永井豪の伝説コミックが完全アニメーション化!! 湯浅版『デビルマン』がヤバすぎるその秘密は?

 カルト的人気を誇る永井豪の伝説コミック『デビルマン』が連載終了から45年の歳月を経て、初めて完全アニメーション化された。平和をむさぼる現人類と2万年の眠りから目覚めた先住人類であるデーモン(悪魔)との壮絶なるサバイバルウォーを描いたSFコミックだが、スケールの大きさから過去にテレビアニメ化(1972年)、実写映画化(2004年)されたものの、衝撃的なエンディングまでを描き切ることはできなかった。だが、1月5日からNetflixにて全世界配信が始まった『DEVILMAN crybaby』(全10話)では、人間の心と悪魔の能力を持った不動明ことデビルマンとサタン率いるデーモン軍団との最終戦争(ハルマゲドン)までを怒濤の展開できっちり描いてみせている。

 映像化不可能と思われていた『デビルマン』の完全アニメーション化をなし得たのは湯浅政明監督。『マインド・ゲーム』(04)で長編監督デビューを果たして以来、数々の傑作アニメーションを生み出してきた天才アニメーターだ。アヌシー国際アニメーション映画祭最高賞受賞作『夜明け告げるルーのうた』(17)でも見せた奔放な演出は、今回も存分に発揮されている。テレビアニメ『ピンポンTHE ANIMATION』(14)でも湯浅監督とタッグを組んだアニプレックス社の新宅洋平プロデューサーに、本作の企画が成立した経緯とテレビアニメとは異なるネット配信アニメの特性について聞いた。

新宅洋平(以下、新宅)「松本大洋さんの人気コミックを原作にした『ピンポン』を終えたとき、通常のコミック原作のアニメ化より一歩先へ行けた手応えを感じたんです。湯浅監督と『また、ぜひやりましょう』という話になったのですが、松本さんの『ピンポン』を上回るような作品はそうそうありません。しばらくは企画会議と称してちょくちょく話し合い、そうして出てきた企画のひとつが『デビルマン』でした。湯浅監督が全世界配信であるNetflixで新作をやるのも面白いんじゃないかと思い、Netflixに湯浅版『デビルマン』を提案したんです。企画が成立したのが2015年ごろ。永井豪先生が2018年で漫画家デビュー50年を迎えるというタイミングも重なり、また永井先生も『この企画なら、僕も観てみたい』と快諾してもらえたんです」

 永井豪原作の『デビルマン』を映像化する上で、セクシャル&バイオレンスな描写は避けて通れない。この点に関してもNetflixを表現の場に選んだことは正解だった。CMを流す企業からのスポンサー料で成り立つ民放テレビと違い、Netflixは視聴者がスポンサーとなり、好きな動画を楽しむことができる。地上波テレビと比べ、表現に関する規制はかなり少ない。

新宅「公共の電波であるテレビでは、深夜枠であっても、流血シーンや人体破壊シーンの表現は難しい。その点、ネット配信であるNetflixは自由度がとても高い。Netflixの担当者から『うちはクリエイターの表現を大切にする』と言ってもらえたのも、心強かったですね。キャラクターを縦横無尽に動かす湯浅監督の魅力を大いに活かすことができたと思います。テレビと違って放送のフォーマットが厳しく決まってないことも良かった。テレビアニメの場合、放送枠に収まらず、大事なシーンを調整せざるを得ないこともあるんですが、今回それはありませんでした。各エピソード24分程度でまとめていますが、第9話では石野卓球さんと七尾旅人さんが歌う特別エンディング曲『今夜だけ』が流れたり、尺の自由度があります。また、完成した第1話を観たときに、あまりに過激な内容だったので驚いたのですが、湯浅監督から『これでも、まだアクセル踏むのは抑えたつもりだよ』と平然と言われ、さすがだなと思いました(笑)。テレビアニメでは不可能なセクシャル&バイオレンスな表現もありますが、あくまでもデビルマンのかっこさよさを描くためのものなんです」

