠れ」婚活層も?

 そんな野心家たちが朝会に求めるものは、仕事での人脈だけではないようだ。ルックスに自信のあるタイプは、隠れ「婚活」層でもある――朝会界隈では、そんな話を耳にしたことがある。著者が参加した朝会では、男性が既婚者の出席者しかいなかったため、出していた名刺入れをしまった女性も見かけた。なんでも「合コンや街コンのような“男性に気を使い、数時間を共にする婚活”よりも、出社時間の関係でスパっと終わりという時間が決まっている朝活は、良い部分しか見せずに済むので利用価値が高い」と踏んでいるようなのだ。

 そもそも、出社前の時間を豊かにするのを謳っているので、自ずと男性の参加者は会社員がメインとなる。朝会に出会いを求めている肩書女子と話していると、固定給が入るわけではないため、生活が安定しないフリーランスのような自由業の男性ではなく、大企業の会社員に狙いを定めている人が多いことに気づく。彼女たちは、将来的なビジネスプランを語るよりも、「自分らしく好きなことをしていたい」と口々に言う。そこには「楽して暮らしたい」願望を秘めているのではないかとも感じるのだ。朝会の開催時刻は朝6時台から8時までがコアタイムなので、出社時間が決まっていないフリーランスにとって、わざわざ早起きをして参加するのはハードルが高い。それだけに朝会は、朝から勉強会に参加するような真面目な男性と出会うことが可能と言える。

 では、朝会に参加するような真面目な男性とはどういうタイプなのだろうか。出席者の中には、新聞社に勤務する記者や、英語を必要とする外資系企業に勤めている会社員などが混じっている場合もあり、これらの職業は肩書女子好みである。より身元が確かそうな男性との出会いを求めるなら、自ら「日経新聞を読む」朝会や、経済アナリストを迎えた勉強会を選ぶこともできるし、さらにはSNSのアカウントを使った出欠確認の場合、出身大学や勤務先までプロフ画面でチェックできる。朝会は「手堅い」出会いの場として機能しているのだろう。一方の男性側も、お酒の席が苦手だが、出会いを求めて朝会に参加している者も一定数存在しているようだ。

 朝会当日、近くになった男性の横に座ろうとしたら、「美人〇〇」を自称する女性が「私、奥の席が良いので」と言って、割り込んできた。よく見たら、女性のスマホの画面には、その男性のSNSのプロフ画面が表示されていた。後で知ったのだが、誰の近くの席に座るかを決めるために、あらかじめ出席リストを確認してから来ていたらしい。そんな肩書女子の姿を見ていると、やはり積極的に婚活として朝会を利用しているのだと、改めて驚かされた。確かに、SNSでの事前準備をきちんとしておけば、相手の好みなどもリサーチできるし、知的で夜遊びをせずに早起きする規律正しい女性というのも、会話から演出できるのも利点なのだろう。異業種交流会や、読書会という少し“知性”を感じさせる題材が多いのが、肩書を自分でつける女性たちのような「意識高い系」のニーズと合致しているのかもしれない。

 彼女たちが、自分に肩書を付ける理由は、“無職”や“フリーランス”という言葉に抵抗があるからのように思えるが、なかには、普段は会社員をしながら、副業として「自称○○」の肩書で活動している者も増えている。それは、副業での目的が「注目を浴びたい」という心理からきているのではないだろうか。現に肩書系女性のSNSには、仕事に関する記述が少ない。どこで、誰のために何のコンサルタントをしたのか。消費者となるユーザーは誰なのか、商品となる情報は何なのか不明なまま。それでも「肩書」を名乗り続けるのには理由がある。

 ただのOLだけでは、「いいね!」は思うようには伸びない。でも、「美人計画アドバイザー」だったら。「ライフスタイルアドバイザー」だったら。#ハッシュタグと呼ばれる検索ワードをたくさんつけ、朝会でのキラキラした料理が並ぶテーブルをアップし、SNSにアップ。普段とは違う自分を、肩書を付けることで格上げしプロデュースする姿は、「かまってもらいたい」という承認欲求の表れかもしれない。

 肩書女子の中には、自己紹介などで「パワースポット巡り」や、神社などの「御朱印集めが趣味」だという人も多い。パワーストーンや滝行というようなスピリチュアルにハマるような女性と、どこか性質が近いのだ。もしかしたら、肩書女子が望んでいるのは「ビジネスの成功」ではなく、チヤホヤされたいという抑えきれない願望なのかもしれない。朝活のその先には、注目を浴びたいという「自称〇〇」がたくさん潜んでいる。
(文=池守りぜね)

「美人○○アドバイザー」が狙う名声と男――朝活に集う“自分で肩書をつけるオンナ”とは?

 ここ数年のトレンドとして、自らに肩書を付けTwitterやブログというようなSNSを使って活動する「自称〇〇」が増えている。今では当たり前となった「ブロガー」や「インスタグラマー」も、元々はネット時代の新しい“肩書系”職業だろう。その成功例と言えば、日本だけには留まらず世界的な有名人となった「こんまり」こと近藤麻理恵。彼女は『人生がときめく片づけの魔法』(サンマーク出版)がベストセラーとなり、その名をメディアにとどろかせたが、当初は「片付けコンサルタント」と自称していた。

 自身の編み出したハウツーの価値を高め、情報商材として売り込み、仕事にする。そんな成功を夢見る、新たな肩書女子が出没するホットスポットとなっているのが、なんと「朝活」だという。耳慣れない未知の肩書が世にあふれ、そのインパクトに好奇の目を向ける人が多い中で、彼女たちの“素顔”が気になる人も少なくないのではないだろうか。かねてから、女性同士のコミュニティに興味を持ち、自らそこに飛び込んで研究している筆者は、その活動の一環として、ベールに包まれていた朝活に参加してきた。今回は、筆者が数々の朝活現場で遭遇した“自ら肩書をつける女”たちの実態についてレポートする。

■そもそも「朝活」とは何か?

 朝活とは、文字通り出社前の時間を使い、異業種交流会として意見交換をするのがメインで、それは「朝会」と呼ばれている。朝会の舞台となるのは、おしゃれなカフェや少し敷居の高い店のケースが多く、ビュッフェの料理や、カフェのドリンクなど「インスタ映え」と呼ばれる要素も兼ね備えている。夜に開かれる勉強会よりも、カフェでのドリンク代のみと費用が安く済むので、本業での収入が少ないものにとっては、ありがたいと言えるだろう。

 テーマを持った朝会の中でもポピュラーなのが「読書会」。1~ 3分程度で、最近読んだ本をみんなの前でプレゼンするのが定番だ。「ビジネス書」や「自己啓発書」というようなツッコミどころが少ない本を取り上げる人が多く、それは、その場で恥をかきたくないという精神からなのかもしれない。ある意味、朝会は純粋な「読書好き」が集まるような趣味の集いとは一線を画しているようだ。

