「私にとって恐ろしき存在」江戸川乱歩と横溝正史、知られざる“少年漫画”的な友情

 新年を迎えて、新たな世界を広げたい人へ、本がもっと楽しくなる「読書が捗る本」2冊を紹介したい。

『江戸川乱歩と横溝正史』(集英社/著:中川 右介)
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 『怪人二十面相』シリーズなどで知られる江戸川乱歩と、『八つ墓村』など「金田一」シリーズで知られる横溝正史。どちらも、戦前・戦後にかけて大衆から熱い支持を受けた探偵小説家だ。両氏の作品を読んだことはなくても、探偵役の主人公が「江戸川」「金田一」と名付けられているような漫画を知らない人はほぼいないだろう。小説に限らず、映画や漫画、アニメなど、日本のミステリージャンルには乱歩と横溝両氏が生み出した作品群の影響が、まだまだ色濃く残っている。

 日本の探偵小説界をけん引したこの2人が、友人であり、かつ編集者としてお互いの創作活動を支え、時に苦言も呈するライバルであり続けたことは、あまり多くの人に知られていない。『江戸川乱歩と横溝正史』は、そんな2人の濃密な交友関係に焦点を当て、出会いから最期までどのように影響し合ったか、当時の資料や書簡を丹念に追った評伝だ。

「横溝正史君は私にとって恐ろしき存在である。(略)誰の批評よりも彼の批評が、私には一番ギクンとこたえるのだ」(乱歩)
「『負けるもんか。負けるもんか』とよく言ってましたよ。髭を剃りながらでも顔を洗いながらでも、ご不浄いきながらでもね。しょっちゅう乱歩さん、乱歩さんでしたね」(横溝の妻・孝子の回想)

 通説では、晩年には不仲説もある2人の関係。しかし、本書の丁寧な研究と解説により、乱歩も横溝も、自らが「探偵小説」というジャンルのトップランナーである自負を持ちつつ、お互いを稀有な伴走者として認めていたことがうかがえる。同好の士であるだけに、互いの新作を誰よりも楽しみにしてサポートしながらも、作品に粗があれば指摘せずにはいられなかったのだろう。単純に外野か仲良し/不仲と決めつけるのは難しいが、「二人は互いに相手に読ませようと思って探偵小説をかいていたのではないか――という仮説を唱えたくなるくらい、濃密な関係」であることが垣間見える。

 本書は、両作家のファンでなくても、まるで少年漫画のような2人の関係性自体をエンタメとして、神様の采配の妙を感じつつ楽しむことができるユニークな評伝だ。さらに、乱歩と横溝を中心に据えながら、講談社、早川書房、角川書店(現KADOKAWA)などなど、戦前戦後に立ち上げられた出版社の興亡史であり群像劇にもなっている。作家・編集者ともに濃いキャラクターの面々が織りなす人間ドラマを堪能してしまえば、改めて両氏の名作群に手を伸ばしたくなってしまうだろう。

『洋子さんの本棚』(集英社文庫/著: 小川洋子・平松洋子)
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 岡山県出身、ほぼ同世代で長女として生まれ、18歳で上京して、文筆業を選んだ「洋子さん」2人。『洋子さんの本棚』は、さまざまな共通点のある小説家・小川洋子とエッセイスト・平松洋子が、愛する本を語りながら、人生を振り返る対談集だ。

 「少女時代」「思春期」「家を出た時」「出会い」「老いと死」というテーマに沿って、それぞれが影響を受けた本を持ち寄り、語り合う。子どもの頃に読んだ本や、変化を乗り切ったときに読んだ本についての会話は、自然とその人の考えをあらわにし、相手との距離を密にする。対談を通して、最初は探るような会話をしていた“2人の洋子さん”が徐々に親密になっていく過程を楽しみつつ、時に読者も、自身が忘れていたような本との出会いの記憶を掘り起こされることになるだろう。

 2人が振り返る、文学少女だった子ども時代、思春期に感じた母への違和感、自意識過剰だった思春期。多くの人が経験する普遍的な悩みに、両氏がどのように向き合い、昇華してきたのかが、ユーモアにまぶされた会話から緩く見えてくる。どの世代の女性が読んでも、人生に立ち止まってしまったとき、決して重たくはなく、そっと寄り添ってくれる本を提示してくれる。
(保田夏子)

 

 

サバイバー女子が語る「わたしの包丁恐怖症」克服までの道のり

――虐待を受けた「わたしたち」に残ったものとは? よじれてしまった家族への想いを胸に、果たして、そこに再生の道はあるのだろうか。元・被虐待児=サバイバーである筆者が、自身の体験やサバイバーたちへの取材を元に「児童虐待のリアル」を内側からレポートする。

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包丁を見ただけで片腕が麻痺した学生時代

「ロティは、肉をあぶったり蒸し焼きにすること。ピカタは、小麦粉と卵をまぶして焼いたもの。最近老人ホームでめちゃくちゃ料理してるから、こういうの詳しくなっちゃうんだよね」

渋谷区の美術館に併設されている小洒落たレストラン。メニューをのぞきこみながら、ちょっと得意げに教えてくれたのは、介護職勤務のモーちゃん(仮名・26歳)だ。切れ長の目で話し方もクールな印象だが、笑うとえくぼでできて途端にチャーミングになる。恋人が選んでくれたという柔らかな素材のスカートがよく似合っていた。

認知症高齢者グループホームに勤務。今でこそ一度に20食もの料理をつくることがあるというモーちゃんだが、実は社会人になるまで「包丁」にほとんど触れることができなかった。それどころか肉眼で直視することもできなかったという。「母親に包丁を向けてくる映像が蘇ってきて、とにかく怖かった」とモーちゃんは当時を振り返る。時には片腕が突然麻痺し、ダラリと垂れ下がったまま動かなくなることもあったらしい。彼女もサバイバーだ。母親の顔はどうしても思い出すことができない。