 湯浅監督が2013年に立ち上げたアニメ制作会社「サイエンスSARU」が『DEVILMAN crybaby』の制作を一括受けしていることも注目ポイントだ。「サイエンスSARU」は小さなアニメスタジオながら作業効率のアップに意欲的に取り組んでおり、2017年だけで劇場アニメ『夜は短し歩けよ乙女』『夜明け告げるルーのうた』、そして『DEVILMAN crybaby』と画期的な3本の長編アニメを完成させている。

新宅「通常のテレビアニメだと、放送スケジュールに間に合うように原画担当、動画担当……と分業化して多くのスタッフで作業を進めていくのですが、『サイエンスSARU』ではアニメーション用ソフトのフラッシュが大きく活用されています。炎や波など同じ動きを表現する場合は、フラッシュを使うことでスピーディーに仕上げることができわけです。『DEVILMAN crybaby』の第1話と第2話はすべてフラッシュで作られています。第3話以降はフラッシュと通常のアニメーションづくりとのハイブリットスタイルですね。『SARU』のプロデューサーがうまく割り振ってくれています。第4話はコンテ・演出・原画を霜山朋久さんが、第9話は小嶋崇史さんが原画のすべてをそれぞれ1人で手掛けました。第5話はデビルデザインも手掛けた押山清高さんが、ほぼ1人で描いています。才能のあるクリエイターにひとつのエピソードの中の多くを託すことによって、クオリティーの高いものに仕上がったのだと思います」

 原作コミックでは描かれなかった主人公・不動明の両親が登場する第4話「明、来て」、原作でも人気の高い妖鳥シレーヌとデビルマンとの死闘を描いた第5話「シレーヌ、君は美しい」、そしてヒロイン・牧村美樹がフィーチャリングされる第9話「地獄へ堕ちろ、人間ども」は、それぞれ“神回”と呼べる迫力がみなぎっている。

「原作を読んだことのない若い世代に、永井先生が20代の頃に描いた『デビルマン』という素晴しい作品があることを知ってもらい、長く受け継いでもらえるようなアニメーションにしようと湯浅監督と企画当初に確認した」と新宅プロデューサーが語る『DEVILMAN crybaby』はかくして完成した。世界190か国(7言語吹替え、字幕23言語対応)に向けて現在配信中で、番組公式ツイッターには、英語、韓国語、フランス語、スペイン語など様々な言葉で熱い感想が届いているという。湯浅監督と新宅プロデューサーとのタッグ歴だけに限らず、日本のアニメーション界においてもマイルストーンな作品となりそうだ。
(取材・文=長野辰次)

『DEVILMAN crybaby』
原作/永井豪『デビルマン』 監督/湯浅政明 脚本/大河内一楼 音楽/牛尾憲輔 キャラクターデザイン/倉島亜由美 デビルデザイン/押山清高 アニメーション制作/サイエンスSARU
主題歌/電気グルーヴ「MAN HUMAN」
特別エンディング/卓球と旅人「今夜だけ」
声の出演/内山昂輝、村瀬歩、潘めぐみ、小清水亜美、田中敦子、小山力也、アヴちゃん(女王蜂)、津田健次郎、KEN THE 390、木村昴、YOUNG DAIS、般若、AFRA
Netflixにて世界同時配信中
c)Go Nagai-Devilman Crybaby Project
devilman-crybaby.com

 

永井豪の伝説コミックが完全アニメーション化!! 湯浅版『デビルマン』がヤバすぎるその秘密は?

 カルト的人気を誇る永井豪の伝説コミック『デビルマン』が連載終了から45年の歳月を経て、初めて完全アニメーション化された。平和をむさぼる現人類と2万年の眠りから目覚めた先住人類であるデーモン(悪魔)との壮絶なるサバイバルウォーを描いたSFコミックだが、スケールの大きさから過去にテレビアニメ化(1972年)、実写映画化(2004年)されたものの、衝撃的なエンディングまでを描き切ることはできなかった。だが、1月5日からNetflixにて全世界配信が始まった『DEVILMAN crybaby』(全10話)では、人間の心と悪魔の能力を持った不動明ことデビルマンとサタン率いるデーモン軍団との最終戦争(ハルマゲドン)までを怒濤の展開できっちり描いてみせている。