 では実際に、朝会に集う肩書女子は、一体どんな人物なのだろうか。筆者の見たところ、自分が広告塔となり、SNSなどで顔出しをしているタイプと、野心に燃えた起業家タイプが二大勢力。服装からして特徴的で、前者は「愛されOL系」ファッションが多く、トップスは白や薄ピンクのような顔写りの良い色合いを選びがち。ボトムはフレアスカートにローヒールのパンプスが定番だ。後者は反対に、大柄の花柄や幾何学模様柄のノースリーブワンピに、カーディガンという組み合わせが目につく。ワンピに使われている色がラッキーカラーというケースも多く、その場合は、もれなくスマホケースやネイル、名刺入れなども同じ色で統一しているのですぐわかる。

 どのような肩書を自らにつけているのかといえば、相手の生活やスタイルを変化させるコンサル業のタイプが多い。なかでもよく見かけるのが「ライフスタイル」や「ライフ」という言葉を使った肩書。「ライフスタイルアドバイザー」「ライフスタイルコンサルタント」「ライフオーガナイザー」という「ライフスタイル」プラス「○○」というのがよく見かけるパターン。業務内容は、「ライフスタイルを提案」というざっくりとしたテーマで、家具の提案に始まり、人生そのもののキャリアプランの相談に応じたりと、枚挙にいとまがない。このタイプは話し方も、「私の場合は」と自分の話題に持っていきがちで、それぞれに持ち時間のあるスピーチに割り込んで話し出すなど、周りがいらいらしている場面を見かけたことも。ある起業家向けの朝会では、最終的な目標が「本を出版すること」と語る者もいて、「ユーチューバー的な一獲千金の成功を夢見ている」一面も垣間見えていた。

■「美人」肩書系の特徴

 ルックスに自信があるタイプの女性で多いのが「美人」がつく肩書。「美人計画アドバイザー」「〇〇美人アドバイザー」など、生活環境や、食生活を改ざんすることで、もっと美人になれるというのが売りである。発言がとにかくポジティブで、SNSの自己紹介に「口角を上げてスマイル!」「みんなの役に立ちたい」というようなコメントが並び、朝会でもネガティブな発言をする人に対して「大丈夫! 頑張っている人は報われるよ」と、やや上から目線の発言を繰り出したりする。SNSの更新や自撮りが好きなタイプも多く、SNS用に自撮りライトも持ち歩く人も。正直、目立ちたがり屋の女子に見えてしまうのだが、発言権が順番に回るような読書会では、相手の方に体を向け「聞いていますよ」アピールをしていて、他人に好印象を与えることも意識しているように見える(身なりなどの女子力が高いからかもしれないが)。

 そんな彼女たちを見ていて気づいたのが、「ライフスタイル」系も「美人」系も、どちらも、資格がいらず、どこかにニーズがありそうな肩書をつけているところ。もしかしたら、朝会という実生活とは違う場所で自ら付けた肩書を名乗ることで、自信を付けているのかもしれない。

 彼女たちにとって、朝会は人脈開拓の格好のターゲットを見つける場所となっているようだ。彼女たちは自己紹介で、今後の人脈にプラスがあると感じた相手にだけ、自分の名刺を配るというしたたかさを見せる。名刺には、電話番号などの連絡先は書かずに、肩書とSNSのアカウント名だけ書かれており、朝会で知り合った相手とは基本的にSNSでつながるという。筆者も、肩書女子とSNS上でつながり、相手の友達リストを確認してみた。だいたいリスト上では300~500人以上の人数が表示される者が多く、なかには1,000人越えも。これは、一度しか会ったことがない人に友達申請を送り、リスト上の人数やフォロワーを増やして「人脈がある」ように見せているのではないかと想像させられる。さらには、連絡先を聞かれても「メッセンジャーで送ってください」というツワモノにも遭遇したのだが、これは、「相手が怪しかったらすぐに切るため」だと聞いた。朝会におけるノウハウみたいなものが、実は存在しているのかもしれないと思った。

 さらに朝会は、「起業したい人集まれ」や、「日経新聞を読む会」というビジネス寄りのテーマも多く、起業塾のような高額な勉強会やコンサルティングを受けなくても、朝会でそのような人脈と出会ったり、無料で相談ができる面もある。参加者の中には、それを期待する野心家もいるため、質疑応答の時間では足りずに、朝会が終了してからも有識者に質問攻めしている姿を見かけたことも。比較的、お金をかけないで何かしようとする点が、実際にビジネスプランがあって起業する女性と、圧倒的に違う部分ではないかと感じた。

■実は「隠れ」婚活層も?

 そんな野心家たちが朝会に求めるものは、仕事での人脈だけではないようだ。ルックスに自信のあるタイプは、隠れ「婚活」層でもある――朝会界隈では、そんな話を耳にしたことがある。著者が参加した朝会では、男性が既婚者の出席者しかいなかったため、出していた名刺入れをしまった女性も見かけた。なんでも「合コンや街コンのような“男性に気を使い、数時間を共にする婚活”よりも、出社時間の関係でスパっと終わりという時間が決まっている朝活は、良い部分しか見せずに済むので利用価値が高い」と踏んでいるようなのだ。

 そもそも、出社前の時間を豊かにするのを謳っているので、自ずと男性の参加者は会社員がメインとなる。朝会に出会いを求めている肩書女子と話していると、固定給が入るわけではないため、生活が安定しないフリーランスのような自由業の男性ではなく、大企業の会社員に狙いを定めている人が多いことに気づく。彼女たちは、将来的なビジネスプランを語るよりも、「自分らしく好きなことをしていたい」と口々に言う。そこには「楽して暮らしたい」願望を秘めているのではないかとも感じるのだ。朝会の開催時刻は朝6時台から8時までがコアタイムなので、出社時間が決まっていないフリーランスにとって、わざわざ早起きをして参加するのはハードルが高い。それだけに朝会は、朝から勉強会に参加するような真面目な男性と出会うことが可能と言える。

 では、朝会に参加するような真面目な男性とはどういうタイプなのだろうか。出席者の中には、新聞社に勤務する記者や、英語を必要とする外資系企業に勤めている会社員などが混じっている場合もあり、これらの職業は肩書女子好みである。より身元が確かそうな男性との出会いを求めるなら、自ら「日経新聞を読む」朝会や、経済アナリストを迎えた勉強会を選ぶこともできるし、さらにはSNSのアカウントを使った出欠確認の場合、出身大学や勤務先までプロフ画面でチェックできる。朝会は「手堅い」出会いの場として機能しているのだろう。一方の男性側も、お酒の席が苦手だが、出会いを求めて朝会に参加している者も一定数存在しているようだ。

 朝会当日、近くになった男性の横に座ろうとしたら、「美人〇〇」を自称する女性が「私、奥の席が良いので」と言って、割り込んできた。よく見たら、女性のスマホの画面には、その男性のSNSのプロフ画面が表示されていた。後で知ったのだが、誰の近くの席に座るかを決めるために、あらかじめ出席リストを確認してから来ていたらしい。そんな肩書女子の姿を見ていると、やはり積極的に婚活として朝会を利用しているのだと、改めて驚かされた。確かに、SNSでの事前準備をきちんとしておけば、相手の好みなどもリサーチできるし、知的で夜遊びをせずに早起きする規律正しい女性というのも、会話から演出できるのも利点なのだろう。異業種交流会や、読書会という少し“知性”を感じさせる題材が多いのが、肩書を自分でつける女性たちのような「意識高い系」のニーズと合致しているのかもしれない。

