「発達の遅れを指摘された」保育園にクレームを入れ続けた“モンペママ”の悲痛な叫び

 まさに保活のハイシーズンともいえる2月は、預け先が見つかるまでの苦労話ばかりがよく聞かれるが、実際は保育園に入園してから卒園までの在園期間の方がはるかに長い。前回は、ようやく入れた保育園でモンペママに悩まされ、転園を考えるようになったというママの声を紹介したが、一方で「激戦をくぐり抜けて入園したのだから、大事なわが子になにかあれば一石を投じたい」という思いによって、傍から見ると「モンペママ」になってしまった人もいるようだ。今回は、子どもに発達障害の疑いをかけられたことがきっかけで、「周りが信じられなくなった」と言う男児のママの告白から、東京で育児に励むママたちの悲痛な声に迫っていく。

モンペママが“言わずにはいられない”ワケ

 認可外保育所に3歳の男児を通わせている綾子さん(仮名)は、大手の石油元売り企業に勤務する正社員。仕事を理由に退職はしたくなかったため、妊娠中から保活に励み、0歳児枠で認可保育園に無事入園することができた。産後3カ月で職場に復帰したが、入園許可が届いた時は、もう1年育児休暇を伸ばすか悩んだという。

「34歳で結婚したのですが、なかなか自然妊娠ができなかったんです。気づけば高齢出産といわれる35歳を過ぎて、初産のタイムリミットともいえる40歳になっていました。出産するまでに、自然流産を2回経験しているせいか、息子以上にかわいいものってないですね」

 まだ言葉も話せないような0歳児からの入所が当たり前となった近年、保育園ではトラブルが多い。ある園では、男児より女児が2倍の人数となっているのだが、男児は体格が大きくなると乱暴になるなど、トラブルが起きやすいという理由から、「女児の入園が優先される」というウワサもある。かつて男児は「元気すぎるぐらいがよい」と考えられていたが、現代ではそういうわけにはいかないのだろうか。

 「最初に驚いたのが、保護者会で男児のママたちが“うちの子はやんちゃなのでご迷惑をおかけしてすみません”って謝っていたんです。何もしていないに謝る必要なんてないじゃないですか」と綾子さんは語る。また、子どもに「朝の会の最中にじっとしていられない」「先生の話を聞くことができない」というような傾向があると、園側から発達障害の疑いがあるとして、療育と呼ばれる専門の施設を勧められることもあるという。

 綾子さんの息子も、みんなで読んでいる絵本を奪う、ブロックの片付けができずに放り投げるというような問題行動が多く、園からよく家庭でしつけをするように注意されたそう。そして、追い打ちをかけるように、保育士から療育施設を勧められた。「うちの子は、ちょっと周りよりやんちゃで、戦いごっこ(戦隊ヒーローのまねごと)が好きだったんです。それなのに、“口でおもちゃを貸してって言えないのは、発達の遅れがあります”って言われて、腹が立ちました」と声を荒げる。

 この一件以来、保育園が信頼できなくなったという綾子さん。保育参観の日は、息子の行動よりも、保育士の言葉遣いや、保育室の遊具の片付けが不完全なこと、また給食に乳児向けではない大きさの野菜が入っていることなどに不満を持ち、保育士に伝えるようになった。「連絡帳に書いても改善されないので、園長先生に直訴したんです。園長がまだ30代の女性で、経験不足というか。何を言っても“わかりました”の一言で解決しなかったので、役所の保育課や第三者機関と呼ばれる弁護士にも相談しました」。

 最近では、保育士だけではなく園を運営している親会社や、役所の保育課などにもママからのクレームが相次いでいるそうだ。ネットを使って過去の事例を調べるなど、法的手段について詳しいワーキングママも増えた。中には、ママ同士で情報を共有し園を訴えるケースもあるという。

「息子は個性的なだけで、発達異常なんかじゃないんです。昔は、先生の話を聞かないで遊んでいた子なんて普通にいたじゃないですか。結局、役所の保育課も“少し様子を見ましょう”の一点張りだったので、認可外保育園に転園しました」

 園側やほかのママからすれば、綾子さんも「モンペママ」だろうが、彼女にも“言わずにはいられない”事情がある。「良い園」か「悪い園」を判断するのは、実際に通っている園児ではなく、ママ次第なのだ。

「聞いておきます」の一言で済まされた

 もうすぐ5歳になる女児のママの香住さん(仮名)は、娘を自宅育児している。一人っ子の娘は、気が弱く人見知りで、預けていた保育園でも毎日のように泣いていたという。「誕生日が2月だったので、言葉が出るのが周りよりも遅かったんです。自分の気持ちを言葉で言えなくて、泣いてしまったんだと思います」。

 実は香住さんは不倫の末の略奪婚。10歳年上の夫と前妻の間には小学生になる男児がいるため、養育費を払い続けており、学校行事を夫が見に行くなど交流が続いているそうだ。そのストレスが、娘にも影響してしまったかもしれないと、香住さんは振り返る。

「養育費の負担などもあったので、娘を0歳から預けて復職しました。最初は、小規模保育園に預けて時短勤務していたのですが、2歳の時にたまたま空きが出て認可保育園に転園できたんです」

 待機児童の解消を目的とした小規模保育所は、施設が狭いために、満2歳までの保育しか行わないケースがほとんど。この場合、空きを求めて第二の保活が必要となる。香住さんは、「この時、仕事を辞めて保育園ではなく、幼稚園に転園すればよかったと後悔しています」と語るが、その言葉の裏には、転園先の保育園への不信感があったようだ。

 その保育園は、保育士の目が届く人数だった小規模とは違い、大型保育園のため園児数も多い。また縦割り保育を導入し、2~5歳児までが同じ部屋で合同保育を行っていたという。まだ“ママ”、“クック(靴)”というような単語しか発せられない2歳児にとって、部屋中を走り回る5歳児は、個体差が大きくぶつかった時など危険なケースも想像できる。活発に遊ぶ園児とは違い、仲の良い女児同士で人形遊びのようなままごとを好む香住さんの娘は、何度か園児同士のトラブルに巻き込まれた。

「一緒にお風呂に入った時に、娘の首に引っかき傷ができていたんです。耳の後ろらへんが蹴られたように赤くなっていたことも。迎えに行った時にも保育士から言われなかったので、次の日に担任に聞いたら“昨日は別の保育士が担当だったので聞いておきますね”の一言で済まされたんです」

 それから、園や保育士の事務的な態度が気になりだした。「確かに、保育という仕事はしているのかもしれませんが、それぞれの園児に対してのフォローができていないと感じた」と語る。

 それでも、4歳まで保育園に通い続けたが、ある時、香澄さんの娘が、髪に米粒のようなものを付けて帰ってきた。洗ってもくっついてなかなか取れず、保育園に説明を求めても「ちょっとわかりません。手についていたものがついたのかも」という返答だったという。このことがきっかけで、朝の登園時も娘がぐずるようになり、退園を決意。「園で一緒だったママ友にも相談したのですが“そういうことあるよね”という一言で済まされてしまいました。みんな揉めたり、目立つのが嫌みたいなんです」と落胆する。

 香住さんは「探せばまた見つかるからと、百貨店の仕事も辞めました。それよりも、自分の娘は自分で守るしかないなって気づいたんです。いまは、娘といられる時間の方が大事です」と語る。彼女は、小学校入学までの残り1年を自宅育児で過ごす予定で、その代わりに保護者が同伴できるような習い事を始めるつもりだそうだ。

 彼女もまた、見る人によっては「モンペママ」なのだろうが、子どもを思う気持ちが行き過ぎた結果という面もあるのかもしれない。預かり時間によっては、1日の大半を過ごすことになる保育園に対し、親はどういう姿勢で向かい合うべきか、あらためて考えさせられる。
(文=池守りぜね)

吉岡里帆はなぜ「ウザい」のか? アンチを刺激する理由を、プロ筆跡鑑定人が指摘!

 オリコンが発表した「2017年ブレイク女優ランキング」で1位に選ばれた女優・吉岡里帆。クセのないあっさりとした美貌で、CMでは「ゼクシィ」「ZOZOTOWN」や日清食品「どん兵衛」、ドラマでは『カルテット』『ごめん、愛してる』(TBS系)に出演し、快進撃を続けている一方で、ネットでは「あざとい」「はしゃぎすぎ」「棒演技」という声もある。そんな吉岡の筆跡を、筆跡鑑定人で筆跡心理学に基づいた書籍『自分のイヤなところは直る! 〜名前を書くだけ〜』(東邦出版)の著者・牧野秀美氏に、読み解いてもらった。

■毛筆の字は、筆跡診断には使えない!

――吉岡里帆さんは、書道八段で書道家を目指して大学の書道コースに通っていたという経歴の持ち主です。ネット上でも毛筆の筆跡を多々発見できる彼女は、今までの連載の中では圧倒的な「字ウマ」ですよね。

牧野秀美氏(以下、牧野) ただ、これらはお習字ですので、そのまま診断するわけにはいかないんです。なぜなら、習字のお手本は、「へんとつくりの間の空間が狭い」「ハネが強い」「上への突出が長い」「書き始めはひねる」形がほとんどです。

――確かに「毛筆は、かくあるべし」というイメージは、習字の心得がなくとも、日本で育っていれば、なんとなく共有していますよね。

牧野 これらの「お習字」の特徴が、プライベートの文字には出ていない場合もあります。それは、「お手本の形が自分の心にフィットしていない場合」もあるからです。吉岡さんの文字もまた、毛筆とプライベートの文字の両方に出ている特徴と、毛筆には出ているけれど、プライベートの文字には出ていない特徴があり、ここらへんから彼女の人物像が浮かび上がってきそうです。

【毛筆・プライベートの文字、両方に出ている特徴】
・「左に突出している」(「吉」の字/自分を演出するのが好きな目立ちたがり屋)
・「左払いが長い」(「暑」の字/頭の回転が速く、目立つタイプ)
・「へんとつくりの間の空間が狭い」(「帆」の字/自分の世界を大切にする職人気質)
これらは、彼女の性質をそのまま表しています。

【毛筆には出ているけれど、プライベートの文字には出ていない特徴】
・「上への突出」(「申」の字/リーダー気質)
・「ハネが強い」(「岡」の字/粘り強い)
本来の吉岡さんは、「協調型であっさりしている」のでしょう。

■ソツのない人へのねたみは、確信犯へのねたみよりも根深い!

