8.6%スタートの月9『海月姫』演出と原作改変の問題で、役者の頑張りが報われない!?

 15日、フジテレビ系列で放送が始まったドラマ『海月姫』。原作は、『東京タラレバ娘』などで知られる人気漫画家・東村アキコの同名コミックで、いわゆるオタク女子が女装美男子、童貞エリートと知り合い、なんやかんやあるという、ざっくり分けるなら「ラブコメディ(コメディ度強め)」に分類される作品である。

 2010年にテレビアニメ化、15年に能年玲奈主演で映画化されており、3度目の映像化、2度目の実写化となる。

 前作『民衆の敵』が数字的には最終回4.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)という惨敗に終わった瀕死の月9枠で、なおかつクセのある原作の再度の映像化ということもあり、いろいろ危ぶむ声も聞かれていた同作だが、初回は平均視聴率8.6%と「様子見」な滑り出し。

 しかし、ある設定変更が一部ファンの間で物議を醸している。内容を振り返りましょう。

 

■あらすじ

 冴えないクラゲオタク女子・倉下月海(つきみ・芳根京子)が自室で目を覚ますと隣にいきなり半裸の美男子(鯉淵蔵之介・瀬戸康史)が!

 なぜ!? パニック! というツカミから、ドラマはスタート。ここから早くも、昨夜の回想に。

 いつものように熱帯魚屋的な場所で大好きなミズクラゲ(命名・クララ)に語りかけていた月海は、クラゲの飼育に無知な店員に激怒し、大もめ。そこに通りかかった美女に仲裁してもらい、一緒に帰ることになるものの、ついてきたその美女は自室にまで上がりこむは、勝手に一泊するはと、グイグイ来る。しかし翌朝、月海が目を覚ますと、カツラや胸のパットが取れており、男子だったー! という冒頭部分の種明かし。

 熱帯魚屋の店員を「おしゃれ人間!」と恐れていたほど男性に免疫のない月海は、当然出て行ってもらいたい様子。しかも、この古びた共同アパート・天水荘は月海が「尼寺」と呼ぶように、オタク女子(相当クセ強め)だけが暮らす男子禁制の場所だからなおさらだ。

 しかし、男性であることはバレなかったものの、あえなくオタ住民(尼~ず)に「美女」の侵入が見つかってしまう。月海同様、宗教のごとく「おしゃれ人間」を禁忌する住民たちはその「美女」を敵視する。政治家の息子で金持ちの蔵之介(美女)は、悪気はないのだが、

「その歳で全員バイトってことはないでしょ?」

「要は、ニートでオタクの引きこもり軍団ってこと?」

 と、属性の違いも踏まえずズケズケと来るため、両者の溝は深まるばかり。

「我々にはバイト以外にもれっきとした収入源がある……親からの仕送りだぁ!」と言ってのける異種オタク共同体・尼~ずと、大金持ち実家暮らしの女装男子って、ある意味同じ穴のムジナな気もするのだが、人種的に相容れない様子。

 そんな中、月海はたまたま見かけた蔵之介の弟・鯉淵修(工藤阿須加)が気になる。なぜなら、アマクサクラゲに似てクールだから。

 恋心的なものを抱いているのに、それを認めない月海に蔵之介はしびれを切らし、月海に強制的にメイクやコーディネイトを施して垢抜けさせる。いわゆる「メガネを取ったら美人でした」パターン。

 その「美人」と化した月見に、見事、ひと目惚れした修。それに気づいた兄・蔵之介のお節介で天水荘に行くも、普段の三つ編み・めがね・ジャージ(この日はドテラも着用)で、かつ男性を前に挙動不審なため、月海に気付かないばかりか「気色悪い」とまで言ってしまうほど。これは傷つく。

 ある思惑から弟・修と月海をくっつけるために水族館デートをセッティングし同行するも、普段まったく女性に不自由しないほどのイケメンなのに、月海が気になりだしてしまう蔵之介。

 見事、ややこしい三角関係が出来上がり、しかも蔵之介や修の父・鯉淵慶一郎(北大路欣也)がからむ市街地再開発で天水館がなくなるかも? と、舞台が整ったところで第1回は終了。

 月海は、亡くなった母親との思い出をクラゲに抱いてる様子。

「女の子は大きくなったら、みんなキレイか(鹿児島弁)お姫様になれるんだよ」(母親)

「お母さん、ごめんなさい、私はお姫様にはなれませんでした」(月海)

 水族館で、そんなやり取りを思い出して涙する月海を思わず修は抱きしめ、それを見た蔵之介は自分の恋心に気づき出す。

 その蔵之介も、母親の居場所がわからず、修との間に何かあるようだ。

「昔、ある人が言ってた。女にとって『服』は外で戦うための『鎧』、メイクは自分を変身させるための魔法」と、女装につながるような発言もしていた。

 天水館でオタ住民(尼~ず)とからむパートは基本コメディパートで、蔵之介や修と絡むときは基本恋愛パートといった感じの演出。原作含む過去作ではもう少しくんずほぐれつな感もあったのだが、ゴールデンということもあるのか、恋愛パートの時、急に「月9化」する感じが少しちぐはぐな印象を持った。

 

■オタクを演じる難しさ

 オタクという、実は難しいキャラクターだけに、気になる点がいくつかあった。

 まず気になったのは、芳根演じる月海がそもそも「かわいい」点だ。いや、かわいいに越したことはないし、オタクだからかわいくないと言うつもりはない。

 しかし、この主人公はいわゆる「リア充」を恐れ、距離をとり、同じ属性に近い「仲間」と群れている前提がキモのはず。

 確かに芳根は、失礼な言い方だが、女優の中ではやや地味だし、それでいて凛とした部分があり、いわば主人公に近いものを感じる。しかし、他の住民(尼~ず)らが、爆発アフロの鉄道オタクだったり(ばんば・松井玲奈)、情緒不安定な時ほど暴走する三国志オタクだったり(まやや・内田理央)で、しかも両者とも表情が髪でまったく見えない原作を生かした漫画まるだしのキャラでいろいろ封印しているのに対し、芳根演じる月海は、ちょっと地味な程度でかわいさが隠せていない。

 三つ編などをしてるものの、例えば映画版の能年玲奈演じる月海の、毛量多すぎてなおかつケバ立ち、太いしめ縄のようになってる三つ編と比べると、全然「アリ」なのだ。

 それゆえ、途中で蔵之介にメイクをほどこされ「美女」に変身するシーンでも、フリが効いていないため、「魔法にかけられた」感が弱くなってしまっている。

 そして月海がクラゲを語るシーンでも、オタク特有ということで愛あるものに対し早口で我を忘れるように語るのだが(原作でもそうだ)、それがツラツラととめどなく零れ落ちるように語るのではなく、早口言葉のタイムトライアルに挑戦するかのごとく、リキみすぎて吐き出す口調に違和感を覚えた。好きだからつい語ってしまっているという風に見えなかったのだ。

 これらは演技の問題というよりも演出の問題だと思うので、逆風の中、主演を張る芳根のためにも、なんとかしていただきたい。

■兄弟の設定が逆に

 原作やいままでの、アニメ化、映画化と決定的に違う部分がドラマにある。それは修と蔵之介の兄・弟の設定が逆なのだ。今までは、

「政治家の父の秘書を務める30歳エリートなのに童貞の兄」=修

「大学生でリア充だが女装もする弟」=蔵之介

 だったのだが、

「リア充だが女装もする兄」=蔵之介

「政治家の父の秘書を務めるエリートなのに童貞の弟」=修(ともに年齢不詳)

 となり、反発を覚える人も多いようだ。特に、エリートで30なのに童貞という部分が損なわれたことで、ここの「萌え」を感じていた人からしたら台無しにされた気持ちだろう。若いのだとしたら、童貞の価値もおそらく下がってしまう。いい中年男性の筆者が語るのも気持ち悪いが。

 設定変更の理由は謎だが、現在26歳の工藤(修)の方が、どうやっても29歳の瀬戸(蔵之介)より若く見えてしまうから逆でもいいんじゃね? 的な発想でしたのだとしたら、間違いだろう。そもそも原作人気を見越してのドラマ化は制作側も公言していたので、だとしたらもともとのファンをないがしろにしたことになる。

 なんでも原作通りじゃないと許せない「原作厨」目線というのではなく、例えば意欲的に狙って兄弟を逆にしているとしたら、それはもちろんアリだ。政治家の長男ゆえのプレッシャーがあるからこその歪みとかもありそうだ。

 しかし、そういった意図は今のところあまり感じられないので、この先を見守りたい。

 何度も映像化されてきた作品だけに、メスを入れるなら入れるなりの意義を見せないと、叩かれやすい月9で叩かれやすい漫画原作なのだから、そのへんへの気配りが足りないと思われてしまうのはもったいないし、何より役者の頑張りが報われない。

 ドラマはまだまだこれから。第2話以降の展開に期待したい。

(文=柿田太郎)

山田涼介の“顔芸”が悲惨!! 日テレ『もみ消して冬』13.3%好スタートも、サムすぎる演出にドン引き

 Hey! Say! JUMP・山田涼介主演のコメディドラマ『もみ消して冬 ~わが家の問題なかったことに~』(日本テレビ系)が13日にスタート。初回平均視聴率は13.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)を記録。同枠前クールで初回10.1%、期間平均8.7%と微妙な数字だった嵐・櫻井翔主演『先に生まれただけの僕』の後とは思えない好スタートです。