 彼女たちが、自分に肩書を付ける理由は、“無職”や“フリーランス”という言葉に抵抗があるからのように思えるが、なかには、普段は会社員をしながら、副業として「自称○○」の肩書で活動している者も増えている。それは、副業での目的が「注目を浴びたい」という心理からきているのではないだろうか。現に肩書系女性のSNSには、仕事に関する記述が少ない。どこで、誰のために何のコンサルタントをしたのか。消費者となるユーザーは誰なのか、商品となる情報は何なのか不明なまま。それでも「肩書」を名乗り続けるのには理由がある。

 ただのOLだけでは、「いいね!」は思うようには伸びない。でも、「美人計画アドバイザー」だったら。「ライフスタイルアドバイザー」だったら。#ハッシュタグと呼ばれる検索ワードをたくさんつけ、朝会でのキラキラした料理が並ぶテーブルをアップし、SNSにアップ。普段とは違う自分を、肩書を付けることで格上げしプロデュースする姿は、「かまってもらいたい」という承認欲求の表れかもしれない。

 肩書女子の中には、自己紹介などで「パワースポット巡り」や、神社などの「御朱印集めが趣味」だという人も多い。パワーストーンや滝行というようなスピリチュアルにハマるような女性と、どこか性質が近いのだ。もしかしたら、肩書女子が望んでいるのは「ビジネスの成功」ではなく、チヤホヤされたいという抑えきれない願望なのかもしれない。朝活のその先には、注目を浴びたいという「自称〇〇」がたくさん潜んでいる。
(文=池守りぜね)

「保活しんどすぎる」ルポ――区役所の窓口で号泣、ママ友との友情終了の仁義なき争い

 世間をにぎわせた「保育園落ちた日本死ね!!!」というフレーズ。あのブログがエントリーされてから1年以上たつが、いまだ穏やかではない「保活」。待機児童の“数”にばかり目を向けられがちだが、入園をめぐり翻弄されるママたちは後を絶たない。「結婚し、子どもがいて、仕事もある」。現代版「女の幸せ」とされる満足度の高い人生を謳歌しているように見える「育児ママ」たちが抱える問題とは、一体何なのか。保活を通して見えてきた、東京の育児ママたちの本音に迫っていく。

 子どもを保育園に入れるために行う活動――通称“保活”。保活シーズンとも呼ばれる秋。次年度4月の入所に向けた申し込みが始まるこの時期は、育児中の「ワーママ」にとっては正念場だ。

 保育園には、大まかに3つのタイプが存在している。「認可」と呼ばれる国が定めた基準をクリアした園。その次に準ずるのが「認証」という東京独自の制度で、国の基準には達していないが、都独自の基準を満たしている園。最後が「無認可」と呼ばれる設備や保育士の人数にもバラツキがある「認可外保育園」。俗にいう“保活”とは、保育料も手ごろな「認可保育園」への入所に向けて準備することを主に指す。

 しかし、この「認可保育園」はいまだ数も少なく激戦。また、入所の可否は住んでいる自治体が行うため、本人の努力次第ではどうにもならない部分も多い。入所希望者の選考に関わる重要な数字を、「指数」と言う。例えば、両親ともにフルタイムの共働きの場合、40点というのが保育園に入所を考えている家庭の平均的な持ち点。そこに、家庭それぞれの理由(すでに認可外保育園を利用しているか、兄弟も保育園を利用しているか など)が加味され、ほとんどの共働き家庭がボーダーラインと呼ばれる40点台をキープしている。

 そんな一並びの状態で、来年2月に手にするのは「承諾」か「不承諾」か。保活をめぐって見えてきた子育ての闇。彼女たちが抱えている問題は、解消される日が来るのだろうか。

 メディアなどで大きく取り上げられるようになり、「保育園には簡単に入園できない」という事実だけが、独り歩きしている。独身女性や子どもがいない既婚者でも「なんとなく子育ては大変そう」と思う理由の1つに待機児童問題があるのではないだろうか。保活真っただ中の、恵さん(仮)は「ストイックに頑張ったのに結果が出せなかった」と語り始めた。

 恵さんは、アートやデザイン系の書籍を扱う出版社の正社員。昨年6月に男児を出産し、今年4月から職場復帰予定だったが、育児休暇を延長し来年度の4月入所を目指している。中学時代から、生徒会で書記を務め、地元でも有数の進学校である女子高に進学。上智大学に進学し、在学中はカナダの大学へ語学留学をするなど、「思い通りの人生」だったと言う。

 そんな彼女が言う「保活」とは、念入りに計算されたものだった。仕事で知り合ったデザイナーの男性と32歳で結婚し、高齢出産と定義されている35歳までに出産するのを目標に、妊活に励んだ。もちろん、「保活」に有利とされる4月から6月生まれを狙うために、妊活は逆算して8月から10月を中心に子作りをした。保活は、妊娠中から始まっている。

 一般的には、生後57日以上たっていないと保育所には入園できないというルールがある。募集枠が多い4月入所に応募するには、早生まれだといろいろと不利になるのだ。ある保育園では、毎月行う誕生日会が「12月生まれ」までしかいないという。これも過熱化した「保活」の結果かもしれない。

 「出産も狙い通り6月生まれで、妊娠中から認可に落ちた時のための認証や、認証外の保育所の見学も始めていて、準備は十分だったと思います。保活のために、夏以降はママ友と会うスケジュールも入れないようにして、役所に通ったりしていたのに」と、悔しそうな表情を浮かべる恵さん。

 あくまでウワサレベルだが「保育園に入れないと仕事ができなくて困る」ということを書いた「嘆願書」を申込書に添えた。申込書にある希望園の記入スペースの数が足りないので、紙を足して通えそうな範囲の保育所は全て書いて出した。しかし、結果は「不承諾」。

「うちは夫が在宅勤務なので、点数が引かれるんです。でも納得できません」

 来年度の点数に有利になるように、未認可保育所に11月から預け始めたという彼女。時短勤務のため、収入の半額近くが保育料で消えていく。

「どうせだったら、きちんとしたところがいいって思って。ネイティブの先生がいるインターナショナルスクールに預けています。でもこのままだと破産しそうなので、来年こそは認可に入りたいです」

 実際に、インターナショナルスクールに預けてみると、周りは仕事をしている間の「保育」を目的としたママではなく、子どもの教育を第一と考え預けている人が多くて話が合わない。

「ママ友とのLINEのグループチャットが1日に20件ほど来るんですよ。こっちは、そんな暇ではないのに。外遊び用の上着も、わざわざノース・フェイスとか高い物を着せていたり。プチセレブママが多くて、疲れます」

 このように、プライドから、認可外には預けず「プリスクール」と呼ばれる英語教育に力を入れた保育所に預けるママもいる。保活だけではない闇がそこには見え隠れした。

 区役所の窓口で抱っこ紐に乳児を抱えた状態で「入れないと困るんです」と大声を出して怒鳴っている女性。しまいには泣き出す姿も。これが、窓口では日常化しているのだとしたら、職員もさぞや大変だろうが、実は、保活中のママの間で「区役所の窓口で苦情を言うと入所できる」というウワサが、“都市伝説”のようにささやかれているのだ。