――毛筆の「愚直」の文字を見ると、雄々しいというか、堂々とした文字ですよね。

牧野 はい。堂々としていて存在感あふれる文字ですが、「自分が、自分が」といった、俗にいう自己主張の「ウザさ」は感じられません。また、力強い字、繊細な字といったように、さまざまな文字を書き分けています。

――確かに、「愚直」の雄々しさと、「暑中お見舞い申し上げます」の繊細な感じは、ぱっと見、別の人が書いたように見えます。

牧野 力強さの中にも繊細さが潜んでいるので、吉岡さんは決して「空気の読めない」タイプではないでしょう。プライベートの文字は上への突出が少ないため、協調型であることがわかります。また、ハネはあっさりですので、切り替えが速く、要領も手際もよいでしょう。頭の回転も速く、素直に自分を表現できる人です。多芸多才、何をやってもそつなくこなすことができる器用な方です。

――ハネといえば、お騒がせ発言をちょくちょくしていた泰葉さんは「ハネなし」文字でした。吉岡さんも、ペンで書かれたプライベートの文字では、ハネが弱めですね。よく見ると、お見舞いの「見」などは、毛筆の割にハネが弱く書かれています。

牧野 ハネが弱い人は、あきらめが早く、打たれ弱い傾向がありますが、吉岡さんの場合は「へんとつくりの間の空間が狭い」職人気質な面から、自分で決めたことは追求するので、責任感を持ってやり遂げるでしょう。

 そして、「空間の使い方」がとても上手です。文字のレイアウトを見ると、「暑中お見舞い申し上げます」の筆跡は、文字配置のバランスや、余白の取り方が、優れていると思います。これは自分の居場所において、周囲と居心地のよい距離感を保つのが得意であることを表しています。吉岡さんの文字には、大物感、女優としての華やかさがありますが、それよりも人間関係力の高さが光ります。関係を取り持つムードメーカー的役割ではなく、自分の気持ちを素直に出すことで、周囲に変な気を使わせない、それが結果として関係を良くしていくといった感じでしょうか。

 “大物”というと、破天荒な一面を持ち合わせていることも、なきにしもあらずですが(松居一代さんしかり、泰葉さんしかり……)。吉岡さんには、そんなタイプとは一線を画す、バランスの良さがあります。

――今までこの連載ではさまざまな女性を取り上げてきましたが、アクやクセや無理が一番ない人なんですね。天然でソツがなく、どこでもうまくやっていけそうな。

牧野 素直なリアクションを自然にとることのできる人や、何をやらせてもできてしまう人に対して、私たちはついつい複雑な感情を持ってしまいがちです。

――かえって「確信犯的にあざとい、ウザい」人のほうが、見る側は安心できますよね。「無理なくうまくいっている人」に対するねたみは、「確信犯的にあざとい、ウザい」人に対するねたみよりもずっと深い業があるでしょうし。

牧野 少なくとも吉岡さんの文字からは「確信犯的なあざとさやウザさ」は、さほど感じられません。ただ、一癖も二癖もある芸能界で生き延びるためには、何か突出したアクやクセがあったほうが目に留まるわけですから、この先どのような方向性でいくかを注目したいです。
(石徹白未亜)

牧野秀美
筆跡鑑定人。筆跡アドバイザー・マスター。筆跡心理学をもとにした鑑定と診断を行う。著書に『自分のイヤなところは直る! 〜名前を書くだけ〜』(東邦出版)
・ほっかいどう筆跡鑑定研究所

“筋トレブーム”の裏側――SNSで「腹筋」「BMI」「走った距離」を見せるアラサー女たち

 新年を迎えると、料理教室や英会話といった習い事や、資格取得へ向けての勉強など、新しいことを始めだす人も多い。特にこの時期には、“正月太り”という言葉があるように、寒い時期の運動不足の解消を狙って“入会金無料”や、“体験レッスン無料”という謳い文句でスポーツジムの勧誘を目にする機会も増えるのではないだろうか。

 いわゆる「ティップネス」や「スポーツオアシス」のような聞き慣れた有名フィットネスジムではなく、最近よく駅前で見かけるのが「24時間営業」のジムである。プールやスタジオなどがない省スペースながら、月額7,000円前後の価格で好きな時間に利用できる利便性が受けて、いま利用客が増加傾向にある。こうしたジムの中には、今年月に国内店舗が300店舗を突破という、驚異的な勢いで店舗数が増え続けているチェーン店も。そんな筋トレブームを支えているのが、実はアラサーに増加している“鍛えたがる女子”たちなのだという。

 24時間営業ジムを利用しているという加奈子さん(仮名)は、「ジム通いを始めるまでは、1日に映画を3本もはしごするなど、元々はインドアの文化系女子でした。それに、食べ歩きが趣味だったため、ラーメンやカレーというような高カロリーの食事を仕事帰りに食べる習慣から、太りがちな食生活をしていたんです。でも、アラサーを過ぎると、ただ痩せるだけでは貧相な体になってしまうため、女性らしいメリハリのあるボディラインを目指してジム通いを始めました」という。

■いまや、女性にとって腹筋はステータス!?

 “鍛えたがる女子”ブームを語る上で、インスタグラムをはじめとするSNSとの関連性も見逃すことはできない。自撮りした腹筋画像とともに、「#腹筋女子」というハッシュタグをつけてSNSに投稿する女子が存在し、昨年12月には、そこから派生した『#腹筋女子 お腹が割れたら人生変わった!』(著:山崎麻央、講談社)という本も出版されている。

 この腹筋自撮りに限らず、いかに自分が筋トレに励んでいるかを投稿する女子も少なくないようで、前出の加奈子さんも、「筋トレを始めるまでは、食事や見に行った映画の感想などをSNSに上げていたのですが、今は週に半分くらいは筋トレ関係の投稿を行うようになりました」と語る。筋トレ関係の投稿は、「記録ログも兼ねている」といい、手帳などに書き込むような感覚でTwitterにツイートすると、ソート機能などを使いチェックイン回数を数えたりするのに便利なのだそう。このようにSNS上には、筋トレを文字化してモチベーションアップするタイプと、実際に鍛えている様子や、腹筋画像を挙げる画像派と二分化される。筋トレの記録ログをツイートするタイプは、元々は文化系や運動嫌いだったタイプの傾向があり、反対に“腹筋女子”は、これまでも自撮り画像や女子会の様子などをアップしていたアクティブなタイプのようだ。

 確かに数年前も、芸能人が通うことで注目が集まった“加圧トレーニング”や、誰でも簡単にできるのがウリだった“体幹トレーニング”も女子の間ではやったが、それと違うのは、いまの“鍛えたがる女子”は、自分が鍛えている過程を隠さず周りにアピールしている点である。

 その背景には、「『痩せている=美しい体』という発想が徐々に薄れ、筋肉質な女性がかっこいいという風潮が出てきたのでは」(加奈子さん)という。“腹筋”や“筋トレ”は1つのステータスとなりつつある。それを実証するかのように、タレントの中村アンや、女優の榮倉奈々、モデルのローラなど、女性のあこがれるタレントとして名前がよく挙がる人たちは、機会があればその美しい腹筋を披露している。 “かわいい”女性像より、“かっこいい”と周りから思われたいと考える女性が増えてきたのかもしれない。

 勤務している会社が法人契約をしているスポーツジムに通っている愛子さん(仮名)は、痩せすぎの体形がコンプレックスだったという。たまたま、格闘技やプロレスを見に行くのが趣味だった職場の同僚に勧められ、一緒にスポーツ観戦をするようになってから、自分も鍛えるようになっていった。これまでは運動嫌いの無趣味で、仕事のあともまっすぐ家に帰るような生活だったが、「ジムでは、早帰りデーなどは同僚女性とジムで一緒になることもあり、成果を出さねばという気持ちになっていく」とのこと。周りにもジム通いが知れ渡っているので、「今日は〇〇を鍛えた!」というような、トレーニングでの成果をSNSに投稿するのも日課になりつつあるという。

 愛子さんは「筋トレは、恋愛や仕事と違い、ある程度自己コントロールで、目標に近づけるのと、数字を可視化できるのが達成感を感じられていい」と話し、実際、
SNS上には、こうした“数字”を投稿するケースも散見される。例えば、インスタグラムやFacebookなどで、「Nike+ Training Club」アプリを使ったトレーニング内容や時間の投稿や、交通機関を使わずにランニングで移動した時間と経路をアップする画像などを見たことがないだろうか? 中には、「#筋トレ女子」や「#筋トレ中」というハッシュタグとともに、BMIや筋肉量を線グラフで表している画面キャプチャを載せる人もいるようである。真面目な女子ほど、筋トレというワークアウトにハマりやすいという面もあるのだろうか。

■もともとのジム愛用者からは苦言も

 一方、筋トレや腹筋など自画撮りや、“数字”はアップしないものの、チェックイン機能を使ってジムにいることを投稿するなど、 “鍛えている”ことを匂わせる投稿も目につく。スタジオ内でのスマホ使用が禁止されているあるスポーツジムでは、それでもどうにかジムに来ているという写真を撮りたいのか、インスタ映えするプールのあるラウンジで、プロテインの入ったグラスを片手に撮影する女子もいるとか。

 そんなブームに乗って増殖しだした“筋トレ女子”のマナーに対して、困り顔の利用客の声も聞こえてくる。3年前から、パーソナルトレーニングができるジムに週3回ペースで通っているアラフォー世代の由香里さん(仮名)は、「最近、にわかな筋トレ女子が増えて、有料で私物を置いておける月極の個人ロッカーの空きがないみたいなんですよ。中には1つの個人ロッカーを仲間内の3人で使っている人も見かけて、マナーが悪くて驚きました」と語る。このジムでは、初心者向けの講座を受けると無料でプロテインが飲めるため、正規会員ではなくスポット利用の会員の中には、プロテイン目的で何度も講座を受けるというツワモノもいるという。

 彼女はマシントレーニングについても苦言を呈す。「使った後に、置いてあるタオルで椅子やマシンに着いた汗を拭いてから移動するというようなマナーを知らないんです。あとマシンを使っている人の目の前に立って、順番待ちしたり。そんな威圧的なことをされたら、気持ちよくトレーニングできないじゃないですか」。このように、マナーを学ぶことなく、あたかも“ファッション”としてといった具合に、筋トレを“アピールする”女子も中には存在しているようだ。

 仕事では責任のあるポジションを任されつつあり、プレッシャーが絶えないといえるアラサー世代。恋愛においても、結婚問題や出産のリミットなど、悩みは尽きない。そんな公私ともに忙しいアラサー女子が、あらゆる方法で“鍛えている”というのをアピールする背景には、頑張っている自分をわかりやすい形で表現できるからかもしれないが、新たな“表現方法”が見つかったときには、ジムから女性が一斉に消えるなんてことも、なきにしもあらずなのではないだろうか。
(文=池守りぜね)

竹内涼真は「あざとい」のか? 真のぶりっこ度&ナルシスト度を、筆跡から読み解く!