 映像化不可能と思われていた『デビルマン』の完全アニメーション化をなし得たのは湯浅政明監督。『マインド・ゲーム』(04)で長編監督デビューを果たして以来、数々の傑作アニメーションを生み出してきた天才アニメーターだ。アヌシー国際アニメーション映画祭最高賞受賞作『夜明け告げるルーのうた』(17)でも見せた奔放な演出は、今回も存分に発揮されている。テレビアニメ『ピンポンTHE ANIMATION』(14)でも湯浅監督とタッグを組んだアニプレックス社の新宅洋平プロデューサーに、本作の企画が成立した経緯とテレビアニメとは異なるネット配信アニメの特性について聞いた。

新宅洋平(以下、新宅)「松本大洋さんの人気コミックを原作にした『ピンポン』を終えたとき、通常のコミック原作のアニメ化より一歩先へ行けた手応えを感じたんです。湯浅監督と『また、ぜひやりましょう』という話になったのですが、松本さんの『ピンポン』を上回るような作品はそうそうありません。しばらくは企画会議と称してちょくちょく話し合い、そうして出てきた企画のひとつが『デビルマン』でした。湯浅監督が全世界配信であるNetflixで新作をやるのも面白いんじゃないかと思い、Netflixに湯浅版『デビルマン』を提案したんです。企画が成立したのが2015年ごろ。永井豪先生が2018年で漫画家デビュー50年を迎えるというタイミングも重なり、また永井先生も『この企画なら、僕も観てみたい』と快諾してもらえたんです」

 永井豪原作の『デビルマン』を映像化する上で、セクシャル&バイオレンスな描写は避けて通れない。この点に関してもNetflixを表現の場に選んだことは正解だった。CMを流す企業からのスポンサー料で成り立つ民放テレビと違い、Netflixは視聴者がスポンサーとなり、好きな動画を楽しむことができる。地上波テレビと比べ、表現に関する規制はかなり少ない。

新宅「公共の電波であるテレビでは、深夜枠であっても、流血シーンや人体破壊シーンの表現は難しい。その点、ネット配信であるNetflixは自由度がとても高い。Netflixの担当者から『うちはクリエイターの表現を大切にする』と言ってもらえたのも、心強かったですね。キャラクターを縦横無尽に動かす湯浅監督の魅力を大いに活かすことができたと思います。テレビと違って放送のフォーマットが厳しく決まってないことも良かった。テレビアニメの場合、放送枠に収まらず、大事なシーンを調整せざるを得ないこともあるんですが、今回それはありませんでした。各エピソード24分程度でまとめていますが、第9話では石野卓球さんと七尾旅人さんが歌う特別エンディング曲『今夜だけ』が流れたり、尺の自由度があります。また、完成した第1話を観たときに、あまりに過激な内容だったので驚いたのですが、湯浅監督から『これでも、まだアクセル踏むのは抑えたつもりだよ』と平然と言われ、さすがだなと思いました(笑)。テレビアニメでは不可能なセクシャル&バイオレンスな表現もありますが、あくまでもデビルマンのかっこさよさを描くためのものなんです」

 湯浅監督が2013年に立ち上げたアニメ制作会社「サイエンスSARU」が『DEVILMAN crybaby』の制作を一括受けしていることも注目ポイントだ。「サイエンスSARU」は小さなアニメスタジオながら作業効率のアップに意欲的に取り組んでおり、2017年だけで劇場アニメ『夜は短し歩けよ乙女』『夜明け告げるルーのうた』、そして『DEVILMAN crybaby』と画期的な3本の長編アニメを完成させている。

新宅「通常のテレビアニメだと、放送スケジュールに間に合うように原画担当、動画担当……と分業化して多くのスタッフで作業を進めていくのですが、『サイエンスSARU』ではアニメーション用ソフトのフラッシュが大きく活用されています。炎や波など同じ動きを表現する場合は、フラッシュを使うことでスピーディーに仕上げることができわけです。『DEVILMAN crybaby』の第1話と第2話はすべてフラッシュで作られています。第3話以降はフラッシュと通常のアニメーションづくりとのハイブリットスタイルですね。『SARU』のプロデューサーがうまく割り振ってくれています。第4話はコンテ・演出・原画を霜山朋久さんが、第9話は小嶋崇史さんが原画のすべてをそれぞれ1人で手掛けました。第5話はデビルデザインも手掛けた押山清高さんが、ほぼ1人で描いています。才能のあるクリエイターにひとつのエピソードの中の多くを託すことによって、クオリティーの高いものに仕上がったのだと思います」