 事実「うるさい方が入れる」という話は、保活中のママからよく聞く。3歳児を認可に預けている美穂さん(仮名)の場合もそのケースに当てはまる。彼女の場合は、入所結果がわかる2月の時点では不承諾だった。

「実は今年2月の段階では、4月入所は不承諾でした。うちは夫が夜勤もある警備員で、私がフリーランスのイラストレーターなのですが、このまま子どもが預けられないと飢え死にしてしまうって、抱っこ紐で子ども抱えた状態で区役所の窓口まで言いに行きました。あと点数も確認して、ボーダーラインにいることがわかったので“どうしたら入れますか”って、しつこく聞きました。すると、二次募集の空きがゼロだったのに、繰り上げで入所が決まりました」

 飲食店を夫婦で経営している明子さん(仮名)は、「もしかしたら、議員が口利きをしてくれたのかもしれない」という。待機児童問題が広く知れ渡り、政策の中に「待機児童解消」を盛り込む議員も少なくはない。“保活都市伝説”の定番といわれている「議員の知り合いがいると、入所できる」という話があり、蜘蛛の糸をつかむつもりで議員が主催するセミナーや、交流会などに足を運ぶママたちも後を絶たないのだ。

「もともとは、議員の方がうちの店に食べに来てくれたのがきっかけです。うちは夫が脱サラして始めたイタリアンのカフェで、昼はランチをやっているのですが、経営はいっぱいいっぱい。私が昼間、別の仕事に働きに出ようかと悩んでいたら、セミナーで知り合った議員の方が店に来てくれ、そのあと、役所の窓口にも一緒に同伴してくれたんです。もしかしたら、それがきっかけで中途入所ができたのかも」

 彼女は親切心から、保活中のママ友に「議員さんと仲良くなったら」と勧めてから、疎遠になってしまった。

「入れなくて困っているママがいたので、“〇〇さん(議員の名前)って知ってる? 紹介してあげようか”って言ったら、顔色が変わって。それ以来、メッセとか送っても返信が来なくなりましたね。選考自体は、指数で決まるのでズルとかではないと思うんですよ」

 果たして、正当法で「保活」は成功できるのだろうか。結婚、そして出産。その陰に隠れた育児の悩み。まだまだ、「保活」をめぐる闇は全容が見えない。
(文=池守りぜね)

土屋太鳳は「女優気質ではない?」……プロ筆跡鑑定人が指摘、「スリルを求める」傾向も

 2015年のNHK連続テレビ小説『まれ』で主演を務めて以降、数々のドラマや映画で主演もしくはヒロイン役をこなし、大激戦の若手女優界の中で快進撃を続ける土屋太鳳。日本女子体育大学で舞踊を学ぶ本格体育会系女優ながら、「ぶりっこ」「あざとい」などの批判も一部ネット上で見られる。そんな土屋の筆跡を、筆跡鑑定人で、筆跡心理学に基づいた書籍『自分のイヤなところは直る! ~名前を書くだけ~』(東邦出版)の著者・牧野秀美氏に、読み解いてもらった。

【THE 筆跡鑑定ファイル バックナンバー】
小池百合子は波瀾に強い「女優気質」、一方「リーダー気質」は……?【THE 筆跡鑑定ファイル】
泰葉の文字から見る、「ぶっ飛んだ人」の筆跡に表れがちな特徴!【THE 筆跡鑑定ファイル】
セカオワ・Saori、手書き文字からわかるFukaseへの依存度【THE 筆跡鑑定ファイル】

■字でわかる、「自分の中の体育会系度」

――画像はTBSの2012年のドラマ『黒の女教師』(TBS系)の公式サイトに掲載されている土屋さん直筆のメッセージです。土屋さんは1995年生まれですから執筆時は17歳と、若かったというのもあるでしょうが、懐かしさすら感じるファンシーな文字ですよね。平成生まれでこういった字を書く人がいることに驚きました。

牧野秀美氏(以下、牧野) 土屋さんの文字は、アンケート用紙にびっしりと書きこまれていますね。大きさが揃っているマス目文字と、「鳳」の文字の横線の間隔が等しい特徴は、土屋さんが気分に左右されない「コツコツ型」、計画性があり論理的にモノを考える人であることがわかります。ひねりのない書き始めから素直であること、文字の左上の角の接筆部が閉じていることから物事の考え方は真面目です。

 また、「格」字「口」部分が大きく書かれ、角も丸く書かれています。これは明るい気質で内面のエネルギー、やる気が豊富であることを表しています。最後まで丁寧に書かれた文字からは、集中力を感じます。

 まとめますと、「真面目で、何事にも一生懸命努力して取り組み、やり遂げるキャラクター」であることがわかります。ただ、土屋さんの書かれた文字から、息苦しさを感じる方もいるのではないでしょうか。

――失礼ながら、私は土屋さんの文字を見たときに、ちょっと不気味さを感じてしまいました。なぜこういった印象を抱いてしまうのでしょう?

牧野 文字には、書き手のエネルギーが乗っかってきます。この文字に拒絶反応を起こす人は、土屋さんのこれでもかという溢れる情報を受け取りきれないのでしょう。「隙間なく書かれた文字」というのは、情報やエネルギーが過剰であるともいえます。余韻や空白を楽しむ傾向のある人にしてみれば、太鳳さんの文字は、無理やり口に食べ物を入れられるような感じを受けるのかもしれません。

――土屋さんのインスタグラムも一つひとつの記事がしっかり長めです。エネルギーが多い人なのでしょうね。

牧野 「体力に物を言わせ、何事も真面目に取り組む体育会系の暑苦しさが、文化系の人にとってはたまらなくうっとうしい」、そんなところなのかもしれません。

――なるほど。むしろ隙間なく書かれた文字を、「元気で好ましい」と捉える人もいるんですね。

牧野 はい。土屋さんに非があるわけではありません。素直で頑張り屋ゆえに、上からのアドバイスを忠実に守ることが正しいと信じ実行しているだけなのでしょう。

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牧野 ただ、気になるのは、文字がすべて右に傾いている「右傾型」であることです。この形は、「危ない橋を渡ってみたい」といったスリルや冒険を求める心が表れるものです。舞踊の技を身につけることなどは、確かに挑戦や冒険ではありますが、この形を書き続けていると、道ならぬ不安定なモノにのめり込んでしまわないとも限りません。

――以前、「運命を悪化させる書いてはいけない文字」を紹介していただきましたが、その際も「右傾」は入っていましたね。同じく運命を悪化させる文字で紹介された、線が過剰に交差する「異常接筆」は見るからに怖いですが、「右傾文字」はよくわからないけど、なんだか座りが悪い印象を受けます。

牧野 また、土屋さんの文字には、女優に求められる情緒性や華やかさ、役にどっぷりとはまって演じるという「続け字」や「長い払い」が全くありません。

――松居一代さんの文字はまさに女優文字でしたね。女優ではないですが、小池百合子さんもそうでした。

牧野 土屋さんの文字はそのまったく対極といえる、気分に左右されないコツコツ型の文字です。女優さんにしたら、これはとても珍しいことだと思います。華やかさや情緒性より、コツコツ鍛え上げた身体能力を生かしたエネルギーや生命力を持ち味に自分らしさを表現していくのでしょう。
(石徹白未亜)

牧野秀美(まきの・ひでみ)
筆跡鑑定人。筆跡アドバイザー・マスター。筆跡心理学をもとにした鑑定と診断を行う。著書に『自分のイヤなところは直る! ~名前を書くだけ~』(東邦出版)
ほっかいどう筆跡鑑定研究所

脱北者たちの間で「北への送金に便利」とウワサの“都内某郵便局”を直撃した!