「食」と「虐待」は、サバイバーにとって密接な関わりがある。心の葛藤から拒食症や過食症に陥るケースもあれば、食事と体罰がセットになった結果、食事の時間になると吐き気を催す子どもいる。わたしもそうだった。モーちゃんの場合は食事を与えてもらえなかった、ネグレクトと身体的虐待の併合型である。彼女が「食」を心から楽しめるようになったのは、何がきっかけだったのだろう。

「ごはん」を獲得するために必死だった

父は会社員で母は専業主婦、弟と一緒の4人家族。幼少期は、首都圏のとある住宅街にあるマンションで暮らし、ダイニングにはシャンデリアとカウンターキッチンのある今風のつくりだったという。

「写真を撮るのが父親の趣味だったから、家の中には引きのばした写真がたくさん飾ってあったよ。朝日に照らされた富士山とか、わたしたち子どもの写真もあったかな」

いかにも幸せな家族の城といった様子だが、父親の不在時、そこは恐怖の館に変わる。母親から、「放課後は遊ばずに帰宅して、皿洗いなどの家事を手伝うように」と命じられていたモーちゃんだったが、キッチンから呼び出されたときに少しでも返事が遅いと厳しい罰があったのだ。髪の毛を引っ張られながらフローリングの床を引きずられ、蹴ったり殴られたりしたという。頭をぶつけた床の硬い感触は忘れない。モーちゃんの両足には少し麻痺があったが、容赦はない。母親の気が治まると、無言で夕食の準備を手伝ったそうだ。

どんな理不尽な理由であれ、まだ10歳にもならない子どもにとってオトナの裁きは絶対だ。特に親のつくった法律には必死で合わせようとする。「呼び出しに瞬時に答えられるようにしなければ」とモーちゃんがとった改善策は、常にキッチンに一番近い玄関で待機することだった。しかし、健気な努力が報われることはなかった。母親の暴力は止まず、さらに、手伝いが終わると彼女を玄関に追い出し、キッチンのドアに鍵をかけたという。ガラスの向こうでは、弟がおいしそうにごはんを食べている。その姿をずっと見続けていた。

「つまり、それ以降わたしの食事はなくなったってこと。玄関の脇が父親の書斎だったんだけど、お菓子もらってなんとか食いつないでたよね。父親がいるとき普通にごはんを出してもらえてたけど、学校の給食がなくなる夏休みは、空腹でフラフラになって本当にきつかった」

両親の離婚、自殺願望、自分が自分じゃなくなる感覚

もう限界だと感じたある日、思い切って父親に母親からされてきたことを打ち明けたという。当然のごとく父親は怒り狂い、壮絶な夫婦喧嘩の後で離婚。小学3年生にして、母親や弟と離れ、隣県の父親の実家に引き取られた。「自分のせいで家族が離れ離れになってしまった」と自分を責めたモーちゃんだったが、一番つらかったのは、父方の祖母や伯母たちに「虐待の証拠」として裸の写真を撮られたことだという。

「こんなに痩せて……って泣かれたときに、ようやく自分がされてきたことを認められたんだ。でも、それは同時にすごく惨めな気持ちだった」

胃が縮小していたから、一人前の食事を心置きなく食べられるようになるまで、まる2年かかったそうだ。新しい住まいでは祖母が毎食ごはんを作ってくれた。ようやく安心できる場所に逃げられたと思ったが、その期待は裏切られる。

「実はみんな頭に血が上ると見境がなくなる性格だったらしく、いさかいと暴力の絶えない家だったの。原因はお金の貸し借りとか、いろいろ。わたしはつねられたり突き飛ばされたりする程度だったから、前に比べたら全然マシだったんだけどね。なんかもう疲れちゃって」

高校生のときに、抑えきれない自殺衝動が襲ってきた。家族に精神科受診を希望するも「その必要はない」と拒否され、仕方なく自分のお小遣いをやりくりしてこっそり病院へ通った。うつ状態、PTSD、自分が自分でなくなる感覚――。精神科での治療は、過去のつらい体験をわざわざ詳細に思い出して主治医に話さなければならない。それはセカンドレイプのように、地獄の追体験をさせられるような計り知れない苦痛を伴う。18歳の女の子がたった一人で闘うには、大きすぎる敵だった。

家のキッチンに入ると、包丁をつきつけてくる母親の映像が浮かんできて、左手が麻痺したように感覚を失ったという。大学生になっても、それらの症状が治ることはなかった。

『君はあの家にいたら壊れてしまう。僕がなんとかするから』

そんな先の見えないモーちゃんを救ってくれたのは、共通の知人の紹介で出会ったワタルさん(仮名・35歳)だ。音楽やマンガの趣味がぴたりと合い、自然な流れで交際が始まった。
「彼には家のことも全部話してたんだけど、そしたら『君はあの家にいたら壊れてしまう。僕がなんとかするから』って実家を出ることを勧められたんだよね」

「一人暮らしをする」と言っても家族は許してくれなかったから、二人で計画して準備を進めた。そして、冷たいビル風が切りつける2月のある夜、大学に書類を忘れたふりをしてモーちゃんは家を出た。家族に怪しまれないように携帯電話と財布だけを持ち出して、玄関からは最寄りの駅を目指して無我夢中で走った。

その道を実際に案内してもらった際、モーちゃんは当時の心境を振りかえった。「逃げ切ってやっと彼に会えたときは、うれしいやら悲しいやら、もうぐちゃぐちゃだったよ。実家を捨ててきた罪悪感や安堵感も噴出してさ……、もう言葉にできない……言葉にできないよね」と困ったような顔する。わたしが「それは例えば、小田和正の歌みたいな?」と聞くと、「そうそう!」と鈴を転がしたように笑った。