 NHKの朝ドラ『ひよっこ』でヒロインの彼氏役を演じて、一躍注目され、その後も『過保護のカホコ』(日本テレビ系)『陸王』(TBS系)など、話題の連続ドラマに出演、富士フイルムやソフトバンクといったCMにも起用され、破竹の勢いが続く竹内涼真。一方で、SNSでの「上目遣い&体育座り」画像投稿が、ネットでは「あざとい」と批判されたりもしている。そんな竹内は、本当に「ぶりっこ」なのだろうか? 竹内の筆跡を、筆跡鑑定人で、筆跡心理学に基づいた書籍『自分のイヤなところは直る!~名前を書くだけ~』(東邦出版)の著者、牧野秀美氏に読み解いてもらった。
■「目立ちたがり屋」だが、「ナルシスト」ではない
――竹内さんの字ですが、「この年頃の青年が書きそうな字」という感じですね。達筆というわけでもないですが、ひどいクセ字というわけでもなく。

牧野秀美氏(以下、牧野) まず、「合」の字で示している「口」部分の左上の角の接筆部分が閉じていることから、考え方は真面目です。ただ、「口」部分の右上の角は丸く、行動面は柔軟です。考えに縛られないので、路線変更や、相手に合わせることが苦痛ではありません。

 次に「合」の字の、払い部分を見てみましょう。左払いが長い人は、目立ちたがり屋でプレッシャーに強いタイプ、右払いが長い人は自分の感情に執着して入れ込むナルシストタイプ。ちなみに、両方長い人が“女優型”です。竹内さんの「合」の字は、左は十分長さを満たしています。しかし、右払いは短く、物事に対してのめり込まず、「ほどほどでいいや」という執着のなさを表しています。

――小池百合子さんの書く「合」の文字は、左右も長さたっぷりの女優型でしたが、それとはかなり違うということですね。

牧野 はい。また、竹内さんは「祭」や「高」などのハネはしっかり書かれているので、努力家であることがわかります。

――お騒がせ発言の多い泰葉さんの字には、ほとんど見られなかったのとは対照的に、「ハネ」がしっかりしていて実行力がありそうですよね。

牧野 はい。ただ、「王」の横線の間隔がバラバラですので、気分に左右されやすい面もありそうです。

■求められる姿を一生懸命演じている?
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――日本女子体育大学で舞踏を学ぶ土屋太鳳さんの字は、口の部分がしっかり大きい「体育会系」文字でした。竹内さんは、高校時代に東京ヴェルディのユースに所属し、プロサッカー選手を目指していたこともあったそうですが、文字も「体育会系」でしょうか?

牧野 「口」の内部空間の大きさは、その人の持つ内面のエネルギーの大きさ、つまり「やる気」を表します。「口」の内部の空間が大きな人は、エネルギーたっぷりです。それは子どもっぽさや、時と場合によってはやぼったく映ることもあります。逆に内部の空間が小さな人は、無駄なエネルギーを使わないために洗練されており、大人っぽいともいえます。ただ、竹内さんの場合、「感」と「謝」の字で「口」の大きさが違います。

――両面が見られる、ということですか?

牧野 両面が見られるのは、「口」の大きさだけではありません。「感謝」の文字を見ると、文字内の空間が広くとられ、のびのびしているのに対し、「陸」「最」の文字は窮屈に書かれています。文字間の空間を広くとる人はこだわりなくなんでも受け入れますが、文字間の空間が狭い人は自分なりの美学があったり、自分の世界を大切にしたりと、自分なりのこだわりを持っています。

 竹内さんは、理想が高く、気難しい面も持っていると思われます。ただ、明るくユーモアがあり、人に合わせる面が強調されて、その難しい部分があまりクローズアップされないのだと思います。

――確かに、「気難しい人だ」という印象は感じさせないですね。

牧野 真面目ゆえに、人から言われたことをまともに受けるのでしょう。仕事関係では、なおさらです。例えば、「俳優」「売れている」「タレント」「お笑いも必要」……などの求められている姿を一生懸命演じているのでは? まだまだ若く、人生経験が未熟なため、引き出しが少なく、おかしな方向に行っていることに気づかないだけなのかもしれません。そこが素朴でもあり、天然っぽいといわれてしまうゆえんなのではないでしょうか。接筆が閉じているせいで、客観的な視点に乏しい面もあります。意外ですが、先に触れた「右払いの短さ」から、ナルシスト要素はゼロです。

――竹内さんは「ぶりっこ」といわれがちな土屋太鳳さんと同様、右払いは短いですが、彼も「私は女優よ(俺は俳優だ)」タイプではないのですね。

牧野 竹内さんは、本来真面目で職人気質、自分の世界を大切にする性格を持っていますが、行動面が柔軟であるために、その自分の世界から一歩出て違う自分を演じることが、抵抗なくできてしまうのだと思います。つまり、「感謝」の丸文字に象徴されるような、一連の「ぶりっこ」といわれてしまう行動は「よかれ」と思って理想に向かって頑張っている姿なのでしょう。

――SNS世代なので、セルフプロデュースに真面目に取り組んでいる、ということかもしれませんね。Twitterでは170万以上のフォロワーがいますし。

牧野 いっそのこと、いいと思ったことをなんでもやってみて、その反応から自分を知ることもできるのではないでしょうか。どんどん経験を積み、迷走しなくても自分らしさを出せる俳優になって活躍してほしいです。
(石徹白未亜)

牧野秀美
筆跡鑑定人。筆跡アドバイザー・マスター。筆跡心理学をもとにした鑑定と診断を行う。著書に『自分のイヤなところは直る!~名前を書くだけ~』(東邦出版)
・ほっかいどう筆跡鑑定研究所

保活が終わっても地獄? 「タバコを吸ってる保護者がいる」との密告で窮地に立たされるママも

 少子化といわれている現代。出産可能とされている15歳から49歳までに、1人の女性が産む子どもの数の平均を示す「合計特殊出生率」は、平成27年の発表によると「1.42」となっている。

 特に、ワーキングウーマンが多い都心部では、一人っ子が多く、自ずとお母さんの視線はその子だけに注がれる。特に、経済的理由から2人目を諦めた場合は、一人の子どもに対しての期待度が高くなってしまう。祖父母が地方に住んでいるために育児の協力を頼めない場合など、すべての判断がママに委ねられるために孤立しがちと言える。さらには、高齢出産や不妊治療の苦労などが影響し、子どもに対してつい度を越えた過保護になってしまうお母さんもいるようだ。いまだ解消されぬ待機児童問題の中、せっかく入園できた保育園を退園してしまう園児もいるが、その背後には、モンペと呼ばれるママたちの姿が見え隠れする。今回は、実際に保育園に勤務している保育士の「モンペママのせいで精神的に追い詰められた」という告白に着目。東京の育児ママたちの“保活のその後”に迫っていく。

■保育士「そんなに大事なら自分で育ててほしい」

 「潜在保育士」という言葉を聞いたことがあるだろうか。これは、実際に保育士の資格を持っていながらも、なんらかの理由で保育士の仕事に就いていない人を指す。よく保育士の賃金の安さがニュースなどでも取りざたされているが、問題はそれだけではない。

 都内で派遣社員として働いている香織さん(仮名)も、潜在保育士の1人だ。

「テレビのニュースなどで、保育士不足というのを見ると胸が痛みますが、戻る気はないです。園のお遊戯会で使う小道具を作ったり、土曜保育があるので土曜日も出勤したり。本当、休みが少なくてお給料も安いんです。子どもが好きだったので、最初はやりがいを感じていたのですが、お着がえの入れ間違いや、帽子をかぶせないで散歩に出かけたのを親からきつく言われたり、なんでも現場の保育士のせいにして知らん顔をする経営者に嫌気がして、辞めてしまいました」

 保育士不足の問題の一因にモンペママが絡んでいるようだ。

 恵美さん(仮名)は、中学生の頃からの夢が「保育士」だった。幼くして父親を亡くしたため、看護師として働いていた母親に育てられた。同じく看護師になるのも考えたが、卒業までに3~4年かかる看護学校の学費なども考慮し、保育士の資格が取得できる2年制の専門学校に進学。「20歳で保育園に就職が決まったのですが、最初の1年はストレスで髪が抜け落ちたり、蕁麻疹が出たりしていました」と語る。

「就職する前に、宗教系の保育園にインターンシップ制度で働いていました。その園は、園長が厳しく教育方針が合ったお子さんが通っていたのでトラブルは少なかったんです。就職先の認証保育所は、小規模保育だったので3歳までの園児しか預かれなかったのですが、ビルのワンフロアくらいの広さの中で、乳児たちが泣きわめいて地獄でしたね」

 毎年、新年度の4月になると、子どもたちの情緒が不安定になるため1日中泣き止まないこともよくあるらしい。

「劣悪な職場環境だとは思わなかったんですけど、やはり窓も開けられないような部屋で延々と乳児たちが泣き叫ぶのは、聞いていて気が狂いそうになりました。入社してすぐに保育士さんが辞め、さらに1年で3人も自己都合で辞めていったんです。そんな保育士が一時的に足りない時に、野外保育の公園で遊んでいる男児が滑り台でケガをしてしまったんですが、それを伝え忘れてから、ママさんの態度が豹変しました」

 その後、そのママの言動はどんどんエスカレートしていった。

「受け渡しの時に、“肌着を後ろ前に着せられていた”から始まり、自分でひっかく癖のあるお子さんだったのですが“お前の抱っこの仕方が悪い”と怒られ、立ったまま20分、多いときで40分近くクレームを言われ続けたこともあります」

 ついには、連絡帳に書く内容についても、細かく指示をされるようになった。

「おむつを替えた回数、離乳食の量、ミルクの回数など記入漏れがあると怒り出すんです。給食の配膳が少ないと文句をつけられて、園長が臨時保護者会を開いて説明しました。そんなに大事な子どもだったら、自分で育ててほしいって思いました」

 あくまで保育園は、「日中働いていて、育児ができない両親に代わって、子どもを預かる」場所であり、親代わりではない。しかし、乳児が家で長時間泣いたり、思うようにミルクを飲まないなどの様子が見られると、「日中関わっている保育士が原因ではないか」と思い込んでしまう親もいるそう。忙しく働くことで、精神的な余裕がないワーママがモンペママ化してしまうのかもしれない。