 ご無沙汰してます。安宿緑です。

 最近、日本政府の某関係者から、こんな話を耳にしました。

「東京の繁華街“S”にある郵便局が、脱北者の間で、北朝鮮の家族宛ての送金に、よく使われている」

 脱北者と頻繁に面会を行っている日本政府関係者は、次のように話します。

「8月にも、送金のため韓国から来日した脱北者と会いました。S郵便局は脱北者の間では有名で、よく使われています。S郵便局が送金を支援しているとか、特別に使い勝手が良いというわけではなく、多くの量を受け付けているうちに手続きがスムーズになっていった だけのようですが。利用者のほとんどは、親族訪問の名目で来日してきた元在日朝鮮人の脱北者とみられます 」

 そのウワサを検証すべく、S郵便局に赴き、窓口に直行しました。

 

筆者「北朝鮮に送金したいんですけど」

 すると職員は「少々お待ちください」と言って奥に入っていきました。予想に反し、意外と慣れていない様子。

 しばらくして戻ってきた職員は、慣れない手つきで書類をめくりながら「禁止リストに載っている住所には送れませんが、大丈夫ですか?」と聞いてきました。

 禁止リストとは、国連安保理決議による「北朝鮮のミサイル又は大量破壊兵器計画に関連する者」(16の団体・個人)、「北朝鮮に関連する国際連合安全保障理事会決議に基づく資産凍結等の措置の対象となる者(116団体と個人、うち10団体は国連安保理決議1695号、29個人・ 団体は国際協調に基づいて措置済み)、ほか日本政府が定めた「 国際平和のための国際的な努力に我が国として寄与するために講ずる資産凍結等の措置の対象となる北朝鮮の核その他の大量破壊兵器 及び弾道ミサイル関連計画その他の北朝鮮に関連する国際連合安全保障理事会決議により禁止された活動等に関与する者」(64団体と個人)。

 このほか、人道支援目的を除き、指定された禁制品の送付や、支払い目的での送金などは禁止。

 これが壁にもズラーっと張り出されているわけですが、誰が熟読するんじゃと。というか、 この宛先に送ろうとした時点で、公安に後ろから肩を叩かれる案件じゃないですか。

 当然ながら口座間送金はできず、「保険付き郵便物」として現金を封入して送ることになります。万国郵便条約に基づくため、いちおう法的には問題なく、現在は人道支援目的で10万円以下に限り受け付け可能とのこと。ちまたでは、パチンコの売り上げ金がこの郵便局から北に送られているというウワサもありますが、何回小分けにすりゃいいんだよ!というわけで、もはや現実味がないことがわかります。

 ちなみに北朝鮮は1974年に万国郵便協定に加盟しています。

筆者「受取人はミサイル関係じゃないので大丈夫かと」

職員「いくら送りたいの?」

筆者「試しに1万円くらいですかね」

職員「1万円!?」

「そんなはした金でいいのかよ」と言わんばかりの職員の視線をよそに、私は、この局が本当に“ ホット送金スポット”になっているのか探りを入れました。すると職員はあっさり肯定し、こう続けました。

職員「多いのは、ウチと、同じく都内のT局。毎月1人か2人は来ていたけど、やはりこういう情勢だからか、今月はゼロ。あと、きちんと届いてるかどうかは当然、こちらでは把握できない。届いても、おそらく何割かは抜かれるのではないかと思います」

 しかしそれ以前に、脱北者からの送金を受け取った家族は、罰せられはしないのでしょうか? 筆者が訪朝した際、北に残された脱北者の家族はどうなるのか聞いたところ「しかるべき場所に連れて行かれると思う」という回答を得たことがありますが……。前出の政府関係者は、このように話しました。

「脱北当初は家族に監視や調査が入ったといいますが、基本的に家族にはおとがめがなく、まだ平壌に住んでいるようです。脱北者からの送金だからといって没収されることもなく、手数料だけをを引いた額が受取人にしっかり届けられるとのこと。北の郵便局に対し、仮に圧力があったとしても、万国郵便条約と、郵便局員としての矜持もあり、越権行為を許すことはないそうです」

 この脱北者が脱北した時期は5~6年前といい、金正恩第一書記の就任時期と重なっています。 韓国統一部の調査によると、金正恩氏就任当初の2012年から16年までは1, 000人単位だった脱北者数が、今年は8月時点で780人にとどまっており、 統一部はその原因を国内の規制が厳しくなったためと分析しています。

 そんな中、脱北者家族への罰則がないのは予想外であります。しかも、平壌は選ばれた人間しか住めない場所。家族の受け取ったお金が、別の形で没収されることはないのでしょうか?

 しかし、政府関係者はこのように私見を述べます。

「それもないようです。世間の脱北者へのイメージは、大飢饉が起きた1990年代後半頃で固まっているようですが、最近は家族を収容所に入れたり処刑することも、ほぼない。ひとつ確かなのは、着の身着のまま逃げていく地方の人とは違い、平壌の人間は準備や根回しを相当うまくやって、後腐れなく脱北する点。その際に払いきれなかった裏金を、家族を通じて分割払いしているケースもあるのでは? これはあくまで仮説ですが」

 つまりは、カネ次第ということでしょうか……?

 が、地方でも北と外界を行ったり来たりする人がいたり、「脱北がバレても土下座して許してもらえることもある」(中朝国境関係者)という話もあり、世界で報じられているほど北朝鮮社会は無秩序で非人道的ではない点もうかがえます。

 以前、ブログでも「脱北者ユーチューバー」の発言の真偽やマインドについて考察しましたが、ニュースだけでは決してわかりえない北朝鮮の人間模様、ますます興味が尽きないところであります。

●やす・やどろく
ライター、編集者。元朝鮮青年同盟中央委員。 政治や民族問題に疲れ、その狭間にある人間模様の観察に主眼を置く。しばしば3重スパイ扱いされるのが悩み。日朝和平、北朝鮮のGDP向上、南北平和統一を願う一市民。ペンネームは実家が経営していたラブホテルの屋号(※とっくに倒産)。<http://blog.livedoor.jp/yasgreen/>

脱北者たちの間で「北への送金に便利」とウワサの“都内某郵便局”を直撃した!