 原作コミックでは描かれなかった主人公・不動明の両親が登場する第4話「明、来て」、原作でも人気の高い妖鳥シレーヌとデビルマンとの死闘を描いた第5話「シレーヌ、君は美しい」、そしてヒロイン・牧村美樹がフィーチャリングされる第9話「地獄へ堕ちろ、人間ども」は、それぞれ“神回”と呼べる迫力がみなぎっている。

「原作を読んだことのない若い世代に、永井先生が20代の頃に描いた『デビルマン』という素晴しい作品があることを知ってもらい、長く受け継いでもらえるようなアニメーションにしようと湯浅監督と企画当初に確認した」と新宅プロデューサーが語る『DEVILMAN crybaby』はかくして完成した。世界190か国(7言語吹替え、字幕23言語対応)に向けて現在配信中で、番組公式ツイッターには、英語、韓国語、フランス語、スペイン語など様々な言葉で熱い感想が届いているという。湯浅監督と新宅プロデューサーとのタッグ歴だけに限らず、日本のアニメーション界においてもマイルストーンな作品となりそうだ。
(取材・文=長野辰次)

『DEVILMAN crybaby』
原作/永井豪『デビルマン』 監督/湯浅政明 脚本/大河内一楼 音楽/牛尾憲輔 キャラクターデザイン/倉島亜由美 デビルデザイン/押山清高 アニメーション制作/サイエンスSARU
主題歌/電気グルーヴ「MAN HUMAN」
特別エンディング/卓球と旅人「今夜だけ」
声の出演/内山昂輝、村瀬歩、潘めぐみ、小清水亜美、田中敦子、小山力也、アヴちゃん(女王蜂)、津田健次郎、KEN THE 390、木村昴、YOUNG DAIS、般若、AFRA
Netflixにて世界同時配信中
c)Go Nagai-Devilman Crybaby Project
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またまた大ブーイング! カップヌードル『サザエさん篇』にネット民がザワつきまくり

 日清食品の「青春」(アオハル)をテーマにしたカップヌードルのCMシリーズ『HUNGRY DAYS』第3弾が、11月22日から放送され、ネット上で賛否を呼んでいる。

 同CMシリーズは、第1弾として『魔女の宅急便篇』、第2弾に『アルプスの少女ハイジ篇』が放送されていたが、第3弾は『サザエさん篇』。国民的アニメとしておなじみの『サザエさん』(フジテレビ系)だが、今回はあの親しみやすい絵柄とは一転、美少女&美少年タッチのアニメでサザエとマスオの高校時代が描かれている。

「2人は同じ高校の同級生という設定で、高校生活最後となる文化祭、卒業までの残り時間わずかというタイミングでマスオが勇気を振り絞り、全校生徒が注目するステージ上で公開告白します。マスオの脳裏を駆け巡るサザエと過ごした日々の映像の中には、“お魚をくわえたどら猫を追いかける姿”や“財布を忘れたサザエ”など、アニメの歌詞を知る人が思わずニヤリとするシーンが盛り込まれています」(ネットライター)

 大胆な試みに賛辞の声が上がる一方で、ネット上では「だからこういう事やっちゃダメだって」などと、原作ファンがザワつく事態となっている。

「まず、サザエといえば、あの独特の“コブ”付きの髪型ですが、CMでは左右のみでトップにはない。原作で高校時代が描かれた際には左右に三つ編みが確認できますが、それもありません。もっとも納得いかないのが、馴れ初めの“改変”です。サザエとマスオはデパートの食堂でお見合いし、結婚したはずなのですが……。もっとも、お見合いでは、CMのコピーにある『アオハル』感は出ませんから、あくまでも『パラレルワールド』として観るのが良さそうです」(同)

 マスオが告白するシーンには、波平ら磯野家も集合。マスオの同級生としてアナゴらしき人物も登場し、公開告白の様子を教室の窓から見ている生徒の中には、ノリスケとタイコらしき生徒の姿も見られる。

「第1弾、第2弾のときも原作ファンから大ブーイングが飛びましたが、今回も『このシリーズ、気持ち悪い』と批判が殺到しています。しかし、それだけの反響がある証拠ともいえ、事実ネット上では早くも第4弾について侃侃諤諤の議論が展開されています。それによれば、『ちびまる子ちゃん』や『クレヨンしんちゃん』あたりを予想する人が多いようですね」(芸能ライター)

 動画をよく観ると、ノリスケらの周りにはなんと第1弾のキキ、第2弾のハイジらの姿も。サザエさんと同じ学校だったの!?