深刻な話の締めには、笑いを挟むのがモーちゃんの習慣だ。もしかしたら、笑うことで、辛い記憶や直面している課題をどうにかプラスに変えようとしているのかもしれない。

家出後は、友人宅で数日身を隠した。そしてワタルさんの家で同棲生活がはじまる。ワタルさんはパートタイマーの身。質素な生活ではあるが、布団や洋服などの日用品はすべて彼が用意してくれたという。

*

モーちゃんから「婚約者に会わせたい」というLINEがあって、都内のとんかつ料理店で待ち合わせたのは、その年の末だった。

奥の席で並んで座っていた二人は、遅れて入って来たわたしの姿を認めると、かしこまって席を立ちお辞儀をした。ペアルックにも見える黒いセーターが初々しい。ワタルさんは理路整然とした話し方をする頭の良さそうな人だったが、恋人同士の会話には、しばしば幼児言葉が混じっている。今は他人のわたしに気をつかっているが、家では子どものようにじゃれ合っているのだろう。

3人でとんかつを食べる。窯焼きパンをくだいて作ったという衣は、さくさくと軽やかな歯ごたえ。自然に「おいしいね」と笑顔がこぼれた。「安心できる人と場所で」「温かいご飯を」「笑いながら食べる」。多くの人にとっては当たり前のこの日常行為が、一部のサバイバーには手に入らないとさえ思える「夢」なのである。この夢をモーちゃんが手に入れたことの意味は大きい。

同棲生活は、決して楽な道のりではない。心の病を抱えたまま誰かと暮らすためには、「お互いが安心できるためのルール」を構築していく必要があった。古いアパート暮らしで家計も切り詰めている。でも、そこには日々の小さな幸せがある。

今では交流を復活させつつある実家で、モーちゃんが包丁を使う様子を見せてもらった。ぬか漬けのキュウリをテンポよく切る。器に盛ろうと持ち上げると、それらは残念ながらごっそり繋がっていた。「中国の飾り包丁みたいじゃん」とフォローすると、「あるある!」と威勢よく相槌を打ち、また笑う。

まだおぼつかなくはあるが、その手でモーちゃんは今、自分やワタルさん、老人ホームで待つ「じいちゃん、ばあちゃん」のために一生懸命食事をつくる。大切な人とごはんを食べる幸せをかみしめるために。

(文/帆南ふうこ)

NEWS&関ジャニ∞が『SONGS OF TOKYO』に登場! 1月8日(月)ジャニーズアイドル出演情報

――翌日にジャニーズアイドルが出演予定の番組情報をお届けします。見逃さないように、録画予約をお忘れなく!

※一部を除き、首都圏の放送情報を元に構成しています。
※番組編成、及び放送日時は変更になることがあります。最新情報は番組公式サイト等をご確認ください。

●TOKIO

5:50~ 8:00 『ZIP!』(日本テレビ系) 山口達也
8:00~10:25 『白熱ライブビビット』(TBS系) 国分太一
11:25~11:30 『国分太一のおさんぽジャパン』(フジテレビ系) 国分太一
18:55~19:25 『Rの法則』(NHK Eテレ) 山口達也
19:25~19:55 『テストの花道 ニューベンゼミ』(NHK Eテレ) 城島茂

●V6

※『あさイチ』(NHK総合、井ノ原快彦)は放送休止。

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2018年、俳優・浅利陽介がブレーク前夜! “三谷幸喜の秘蔵っ子”はライバルを蹴落とせるか

「彼にとって、あのドラマは相当大きかったんじゃないですかね。続編を手放しで喜んだのは、ここ最近ヒット作のない山下智久クンと浅利陽介クンだと、もっぱらでしたよ」(テレビ局関係者)

 昨年の夏ドラマで一番のヒット作となり、今年の映画公開も決定している『コード・ブルー~ドクターヘリ緊急救命~THE THIRD SEASON』(フジテレビ系)に出演していた俳優の浅利陽介。

「もともと子役から活躍していて、子役時代の代表作は井上真央さん主演の『キッズ・ウォー3』(TBS系)でしたが、その後はこれといった代表作はありませんでした。それが、20歳のときに『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』(フジテレビ系)に出演してからは、大河ドラマ『軍師官兵衛』『真田丸』などにも出演するようになり、脇のキャスティングでもよく名前が挙がるようになりました」(ドラマスタッフ)

 そんな彼の目下のライバルは、池松壮亮や柄本時生、濱田岳、伊藤淳史らだという。

「池松さん、柄本さんとは役柄のキャスティングでよく被るそうです。濱田さん、伊藤さんとは同じ低身長俳優ということでキャスティングのライバルになるそうですよ。ただ、顔は池松さんに負けますし、不気味さの演技では柄本さんに負けますし、そういう意味ではキャラを模索中とも聞きました。今はいろんなキャラを開拓するために落語も始めたり本人もいろいろと考えてはいるようですよ。ただ、あの三谷幸喜さんに気に入られているので、仕事面では安泰だと思いますけどね」(芸能事務所関係者)

 次の代表作は三谷作品になるかもしれない。

2018年、俳優・浅利陽介がブレーク前夜! “三谷幸喜の秘蔵っ子”はライバルを蹴落とせるか

「彼にとって、あのドラマは相当大きかったんじゃないですかね。続編を手放しで喜んだのは、ここ最近ヒット作のない山下智久クンと浅利陽介クンだと、もっぱらでしたよ」(テレビ局関係者)