 さらに、脚本は山下智久主演『プロポーズ大作戦』(フジテレビ系)や、嵐・大野智主演『世界一難しい恋』(日本テレビ系)、KAT-TUN・亀梨和也主演『ボク、運命の人です。』(同)など、ジャニタレ主演のコメディドラマが軒並み高評価を得てきた金子茂樹氏が手掛けるとあり、期待感は高まるばかり。さぞかし面白いんでしょうね~。

 てなわけで、日刊サイゾーでは『もみ消して冬』を最終回まで勝手にレビュー。早速、初回のあらすじを振り返ります。

■設定は面白いけど……

 警察庁の幹部候補生が集まる刑事総務課で働く北沢秀作(山田)は、20年前に母を亡くして以来、難関私立中の学園長の父・泰蔵(中村梅雀)、敏腕弁護士の姉・知晶(波瑠)、天才外科医の兄・博文(小澤征悦)、そして執事たちと共に巨大な屋敷で生活。兄弟全員が東大出身で、世間からは「平成の華麗なる一族」と呼ばれています。

 しかし、泰蔵の63歳の誕生日に事件が。家族でお祝いをしようとした矢先、泰蔵が突然「寝てる間に、全裸の写真を撮られた!」と告白。「本気で好きになってしまったんだ!」という生徒の母親・島畑富士子(磯山さやか)から、交際の証拠写真を1枚1,000万円で買い取るよう要求されたといいます。

 このとき、秀作がショックの表情を浮かべると、同局『火曜サスペンス劇場』でお馴染みの「ジャジャジャジャッ、ジャジャジャジャッ、ジャージャー♪」という効果音が。同作は「痛快どコメディ」をうたっていますから、きっと、本日最初の笑いどころなのでしょう。全く笑えないけど。

 父のピンチを救うため、秀作に「お前のところの組織で、もみ消せ」と言い放つ博文。さらに千晶が、「あなたのプレゼント、一度も封を開けずに中学校のバザーに出してるのよ」と、泰蔵が秀作からの誕生日プレゼントを見てもいないことを暴露。傷ついた秀作は「ひどいよ、父さん!」と、雨の中、庭に飛び出します。

 秀作のセクシーシャワーシーンが意味なく差し込まれた後、父親の問題解決に動き出す子どもたち。富士子が明日、精密検査のために自身が勤める病院に訪れることを突き止めた博文は、秀作に「スマホが(手元から)離れている数分間、パスワードのロックを解除し、(泰蔵の)画像を消去しろ」と命令します。

 翌日、清掃員に扮した秀作が診察室のベッドの下に身を隠すと、予定通り富士子が。「僕は一体、何をしているのだろう」と自問自答と繰り返しながらも、富士子のスマホをゲット。ツーショット画像を見ながら「父さんのこんな幸せそうな顔を、久しぶりに見た……」と感慨に耽っていると、スマホを富士子のバッグに戻す間もないまま、富士子が帰ってしまいます。

 秀作は、海へ車を走らせ、海にスマホをポイ! その足で神社へ移動し、絵馬に「画像のバックアップが取られていませんように」と書きこみ奉納します。

 神への願いが通じたのか、富士子の息子は転校。泰蔵への脅迫メールもなくなり、問題は解決。秀作を見直した様子の泰蔵は、初めて誕生日に秀作からもらったセーターを着て、夕食に現れます。

■恐ろしいほど、サムい!!

 同作の笑いどころは、おそらく秀作の長~い心の声と、それに伴う顔芸、さらに秀作の心情を表した突発的な効果音だと思うのですが、これに笑った視聴者って何人いるのでしょうか……?

 初回視聴率が表す通り、キャストや設定はキャッチーですし、ちょっと変わった家族関係を見る分には面白いドラマだと思うのですが、コメディの比重が多いわりに、山田は全く顔芸ができていないし、演出もサムすぎる……。『世界一難しい恋』の大野演じる主人公なんて最高に笑えたのに、同じ脚本家から、なんでこんな駄作が誕生してしまったのでしょう? タイトルの「冬」は、ギャグのサムさを表しているという解釈でよろしいでしょうか? それとも、ジャニーズ事務所の口出しが特に今回、酷いんでしょうか? 

 ただ、山田が悪いとは思いません。この主人公役、単調な演技しかできない山田には荷が重過ぎる! ヤバい父親役がはまっている中村や、目力だけでボケに説得力が生じる波瑠、日に日に堀内孝雄化している小澤のボケっぷりはそれなりに見ていられますが、同作の山田は目を背けたくなるほど酷い。同じ童顔末っ子キャラなら、同作に執事見習い役で出演する千葉雄大が主演だったほうが、顔芸にも長けていますし、しっくりきたかもしれません。いや、主演を替えたぐらいで、どうにかなる代物ではないかもしれない……。

 というわけで、“どコメディ”という難しいジャンルに挑戦した結果、初回からドンズベリしてしまった『もみ消して冬』。13.3%という数字が、今後どこまで下がっていくのか、温かく見守りましょう。
(文=どらまっ子TAMOちゃん)

山田涼介の“顔芸”が悲惨!! 日テレ『もみ消して冬』13.3%好スタートも、サムすぎる演出にドン引き

 Hey! Say! JUMP・山田涼介主演のコメディドラマ『もみ消して冬 ~わが家の問題なかったことに~』(日本テレビ系)が13日にスタート。初回平均視聴率は13.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)を記録。同枠前クールで初回10.1%、期間平均8.7%と微妙な数字だった嵐・櫻井翔主演『先に生まれただけの僕』の後とは思えない好スタートです。

 さらに、脚本は山下智久主演『プロポーズ大作戦』(フジテレビ系)や、嵐・大野智主演『世界一難しい恋』(日本テレビ系)、KAT-TUN・亀梨和也主演『ボク、運命の人です。』(同)など、ジャニタレ主演のコメディドラマが軒並み高評価を得てきた金子茂樹氏が手掛けるとあり、期待感は高まるばかり。さぞかし面白いんでしょうね~。

 てなわけで、日刊サイゾーでは『もみ消して冬』を最終回まで勝手にレビュー。早速、初回のあらすじを振り返ります。

■設定は面白いけど……

 警察庁の幹部候補生が集まる刑事総務課で働く北沢秀作(山田)は、20年前に母を亡くして以来、難関私立中の学園長の父・泰蔵(中村梅雀)、敏腕弁護士の姉・知晶(波瑠)、天才外科医の兄・博文(小澤征悦)、そして執事たちと共に巨大な屋敷で生活。兄弟全員が東大出身で、世間からは「平成の華麗なる一族」と呼ばれています。

 しかし、泰蔵の63歳の誕生日に事件が。家族でお祝いをしようとした矢先、泰蔵が突然「寝てる間に、全裸の写真を撮られた!」と告白。「本気で好きになってしまったんだ!」という生徒の母親・島畑富士子(磯山さやか)から、交際の証拠写真を1枚1,000万円で買い取るよう要求されたといいます。

 このとき、秀作がショックの表情を浮かべると、同局『火曜サスペンス劇場』でお馴染みの「ジャジャジャジャッ、ジャジャジャジャッ、ジャージャー♪」という効果音が。同作は「痛快どコメディ」をうたっていますから、きっと、本日最初の笑いどころなのでしょう。全く笑えないけど。

 父のピンチを救うため、秀作に「お前のところの組織で、もみ消せ」と言い放つ博文。さらに千晶が、「あなたのプレゼント、一度も封を開けずに中学校のバザーに出してるのよ」と、泰蔵が秀作からの誕生日プレゼントを見てもいないことを暴露。傷ついた秀作は「ひどいよ、父さん!」と、雨の中、庭に飛び出します。

 秀作のセクシーシャワーシーンが意味なく差し込まれた後、父親の問題解決に動き出す子どもたち。富士子が明日、精密検査のために自身が勤める病院に訪れることを突き止めた博文は、秀作に「スマホが(手元から)離れている数分間、パスワードのロックを解除し、(泰蔵の)画像を消去しろ」と命令します。

 翌日、清掃員に扮した秀作が診察室のベッドの下に身を隠すと、予定通り富士子が。「僕は一体、何をしているのだろう」と自問自答と繰り返しながらも、富士子のスマホをゲット。ツーショット画像を見ながら「父さんのこんな幸せそうな顔を、久しぶりに見た……」と感慨に耽っていると、スマホを富士子のバッグに戻す間もないまま、富士子が帰ってしまいます。

 秀作は、海へ車を走らせ、海にスマホをポイ! その足で神社へ移動し、絵馬に「画像のバックアップが取られていませんように」と書きこみ奉納します。

 神への願いが通じたのか、富士子の息子は転校。泰蔵への脅迫メールもなくなり、問題は解決。秀作を見直した様子の泰蔵は、初めて誕生日に秀作からもらったセーターを着て、夕食に現れます。

■恐ろしいほど、サムい!!

 同作の笑いどころは、おそらく秀作の長~い心の声と、それに伴う顔芸、さらに秀作の心情を表した突発的な効果音だと思うのですが、これに笑った視聴者って何人いるのでしょうか……?

 初回視聴率が表す通り、キャストや設定はキャッチーですし、ちょっと変わった家族関係を見る分には面白いドラマだと思うのですが、コメディの比重が多いわりに、山田は全く顔芸ができていないし、演出もサムすぎる……。『世界一難しい恋』の大野演じる主人公なんて最高に笑えたのに、同じ脚本家から、なんでこんな駄作が誕生してしまったのでしょう? タイトルの「冬」は、ギャグのサムさを表しているという解釈でよろしいでしょうか? それとも、ジャニーズ事務所の口出しが特に今回、酷いんでしょうか? 