 ご無沙汰してます。安宿緑です。

 最近、日本政府の某関係者から、こんな話を耳にしました。

「東京の繁華街“S”にある郵便局が、脱北者の間で、北朝鮮の家族宛ての送金に、よく使われている」

 脱北者と頻繁に面会を行っている日本政府関係者は、次のように話します。

「8月にも、送金のため韓国から来日した脱北者と会いました。S郵便局は脱北者の間では有名で、よく使われています。S郵便局が送金を支援しているとか、特別に使い勝手が良いというわけではなく、多くの量を受け付けているうちに手続きがスムーズになっていった だけのようですが。利用者のほとんどは、親族訪問の名目で来日してきた元在日朝鮮人の脱北者とみられます 」

 そのウワサを検証すべく、S郵便局に赴き、窓口に直行しました。

 

筆者「北朝鮮に送金したいんですけど」

 すると職員は「少々お待ちください」と言って奥に入っていきました。予想に反し、意外と慣れていない様子。

 しばらくして戻ってきた職員は、慣れない手つきで書類をめくりながら「禁止リストに載っている住所には送れませんが、大丈夫ですか?」と聞いてきました。

 禁止リストとは、国連安保理決議による「北朝鮮のミサイル又は大量破壊兵器計画に関連する者」(16の団体・個人)、「北朝鮮に関連する国際連合安全保障理事会決議に基づく資産凍結等の措置の対象となる者(116団体と個人、うち10団体は国連安保理決議1695号、29個人・ 団体は国際協調に基づいて措置済み)、ほか日本政府が定めた「 国際平和のための国際的な努力に我が国として寄与するために講ずる資産凍結等の措置の対象となる北朝鮮の核その他の大量破壊兵器 及び弾道ミサイル関連計画その他の北朝鮮に関連する国際連合安全保障理事会決議により禁止された活動等に関与する者」(64団体と個人)。

 このほか、人道支援目的を除き、指定された禁制品の送付や、支払い目的での送金などは禁止。

 これが壁にもズラーっと張り出されているわけですが、誰が熟読するんじゃと。というか、 この宛先に送ろうとした時点で、公安に後ろから肩を叩かれる案件じゃないですか。

 当然ながら口座間送金はできず、「保険付き郵便物」として現金を封入して送ることになります。万国郵便条約に基づくため、いちおう法的には問題なく、現在は人道支援目的で10万円以下に限り受け付け可能とのこと。ちまたでは、パチンコの売り上げ金がこの郵便局から北に送られているというウワサもありますが、何回小分けにすりゃいいんだよ!というわけで、もはや現実味がないことがわかります。

 ちなみに北朝鮮は1974年に万国郵便協定に加盟しています。

筆者「受取人はミサイル関係じゃないので大丈夫かと」

職員「いくら送りたいの?」

筆者「試しに1万円くらいですかね」

職員「1万円!?」

「そんなはした金でいいのかよ」と言わんばかりの職員の視線をよそに、私は、この局が本当に“ ホット送金スポット”になっているのか探りを入れました。すると職員はあっさり肯定し、こう続けました。

職員「多いのは、ウチと、同じく都内のT局。毎月1人か2人は来ていたけど、やはりこういう情勢だからか、今月はゼロ。あと、きちんと届いてるかどうかは当然、こちらでは把握できない。届いても、おそらく何割かは抜かれるのではないかと思います」

 しかしそれ以前に、脱北者からの送金を受け取った家族は、罰せられはしないのでしょうか? 筆者が訪朝した際、北に残された脱北者の家族はどうなるのか聞いたところ「しかるべき場所に連れて行かれると思う」という回答を得たことがありますが……。前出の政府関係者は、このように話しました。

「脱北当初は家族に監視や調査が入ったといいますが、基本的に家族にはおとがめがなく、まだ平壌に住んでいるようです。脱北者からの送金だからといって没収されることもなく、手数料だけをを引いた額が受取人にしっかり届けられるとのこと。北の郵便局に対し、仮に圧力があったとしても、万国郵便条約と、郵便局員としての矜持もあり、越権行為を許すことはないそうです」

 この脱北者が脱北した時期は5~6年前といい、金正恩第一書記の就任時期と重なっています。 韓国統一部の調査によると、金正恩氏就任当初の2012年から16年までは1, 000人単位だった脱北者数が、今年は8月時点で780人にとどまっており、 統一部はその原因を国内の規制が厳しくなったためと分析しています。

 そんな中、脱北者家族への罰則がないのは予想外であります。しかも、平壌は選ばれた人間しか住めない場所。家族の受け取ったお金が、別の形で没収されることはないのでしょうか?

 しかし、政府関係者はこのように私見を述べます。

「それもないようです。世間の脱北者へのイメージは、大飢饉が起きた1990年代後半頃で固まっているようですが、最近は家族を収容所に入れたり処刑することも、ほぼない。ひとつ確かなのは、着の身着のまま逃げていく地方の人とは違い、平壌の人間は準備や根回しを相当うまくやって、後腐れなく脱北する点。その際に払いきれなかった裏金を、家族を通じて分割払いしているケースもあるのでは? これはあくまで仮説ですが」

 つまりは、カネ次第ということでしょうか……?

 が、地方でも北と外界を行ったり来たりする人がいたり、「脱北がバレても土下座して許してもらえることもある」(中朝国境関係者)という話もあり、世界で報じられているほど北朝鮮社会は無秩序で非人道的ではない点もうかがえます。

 以前、ブログでも「脱北者ユーチューバー」の発言の真偽やマインドについて考察しましたが、ニュースだけでは決してわかりえない北朝鮮の人間模様、ますます興味が尽きないところであります。

●やす・やどろく
ライター、編集者。元朝鮮青年同盟中央委員。 政治や民族問題に疲れ、その狭間にある人間模様の観察に主眼を置く。しばしば3重スパイ扱いされるのが悩み。日朝和平、北朝鮮のGDP向上、南北平和統一を願う一市民。ペンネームは実家が経営していたラブホテルの屋号(※とっくに倒産)。<http://blog.livedoor.jp/yasgreen/>

小池百合子は波瀾に強い「女優気質」、一方「リーダー気質」は……?【THE 筆跡鑑定ファイル】

 東京都知事でありながら、巻き起こす数々のサプライズは国政までをも揺るがし、来る衆議院議員選挙を前にワイドショーがこぞって取り上げる――そんな時の人となった小池百合子氏の筆跡を鑑定。筆跡鑑定人で、筆跡心理学に基づいた書籍『自分のイヤなところは直る! ~名前を書くだけ~』(東邦出版)の著者・牧野秀美氏に、人物像を読み解いてもらった。

■自分が「女優気質」かどうかは、あの部分でわかる!