 昨年の夏ドラマで一番のヒット作となり、今年の映画公開も決定している『コード・ブルー~ドクターヘリ緊急救命~THE THIRD SEASON』(フジテレビ系)に出演していた俳優の浅利陽介。

「もともと子役から活躍していて、子役時代の代表作は井上真央さん主演の『キッズ・ウォー3』(TBS系)でしたが、その後はこれといった代表作はありませんでした。それが、20歳のときに『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』(フジテレビ系)に出演してからは、大河ドラマ『軍師官兵衛』『真田丸』などにも出演するようになり、脇のキャスティングでもよく名前が挙がるようになりました」(ドラマスタッフ)

 そんな彼の目下のライバルは、池松壮亮や柄本時生、濱田岳、伊藤淳史らだという。

「池松さん、柄本さんとは役柄のキャスティングでよく被るそうです。濱田さん、伊藤さんとは同じ低身長俳優ということでキャスティングのライバルになるそうですよ。ただ、顔は池松さんに負けますし、不気味さの演技では柄本さんに負けますし、そういう意味ではキャラを模索中とも聞きました。今はいろんなキャラを開拓するために落語も始めたり本人もいろいろと考えてはいるようですよ。ただ、あの三谷幸喜さんに気に入られているので、仕事面では安泰だと思いますけどね」(芸能事務所関係者)

 次の代表作は三谷作品になるかもしれない。

産科病棟でヘロイン売る新米パパ、不法侵入でスナチャの女子……2017年アメリカおバカニュース

 2017年のアメリカは、異例の低支持率でドナルド・トランプ政権がスタートするなど、年明け早々から幸先が悪かった。激化するデモ、史上最悪の銃乱射事件、ハリウッドや政界における権力者たちのセクハラ問題……国内外でテロの恐怖におびえ、遠く離れた北朝鮮の挑発にも気を揉み、「多様性が大切」と主張する人が多いわりには、差別や格差が一層進んだようにも感じられる、まさに怒涛の1年だった。

 物騒な事件が多く、何度も全米が大きな悲しみに包まれることもあったが、そんな中でもなんともアメリカらしい/アメリカならではのおバカ事件が次々と発生。今回は17年に、アメリカで起こった事件の中から「全米おバカニュース ベスト10」をご紹介しよう!

■クレーマーカップル「チキンが冷めてる!」と店主をボコボコに
 食べることが大好きなアメリカ人は多い。裕福な層には意識高い美食家たちも少なからず存在するが、貧困層は安くて量が多くてお得感満載なファーストフードをこよなく愛す。そのためか、ファーストフード店で「量が少ない!」とクレーマーに豹変し、大騒ぎして逮捕される事件が後を絶たない。そんなクレーマーの中でも史上最悪な事件が6月、複数の米メディアで報じられた。

 事件は、ジョージア州バックスレイにある「クイック・チック」というフライドチキンが売りの小さなレストランで発生した。夫婦でやってきた客が「チキンが冷めてる!」「ポテトの量が少ない!」とクレームをつけ、女性店主は「そういうことなら」と返金する。それでも2人の怒りは収まらず、店の外に出ても怒鳴りまくり、外に出てきた女性店主に罵声を浴びせてボコボコに殴り倒し、止めに入ろうとした店主の娘の顔面にもパンチするという暴れぶりだった。

 2人が殴られている様子は防犯カメラに撮られており、メディアがこぞって放送。その暴行の様子があまりにもひどすぎて、話題騒然となったのだ。

 映像には、でっぷりと太った中年の男がレストランの外で女性店主に罵声を浴びせている様子が映し出されている。音声はないが、中年の男は全身で怒りをあらわにし、怒鳴りまくっている様子がわかる。

 と、次の瞬間、痩せた女が駆け足で現れ、女性店主に殴る蹴るの暴行を開始。手加減なしでボコボコにされ、店主は倒れてしまう。店前に止めてあった車からオーナーの娘(15)が果敢に飛び出して2人に抗議すると、男はなんと娘の顔面にもパンチ! 2人はさっさとその場から逃げ出したが、セキュリティがすぐに駆けつけた。女性セキュリティは号泣する娘をハグし、母である店主もタオルで鼻を押さえながら、あたりの様子を見渡している。

 このクレーマー夫婦は、防犯カメラのおかげで間もなく逮捕。45歳のナサニエル・エリック・スミスと28歳のラターシャ・デニス・スミスという年の差夫婦で、11月に行われた裁判で加重暴行と未成年に対する暴行の罪状を認めた。刑はまだ確定していないが、かなり厳しいものになるのではないかと見られている。

 ボコボコにされた女性店主と顔面パンチされた娘には、地域住民から同情が集まり、その後、店は大繁盛しているそうだ。

 11月16日、ワシントン州オカノガン郡の真っ青な空に、どこからどう見てもいきり立ったチンコにしか見えない雲が出現した。チンコの下にはご丁寧に睾丸も2つ描かれており、目撃者が次々とSNSに投稿。「偶然のチンコ雲なのかしら?」「どう考えても飛行機雲なんだけど、誰がリクエストしたのだろう?」と、ネット上でたちまち話題になった。

 何かとスケールが大きいアメリカでは、プロポーズの言葉を飛行機雲で描いてもらうというサービスがある。奥手な男が意中の女性に「一発やろう」となかなか言えず、飛行機に頼んだのだろうかという妙な臆測も流れたが、その後、なんと海軍が謝罪声明を発表し、全米を驚かせた。海軍のホイットビー・アイランド航空基地に所属するパイロットが、ふざけてこのチンコ形の飛行機雲を描いたというのだ。

 海軍は「不快な思いをさせてしまい、心よりお詫び申し上げる」「このような幼稚で性的ないたずらは、到底容認できない行為」だとパイロットを非難。このパイロットは、飛行停止処分を受けたと報じられた。