 

『アニ×パラ』『ぼくらはマンガで強くなった』NHKが狙う“スポーツ×マンガ・アニメ”の幸せな共犯関係

 この秋、NHKの“スポーツ×マンガ・アニメ”を巡る動きが加速している。

 まずは今月10日からNHK BS1で始まった5分アニメ枠『アニ×パラ ~あなたのヒーローは誰ですか』。2020年の東京パラリンピック開催に向け、パラリンピック競技をテーマにした、さまざまな物語が描かれていく予定だという。

 第1弾のテーマはブラインドサッカーで、『キャプテン翼』(集英社)でおなじみの漫画家・高橋陽一が原作を担当。第2弾のテーマはパラ陸上競技で、こちらの原作は『ツルモク独身寮』(小学館)の窪之内英策。最近では“高校生のサザエさん”を描いた日清カップヌードル『アオハルかよ。』シリーズの作画で話題の作家を当ててくるあたり、NHKの力の入れようをうかがい知ることができる。

 内容的にも、高橋ワールドの象徴「なにぃ!」のセリフこそなかったが、その分、キャプ翼並みの超人プレーが満載だったブラインドサッカー編。そして、窪之内作品らしい5分間のミュージックビデオのようなパラ陸上編と、それぞれ“らしさ全開”で、原作者のファンもスポーツファンも楽しめる内容になっていたと思う。

 実はNHK、以前からこの“スポーツ×マンガ・アニメ”の組み合わせが得意。その象徴ともいえるのが、こちらもこの秋、新シリーズが始まった『ぼくらはマンガで強くなった』だ。

 シーズン3、ともいうべきこの秋からの『ぼくらはマンガで強くなった』は、これまでの番組作りとは一変。空席だった番組ナビゲーター役として、バンクーバー五輪銅メダリストのフィギュアスケーター、高橋大輔を起用。オリンピックのキャスター経験はある高橋だったが、レギュラー放送での司会役は今回がはじめて。そこかしこに初々しさが感じられ、最近のアスリート系芸能人に多いおちゃらけ感がないところは好感が持てた。

 また、取りあげるスポーツマンガの選択方法も変更。これまではサッカー、ボクシング、野球、柔道……と毎回“競技”でテーマを決め、ゲストのアスリートにちなんだスポーツマンガが2、3冊紹介されてきた(ボクシングなら『あしたのジョー』と『はじめの一歩』。柔道なら『柔道部物語』といった具合。全て講談社刊)。

 だが、今シーズンからはテーマ先行。初回放送でのテーマは“復活”。車いすバスケットボールの京谷和幸はバスケマンガ『SLAM DUNK』(集英社)を紹介し、誰もが知る名台詞「あきらめたらそこで試合終了だよ」のシーンから人生の道が拓けた復活エピソードを紹介。そして、司会の高橋大輔も、自身のケガからの復活劇を振り返りながら、フィギュアスケートマンガ『モーメント 永遠の一瞬』(集英社)の作者、槇村さとるの元を訪ねるロケも敢行された。

 過去、『BSマンガ夜話』や『マンガノゲンバ』、『浦沢直樹の漫勉』など、NHKではいくつもの“マンガ語り”の番組が生まれてきた。『ぼくらはマンガで強くなった』もその潮流にありつつ、大きく違うのは、実際の試合映像やアスリートへの取材素材といった、NHKだからこそ持っている豊富なスポーツアーカイブ映像とシンクロさせながら番組作りができることにある。