 保育士が抱えるモンペママ問題とは反対に、保育園側がママたちにクレームを付けるケースもあるという。俗に“園ルール”と呼ばれる独自の決まり事があり、それに違反したママに注意が入るのだ。規律の厳しい園では、送迎時の親の寄り道は禁止のため、買い物袋を提げて迎えに行くのはNG。あくまで保育は、仕事などやむを得ない理由があって子どもを預かっているという建前のため、買い物などはもっての外だという。

 この園ルールは、入園前の説明会などでさらっと説明をして終わるだけの園もあるので、事前に、児童館や地域センターを利用し、地元で子育てを行うママ友ネットワークを駆使して、園の雰囲気を知ることが重要と言える。しかし、前情報を得ていたとしても、保育士だけでなく、“同じ園に通っているママさん”からルール違反を厳しくチェックされ、苦しむママが続出しているという。

「喫煙者なので、出社前に一服したいんです。最近は、禁煙の駅も多いので保育園の近くにあるタバコの販売所が喫煙所代わり。でも、送迎中のママさんに見られたみたいで“保育園を出たところでタバコを吸っている保護者がいます”と、園から配られるお知らせに書かれました」

 彼女は、受け入れ先の幅が広がる3歳を目安に、転園も考えている。

 モンペママの傾向に、「自分がルールを守っているのに、守っていない人がいるのが許せない」というのがあるようだ。ある保育園では、子どもが着ているものにまで、文句を言うママがいたという。4歳になる女児を持つ美穂さん(仮名)は「4歳になると、アニメやテレビの影響でスカートを穿きたがるんです。でも保育園のルールはズボンのみ。同じクラスに通う女の子で、スカートとパンツが一体型となった“スカッツ”を穿いている子がいたんですが、『本人や親に“スカートはルール違反ですよ”って言っても“これはスカートじゃなくてズボンだ”と言い張るので、園長から注意してもらった』と話していたママがいました。1人が許されると、全体がまねするからだそうです」と語る。

 まるで、厳しい公立中学の学区で起きた話のようだが、歴とした保育園に通うママ同士のトラブル。“保活”をしていると、子どもは、預け先が見つかるまでが地獄で、入ってしまえば天国のように錯覚してしまうが、そんなことはない。0歳児で入園すると、卒園までの6年間を過ごすことになる保育園では、なにごともなく、無事に卒園を迎えられるのは少数と言えるかもしれない。
(文=池守りぜね)

 

保活が終わっても地獄? 「タバコを吸ってる保護者がいる」との密告で窮地に立たされるママも

 少子化といわれている現代。出産可能とされている15歳から49歳までに、1人の女性が産む子どもの数の平均を示す「合計特殊出生率」は、平成27年の発表によると「1.42」となっている。

 特に、ワーキングウーマンが多い都心部では、一人っ子が多く、自ずとお母さんの視線はその子だけに注がれる。特に、経済的理由から2人目を諦めた場合は、一人の子どもに対しての期待度が高くなってしまう。祖父母が地方に住んでいるために育児の協力を頼めない場合など、すべての判断がママに委ねられるために孤立しがちと言える。さらには、高齢出産や不妊治療の苦労などが影響し、子どもに対してつい度を越えた過保護になってしまうお母さんもいるようだ。いまだ解消されぬ待機児童問題の中、せっかく入園できた保育園を退園してしまう園児もいるが、その背後には、モンペと呼ばれるママたちの姿が見え隠れする。今回は、実際に保育園に勤務している保育士の「モンペママのせいで精神的に追い詰められた」という告白に着目。東京の育児ママたちの“保活のその後”に迫っていく。

■保育士「そんなに大事なら自分で育ててほしい」

 「潜在保育士」という言葉を聞いたことがあるだろうか。これは、実際に保育士の資格を持っていながらも、なんらかの理由で保育士の仕事に就いていない人を指す。よく保育士の賃金の安さがニュースなどでも取りざたされているが、問題はそれだけではない。

 都内で派遣社員として働いている香織さん(仮名)も、潜在保育士の1人だ。

「テレビのニュースなどで、保育士不足というのを見ると胸が痛みますが、戻る気はないです。園のお遊戯会で使う小道具を作ったり、土曜保育があるので土曜日も出勤したり。本当、休みが少なくてお給料も安いんです。子どもが好きだったので、最初はやりがいを感じていたのですが、お着がえの入れ間違いや、帽子をかぶせないで散歩に出かけたのを親からきつく言われたり、なんでも現場の保育士のせいにして知らん顔をする経営者に嫌気がして、辞めてしまいました」

 保育士不足の問題の一因にモンペママが絡んでいるようだ。

 恵美さん(仮名)は、中学生の頃からの夢が「保育士」だった。幼くして父親を亡くしたため、看護師として働いていた母親に育てられた。同じく看護師になるのも考えたが、卒業までに3~4年かかる看護学校の学費なども考慮し、保育士の資格が取得できる2年制の専門学校に進学。「20歳で保育園に就職が決まったのですが、最初の1年はストレスで髪が抜け落ちたり、蕁麻疹が出たりしていました」と語る。

「就職する前に、宗教系の保育園にインターンシップ制度で働いていました。その園は、園長が厳しく教育方針が合ったお子さんが通っていたのでトラブルは少なかったんです。就職先の認証保育所は、小規模保育だったので3歳までの園児しか預かれなかったのですが、ビルのワンフロアくらいの広さの中で、乳児たちが泣きわめいて地獄でしたね」

 毎年、新年度の4月になると、子どもたちの情緒が不安定になるため1日中泣き止まないこともよくあるらしい。

「劣悪な職場環境だとは思わなかったんですけど、やはり窓も開けられないような部屋で延々と乳児たちが泣き叫ぶのは、聞いていて気が狂いそうになりました。入社してすぐに保育士さんが辞め、さらに1年で3人も自己都合で辞めていったんです。そんな保育士が一時的に足りない時に、野外保育の公園で遊んでいる男児が滑り台でケガをしてしまったんですが、それを伝え忘れてから、ママさんの態度が豹変しました」

 その後、そのママの言動はどんどんエスカレートしていった。

「受け渡しの時に、“肌着を後ろ前に着せられていた”から始まり、自分でひっかく癖のあるお子さんだったのですが“お前の抱っこの仕方が悪い”と怒られ、立ったまま20分、多いときで40分近くクレームを言われ続けたこともあります」

 ついには、連絡帳に書く内容についても、細かく指示をされるようになった。

「おむつを替えた回数、離乳食の量、ミルクの回数など記入漏れがあると怒り出すんです。給食の配膳が少ないと文句をつけられて、園長が臨時保護者会を開いて説明しました。そんなに大事な子どもだったら、自分で育ててほしいって思いました」

 あくまで保育園は、「日中働いていて、育児ができない両親に代わって、子どもを預かる」場所であり、親代わりではない。しかし、乳児が家で長時間泣いたり、思うようにミルクを飲まないなどの様子が見られると、「日中関わっている保育士が原因ではないか」と思い込んでしまう親もいるそう。忙しく働くことで、精神的な余裕がないワーママがモンペママ化してしまうのかもしれない。

 保育士が抱えるモンペママ問題とは反対に、保育園側がママたちにクレームを付けるケースもあるという。俗に“園ルール”と呼ばれる独自の決まり事があり、それに違反したママに注意が入るのだ。規律の厳しい園では、送迎時の親の寄り道は禁止のため、買い物袋を提げて迎えに行くのはNG。あくまで保育は、仕事などやむを得ない理由があって子どもを預かっているという建前のため、買い物などはもっての外だという。

 この園ルールは、入園前の説明会などでさらっと説明をして終わるだけの園もあるので、事前に、児童館や地域センターを利用し、地元で子育てを行うママ友ネットワークを駆使して、園の雰囲気を知ることが重要と言える。しかし、前情報を得ていたとしても、保育士だけでなく、“同じ園に通っているママさん”からルール違反を厳しくチェックされ、苦しむママが続出しているという。

「喫煙者なので、出社前に一服したいんです。最近は、禁煙の駅も多いので保育園の近くにあるタバコの販売所が喫煙所代わり。でも、送迎中のママさんに見られたみたいで“保育園を出たところでタバコを吸っている保護者がいます”と、園から配られるお知らせに書かれました」

 彼女は、受け入れ先の幅が広がる3歳を目安に、転園も考えている。

 モンペママの傾向に、「自分がルールを守っているのに、守っていない人がいるのが許せない」というのがあるようだ。ある保育園では、子どもが着ているものにまで、文句を言うママがいたという。4歳になる女児を持つ美穂さん(仮名)は「4歳になると、アニメやテレビの影響でスカートを穿きたがるんです。でも保育園のルールはズボンのみ。同じクラスに通う女の子で、スカートとパンツが一体型となった“スカッツ”を穿いている子がいたんですが、『本人や親に“スカートはルール違反ですよ”って言っても“これはスカートじゃなくてズボンだ”と言い張るので、園長から注意してもらった』と話していたママがいました。1人が許されると、全体がまねするからだそうです」と語る。

 まるで、厳しい公立中学の学区で起きた話のようだが、歴とした保育園に通うママ同士のトラブル。“保活”をしていると、子どもは、預け先が見つかるまでが地獄で、入ってしまえば天国のように錯覚してしまうが、そんなことはない。0歳児で入園すると、卒園までの6年間を過ごすことになる保育園では、なにごともなく、無事に卒園を迎えられるのは少数と言えるかもしれない。
(文=池守りぜね)

 

産科病棟でヘロイン売る新米パパ、不法侵入でスナチャの女子……2017年アメリカおバカニュース

 2017年のアメリカは、異例の低支持率でドナルド・トランプ政権がスタートするなど、年明け早々から幸先が悪かった。激化するデモ、史上最悪の銃乱射事件、ハリウッドや政界における権力者たちのセクハラ問題……国内外でテロの恐怖におびえ、遠く離れた北朝鮮の挑発にも気を揉み、「多様性が大切」と主張する人が多いわりには、差別や格差が一層進んだようにも感じられる、まさに怒涛の1年だった。

 物騒な事件が多く、何度も全米が大きな悲しみに包まれることもあったが、そんな中でもなんともアメリカらしい/アメリカならではのおバカ事件が次々と発生。今回は17年に、アメリカで起こった事件の中から「全米おバカニュース ベスト10」をご紹介しよう!