 ただ、山田が悪いとは思いません。この主人公役、単調な演技しかできない山田には荷が重過ぎる! ヤバい父親役がはまっている中村や、目力だけでボケに説得力が生じる波瑠、日に日に堀内孝雄化している小澤のボケっぷりはそれなりに見ていられますが、同作の山田は目を背けたくなるほど酷い。同じ童顔末っ子キャラなら、同作に執事見習い役で出演する千葉雄大が主演だったほうが、顔芸にも長けていますし、しっくりきたかもしれません。いや、主演を替えたぐらいで、どうにかなる代物ではないかもしれない……。

 というわけで、“どコメディ”という難しいジャンルに挑戦した結果、初回からドンズベリしてしまった『もみ消して冬』。13.3%という数字が、今後どこまで下がっていくのか、温かく見守りましょう。
(文=どらまっ子TAMOちゃん)

『99.9 -刑事専門弁護士-』松本潤が相変わらずの変人キャラ立ちも、タイトルでハードル上げすぎ!

 嵐・松本潤が、アクの強い弁護士役で主演を務めるドラマ『99.9 -刑事専門弁護士-』(TBS系)の第2期が14日に放送開始。平均視聴率15.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録し、好スタートを切りました。

 物語の舞台は、前シーズンと同じく斑目法律事務所法務部刑事専門ルーム。そこで働く主人公・深山大翔(松本潤)のもとに、殺人容疑で勾留中の鈴木二郎(半海一晃)の無罪を証明してほしいという依頼が舞い込みます。鈴木の娘・加代(谷村美月)が、親友で元裁判官の尾崎舞子(木村文乃)を伴って来訪したのですが、その舞子は深山の調査に同行したいと言い出します。

 深山と2人きりになった舞子は、鈴木の有罪は確定的で、罪を認めさせて情状酌量により刑期を軽くする方が得策であること、という本音を打ち明けます。しかし、深山は聞く耳もたず。まっさらな視点から事件を精査し始めるのです。

 その事件のあらましは以下の通り。ある朝、貸金業を営む沢村和輝(ボブ鈴木)の死体が、事務所内で発見された。死亡推定時刻は、前日の20時30分頃。そして、鈴木が容疑者とされる理由は、殺害があった当日、沢村から借りた1,000万円を返済するため事務所を訪れたから。しかし、鈴木の証言では、事務所に向かったのは21時過ぎで、到着したのは21時30分頃。呼び鈴を鳴らしても誰も応じなかったため、そのまま帰ったとのこと。つまり、沢村は別の誰かに殺されたということになります。

 一方、鈴木が経営する会社・鈴木テックスの社員・阿部充(長塚圭史)によれば、鈴木がその日、会社を発ったのは20時頃。阿部はちょうどその時間、会社内で取引先へ電話し、その音声記録が残っているため、確かな記憶だというのです。

 また、沢村のもとへ向かう途中、鈴木は同じく鈴木テックスの社員・伊藤亜紀(新妻聖子)に遭遇。その際、伊藤に頼まれ、ゆるキャラの置物の前で写真を撮ってあげたのですが、その背景に写り込んだ柱時計が20時10分を示しているため、鈴木のアリバイは不完全なものに。さらに、借金返済が500万円までしか用意できていなかったことも重なり、疑惑が強まってしまったのでした。

 しかし、独自の視点で事件を見つめ直した深山は、伊藤が写る写真のアングルがおかしいことを発見。身長160cmの鈴木が撮影したにしては、カメラの位置が高すぎることに気づいたのです。さらに、阿部が取引先に電話した際の録音テープに、雑音が紛れ込んでいることに注目。調べていくと、その雑音は、伊藤が写真を撮った場所のすぐ近くにある噴水の音であることがわかります。しかも、そのスポットでは20時から5分間しか水は噴かない。つまり、20時過ぎに会社にいたという阿部の証言は嘘だったのです。

 また、深山は、伊藤のSNS投稿に阿部の姿が頻繁に写り込んでいることも発見。以上のことから、恋人同士である阿部(身長180cm)と伊藤が結託し、鈴木を殺人犯に陥れるアリバイ工作を行っていたことを指摘。これを両人が認めたため、晴れて鈴木の無罪が証明されたのでした。

 さて、感想。タイトルにある“99.9”という数字は、日本の刑事事件における裁判有罪率99.9%を示し、同ドラマは残りの0.1%の無罪の可能性を追求する深山の活躍を描いているのですが、その割に扱う事件がショボく、タイトルでハードルを上げすぎなのでは? というのが前シーズンの印象でした。

 その“難事件”ぶりは、今シーズンもしっかり踏襲。序盤で舞子が、鈴木の有罪確定をやたらと主張するのですが、指紋の付いた凶器が見つかったわけでもなく、犯行時間にその姿が防犯カメラに映っているわけでもない。これで犯人扱いされてしまうのであれば、世の中、殺人犯や冤罪だらけになってしまうのではないでしょうか。真相究明に関しても、カメラのアングルの位置だの噴水の音だの、イマイチ決定打に欠けるような気がしました。

 その反対に前回から変わった点でいえば、ヒロインが立花彩乃(榮倉奈々)から舞子に代わったことが挙げられるのですが、プ女子(熱狂的なプロレスマニア)という設定で人気を獲得した彩乃に対して、舞子は今のところ“おしゃべり”だけが特徴で、まだまだキャラが弱い。陽気なキャラクターで華を添えていた彩乃に比べ、どこか陰があるところも気になるところ。この先、舞子のキャラが上手く掘り下げられるかどうかが、前シーズンの視聴率を超すかどうかのキーポイントの1つになりそうです。

 その一方、終始薄ら笑いを浮かべ、マイペースを貫く深山は、相変わらず変人キャラが立っている。上司役の佐田篤弘(香川照之)との掛け合いもテンポよく、見ていて楽しい。それだけに今後、扱う事件と真相究明がさらにブラッシュアップされていくことを期待したいです。
(文=大羽鴨乃)99.9刑事専門弁護士II 

チュッチュしまくりの『トドメの接吻』で、ホスト・山崎賢人が精力剤をゴックン!? 「キス女」門脇麦はホラー級の怪演!

 7日にスタートした、日本テレビ系の日曜ドラマ『トドメの接吻』。主演の山崎賢人をはじめ、新田真剣佑に志尊淳、さらに菅田将暉(主題歌「さよならエレジー」も担当)といった、今をときめく若手イケメン俳優たちが顔を揃えました。

 脚本にはいずみ吉紘さん、プロデューサー・鈴木亜希乃さんという、2015年に同枠で放送され、山崎くんもL役で出演していた『デスノート』と同じスタッフが再集結したオリジナルストーリーの本作ですが、初回の平均視聴率7.4%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)と、残念な結果に……。

 日テレといえば、昨年放送のディーン・フジオカ&武井咲の『今からあなたを脅迫します』が、初回平均視聴率が8.0%、全話平均は6.1%と大コケ。その前クールの福士蒼汰主演『愛してたって、秘密はある。』では、最終回で視聴率を上げたものの、同枠ドラマ全体でみると、視聴者の興味が集まる初回からラストに向けて、視聴率は伸びにくい傾向にあります。先行き不安なこのドラマ、一体どうなっていくのでしょうか……。

 まずは、第1話のあらすじから振り返っていきたいと思います。

 

■キス、そしてキス……

 物語の始まりは、豪華客船で行われている、とあるパーティーから。きらびやかな空間に目を奪われる兄弟らしき2人は、船長を務める父親に黙って船に忍び込み、中を探索していました。すると、突如電気トラブルが発生して船が座礁。2人は床に倒れて血を流している少女を助け出しますが、勢いよく船内に浸入してきた海水により、3人は流されてしまいます――という、どこかのサスペンスドラマの冒頭かと思うような回想シーンです。思わず、「チャンネル合ってるよね?」と不安になったのは私だけではないでしょう。

 そんなことを考えていると、画面には山崎賢人のドアップ(イケメン!)からの、水着姿の釈由美子(おっぱい!)、そしてまさかの水中キス(エロい!)……衝撃展開の連続に、物語の設定を忘れていましたが、この物語は、金と権力のために女を弄ぶホスト・堂島旺太郎(山崎賢人)が、謎の女(門脇麦)のキスによって殺され、7日前にタイムリープしてしまうという、“邪道ラブストーリー”だそうです。釈様はというと、元キャバ嬢のエステティシャンかつ「エイト」こと旺太郎の客で、あえなくお金を巻き上げられたりしています。 

「お金に困らない方法知ってる? 僕みたいに捕まえればいいんだよ、金ヅルを――」

 昨年、TBS系で放送されていた日曜劇場『陸王』では、足袋屋の社長である父親に反発しながらも、苦境に陥った会社のために奮闘する息子役を等身大で演じきった山崎くんですが、今作では打って変わって、金と権力のために女を弄ぶクズ男に大変身! 今度は不動産会社の女社長(井上晴美)から高級腕時計をちゃっかりゲットしつつ、ベッドの上でディープキスをしてみせます。