■袋詰めのエビをパンツに押し込み、万引を試みた男が逮捕
 ドナルド・トランプ政権樹立後の今年も、アメリカの庶民の暮らしはあまり改善されなかった。社会の底辺で暮らす人たちは、さらに貧しく厳しい状況に追い込まれているとされる。そのため貧しさから食べ物を万引きする事件も、全米で起こっているのだ。
 
 そんな中、11月9日、ペンシルベニア州ドーフィン郡にある食品小売チェーン店ワイス・マーケットで、袋詰めされたエビをパンツに押し込み、何食わぬ顔で店を立ち去ろうとした49歳の男が逮捕されるという、なんともクサそうな事件が報じられた。

 アニバル・バウティスタ・ジュニアという名前のこの男は、複数の袋詰めされたエビをパンツの中に押し込み、隠したつもりになっていたが、不自然な股間の膨らみに店員が気がつき、警察に通報。パンツに隠されていた袋詰めのエビは押収され、男は窃盗罪で逮捕された。

 商品をパンツに隠して万引きするケースはよくあるものの、「生のエビを隠し入れたというのは聞いたことがない」と、地元警察もあきれ返っていたと伝えられている。

 9月9日午後3時すぎ、ウィスコンシン州ソークビルのヒルクレスト・ロードならびにクレアモント・ロードの周辺で「子どもを入れたビニールプールを屋根に載せたミニバンが走っている」と複数の目撃情報が911に寄せられた。

 何かとユルいアメリカの田舎でも、近年ではシートベルトを着用していないドライバーや、飲酒運転に対する取り締まりが厳しく行われている。また、同乗している子どもには、年齢に合わせて適切なチャイルドシートやシートベルトを使用させなければならないという細かい規則があるのだが、シートベルトどころか、走行している車の上に乗せる非常識ぶりに、目撃者たちは驚愕した。

 車を運転していたのは28歳のアンバー・シュマンクという女性。駆けつけた警察官に「プールを運ばなくちゃいけなかったけど、車の中にはスペースがなかったから、上に載せた。でも、そのまま走ると飛んでいってしまうから、9歳になる息子に『プールの上に乗って、きちんと押さえろ』と言ったの」と悪びれることなく説明したという。警察官に「息子が転げ落ちて大けがをする可能性もあったんだぞ」と叱咤されても、「でも、息子と同じ年の頃、アタシもパパに言われて似たようなことしてたし」と罪悪感ゼロだったという。

 アンバーは、第二級無謀運転容疑で逮捕・起訴され、最高で10年間の禁錮刑を受けることになってしまったと報じられている。

■「娘が生まれた! 産科病棟でヘロインを売ろう!」

 10月19日、ペンシルベニア州グリーンズバーグのノースメインストリートで、警察官が停止を銘じた車の中から、薬物摂取器具が発見された。薬物使用の疑いをかけられた運転手は「エクセラ・ウェストモーランド病院の産科病棟の病室で、男からヘロインを買った」と、あっさり自白。警察官がすぐに病院へ行き、問題の病室に入ったところ、確かにそれらしき男がいて「ここで部屋に来る奴らに売った」と、これまたあっさりと罪を認めた。

 男の名前はコーディ・ハルス(25)。なぜ産科病棟にいたかというと、交際相手が自分の赤ん坊を出産したから。ミルク代&オムツ代を稼がなければと思ったのか、注射器やスプーン、ゴムバンド、そして34袋に小分けしたヘロインをポケットにパンパンに詰め込んで、病室に駆けつけたのだ。

 赤ん坊は女の子で無事に生まれたものの、コーディは出産を終えたガールフレンドや生まれたての我が子を見ても神妙な気持ちにはならなかったのか、同じ病室に見舞いに来る人たちに、ヘロインや器具を販売しまくった。ガールフレンドはお産の疲れからかまったく気づいておらず、逮捕後「まさか」と驚いていたと伝えられた。

 コーディは規制物質の販売、規制物質所持、薬物摂取器具の所持、児童福祉を危険にさらした罪で逮捕・起訴された。

 7月16日、911緊急通報センターに、切羽詰まった男から電話がかかってきた。フロリダ州フォート・ウィルトン・ビーチ在住の男からで、内容は車上荒らし被害の通報だった。盗まれたのは現金50ドル(約5600円)とコカイン約7グラム。男は「被害届を出したいから、早く警察を呼んでほしい」と主張した。

 通報を受けて駆けつけたオカルーサ郡警察の保安官に、男は「自分は薬物売人のデヴィッド・ブラックモン。35歳です」と自己紹介。「早く犯人を探してほしい」とイラつく彼を落ち着かせ、保安官が車内を調べたところ、袋に入ったコカイン、クラック・コカインの塊、クラックを吸引するためのパイプなどが見つかり、デヴィッドはコカイン所持・薬物摂取器具所持の容疑で、その場で逮捕された。

 ちなみにデヴィッドは「自分は車両荒らしの被害者なんですよ!?」と納得できず、納得せず暴れたため、逮捕に抵抗した容疑がプラスされることに。なお、彼は「職業・薬物売人」を名乗るだけあり金は持っているらしく、4,000ドル(約45万円)の保釈金を支払い、すぐに釈放された。

■出所目前、刑務官の「もう戻ってくるなよ」にイラッ

 8月下旬、コネチカット州ブリッジポートの刑務所で、出所直前に「もう戻ってくるなよ!」と声をかけた刑務官を殴り、そのまま刑務所へ逆戻りになったアホな男がいたと報じられた。