 今回、京谷の20年以上前の練習風景と、高橋の10年近く前の練習風景の映像が流れていたが、これはもうNHKだからこその芸当と説得力だ。

『ぼくらはマンガで強くなった』というタイトル通り、番組構成の前提にあるのは、マンガに影響を受けてアスリートはどう成長したか? という視点。だが、アスリートの葛藤や練習風景、実際の試合映像も交えながらのこの番組は、むしろ、現実世界の試合結果やアスリートの生き様によって、マンガの描き方やテーマ設定が変化していく様も見ることができる。特に新シリーズではその傾向が強くなった。

 マンガからアスリートへ。そしてアスリートからマンガへ。スポーツとマンガの幸せな共犯関係も楽しむことができる。今後、まだ控えめな高橋大輔が持ち味を発揮できるようになり、マンガへの造詣、作家へのリスペクトを高めていけば、さらに内容の濃い番組になっていくのではないだろうか。

 だからこそ、今この番組にお願いしたいことがある。以前一度取りあげた『はじめの一歩』をもう一度扱ってもらえないものだろうか。

 この2週の急展開で、マンガ史上に残るバッドエンドを迎えそうな『はじめの一歩』。一方で、この作品によってボクシングが好きになった読者、実際に世界チャンプにまで登りつめた事例は少なくない。なんとかもう一度、この番組を通してボクシングの素晴らしさを作者か編集者に伝え、ストーリーの再構築を目指して欲しいのだが……もう遅いか。
(文=オグマナオト)

ピカチュウにカオナシ、『逃げ恥』まで……韓国で日本コンテンツのパクリが止まらないワケ

 韓国特許庁の、ずさんな審査が物議を醸している。

 事の発端は、特許庁の審査を経て登録されたあるデザインが、『ポケットモンスター』のピカチュウに酷似していたことだった。このキャラクターはすでにグッズ化されてインターネット通販などで販売されており、デザイナーは「黄色いウサギをイメージして作った」と説明している。だが、実際にデザインを見ると、耳こそ垂れ下がっているものの、確かにその色合いや造形は、ピカチュウを連想してしまう。

 さらに、このデザイナーの作品には、『千と千尋の神隠し』の「カオナシ」にうり二つなデザインや、メッセンジャーアプリ「カカオトーク」のキャラクター「カカオフレンズ」によく似ているものもあった。ピカチュウの版権元である任天堂はA氏のデザインについて、韓国特許庁に対して異議申し立てを行っており、カカオフレンズ社も法的対応を検討しているという。

 もっとも、韓国でパクリ騒動が起きるのは、珍しいことではない。

 例えば昨年には、韓国で公開されたアニメ映画『月光宮殿』が、『千と千尋の神隠し』にそっくりだとして論争を巻き起こした。月光宮殿に迷い込んだ13歳の少女が家に戻るための道を探すというストーリーに加え、湯婆婆やハクのような登場人物まで出てくるとあって、韓国ではキム・ヒョンジュ監督の名字を取って『キム・チヒロ(千尋)』という別名まで付けられたほどだった。関係者は盗作疑惑について、「我が国の文化財を基盤にした、とても韓国的なアニメーション」などと否定していたが、騒動は収まらなかった。

 また、2003年には、『ワピース』というアニメ作品も登場した。海賊王チャンピが仲間とともに冒険するという内容で、絵柄もキャラクターも『ONE PIECE』に限りなく近い作品だが、結局この制作会社は、「週刊少年ジャンプ」の韓国版権を持つ大元ICの訴えを受け、敗訴している。

 そればかりか、昨年7月には国家そのものにまで、パクリ疑惑が浮上していた。

 韓国政府が35億ウォン(約3億5,000万円)を投じてつくった「クリエイティブ・コリア」という国家ブランドのキャッチフレーズが、フランス貿易投資庁の「クリエイティブ・フランス」を盗用していたとして批判の声が高まったのだ。しかも2つのキャッチフレーズは、ロゴや色まで似ており、与党議員からは「“クリエイティブ・コリア”は、まったくクリエイティブじゃない」との意見も上がった。結局、このキャッチフレーズは、パクリ疑惑もあることから国家イメージの向上を期待できないとして、今年6月に廃止されている。

 最近は、韓国で放送中のドラマ『この人生は初めてだから』が、昨年日本で大ヒットを記録した『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)とストーリーや構成、登場人物などに共通点が多いとして批判を集めているが、韓国でパクリが絶えないことには、法的拘束力の弱さも関係しているだろう。