 そんなクズ男・旺太郎が働くホストクラブ「ナルキッソス」に、資産100億円のホテル王・並樹グループの令嬢・美尊(新木優子)がご来店! 同僚ホストの和馬(志尊淳)と結託しながら、美尊を落とそうと気合を入れる旺太郎ですが、男子トイレに突然現れたナゾの女にぶちゅ~っと長めのキスをされた直後、ブハッと口から血を吐き、命を落としてしまいます。目を覚ますと、冒頭の水中シーンにタイムリープをしていました。一連の出来事を夢だったととらえた旺太郎は、どうにか美尊に近づこうと奔走しますが、再びキス女が現れ、キス。そして、またも7日前に巻き巻き戻されてしまうのでした……。

■精力ドリンクを飲む、ビミョ~にダサい山崎賢人と、“ホラー”な門脇麦

 旺太郎がタイムリープするトリガーとなるのは、謎の女とのキス。今話でのタイムリープの回数は4回=キスの数も4回で、ゲスト出演の釈様と井上さんとのキスも含めると、キスシーンの数は6回に及ぶのですが、これがまたエロい。山崎くんは、『ジョジョの奇妙な冒険』『斉木楠雄のΨ難』(ともに17年公開)や少女マンガ原作の実写映画に多数出演してきましたが、これまで見たことないような大人の色気が漂うラブシーンの数々に、女性ファンであればドキドキしっぱなしでしょう。

 クズなホスト役も似合っていますし、そりゃあもう、イケメンです。なんですが、ところどころ残念なところがあったように思います(当社比)。まずは、お店にやってきた美尊ちゃんを口説こうとするシーン。席に着く前、エイトは目をギラつかせながらロッカーに仕込んである精力剤を意気揚々とキメるんですが、やる気満々すぎませんか? カリスマホストが、いざというときのために、精力ドリンクを買って、ロッカーにしのばせているって考えると……ダs(以下略)。

 そして、「エイト」という源氏名の由来。以前働いていたお店では「セブン」と名乗っていたそうです。その原理でいくと、その前は「シックス」? その前の前は「ファイブ」? せめて漢字表記なら、それっぽく思えたりもしますが、何のひねりもないカタカナ表記なのも相俟って、ダs……なんでもないです。

 そして、そんなエイトこと旺太郎に迫るキス女が、かなり不気味なんです。映画『愛の渦』(14年)での体当たりの演技が話題を呼んだ、実力派女優の門脇麦ちゃんが演じているだけに、“邪道ラブストーリー”であることを忘れるくらい、ゾッとします。真っ黒なボブヘアに、ミステリアスな顔立ち、真っ黒な瞳でこちらを見つめ、「あっ、アナタ、しっシヌ!」ってカタコトの日本語を話し、ニヤッと笑みを浮かべる彼女。肘を曲げずに棒のように伸ばしたままのちぐはぐな走り方も相俟って、完全にホラーです。

■度重なるタイムリープは、正直、飽きる?

 先ほども書いたように、今話だけで、4回もタイムリープしていた旺太郎。まだ1話目ですから、今の段階では、なぜ旺太郎がターゲットにされているのか、なぜキスで死に、7日前にタイムリープしてしまうのか、その理由は明かされません。しかし、目が覚める→キス女をかわそうと奔走する→結局見つかりキスされ過去にタイムリープする……この繰り返しなので、正直、くどい印象がありました。死ぬ前の走馬灯も毎回ご丁寧に描かれるので、視聴者としては「もう分かったよ!」とお腹いっぱい状態です。

“タイムリープ”といえば、『時をかける少女』などの青春SF作を思い浮かべる人も多いかと思いますが、今作は、「キャッキャウフフ」的要素は今のところゼロ。しかも、タイムリープに必ず“死”がつきまとうSFミステリーです。旺太郎の絶命シーンは、血がドロドロ流れるリアルな描写がグロテスクだし、キス女も狂気じみていて、小さい子どもがこのドラマを見たら、トラウマになってしまうのではないかと。そんなダークな要素が強いため、好みが分かれてしまうことが低視聴率の一因なのかもしれません。

 とはいえ、ドラマはまだまだ始まったばかり。1話にはさまざまな伏線が張られていました。キス女はタイムリープに気づいていそうだし、その上で、何度もしつこく旺太郎の元にまでやってくるので、どうやら単に旺太郎を殺そうとしているのではなく、タイムリープさせて、未来を変えようとしているのではないかとも思えます。

 それに、

・水難事故により行方不明になったままの旺太郎の弟の安否
・船で旺太郎たちが助けた少女は誰なのか
・旺太郎を橋から突き落としたのは誰なのか
・旺太郎に協力的な和馬の本心は
・100億の女、美尊と血の繋がらない兄・尊氏(新田真剣佑)との関係
・キス女から逃げる旺太郎に手を貸したストリートミュージシャン・春海(菅田将暉)は一体何を知っているのか

 これらがどのように明かされていくのか、今後の展開が楽しみです。ネット上では早くも、菅田クンが演じる春海が弟説、真剣佑が演じる尊氏が弟説、和馬が黒幕説など、さまざまな臆測が囁かれていますが、果たして……!? 山崎くんのラブシーンとともに、今夜の第2話に期待したいところです。
(文=どらまっ子TAROちゃん)

広瀬すず主演の“どんより”ドラマ『anone』9.2%、『カルテット』ファン必見の理由

 広瀬すず主演連続ドラマ『anone(あのね)』(日本テレビ系)が10日にスタート。同枠前クールの綾瀬はるか主演『奥様は、取り扱い注意』は、期間平均12.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)と大健闘したものの、『anone』の初回は9.2%。人気枠の初回としては、少々物足りない数字となりました。

 脚本は、2010年放送の松雪泰子主演『Mother』(同)で芦田愛菜演じる幼女をゴミ袋に入れて捨てたり、13年放送の『Woman』で満島ひかり演じるシングルマザーに病気まで背負わせた坂元裕二氏。ほかにも、『Mother』『Woman』のスタッフが再集結しています。

 そんな、彦摩呂なら「不幸のミルフィーユや~」と叫びそうな“どんより展開”が待っていることは間違いなさそうな同作。キャッチコピーは、「私を守ってくれたのは、ニセモノだけだった。」だそうです。すでに、どよ~ん。

 日刊サイゾーでは、誰にも頼まれてないのに『anone』のレビューを最終回までお届け! 早速、初回のあらすじを振り返ります。

■倍賞美津子が大活躍

 一晩1,200円のネットカフェで同い年の有紗(碓井玲菜)と美空(北村優衣)と共に寝泊りしている19歳の辻沢ハリカ(広瀬)。特殊清掃員のバイト中は、死体跡がくっきり残った部屋を無表情で掃除する一方、暇な時間には、自身を“ハズレ”と名乗り、“カノン”と名乗る病気で入院中の男性とスマホのチャットゲームで会話を楽しむ日々。ハリカはカノンに、大好きなおばあちゃん(倍賞美津子)と森の中の家で幸せに暮らしていた8歳から12歳の思い出を話します。

 そんな中、有紗から海辺で大金が入った保冷バッグを見つけたとの報告が。450万円くらい入っていたといい、有紗はそのまま置いてきたから、3人で取りに行こうと提案。「おやじとカラオケ行ったら、いきなり殴られた」と前歯を1本失っている有紗は、「私、あのお金で差し歯入れるの!」とノリノリです。

 早速、ハリカはスケボーに、有紗と美空は自転車に乗って、海辺へ。テトラポッドの隙間に保冷バッグを見つけますが、裏切った美空が持っていたスタンガンで有紗を攻撃し、奪い去ってしまいます。

 そうこうしていると、金の持ち主である亜乃音(田中裕子)が登場。有紗から強引に保冷バッグを奪った後、なんだかんだあって、結局、スケボーで通りかかったハリカがゲット。金を持って逃げていると、幼少期におばあちゃんと過ごした家にたどり着きます。

 一方、余命半年を宣告された持本(阿部サダヲ)が営むカレーショップに、元放火犯のるい子(小林聡美)が来店。メニューにない焼きうどんを注文した揚げ句、代金を踏み倒すかなりヤベー女ですが、なぜか2人は意気投合。カレーショップの車で、一緒に死に場所を探す旅へ……。

■虐待受けてました

 幼少期に過ごした家で、おばあちゃんとの楽しかった日々を回想するハリカ。しかし、風見鶏から「君のその思い出は、間違ってるよ」との幻聴が……。

 本当は、この屋敷は全寮制の更生施設「ためがい学舎」で、両親にこの施設に入れられたハリカは、ここで虐待を受けていたようです。当時、ここで経営者の為貝(倍賞)から「あなたは病気」「あなたの名前はハズレ」と言われたハリカは、天真爛漫さを失ってしまったのだとか。はい、どんより。

 そんな過去に苦しみ続けるハリカですが、結局、保冷バッグは亜乃音の元へ返却。その帰り道、カノンが「窓から見える」と言っていたハシビロコウ(鳥)の看板をたまたま見つけ、近くの病院へ。すると、病室の窓越しにそれらしき男性を発見。チャットを送ると、カノンは“ハズレ”の正体がハリカであることを知っていてチャットで近づいたと告白。カノンは、「ためがい学舎」の元生徒の紙野彦星(清水尋也)だといい、ハリカと2人で脱走を試みたこともあるといいます。ハリカは彦星に会いたがりますが、彦星は「死ぬのが怖くなってしまう」という理由で会おうとしません。

 ラストは、保冷バッグの大金が偽札であることが発覚し、初回は終了です。

■『カルテット』要素も

「クッキーだって何枚も焼けば、ハズレができるの」と個性を封印されてしまったハリカの幼少時代を見るのは、筆者のように子を持つ親としてはつらい! しかしながら、現状が不幸すぎた『Mother』『Woman』に比べると、つらい場面が回想シーンだったためか、覚悟していたほどどんよりしませんでした。

 ここ2年ほど連ドラから遠ざかり、映画にばかり出演していた広瀬ですが、同作で「初めてちゃんと演技を見た」という視聴者も意外に多そう。ボーイッシュな役柄ながら、甲高い声や長い前髪からチラ見えする大きな目……かわいさが隠しきれないあたり、「腹黒」「あざとい」と言われる広瀬にはピッタリの役ではないでしょうか? あと、幼少期のハリカを演じている子役の大迫莉榎が、声も演技も昔の芦田愛菜にソックリです。

 また、脚本の坂元氏といえば、昨年1月期に話題となった松たか子主演『カルテット』(TBS系)でもお馴染み。持本とるい子による「1日にスマホを3時間見てる人は、一生のうちに10年間見てることになるんですって。それでトイレに使ってる時間は、一生のうち3年!」「行くのやめて漏らし続けたら?」「3年長生きってことですよね」といった掛け合いシーンは、『カルテット』ファンが好きなアレではないでしょうか?