■クレーマーカップル「チキンが冷めてる!」と店主をボコボコに
 食べることが大好きなアメリカ人は多い。裕福な層には意識高い美食家たちも少なからず存在するが、貧困層は安くて量が多くてお得感満載なファーストフードをこよなく愛す。そのためか、ファーストフード店で「量が少ない!」とクレーマーに豹変し、大騒ぎして逮捕される事件が後を絶たない。そんなクレーマーの中でも史上最悪な事件が6月、複数の米メディアで報じられた。

 事件は、ジョージア州バックスレイにある「クイック・チック」というフライドチキンが売りの小さなレストランで発生した。夫婦でやってきた客が「チキンが冷めてる!」「ポテトの量が少ない!」とクレームをつけ、女性店主は「そういうことなら」と返金する。それでも2人の怒りは収まらず、店の外に出ても怒鳴りまくり、外に出てきた女性店主に罵声を浴びせてボコボコに殴り倒し、止めに入ろうとした店主の娘の顔面にもパンチするという暴れぶりだった。

 2人が殴られている様子は防犯カメラに撮られており、メディアがこぞって放送。その暴行の様子があまりにもひどすぎて、話題騒然となったのだ。

 映像には、でっぷりと太った中年の男がレストランの外で女性店主に罵声を浴びせている様子が映し出されている。音声はないが、中年の男は全身で怒りをあらわにし、怒鳴りまくっている様子がわかる。

 と、次の瞬間、痩せた女が駆け足で現れ、女性店主に殴る蹴るの暴行を開始。手加減なしでボコボコにされ、店主は倒れてしまう。店前に止めてあった車からオーナーの娘(15)が果敢に飛び出して2人に抗議すると、男はなんと娘の顔面にもパンチ! 2人はさっさとその場から逃げ出したが、セキュリティがすぐに駆けつけた。女性セキュリティは号泣する娘をハグし、母である店主もタオルで鼻を押さえながら、あたりの様子を見渡している。

 このクレーマー夫婦は、防犯カメラのおかげで間もなく逮捕。45歳のナサニエル・エリック・スミスと28歳のラターシャ・デニス・スミスという年の差夫婦で、11月に行われた裁判で加重暴行と未成年に対する暴行の罪状を認めた。刑はまだ確定していないが、かなり厳しいものになるのではないかと見られている。

 ボコボコにされた女性店主と顔面パンチされた娘には、地域住民から同情が集まり、その後、店は大繁盛しているそうだ。

 11月16日、ワシントン州オカノガン郡の真っ青な空に、どこからどう見てもいきり立ったチンコにしか見えない雲が出現した。チンコの下にはご丁寧に睾丸も2つ描かれており、目撃者が次々とSNSに投稿。「偶然のチンコ雲なのかしら?」「どう考えても飛行機雲なんだけど、誰がリクエストしたのだろう?」と、ネット上でたちまち話題になった。

 何かとスケールが大きいアメリカでは、プロポーズの言葉を飛行機雲で描いてもらうというサービスがある。奥手な男が意中の女性に「一発やろう」となかなか言えず、飛行機に頼んだのだろうかという妙な臆測も流れたが、その後、なんと海軍が謝罪声明を発表し、全米を驚かせた。海軍のホイットビー・アイランド航空基地に所属するパイロットが、ふざけてこのチンコ形の飛行機雲を描いたというのだ。

 海軍は「不快な思いをさせてしまい、心よりお詫び申し上げる」「このような幼稚で性的ないたずらは、到底容認できない行為」だとパイロットを非難。このパイロットは、飛行停止処分を受けたと報じられた。

■袋詰めのエビをパンツに押し込み、万引を試みた男が逮捕
 ドナルド・トランプ政権樹立後の今年も、アメリカの庶民の暮らしはあまり改善されなかった。社会の底辺で暮らす人たちは、さらに貧しく厳しい状況に追い込まれているとされる。そのため貧しさから食べ物を万引きする事件も、全米で起こっているのだ。
 
 そんな中、11月9日、ペンシルベニア州ドーフィン郡にある食品小売チェーン店ワイス・マーケットで、袋詰めされたエビをパンツに押し込み、何食わぬ顔で店を立ち去ろうとした49歳の男が逮捕されるという、なんともクサそうな事件が報じられた。

 アニバル・バウティスタ・ジュニアという名前のこの男は、複数の袋詰めされたエビをパンツの中に押し込み、隠したつもりになっていたが、不自然な股間の膨らみに店員が気がつき、警察に通報。パンツに隠されていた袋詰めのエビは押収され、男は窃盗罪で逮捕された。

 商品をパンツに隠して万引きするケースはよくあるものの、「生のエビを隠し入れたというのは聞いたことがない」と、地元警察もあきれ返っていたと伝えられている。

 9月9日午後3時すぎ、ウィスコンシン州ソークビルのヒルクレスト・ロードならびにクレアモント・ロードの周辺で「子どもを入れたビニールプールを屋根に載せたミニバンが走っている」と複数の目撃情報が911に寄せられた。

 何かとユルいアメリカの田舎でも、近年ではシートベルトを着用していないドライバーや、飲酒運転に対する取り締まりが厳しく行われている。また、同乗している子どもには、年齢に合わせて適切なチャイルドシートやシートベルトを使用させなければならないという細かい規則があるのだが、シートベルトどころか、走行している車の上に乗せる非常識ぶりに、目撃者たちは驚愕した。

 車を運転していたのは28歳のアンバー・シュマンクという女性。駆けつけた警察官に「プールを運ばなくちゃいけなかったけど、車の中にはスペースがなかったから、上に載せた。でも、そのまま走ると飛んでいってしまうから、9歳になる息子に『プールの上に乗って、きちんと押さえろ』と言ったの」と悪びれることなく説明したという。警察官に「息子が転げ落ちて大けがをする可能性もあったんだぞ」と叱咤されても、「でも、息子と同じ年の頃、アタシもパパに言われて似たようなことしてたし」と罪悪感ゼロだったという。

 アンバーは、第二級無謀運転容疑で逮捕・起訴され、最高で10年間の禁錮刑を受けることになってしまったと報じられている。

■「娘が生まれた! 産科病棟でヘロインを売ろう!」

 10月19日、ペンシルベニア州グリーンズバーグのノースメインストリートで、警察官が停止を銘じた車の中から、薬物摂取器具が発見された。薬物使用の疑いをかけられた運転手は「エクセラ・ウェストモーランド病院の産科病棟の病室で、男からヘロインを買った」と、あっさり自白。警察官がすぐに病院へ行き、問題の病室に入ったところ、確かにそれらしき男がいて「ここで部屋に来る奴らに売った」と、これまたあっさりと罪を認めた。

 男の名前はコーディ・ハルス(25)。なぜ産科病棟にいたかというと、交際相手が自分の赤ん坊を出産したから。ミルク代&オムツ代を稼がなければと思ったのか、注射器やスプーン、ゴムバンド、そして34袋に小分けしたヘロインをポケットにパンパンに詰め込んで、病室に駆けつけたのだ。

 赤ん坊は女の子で無事に生まれたものの、コーディは出産を終えたガールフレンドや生まれたての我が子を見ても神妙な気持ちにはならなかったのか、同じ病室に見舞いに来る人たちに、ヘロインや器具を販売しまくった。ガールフレンドはお産の疲れからかまったく気づいておらず、逮捕後「まさか」と驚いていたと伝えられた。

 コーディは規制物質の販売、規制物質所持、薬物摂取器具の所持、児童福祉を危険にさらした罪で逮捕・起訴された。

 7月16日、911緊急通報センターに、切羽詰まった男から電話がかかってきた。フロリダ州フォート・ウィルトン・ビーチ在住の男からで、内容は車上荒らし被害の通報だった。盗まれたのは現金50ドル(約5600円)とコカイン約7グラム。男は「被害届を出したいから、早く警察を呼んでほしい」と主張した。

 通報を受けて駆けつけたオカルーサ郡警察の保安官に、男は「自分は薬物売人のデヴィッド・ブラックモン。35歳です」と自己紹介。「早く犯人を探してほしい」とイラつく彼を落ち着かせ、保安官が車内を調べたところ、袋に入ったコカイン、クラック・コカインの塊、クラックを吸引するためのパイプなどが見つかり、デヴィッドはコカイン所持・薬物摂取器具所持の容疑で、その場で逮捕された。

 ちなみにデヴィッドは「自分は車両荒らしの被害者なんですよ!?」と納得できず、納得せず暴れたため、逮捕に抵抗した容疑がプラスされることに。なお、彼は「職業・薬物売人」を名乗るだけあり金は持っているらしく、4,000ドル(約45万円)の保釈金を支払い、すぐに釈放された。

■出所目前、刑務官の「もう戻ってくるなよ」にイラッ

 8月下旬、コネチカット州ブリッジポートの刑務所で、出所直前に「もう戻ってくるなよ!」と声をかけた刑務官を殴り、そのまま刑務所へ逆戻りになったアホな男がいたと報じられた。

 男の名はマーカス・コロン、23歳。昨年12月6日、盗難車に乗り込もうとしたところを警察官に目撃され、御用になっていた。盗難車の中からは盗難品が次々と見つかり、スタンフォードで盗難届の出されていたものだと判明。マーカスは窃盗罪と盗難罪で逮捕・起訴され有罪となり、禁錮9カ月の判決を受けた。

 ブリッジポート刑務所に入れられたマーカスは、真面目に刑に服した。その結果、予定通り9カ月で釈放されることになる。8月下旬、釈放手続きを終え、囚人服から私服に着替え、晴れてシャバに出るというその瞬間、刑務所のゲートで刑務官が「もう戻ってくるなよ」と声をかけた。アメリカは、再犯率がとても高い。司法省機関BJSによると、05年に30ヵ所の刑務所から釈放された40万人のうち、68%が3年以内に、77%が5年以内に再び逮捕されているという。とにかく刑務所に舞い戻ってくる輩が多すぎるため、刑務官は釈放される者たちに「もう戻ってくるな」と活を入れることがあるのだ。

 しかし、気分良くシャバに出ようとしていたマーカスは、この言葉にムカッときてしまう。そのまま進めば刑務所の外だというのに、ぐるりと回れ右して、刑務官を殴ってしまったのだ。

 すぐにほかの刑務官に取り押さえられ、催眠スプレーまでかけられ、そのまま刑務所内へと引きずり込まれた。現行犯逮捕された彼は、公務執行妨害、刑務官への暴行、治安紊乱行為で起訴され、さらに長い月日を刑務所で過ごすハメとなった。

 9月19日、テキサス州10大最重要指名手配リストに載っていた18歳のクリストファー・リカルド・ゴンザレスが、ロサンゼルス郊外で逮捕された。リトル・クリストというギャング名で呼ばれていたこの少年は、ストリートギャング「ブラッズ」の構成員で、殺人、強盗の容疑をかけられて逃亡中だった。

 逃亡中の犯罪者というと、息をひそめて潜伏生活を送っているイメージがある。しかし、このクリストファーはSNS命のミレニアル世代。5,000ドル(約56万円)の賞金がかけられている身で、警察に捕まったら重刑は免れないというのに、なんとインスタグラムのライブ配信で、拳銃や武器を見せながら得意げに生中継し始めたのだ。