 男の名はマーカス・コロン、23歳。昨年12月6日、盗難車に乗り込もうとしたところを警察官に目撃され、御用になっていた。盗難車の中からは盗難品が次々と見つかり、スタンフォードで盗難届の出されていたものだと判明。マーカスは窃盗罪と盗難罪で逮捕・起訴され有罪となり、禁錮9カ月の判決を受けた。

 ブリッジポート刑務所に入れられたマーカスは、真面目に刑に服した。その結果、予定通り9カ月で釈放されることになる。8月下旬、釈放手続きを終え、囚人服から私服に着替え、晴れてシャバに出るというその瞬間、刑務所のゲートで刑務官が「もう戻ってくるなよ」と声をかけた。アメリカは、再犯率がとても高い。司法省機関BJSによると、05年に30ヵ所の刑務所から釈放された40万人のうち、68%が3年以内に、77%が5年以内に再び逮捕されているという。とにかく刑務所に舞い戻ってくる輩が多すぎるため、刑務官は釈放される者たちに「もう戻ってくるな」と活を入れることがあるのだ。

 しかし、気分良くシャバに出ようとしていたマーカスは、この言葉にムカッときてしまう。そのまま進めば刑務所の外だというのに、ぐるりと回れ右して、刑務官を殴ってしまったのだ。

 すぐにほかの刑務官に取り押さえられ、催眠スプレーまでかけられ、そのまま刑務所内へと引きずり込まれた。現行犯逮捕された彼は、公務執行妨害、刑務官への暴行、治安紊乱行為で起訴され、さらに長い月日を刑務所で過ごすハメとなった。

 9月19日、テキサス州10大最重要指名手配リストに載っていた18歳のクリストファー・リカルド・ゴンザレスが、ロサンゼルス郊外で逮捕された。リトル・クリストというギャング名で呼ばれていたこの少年は、ストリートギャング「ブラッズ」の構成員で、殺人、強盗の容疑をかけられて逃亡中だった。

 逃亡中の犯罪者というと、息をひそめて潜伏生活を送っているイメージがある。しかし、このクリストファーはSNS命のミレニアル世代。5,000ドル(約56万円)の賞金がかけられている身で、警察に捕まったら重刑は免れないというのに、なんとインスタグラムのライブ配信で、拳銃や武器を見せながら得意げに生中継し始めたのだ。

 彼を追っていたテキサス州ダラスの警察は、当然彼のインスタグラムもマークしており、配信開始後、すぐにロサンゼルス市警に連絡を入れる。GPSもトレースできていたため、覆面捜査官はすぐに彼の居場所を特定した。

 レンタル中のシボレーSUV車内で武器自慢していたクリストファーは、捜査官たちの姿に驚きつつも、迷うことなく逃走を開始する。そして、パトカーとのカーチェイスを繰り広げた挙げ句、電信柱に衝突。車から飛び出し、逃走しかけたところを警察犬に飛びかかられ、御用となった。

 逮捕現場となった庭のオーナーは、「撃ち合いになるかと冷や冷やしたけど、警察はノン・リーサル・ウェポン(催眠スプレーやスタンガンなどの非致死性兵器)で奴を逮捕した。見事なもんだった」と、深夜2時前に繰り広げられた逮捕劇を興奮した口調で地元メディアに伝えた。

■ウォーター・パークに不法侵入して、スナチャで自慢

 サウスカロライナ州最大のウォーター・パーク、マートル・ウェイブス・ウォーター・パークは、流れるプールに滝のプール、アトラクションも満載で、家族で思いっきり楽しめるスポットとして人気を集めている。

 今夏、真夜中に、このマートル・ウェイブスのフェンスを越えて不法侵入した18歳の少女2人が逮捕された。2人は、7月1日午前4時頃壁をよじ登って不法侵入し、スナップチャットにはしゃぎまくる動画を投稿。「これで、全てのウォータースライドを滑り終えたね!」などと騒ぎ、鍵のかかっていないアイスクーラーから、8ドル(約900円)相当のイタリアン・アイスを取り出して食べる姿も配信していた。

 これを見た女性が、「どう見ても不法侵入したとしか思えない」と、3日になって警察に通報。警察はスナチャのユーザー名から犯人を特定、不法侵入と無銭飲食の容疑で、ローガン・ブルック・ラリモアとファレン・マリー・レーンを逮捕した。

 2人はその後、第3級侵入窃盗罪で起訴されたが、軽犯罪ということもあり、すぐに釈放。その後ローガンはTwitterで「誰が警察にタレ込んだのか、白状してくれない?」とツイート。世間は、あまりの図太さに白目をむいた。

■犯人も同じなら通報者も同じ 二度目のコンビニ強盗

 昨年10月30日、メリーランド州ボルチモアのブロードウェイにあるコンビニに強盗が入った。男は商品を購入するふりをして店員に近づき、「レジの金を出せ」と要求。「銃で撃つ」とも脅され、店員が焦ってオタオタしているうちに、犯人は何も盗らずに店を飛び出していった。

 店員はすぐに警察に通報、犯人の顔の特徴などを詳しく伝えたため、、間もなく逮捕につながった。犯人は19歳のエリック・チャップマンという男で、拳銃強盗未遂の容疑で起訴され、禁錮8カ月と2年間の保護観察処分の判決を受けた。

 真面目に刑務所生活を過ごし、6月6日に釈放されたエリックは、その20日後、再びコンビニ強盗を試みる。しかも、事もあろうに、前回逮捕時と同じコンビニに押し入ったのだ。エリックは、今回は「レジを開けろ、さもないと撃つぞ」と書いたピンクの紙を店員に渡した。受け取った店員は、エリックの顔を見てあぜんとした。そう、前回の強盗未遂時に居合わせた店員だったのだ。