――小池さんの字は、かなり崩し文字ですね。自身の政経塾である「希望の塾」のホームページに掲載されている直筆サインは、「小池百合子だ」という前提がなければ、「池」も「合」も判読できないくらいです。

牧野秀美氏(以下、牧野) 小池さんの文字は、情緒性あふれる続け字で勢いがあり、女性らしさと男性的な線の太さが混在しています。以前取り上げた元防衛大臣の稲田朋美さんの文字は、どちらかというと線の細い女性的な文字でしたが、対照的ですね。

 稲田さんと共通している点は、左右の両払いが長い所です。これは百合子の「合」の字でわかります。自分自身を華麗に演出し、その世界にのめり込む「女優型」といわれ、華やかに装い、自分のイメージカラーである緑を効果的に使う小池さんそのものを表しているといえます。

――確かに、小池さんの「合」の払いの部分は「とってもたっぷり」ですね。稲田さんの名前にもあり、多くの女性の名前に使われる「美」も払いがありますから、名前に「美」のある人は自身の女優気質をチェックしてみるといいかもしれません。

牧野 また、ほかの画像を確認しましたが、大きな文字と小さな文字が混在して書かれています。このように文字に大きさのメリハリをつけて書く人は「波瀾型」と呼ばれ、荒波であればあるほど、ゆうゆうと泳ぎきる、波瀾を制することに達成感を感じる人に多い書き方です。小池さんの政治人生もまさに波瀾万丈です。

 そして、「様」の字、木へんの横画左側への突出は頭の回転が早く、思ったことをはっきり主張する「才気煥発型」であること、縦画下部への突出は、向上心が強いことがわかります。留学経験があり、外国語が堪能、自らの一貫した政治理念を持っていることはその表れでしょう。その自信と余裕から、器の大きさが伝わってきます。まさに政治家は小池さんにとって“天職”といえるでしょう。

 

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牧野 しかし、気になる箇所がないわけではありません。それは存在感や器の大きさに比べ、「様」の字において、「リーダー気質」を表す縦画上への突出(木へんの頭の部分)が控えめなことです。これは自分が先頭に立ち組織を引っ張っていく力で、それが控えめなことを表しています。

――「頭の回転が早く」かつ「女優気質」、おまけに「波瀾に強く」、かつ職業が政治家なら「リーダー気質」なのかなと思いがちですが、考えてみれば別の気質ですよね。

牧野 リーダー気質の欠如は、小池劇場の脚本を誰かが書き、それを演じているふうにも読めます。今は何とか順風満帆にことが進んでいますので、先頭に立っていられますが、逆境になった時に、果たして今のように堂々と矢面に立つことができるか、また、縦長文字が示すプライドの高さが故に、自分のイメージダウンを恐れずに、逆境時に「辞める」以外の責任を果たせるのかが気になるところです。

 また、「池」の字における「ハネ」が弱いことにも注目です。ハネは実行力の他、切り替えの速さやスピード感も表します。小池さんの高い精神性と理想主義は、例えば貴族が庶民の暮らしを知らないように、現場の問題把握の妨げとなる可能性となるかもしれません。とはいえ、小池さんには女性政治家として第一線で活躍してほしいと願います。

――前回取り上げた「お騒がせ」泰葉さんも、ハネは弱めでしたね。ちなみに、今までの連載でさまざまな女性の文字を取り上げてきましたが、一番政治家適性があるのはどなたでしょう?

牧野 文字から実行力、プライドをコントロールする力、しつこさ、完璧さを併せて考えると、一番政治家にふさわしいのは松居一代さんかなと思います。
(石徹白未亜)

牧野秀美
筆跡鑑定人。筆跡アドバイザー・マスター。筆跡心理学をもとにした鑑定と診断を行う。著書に『自分のイヤなところは直る! ~名前を書くだけ~(東邦出版)
ほっかいどう筆跡鑑定研究所

正統派から変化球まで! 人間ドラマ3選

正統派から変化球まで! 人間ドラマ3選の画像1
 10月に入り、ようやく空気も秋めいてきた。秋といえばスポーツの秋、食欲の秋などいろいろあるが、ここはやはり芸術の秋らしく、ぐっと心を揺さぶるヒューマン・ドラマの注目作を紹介しよう。  アメリカでのドラマ制作数が急増し、その多くが日本にも上陸しているが、かなりのシェアを占めるのが犯罪ドラマだ。しかし、昨年全米でスタートするなり大きな話題を呼んだ『THIS IS US 36歳、これから』は、久しぶりに登場した正統派ヒューマン・ドラマだ。三つ子の誕生が控えているジャックとレベッカの夫婦、シットコムの主演でブレークした俳優ケビン、肥満に悩むケイト、成功を手にしたエリート、ランドールという36歳の5人を中心に、それぞれの日常を丁寧につづった本作は、派手な事件が起こるわけでもなく、きらびやかなセレブライフが描かれるわけでもないシンプルなストーリーだ。だが、そんな一見地味に思えるドラマがなぜ、全米で話題を呼ぶほどヒットしたのか?  実は、本作の第話のエンディングには、大きな驚きが隠されている。そしてそうした驚きや謎が毎回ナチュラルに散りばめられ、思いがけない展開に発展していくのだ。犯罪ドラマのような血生臭さは皆無であるのに、上質なミステリーを見るかのようなひねりの効いたストーリーラインがこのドラマの肝となる。かといって、変に斜に構えるのではなく、誰もが共感を覚えるようなキャラクターの心の機微を丹念につづる本作は、あくまでも普遍的なドラマに基軸に置いているからこそ、登場人物の心の動きがストレートに伝わってくる。時に驚き、時に感動し、気がつけば心癒される正統派でありながら革新的でもある、稀有なヒューマン・ドラマなのだ。
正統派から変化球まで! 人間ドラマ3選の画像2
『THIS IS US 36歳、これから』が、乾いた心にすっと水が染み込むような癒やし系ヒューマン・ドラマだとしたら、よりダイナミックに生と死を描いていくのが『シカゴ・メッド』だ。ヒューマン・ドラマというジャンルに置いて、メディカル・ドラマは鉄板中の鉄板。これまでも『ER 緊急救命室』や『Dr.HOUSE』、『グレイズ・アナトミー』などの人気シリーズを数多く生み出している医療ドラマの中でも、現在注目されているのが、この『シカゴ・メッド』だ。タイトル通り、シカゴにある医療センターを舞台にした本作は、その救急部門で働く医師や看護師たちが主人公。次々とやってくる患者と対峙し、懸命に医療に取り組んでも神のごとく命を操ることは当然ながら不可能だ。医師は完璧ではないし、それは患者も同様。納得がいかない場面に直面し、誰もが葛藤しながら常に挫折と成功を繰り返す医師たちの姿は、やはりぐっとくるものがある。  シカゴの救命救急というと『ER 緊急救命室』を彷彿とさせるが、ERばりのスピード感に加え、事件・事故の現場ではアクション・ドラマさながらの迫力、そして単純なハッピーエンドには至らないリアルな人間模様が三位一体となった見応えのあるシリーズとなっている。本作は大ヒットシリーズ『シカゴ・ファイア』の2つ目のスピンオフ作品ということもあり、『シカゴ・ファイア』や『シカゴPD』のキャラクターがサラりと本作にも登場するので、兄弟番組も共にチェックするとよりこのドラマの世界を楽しむ事ができるのもポイントだ。消防・救命のファイア、警察のPD、そして医療のメッド、そのどれもが熱い生きざまを見せてくれるだろう。
正統派から変化球まで! 人間ドラマ3選の画像3
 もちろん人気ジャンルの犯罪ドラマにだって、心を揺さぶるヒューマン・ドラマはある。少し前の作品になるが、『キリング/26日間』がそれだ。ヨーロッパで大ヒットしたデンマークのドラマ『THE KILLING/ザ・キリング』を、舞台をシアトルに移してリメイクした本作は、失踪した17歳の少女ロージー・ラーセン殺人事件をめぐる人間ドラマ。1話完結方式が多い犯罪ドラマの中で、本作は1話=1日で描かれる26日間の捜査劇をじっくりと描いているだけに、事件に関わる人間たちの姿がよりディープに描写されている。捜査を担当する刑事たちだけでなく、浮かび上がる容疑者たち、突然娘を失った被害者遺族、そして被害者である少女の友人や少女自身まで、たったひとつの事件が、それに関わる人間たちにどのような影響を及ぼすのかが克明に描かれ、登場人物の心の揺れが見る者をどんどん引き込んでいく。  特に被害者遺族の家族たちについては、突然家族を奪われた悲しみにどう対処するのか、誰もが懸命ゆえにゆっくりと家庭が崩壊していってしまう様があまりにもリアルすぎて、その慟哭が胸に迫る。一方で、二転三転する捜査の行方や真犯人にたどり着くまでまったく先が読めないストーリーなど、犯罪ドラマとしてもかなり練り込まれているので、1話完結型の犯罪ドラマに物足りなさを感じている人にはオススメだ。オリジナル版の持ち味を活かしつつ、徐々に独自性を発揮していくので、オリジナル版とアメリカ版それぞれの人間模様を見比べてみても面白い。 ●まくた・ちひろ 映画・海外ドラマライター。『日経エンタテインメント!海外ドラマSpecial』『ゲーム・オブ・スローンズ パーフェクト・ガイド』(日経BP社)、『海外ドラマTVガイド WATCH』(東京ニュース通信社)、『映画秘宝EXドラマ秘宝vol.2~マニアのための特濃ドラマガイド』(洋泉社)等に寄稿。Twitterアカウントは@charumin