 残念ながら筆者は、こういったウィットに富んだ小粋でオシャレな会話劇を見ると「えーい、小ざかしい」とムズ痒くなってしまう体質ですが、『カルテット』ファンは『anone』も見たほうがいいと思います。

 というわけで、カノンを発見するシーンは少々強引だったものの、全体的には味わい深かった『anone』。一視聴者として最後まで見守っていきたいと思います。
(文=どらまっ子TAMOちゃん)

広瀬すず主演の“どんより”ドラマ『anone』9.2%、『カルテット』ファン必見の理由

 広瀬すず主演連続ドラマ『anone(あのね)』(日本テレビ系)が10日にスタート。同枠前クールの綾瀬はるか主演『奥様は、取り扱い注意』は、期間平均12.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)と大健闘したものの、『anone』の初回は9.2%。人気枠の初回としては、少々物足りない数字となりました。

 脚本は、2010年放送の松雪泰子主演『Mother』(同)で芦田愛菜演じる幼女をゴミ袋に入れて捨てたり、13年放送の『Woman』で満島ひかり演じるシングルマザーに病気まで背負わせた坂元裕二氏。ほかにも、『Mother』『Woman』のスタッフが再集結しています。

 そんな、彦摩呂なら「不幸のミルフィーユや~」と叫びそうな“どんより展開”が待っていることは間違いなさそうな同作。キャッチコピーは、「私を守ってくれたのは、ニセモノだけだった。」だそうです。すでに、どよ~ん。

 日刊サイゾーでは、誰にも頼まれてないのに『anone』のレビューを最終回までお届け! 早速、初回のあらすじを振り返ります。

■倍賞美津子が大活躍

 一晩1,200円のネットカフェで同い年の有紗(碓井玲菜)と美空(北村優衣)と共に寝泊りしている19歳の辻沢ハリカ(広瀬)。特殊清掃員のバイト中は、死体跡がくっきり残った部屋を無表情で掃除する一方、暇な時間には、自身を“ハズレ”と名乗り、“カノン”と名乗る病気で入院中の男性とスマホのチャットゲームで会話を楽しむ日々。ハリカはカノンに、大好きなおばあちゃん(倍賞美津子)と森の中の家で幸せに暮らしていた8歳から12歳の思い出を話します。

 そんな中、有紗から海辺で大金が入った保冷バッグを見つけたとの報告が。450万円くらい入っていたといい、有紗はそのまま置いてきたから、3人で取りに行こうと提案。「おやじとカラオケ行ったら、いきなり殴られた」と前歯を1本失っている有紗は、「私、あのお金で差し歯入れるの!」とノリノリです。

 早速、ハリカはスケボーに、有紗と美空は自転車に乗って、海辺へ。テトラポッドの隙間に保冷バッグを見つけますが、裏切った美空が持っていたスタンガンで有紗を攻撃し、奪い去ってしまいます。

 そうこうしていると、金の持ち主である亜乃音(田中裕子)が登場。有紗から強引に保冷バッグを奪った後、なんだかんだあって、結局、スケボーで通りかかったハリカがゲット。金を持って逃げていると、幼少期におばあちゃんと過ごした家にたどり着きます。

 一方、余命半年を宣告された持本(阿部サダヲ)が営むカレーショップに、元放火犯のるい子(小林聡美)が来店。メニューにない焼きうどんを注文した揚げ句、代金を踏み倒すかなりヤベー女ですが、なぜか2人は意気投合。カレーショップの車で、一緒に死に場所を探す旅へ……。

■虐待受けてました

 幼少期に過ごした家で、おばあちゃんとの楽しかった日々を回想するハリカ。しかし、風見鶏から「君のその思い出は、間違ってるよ」との幻聴が……。

 本当は、この屋敷は全寮制の更生施設「ためがい学舎」で、両親にこの施設に入れられたハリカは、ここで虐待を受けていたようです。当時、ここで経営者の為貝(倍賞)から「あなたは病気」「あなたの名前はハズレ」と言われたハリカは、天真爛漫さを失ってしまったのだとか。はい、どんより。

 そんな過去に苦しみ続けるハリカですが、結局、保冷バッグは亜乃音の元へ返却。その帰り道、カノンが「窓から見える」と言っていたハシビロコウ(鳥)の看板をたまたま見つけ、近くの病院へ。すると、病室の窓越しにそれらしき男性を発見。チャットを送ると、カノンは“ハズレ”の正体がハリカであることを知っていてチャットで近づいたと告白。カノンは、「ためがい学舎」の元生徒の紙野彦星(清水尋也)だといい、ハリカと2人で脱走を試みたこともあるといいます。ハリカは彦星に会いたがりますが、彦星は「死ぬのが怖くなってしまう」という理由で会おうとしません。

 ラストは、保冷バッグの大金が偽札であることが発覚し、初回は終了です。

■『カルテット』要素も

「クッキーだって何枚も焼けば、ハズレができるの」と個性を封印されてしまったハリカの幼少時代を見るのは、筆者のように子を持つ親としてはつらい! しかしながら、現状が不幸すぎた『Mother』『Woman』に比べると、つらい場面が回想シーンだったためか、覚悟していたほどどんよりしませんでした。

 ここ2年ほど連ドラから遠ざかり、映画にばかり出演していた広瀬ですが、同作で「初めてちゃんと演技を見た」という視聴者も意外に多そう。ボーイッシュな役柄ながら、甲高い声や長い前髪からチラ見えする大きな目……かわいさが隠しきれないあたり、「腹黒」「あざとい」と言われる広瀬にはピッタリの役ではないでしょうか? あと、幼少期のハリカを演じている子役の大迫莉榎が、声も演技も昔の芦田愛菜にソックリです。

 また、脚本の坂元氏といえば、昨年1月期に話題となった松たか子主演『カルテット』(TBS系)でもお馴染み。持本とるい子による「1日にスマホを3時間見てる人は、一生のうちに10年間見てることになるんですって。それでトイレに使ってる時間は、一生のうち3年!」「行くのやめて漏らし続けたら?」「3年長生きってことですよね」といった掛け合いシーンは、『カルテット』ファンが好きなアレではないでしょうか?

 残念ながら筆者は、こういったウィットに富んだ小粋でオシャレな会話劇を見ると「えーい、小ざかしい」とムズ痒くなってしまう体質ですが、『カルテット』ファンは『anone』も見たほうがいいと思います。

 というわけで、カノンを発見するシーンは少々強引だったものの、全体的には味わい深かった『anone』。一視聴者として最後まで見守っていきたいと思います。
(文=どらまっ子TAMOちゃん)

フジとジャニーズが“テレビの印象操作問題”に切り込むも……亀梨和也『FINAL CUT』7.2%のズッコケ発進

 KAT-TUN・亀梨和也主演連続ドラマ『FINAL CUT(ファイナルカット)』(関西テレビ制作、フジテレビ系)が9日にスタート。前クールの同枠で大コケした井上真央主演『明日の約束』の影響もあってか、初回平均視聴率は7.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と不安なスタートとなりました。

 亀梨が演じるのは、母親が女児殺害事件で犯人扱いされ、自殺に追い込まれた過去を持つ男。12年の時を経て、主人公は真犯人を探し出し、母を追い詰めた者たちへの復讐に燃えるとか……。

 はい、そうです。元SMAP・草なぎ剛主演で1年前にヒットした『嘘の戦争』とそっくりなんです。しかも、同じカンテレ制作の火曜ドラマ枠で、監督も同じ。おまけに主人公と敵対する役どころを藤木直人が演じる点も同じです。

 というわけで、同作は『銭の戦争』『嘘の戦争』に続く「草なぎ剛・復讐3部作」の3作目だったという説が浮上。草なぎが“新しい地図”を描いたがために、主演をジャニタレに取られたのではないかとウワサされています。

 そんな疑惑の同作ですが、日刊サイゾーでは最終回まで各話レビューをお届け。早速、初回のあらすじを振り返ります。

■裕木奈江が約23年ぶりの民放連ドラ

 中村慶介(亀梨)の母・恭子(裕木奈江)は、女手ひとつで慶介を育てながら、園長として保育園を切り盛り。しかし、女児が殺害される事件が起こり、ニュース番組『ザ・プレミアワイド』が、あたかも恭子が犯人であるかのように報道。精神的に追い詰められた恭子は、お風呂場で手首を切って自殺してしまいます。