 店員はあきれながらも今回は冷静にパニック・アラーム(防犯装置の一種)を押したため、驚いたエリックは一目散に逃走した。地元メディアの取材に対して警察の捜査担当者は、同じコンビニに押し入るアホさにあきれつつ「前回も今回も『拳銃で撃つ』と脅した手口に、本当にうんざりする」と述べ、不法に銃を所持する犯罪者が多すぎることに対し憤りをあらわにした。

覚せい剤使用・密売で服役した元女囚が振り返る「薬物で逮捕された有名人2017」

 覚醒剤の使用や密売などで逮捕起訴され、通算12年を塀の中で過ごした後、その経験を基にさまざまな活動を続ける中野瑠美さんが、女子刑務所の実態を語る「知られざる女子刑務所ライフ」シリーズ。

■2017年目立ったのは「二世」

 2017年は、経営しているラウンジのお仕事とともに、「連載」という初めてのお仕事をいただき、忙しくも充実した1年でした。読んでくださっている皆様、編集部の皆様には本当に感謝しています。

 以前は考えたこともありませんでしたが、最近は有名人と薬物のニュースを見ると、「あ、この人もシャブいっとったんか。よっしゃこれでニュース書いたろ」と喜んでしまう自分がいてます(笑)。編集者さんも「ほんと、出版は他人様の不幸で食べてますよね」と苦笑していました。私なんかシャブでムショに行った自分のこともネタにしてるんですから、なんとも因果な商売です。でも、本業のラウンジ経営はお客様を癒やすお仕事ですから、バランス取れてるかなーとか勝手に思うてます(笑)。

 思えば昨年も薬物による有名人の逮捕は多かったですね。元「KAT-TUN」田中聖の大麻所持は不起訴になりましたが、あとは「二世」の事件が目立ちました。俳優・橋爪功の息子、作家で環境保護活動家・C・W・ニコルの娘、ものまねタレント・清水アキラの息子といろいろでしたね。このほか、私の地元大阪では「大物議員の二世逮捕」のウワサもあったものの、いつの間にか消えています。

 以前も書かせていただきましたが、「親が有名人だから」といって、いいトシをした「子ども」の不祥事について親を非難するというのは、どうなんですかね。親が記者会見までやって謝る必要があるんかなあと思ってしまいます。

 親に全く責任がないとはいいませんが、24時間の監視はムリですし、結局は本人の問題です。本人が気づかなければ一生治りませんよ。私もそうでしたが、程度はともかく、誰だって迷って悪いことに手を出すことはありますやんか。それを全部「親のせい」にするのはアカンですよ。

 そういえば、子どもではなく浅野忠信の「おとん」の例もありました。なんと前科もあったそうで、驚きですが、浅野さんの絶妙なフォローが話題になりましたね。ちなみにムショでは、「大物ヤクザの娘」とかはやっぱり知られていて、そういう「二世」は何度か見かけましたが、有名人の子どもは見たことなかったです。

 このほか元スノーボーダーや山梨県の村議、ヒップホップの「ヒルクライム」(DJ KATSU)などもいてましたね。私はやめられたので言いますけど、有名人が薬物で逮捕されるとどうなるのかは百も承知でしょうに、まだ薬物をやってる人がいるとは驚きですが、でも薬物とは、確かにそれくらい根深いものなんです。

 でも、ワタクシ的にやっぱりショックだったのは、16年の清原和博の逮捕です。高校球児の時から家族みんながファンで、よく応援に行ってたんです。私がようやくシャブを卒業して、仕事が順調になりはじめた頃の逮捕だったので、余計につらかったです。家族が逮捕されたくらい大きなショックを受けました。

 今のオーラのない清原の姿もちょっと衝撃ですけど、まずは「シャブ卒」を信じてます。「シャブ卒」といえば、私が最後に逮捕された時は、「もう逃げなくてええんや……」とむしろほっとしたものです。塀の中ではシャブは使えませんから、「逮捕(パク)られた時がシャブやめる時」なんです。あとは自分次第ですね。支えてくださる方がいれば、立ち直りも早いです。

 思えば、この年はASKAや元NHKの歌のお兄さん(杉田光央)、高知東生などもシャブで逮捕られていますし、のりピーこと酒井法子の元夫・高相祐一(危険ドラッグ)、高樹沙耶(大麻)などもいました。「コカイン疑惑」が話題になった成宮寛貴は、今は海外在住らしいですね。

 なんか16年のほうが、メンバーは豪華な気がしますけど、18年はどうでしょうか? 何度も逮捕がウワサされている有名人さんたちは、逃げ切れるんですかね。もちろん逮捕ではなく、薬物の常用から逃げる、ということです。ホンマに(笑)。

 シャブを卒業できた私ですから、いつでも相談に乗りますよ。

中野瑠美(なかの・るみ)
1972年大阪・堺市生まれ。特技は料理。趣味はジェットスキーとゴルフ。『ダウンタウンなう』(フジテレビ系)や『新・情報7daysニュースキャスター』(TBS系)などへの出演でも注目を集める。経営するラウンジ「祭(まつり)

決着してないぞ!! エロ同人誌は大丈夫なのか……2020年“コミケ5月開催”で広まる新たな懸念

 問題は決着せず、新たな問題が浮上した。

 2020年東京オリンピックの影響で、東京ビッグサイトの使用が制限され、多数の産業に影響が生じると危惧されている問題。

 その中で、コミックマーケットは2020年の夏コミを5月に前倒しして開催することを表明した。これは、小池百合子都知事が9月の会見で「2020年の5月1~5日をコミケ関連で使えるように調整する」と述べたのを受けてのもの。