 韓国メディア「ヘラルド経済」によれば、同国内では、知的財産権と関連する事案については基本的に属地主義または保護国主義の原則が適用されるため、現在は著作権に対する国家間の明確な法的制限がない状況にあるらしい。

 それだけにパクリが横行しているわけだが、韓国の芸能関係者は、「1990年代後半から2000年代初めにかけて、韓国のテレビ局は日本の番組をやたらとパクっていましたが、インターネットが普及してからは、他国のコンテンツに接する機会が増え、視聴者による批判と監視が強化されたことで、日本の番組をパクる傾向は少なくなってきています」と証言している。

 批判の高まりによってパクリが減ってきているという主張だが、それは逆に言えば、盗作をなくすためには世論に頼らざるを得ないということでもある。まして冒頭の事案のように韓国特許庁も信頼できない状態とあっては、世間が目を光らせるしか対策が存在しない状況だといえるだろう。

 誰かの努力のたまものがパクられないよう、批判の声を高めることが必要だろう。
(文=S-KOREA)

●参考記事
・韓国アニメ業界が直視したがらない“黒歴史”と呼ばれる3つのアニメ作品
http://s-korea.jp/archives/8318?zo

・「キムチヒロだ」vs「どこが似ているのか」!! 『千と千尋』に“瓜二つ”の韓国アニメ映画『月光宮殿』
http://s-korea.jp/archives/8841?zo

東芝が『サザエさん』スポンサー撤退! “後釜”に「高須クリニック」実現の可能性は……?

 東芝が、国民的アニメ『サザエさん』(フジテレビ系)のスポンサーを降りると報道されて話題になっているが、美容外科「高須クリニック」の高須克弥院長が、さっそく“後釜”に名乗りを上げた。『サザエさん』と「高須クリニック」とではミスマッチにも思えるが、本当に高須クリニックのスポンサーが実現することはあるのだろうか?

「東芝 スポンサー撤退」のニュースは、10月31日の深夜に一斉に報じられた。東芝は、『サザエさん』の放送開始以来48年間、同番組のスポンサーを務めてきたが、共同通信は「綱渡りが続く経営状況から合理化が避けられないと判断し広告大手の電通に申し入れた」と報道。東芝側は、ハフポスト日本版の取材に対し、「現時点で発表できることは何もありません」と回答しているが、撤退は既定路線のようだ。

 共同通信が報道しているように、東芝本体の経営悪化が最大の原因だが、この背景には無敵の人気を誇ってきた『サザエさん』のパワーダウンもあるという。テレビ関係者が語る。

「『サザエさん』は、ここのところ視聴率が低迷気味で、同時間帯の『バンキシャ!』(日本テレビ系)に負けることも珍しくなくなりました。日曜日の日テレは、17時30分からの『笑点』から、19時~21時台の『ザ!鉄腕!ダッシュ!!』『世界の果てまでイッテQ!』『行列のできる法律相談所』まで、超人気番組を抱えており、“サンドイッチ効果”で、『バンキシャ!』も10%台半ばの視聴率をキープしています。そこに、最近の視聴者のフジテレビ離れも重なって、今では『サザエさん』の視聴率が1ケタになる週も出てきています」

 かつては週間視聴率ランキングの上位の常連だった『サザエさん』。今ではベスト10漏れも珍しくないが、東芝撤退の報道で動いたのが高須院長だった。高須氏は1日、「電通とフジテレビにすぐに連絡した。高須グループのハウスagencyと値段交渉開始なう」と、ツイートし、さっそくスポンサーに乗り出す意向を表明した。これについて広告関係者が話す。

「ほのぼのとした内容とは裏腹に、『サザエさん』は権利関係についてはすこぶるうるさく、ブランドイメージの毀損には極めて敏感です。テレビ局にとってスポンサーは、足を向けて寝られない存在ですが、『サザエさん』ほどのお化け人気番組となれば、そちらの意向も無視できません。高須クリニックがサザエさんのイメージと合致するかと言えば、答えはNO。フジテレビが『サザエさん』側の意向を踏みにじることは考えにくいでしょう。視聴率がいくら振るわないとはいえ、『サザエさん』のブランド力は超一級品です。その番組のスポンサーになるというインパクトは極めて大きく、手をあげる企業はいくらでもあるでしょう。ただ、『サザエさん』のスポンサーになっても、自社CMに『サザエさん』のキャラクターを使用することは難しいので、うま味は少ない。番組イメージに合致して、なおかつ、あの枠に広告を出せる企業と言えば、広告業界で“ナショナルクライアント”と呼ばれる、誰もが聞いたことがあるような大企業でしょうね」

 果たして、『サザエさん』が「Yes! 高須クリニック」と、GOサインを出す展開はあるのか!?