 彼を追っていたテキサス州ダラスの警察は、当然彼のインスタグラムもマークしており、配信開始後、すぐにロサンゼルス市警に連絡を入れる。GPSもトレースできていたため、覆面捜査官はすぐに彼の居場所を特定した。

 レンタル中のシボレーSUV車内で武器自慢していたクリストファーは、捜査官たちの姿に驚きつつも、迷うことなく逃走を開始する。そして、パトカーとのカーチェイスを繰り広げた挙げ句、電信柱に衝突。車から飛び出し、逃走しかけたところを警察犬に飛びかかられ、御用となった。

 逮捕現場となった庭のオーナーは、「撃ち合いになるかと冷や冷やしたけど、警察はノン・リーサル・ウェポン(催眠スプレーやスタンガンなどの非致死性兵器)で奴を逮捕した。見事なもんだった」と、深夜2時前に繰り広げられた逮捕劇を興奮した口調で地元メディアに伝えた。

■ウォーター・パークに不法侵入して、スナチャで自慢

 サウスカロライナ州最大のウォーター・パーク、マートル・ウェイブス・ウォーター・パークは、流れるプールに滝のプール、アトラクションも満載で、家族で思いっきり楽しめるスポットとして人気を集めている。

 今夏、真夜中に、このマートル・ウェイブスのフェンスを越えて不法侵入した18歳の少女2人が逮捕された。2人は、7月1日午前4時頃壁をよじ登って不法侵入し、スナップチャットにはしゃぎまくる動画を投稿。「これで、全てのウォータースライドを滑り終えたね!」などと騒ぎ、鍵のかかっていないアイスクーラーから、8ドル(約900円)相当のイタリアン・アイスを取り出して食べる姿も配信していた。

 これを見た女性が、「どう見ても不法侵入したとしか思えない」と、3日になって警察に通報。警察はスナチャのユーザー名から犯人を特定、不法侵入と無銭飲食の容疑で、ローガン・ブルック・ラリモアとファレン・マリー・レーンを逮捕した。

 2人はその後、第3級侵入窃盗罪で起訴されたが、軽犯罪ということもあり、すぐに釈放。その後ローガンはTwitterで「誰が警察にタレ込んだのか、白状してくれない?」とツイート。世間は、あまりの図太さに白目をむいた。

■犯人も同じなら通報者も同じ 二度目のコンビニ強盗

 昨年10月30日、メリーランド州ボルチモアのブロードウェイにあるコンビニに強盗が入った。男は商品を購入するふりをして店員に近づき、「レジの金を出せ」と要求。「銃で撃つ」とも脅され、店員が焦ってオタオタしているうちに、犯人は何も盗らずに店を飛び出していった。

 店員はすぐに警察に通報、犯人の顔の特徴などを詳しく伝えたため、、間もなく逮捕につながった。犯人は19歳のエリック・チャップマンという男で、拳銃強盗未遂の容疑で起訴され、禁錮8カ月と2年間の保護観察処分の判決を受けた。

 真面目に刑務所生活を過ごし、6月6日に釈放されたエリックは、その20日後、再びコンビニ強盗を試みる。しかも、事もあろうに、前回逮捕時と同じコンビニに押し入ったのだ。エリックは、今回は「レジを開けろ、さもないと撃つぞ」と書いたピンクの紙を店員に渡した。受け取った店員は、エリックの顔を見てあぜんとした。そう、前回の強盗未遂時に居合わせた店員だったのだ。

 店員はあきれながらも今回は冷静にパニック・アラーム(防犯装置の一種)を押したため、驚いたエリックは一目散に逃走した。地元メディアの取材に対して警察の捜査担当者は、同じコンビニに押し入るアホさにあきれつつ「前回も今回も『拳銃で撃つ』と脅した手口に、本当にうんざりする」と述べ、不法に銃を所持する犯罪者が多すぎることに対し憤りをあらわにした。

“輝かしい過去”を忘れられない!? 現実と自意識のギャップが匂う「女子アナベスト3」

――オンナの花形職業“女子アナ”をウォッチし続けるライターの仁科友里が、2017年、テレビやネットを騒がせた女子アナを“ある視点”からランキング化する。

 人は全盛期を引きずるものである。シジュウをすぎても、1月になると元東大生たちが一斉にセンター試験の点数を語りだすのも、若かりし頃の面影がないくらい中年太りした元美少女が、今も男性が自分に注目している前提で話を進めるのも、それだけ甘美な時を過ごしたから。

 恵まれし人生を過ごしてきたであろう女子アナの皆さんも素晴らしい過去をお持ちのようだが、常に変化する芸能界の一線に立ち続けようとするのなら、“引きずること”は完全にマイナスである。というわけで、“2017年引きずる(引きずっているように見える)女子アナベスト3”をお届けする。

第1位:宮崎宣子(フリー)
テレビの法則を無視して“おごられ上手な私”をアピール

 スタジオで涼やかに微笑んでいるだけでは、仕事が来ないのがフリーというもの。フリーの女子アナが、キャラクターを確立するためにプライベートを公開するのはよくあることだが、宮崎宣子アナはどうもそれがヘタ。大手企業サラリーマンとの離婚原因を「尽くしすぎて」と説明して、女性視聴者の共感を集めようと思ったのかもしれないが、「結婚=幸せ」「離婚=不幸」という二元論でできているテレビの価値観からいうと、インパクトが弱い。相手に浮気されたなど、離婚の理由は、はっきりした“不幸”でないと、テレビ的にしっくりこないのだ。

 逆にそこは見せない方がいいのと思ったのが、“おごられ上手”な面である。『友だち+プラス』(TBS系)に出演した宮崎は、有名ウナギ店の店主、有名割烹店のオーナー、高級ブランド牛生産社、タイヤメーカー経営の“社長サン”に高級料理をおごられていた。高級外車で迎えに来てもらってご馳走になるのは、バツなし独身時代からの習慣だろう。しかし、テレビ的にいうのなら、バツイチとなった今の宮崎は、昔のやり方を捨てて、不幸っぽくしないと、視聴者の共感は集まらない。プライベートはともかく、昔のやり方をテレビの前で引きずってはいけないのだ。

 ちなみに、『芸能界PTAワケあり芸能人の親大集合SP』(フジテレビ系)に出演した宮崎の母は、離婚の原因を「生活がだらしなく、料理など家のことが何もできない」「金遣いが荒くて、日テレ時代も10万仕送りをしていた」と説明していた。やはり、あらゆる意味で、昔のやり方を引きずるのは、辞めた方がいいと思われる。

第2位:田中みな実(フリー)
病んでる”設定なのに、オンナには高圧的!

 女子アナになって、ジャニーズのタレントとつきあって、「an・an」(マガジンハウス)の表紙までやって、それで「私なんて」「生きてるのがつまらない」っていわれた日には、一般人は死ぬしかないんですけど! とツッコミたくなるくらい、ダウンタウンなど男性司会者の前では“病んでますアピール”が強い、ミナミ・タナカ。

 善良なる一般人男性諸氏は、弱々しく見える田中により一層股間を熱くするのだろうが、田中は女性タレントと共演する時は、割と高圧的である。『もしかしてズレてる?』(フジテレビ系)では、交際経験がないハリセンボン・近藤春菜に「幸せになったことがなくて、うらやましい」など言いたい放題である。

 後輩にも、当たりはきつい。『ダウンタウンなう』(同)で、タレントのホラン千秋と共演した際は、「しばらく恋愛していない」というホランに「うらやましいよね、こんな(人生が)平坦でいられる人」、写真週刊誌に撮られたことがないというホランに「(撮られたことがないのではなく)張られていないと思う」と暗に芸能人としての価値が低いとでも解釈できる発言を繰り返す。ホランが田中の大学の2年後輩ということもあって言いやすいのかもしれないが、ここで見逃すわけにいかないのが、ホランは就活でキー局のアナウンサー試験に全敗していることである。

 田中は「倍率数千倍という女子アナの採用試験をパスしたワタシ」という“22歳の自意識”を引きずっており、故に思ったような仕事が来ないことに落ち込み、女子アナ試験を落ちた自分より“下”の同性には強く出るのではないだろうか。

第3位:高橋真麻(フリー)
お嬢さん育ちならではの自意識過剰

 『ダウンタウンDX』(日本テレビ系)で、ヴィトン柄のコートを披露した高橋真麻。フジテレビ時代、働いている自分へのご褒美として、40万円で買ったそうだが、上司に生意気と思われたらどうしよう、どうせお父さん(俳優・高橋英樹)に買ってもらったと言われると考えてしまい、一度も袖を通さずじまいだったそうだ。「せっかく買ったのに、いくじなし!」と真麻は自らをなじってみせたものの、それは自意識過剰というものではないか。

 というのも、フジの女子アナが、ブランド物のコートをうらやましく感じるとは思えないからだ。高給取りであろうアナウンス部の女性は、欲しければ自分の給料でブランド物のコートなど余裕で買えるだろうし、いろいろなお付き合いで安く手に入れることもできるはず。女子アナとお近づきになりたくて、献上する男性も多数いることだろう。

 お嬢さん育ちで人を妬む経験が少ない真麻は、単純に「値段が高い=妬まれる」と思っているのかもしれないが、実力のある人間にとってカネで解決できることは、妬みの対象にはならないと私は思っている。妬ましいのは、育ちやチャンスなど、いくら金を積んでも買えない、もしくは努力でどうにもならないものなのである。真麻は入社直後に、コネ入社だとバッシングされたことを引きずっているようだが、そんなことはもうどうでもよい。フリーとなっても仕事が途切れない“今”が全ての答えである。

【総評】TBSのアナウンサーから、タレント、エッセイストに転身を果たした元TBS・小島慶子は、「週刊プレイボーイ」(集英社)の連載において、「女子アナという職業が、なくなればいい」とまで書いていた。1人の女性に、こんなにも愛憎を抱かせる女子アナという職業は、何なのか。来年も注目させてもらいます。

仁科友里(にしな・ゆり)
1974年生まれ、フリーライター。2006年、自身のOL体験を元にしたエッセイ『もさ子の女たるもの』(宙出版)でデビュー。現在は、芸能人にまつわるコラムを週刊誌などで執筆中。気になるタレントは小島慶子。著書に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)、最新刊は『確実にモテる 世界一シンプルなホメる技術』(アスペクト)。
ブログ「もさ子の女たるもの

「おもしろ人間図鑑」か「先にやってきた未来」か──“脱北YouTuber”が語る北朝鮮のリアル

 こんにちは。安宿緑です。「脱北YouTuber」をご存じでしょうか?