 そんな12年前の出来事を思い出しムギギとなりながら、公園でパルクール(物を使わずに、周囲の地形や建物などを使って飛んだり登ったりするトレーニングカルチャー)をする慶介。ちなみに、亀梨が撮影中に左手人差し指を骨折したのは、どうやらこのシーンだったようです。

 慶介は、女児殺害事件の鍵を握る若葉(橋本環奈)に「たかはしまもる」の偽名で接近。若葉はデートのたびに勝負下着をつけていますが、慶介が手を出してこないことに不満げです。

 加えて、若葉の姉・雪子(栗山千明)にも「よしざわゆう」という偽名で近づく慶介。雪子も、たちまち慶介に胸キュンのようです。どうやら、慶介は女性を虜にできるモテキャラのようですね。

 着々と復讐計画を進める慶介ですが、ウェブサイト「MP.info.net」の管理人でもあります。初回では「MP.info.net」がどんなサイトなのかイマイチわかりませんでしたが、ここには『ザ・プレミアワイド』の取材でなんらかの被害を受けた人の情報が集まってくるみたいです。

 そんな「MP.info.net」に、喜美子(矢田亜希子)から『ザ・プレミアワイド』から取材を受けたとの書き込みが。慶介は早速、喜美子に事情を聞くため接触。喜美子は、心臓移植しか助かる見込みのない4歳の娘・みずきちゃんの移植費用のため、『ザ・プレミアワイド』の取材を受けるも、番組は恣意的な編集で病院の印象を操作。あたかも、主治医が医療ミスをしたかのような内容で放送したといいます。

 この話を受け、「僕たちにお任せください」と伝える慶介。ん? 「MP.info.net」って、もしかして復讐屋さんの依頼サイトなんでしょうか? 依然として「MP.info.net」が謎ですが、ここに書き込めば助けてくれるみたいです。

■「ファイナルカット」って何?

 慶介は、仲間の大地(Hey! Say! JUMP・高木雄也)と共に、『ザ・プレミアワイド』のプロデューサー・井出(杉本哲太)を徹底的に監視。井出は、12年前の事件の際も同番組のプロデューサーを務めており、慶介はかなりの恨みを持っているようです。

 そんな中、『ザ・プレミアワイド』の恣意的な編集のせいで、みずきちゃんの主治医が病院を辞める事態に。喜美子は井出に「(番組から)病院に謝罪してください」と頼みますが、逆に井出から“募金詐欺目的の胡散臭い両親”のように報じることも可能だと脅されてしまいます。

 この後、井出を呼び出した慶介は、井出の素顔を隠し撮りした数々の映像を「ネットにバラ撒く」と脅迫。「お前の人生を編集するのは、俺だ」と、うまいことを言った後、キメ顔で「つまり、これがあなたの、ファイナルカットです」と敬語で言い放ちます。どうやら、これがキメゼリフみたいです。

 ちなみに、フジのドラマ資料によると、同作における「ファイナルカット」とは、「公開されるとその人の人生が終わる致命的な映像」のことだとか。しかし、劇中ではこの言葉が唐突に出てくるので、正直「へ?」ってなります。

 映画やテレビ番組の公開用の最終編集版を指す映像を、業界では「ファイナルカット」と呼ぶようですが、同ドラマの使用方法としては、プロレス技の“首折り落とし”を指す「ファイナルカット」のほうが意味合いは近いのかもしれません。それにしてもこのキメゼリフ、モヤモヤする……。

 そんなこんなで、慶介に脅された井出は、『ザ・プレミアワイド』の編集会議で、みずきちゃんの病院へ謝罪することを提案。しかし、司会者の百々瀬(藤木直人)は、その場で井出が放送賞を受賞した際のトロフィーを机にガンガン打ちつけ、狂ったように激怒。「さあ、てーへんだ、てーへんだ!」と昔の瓦版屋の口上を再現し、井出に説教をし始めます。

 なるほど、このドラマの見どころは、亀梨の復讐っぷりでも、華麗なパルクールでもなく、藤木の怪演で間違いなさそうです。そういえば、『嘘の戦争』の藤木も最高だったなあ……。

 ラストは、慶介が実は警察官であることが発覚し、初回は終了です。

■見どころは、亀梨よりも藤木!

 どうしても「もし、草なぎが主演だったら……」と想像しながら見てしまった初回ですが、とりあえず亀梨の化粧っ気が薄れてて安心しました。昨年、4月期の主演ドラマ『ボク、運命の人です。』(日本テレビ系)は、目張りとファンデーション感が強烈で、最後までサラリーマンに見えなかったんですよ……。

 また、アクのない演技が良くも悪くも特徴的な亀梨なだけに、草なぎのような“ムギギ感”は期待できなさそうですが、その分、藤木演じるクセの強いキャラクターが視聴者を楽しませてくれそうです。

 ストーリー的には、テレビ局の捏造編集による印象操作を糾弾する内容を、フジやジャニーズ事務所がよくやったなという印象。近年、ニュース番組の司会にジャニタレを送り込み、都合の悪い芸能ニュースをファイナルカットしているジャニーズ事務所は、どんな顔してこのドラマの制作に携わってるんだろう……と想像することも含め、ワクワクするドラマと言えそうです。

 そんな、いろいろと楽しみ方が多そうな『FINAL CUT』ですが、まだ始まったばかり。視聴率が心配ではありますが、最終回まで見守っていきます!
(文=どらまっ子TAMOちゃん)

星野源が初めて笑った……!『コウノドリ』最終回の充実ぶりと“シーズン3”への期待

 周産期母子医療センターを舞台に出産にまつわるさまざまな物語を見せてくれた『コウノドリ』(TBS系)も、いよいよ最終回。10.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と数字は思ったより伸びなかったものの、毎回2ケタ視聴率をキープ、前シーズンを上回る安定感を見せた。レギュラーメンバーそれぞれの行く末はいかに?

 

■帰ってきたメンバー

 

 急患の中国人旅行客への言語対応で四苦八苦する産科医の鴻鳥(綾野剛)や助産師の小松(吉田羊)の前に、颯爽と現れ中国語で通訳し始めた同僚の産科医・倉崎(松本若菜)。才女ぶりがかっこいい。もとヘビーメタル愛好家なのに、そのギャップはなんなのか。しかも中国語を話せることに対し「理由は聞かないでください」というのが、またいかす。女・四宮のようになってきた。

 救命科に転科した下屋(松岡茉優)の代わりにやってきた彼女だが、真顔でボケまでこなし、すっかりペルソナ産科に馴染んだようだ。

 その急患の出産の際中、新生児科医として現場に現れたのは、なんと新井恵美(山口紗弥加)だ。前シリーズでバーンアウトしてペルソナから姿を消し、ついこの前の第8話(参照記事)で講談医科大にいることがわかったばかりの彼女。「なんで?」と驚く鴻鳥や小松に対し「話はあとで。モタモタしないでお産に集中してください」と言い放つ。

 鴻鳥と連絡は取っていたようだが、それでもなんの連絡もなく帰ってきて、迷惑をかけた仲間に説明もなく、いきなり「モタモタするな」「集中しろ」とは、さすが「鉄の女」と呼ばれていただけのことはある。だが、そんな性格を知ってる鴻鳥らは、それすらうれしそうに受け入れる。

 どうやらペルソナの院長(浅野和之)が講談医科大に土下座をしてまで頼んでくれたらしい。

 そして、もう一人。前シーズンに出ていた助産師の角田真弓(清野菜名)も産休を終えて産科に戻ってきた。しかも、立て続けに2人も産んでるとは! 復帰を希望したのは小松だというが、その真意は……?

 

■「オランダへようこそ」

 

 21トリソミー(ダウン症候群)の子どもを出産する決意はしたものの、不安が消えない高山透子(初音映莉子)。

 そんな透子に、新生児科医の今橋(大森南朋)が渡したのは、ダウン症の子をもつエミリー・パール・キングスレイという作家が書いた「オランダへようこそ」という文章。

 キングスレイは、あの『セサミストリート』の作家を長く務めており、『セサミ~』は昔から人間の多様性を意識的に織り込んできた番組。最近も自閉症のキャラクターを登場させ、発達障害への理解を啓蒙しているほど。

 その文章の中でキングスレイは、予定通りの旅にならず違う目的地(オランダ)に着いてしまっても、その新たな場所を楽しめばよい。いつまでも行けなかった場所のことばかり考えていたら、今いる場所のよさが見えない。と、自身の経験をもとに語る。

「イタリア旅行をずっと夢見てきたのに」「あんなに一生懸命に計画を立てたのに」「手違いで飛行機はオランダに着いてしまった」

「でもある日、ゆっくりと胸に空気を吸い込んだら……素敵な風車が目についた。綺麗なチュウリップが目についた」

 特に、

「周りの人たちはイタリアの話で盛り上がっている」「そうよ、私もそこに行くはずだったのよ……」

 という部分はキングスレイ自身の当時の苦悩をうかがわせる。しかし、最後の、

「みんなとは違う土地だけど、私はオランダを思い切り楽しんで、そして大好きになりました。」

 という結びは透子に大きな勇気を与えてくれただろう。

 しかもこの文章はダウン症や障害を持つ妊婦だけでなく、すべての、予定通りにいかなかった人生を生きる人々の傍に寄り添うことのできる力がある。今回の放送を機に、この文章も話題となり広まっている。