「磯野家は浮世離れしてる」「工藤新一を見たい」そろそろ終了してほしいご長寿アニメランキング

<p> 昔に比べて年々枠は減少し、ゴールデンタイムで目にする機会も少なくなってしまったテレビアニメ。少子化、製作費削減、視聴率の低迷とアニメには厳しい時代だが、中には数十年にわたって放送されている国民的アニメも存在する。今回は、「もうそろそろ終わってもいいなと思うご長寿アニメは?」を100名に調査した(Sagooooワークス調べ/調査地域:全国/調査対象:男女年齢不問/有効回答数:100)。</p>

劇団ひとり『永沢君』、「視聴率狙いではなさそう」でも22.8%も夢じゃない!?

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『永沢君』/小学館

 漫画家・さくらももこが原作の『ちびまる子ちゃん』(集英社)のスピンオフ作品『永沢君』(小学館)が、4月からTBSで実写ドラマ化されることが発表された。玉ねぎ頭の毒舌キャラ・永沢君役は劇団ひとりに決定。アニメ版が放送されているフジテレビではなく、TBSでの新番組だが、長年視聴者に親しまれてきた人気アニメのスピンオフ作品がどれだけの視聴者に愛されるのかと、注目が集まっている。

 劇団ひとりのほかには、親友の藤木君役をはんにゃ・金田哲、小杉君役を森三中・大島美幸、花輪君役をウエンツ瑛士、クラスのマドンナ・城ヶ崎さん役を皆藤愛子、根暗な野口さん役をハリセンボン・箕輪はるかが演じる。永沢君とその周辺の人達の中学時代が描かれた作品で、毎週月曜~木曜の午後11時53分から放送される5分間のミニドラマ枠だという。

『ワンピース』大ヒットの裏に、ルフィ役・田中真弓の“船長”としての手腕

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『ONE PIECE FILM Z』公式サイトより

 今や飛ぶ鳥を落とす勢いの人気を持つアニメ『ONE PIECE(ワンピース)』(フジテレビ系)。2012年12月15日に公開された映画『ONE PIECE FILM Z』は、公開初日から翌日の2日間で、動員数114万人、興収13億円を突破。同年公開の邦画作品の中でも、最速で100万人の動員を記録している。
 
 原作が連載されている「週刊少年ジャンプ」の出版元である集英社も、『ワンピース』の声優は手厚く扱っているという。毎年年末に2日間開催される「ジャンプフェスタ」では、ほかの出演作の声優とは別の、ワンランク上のホテルが用意されるほどの特別待遇なのだそう。

キムタクより数字を持っている!? 稀代の視聴率女『サザエさん』の実力

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『アニメ サザエさん公式大図鑑
サザエでございま~す!』/扶桑社

 近年、ネットの普及などにより視聴率が低下したテレビ界において、実は最も安定した数字を誇るのがアニメ枠だ。放送開始から15年以上が経過している人気アニメといえば『名探偵コナン』(日本テレビ系)、『ドラえもん』『クレヨンしんちゃん』(テレビ朝日系)、『サザエさん』『ちびまる子ちゃん』(フジテレビ系)などが挙げられるが、ご長寿アニメの中には、ゴールデンタイムのバラエティ番組や、人気キャストを起用したドラマより数字を稼いでいる番組も存在する。

 『名探偵コナン』『ドラえもん』『クレヨンしんちゃん』の視聴率は毎週10%前後(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)だが、1969年放送開始の国民的ご長寿アニメ『サザエさん』は、11月25日の放送で19.4%を獲得しており、20%以上の数字を記録する回も多い。