 昨年12月23日に明らかにされた内容では、この期間に『DOUJIN JAPAN 2020(仮)・コミックマーケット98』を、コミックマーケット準備会のほか、赤ブーブー通信社、COMIC1準備会、コミティア実行委員会、スタジオYOU、博麗神社社務所、character1 JAPANの合同で開催するというのである。

 これを受けて一部のメディアは「コミケ問題決着」と報道。しかし、これに対しては猛反発が寄せられた。これまでの東京ビッグサイトの利用制限問題を追っていれば、何も問題が解決していないことは明白だからである。

 これまで報じている通り、東京ビッグサイトの使用制限をめぐっては、関連産業から商談の機会を奪われる、仕事そのものがなくなるなど、猛烈な反発が生まれている。そして、問題は解決を見ないまま、東京ビッグサイト側が提示した利用制限期間と代替会場の提案を飲むしかないところに追い込まれている。

 問題は、コミケに限ったものではないのだ。あたかも問題が解決したかのように喧伝する一部報道の不見識は批難されても当然だろう。

 そして『DOUJIN JAPAN 2020(仮)・コミックマーケット98』の座組をめぐって、さっそく懸念も生じている。

 オタク議員として知られる、大田区のおぎの稔区議は、この報道を受けて「これではエロもグロも書けなくなって、人が住めなくなる」と指摘している。

 おぎの区議が懸念しているのは、過去、公共施設を利用した同人誌即売会で当初は問題にされていなかったエロ表現を扱った同人誌などが突如、頒布を禁止されて事例が多数あること。東京オリンピック直前という時期での開催にあたり、それらの表現が突如、行政や国家権力から横やりを入れられる可能性は十分にあり得る。

 さらに、この『DOUJIN JAPAN 2020(仮)・コミックマーケット98』が、コミックマーケット準備会のほか、企業・団体の協同で開催されること。同人誌に詳しい人ならば理解していると思うが、コミックマーケット準備会と、その他の関係各所は、それぞれにエロ表現など「表現の自由」へのスタンスがまったく異なる。そして、いくつかの企業や団体は、即売会の中で「表現の自由」の在り方をめぐって、激しく火花を散らしてきた経緯がある。

「現状は枠組みを決めただけ、これから具体的にどう運営していくかを決めるのですが……規制が強まる事態にはならないとは思っています」(ある参加団体のスタッフ)

 東京オリンピックを前に余計に注目を集める時期だけに、各企業・団体の「表現の自由」への覚悟が見えることになるだろう。

 なお、この変則的なコミケ開催による同人印刷業などへの影響については、取材中なので、また改めて報告する。
(文=昼間たかし)

決着してないぞ!! エロ同人誌は大丈夫なのか……2020年“コミケ5月開催”で広まる新たな懸念

 問題は決着せず、新たな問題が浮上した。

 2020年東京オリンピックの影響で、東京ビッグサイトの使用が制限され、多数の産業に影響が生じると危惧されている問題。

 その中で、コミックマーケットは2020年の夏コミを5月に前倒しして開催することを表明した。これは、小池百合子都知事が9月の会見で「2020年の5月1~5日をコミケ関連で使えるように調整する」と述べたのを受けてのもの。

 昨年12月23日に明らかにされた内容では、この期間に『DOUJIN JAPAN 2020(仮)・コミックマーケット98』を、コミックマーケット準備会のほか、赤ブーブー通信社、COMIC1準備会、コミティア実行委員会、スタジオYOU、博麗神社社務所、character1 JAPANの合同で開催するというのである。

 これを受けて一部のメディアは「コミケ問題決着」と報道。しかし、これに対しては猛反発が寄せられた。これまでの東京ビッグサイトの利用制限問題を追っていれば、何も問題が解決していないことは明白だからである。

 これまで報じている通り、東京ビッグサイトの使用制限をめぐっては、関連産業から商談の機会を奪われる、仕事そのものがなくなるなど、猛烈な反発が生まれている。そして、問題は解決を見ないまま、東京ビッグサイト側が提示した利用制限期間と代替会場の提案を飲むしかないところに追い込まれている。

 問題は、コミケに限ったものではないのだ。あたかも問題が解決したかのように喧伝する一部報道の不見識は批難されても当然だろう。

 そして『DOUJIN JAPAN 2020(仮)・コミックマーケット98』の座組をめぐって、さっそく懸念も生じている。

 オタク議員として知られる、大田区のおぎの稔区議は、この報道を受けて「これではエロもグロも書けなくなって、人が住めなくなる」と指摘している。

 おぎの区議が懸念しているのは、過去、公共施設を利用した同人誌即売会で当初は問題にされていなかったエロ表現を扱った同人誌などが突如、頒布を禁止されて事例が多数あること。東京オリンピック直前という時期での開催にあたり、それらの表現が突如、行政や国家権力から横やりを入れられる可能性は十分にあり得る。

 さらに、この『DOUJIN JAPAN 2020(仮)・コミックマーケット98』が、コミックマーケット準備会のほか、企業・団体の協同で開催されること。同人誌に詳しい人ならば理解していると思うが、コミックマーケット準備会と、その他の関係各所は、それぞれにエロ表現など「表現の自由」へのスタンスがまったく異なる。そして、いくつかの企業や団体は、即売会の中で「表現の自由」の在り方をめぐって、激しく火花を散らしてきた経緯がある。

「現状は枠組みを決めただけ、これから具体的にどう運営していくかを決めるのですが……規制が強まる事態にはならないとは思っています」(ある参加団体のスタッフ)

 東京オリンピックを前に余計に注目を集める時期だけに、各企業・団体の「表現の自由」への覚悟が見えることになるだろう。

 なお、この変則的なコミケ開催による同人印刷業などへの影響については、取材中なので、また改めて報告する。
(文=昼間たかし)