 文字通り、脱北者がYouTuberとして番組を配信しているのです。正確には、「アフリカTV」というチャット機能付きの動画配信サイトからYouTubeにも転載をしている形です。韓国では脱北BJ(配信者)と呼ばれています。

 彼ら脱北YouTuberが台頭してきたのは2016年頃からで、現在多くのチャンネルがあるのを確認できます。とはいえ元庶民ですから政情には詳しくないようで、もっぱら恋愛や食べ物などの生活ネタ、北朝鮮に対する質問に答えるのを主なコンテンツとしているようです。

 その中から、特徴的なYouTuberをピックアップしてみました。

「脱北ブローカーが『国境を越えたら、北斗七星の方向を目指していけ』と言った。内モンゴルの砂漠をひたすら走り、国境警備隊を避けるために、夜の砂漠の真ん中で息を潜めた時は、心臓が凍りつくように寒かった」

 BJイピョンさん(23歳)が語る脱北時の様子は、映画のワンシーンのようです。

●BJイピョン
https://www.youtube.com/channel/UCBiFOp2g0ER25Tb5OA0G0kg

 アフリカTVの累積視聴者数は3カ月で28万人超、YouTubeに上げた脱北経緯についての動画は120万アクセスを記録。端正な容姿にピアスに刺青という、韓流アイドルのような容姿も人気の理由のようです。

 彼が放送を始めたきっかけは、「脱北者が“アカ”呼ばわりされたり、貧しい人間扱いされるのが嫌だったから」とのこと。

「北朝鮮の人は本当に人肉を食べるのか」「全員が暗殺術を習うのか」などの質問を受けることもあり、自身の放送を通じて、こうした偏見を取り除き、北朝鮮へのイメージを正したいと話しています。

 脱北したとはいえ、好き放題言われるのは我慢ならんということでしょうか。

 続いて、容姿端麗といえばイ・ソユルさん(30歳)。30歳とは思えぬ美貌とスタイルが人気で、自らフィッティングモデルを務める洋服の通販サイトを運営しています。しかしこんな美人でありながら、放送内容がえぐいのが彼女の特徴であります。

●ソユル 脱北女子 イ
https://www.youtube.com/channel/UC9jMdW7ZEnPBYhQ-sIksoDw

 先日、軍事境界線を乗り越えてきた脱北兵士の体内から回虫が発見された件についても、彼女はこのようにコメントしました。

「回虫くらい当然のこと。驚きませんでした」

 そういって、寄生虫エピソードを次々と披露します。

・北朝鮮では年に1回、駆虫剤を飲む
・回虫は最大でボールペンくらいの太さ
・シラミもわくので洗濯用洗剤で全身を洗っていた
・一度、洗濯用洗剤で洗ったら余計シラミがわいて「この洗剤は安企部(安全企画部=現:韓国国家情報院)が流布したものだ」という噂が出回った
・脇毛にシラミがわいた人がいた

 さらには「私は女性なので話すのは迷ったのですが……話しちゃいます!」と照れながら、喉に違和感を覚え、引っ張り出したら回虫だったという話まで披露。満面のスマイルで「もう10年前の話なんで、汚く思わないでくださいね★ ウフフッ★」と締めます。

 いや、全然笑えないんだが……という感じですが、壮絶な体験をサラリと話してしまうのも脱北YouTuberの魅力といえましょう。

 笑えないはずだが、一周回って笑える動画といえば、「脱北女子ソニー」。

●NorthKorean Sunny
https://www.youtube.com/channel/UCiIBRxfi5PspgJSTcvi-pHg

「私たちはお金がなかったので」と生々しい前置きをし、北朝鮮で自作していた化粧品の作り方という、ある意味「誰得」な動画をアップしています。ラインナップは、どれもDIY精神を感じさせるものになっております。

 赤いクレヨンを油で溶きながら「北にいる時は、ごま油でやってて臭かった」と言ったり、「描けない!」「痛い!」などと言いながら木串のアイラインを解説する姿は、笑っていいのかダメなのか微妙なところです。そうやってさんざん詳細に語っておきながら、最後は「体に悪いからやめたほうがいいです」と視聴者にアドバイス。いや、作らないから安心してほしい。

 そして真打ちとも言える存在が彼女、ソン・ポムヒャンさん(31歳)です。YouTube登録者数は約14万人と、桁違い。

●ソン・ポムヒャンTV
https://www.youtube.com/channel/UCuUPV5b6jt3d4B4u8a_8XNg

 彼女が他のYouTuberと違うのは、積極的に「炎上スタイル」を取っていく点です。よどみないマシンガントークと、ディスられたら「お前、バカだろ?」と2倍、3倍にしてディスり返す姿勢は意図せずして朝鮮中央通信、北朝鮮スタイルそのものです。

 アフリカTVのチャットでは、彼女に対し「アカ女」「北朝鮮に帰れ」など挑発的なコメントをするユーザーも多く、そのたびに直接対決を繰り広げております。中には、不埒なコメントをしたユーザーに18分間キレ続けるという動画もあります。

 彼女の名を知らしめたのは、2012年に出演した、脱北者を紹介する番組『今、会いにゆきます』(チャンネルA)でした。彼女が半生を語った回は大きな反響を呼び、一部では「神回」として語り継がれているようです。

 北朝鮮の最北端、咸鏡北道穩城郡の貧村に生まれたソン・ポムヒャンさん。

 当時は「苦難の行軍」と呼ばれる大飢饉が起きた時代。村では食料そのものが存在せず、常に飢えていたといいます。そんな中、ポムヒャンさんは、病弱な姉が意識混濁状態で壁の土を食べている姿を発見してしまいます。その2日後に、姉は16歳で死亡しました。

 父親はアルコール中毒で頼れず、母親はこれ以上、子どもたちを死なせないためにと、出稼ぎに中国へ渡ります。しかし待てど暮らせど、母親からの知らせはなく、母を追う決心をしたポムヒャンさんは妹を連れて、一週間かけて中朝国境まで歩き、国境線となる川・豆満江にたどり着きました。

 しかし、いざ川を渡る段階になると妹がぐずり出してしまいます。ポムヒャンさんは泣く泣く妹を川辺の林に隠し、一人で川を渡りました。

 中国で最初に頼った民家では、生まれて初めてのご馳走を振る舞ってくれましたが、そこは人身売買の拠点で、ポムヒャンさんは、そのまま中国人夫婦の養子として売られてしまったのでした。

 そして5年がたつ頃にはすっかり朝鮮語を忘れ、中国人として生きていましたが、ある日、夢の中に亡くなった姉が出てきて、このように言いました。

「お母さんとお姉ちゃんが待ってるから、北朝鮮に帰りなさい」

 夢に従い、ポムヒャンさんは養父母に置き手紙をして出奔。警察に「私を北朝鮮に帰してください」と直談判をしにいきました。そして3カ月の調査を受け、身元が確認されると、延辺の刑務所に移送されることになりました。

「なぜ、罪を犯したわけでもないのに、刑務所に行かなくてはならないの」

 ポムヒャンさんが泣きながら女子房に入ると、そこにいた脱北女性たちの中に一人だけ、中国語を理解する人がいました。ポムヒャンさんが身の上を話すと、その中で一人の女性が自分をじっと見つめていることに気づきました。女性はポムヒャンさんに近づき、言いました。

「ポムヒャンなの?」

 そう、なんとポムヒャンさんは亡き姉が夢で導いたとおり、刑務所で10年ぶりに母親と再会したのでした。朝鮮語も、自分の本名すら忘れていたポムヒャンさんは、その時、初めて自分の名前を知ることになったといいます。

 その後、北朝鮮に戻るも、母親とともに再脱北し延辺に行きますが、母親に「ここではもう暮らせない。韓国に行きなさい」と促され、偽造旅券を持って飛行機で韓国へ。韓国の存在も、それまで知らなかったとか。

 ほどなくして母親も韓国に到着し、紆余曲折を経て妹も召喚することに成功。晴れて、自由社会での生活をスタートさせようとした矢先に、さらなる悲劇が襲います。

 妹が、渡韓してたった2カ月後に交通事故に遭ってしまうのです。音楽プレイヤーを拾おうと車から頭を出したところを、後続車に轢かれてしまうという痛ましい事故でした。

 意識不明となった妹は幸い8カ月後に目を覚ましましたが、神経を破壊され片目が開かない状態の上、母やポムヒャンさんを識別できなくなっていました。唯一残っていたのは、北朝鮮で苦労した記憶だけだったといいます。

 10歳で脱北して朝鮮語と自分の名前を忘れることがあるのか、また妹は豆満江からどうやって自宅まで戻ったのかなど、いろいろとツッコミどころはあるのですが、ストーリーの出来としては100点満点でございましょう。

 ポムヒャンさんは当初は警察官を目指していましたが、妹の事故をきっかけに看護助手となります。しかし幼い頃の栄養失調がたたり、虚弱体質で、持病の貧血で突然倒れることがしばしばあり、そのせいで仕事をクビになることが相次ぎました。そんな中、自宅で暇つぶしに始めたのがアフリカTVの配信だったといいます。

 韓国では、脱北者を「先にやってきた未来」と呼ぶ場合もあります。南北統一し、両国の住民が忌憚なく交流する未来を先取りした存在という意味です。

 これまで脱北者は韓国人が持つ北朝鮮へのマイナスイメージを一身に受け、差別の対象になったり不可侵民の扱いを受けることがしばしばありましたが、脱北YouTuberの登場は、そうした偏見を取り払う一定の役割があると期待されています。

 確かに、脱北YouTuberは朝鮮人民同様、人間として興味を惹かれる存在であることは間違いありません。死線をくぐってきた経験談はどの映画、小説よりも訴求性があります。

 一方で、彼らを材料に北朝鮮の全てを論じるのは早計であるといえます。彼らが話す北朝鮮の現状はおよそ10~20年前のものであるため、鵜呑みにすることはできません。むしろ、彼らが韓国に順応し生活が長くなるとともにその希少性と情報は色あせていくでしょう。個人的には、あくまで「おもしろ人間図鑑」としてウォッチしていきたいと思っています。

●やす・やどろく
ライター、編集者。元朝鮮青年同盟中央委員。 政治や民族問題に疲れ、その狭間にある人間模様の観察に主眼を置く。しばしば3重スパイ扱いされるのが悩み。日朝和平、北朝鮮のGDP向上、南北平和統一を願う一市民。ペンネームは実家が経営していたラブホテルの屋号(※とっくに倒産)。<http://blog.livedoor.jp/yasgreen/>

「おもしろ人間図鑑」か「先にやってきた未来」か──“脱北YouTuber”が語る北朝鮮のリアル

 こんにちは。安宿緑です。「脱北YouTuber」をご存じでしょうか?