“フクシくん”落合福嗣のナレーションでつづる「プロ野球選手の子ども」の人生

フクシ君落合福嗣のナレーションでつづる「プロ野球選手の子ども」の人生の画像1
イメージ画像(Thinkstockより)
 今年もプロ野球のペナントレースが終わりを告げた。まだまだポストシーズンの戦いがあるとはいえ、試合のないオフシーズン、ストーブリーグの季節も意外ともうすぐそこにある。ただ、試合はなくとも、別角度から野球を楽しめるのがオフシーズンの醍醐味。そのひとつが、密着ドキュメントだ。シーズン中に放送される場合もあるが、オフのほうが選手の内面や私生活、家族を巻き込んだ企画が増えて、見応えあるものが多い。  この分野で一日の長があるのは、なんといってもTBS。年末恒例の『プロ野球戦力外通告 クビを宣告された男達』、最近、放送回数が増えてきた『壮絶人生ドキュメント プロ野球選手の妻たち』、そして間もなく迎えるドラフト会議当日には『ドラフト緊急生特番!お母さんありがとう 夢を追う親子の壮絶人生ドキュメント』と、おなじみの企画がめじろ押しだ。  この「野球ドキュメンタリー」の分野で、TBS以外で新たな鉱脈を見つけたのがフジテレビ。今年3月に放送された新企画『プロ野球選手の子供に生まれて』。その第2弾が10月2日、早くも放送された。  3月放送の第1弾では、テニスに打ち込む石井琢朗コーチ(広島)の娘、父と同じ野球の道を選んだ前田幸長氏、元木大介氏(ともに元巨人)の息子たちを取材。それぞれの親子の関係性、注目を集めやすい「プロ野球選手の子ども」という境遇・環境だからこその悩みなどを描いた。  今回放送の第2弾では、石井親子のその後、そして新たな親子として、3兄弟がJリーガーという高木豊(元横浜)親子、オヤジ超えを目指して英才教育を施す度会博文(元ヤクルト)親子が登場。「プロを目指すなら、今のうちに負けを経験しておくこと」と語る石井。「(スポーツ界では)オヤジの名前なんて通用しない。自分の実力で切り開かなきゃいけない」と高木。大舞台に挑む息子に「きっと誰かが見ている。だから、いつも、全力で」とメッセージを送った度会と、三者三様の“オヤジの背中”はそれぞれ温かく、そして味わい深かった。  これほど早く第2弾が制作されたのは、よほど第1弾の評判と数字がよかった、ということのはず。その成功の要因のひとつは、なんといってもナレーションを元三冠王・落合博満の息子にして声優の落合福嗣が務めたことだ。声優として確固たる地位を築きつつある福嗣の声はとても聞きやすく、そして番組コンセプトにこれほど合致し、話題性を生む人選はなかったはず。むしろ、福嗣ありきの企画だったのでは? と思えてしまうほど、この番組には欠かせない要素だ。  それにしても……かつて、名著にして怪著『フクシ伝説 うちのとーちゃんは三冠王だぞ!』(集英社)を刊行し、ある意味、「プロ野球選手の息子」を肩書に生きていた感すらある“フクシくん”が、こんなに立派になって……という感慨深さは、2回目でも収まらなかった。  そして第2弾を見て思ったのは、成功する企画には“見えざる力”が働くものだな、ということ。たとえば、今回取り上げた3組の親子のうち、度会の息子は中学生最後の全国大会で大活躍し、見事に全国制覇。その活躍が認められて、U15の侍ジャパンにも選出された。  また、第1弾で「プロになんてなれっこない」と父から断言されていた石井の娘は、海外武者修行を経て、全国大会で準優勝。こうした“結果”は、どんなに番組スタッフが努力したところで実現できるわけではない。むしろ、うまくいかないケースのほうが多いはず。その半面、番組自体の勢いや時流とのマッチングが強い場合には、自然と結果が結びつくからなんとも不思議だ。  ちなみに、今回の番組最後で「ユニフォームを脱いで、(テニスでプロを目指す娘と一緒に)海外を回りたい」と語った石井。するとこの数日後、今季限りでのカープ退団を発表。記者会見で「一番の理由は、東京にいる家族です。『戻って来 てほしい』と……」と発言していたが、番組を見た人はきっと、テニスに打ち込む娘の姿を思い起こしたはず。こうした積み重ねで、番組ファンは着実に増えていくのではないだろうか。  恐らく、遠くない時期に第3弾も放送されるであろう、『プロ野球選手の子供に生まれて』。期待したいのは、落合博満・福嗣親子の物語も見てみたい、ということ。くしくもこの夏、福嗣は自身のTwitterで、父・博満と野球観戦したことをツイートしていた。 《63年弱生きてきて産まれてはじめて野球場の客席でお酒を飲む。ずーっと夢だったんだって。ほら、いつだって野球は『仕事』だったからさ》  あの博満の意外すぎる“小さな夢”をかなえた息子、福嗣。とんねるずやナインティナインにも暴言を吐いていたあの子が、本当に立派になったなぁ……。 (文=オグマナオト)