 透子は、同じダウン症の子を持つ木村弓枝(奥山佳恵)らにも会い、話を聞く。同じ境遇の仲間の存在は、医師とまた違う助けになるのだろう。透子の夫・光弘(石田卓也)も、いまだダウン症の子を育てることに心のどこかで否定的だったが、やはり同じ立場である弓枝の夫(今里真)と接し、気持ちが溶けていく。

「案ずるより産むが易し」(向井)

「傘を忘れて家を出ても意外となんとかなるもんだし」(小松)

 付き添いつつ、夫妻の肩の力を抜いてあげるペルソナ熟女コンビ。『北風と太陽』のやり口。

 カンファレンスで鴻鳥や今橋は、とにかく押し付けず見守ることが大切だと言っていた。しかし「太陽」のつもりで接しても「北風」だと感じられてしまうことは日常生活でも多々あることで、こういう配慮は医療技術とはまた別の信頼につながるのだろう。

 後日、透子は双方の親の前で「オランダへようこそ」を聞かせる。

「この子はみんなの子だもの」

 当初反対していた夫方の親も今は味方だ。周囲も「イタリア」だけが目的地ではないことに気づこうとしている。

 

■四宮の迷い

 

 父親の訃報に、三たび帰郷した四宮。能登の曇った海岸で、生前に父から渡されたヘソの尾を見つめ、亡き父を想う。

「この街を子どもが産めない街にはさせない」「この街のお産を守ることが使命だと思っている」

 気持ちを知ってか知らずか、戻ってきた四宮を飯に誘う鴻鳥。店に入って荻島(佐々木蔵之介)を見つけるなり「はめられた」という顔をする四宮。塩顔大集合。

 荻島は今シーズンの第1話で鴻鳥がヘルプで向かった隠岐の島で開業医として切り盛りしていたあの荻島だ。鴻鳥の先輩なのだから当然同期の四宮の先輩でもある。

「そういう郷土愛とかセンチメンタリズムに左右されて設備の整っていないところでお産をすることは、俺は尊いとは思いません。医師一人が全てを抱えるのは無理がある」

 故郷で働く思いを語る荻島に対し、いきなり中二病丸出し発言をぶつける四宮。おそらく父親のことがあるから感情的になっているのだろう。

 現地で実際に孤軍奮闘してる先輩に久しぶりに会っていきなりこれを言うのはなかなか頭おかしいので、そうあってほしい。

 しかし、大人の荻島は怒ったりなんかしない。

「酒が足りないんじゃないか?」と冗談でかわしつつも「何をそんなに怖がってるんだ? しかめっ面はお前の本当の顔じゃないだろ?」「同じ産科医、場所は違っても心意気は同じ。どこへ行っても一人ぼっちで戦わなきゃいけないなんてそんなことはないんだ」荻島の言葉が四宮に響くのがわかる。

 

■さらに成長した若手

 

 間もなくペルソナを離れ講談医科大に小児循環外科医の修行にでる白川(坂口健太郎)。
「俺、先生の一番弟子になれましたかね?」と不安げに聞く白川に、「僕の弟子じゃない。頼りになるパートナーだよ」とニクいことを言う今橋。これで安心して新天地に向かえるだろう。

 救命科で居眠りしてる下屋を起こそうとする加瀬(平山祐介)に、「寝かせといてやりなよ。面白いねよ。ガッツだけでなんとかやっていけるもんなんだ」「産科には返さないって言ってみようか?今橋先生がどんな顔するか見たくない?」と冗談めかしつつ下屋を認める救命科部長の仙道(古舘寛治)。

 研修医から一人前の医師になる過程でつまずいた同期2人も、どうやらもう一段成長し認められているようだ。

 ちなみに、すっかり丸くなった仙道部長だが、第6話で、鴻鳥、四宮らを含む産科新生児科医師全員の前で「産科ってさ、毎日妊婦さん相手にお世辞言ってる感じでしょ? 君たち危機感たりないんじゃないの?」と失礼極まりなく言い放っていたのが忘れられない。

 もちろん下屋が飛び込むことになる救命科の厳しさを煽る演出なのは重々承知だが、あれだけ人を殺したピッコロやベジータが平然と仲間になっているくらいの違和感を感じるのは筆者の器が小さいからだろうか。それだけ古舘がいい存在感を出してたのだ。

 

■オールスター IN 手術室

 

 診療にくるたびに小松とじゃれ合う同期の助産師・武田京子(須藤理彩)が、いよいよ出産。子宮口がなかなか開かず、帝王切開に切り替え、無事子どもを出産したものの、安心したのもつかの間、床が血の海に。

 さすが助産師「結構出てるね?」と他人事のような、冷静な「まな板の鯉」ならぬ「手術台の助産師」武田に安心させられるが血はまったく止まらない。羊水が母体の血中に入って引き起こされるという、子宮型羊水塞栓症。胎児の成分で起こるアナフィラキシーショックらしい。

 手術前、鴻鳥・四宮の揃い踏みに「豪華だね」と笑っていた武田だが、白川はもちろん途中から今橋や新井もくるわ、下屋や加瀬ら救命科までやってきて心臓マッサージするわ、もはやオールスター手術室。心停止した緊迫したシーンなのに、正直「豪華」だと思ってしまったのは、やはり最終回だからだろうか。

 同期の死の気配に、一瞬気が動転しつつも、一度の深呼吸で「大丈夫です、もう落ち着きました」と立て直す小松がさすがだ。

 心停止でもうダメかと思われたが「武田ー! 生きろー!!」の小松の声でなんとか息を吹き返し、子宮を全摘出したものの一命は取り留めた。戦友のような関係だからこその双方の信頼をとても強く感じたシーン。

 

■出て行くメンバー

 

 武田の手術直後、一息つく鴻鳥と小松を前に突如「ペルソナをやめようと思う。能登に帰る」と切り出す四宮。親のいた産科を継ぐのだ。

「飛び込んでみるしかない、怖がってるばかりじゃなくて」と語ったのは、やはり荻島の言葉を意識してのことだろう。

「四宮はそう言うと思ってたよ」鴻鳥もわかっていて荻島に会わせたようだ。

「俺も赤ちゃんが好きだからな」わかってはいたが、こんなことを四宮が言うなんて。

 そして、それに呼応するかのように自分もペルソナをやめると言い出す小松。「お母さんのケアに力を入れた場所を作りたい」という。

「産む前も、産んだあともお母さんの家族の人生に寄り添いたい」という決意は、ペルソナでたびたび患者に寄り添いすぎて注意を受けてしまう小松ならではだ。

「離れてたって僕たちが目指す場所は同じだ」と受け入れる鴻鳥。四宮は驚いていたのに。どうせ小松の気持ちもわかっていたのだろう。何でも知っている男・鴻鳥。

「僕はいつまでもペルソナにいてみんなを繋げていく。お母さん・赤ちゃんと社会を。そして、それぞれの場所でがんばる仲間たちを繋げていく、そういう医者に僕はなりたい」

 まるで宮沢賢治のようだ。

「また夢みたいなこと言ってるかな」という鴻鳥に「でもいいんじゃないか? 夢みたいなことをいう奴がいないと先には進めないからな」と四宮。

 鴻鳥は小松に言われ、ペルソナが自分の家族だと気づかされる。孤児の鴻鳥に親も兄弟もいない。夕日が差し込む部屋で抱きしめあう3人。

 少し前に屋上で下屋に「鴻鳥先生はずっとペルソナにいますよね?」と問われた時に鴻鳥は何もいわず遠くを見ていた。「もしや、鴻鳥も……?」と思いかけたが、あの時何を思っていたのか。

 白川も講談医科大にいくため新生児科に別れを告げ、ロビーで会った下屋に「お前がいたから今までやってこれた」と事実上告白とも取れる発言をするが、下屋はそれには答えず大声で、何かを吹っ切るように「白川ー! 頑張れよー!!」とエールを送る。

「お、お前もなー!」去っていく白川を目で追う下屋は、一瞬顔を歪める。安易に恋愛に発展しない若駒同士の関係が美しい。

 鴻鳥と四宮のラスト2ショットは屋上で。

「ちゃんと野菜たべなきゃだめだよ」とお母さんみたいな鴻鳥。

「お前にいわれたくない」と彼氏のような四宮。2人ともカップ焼きそばとジャムパンだけで暮らしてそうだから、見ているこっちが心配になる。

「ペルソナは任せろ」と力強く四宮を送り出す鴻鳥に、四宮は自ら手を出し握手を求めた。シーズン3があるのかはわからないが、2人の関係は今後も変わらないだろう。

 

■4カ月後・エピローグ

 

・高山夫妻は無事女の子を出産。子どもの心臓は今の所問題なく、子どもが可愛くて仕方がない様子だ。

・小松は新しい職場を作るため内装業者に相談、若干、恋の予感も!