 文字通り、脱北者がYouTuberとして番組を配信しているのです。正確には、「アフリカTV」というチャット機能付きの動画配信サイトからYouTubeにも転載をしている形です。韓国では脱北BJ(配信者)と呼ばれています。

 彼ら脱北YouTuberが台頭してきたのは2016年頃からで、現在多くのチャンネルがあるのを確認できます。とはいえ元庶民ですから政情には詳しくないようで、もっぱら恋愛や食べ物などの生活ネタ、北朝鮮に対する質問に答えるのを主なコンテンツとしているようです。

 その中から、特徴的なYouTuberをピックアップしてみました。

「脱北ブローカーが『国境を越えたら、北斗七星の方向を目指していけ』と言った。内モンゴルの砂漠をひたすら走り、国境警備隊を避けるために、夜の砂漠の真ん中で息を潜めた時は、心臓が凍りつくように寒かった」

 BJイピョンさん(23歳)が語る脱北時の様子は、映画のワンシーンのようです。

●BJイピョン
https://www.youtube.com/channel/UCBiFOp2g0ER25Tb5OA0G0kg

 アフリカTVの累積視聴者数は3カ月で28万人超、YouTubeに上げた脱北経緯についての動画は120万アクセスを記録。端正な容姿にピアスに刺青という、韓流アイドルのような容姿も人気の理由のようです。

 彼が放送を始めたきっかけは、「脱北者が“アカ”呼ばわりされたり、貧しい人間扱いされるのが嫌だったから」とのこと。

「北朝鮮の人は本当に人肉を食べるのか」「全員が暗殺術を習うのか」などの質問を受けることもあり、自身の放送を通じて、こうした偏見を取り除き、北朝鮮へのイメージを正したいと話しています。

 脱北したとはいえ、好き放題言われるのは我慢ならんということでしょうか。

 続いて、容姿端麗といえばイ・ソユルさん(30歳)。30歳とは思えぬ美貌とスタイルが人気で、自らフィッティングモデルを務める洋服の通販サイトを運営しています。しかしこんな美人でありながら、放送内容がえぐいのが彼女の特徴であります。

●ソユル 脱北女子 イ
https://www.youtube.com/channel/UC9jMdW7ZEnPBYhQ-sIksoDw

 先日、軍事境界線を乗り越えてきた脱北兵士の体内から回虫が発見された件についても、彼女はこのようにコメントしました。

「回虫くらい当然のこと。驚きませんでした」

 そういって、寄生虫エピソードを次々と披露します。

・北朝鮮では年に1回、駆虫剤を飲む
・回虫は最大でボールペンくらいの太さ
・シラミもわくので洗濯用洗剤で全身を洗っていた
・一度、洗濯用洗剤で洗ったら余計シラミがわいて「この洗剤は安企部(安全企画部=現:韓国国家情報院)が流布したものだ」という噂が出回った
・脇毛にシラミがわいた人がいた

 さらには「私は女性なので話すのは迷ったのですが……話しちゃいます!」と照れながら、喉に違和感を覚え、引っ張り出したら回虫だったという話まで披露。満面のスマイルで「もう10年前の話なんで、汚く思わないでくださいね★ ウフフッ★」と締めます。

 いや、全然笑えないんだが……という感じですが、壮絶な体験をサラリと話してしまうのも脱北YouTuberの魅力といえましょう。

 笑えないはずだが、一周回って笑える動画といえば、「脱北女子ソニー」。

●NorthKorean Sunny
https://www.youtube.com/channel/UCiIBRxfi5PspgJSTcvi-pHg

「私たちはお金がなかったので」と生々しい前置きをし、北朝鮮で自作していた化粧品の作り方という、ある意味「誰得」な動画をアップしています。ラインナップは、どれもDIY精神を感じさせるものになっております。

 赤いクレヨンを油で溶きながら「北にいる時は、ごま油でやってて臭かった」と言ったり、「描けない!」「痛い!」などと言いながら木串のアイラインを解説する姿は、笑っていいのかダメなのか微妙なところです。そうやってさんざん詳細に語っておきながら、最後は「体に悪いからやめたほうがいいです」と視聴者にアドバイス。いや、作らないから安心してほしい。

 そして真打ちとも言える存在が彼女、ソン・ポムヒャンさん(31歳)です。YouTube登録者数は約14万人と、桁違い。

●ソン・ポムヒャンTV
https://www.youtube.com/channel/UCuUPV5b6jt3d4B4u8a_8XNg

 彼女が他のYouTuberと違うのは、積極的に「炎上スタイル」を取っていく点です。よどみないマシンガントークと、ディスられたら「お前、バカだろ?」と2倍、3倍にしてディスり返す姿勢は意図せずして朝鮮中央通信、北朝鮮スタイルそのものです。

 アフリカTVのチャットでは、彼女に対し「アカ女」「北朝鮮に帰れ」など挑発的なコメントをするユーザーも多く、そのたびに直接対決を繰り広げております。中には、不埒なコメントをしたユーザーに18分間キレ続けるという動画もあります。

 彼女の名を知らしめたのは、2012年に出演した、脱北者を紹介する番組『今、会いにゆきます』(チャンネルA)でした。彼女が半生を語った回は大きな反響を呼び、一部では「神回」として語り継がれているようです。

 北朝鮮の最北端、咸鏡北道穩城郡の貧村に生まれたソン・ポムヒャンさん。

 当時は「苦難の行軍」と呼ばれる大飢饉が起きた時代。村では食料そのものが存在せず、常に飢えていたといいます。そんな中、ポムヒャンさんは、病弱な姉が意識混濁状態で壁の土を食べている姿を発見してしまいます。その2日後に、姉は16歳で死亡しました。

 父親はアルコール中毒で頼れず、母親はこれ以上、子どもたちを死なせないためにと、出稼ぎに中国へ渡ります。しかし待てど暮らせど、母親からの知らせはなく、母を追う決心をしたポムヒャンさんは妹を連れて、一週間かけて中朝国境まで歩き、国境線となる川・豆満江にたどり着きました。

 しかし、いざ川を渡る段階になると妹がぐずり出してしまいます。ポムヒャンさんは泣く泣く妹を川辺の林に隠し、一人で川を渡りました。

 中国で最初に頼った民家では、生まれて初めてのご馳走を振る舞ってくれましたが、そこは人身売買の拠点で、ポムヒャンさんは、そのまま中国人夫婦の養子として売られてしまったのでした。

 そして5年がたつ頃にはすっかり朝鮮語を忘れ、中国人として生きていましたが、ある日、夢の中に亡くなった姉が出てきて、このように言いました。

「お母さんとお姉ちゃんが待ってるから、北朝鮮に帰りなさい」

 夢に従い、ポムヒャンさんは養父母に置き手紙をして出奔。警察に「私を北朝鮮に帰してください」と直談判をしにいきました。そして3カ月の調査を受け、身元が確認されると、延辺の刑務所に移送されることになりました。

「なぜ、罪を犯したわけでもないのに、刑務所に行かなくてはならないの」

 ポムヒャンさんが泣きながら女子房に入ると、そこにいた脱北女性たちの中に一人だけ、中国語を理解する人がいました。ポムヒャンさんが身の上を話すと、その中で一人の女性が自分をじっと見つめていることに気づきました。女性はポムヒャンさんに近づき、言いました。

「ポムヒャンなの?」

 そう、なんとポムヒャンさんは亡き姉が夢で導いたとおり、刑務所で10年ぶりに母親と再会したのでした。朝鮮語も、自分の本名すら忘れていたポムヒャンさんは、その時、初めて自分の名前を知ることになったといいます。

 その後、北朝鮮に戻るも、母親とともに再脱北し延辺に行きますが、母親に「ここではもう暮らせない。韓国に行きなさい」と促され、偽造旅券を持って飛行機で韓国へ。韓国の存在も、それまで知らなかったとか。

 ほどなくして母親も韓国に到着し、紆余曲折を経て妹も召喚することに成功。晴れて、自由社会での生活をスタートさせようとした矢先に、さらなる悲劇が襲います。

 妹が、渡韓してたった2カ月後に交通事故に遭ってしまうのです。音楽プレイヤーを拾おうと車から頭を出したところを、後続車に轢かれてしまうという痛ましい事故でした。

 意識不明となった妹は幸い8カ月後に目を覚ましましたが、神経を破壊され片目が開かない状態の上、母やポムヒャンさんを識別できなくなっていました。唯一残っていたのは、北朝鮮で苦労した記憶だけだったといいます。

 10歳で脱北して朝鮮語と自分の名前を忘れることがあるのか、また妹は豆満江からどうやって自宅まで戻ったのかなど、いろいろとツッコミどころはあるのですが、ストーリーの出来としては100点満点でございましょう。

 ポムヒャンさんは当初は警察官を目指していましたが、妹の事故をきっかけに看護助手となります。しかし幼い頃の栄養失調がたたり、虚弱体質で、持病の貧血で突然倒れることがしばしばあり、そのせいで仕事をクビになることが相次ぎました。そんな中、自宅で暇つぶしに始めたのがアフリカTVの配信だったといいます。

 韓国では、脱北者を「先にやってきた未来」と呼ぶ場合もあります。南北統一し、両国の住民が忌憚なく交流する未来を先取りした存在という意味です。

 これまで脱北者は韓国人が持つ北朝鮮へのマイナスイメージを一身に受け、差別の対象になったり不可侵民の扱いを受けることがしばしばありましたが、脱北YouTuberの登場は、そうした偏見を取り払う一定の役割があると期待されています。

 確かに、脱北YouTuberは朝鮮人民同様、人間として興味を惹かれる存在であることは間違いありません。死線をくぐってきた経験談はどの映画、小説よりも訴求性があります。

 一方で、彼らを材料に北朝鮮の全てを論じるのは早計であるといえます。彼らが話す北朝鮮の現状はおよそ10~20年前のものであるため、鵜呑みにすることはできません。むしろ、彼らが韓国に順応し生活が長くなるとともにその希少性と情報は色あせていくでしょう。個人的には、あくまで「おもしろ人間図鑑」としてウォッチしていきたいと思っています。

●やす・やどろく
ライター、編集者。元朝鮮青年同盟中央委員。 政治や民族問題に疲れ、その狭間にある人間模様の観察に主眼を置く。しばしば3重スパイ扱いされるのが悩み。日朝和平、北朝鮮のGDP向上、南北平和統一を願う一市民。ペンネームは実家が経営していたラブホテルの屋号(※とっくに倒産)。<http://blog.livedoor.jp/yasgreen/>