・能登で父の跡を継ぎ、働く四宮は、マイペースでおおらかな地元の患者にも今まで通りの四宮として接しつつも充実してる様子。そこに現れたのは、地域医療研修医として派遣されてきた赤西吾郎(宮沢氷魚)。

「サクラのやつ……」とフィクサー鴻鳥の差し金を見破る四宮。「邪魔はするなよ、ジュニアくん」という第一回と同じ皮肉に対し「体当たりで学ばせてもらいます、ジュニア先輩」と言い返す成長した赤西。

 これに、ぷっと吹き出して笑う四宮。このシリーズ通して、初めて見せる四宮の笑顔。しかも笑い方が素すぎて一瞬NGなのかと思ったほど。いや、正直あれはNGでもいいのではないかと今でも思っているほど、「らしくない」笑い方だった。気をとりなおして「ついてこい」とカッコつける四宮。この続きをスピンオフでぜひ見たい。

 

■シーズン3は……?

 

 今シリーズでは、妊婦や家族だけでなく医師やスタッフの苦悩が多く描かれた。特に後半はその進退にからめて、毎回誰かが一人減り二人減りという状態。まるで『バトルロワイヤル』だ。

 オリジナルの話を生かしつつ、レギュラーメンバーそれぞれの苦悩も丁寧に描き、さらに第10話ではほぼオリジナルで「新型出生前診断」の問題に切り込むなど、構成や脚本も複雑に練られたものだった。

 第1話で鴻鳥が隠岐の島に行く設定にあまり意味を感じなかったのだが、ここにつながってくるとは。意味を感じなかったことをお詫びしたい。

 今回見終わって気になったのは、鴻鳥の裏の顔が人気ピアニストBABYであるという必要性がほぼなくなっていたことだ。

 前シーズンでは、クライマックスで正体を記者に嗅ぎ付かれつつも、それを記者の良心で記事にせず、ことなきを得るなど、最後まで意味を持っていた設定だが、今回は正直なくてもいいような場面でピアノを弾くシーンが挿入されたり、意味なく患者がBABYのファンで動画を見るシーンが加えられていたり、かといって本筋に一切かかわらなかったりと、設定を持て余しているように見えた。

 これは原作でも、その設定の「旨味」を使いつくしぎみな傾向が見られるので仕方がないことなのかもしれないが、BABYと交流のある米国の人気歌手(アレサ)が来日中に鴻鳥に助けられる話など、何か一つ鴻鳥がBABYである意義を入れて欲しかった。

 しかし裏を返せば、今回は「実は人気ピアニスト」という奇抜な設定が入る余地がないくらい、王道の詰まった内容だったということでもある。

 続編を期待する声も多そうだが、思ってた以上にメンバーが散り散りになってしまい、裏の要だった小松までも出て行ってしまったので、果たしてどうなるのだろうか。しかし、故郷の慣れない地で揉まれる四宮の話はぜひ見てみたいし、新天地で輝く小松や白川も見てみたい。もちろん「家族」の一部と離れ「家」を守る鴻鳥母さんの寂しそうな顔も気になる。

 シーズン3とまでいかなくてもそれぞれの活躍を描くスピンオフはぜひとも作っていただきたい。
(文=柿田太郎)

『ドクターX』独走! 月9が『逃げ恥』人気に便乗!? 『ひよっこ』脚本家作品が謎の激コケ……冬ドラマ視聴率ランキング

 今月、最終回を迎えた民放プライム帯連続ドラマを、ランキング形式で振り返ります(ビデオリサーチ調べ、関東地区/クールまたぎ除く)。

1位『ドクターX~外科医・大門未知子~』(テレビ朝日系)20.7%
2位『陸王』(TBS系)16.0%
3位『奥様は、取り扱い注意』(日本テレビ系)12.7%
4位『コウノドリ』(TBS系)11.9%
5位『先に生まれただけの僕』(日本テレビ系)8.7%
6位『監獄のお姫さま』(TBS系)7.7%
7位『民衆の敵~世の中、おかしくないですか!?~』(フジテレビ計)6.7%
8位『刑事ゆがみ』(フジテレビ系)6.5%
9位『今からあなたを脅迫します』(日本テレビ系)6.1%
10位『明日の約束』(フジテレビ系)5.7%
11位『ユニバーサル広告社~あなたの人生、売り込みます!~』(テレビ東京系)4.0%

■ツートップが15%超え!

 トップはいわずもがな、米倉涼子主演『ドクターX』の第5期。「結末がわかっていても、やっぱり見ちゃうのよね~」という人が多いのでしょうね。ただ、今回は脚本に中園ミホ氏が参加しなかったせいか、薄っぺらいストーリーが目立った印象も。特に最終回は、ご都合主義展開が満載で、「シリーズ史上、最低」との声も少なくないようです。

 今回は、最終回目前で主人公・大門未知子が余命3カ月の後腹膜肉腫を患っていることが判明! 漫画『ブラック・ジャック』や、ロシア人登山家(関連記事 http://tocana.jp/2015/05/post_6490_entry.html)よろしく、「ついに自分で自分を手術か!?」と淡い期待を寄せてしまいましたが、そんな尖ったシーンはありませんでした。

 2位は、最終回が自己最高の20.5%を記録した役所広司主演『陸王』。筆者は、ビートたけし扮する鬼瓦権造のような役柄を演じた名優・寺尾聰に、「ありがとう!」と高級海苔とかをあげたい気持ちです。

 しかし、ほぼ全ての回の山場で、決まって「エーブリデーアイリッスントゥーマイハー♪」と、Little Glee Monsterの「Jupiter」が流れていた同作ですが、これが本当に邪魔で邪魔で……。役所、志賀廣太郎、正司照枝など、いぶし銀の演技に酔いしれている筆者の心を、毎回、見事に興ざめさせてくれました。逆に言えば、「リトグリうぜー!」と思っていた視聴者ほど、このドラマにのめり込んでいたという、ある意味リトマス試験紙的なものだったとも……!?

■『コウノドリ』を降ろされた俳優

 3位は、兎にも角にも女優・綾瀬はるかの魅力が爆発していた『奥様は、取り扱い注意』。ブラッド・ピットとアンジェリーナ・ジョリーが共演した映画『Mr.&Mrs. スミス』(2005)のオマージュとも思える同作ですが、“元特殊工作員の主婦”という役柄を演じた綾瀬のアクションシーンがエロくてたまりませんでした。

 難癖をつけるとすれば、原作・脚本の金城一紀氏が女性視聴者を意識するあまり、レイプや乳がん、女の友情といったフェミ展開を“雑に”盛り込んでいた点が残念……。それを除けば、完成度の高い娯楽作品に仕上がっており、視聴者の満足度も総じて高かったのではないでしょうか?

 4位は、綾野剛が眉と目尻を垂らし、三角形の目で産婦人科医を演じた『コウノドリ』の第2シリーズ。第1シリーズで麻酔科医役を演じた東京03・豊本明長がしれっと降ろされていたのは、濱松恵の暴露の影響でしょうか?

 ハッピーな結末を迎える妊婦キャラが多かったからか、第1シリーズに比べると泣きどころは少なかったものの、第5話の死産展開で号泣する視聴者が続出。

 また、お腹の大きな妻の横でオロオロしている夫役には、ナオト・インティライミや、ゴールデンボンバー・喜矢武豊といった意外なキャストも。劇中で無神経亭主を演じたナオトですが、Twitterでは「#うちのインティライミ」というハッシュタグが散見され、夫の愚痴をこぼすママが相次ぎました。

■『ひよっこ』脚本家ドラマ、謎の激コケ

 7位は、最終回で月9史上最低となる4.6%を記録してしまった篠原涼子主演『民衆の敵』。“市政エンターテインメント”とうたっていた同作ですが、途中からエンターテインメント性は薄れ、地味で説教臭い市議会内の内紛ドラマに。石田ゆり子や高橋一生といった旬の俳優を揃えたものの、「俳優の無駄遣い」感は否めません。

 また、第8話で石田演じるシングルマザーに「恋愛できなかったら、子どもを持つ幸せも諦めなくてはいけないんでしょうか!?」「家族の形はひとつじゃない」などと“精子提供”について語らせていた同作。これって、『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)で話題となった「自分に呪いをかけないで。そんな恐ろしい呪いからはさっさと逃げてしまいなさい!」というセリフ的なフィーバーを狙ったものだったのでしょうか? あまりにも唐突だったため、疑ってしまいます。

 9位は、ディーン・フジオカと武井咲がダブル主演を務めた『今からあなたを脅迫します』。しかし、妊娠中の武井はどんどん登場シーンが減り、劇中ではもはやなんだかよくわからない存在と化していきました。そのせいか否か、日テレでは珍しい大コケぶり。最初からディーンの単独主演であれば、こんな事態にはならなかったかも?

 そんなディーン以上に大コケしたのが、沢村一樹主演で金曜夜8時台に放送された『ユニバーサル広告社』。初回から4.4%と低調だった同作ですが、最終回ではなんと2.9%まで落ち込んでしまいました。

「テレ東のドラマなんてこんなもんだろ?」と思った方、ノンノン。このボロボロぶり、結構見過ごせないんですよ。だって、同枠前クールの小泉孝太郎主演『警視庁ゼロ係~生活安全課なんでも相談室~』は、期間平均7.2%だったんですよ。しかも、NHK連続テレビ小説『ひよっこ』の岡田惠和氏が脚本を手掛けているというのに……。視聴者の満足度は高いようなので、なぜこんなことになってしまったのか、今期最大の謎です。

 そんなわけで、さまざまなネタを提供してくれた秋ドラマ。日刊サイゾーでは、来年も引き続き全話レビュー(http://admin.cyzo.com/review.html)をお届けしますので、暇つぶしに覗いていってくださいね。
(文=どらまっ子TAMOちゃん)